JP2004176887A - 制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動の周波数特性が状況に応じて変化する場合であれ、問題となる周波数の振動を効果的に制振することのできる装置を提供する。
【解決手段】制振装置1は、ハウジング2の内部空間2a内を運動(振動)する振動部材3にとって、その振動特性を規定する物理量の1つである振動部材3の質量を可変とすることにより、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更する機能を備える。例えば内燃機関を搭載した車両では、機関回転数、車速、路面の状況等に依り、車両の共振周波数が変化する。このため、内燃機関を搭載した車両を振動源とした場合、制振装置1によれば、振動部材3の質量を可変調整することで、その時々の共振周波数に対する制振効果が最も高まるように振動部材3の振動特性を制御することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車のボディ、エンジン、ステアリング等、振動を伝達する部材に取り付けられ、有害な振動を制振する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置としては、マスダンパやダイナミックダンパが知られている。マスダンパは、特定の振動系に取り付けられる質量(マス)であり、その振動系の固有振動数を変化させ、特定周波数の振動を低減する。ダイナミックダンパは、質量、バネ、ダッシュポットから構成され、これもまた特定の振動系に取り付けられる。ダイナミックダンパは、その振動体の共振持性における振幅を小さくする。マスダンパやダイナミックダンパは、何れも自動車のボディ、エンジン、ステアリング等、振動を伝達する部材に取り付けることにより、これら部材から発生する有害な振動を制振する。
【0003】
ところが、マスダンパやダイナミックダンパは、その制振効果を発揮できる条件が、マスやバネ定数によって決定づけられる特定周波数の振動に限られるという問題がある。また、とくにダイナミックダンパを構成するバネは、周囲の温度によってそのバネ定数が変化してしまうため、使用条件によって制振効果が変わってしまう。
【0004】
このような問題に対し、例えば特許文献1に記載された制振装置は、所定の内部空間を有するハウジングと、そのハウジング内に非接着の状態で収容された弾性体とを備える。このような制振装置に振動が伝達されると、ハウジングに収容された弾性体がハウジング内壁に連続的に衝突する。そして、弾性体がハウジング内壁に接触する際の滑り摩擦や衝突によるエネルギー損失により、振動が減衰する。
【0005】
このような装置構成によれば、特定の周波数のみでなく、所定範囲に亘る周波数の振動に対し制振効果を得ることができる。また、その制振効果は、温度条件による影響をほとんど受けない。例えば自動車の運転は、多くの場合複数の周波数特性をもった振動の発生を伴うため、このように、同時に複数の周波数領域の振動に対する制振効果を発揮することで、複数種類の振動を減衰することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−241495号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、振動源のなかには、発生する振動の周波数特性が変化するものも少なくない。例えば車両のエンジンは、機関回転数に応じて、発生する振動の周波数特性が変動する。言い換えると、相対的に大きな振動が観測される周波数領域が、機関回転数に応じて変動する。このような周波数特性の変化に対し、例えば上記公報記載の制振装置によれば、所定範囲に亘る周波数の振動に対しある程度の制振効果を得ることはできる。しかし、特定周波数の振動に対する制振効果を状況に応じて増大させることは困難であった。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、振動の周波数特性が状況に応じて変化する場合であれ、問題となる周波数の振動を効果的に制振することのできる装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の制振装置は、(1)振動を伝達する部材に取り付けられ所定の内部空間を有するハウジングと、前記内部空間を形成する前記ハウジング内壁に連続的に衝突することによって振動する振動部材と、を備え、前記振動部材の振動特性を規定する物理量を可変とすることを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、振動源から振動が伝達されると、振動部材がハウジングの内壁に接触(擦接や衝突)を繰り返すことにより内部空間内を運動(振動)し、そのときの滑り摩擦や衝突によるエネルギー損失が、振動源から伝達される振動を減衰する。そして、振動部材の振動特性を規定する物理量を可変とすることで、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更することができるため、振動源から伝達される振動の周波数のうち、問題となる周波数が状況に応じて変化する場合であれ、その問題となる周波数に対する制振効果が最も高まるように振動部材の振動特性を制御することができる。
