JP2004176825A - ダイナミックダンパ付運動案内装置及びテーブル装置 - Google Patents

ダイナミックダンパ付運動案内装置及びテーブル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転がり型の運動案内装置において、移動ブロックの移動方向と交差する方向の外力により移動ブロックが振動するのを効果的に抑制することができるダイナミックダンパ付運動案内装置を提供する。
【解決手段】主振動系を構成する運動案内装置の移動ブロックに錘と弾性体を有する副振動系を取り付ける。該副振動系によって、移動ブロックが移動する方向と交差する方向での移動ブロックの振動を抑制する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、案内対象の直線又は曲線運動を案内する転がり型の運動案内装置、及び複数の運動案内装置を用いたテーブル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リニアスライダにおいて、可動体を目標位置に素早く位置決めするために、動吸振器を可動体に付加することによって、可動体の振動時間を短くする技術が提案されている(例えば特許文献1、1〜2頁参照)。
【0003】
この特許文献1では、可動体の上に錘とゴムとで構成された動吸振器を設け、外力によって主振動系を構成する可動体になされる仕事を動吸振器で吸収し、これにより可動体の振動時間を短くしている。
【0004】
ところで運動案内装置は、案内対象を一直線上又は曲線上を往復運動させる場合に使われる案内装置であり、工作機械やロボットの構成要素として非常に多く用いられている。一般に転がり型の運動案内装置では、案内対象に取り付けられる移動ブロックが多数のボール、ローラ等の転動体を介して軌道レールに組み付けられ、移動ブロックが軌道レールに対して相対的に直線又は曲線運動できるようになっている。
【0005】
この移動ブロックには、移動ブロックの移動ブロックの移動方向と交差する方向において様々な外力が加わる。移動ブロックはこのような外力を負荷しながら、軌道レールに沿って往復運動する。
【0006】
【特許文献1】実開平1−150245号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような運動案内装置では、移動ブロックの移動方向に交差する方向の外力が移動ブロックに加わると、転動体及び移動ブロックが変形し、移動ブロックが荷重の方向に変位する。このため、外力の変動に伴って移動ブロックが外力の方向に振動する。
【0008】
例えば上述した運動案内装置では、移動ブロックは、中央部と中央部の両側に設けられた一対の側壁部を有して全体が略鞍形状に形成されている。移動ブロックに外力としてラジアル荷重、すなわち移動ブロックを軌道レールに向かって押し付ける方向の荷重が加わると、転動体が圧縮変形し、また移動ブロックの一対の側壁部が外側、すなわち軌道レールから離れる側に開くように変形する。このためラジアル荷重の変動に伴ってラジアル荷重が加わる方向に移動ブロックが僅かに振動する。この結果、例えば工作機械のびびり振動が励起されて加工能力、加工品位、あるいは工具寿命が低下したり、騒音が発生する等、テーブルに好ましくない影響が生じる。
【0009】
上述の特許文献1に記載の発明は、可動体が移動する方向における可動体の振動を動吸振器で吸収することができる。しかし該動吸振動器では、可動体が移動する方向と交差する方向の可動体の振動を抑制することができない。
【0010】
そこで本発明は、転がり型の運動案内装置において、移動ブロックの移動方向と交差する方向の外力により移動ブロックが振動するのを効果的に抑制することができるダイナミックダンパ付運動案内装置及びテーブル装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、転動体転走部が形成される軌道レールと、前記軌道レールの転動体転走部に対応する負荷転動体転走部を含む転動体循環路を有し、前記軌道レールに対して相対的に移動可能に組み付けられる移動ブロックと、前記転動体循環路に配列され、前記移動ブロックの前記軌道レールに対する相対的な運動に伴って、前記軌道レールの前記転動体転走部と前記移動ブロックの前記負荷転動体転走部との間を転がり運動する複数の転動体と、を有する運動案内装置と、主振動系を構成する前記移動ブロックに取り付けられ、錘と弾性体を有する副振動系と、を備え、前記副振動系によって、前記移動ブロックが移動する方向と交差する方向での前記移動ブロックの振動が抑制されることを特徴とする。
