JP4254367B2 - 転写シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造、改ざん、又は、秘密にされるべき情報の盗み読み、等の不正の防止対策や、万一そのような不正が心配されても不正の有無の判別を容易とする対策、これらの対策を必要とされる技術分野に関係する[本明細書ではこれらの対策を偽造防止対策と総称する]。
【0002】
より詳しくは、例えば、商品券やクレジットカード等の有価証券類の偽造防止対策とか、ブランド品や高級品等の一般に高価なものへ適用希望が多い真正品であることの証明をする為の偽造防止対策、これらのニーズに好適な技術、また、デザインによっては装飾性にも優れた視覚効果を得られる技術であって、OVDとの組合せでよりいっそう高い効果を得られる偽造防止転写シート及びその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、光学効果を発現させる技術の例として、反射光同士の干渉やこの反射光の分散を用いて立体画像や特殊な装飾画像とかあるいは特殊な色の変化などを表現し得るホログラムや回折格子、また、光学特性の異なる薄膜を光学的に適当な多層に重ねることによって見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる多層薄膜、等々の技術を利用した、いわゆるOVDが利用されている。[OVDは、”Optical(ly) Variable Device”の略。尚、OVDの同義語にDOVIDもあり、”Diffractive Optical(ly) Variable Imaging Device”の略である。]。
【0004】
尚、色の変化について云えば、材料自体による特定波長の色光の吸収に頼ることなく、OVDの材料や構造に起因して色を呈しまた色が変化する現象があり、光の波長によって光自体の性質が異なることに由来している。本明細書中ではこのような色を構造色と称している。構造色の発現に関わる光学現象としては、多層膜干渉、薄膜干渉、屈折、分散、光散乱、Mie散乱、回折、回折格子、等がある。これらOVDには、真空蒸着やスパッタリング等の真空成膜技術で形成された膜厚1μm以下の光学薄膜が利用されることが多い。
【0005】
このOVDは高度な製造技術を要すること、独特な視覚効果を有し、一瞥で真偽が判定できることから有効な偽造防止手段としてクレジットカード、有価証券、証明書類等の一部にあるいは全面に形成され使用されている。最近では、有価証券以外にもスポーツ用品やコンピュータ部品をはじめとする電気製品ソフトウエアー等に貼り付けられ、その製品の真正さを証明する認証シールや、それら商品のパッケージに貼りつけられる封印シールとしても広く使われるようになってきた。
【0006】
このようにOVDは一般に精巧な偽造が難しく確認が容易な偽造防止手段であるが、商品券や紙幣、パスポート、若しくは株券等の紙媒体に添付する場合には張り替えが容易でない熱転写方式が多くの場合採用されている。熱転写されたOVDを張り替えようとすると、このOVDに利用されている光学薄膜が物理的に破壊されてしまい、本来の視覚効果が損なわれるため、その張替えの痕が歴然と残るのである。
【0007】
しかしながら、この様に、従来からホログラム等の転写シートを用いて被転写材上に形成する場合、転写時の熱や圧力により転写シートに私用されている樹脂が収縮又は膨張し、この収縮・膨張についていくことのできない光学薄膜に細かいひび割れが生じて、その結果、光学薄膜が白化するという問題があった。
【0008】
この問題に対し、転写時の熱に対して優れた効果を発揮するホログラム転写シートが提案されている[例えば特許文献1]。 これは、光学薄膜と接着層との間に熱硬化性樹脂による耐熱保護層を設けることにより、上記収縮・膨張を防止し、光学薄膜の白化を防止するものである。
【0009】
【特許文献1】
特公平7−92635号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の場合確かに転写時の熱白化防止に対して有効な手段であるが、転写された後の耐熱性に関しては考慮されていない。従来からのカード類へ添付される場合(多くの場合塩化ビニル製カード)には、被転写材(カード)の耐熱性(ガラス転移温度:70℃前後)が比較的低く、高温にさらされることがないため、転写後の耐熱性は考慮する必要がなかった。
【0011】
近年になり、紙媒体への転写が主流と変わりつつあり、特に商品券や紙幣を例に挙げると、サイフやポケットに入れておいたまま気づかずに洗濯してしまうことがある。この場合、多くの使用者はアイロンがけを行い再生を試みると想定される。また、流通の経路や使用者の取り扱いにより皺が発生した場合にも、アイロンがけを行い、皺伸ばしをする場合がある。
【0012】
アイロンの表面温度は高温設定において、150℃〜250℃(平均200℃)であり、当て布越しにアイロンが適用されること、及び水分の蒸発によって熱損失がおきることを考慮しても、光学薄膜の到達温度は150℃程度と見積もることができ、皺伸ばし等で直接アイロンがけを行う場合には、200℃程度と見積もることができる。
【0013】
従来例[特許文献1]にある、熱硬化性アクリル樹脂や熱硬化性ウレタン樹脂の場合、ガラス転移温度が−20℃〜105℃(硬化前)程度であり、硬化後のガラス転移温度は、せいぜい120〜130℃が実用上限界である。硬化度の大きい(反応性の高い)材料を使用したり、高温長時間処理を行って、ガラス転移温度が140℃近辺の硬化膜を得ることも可能であるが、硬化時の収縮(体積変化)やフィルム基材の変形により光学薄膜を歪ませることとなり、本来の目的から大きく逸脱することとなる。また、熱硬化性樹脂は硬化剤を併用することにより実現されるものであるが、他の層(例えば、光学薄膜や接着層)との接着性を付与するための官能基が硬化剤との反応プロセスにより失われ、後に層間剥離を引き起こす等のトラブルも発生している。
【0014】
また、保護層上に直接アイロンがけを行うと、保護層を構成する樹脂が軟化・溶融し、アイロン表面に付着後、ホログラムを破壊することになる。
【0015】
この様に、使用者の不注意であるにしても、偽造防止用に添付されたOVD媒体が、日常生活で起こり得る可能性のある行為によって変形してしまったり、極端な例を言えば破壊・消失してしまったりすることは好ましくない。その結果、真正の有価証券類が偽造と誤解されることとなりかねないのである。有価証券の偽造は犯罪であるから、善良なる使用者が犯罪者との誤解を受けるなどの被害を被ることは絶対に避けねばならないのである。
【0016】
本発明は従来の技術が抱える前記問題点に鑑み提案されたものであり、転写された後の耐熱性(アイロン掛けによる150〜250℃(平均200℃)程度の熱がかかった場合[日常生活で起こりうる可能性もある]であっても、本来の視覚効果が損なわれることなく、また皺とか白濁の発生もなく、しかも、転写層は本来の視覚効果を部分的に発現できるようデザインされていて被転写体に意匠性に富む外観を転写シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決する為の手段】