【0011】
(2)ここで、前記振動特性は、前記内部空間内で振動する振動部材の固有振動数であるのが好ましい。
【0012】
同構成によれば、内部空間内で振動する振動部材の周波数が可変となり、制振効果が顕著に発揮される周波数領域の制御が可能となる。
【0013】
(3)ここで、前記物理量としては、前記振動部材の質量を用いるのが好ましい。
【0014】
同構成によれば、振動部材の質量を可変とすることにより、振動部材の振動特性を、簡易且つ効果的に変更することができる。
【0015】
(4)また、前記振動部材は内部空間を備え、且つ、前記内部空間に充填される流体量を可変とすることにより前記振動部材の質量を可変とするようにしてもよい。
【0016】
同構成によれば、振動部材に流体を出し入れすることにより、簡易且つ効率的に振動部材の質量を連続的に可変とすることができる。
【0017】
(5)また、前記振動部材が、相互に分離および結合の可能な複数の部材からなるようにしてもよい。
【0018】
同構成によれば、ハウジングの内部空間内を運動する振動部材の質量を、段階的に切り替えて、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更することができる。
【0019】
(6)また例えば、前記固有振動数を規定する物理量として、前記振動部材および前記ハウジング内壁間のバネ定数を用いることもできる。
【0020】
ここで、「振動部材およびハウジング内壁間のバネ定数」とは、内部空間内における振動部材の動きを1つの振動系とみなした場合のバネ定数を意味する。バネ定数を可変とするためには、例えば振動部材やハウジング内壁の温度を可変とし、各々の弾性を変えればよい。同構成によれば、振動部材およびハウジング内壁間のバネ定数を可変とすることにより、振動部材の振動特性を、簡易且つ効果的に変更することができる。
【0021】
(7)また、前記振動特性は、前記振動部材による振動の振幅であってもよい。
【0022】
同構成によれば、振動部材による振動の減衰率の制御が可能となる。
【0023】
(8)ここで、前記振動部材による振動の振幅を規定する前記物理量は、前記ハウジングの内部空間を運動する前記振動部材の抵抗とすればよい。
【0024】
同構成によれば、振動部材による振動の減衰率を簡易且つ効果的に変更することができる。
【0025】
(9)なお、例えば前記ハウジングの内部空間における流体圧を可変調整する流体圧調整手段を備えるようにすれば、ハウジングの内部空間を運動する振動部材の抵抗(流体の粘性抵抗)を簡易且つ効率的に変更することができる。
【0026】
また、例えば前記ハウジング内の温度を可変調整する温度調整手段を備えるようにしても、ハウジングの内部空間を運動する振動部材の抵抗(流体の粘性抵抗)を変更することはできる。
【0027】
なお、上記各構成を相互に組み合わせて一の制振装置を構成することもできる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を具体化した第1の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す図である。
【0029】
〔装置構成〕
図1に示すように、制振装置1は、略球形の内部空間2aを備えるハウジング2と、内部空間2aに収容される略球形の振動部材3とを備える。ハウジング2の内壁2bと、振動部材3の表面層3aとは、ゴムや樹脂等の弾性材料によって形成される。ハウジング2の内壁2bと、振動部材の表面層3aとは、非接着であり、両部材2,3間には所定の間隙が確保される。振動部材3内には、略球形の内部空間3bが形成される。ハウジング2の内壁2b及び外壁2c間を貫通する孔2dを通じ、ハウジング2の内部空間から外部に延出する樹脂製のチューブ4が設けられる。チューブ4は、外部から力が加わることで可逆的に変形する弾性体である。チューブ4の一方の端は振動部材3に接続され、他方の端は封入液供給装置7に接続される。封入液供給装置7は、所定の質量の流体(封入液)を蓄える機能と、電子制御装置(図示略)の指令信号に従って作動し封入液を振動部材3に出し入れするポンプ機能とを有する。チューブ4は、封入液が振動部材3及び封入液供給装置7間を移動するための通路部材に相当する。
【0030】
このように構成された制振装置1は、ボルト締結等により、振動源100に密着する状態で取り付けられる。
【0031】
〔制振装置の作用〕
振動源100から振動が伝達されると、振動部材3がハウジング2の内壁2bに接触(擦接や衝突)を繰り返すことにより内部空間3b内を運動(振動)する。このとき、滑り摩擦や衝突によるエネルギー損失が、振動源100から伝達される振動を減衰する。
