JP3548990B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体封入式の防振装置に関するものであり、特に、液体の封入される主室内に振動子を設け、当該振動子を特定周波数にて振動させるとともに、当該振動子の駆動を負圧を含む高圧の空気圧の断続的な導入によって行なわせるようにした液体封入式の防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防振装置のうち、特に、自動車用のエンジンマウント等にあっては、動力源であるところのエンジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度までの間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い範囲の周波数に対応できるものでなければならない。また、最近においては、比較的高周波の振動である100Hzないし600Hz程度の振動に関連するこもり音の遮断を目的とした、エンジンマウントのチューニングが行なわれるようになっている。このような複数の条件に対応させるために、内部に液室を設け、更には、当該液室内に特定の周波数にて振動するボイスコイル等からなる振動子を設けるようにした、いわゆるボイスコイルタイプの液体封入式防振装置がすでに案出されており、例えば特開平5−149369号公報等により公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの公知のものは、液室内にピストン等からなる可動片を設け、当該可動片を駆動する電磁石等からなるボイスコイルを設け、当該ボイスコイル及び可動片を、アイドリング振動を対象とした特定周波数、あるいは、こもり音に関する振動を対象とした特定周波数等、特定の周波数を対象として振動させ(加振し)、これによって、上記液室内の液圧を変化させるようにしているものである。このような現象により、低動バネ定数(低動バネ特性)を形成させ、この低動バネ特性の作用により、上記アイドリング振動等に関する振動の遮断を図ることとしているものである。しかしながら、これらの公知のものは、加振コイル及び永久磁石を有する等、部品点数が多くなり、装置として全体的に重くならざるを得ないという問題点がある。また、電磁波に基づく磁力を、その動力源としているものであるところから、磁気洩れ防止手段を講じなければならず、これによっても装置全体が高価なものとならざるを得ないという問題点がある。このような問題点を解決するために、振動子を駆動する駆動手段の動力源として、負圧を含む高圧の空気圧を用いるようにした、液体封入式の防振装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、発明においては、振動体側に取り付けられる連結金具と、車体側に取り付けられる取付ブラケットと、これら連結金具と取付ブラケットとの間にあって上記振動体からの振動を遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体(液体)の封入される主室及び副室と、これら主室と副室との間において液体を流動させるオリフィスと、上記主室と副室との間を仕切る仕切板と、圧縮性流体である空気の導入される空気室と、当該空気室と上記副室との間を仕切るダイヤフラムと、上記主室に面する側に設けられるものであって上記主室内の液体を特定の周波数にて加振する振動子と、からなる液体封入式の防振装置に関して、上記振動子を、主室内の液体を加振するピストンと、当該ピストンを駆動するものであって負圧を含む空気圧の導入される駆動手段と、からなるようにするとともに、当該駆動手段に負圧または空気圧のうちのいずれか一方のものを断続的に導入するように切換作動をする切換手段を設け、更に、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段を設けるようにした基本構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明においては次のような作用を呈することとなる。すなわち、本発明のものにおいては、主室内の液体を特定の周波数にて加振する振動子が設けられているとともに、当該振動子は、その駆動が、当該振動子の下方部に設けられた駆動手段にて行なわれるようになっているものである。そして、この駆動手段は、従来のもののような磁力によって駆動されるものとは異なり、負圧または高圧の空気圧にて駆動されるようになっているものである。従って、従来のボイスコイルタイプのものにおいて必要とされていた加振コイルや永久磁石等を設ける必要がない。その結果、部品点数が少なくなり、装置全体の質量軽減等を図ることができるようになる。また、動力源に負圧を用いるようにする場合には、車載エンジンの吸入負圧を利用することができるようになり、動力源を簡単な装置にて得ることができるようになる。また、磁力を動力源としないようになったので、磁気洩れ防止手段等を設ける必要がなくなり、装置全体の簡略化、更には質量軽減化を図ることができるようになる。