前記課題を解決するために本発明が提供する手段を次に挙げる。
まず請求項1に示す発明は、シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、
該支持体から剥離が可能な耐熱性保護層、回折光を発生させるための微小な凹凸面を有する透明な回折構造形成層、前記凹凸面の凹凸に密着して設けられた光学薄膜から成り、該回折構造形成層を透過してきた光を反射させる回折効果層、該回折効果層を被覆して設けてある耐熱マスク層、該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、とを具備して構成される転写シートであって、前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シートである。
【0018】
請求項2に示す発明は、前記回折構造形成層が、上記微小な凹凸面を部分的に有することを特徴とする請求項1に記載の転写シートである。
【0019】
請求項3に示す発明は、前記耐熱マスク層が、前記光学薄膜のエッチング液である酸若しくはアルカリに対する耐性を有していることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の転写シートである。
【0020】
請求項4に示す発明は、前記耐熱マスク層が、ガラス転移温度が150℃以上である樹脂成分を60%以上含んでいることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転写シートである。
【0021】
請求項5に示す発明は、前記光学薄膜が光を反射する金属反射膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写シートである。
【0022】
請求項6に示す発明は、前記光学薄膜が、前記回折構造形成層よりも屈折率が高く、光の透過性を有する透明反射膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写シートである。
【0023】
請求項7に示す発明は、前記光学薄膜が、金属反射膜と、前記回折構造形成層よりも屈折率が高く光の透過性を有する透明反射膜との2種類以上の薄膜から構成されており、
該透明反射膜が存在し且つ金属反射膜の存在しない領域を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写シートである。
【0024】
請求項8に示す発明は、シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、該支持体から剥離が可能な耐熱性保護層、部分的に設けられた光学薄膜から成り、この光学薄膜から構造色を有する色光を発生させるOVD層、該OVD層を被覆して設けてある耐熱マスク層、該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、とを具備して構成される転写シートであって、前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シートである。
【0025】
請求項9に示す発明は、シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、該支持体から剥離が可能であり、且つ、ガラス転移温度が200℃以上である樹脂から構成される耐熱性保護層、回折光を発生させるための微小な凹凸面を有する透明な回折構造形成層、前記凹凸面の凹凸に密着して設けられた光学薄膜から成り、該回折構造形成層を透過してきた光を反射させて着色光の発生に関わる回折効果層、該回折効果層を被覆して設けてある耐熱マスク層、該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、とを具備して構成される転写シートであって、前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シートの製造方法である。
【0026】
請求項10に示す発明は、前記回折構造形成層が、上記微小な凹凸面を部分的に有することを特徴とする請求項9に記載の転写シートの製造方法である。
【0027】
請求項11に示す発明は、シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、該支持体から剥離が可能である樹脂から構成される耐熱性保護層、部分的に設けられた光学薄膜から成り、この光学薄膜から構造色を有する色光を発生させるOVD層、該OVD層を被覆して設けてある耐熱マスク層、該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、とを積層することを特徴とし、前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シートの製造方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1、図2及び図3は、本発明に係る転写シートの一実施形態を示す断面図である。
【0029】
図1〜図3に示したように、本発明による転写シートは、少なくとも、シート状の支持体1上に耐熱性保護層2、回折光を発生させるための微少な凹凸面を有する回折構造形成層3、部分的に設けられた回折効果層4、耐熱マスク層5、接着層6が少なくとも設けられたことを特徴とした構成である。なお、回折効果層4は、真空蒸着法、スパッタリング法等の薄膜形成方法によって形成された光学薄膜であって、この回折効果層4により構造色を有する色光である回折光を発生させる。
【0030】
この転写シートを用いれば、ホットスタンプ等の手段を用いて、様々な物品から成る被転写材に対してかなりの自由度をもって、ほぼ任意の形状に形成可能となる。すなわち、被転写材に対し接着層6が接触するように転写シートを重ね、熱および圧を与えることによって接着させた後、不要な支持体1を剥してしまうことにより、偽造防止用の媒体を形成することが可能となる(図示せず)。
【0031】
支持体1としては厚みが安定しており、かつ各層の塗布乾燥の際の熱に耐えられる耐熱性を有するポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いるのが一般的であるが、これに限るものではない。その他の材料としては、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム等が耐熱性の高いフィルムとして知られており、同様の目的で使用することが可能である。また、他のフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、耐熱塩化ビニル等の材料でも、塗液の塗工条件、さらに言えば乾燥条件が許せば使用可能である。