【0032】
特定周波数の振動に対する制振装置1の減衰効果(制振効果)は、振動部材3がハウジング2内を振動する振動部材3の固有振動数や振幅等、その振動特性によって決定づけられる。
【0033】
ここで、振動部材3の固有振動数は、内部空間3b内における振動部材3の動きを1つの振動系とみなした場合のバネ定数、振動部材3がハウジング2の内壁2bに衝突する際の反発係数、振動部材3の質量等によって規定される。
【0034】
本実施の形態にかかる制振装置1は、この封入液供給装置の機能に基づき、振動部材3内に充填される封入液の量、言い換えれば振動部材3の質量をを連続的に可変調整することができる。すなわち、ハウジング2の内部空間2a内を運動(振動)する振動部材3にとって、その振動特性を規定する物理量の1つである振動部材3の質量を可変とすることにより、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更することができる。
【0035】
例えば内燃機関を搭載した車両では、機関回転数、車速、路面の状況等に依り、車両の共振周波数が変化する。このため、内燃機関を搭載した車両を振動源とした場合、制振装置1によれば、振動部材3の質量を可変調整することで、ハウジング2内を振動する振動部材3の振動特性を変更できるようになる。この結果、その時々の共振周波数に対する制振効果が最も高まるように振動部材3の振動特性を制御できる。
【0036】
なお、振動部材3に出し入れする媒体として、液体に替えてガスを採用することもできる。この場合、振動部材3に充填されるガス圧を制御することにより、振動部材3の質量を可変調整することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態の制振装置について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、当該第2の実施の形態をふくめ、以降説明する他の実施の形態について、第1の実施の形態にかかる制振装置と同等の構造および機能を有する構成要素については、同一の部材番号を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
図2は、第2の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す図である。同図2に示すように、第2の実施の形態にかかる制振装置11は、略球形の内部空間2aを備えるハウジング2と、内部空間2aに所定の間隙を確保しつつ、ハウジング内壁2bと非接着の状態で収容される略球形の振動部材3とを備える点で、第1の実施の形態にかかる制振装置1と共通する。
【0038】
また、封入液供給装置7の機能に基づき、所定の質量の流体を振動部材3に出し入れできる点においても、第1の実施の形態と共通する。
【0039】
しかし、第2の実施の形態にかかる制振装置11は、封入液を移動させるための通路部材として、弾性体のチューブ4に替え、比較的高い剛性を有するパイプ14を採用する。パイプ14の一方の端は振動部材3に接続される。また、パイプ14の他方の端は、例えばチューブ4と同等の材料から形成されるチューブ14aを介し封入液供給装置7に接続される。また、パイプ14は、例えばハウジング2に固定される台座14bに、所定の支持軸14cを中心に回転可能となるように取り付けられる。この結果、振動部材3及びパイプ14は、支持軸14cを支点に揺動することができる。
【0040】
振動源100から振動が伝達されると、振動部材3がハウジング2の内壁2bに接触(擦接や衝突)を繰り返すことにより内部空間3b内を運動(振動)し、このとき、滑り摩擦や衝突によるエネルギー損失が振動源100から伝達される振動を減衰することは、第1の実施の形態にかかる制振装置1と同様である。
【0041】
このような装置構成によっても、第1の実施の形態にかかる制振装置1と同様、振動部材3の振動特性を規定する物理量の1つである振動部材3の質量を可変とすることにより、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更することができる。
【0042】
なお、上記第1、第2の実施の形態においては、振動部材3の質量を可変とすることにより、ハウジング2内における振動部材3の振動特性(固有振動数)を可変ととすることにした。これに替え、振動部材3やハウジング2の内壁2bの温度を制御する装置構成を採用することもできる。このような装置構成によれば、内部空間3b内における振動部材3の動きを1つの振動系とみなした場合のバネ定数を可変とし、その結果として、ハウジング2内における振動部材3の固有振動数を制御できるようになる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態の制振装置について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0043】