【0006】
そして、請求項1記載の発明においては、上記基本構成に加えて、上記振動子のところに設けられるピストンを駆動する、その駆動手段を、上記ピストンを上下動させるためのロッドに一体的に結合される可動片と、上記ロッドの横振れを防止するものであって、その中心部に上記可動片を有するとともに、当該可動片を駆動するための負圧または空気圧の導入される作動室の一部を形成する蛇腹状ダンパと、当該蛇腹状ダンパ及び取付ブラケットにて形成されるものであって、上記可動片を駆動する役目を果たす作動室と、からなるようにするとともに、上記振動子を形成するピストンのところに、当該ピストンを囲むようにシリンダ室を設け、当該シリンダ室の下方部を閉鎖するように第一のダイヤフラムを設け、当該第一のダイヤフラムを、上記副室と空気室との間を仕切るダイヤフラム(第二のダイヤフラム)とは別の動きをする、非連成の構成からなるようにしたことを特徴とする
【0007】
このような構成を採ることにより、請求項1記載の発明では、更に、次のような作用を呈することとなる。すなわち、本発明の駆動手段を形成する作動室のところへは、上記切換手段を介して、負圧または高圧の空気圧が適宜導入されるようになっている。そして、この負圧または高圧の空気圧の導入に関しては、上記制御手段にて制御されるようになっているものである。すなわち、このような切換手段の作動によって、上記作動室へは、上記負圧または高圧の空気圧が特定の周波数をもって周期的に導入されたり、あるいは一定の負圧または高圧の空気圧が連続的に導入されたりするようになる。従って、例えば、振動体を形成するエンジンのアイドリング振動に対しては、上記切換手段のON/OFF作動によって、上記作動室の容積を変化させ、これによって、振動子のピストンを特定周波数にて振動させ、上記主室内の液体を振動させるとともに、上記インシュレータを介して入力されるアイドリング振動に対して上記主室内の液圧上昇を抑えることとしている。その結果、本防振装置全体の動バネ定数が低下し、これらによって、アイドリング振動の吸収及び遮断が図られることとなる。
【0008】
一方、車両の走行中においては、上記切換手段を固定して、上記作動室内を一定の負圧または一定の空気圧に保つようにする。すなわち、作動室を一定容積に固定し、上記振動子のピストンをロック状態にする。これによって、上記アイドリング振動よりも更に低周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、上記主室内の液体を、上記オリフィスを通じて副室内へ流動させるようにする。すなわち、本エンジンシェークに関する振動は、約10Hz前後の周波数を有するものであり、これに対して、動バネ定数を低くすることによって振動遮断を図ることは困難である。そこで、本発明においては、上記ピストンの作動を固定し、主室内の容積変化を少なくすることとしている。これによって、上記主室と副室との間に形成されるオリフィス内を上記液体が流動するようにし、この液体の流動に伴なう粘性抵抗によって、所定の減衰力を生じさせるようにしている。そして、この減衰力によって、上記エンジンシェークの減衰を図ることとしている。
【0009】
請求項記載の発明においては、上記基本構成に加えて、上記振動子のところに設けられるピストンを、主室と副室との間を連通する連通路の途中に設けられるものであって、扇形の形状を有する扇形ピストンからなるようにするとともに、当該扇形ピストンを駆動する駆動手段を、当該扇形ピストンの一部に、その一端が連結されるシャフトと、当該シャフトを介して上記扇形ピストンを揺動運動させるものであって、負圧を含む空気圧にて駆動されるロータリアクチュエータと、からなるようにしたことを特徴とする
【0010】
このような構成を採ることにより、本発明においては、装置全体をコンパクトに形成することができるようになり、質量軽減化等を図ることができるようになる。また、アイドリング振動の遮断に関しては、上記主室と副室との間を連結する連通路の途中に設けられた扇形ピストンを、ロータリアクチュエータを作動させることによって揺動運動させ、これによって、上記主室内の液体を振動させるとともに、上記アイドリング振動の入力に対して上記主室内の液圧上昇を抑えるようにしている。これによって、低動バネ定数を形成させ、アイドリング振動の遮断を図ることとしている。また、車両走行中におけるエンジンシェークに対しては、上記ロータリアクチュエータに導入される負圧または高圧の空気圧を一定の値に固定し、これによって上記ロータリアクチュエータを非作動の状態とし、更には、上記扇形ピストンの揺動運動を停止させるようにする。