【0032】
また、転写条件等により耐熱性保護層2の剥離が困難である場合には、支持体側に別途従来既知の離形層を設けても良く、剥離強度が小さすぎて、不用意に剥離してしまう場合には既知の易接着処理を行って剥離強度を調整しても良い。また、転写層への影響が無い限りは、帯電防止処理やマット加工、エンボス処理等の加工も何ら問題は無い。
【0033】
耐熱性保護層2は、本発明において最も重要な層であって、支持体1から剥がれる層であり、さらに云えば、剥離した後は回折構造形成層3の上を覆うように形成されていることになって、機械的損傷や携帯時の擦り等の外部損傷、生活物質(酒、水等)に対する耐性を備え、外的要因(特に本発明においては、アイロン耐性)による損傷を保護する役目も兼ねている。
【0034】
上記の目的を達成するために、筆者らの鋭意研究の結果、耐熱保護層の材料は、ガラス転移温度が200℃以上である熱可塑性樹脂を使用することが重要であるとの結論に至った。ガラス転移温度が200℃未満であると、アイロン等の熱がかかった場合に、結晶状態を保つことができずに耐熱保護層自体が軟化・溶融し、破壊されてしまうからである。中でも、500nm波長における光線透過率が60%以上である樹脂が好ましく使用できる。波長500nmにおける光線透過率が60%未満であった場合には、着色や不透明度によりOVD画像としての認識が困難となる。ここで、光線透過率は厚み10μmにおける分光光度計の測定値で規定される値である。
【0035】
耐熱保護層中には、耐摩擦性を付与する目的で従来既知の滑剤を20重量部まで添加することが可能である。ここでは、滑剤に対する限定は行わない。
【0036】
次に、ガラス転移温度200℃以上の樹脂としては、汎用溶剤に溶解(エマルジョン型の場合には分散)可能であり、熱可塑性の樹脂であることが好ましい。ここで、使用可能な樹脂としては、ポリエーテルスルホン樹脂(Tg.225℃)、ポリエーテルイミド樹脂(Tg.200℃以上)、ポリアミドイミド樹脂(Tg.200℃以上)、ポリイミド樹脂(Tg.250℃以上)等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。なお、これらの樹脂の500nm波長における光線透過率は、一般に60%以上であるが、ポリアミドイミド樹脂やポリイミド樹脂は、イミド結合が多いと光線透過率が60%未満となることがあるから、適宜選択して使用することが好ましい。その他、硬化の際に光学薄膜を白化させないものであれば、熱硬化系、湿気硬化系、紫外線硬化系、電子線硬化系樹脂等を使用しても良い。
【0037】
回折構造形成層3は、その表面に回折格子を構成する凹凸を付与し、この上に、かつ、この凹凸に沿って設けられる回折効果層4に凹凸を付与するものである。そして、回折効果層4の凹凸表面で反射された回折光は互いに干渉して構造色を有するに至る。一般に、この回折現象によって得られる構造色は、観察者の位置によって異なる色彩を有する。
【0038】
回折構造形成層3は、その表面にプレス版にて前記凹凸を成形することが可能であるという性能が要求され、その主となる材質は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂のいずれであっても良い。
【0039】
回折構造形成層3に使用可能な材料は、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加、架橋したウレタン樹脂や、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬化樹脂、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等の紫外線あるいは電子線硬化樹脂を、単独もしくはこれらを複合して使用できる。また、前記以外のものであっても、前記凹凸を形成可能であれば適宜使用してよい。
【0040】
一方、微細凹凸形状を構成する回折格子としては、可干渉な二光線を干渉させて得られる干渉縞を感光材料に感光させるホログラフィ技術が利用できる。このホログラフィ技術によって、例えば、上記構造色を制御して、奥行き感のある立体的画像を構成することが可能である。
【0041】
また、微小な画素毎にホログラフィ技術を適用して回折格子を形成し、これら回折格子を有する画素を多数配列して画面全体を構成することにより、高い輝感とコントラストを有する画像を表現することも可能である。なお、ホログラフィ技術に限らず、電子線により感光材料に回折格子を直接描画することにより、回折格子を有する前記画素を設けることも可能である。
【0042】
なお、回折格子を有する画素をそれぞれ適当な形状(例えば、星型、等)で形成する手法や、これら画素で肉眼では見えない細かな文字(いわゆるマイクロ文字)を形成する手法、回折格子を使用していながらあたかも写真のように被写体の色彩を忠実に再現する手法、あるいは、回折格子を使用して、見る角度によって全く違う複数の画像を表現する手法等が開発されており、これら手法を利用することもできる。
【0043】
回折効果層4は、前述のように、前記凹凸表面で入射光を反射回折させるもので、反射された回折光は互いに干渉して構造色を有するに至る。回折効果層4としては、金属反射膜7と透明反射膜8のどちらか1種若しくは2種の複合(図3a、図3b、図3c)膜が利用できる。いずれの場合にも、真空中で薄膜を付着形成させる真空成膜技術で形成することが望ましい。真空成膜法で形成された回折効果層4は、高輝度の回折光を発生して明瞭な構造色を再現できるからである。成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、あるいは化学的薄膜形成法(CVD法)などが適用できる。真空成膜法で形成された回折効果層4の膜厚は5〜1000nmであり、このため、被転写材に転写された後、これを剥がそうとすると物理的に破壊され、被転写材の偽造を防止することができる。
【0044】
回折効果層4に用いる材料を例示すると、金属反射膜7の場合、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、又は、Au、等の金属材料の単体か、若しくは、その化合物が挙げられる。
【0045】
透明反射膜8の回折効果層4の材料には、回折構造形成層3のレリーフ形成面を構成する材料よりも屈折率が高い高屈折率材料を使用する必要がある。その屈折率の差は、好ましくは、0.2以上である。屈折率の差を0.2以上取ることによって、回折構造形成層3との界面で屈折及び反射が起こり、透光性を有しつつ良好な光反射によって構造色を得ることができる。つまり、視覚的に実効性の高いホログラム(又は回折格子)を得ることができる。
【0046】