図3は、第3の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す断面図である。同図3に示すように、第3の実施の形態にかかる制振装置21は、略球形の内部空間2aを備えるハウジング2と、内部空間2aに所定の間隙を確保しつつ、ハウジング内壁2bと非接着の状態で収容される略球形の振動部材23とを備える点で、第1の実施の形態にかかる制振装置1や第2の実施の形態にかかる制振装置11と共通する。
【0044】
しかし、第1の実施の形態にかかる制振装置1では、振動部材3の質量を可変とする構成を採用したのに対し、第3の実施の形態にかかる制振装置21では、振動部材23の質量は不変とし、振動部材23の表面層23aとハウジング2の内壁2bとの間の間隙のガス圧を可変とする構成を採用する。
【0045】
すなわち、制振装置21では、密封状態に保持されるハウジング2の内部空間2aが、チューブ24を介してガス圧調整装置25に接続される。ガス圧調整装置25は、吸引ポンプ及びコンプレッサの機能を併せ備え、電子制御装置(図示略)の指令信号に従って作動し、ハウジング2の内部空間2aのガス圧を制御する。
【0046】
内部空間2aのガス圧が変化することは、内部空間2a内に充填されるガスの抵抗(粘性抵抗)が変化することを意味する。また、ガスの粘性抵抗が変化することにより、振動部材3による振動の振幅、或いは振動の減衰率が変化する。すなわち、本実施の形態に係る制振装置21によれば、内部空間2aのガス圧の制御を通じ、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更することができる。
【0047】
なお、内部空間2aに充填されるガスの温度を可変調整できる装置構成を採用しても、ハウジング2の内部空間2aを運動する振動部材23の抵抗(ガスの粘性抵抗)を変更することはできる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施の形態の制振装置について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0048】
図4は、第4の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す断面図である。
【0049】
第4の実施の形態にかかる制振装置31は、略直方体形状の内部空間32aを備えるハウジング32と、内部空間32aに収容される振動部材33,43,53とを備える。ハウジング32の内壁と、振動部材33,43,53の表面層とは、ゴムや樹脂等の弾性材料によって形成される。ハウジング32の内壁と、振動部材33,43,53の表面層とは、非接着であり、各振動部材33,43,53と、ハウジング32との間には所定の間隙が確保される。
【0050】
振動部材33は永久磁石を内蔵し、振動部材43,53は磁性を帯びていない金属材料を内蔵する。また、ハウジング32内壁の所定部位32b,32cにはソレノイドコイル(図示略)が埋め込まれている。
【0051】
各部位32b,32cのソレノイドコイルが非通電の状態にある場合、振動部材43,53と振動部材33とが相互に吸着するため、各振動部材33は一体となってハウジング32の内部空間32aを運動する(図4(a))。
【0052】
一方、各部位32b,32cのソレノイドコイルが通電状態にある場合、振動部材43,53の各々が、ハウジング32内壁の所定部位32b,32cに吸着し、さらに振動部材33内の永久磁石とは反発するような磁性を帯びる。この結果、振動部材33は単独でハウジング32の内部空間32aを運動するようになる(図4(b))。
【0053】
このように本実施の形態にかかる制振装置31は、振動部材を、相互に分離および結合の可能な複数の部材(33,43,53)から構成することにより、ハウジング32の内部空間32a内を運動する振動部材の質量を、段階的に切り替えることが可能となっている。このような装置構成によっても、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更することができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第5の実施の形態の制振装置について、第1〜第4の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0054】
図5(a)は、第5の実施の形態の制振装置について、その外観を概略的に示す図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb断面図である。
【0055】
図5(a)に示すように、第5の実施の形態にかかる制振装置61は、内燃機関のクランクシャフト(図示略)に同心的に取り付けられる回転軸70と、回転軸70の外周に設けられる環状のハウジング62と、回転軸70からその径方向に延設され、当該回転軸70およびハウジング62を相互に固定する4本の支持部材71とを主要な構成要素とする。ハウジング62は、その周方向に沿って等間隔に、複数の内部空間62aを備える。各内部空間62aには、振動部材63が収容される。