【0012】
前記移動ブロックは、中央部と中央部の両側に設けられた一対の側壁部を有して全体が略鞍形状に形成され、前記移動ブロックの上面となる前記中央部の表面に、テーブルを取り付けることができ、前記副振動系が、前記移動ブロックの側面となる前記側壁部の表面に取り付けられるのが望ましい。
【0013】
この発明によれば、運動案内装置にテーブルを取り付ける際に、移動ブロックの側面に空くスペースを有効利用して副振動系を設置することができる。
【0014】
一対の前記副振動系が、前記移動ブロックの両側面となる一対の前記側壁部の表面それぞれに取り付けられるのが望ましい。
【0015】
この発明によれば、副振動系の錘の質量を大きくすることができ、効果的に主振動系の移動ブロックの振動を吸収することができる。
【0016】
前記副振動系は、前記移動ブロックに取り付けられ、前記移動ブロックが移動する方向と直交する断面において中空に形成されるケーシングと、前記ケーシング内に前記ケーシングの内周面に接触した状態で設けられ、前記断面において中空に形成される前記弾性体としてのゴム部材と、前記ゴム部材内に前記ゴム部材の内周面と接触した状態で配置される前記錘と、を有することが望ましい。
【0017】
この発明によれば、移動ブロックが移動する方向と直交する面内において錘がいずれの方向にも振動できるので、前記直交する面内でのいずれの方向における前記移動ブロックの振動をも抑制することができる。
【0018】
前記錘の質量を変化できるように、前記錘は、複数に分割された分割錘と、該複数の分割錘を連結する連結手段とを有するのが望ましい。
【0019】
この発明によれば、副振動系を構成する錘の質量の変化が容易になるので、例えば、設計段階ではわからない主振動系の振動の抑制状況に合わせて、現場で副振動系を構成する錘の質量を変化させることができる。
【0020】
また本発明は、転動体転走部が形成される軌道レールと、前記軌道レールの転動体転走部に対応する負荷転動体転走部を含む転動体循環路を有し、前記軌道レールに対して相対的に移動可能に組み付けられる移動ブロックと、前記転動体循環路に配列され、前記移動ブロックの前記軌道レールに対する相対的な運動に伴って、前記軌道レールの前記転動体転走部と前記移動ブロックの前記負荷転動体転走部との間を転がり運動する複数の転動体と、を有する複数の運動案内装置と、前記軌道レールを平行にして配置される前記複数の運動案内装置のそれぞれの移動ブロックを跨るように取り付けられるテーブルと、主振動系を構成する前記移動ブロックに取り付けられ、錘と弾性体を有する副振動系と、を備え、前記副振動系によって、前記移動ブロックが移動する方向と交差する方向での前記移動ブロックの振動が抑制されることを特徴とするダンパ付テーブル装置としてもよい。
【0021】
前記移動ブロックは、中央部と中央部の両側に設けられた一対の側壁部を有して全体が略鞍形状に形成され、前記テーブルは、前記移動ブロックの上面となる前記中央部の表面に取り付けられ、前記副振動系は、複数の運動案内装置それぞれの移動ブロックの側面となる側壁部の表面間に介在・取り付けられ、前記移動ブロックが移動する方向と直交する断面において中空に形成されるケーシングと、前記ケーシング内に前記ケーシングの内周面に接触した状態で設けられ、前記断面において中空に形成される前記弾性体としてのゴム部材と、前記ゴム部材内に前記ゴム部材の内周面と接触した状態で配置される前記錘と、を有するのが望ましい。
【0022】
この発明によれば、移動ブロックが移動する方向と直交する面内において錘がいずれの方向にも振動できるので、前記移動ブロックが移動する方向と直交する面内でのいずれの方向における前記移動ブロックの振動をも抑制することができる。また、複数の移動ブロック間に副振動系の錘を介在させることで、副振動系の錘の質量を大きくすることができ、効果的に主振動系の移動ブロックの振動を吸収することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明が適用されたダイナミックダンパ付運動案内装置を示す。図1は軌道レールが伸びる方向から見た正面図を示し、図2は平面図を示す。いずれの図面においてもダイナミックダンパ、すなわち副振動系1は断面図で示されている。
【0024】