透明反射膜8の回折効果層4の材料としては、例えば、Sb2O3(3.0)、Fe2O3(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbC12(2.3)、CdO(2.2)、Sb2O3(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si2O3(2.5)、In2O3(2.0)、PbO(2.6)、Ta2O3(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO(1.6)、Si2O2(1.5)、MgF2(1.4)、CeF3(1.6)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1.6)、Al2O3(1.6)、GaO(1.7)、等がが使用可能である。
【0047】
なお、真空成膜法以外の方法で前記回折効果層4を形成することもできる。回折効果層4が金属反射膜である場合には、例えば、アルミニウムや真鍮を500nm以下に微粉砕し、バインダー樹脂に分散して作成された高輝性光反射インキを塗布又は印刷して回折効果層4を形成しても良い。塗布・印刷手段としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の公知印刷手段が適用できる。このような印刷方式にて回折効果層4を設ける場合には、乾燥後の膜厚が0.1〜10μm程度になるように調整すれば良い。
【0048】
また、回折効果層4が透明反射膜である場合には、粒子径が500nm以下、屈折率2.0以上の高屈折微粉末材料をバインダー樹脂中に分散して得られる高輝性光透過インキを塗布又は印刷して透明反射膜を形成することができる。
【0049】
なお、回折効果層4を部分的に設けることもできる。回折効果層4を部分的に設ける際にはその手法としては以下の手法が利用できる。
【0050】
すなわち、回折構造形成層3上に、溶剤溶解性の樹脂を所望のパターンをネガパターンに形成、金属薄膜を設けた後、溶解性樹脂とその部分の金属薄膜層を溶剤(例えば、水)にて洗浄し除去する手法や、回折効果層4上に耐酸あるいは耐アルカリ性樹脂を用いてポジパターンを印刷した後、金属薄膜を酸やアルカリでエッチングする方法が挙げられる。さらには露光することによって、溶解するあるいは溶解し難くなる感光性樹脂材料を塗布し、所望のパターン状のマスク越しに露光した後、感光性樹脂材料の不要部分を洗浄して除去し、次にこの除去部分から露出した回折効果層4をエッチングで除去する手法が挙げられる。なお、感光性樹脂材料の不要部分と回折効果層4とは、一工程で同時に除去することも可能である。
【0051】
また、回折構造形成層3上に密着の悪い樹脂をパターン状に形成、回折効果層4を設けた後、粘着ロール等に通過させ、前記密着の悪い樹脂形成部分の回折効果層4を除去する手法や、蒸着装置の釜内にマスク部を設け部分的に薄膜形成することも可能である。また、レーザー光などで回折効果層4を焼くことにより物理的に除去する手法なども可能な例として挙げられる。以上は一例であり、これらに限定されるものではなく、公知の部分的に金属薄膜を形成する技術であれば適宜利用可能である。
【0052】
以上の部分的に設けた回折効果層は、例えば、明確な意味を持たないランダムなパターンでも良いが、任意の絵柄、図形、模様、文字、数字、記号、等を適宜用いたパターンである情報パターンに形成することにより、適宜に情報を付与させることも可能である。
【0053】
更に、光反射膜7及び光透過膜8の複数層(2以上)の組合せによって回折効果層を構成することもできる。
【0054】
図3bに示す転写シートはこのような実施形態であって、金属反射膜7を部分的に設け、この金属反射膜7を被覆して全面に透明反射膜8を設けたものである。この実施形態では、
該透明反射膜8が存在し且つ金属反射膜7の存在しない領域が存在するため、この領域で透明反射膜8による反射回折光が観察できると共に透視することが可能であり、他方金属反射膜7の存在する領域では金属反射膜7による反射回折光が観察でき透視は不可能である。
【0055】
また、図3cはに示す転写シートは全面に透明反射膜8を設け、この透明反射膜8上に金属反射膜7を部分的に設けた実施形態である。この実施形態においても、図3bに示す実施形態と同様に、該透明反射膜8が存在し且つ金属反射膜7の存在しない領域が存在するため、この領域で透明反射膜8による反射回折光が観察できると共に透視することが可能であり、他方金属反射膜7の存在する領域では金属反射膜7による反射回折光が観察でき透視は不可能である。
【0056】
次に耐熱マスク層5について説明する。耐熱マスク層5は、本発明において最も重要な第二の層であり、前記回折構造形成層3及び回折効果層4のレリーフ形状を、日常生活において起こりうる可能性のある外部からの熱的要因(例えばアイロンがけ)を受けた場合においても、上述した耐熱保護層と共にレリーフ形状を維持する役割を果たす。 上記の目的を達成するために、筆者らの鋭意研究の結果、耐熱マスク層の材料には、ガラス転移温度が150℃以上である樹脂成分を60%以上含むことが重要であるとの結論に至った。ガラス転移温度が150℃未満であると、アイロン等の熱がかかった場合に、結晶状態を保つことができずに耐熱マスク層自体が軟化し、レリーフ形状を維持することができない。耐熱マスク層には、ガラス転移温度150℃以上の樹脂以外に40%まで、従来既知の各種フィラー、充填剤、着色剤等を混ぜることができる。ここでは、特に材質に関しては限定しない。添加量に関して説明をすると、40%を超えて着色剤等を添加した場合、分散性が悪く塗膜強度が低下するため耐熱性が劣る結果となる。また、印刷適性が悪い(塗液の流動性や版乾き等)、塗液の保存性(沈降、凝集等)が悪いなどの理由が挙げられる。添加量の40%は、単純な重量比のことでは無く、比重を1と換算した場合の比率である。例えば、白色顔料である沈降性硫酸バリウム(比重5.5)を添加する場合には、比重1の樹脂成分60重量部に対して、220重量部まで添加することが可能である。
【0057】
次に、ガラス転移温度150℃以上の樹脂としては、汎用溶剤に溶解(若しくは分散:エマルジョン型)可能であり、熱可塑性の樹脂であることが好ましい。ここで、使用可能な樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(Tg.140〜150℃)、ポリアリレート樹脂(Tg.193℃)、ポリスルホン樹脂(Tg.190℃)、ポリエーテルスルホン樹脂(Tg.225℃)、ポリエーテルイミド樹脂(Tg.200℃以上)、環状ポリオレフィン共重合体(Tg.171℃)、変性ノルボルネン系樹脂(Tg.171℃)、ポリアミドイミド樹脂(Tg.200℃以上)、ポリイミド樹脂(Tg.250℃以上)等を挙げることができるが、これに限定されるものでは無い。その他、収縮等の問題無き場合には、熱硬化系、湿気硬化系、紫外線硬化系、電子線硬化系樹脂等を使用しても良い。
【0058】