これによって、上記主室内の容積変化を少なくし、主室内の液体が上記オリフィスを通って副室側へと流動するようにする。この液体の流動に基づく粘性抵抗の作用により、本防振装置に高減衰機能を発揮させ、これによって上記エンジンシェークを抑え込むこととしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図4を基に説明する。本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、振動体側に取り付けられる連結金具91と、車体側のメンバ等に取り付けられる取付ブラケット95と、これら連結金具91と取付ブラケット95との間にあって、上記振動体からの振動を遮断するインシュレータ8と、当該インシュレータ8に対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体(液体)の封入される主室6及び副室7と、これら主室6と副室7との間において液体を流動させるオリフィス67と、上記主室6と副室7との間を仕切る仕切板2と、圧縮性流体である空気の導入される空気室68と、当該空気室68と上記副室7との間を仕切る第二のダイヤフラム(外側ダイヤフラム)29と、上記主室6に面する側に設けられるものであって上記主室6内の液体を特定の周波数にて加振する振動子1と、当該振動子1のピストン11を作動させるものであって負圧あるいは高圧の空気圧にて駆動される駆動手段5と、からなることを基本とするものである。
【0012】
このような基本構成において、上記振動子1は、図1及び図2に示す如く、主室6に面して設けられるピストン11と、当該ピストン11に、その一端が連結されるとともに、他端が負圧等にて駆動される駆動手段5の可動部(可動片)51に連結されるロッド12と、からなることを基本とするものである。そして、このような構成からなる振動子1のピストン11は、上記仕切板2の中央部に設けられたシリンダ室211内に収納され、当該シリンダ室211内を上下方向に摺動運動するようになっているものである。
【0013】
このシリンダ室211は、図1及び図2に示す如く、仕切板2の中央部に形成された開口部と、当該開口部の周りに設けられた円筒部25と、当該円筒部25の下方部に取り付けられたリング21とにて形成されるようになっているものである。なお、このリング21は、円環状の部材からなるものであって、その上方部は、上記円筒部25の下端部に結合されるようになっているものである。そして、このように形成された上記リング21と上記円筒部25とによって、シリンダ室211が形成されるようになっているものである。
【0014】
そして、このシリンダ室211の下方部には、中央部にロッド12を有した状態で、上記シリンダ室211の下方部を塞ぐように、第一のダイヤフラムである内側ダイヤフラム22が設けられるようになっている。そして、このような内側ダイヤフラム22の取り付けられるシリンダ室211の外側である上記リング21の外側には、上記副室7と空気室68との間を仕切る第二のダイヤフラムである外側ダイヤフラム29が設けられるようになっている。なお、この外側ダイヤフラム(第二のダイヤフラム)29と上記内側ダイヤフラム(第一のダイヤフラム)22とは、別体のものからなり、両者の作動は連成しないようになっているものである。また、これら両ダイヤフラムは、外側ダイヤフラム29の方が、内側ダイヤフラム22よりも柔らかく形成されているものである。
【0015】
このような構成からなるシリンダ室211の下方部には、上記振動子1の一部を形成するロッド12を介して駆動手段5が設けられるようになっている。そして、この駆動手段5は、当該駆動手段5を駆動する(作動させる)動力源がエンジンの吸入負圧等を基礎とする負圧源からなるものである場合には、図1に示す如く、上記ロッド12の一端に取り付けられる可動片51と、当該可動片51を、その中央部に有するものであって、上記ロッド12の横振れを防止する蛇腹状ダンパ52と、当該蛇腹状ダンパ52及び上記取付ブラケット95等にて形成される空間であって導入路39を介して上記エンジンからの吸入負圧が適宜導入される作動室55と、からなることを基本とするものである。このような基本構成において、上記可動片51の下方部には、当該可動片51及び上記ロッド12の下方移動を規制するとともに、これら部材12、51並びに上記ピストン11の上下動を規制するためのロック装置の役目を果たすストッパ59が設けられるようになっている。また、上記蛇腹状ダンパ52は、上記ロッド12の横振れを防止するとともに、当該ロッド12につながる可動片51及び当該ロッド12を介して上下動するピストン11の上下往復運動を駆動するものであるので、上下方向には変形し易く、かつ、その横方向(ラジアル方向)には変形しにくい形態及び部材にて形成されるようになっているものである。一般には、エラストマ、あるいはプラスチック材、または金属製の板材等からなるものである。