運動案内装置2は、工作機械のベッド等の固定部3に取り付けられる軌道レール4と、前記軌道レール4に対して相対的に移動可能に組み付けられる移動ブロック5と、軌道レール4と移動ブロック5との間に介在される複数のボール6とを備える。軌道レール4には、転動体転走部としてのボール転走溝4aが形成される。移動ブロック5には、軌道レール4のボール転走溝4aに対応する負荷転動体転走部としての負荷ボール転走溝5dが形成されると共に、該負荷ボール転走溝5dを含むボール循環路7が形成される(後述する図5及び図6参照)。複数のボール6は、ボール循環路7に配列され、移動ブロック5の軌道レール4に対する相対的な運動に伴って、軌道レール4のボール転走溝4aと移動ブロック5の負荷ボール転走溝5dとの間を転がり運動する。
【0025】
移動ブロック5は、中央部5aと中央部5aの両側に設けられた一対の側壁部5bを有して全体が略鞍形状に形成される。移動ブロック5の上面9となる中央部5aの表面に、テーブル10が取り付けられている。運動案内装置の詳細については後述する。
【0026】
主振動系を構成する移動ブロック5には、錘11と弾性体12を有する副振動系1が取り付けられる。この副振動系1は、移動ブロック5の移動方向と交差する方向の外力によって移動ブロック5になされる仕事を吸収し、移動ブロック5の移動方向と交差する方向の移動ブロック5の振動を抑制する。
【0027】
運動案内装置2にテーブル10を取り付ける際、移動ブロック5の側面にはスペースSが空く。このスペースSを有効利用できるように、副振動系1は移動ブロック5の側面13となる側壁部5bの表面に取り付けられる。副振動系1は、移動ブロック5の側面の一方のみに取り付けられてもよいし、図中2点鎖線で示すように、移動ブロック5の側面13の両方それぞれに取り付けられてもよい。副振動系1を移動ブロック5の側面13の一方のみに取り付けるか、両方に取り付けるかは、副振動系1の必要な錘11の質量に応じて適宜決定される。ここで副振動系1の錘11の質量を大きくすると、効果的に主振動系の移動ブロック5の振動を吸収することができる。
【0028】
副振動系1は、移動ブロック5にボルト等で締結され、移動ブロック5の移動方向(図2中Z方向)に細長く伸びるケーシング14と、ケーシング14内に収容され、移動ブロック5の移動方向に細長く伸びる弾性体としてのゴム部材12と、該ゴム部材12内に収容され、移動ブロック5の移動方向に細長く伸びる錘11とで構成される。ケーシング14は、移動ブロック5が移動する方向と直交する断面(図1に示される断面)において、中空の四角形枠状に形成される。ゴム部材12は、ケーシング14内にケーシング14の内周面に接触した状態で設けられ、前記断面において同様に中空の四角形状に形成される。錘11は、ゴム部材12内にゴム部材12の内周面と接触した状態で配置される。ゴム部材12の厚みは副振動系1のばね定数に影響を与える。図中X方向に配置されるゴム部材12aの厚さ、及び図中Y方向に位置されるゴム部材12bの厚さは、この実施形態では等しく設定されるが、外力が移動ブロック5に加わる方向、及び振動数に応じて異なって設定されてもよい。錘11の周囲がゴム部材12で覆われているので、外力によって移動ブロック5が例えば図中上下方向、すなわちY方向に振動されると、副振動系1の錘11も図中上下方向、すなわちY方向に振動する。一方外力によって移動ブロック5が例えば図中左右方向、すなわちX方向に振動されると、副振動系1の錘11も図中左右方向、すなわちX方向に振動する。副振動系1は移動ブロック5が移動する方向と直交する面内において、錘11をいずれの方向にも振動させることができるように構成され、これにより、前記直交する面内でのいずれの方向の外力が移動ブロック5に加わっても、移動ブロック5の振動を抑制することができるようになっている。
【0029】
錘11は、移動ブロック5の移動方向に複数に分割されている。分割錘11aはそのZ方向における厚さが、薄いものから厚いものまで様々に設定される。複数の分割錘11aは連結手段としての通しボルト16によって連結され、必要に応じて錘11に入れ込まれたり、錘11から出されたりする。このため、副振動系1を構成する錘11の質量を変化させるのが容易になり、例えば設計段階ではわからない主振動系の振動の抑制状況に合わせて、現場で副振動系1を構成する錘11の質量を変化させることができる。
【0030】
図3はダイナミックダンパ付運動案内装置の主振動系及び副振動系1のモデルの一例を示す。このモデルでは、錘の変位が少ないことからゴム部材が粘性減衰を有さないものと仮定する。
【0031】