耐熱マスク層5としては、酸やアルカリに対する耐久性を持っていることが好ましい。その理由としては、上述した回折効果層4を部分的に設ける手段として、耐熱マスク層5を設けた後にエッチング処理を施すと効率が良いからである(図1、図2の構成)。一般的な、エッチング手法として一例を挙げると、40〜50℃程度に熱した1.0N前後のNaOH溶液をエッチング液とし、この中に、10〜20秒浸すものであるため、2倍の40秒程度浸して塗膜に変化なければ十分な耐性があると判断される。上述した耐熱材料は、十分な化学薬品に対する耐性を有している。
【0059】
次に接着層6であるが、様々な被転写材(例えば、紙・プラスチック)に接した状態で熱および圧力を与えられることにより、被転写材に接着する機能を有する公知の感熱樹脂(感熱性接着材料)が使用される。
【0060】
なお、接着層6に、下記のような検証機能を有する材料を適宜添加することにより、検証機能も備えた接着層である検証機能層兼接着層とすることも可能である。また、接着層6とは別に、検証機能を有する材料を含む検証機能層を設けることも可能である。これら検証機能層兼接着層や検証機能層により、偽造防止対策の効果を高めたり、又、さらに違った意匠性を得ることも可能になる。
【0061】
検証機能とは、白色光環境下ではその存否が確認できないが、特殊な環境下で存否を確認できる機能をいい、例えば、画像が見える側の上部から外部刺激(紫外線、赤外線、等の1以上)を照射すると、(発光材料によるが、例えば紫外線の場合、又は、赤外線の場合に)検証機能層2が発光するのでその存在を確認できるとか、あるいは、(例えば赤外線吸収材料の場合に)赤外線で観察するとその部分で光が吸収されるのでその存在を確認できる、といったものである。この機能を有する転写シートを使用すると、転写シート自体の贋造が困難となり、より一層偽造防止対策の効果を高めることが可能となる。
【0062】
ここで、検証機能を有する材料について少し詳しく説明すると、発光材料としては、外部刺激により可視域の光を発するものであり、紫外線、赤外線、電子線、X線、放射線、電界、あるいは化学反応、等の外部刺激により発光する蛍光体、燐光体、あるいは畜光体、等が挙げられる。上記発光材料は、検証機能層兼接着層や検証機能層を構成するバインダー樹脂に適宜添加して使用される。その添加量としては0.5%〜80%の範囲内で添加するのが望ましい。0.5%未満の添加量では十分な発光が得られず、80%を超える添加量になるとバインダー樹脂との結着力が弱くなり、最終製品としての耐性が弱くなる。
【0063】
また、赤外線吸収材料としては、カーボンブラック等の可視領域までにも幅広い吸収を持つ材料と、赤外線領域で吸収波長を有し可視光線を吸収しにくい材料が挙げられる。その添加量としては、0.5%〜80%の範囲内で添加するのが望ましい。0.5%未満の添加量では十分な吸収が得られず、80%を超える添加量になると、バインダー樹脂との結着力が弱くなり、最終製品としての耐性が弱くなる。
【0064】
以下では、前記発光材料に関してより詳しく説明する。
蛍光体は、外部からの刺激(励起)により可視域付近の光を発するものである。また、一般には、蛍光体と燐光体とを総称して蛍光体と呼ぶ場合もあるが、蛍光体と燐光体とを区別する場合は、残光が比較的長いものを燐光体と呼ぶ場合が多い。
特に、燐光体は、励起の停止後に目に感じられる程度(0.1sec程度)以上の残光が続くものを指す場合が一般に多い。
また畜光体は、一般に、残光が長時間続く長残光のものを云う。
【0065】
蛍光性物質の例としては、次のものが挙げられる。
紫外線発光蛍光剤は、紫外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻るときに発するスペクトルのピークが青、緑、赤等の波長域にあるものであり、硫化亜鉛やアルカリ土類金属の硫化物の高純度蛍光体に、発光をより強くするために微量の金属(銅、銀、マンガン、ビスマス、鉛など)を付活剤として加えた後、高温焼成にて得られる。これらは、母体結晶と付活剤の組み合わせにより、色相、明るさ、色の減衰の度合いを調整できる。
【0066】
また他に、赤外線発光蛍光剤もあって、これには、赤外線で励起して可視光の波長域で発光するもの(これを赤外可視変換蛍光剤と称する)、及び、赤外線で励起してより長波長域で発光するもの、がある。
前者の赤外可視変換蛍光剤は、非常に特殊な励起機構を持つ蛍光体であり、エネルギーの小さな赤外線の光子を複数個用いることによって可視発光の励起を行う。
【0067】
これら(前記の赤外可視変換蛍光剤や、赤外線で励起してより長波長域で発光するもの)の発光機構には2つのタイプがあり、一方は付活剤イオンの多段階の励起によって、他方は増感剤からの複数回の共鳴エネルギー伝達によって、それぞれ高い励起が可能になる。先のタイプは、Er3+やHo3+を付活剤とする多くの母体結晶で観測され、後のタイプは増感剤Yb3+が赤外線を吸収し、多段階のエネルギー伝達によって発光中心のEr3+、Tm3+、あるいはHo3+、等を高い準位に励起する。
【0068】
なお、母体結晶として硫化物(ZnS、CdS)や酸硫化物(Y2O2S)のように電子の移動度が大きく、光導電性を持った半導体的物質は、電子線励起蛍光体として使用することが可能である。
【0069】
また、紫外線や赤外線の他に、X線あるいは粒子線などの放射線に対して効率の高い蛍光体(Zn、Cd)S:Agや、電気エネルギーを直接ルミネッセンスに変える電界発光蛍光体も、本発明に使用可能な例として挙げることができる。
【0070】
さらに、蛍光材料として上記の例以外にも、ジアミノスチルベンジルスルホン酸などのスチルベン系、ジアミノジフェニル系、イミダゾール系、チアゾール系、クマリン系、ナフタールイミド系、あるいは、チオフェン系、等の有機系の顔料や染料を使用しても良い。
【0071】
これらの中では、例えば検証機の製作又は入手が比較的容易なことから、紫外線あるいは赤外線で発光する材料が好ましく、特には、前者(紫外線によって発光する発光材料)は低コストで入手できることから、よりいっそう好ましい。
【0072】
それから、前記の赤外線吸収材料の例としては、リン酸塩系白色粉末や硫酸系白色結晶粉末が挙げられる。
【0073】
もし、カーボンブラック等の黒色粉体をバインダー中に分散して設けた場合には、目視で存在を容易に確認されてしまうという問題があるが、上述した光透過性の回折効果層を透過した可視光を吸収するため、副屈折や散乱光の影響を事実上無視することができ、回折効果層の機能をより効果的に発現させることができる。また、白色系の粉末を使用した場合には、存在を目視で判別することが困難であることと、読み取り波長のスペクトルに影響の少ない色材を用いた印刷層を別途設けることが可能となり、デザインの幅が広がることとなり、意匠性もさらに向上させることが可能となる。
【0074】
また、これらの例の他にも、例えば、フタロシアニン系の赤外線吸収性染料なども使用可能な例として挙げられる。
【0075】
以上は例示であって、必ずしもこれらに限定されるものではなく、これら以外の赤外線吸収材料であっても、適宜、検討・選択して使用してよい。