【0016】
なお、このような構成からなる本駆動手段5に導入される動力源が、高圧の空気圧(高圧エア)からなるものである場合には、当該高圧エアの導入される作動室55周りの構成は、図2に示すような構造となる。すなわち、当該作動室55には高圧の空気圧(高圧エア)が導入路39を介して導入されることとなるので、当該作動室55の容積変化を基に駆動される可動片51、及び当該可動片51と連動して作動する上記ロッド12、更にはピストン11等は上向きの運動が基本となる。従って、これら可動部材51、12、11の上方への移動規制並びにこれら可動部材51、12、11の上下方向の固定(ロック)も、上記可動片51等を上方に移動させた状態(位置)で行なわれるようになっている。そのため、本実施の形態のものにおいては、図2に示す如く、上記可動片51の上方部にストッパリング53を設け、このストッパリング53の更に上方部に、当該ストッパリング53と係合するものであって、その中央部に上記ロッド12のガイド部58を有するストッパ59が設けられるようになっている。
【0017】
このような構成からなる上記駆動手段5の作動室55に、負圧または高圧の空気圧を、適宜タイミングをもって導入するように切換作動をする切換手段3は、三方弁等からなるものである。そして、これら切換作動は、一体的に設けられたソレノイドによって行なわれるようになっているものである。すなわち、本切換手段3はソレノイドバルブにて形成されるようになっているものである。
【0018】
このような切換手段3の切換作動を制御する制御手段4は、マイクロプロセッサユニット(MPU)を基礎として形成されるマイクロコンピュータからなるものである。そして、これら構成からなる制御手段4の制御作用により、上記切換手段3が駆動され、これによって、エンジンの吸入負圧等にて形成される負圧、あるいは高圧の空気圧等が、適当なタイミングをもって断続的に上記作動室55に導入されるようになっている。そして、このような切換手段3を介しての負圧または高圧の空気圧(高圧エア)の導入によって、上記振動子1の一部を形成するピストン11が上下振動をし、上記主室6内の液体を加振するようになっているものである。
【0019】
次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作動態様等について説明する。すなわち、本実施の形態のものにおいては、主室6内に、当該主室6内の液体を加振する振動子1が設けられるようになっているとともに、当該振動子1は負圧または高圧の空気圧にて作動する駆動手段5によって駆動されるようになっているものである。そして、この負圧または高圧の空気圧の導入は、制御手段4にて制御される切換手段(ソレノイドバルブ)3を介して行なわれるようになっているものである。すなわち、このソレノイドバルブ3の作動によって、上記駆動手段5の作動室55内へは、負圧または高圧の空気圧が特定の周波数をもって周期的に導入されたり、あるいは一定の負圧または高圧の空気圧が連続的に導入されたりするようになっているものである。従って、例えば、入力振動がエンジンアイドリング振動である場合には、上記ソレノイドバルブ3のON/OFF作動によって、上記作動室55内の容積を変化させ、これによって、主室6内の液体を振動させ、上記インシュレータ8を介して入力されるアイドリング振動による上記主室6内の液圧上昇を吸収するようにしている。その結果、本防振装置にて形成されるバネ系の動バネ定数が低下することとなる。これによって、アイドリング振動の吸収及び遮断が行なわれることとなる。
【0020】
また、上記アイドリング振動よりも更に低周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、当該振動が約10Hz前後の低周波数を有するものであるので、これに対して、動バネ定数を低くすることによって振動遮断を図ることは困難である。そこで、本実施の形態のものにおいては、本防振装置における減衰特性の向上によって、上記エンジンシェークに関する振動を抑え込む(減衰させる)こととしている。すなわち、上記駆動手段5を形成する上記作動室55に、図1及び図2に示す如く、一定の負圧または一定の高圧エアを導入し、当該作動室55内の容積を一定の状態にするようにしている。これによって、上記振動子1を形成するピストン11は、その上下方向に固定された状態となり、上記主室6内の容積変化に寄与しないようになる。その結果、上記インシュレータ8を介しての入力振動に対して、上記主室6内の液体はオリフィス67を通じて上記副室7側へと流動するようになる。そして、この液体の流動に伴なう粘性抵抗によって、所定の減衰力が生ずるようになる。この減衰力によって、エンジンシェークの抑制が図られることとなる。
【0021】