m:主振動体(移動ブロック)の質量、k:主振動系のばね定数、m:副振動系1の錘質量、k:副振動系1のばね定数(ゴム部材のばね定数)、xst:主振動体(移動ブロック)の静的変位(=P/k)、ω=√(k/m):主振動系固有振動数、ω=√(k/m):ダンパ系固有振動数、R=m/m:質量比とすると、主振動体(移動ブロック)に周期的外力Psinωtが働くときの運動方程式は下記数1で表される。
【0032】
【数1】
Figure 2004176825
【0033】
このような系の角振動数ωをもった強制振動の振幅は下記数2で表される。
【0034】
【数2】
Figure 2004176825
【0035】
数2よりω=ωのとき主振動体(移動ブロック)の変位が0になることがわかる。したがって、副振動系1の固有振動数ωを外力の振動数に一致させれば、外力によって主振動体(移動ブロック)になされる仕事を副振動系1の振動として吸収することができる。
【0036】
図4ないし図6は運動案内装置の詳細図を示す。図4は一部断面図を含む斜視図を示し、図5は移動ブロックが移動する方向と直交する面内での断面図を示し、図6は図5のVI−VI線断面図を示す。
【0037】
軌道レール4は長手方向に直角な断面が略矩形状に形成され、固定ボルトを挿通するための取付け孔21が長手方向に適宜間隔を開けて貫通されている。軌道レール4の上面には例えば2条のボール転走溝4aが形成される。軌道レール4の両側面にも例えば一条のボール転走溝4aが形成される。
【0038】
移動ブロック5は、ブロック本体22と、ブロック本体22の前後両端面に取り付けられる一対のエンドキャップ23とから構成される。ブロック本体22の上面には、テーブル10を移動ブロック5にボルト固定するためのねじ穴24が複数形成されている。ブロック本体22の中央部5a及び側壁部5bには、軌道レール4のボール転走溝4aに向かい合う負荷ボール転走溝5dが形成され、また負荷ボール転走溝5dに平行にボール戻し路25が形成されている。負荷ボール転走溝5dとボール転走溝4aで構成される負荷転走路と、負荷ボール戻し路25とはエンドキャップ23に形成されるU字状の方向転換路26で連結されている。エンドキャップ23には軌道レール4に密着するシール部材27が装着され、移動ブロック5の内部に異物が侵入するのを防止している。
【0039】
ボール戻し路25はブロック本体22に空けられた貫通穴28の内周面を樹脂の管状体29で被覆することで形成されている。ブロック本体22の中央部5aの下面側及び側壁部5bの内面側にも、樹脂の被覆部30が形成される。この被覆部30は後述するボール連結体31のベルト32を案内する。管状体29及び被覆部30は、インサート成形法により成形される。
【0040】
複数のボール6は数珠状に繋げたボール連結体33として無限循環路に組み込まれている。図7はボール連結体33の一例を示す。かかるボール連結体33は、可撓する連結体ベルト34と、この連結体ベルト34に摺動・回転可能に保持された複数のボール6とから構成される。連結体ベルト34はボール6間に介在された複数の間座部35を有すると共に、これら間座部35をベルト32で連結して構成されている。各間座部35にはボール6の球面に対応した球面凹部36が形成されている。
【0041】
図6に示すように、軌道レール4に対する移動ブロック5の相対的な移動に伴い、軌道レール4のボール転走溝4aと移動ブロック5の負荷ボール転走溝5dとの間の負荷転送路をボール6が転がる。負荷転送路の一端まで到達したボール6は、無負荷域の方向転換路26及びボール戻し路25を経由しての他端に戻され、再び負荷転送路を転がる。
【0042】
図8及び図9は本発明が適用されるテーブル装置を示す。図8は軌道レール4の伸びる方向から見たテーブル装置の正面図を示し、図9はテーブル装置の平面図を示す。このテーブル装置の運動案内装置2は、上記ダイナミックダンパ付運動案内装置の運動案内装置2と同様な構成を有し、工作機械のベッド等の固定部3に取り付けられる軌道レール4と、前記軌道レール4に対して相対的に移動可能に組み付けられる移動ブロック5と、軌道レール4と移動ブロック5との間に介在される複数のボールとを備える。このテーブル装置では、運動案内装置2が複数、例えば2つ、軌道レール4を平行にして配置され、複数の運動案内装置2のそれぞれの移動ブロック5を跨るようにテーブル10が取り付けられる。
【0043】
移動ブロック5は、中央部5aと中央部5aの両側に設けられた一対の側壁部5bを有して全体が略鞍形状に形成される。移動ブロック5の上面9となる中央部5aの表面に、テーブル10が取り付けられている。
【0044】
副振動系1は、複数の運動案内装置2それぞれの移動ブロック5の側面13となる側壁部5bの表面間に介在・取り付けられる。この実施形態では、各運動案内装置2に一対の移動ブロック5が組み付けられ、合計4つの移動ブロック5間に副振動系1が介在されている。