【0076】
なお、検証機能層兼接着層や検証機能層は前記の例以外にも、次のような、いくつかの構成例が考えられ、適宜採用してよい。すなわち、
(イ)発光材料を含む層および赤外線吸収材料を含む層から選択された2種以上の検証機能層兼接着層や検証機能層を積層して使用するタイプ。[ここで、発光材料又は赤外線吸収材料を含む2層の間に他の層(2層間の接着性を高めるアンカー層など)が介在してもよい。また、発光材料又は赤外線吸収材料を含む層同士が積層されていない箇所が部分的に在ってもよい。]
(ロ)発光材料を含む層および赤外線吸収材料を含む層から選択された2種以上の検証機能層兼接着層や検証機能層を2次元的に並べて設けて使用するタイプ。[ここで、発光材料又は赤外線吸収材料を含む層同士は、隣接しても又は隣接しなくても、いずれに設計してもよい。また、発光材料又は赤外線吸収材料を含む層同士は、部分的に重なる箇所が在ってもよい。]
(ハ)発光材料および赤外線吸収材料から選択された2種以上の材料を同一の層内に分散した層を、検証機能として使用するタイプ。 [例えば発光材料や赤外線吸収材料を混ぜ合わせたうえで塗工することにより得られる。]
(ニ)前記の(イ)、(ロ)、(ハ)の中から2以上を組み合せによる検証機能を有するタイプ。
【0077】
なお、さらに詳しくは、これら(イ)〜(ニ)の場合、それぞれ基本的に、発光材料(又はそれを含む層)と赤外線吸収材料(又はそれを含む層)、との組合せにより具体化するものが好ましい。
【0078】
つまり、これとの比較対象する例として、(イ)〜(ニ)を、それぞれ異なる発光材料(又はそれを含む層)同士の組合せ、あるいは、異なる赤外線吸収材料(又はそれを含む層)との組合せによるタイプも考えられる。しかし、得られる効果を比較すると、発光材料(又はそれを含む層)と赤外線吸収材料(又はそれを含む層)との組合せによるタイプの方が、 効果が相対的に大変優れているからである。
【0079】
ここで云う効果は、偽造防止対策の向上を図る効果、及び、視覚的な美しさとか印象深さ(特に発光材料による発光の影響が大)等、デザイン上の美的効果である。
【0080】
また、これら以外の材料を検証に用いる材料として、さらに付け加えることも可能である。例えば、磁性材料、サーモクロミック材料、又は、フォトクロミック材料、等を、このような材料として採用することで、発光材料や赤外線吸収材料と、これらを適宜併用(例えば積層又は混錬)することも可能である。
【0081】
次に、第2の実施形態を説明する。
図4は、本発明に係る転写シートの別の実施形態を示す断面図である。
【0082】
図4に示したように、この実施形態に係る転写シートは、シート状の支持体1上に耐熱性保護層2、OVD層9、耐熱マスク層5、接着層6が少なくとも設けられたことを特徴とした構成である。
【0083】
この転写シートを用いれば、ホットスタンプ等の手段を用いて、様々な物品から成る被転写材に対してかなりの自由度をもって、ほぼ任意の形状に形成可能となる。すなわち、被転写材に対し接着層6が接触するように転写シートを重ね、熱および圧を与えることによって接着させた後、不要な支持体1を剥してしまうことにより、偽造防止用の媒体を形成することが可能となる(図示せず)。
【0084】
この実施形態に係る支持体1、耐熱性保護層2、耐熱マスク層5および接着層6は、第1の実施形態のものと同様であるから、OVD層9について説明する。
【0085】
構造色を発現するOVD層9としては光の干渉を利用した画像を呈するものが例示でき、このOVD層9を利用すると、立体画像の表現や見る角度により色の変化を生じさせる(即ちカラーシフトする)ことができる。このようなOVD層9としては、コレステリック液晶を塗布したものや、光学多層干渉膜がある。
【0086】
ここで、コレステリック液晶は、光学活性である液晶の構成分子は薄層内ではネマチック一軸配向しているが、隣接層間では相互に一定方向に一定角のねじれを起こしている螺旋構造を有する液晶である。
【0087】
この螺旋のピッチは数100nmから無限大まで分布する。この螺旋構造によりコレステリック液晶は光との特異な相互作用を起こす。一つは螺旋軸に沿って屈折率が周期的に変動し、そのため螺旋ピッチに相応した波長の光を選択的に反射すること、二つ目は螺旋の掌性に依存して、反射光が左円偏光か右円偏光を示し、更に青から赤まできらびやかな色彩を放つこと、三つ目は、大きな旋光度を示すことである。
【0088】
次に、光学多層干渉膜は、互いに異なる光学特性を有する多数の光学薄膜を積層した多層薄膜からなるものである。
【0089】
すなわち、金属薄膜、セラミックス薄膜、又は、それらを併設してなる複合薄膜など、各層の光学特性と層の組合せの関係に基づいて決定される適当な数の層が積層されたものである。例えば、屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜とを組み合わせても良く、また特定の組み合わせを交互に積層するようにしても、いずれでもよい。それらの層による光学的条件を満たす適当な組み合わせにより、所望の光学的効果(ここでは構造色)を発現する光学多層干渉膜を得ることができる。
【0090】
この多層薄膜は、セラミックスや金属などの材料が用いられ、高屈折率材料の層数がおおよそ2以上の薄膜と、屈折率がおよそ1.5程度の低屈折率材料の薄膜とを、それぞれ光学的に適当な膜厚で適宜積層したものである。
【0091】
この薄膜に用いられる材料の例を以下に挙げる。但しここで化学式の後ろに続くカッコ内の数値は、それぞれの屈折率nを示す。なお、金属の屈折率は金属薄膜の状態や形成条件などにより変化するため、その屈折率の表示を省略している。
【0092】
まず、セラミックスとしては、Sb2O3(3.0)、Fe2O3(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbC12(2.3)、CdO(2.2)、Sb2O3(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si2O3(2.5)、In2O3(2.0)、PbO(2.6)、Ta2O3(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO(1.6)、Si2O2(1.5)、MgF2(1.4)、CeF3(1.6)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1.6)、Al2O3(1.6)、GaO(1.7)、等があり、また、金属系の材料としては、Al、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、Ni、Cu、Si、等の金属単体もしくは合金が挙げられる。
【0093】
また、低屈折率の材料としては、例えば有機ポリマーのうち、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等がある。但し、ここでカッコ内の数値はそれぞれの屈折率nを示す。