次に、本発明の他の実施の形態に関するものについて、図3及び図4を基に説明する。このものの特徴とするところは、振動子1を形成するピストンに扇形のピストン(扇形ピストン)11’を採用するとともに、当該扇形ピストン11’を駆動する駆動手段として、負圧または高圧の空気圧にて作動するロータリアクチュエータ5’を用いるようにしたことである。すなわち、液体封入式の防振装置において、上記振動子1を形成するピストンを、図4に示す如く、扇形の形態を有する扇形ピストン11’からなるようにするとともに、当該扇形ピストン11’を、図3及び図4に示す如く、主室6と副室7との間を連結する連通路26の、その途中のところに設けるようにした構成を採ることとしたことである。具体的には、上記振動子1を形成する扇形ピストン11’は、図4に示す如く、主室6と副室7との間を仕切る仕切板2のところに設けられた連通路26の、その途中に設けられるようになっているものである。そして更に、当該扇形ピストン11’は、ロータリアクチュエータ5’に連結されるシャフト56(図3参照)及び当該シャフト56につながるレバー15を介して、上記連通路26内の所定の場所にて揺動運動が可能なように取り付けられるようになっているものである。
【0022】
このような構成を採ることにより、本実施の形態のものにおいては、上記主室6内の液体を特定の周波数にて加振する振動子1の構造を簡略化することができるようになる。その結果、装置全体をコンパクトに形成することができるようになる。すなわち、本防振装置全体の小形化及び軽量化を図ることができるようになる。このような構成において、各種振動、例えばアイドリング振動の入力に対しては、制御手段4の制御信号に基づき作動する切換手段3の切換作動により、負圧または高圧の空気圧を特定の周期をもって断続的にロータリアクチュエータ5’に送るようにし、これによって、上記扇形ピストン11’を作動(揺動運動)させ、上記主室6内の液体を振動させるとともに、上記アイドリング振動の入力によってもたらされる上記主室6内の液圧上昇を吸収させるようにしている。その結果、本アイドリング振動に対する本防振装置の動バネ定数が低下し、当該アイドリング振動の遮断が行なわれることとなる。また、当該アイドリング振動よりも、更に低周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、上記ロータリアクチュエータ5’を所定の位置に停止させるようにして、上記扇形ピストン11’を所定の位置に固定した状態に保持するようにしている。これによって、上記インシュレータ8を介して主室6内に入力した振動エネルギーは、本主室6内の液体をオリフィス67を介して副室7側へと流動させるように作動する。このオリフィス67内における液体の流動作用によって高減衰特性が得られるようになり、その結果、上記エンジンシェークに関する振動は減衰されることとなる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、振動体側に取り付けられる連結金具と、車体側のメンバ等に取り付けられる取付ブラケットと、これら連結金具と取付ブラケットとの間にあって上記振動体からの振動を遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体(液体)の封入される主室及び副室と、これら主室と副室との間において液体を流動させるオリフィスと、上記主室と副室との間を仕切る仕切板と、圧縮性流体である空気の導入される空気室と、当該空気室と上記副室との間を仕切るダイヤフラムと、上記主室に面する側に設けられるものであって上記主室内の液体を特定の周波数にて加振する振動子と、からなる液体封入式の防振装置に関して、上記振動子を、主室内の液体を加振するピストンと、当該ピストンを駆動するものであって負圧を含む空気圧の導入される駆動手段と、からなるようにするとともに、当該駆動手段に負圧または空気圧のうちのいずれか一方のものを断続的に導入するように切換作動をする切換手段を設け、更に、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段を設けるようにした構成を採ることとしたので、従来のボイスコイルタイプのものに比べて、部品点数が少なくなり、装置全体の簡略化を図ることができるようになった。その結果、装置全体の小形化、軽量化を図ることができるようになった。また、磁力を採用しないようにしたので、磁気洩れ防止手段を設ける必要が無くなり、これらによっても装置全体の小形化及び軽量化を図ることができるようになった。また、動力源に、エンジンの吸入負圧を利用することにより、システム全体を、更に簡略化及び小形化することができるようになった。これらの結果、システム(装置)全体の製造原価の低減化を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に関するものであって動力源に高圧エアを用いるようにしたものについての、その構造を示す縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に関するものの、その全体構成を示す縦断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に関するものの、扇形ピストン周りの構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 振動子