【0056】
図5(b)に示すように、ハウジング62は、環状の板材62bに有底円筒形状の部材62cをとじ合わせて形成されたものであり、その内部空間62aに、略球形の振動部材63を収容する。振動部材63は、第1の実施の形態で説明した振動部材3(図1参照)と略同等の構造および機能を備える。すなわち、振動部材63は、弾性材料からなる表面層63aを備える。振動部材63とハウジング62の内壁とは非接着の状態にあり、且つ、両部材63,62間には所定の間隙が確保される。振動部材63内には、略球形の内部空間63bが形成される。ハウジング62の内壁及び外壁間を貫通する孔62dを通じ、ハウジング62の内部空間62aから外部に延出する樹脂製のチューブ64が設けられる。チューブ64は、第1の実施の形態で説明したチューブ4と同様、外部から力が加わることで可逆的に変形する弾性体である。チューブ64の一方の端は振動部材63に接続され、他方の端は第1の実施の形態にかかる封入液供給装置7と同等の機能を有する装置(図示略)に接続される。
【0057】
内燃機関の運転に伴いクランクシャフトが回転すると、クランクシャフトと一体に取り付けられた回転軸70も回転する。このとき、各振動部材63が各内部空間62a内を運動(振動)することにより、クランクシャフトの回転変動を抑制する。
【0058】
本実施の形態にかかる制振装置61は、ハウジング62の内部空間62a内を運動(振動)する振動部材63にとって、その振動特性を規定する物理量の1つである振動部材63自体の質量を可変とすることにより、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更する機能を備える。
【0059】
内燃機関のクランクシャフトの回転変動は、機関回転数に依り、その変動周波数が変化する。この点、制振装置61によれば、振動部材63の質量を可変調整することで、刻々と変化するクランクシャフトの回転変動の周波数に対応し、その制振効果が最も高まるように振動部材63の振動特性を制御することができる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第6の実施の形態の制振装置について、第5の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0060】
図6(a)は、第6の実施の形態の制振装置について、その外観を概略的に示す平面図であり、図6(b)は、当該装置の主要部の内部構造を概略的に示す断面図である。
【0061】
図6(a)に示すように、第6の実施の形態にかかる制振装置81もまた、第5の実施の形態にかかる制振装置61と同様、内燃機関のクランクシャフト(図示略)に同心的に取り付けられる回転軸90と、回転軸90の外周に設けられる環状のハウジング82と、回転軸90からその径方向に延設され、当該回転軸90およびハウジング82を相互に固定する4本の支持部材91とを主要な構成要素とする。ハウジング92は、その周方向に沿って等間隔に、複数の内部空間82aを備える。各内部空間82aには、振動部材63が収容される。
【0062】
図6(b)に示すように、ハウジング82は、環状の板材82bに有底円筒形状の部材82cをとじ合わせて形成された外郭の内面に、樹脂製の内壁部材83dを敷設して形成されたものであり、その内部空間82aに、略球形の振動部材83を収容する。振動部材83は、弾性材料からなる表面層83aを備える。振動部材83と内壁部材83dとは非接着の状態にあり、且つ、両部材83,83d間には所定の間隙が確保される。
【0063】
制御装置81では、第3の実施の形態にかかる制振装置21(図3参照)と同様、振動部材83の表面層83aとハウジング82の内壁部材83dとの間の間隙のガス圧を可変とする構成を採用する。すなわち、制振装置81では、密封状態に保持されるハウジング82の内部空間82aが、チューブ84を介してガス圧調整装置(図示略)に接続される。ガス圧調整装置は、吸引ポンプ及びコンプレッサの機能を併せ備え、電子制御装置(図示略)の指令信号に従って作動し、封入液をハウジング82の内部空間82aのガス圧を制御する。
【0064】
内燃機関の運転に伴いクランクシャフトが回転すると、クランクシャフトと一体に取り付けられた回転軸70も回転する。このとき、各振動部材63が各内部空間62a内を運動(振動)することにより、クランクシャフトの回転変動を抑制することは、第5の実施の形態(図5)と同様である。
【0065】
そして、制振装置81のように、ハウジング82内のガス圧を制御すれば、ガスの粘性抵抗の変化を通じ、振動部材83による振動の振幅、或いは振動の減衰率を可変とすることができる。これにより、制振効果が顕著に発揮される周波数領域を変更することができる。
【0066】