【0094】
これらの高屈折率材料もしくは光透過率20%〜70%の金属薄膜から少なくとも一種を選択し、かつ、低屈折率材料から少なくとも一種を選択し、これら高屈折率材料もしくは金属薄膜と低屈折率材料とを、それぞれ所定の厚さで、交互に積層させることにより、特定の波長の可視光を選択的に透過屈折あるいは反射するようになる。そして選択的に反射される可視光が構造色を構成する。
【0095】
多層薄膜の形成方法としては公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚などの制御が可能な、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等、真空チャンバー内でそれぞれの材料又はその原料を蒸発させ、基体シート上に付着凝集させる真空成膜法を使用することで形成できる。
尚、ここで云う光学膜厚はnとdの積で与えられる量であり、nは屈折率、またdは膜厚である。
【0096】
また、還元二酸化チタン被覆雲母や酸化鉄被覆雲母の粉末をバインダー中に分散したインキを塗布・印刷して得られる膜もOVD層7として利用することができ、見る角度により微妙な色変化を与える(フリップフロップ効果)ことができる。
【0097】
なお、偽造防止策の手法として、回折構造形成層には、上述したOVDを、お互いの機能を阻害しない限り、複数組み合わせて使用することが可能である。また、耐熱保護層2及び回折構造形成層3の層間に別途OVD機能を付与しても良い(図示せず)。
【0098】
以上、一実施例を説明してきたが、意匠性を向上すべく各層を着色することや表面もしくは層間に印刷を施す等、使用の目的により適宜利用可能である。
【0099】
また、各層の接着性を鑑み、各層間に接着アンカー層を設けることや、コロナ放電処理・プラズマ処理・フレーム処理等の各種易接着処理を施すことも可能である。
【0100】
【実施例】
本発明を、具体的な実施例をあげて詳細に説明する。
【0101】
<実施例1>
本実施例においては、図1の構成を代表例として説明する。
厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムから成る支持体1に耐熱保護層2として下記組成物からなるインキを、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布乾燥した。次に、回折構造形成層3として、下記組成物からなるインキを、乾燥後の膜厚が1μmとなるように、塗布し、かつ、150℃、10secの条件で焼き付けた。次いで、ロールエンボス法により、回折格子を構成する微小凹凸のレリーフパターンを回折構造形成層3の表面に形成(図示せず)した。次に、金属反射性の回折効果層4として、アルミニウムを真空蒸着法にて50nmの膜厚となるように形成した。次に、耐熱マスク層5として以下の組成物からなるインキを乾燥後の膜厚が1μmとなるようにパターン印刷した。次に、50℃に加熱された1.5NのNaOH溶液が入った浴槽に10秒間浸すことにより、上記耐熱マスク層5不存在部から露出した部分の回折効果層4をエッチングした後、0.1NのHCl溶液にて中和し、その後水洗・乾燥工程を経て所望の部分的に形成された回折効果層4及び、耐熱マスク層5を得た。ここで、耐熱マスク層5は、回折効果層4上にしか存在していないことが、確認された。最後に、回折構造形成層3及び耐熱マスク層5の全面を覆うように下記組成物からなる接着性インキを、乾燥後の膜厚が3μmとなるように、塗布・乾燥して接着層6を形成して、転写シートを製造した。
【0102】
「耐熱保護層インキ組成物」
ポリアミドイミド樹脂(Tg.250℃) 19.2重量部
ポリエチレンパウダー 0.8重量部
ジメチルアセトアミド 45.0重量部
トルエン 35.0重量部
【0103】
「回折構造形成層インキ組成物」
ウレタン樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
【0104】
「耐熱マスク層インキ組成物」
変性ノルボルネン樹脂(Tg.171℃) 20.0重量部
沈降性硫酸バリウム(比重5.5) 10.0重量部
メチルエチルケトン 40.0重量部
トルエン 30.0重量部
【0105】
「接着層インキ組成物」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 15.0重量部
アクリル樹脂(Tg.20℃) 10.0重量部
シリカ 1.0重量部
メチルエチルケトン 44.0重量部
トルエン 30.0重量部
【0106】
<実施例2>
実施例2として、接着層6に検証用物質を含有させた点を除き、全て実施例1と同一の組成・加工にて部分的回折構造転写シートを得た。なお、接着層インキの組成物は以下に記す。
【0107】
「接着層インキ組成物」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 12.0重量部
アクリル樹脂(Tg.20℃) 8.0重量部
無機蛍光顔料 8.0重量部
メチルエチルケトン 46.0重量部
トルエン 26.0重量部
【0108】
<比較例1>
比較例1にとして、実施例1における転写シートの耐熱保護層を以下に記す材料に変更し、耐熱マスク層5及びエッチング処理を除いた従来の転写シートの構成で作成した。
【0109】
「耐熱保護層インキ組成物」
アクリル樹脂(Tg.105℃) 19.2重量部
ポリエチレンパウダー 0.8重量部
メチルエチルケトン 45.0重量部
トルエン 35.0重量部
【0110】
<比較例2>
比較例2にとして、比較例1で作成した転写シートの回折効果層上(接着層との層間)に以下の組成物からなる熱硬化性樹脂を全面に塗布した。乾燥後の膜厚は1μmになるように調整し、接着層6を塗布する前に80℃環境で1週間の熱処理(エージング)を行った。なお、本比較例2においては、実施例2の検証用材料入りの接着層を用いた。
【0111】
[熱硬化性樹脂インキ組成物]
アクリルポリオール 15.0重量部
エポキシ樹脂 3.0重量部
メチルエチルケトン 52.0重量部
トルエン 30.0重量部
【0112】
上記製造された転写シートの評価を行った。
【0113】
[転写適性の評価]
被転写材として厚み約200μmの上質紙上に、版面温度120℃、2000kg/cm2の圧力と、140℃、1500kg/cm2の2条件でホットスタンプした(加圧時間は0.3秒)。OVD画像の状態を目視観察し、OVD画像の白化や皺、クラック等の変化があったものを×とした。
【0114】
[耐熱性の評価]
次に、上記添付されたOVD形成物を石鹸水(市販粉石鹸を水道水に5%濃度で作成)中に10分間浸した後、200℃に加熱したアイロンを用いて、当て布越しに加熱(アイロン自重:約1.2kg、10秒間)した。ここでも、OVD画像の状態を目視観察し、OVD画像の白化や皺、クラック等の変化があったものを×とした。