11 ピストン
11’ 扇形ピストン
12 ロッド
15 レバー
2 仕切板
21 リング
211 シリンダ室
22 第一のダイヤフラム(内側ダイヤフラム)
25 円筒部
26 連通路
29 第二のダイヤフラム(外側ダイヤフラム)
3 切換手段
39 導入路
4 制御手段
5 駆動手段
5’ ロータリアクチュエータ
51 可動片
52 蛇腹状ダンパ
53 ストッパリング
55 作動室
56 シャフト
58 ガイド
59 ストッパ
6 主室
67 オリフィス
68 空気室
7 副室
8 インシュレータ
91 連結金具
95 取付ブラケット

Claims (2)

  1. 振動体側に取り付けられる連結金具と、車体側に取り付けられる取付ブラケットと、これら連結金具と取付ブラケットとの間にあって上記振動体からの振動を遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体(液体)の封入される主室及び副室と、これら主室と副室との間において液体を流動させるオリフィスと、上記主室と副室との間を仕切る仕切板と、圧縮性流体である空気の導入される空気室と、当該空気室と上記副室との間を仕切るダイヤフラムと、上記主室に面する側に設けられるものであって上記主室内の液体を特定の周波数にて加振する振動子と、からなる液体封入式の防振装置において、
    上記振動子を、主室内の液体を加振するピストンと、当該ピストンを駆動するものであって負圧を含む空気圧の導入される駆動手段と、からなるようにするとともに、当該駆動手段に負圧または空気圧を断続的に導入するように切換作動をする切換手段を設け、更に、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段を設け、
    上記振動子のところに設けられるピストンを駆動する駆動手段を、上記ピストンを上下動させるためのロッドに一体的に結合される可動片と、上記ロッドの横振れを防止するものであって、その中心部に上記可動片を有するとともに、当該可動片を駆動するための負圧または空気圧の導入される作動室の一部を形成する蛇腹状ダンパと、当該蛇腹状ダンパ及び取付ブラケットにて形成されるものであって、上記可動片を駆動する役目を果たす作動室と、からなるようにするとともに、上記振動子を形成するピストンのところに、当該ピストンを囲むようにシリンダ室を設け、当該シリンダ室の下方部を閉鎖するように第一のダイヤフラムを設け、当該第一のダイヤフラムを、上記副室と空気室との間を仕切るダイヤフラム(第二のダイヤフラム)とは別の動きをする、非連成の構成からなるようにしたことを特徴とする液体封入式の防振装置。
  2. 振動体側に取り付けられる連結金具と、車体側に取り付けられる取付ブラケットと、これら連結金具と取付ブラケットとの間にあって上記振動体からの振動を遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体(液体)の封入される主室及び副室と、これら主室と副室との間において液体を流動させるオリフィスと、上記主室と副室との間を仕切る仕切板と、圧縮性流体である空気の導入される空気室と、当該空気室と上記副室との間を仕切るダイヤフラムと、上記主室に面する側に設けられるものであって上記主室内の液体を特定の周波数にて加振する振動子と、からなる液体封入式の防振装置において、
    上記振動子を、主室内の液体を加振するピストンと、当該ピストンを駆動するものであって負圧を含む空気圧の導入される駆動手段と、からなるようにするとともに、当該駆動手段に負圧または空気圧を断続的に導入するように切換作動をする切換手段を設け、更に、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段を設け、
    上記振動子のところに設けられるピストンを、扇形の形状を有する扇形ピストンからなるものであって、主室と副室との間を連通する連通路の途中に設けられるようにするとともに、当該扇形ピストンを駆動する駆動手段を、当該扇形ピストンの一部に、その一端が連結されるシャフトと、当該シャフトを介して上記扇形ピストンを揺動運動させるものであって、負圧を含む空気圧にて駆動されるロータリアクチュエータと、からなるようにしたことを特徴とする液体封入式の防振装置。
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