この結果、第5の実施の形態に係る制振装置61と同様、刻々と変化するクランクシャフトの回転変動の周波数に対応し、その制振効果が最も高まるように振動部材83の振動特性を制御することができる。
【0067】
なお、上記各実施の形態にかかる制振装置において、振動部材やハウジングの内部空間内に充填、或いは出し入れされるガスや液体としては、水、空気の他、ヘリウム、窒素、油等、各種流体を採用することができる。
【0068】
また、ハウジングや振動部材の形状は、制振対象となる振動源や、当該制振装置の取り付け部位に特性に応じ、適宜変更するのが好ましい。
【0069】
また、振動部材の表面層およびハウジング内壁の特性(例えば弾性率)は、振動部材の振動特性を決定づける重要な要素の1つであり、制振対象となる振動源や、当該制振装置の取り付け部位に特性に応じ、適宜変更するのが好ましい。このとき、振動部材の表面層およびハウジング内壁の双方を樹脂等の弾性材料で形成してもよいし、いずれか一方を弾性材料で形成し他方を剛性材料で形成するようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、振動源から伝達される振動の周波数のうち、問題となる周波数が状況に応じて変化する場合であれ、その問題となる周波数に対する制振効果が最も高まるように振動部材の振動特性を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す図。
【図2】本発明を具体化した第2の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す図。
【図3】本発明を具体化した第3の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す断面図。
【図4】本発明を具体化した第4の実施の形態の制振装置について、その主要部の内部構造を概略的に示す断面図。
【図5】本発明を具体化した第5の実施の形態の制振装置について、その外観と、主要部の内部構造とを概略的に示す断面図。
【図6】本発明を具体化した第6の実施の形態の制振装置について、その外観と、主要部の内部構造とを概略的に示す断面図。
【符号の説明】
1,11,21,31,61,81 制振装置
2,32,62,82,92 ハウジング
2a,32a,62a,82a 内部空間
3,23,33,43,53,63,83 振動部材
4,24,64,84 チューブ
14 パイプ
7 封入液供給装置
25 ガス圧調整装置(流体圧調整手段)

Claims (9)

  1. 振動を伝達する部材に取り付けられ所定の内部空間を有するハウジングと、
    前記内部空間を形成する前記ハウジング内壁に連続的に衝突することによって振動する振動部材と、
    を備え、
    前記振動部材の振動特性を規定する物理量を可変とすることを特徴とする制振装置。
  2. 前記振動特性は、前記内部空間内で振動する振動部材の固有振動数であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  3. 前記物理量は、前記振動部材の質量であることを特徴とする請求項2記載の制振装置。
  4. 前記振動部材は内部空間を備え、
    且つ、
    前記内部空間に充填される流体量を可変とすることにより前記振動部材の質量を可変とすることを特徴とする請求項3記載の制振装置。
  5. 前記振動部材は、相互に分離および結合の可能な複数の部材からなることを特徴とする請求項3記載の制振装置。
  6. 前記物理量は、前記振動部材および前記ハウジング内壁間のバネ定数である
    ことを特徴とする請求項2記載の前記制振装置。
  7. 前記振動特性は、前記振動部材による振動の振幅であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  8. 前記物理量は、前記ハウジングの内部空間を運動する前記振動部材の抵抗であることを特徴とする請求項7記載の制振装置。
  9. 前記ハウジングの内部空間における流体圧を可変調整する流体圧調整手段を備え、
    前記流体圧の可変調整を通じ、前記振動部材の抵抗を可変とする
    ことを特徴とする請求項8記載の制振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102913589A (zh) * 2012-10-30 2013-02-06 南车成都机车车辆有限公司 内燃机车柴油发电机组组合式减振装置
US9442038B2 (en) 2014-03-31 2016-09-13 Fujitsu Limited Storage apparatus, storage apparatus manufacturing method, and measurement method of the same

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