さらに、意図的に皺を発生させたOVD添付物に対して、直接アイロンがけを行い皺伸ばしを行った。ここでは、OVD画像の破壊があったものを×とした。
【0115】
[検証機能の評価]
最後に、実施例2及び比較例2で作成した転写シートについて、検証を行った。ここでは、365nmのブラックランプを用いて、被転写材への添付前/後でそれぞれの蛍光発光有無を確認した。ここでは、蛍光の発光が確認できなかったものについて、×とした。それぞれの結果を<表1>に記す。
【0116】
【表1】
【0117】
以上のように、実施例1及び2は転写時の耐熱性のみならず、転写後にも十分な耐熱性を有している。一方、比較例1では転写時の熱及び圧力により、OVD画像が破壊されており、使用に耐えられるものではなかった。比較例2においては、転写時の熱及び圧力に対しては十分な耐熱性を有しているが、転写後の耐熱性が十分でなく、実生活環境において可能性の高いアイロン試験に耐えられるものではなかった。また、実施例1及び2の構成は、回折光を発生させる領域を部分的に有しているため、検証機能を組み入れることが可能である。実施例2の場合は、転写シート内部に組み入れたが、実施例1の場合は、被転写材に組み入れることも可能である。比較例2においては、検証機能を内部に組み入れたが、物品に添付した後には、反射層により機能を阻害され、外部検証は不可能であった。
【0118】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、物品への添付後も優れた耐熱性を有し、かつ検証機能を付与することが可能である部分的回折構造転写シート及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による転写シートの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図2は本発明による転写シートの一実施形態を示す断面図である。
【図3】a、b、cは、それぞれ、本発明による転写シートの一実施形態を示す断面図である。
【図4】図4は本発明による転写シートの別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・支持体
2・・・耐熱保護層
3・・・回折構造形成層
4・・・回折効果層
5・・・耐熱マスク層
6・・・接着層
7・・・反射膜
8・・・透明膜
9・・・OVD層
Claims (11)
- シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、
該支持体から剥離が可能な耐熱性保護層、
回折光を発生させるための微小な凹凸面を有する透明な回折構造形成層、
前記凹凸面の凹凸に密着して設けられた光学薄膜から成り、該回折構造形成層を透過してきた光を反射させる回折効果層、
該回折効果層を被覆して設けてある耐熱マスク層、
該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、
とを具備して構成される転写シートであって、
前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シート。 - 前記回折構造形成層が、上記微小な凹凸面を部分的に有することを特徴とする請求項1に記載の転写シート。
- 前記耐熱マスク層が、前記光学薄膜のエッチング液である酸若しくはアルカリに対する耐性を有していることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の転写シート。
- 前記耐熱マスク層が、ガラス転移温度が150℃以上である樹脂成分を60%以上含んでいることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転写シート。
- 前記光学薄膜が光を反射する金属反射膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写シート。
- 前記光学薄膜が、前記回折構造形成層よりも屈折率が高く、光の透過性を有する透明反射膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写シート。
- 前記光学薄膜が、金属反射膜と、前記回折構造形成層よりも屈折率が高く光の透過性を有する透明反射膜との2種類以上の薄膜から構成されており、
該透明反射膜が存在し且つ金属反射膜の存在しない領域を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写シート。 - シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、
該支持体から剥離が可能な耐熱性保護層、
部分的に設けられた光学薄膜から成り、この光学薄膜から構造色を有する色光を発生させるOVD層、
該OVD層を被覆して設けてある耐熱マスク層、
該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、
とを具備して構成される転写シートであって、
前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シート。 - シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、
該支持体から剥離が可能であり、且つ、ガラス転移温度が200℃以上である樹脂から構成される耐熱性保護層、
回折光を発生させるための微小な凹凸面を有する透明な回折構造形成層、
前記凹凸面の凹凸に密着して設けられた光学薄膜から成り、該回折構造形成層を透過してきた光を反射させて着色光の発生に関わる回折効果層、
該回折効果層を被覆して設けてある耐熱マスク層、
該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、
とを具備して構成される転写シートであって、
前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シートの製造方法。 - 前記回折構造形成層が、上記微小な凹凸面を部分的に有することを特徴とする請求項9に記載の転写シートの製造方法。
- シート状の支持体上に、該支持体に近い側から、少なくとも、
該支持体から剥離が可能である樹脂から構成される耐熱性保護層、
部分的に設けられた光学薄膜から成り、この光学薄膜から構造色を有する色光を発生させるOVD層、
該OVD層を被覆して設けてある耐熱マスク層、
該耐熱マスク層を被覆して、これより大面積に設けてある接着層、
とを積層することを特徴とし、
前記耐熱保護層は、ガラス転移温度が200℃以上であり、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする転写シートの製造方法。
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