【0045】
副振動系1のケーシング14は、移動ブロック5が移動する方向と直交する断面において中空に形成され、その両端が移動ブロック5の側面13に取り付けられる。ケーシング14内には、ケーシング14の内周面に接触した状態で弾性体としてのゴム部材12が設けられる。このゴム部材12も前記断面において中空に形成される。ゴム部材12内には、ゴム部材12の内周面と接触した状態で錘11が配置される。
【0046】
このテーブル装置でも、移動ブロック5が移動する方向と直交する面内において錘11がいずれの方向にも振動できるので、移動ブロック5が移動する方向と直交する面内でのいずれの方向における移動ブロック5の振動をも抑制することができる。また、複数の移動ブロック5間に副振動系1の錘11を介在させることで、副振動系1の錘11の質量を大きくすることができ、効果的に主振動系の移動ブロック5の振動を吸収することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、主振動系を構成する運動案内装置の移動ブロックに錘と弾性体を有する副振動系を取り付け、該副振動系によって、移動ブロックが移動する方向と交差する方向での移動ブロックの振動を抑制するので、移動ブロックの移動方向と交差する方向の外力により移動ブロックが振動するのを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるダイナミックダンパ付運動案内装置を示す図(軌道レールが伸びる方向から見た正面図)。
【図2】本発明の一実施形態におけるダイナミックダンパ付運動案内装置を示す平面図図。
【図3】ダイナミックダンパ付運動案内装置の主振動系及び副振動系のモデルの一例を示す図。
【図4】運動案内装置を示す斜視図(一部断面図を含む)。
【図5】運動案内装置を示す断面図(移動ブロックが移動する方向と直交する面内での断面図)。
【図6】図6は図5のVI−VI線断面図。
【図7】ボール連結体の一例を示す斜視図。
【図8】本発明の一実施形態におけるテーブル装置を示す図(軌道レールの伸びる方向から見たテーブル装置の正面図)。
【図9】テーブル装置の平面図。
【符号の説明】
1…副振動系(ダイナミックダンパ)
2…運動案内装置
4…前記軌道レール
4a…ボール転走溝
5…移動ブロック
5a…中央部
5b…側壁部
5d…負荷ボール転走溝
6…ボール(転動体)
7…ボール循環路
9…移動ブロックの上面
10…テーブル
11…錘
11a…分割錘
12…ゴム部材(弾性体)
13…移動ブロックの側面
14…ケーシング
16…通しボルト(連結手段)

Claims (7)

  1. 転動体転走部が形成される軌道レールと、
    前記軌道レールの転動体転走部に対応する負荷転動体転走部を含む転動体循環路を有し、前記軌道レールに対して相対的に移動可能に組み付けられる移動ブロックと、
    前記転動体循環路に配列され、前記移動ブロックの前記軌道レールに対する相対的な運動に伴って、前記軌道レールの前記転動体転走部と前記移動ブロックの前記負荷転動体転走部との間を転がり運動する複数の転動体と、を有する運動案内装置と、
    主振動系を構成する前記移動ブロックに取り付けられ、錘と弾性体を有する副振動系と、を備え、
    前記副振動系によって、前記移動ブロックが移動する方向と交差する方向での前記移動ブロックの振動が抑制されることを特徴とするダイナミックダンパ付運動案内装置。
  2. 前記移動ブロックは、中央部と中央部の両側に設けられた一対の側壁部を有して全体が略鞍形状に形成され、
    前記移動ブロックの上面となる前記中央部の表面に、テーブルを取り付けることができ、
    前記副振動系が、前記移動ブロックの側面となる前記側壁部の表面に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のダイナミックダンパ付運動案内装置。
  3. 一対の前記副振動系が、前記移動ブロックの両側面となる一対の前記側壁部の表面それぞれに取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のダイナミックダンパ付運動案内装置。
  4. 前記副振動系は、
    前記移動ブロックに取り付けられ、前記移動ブロックが移動する方向と直交する断面において中空に形成されるケーシングと、
    前記ケーシング内に前記ケーシングの内周面に接触した状態で設けられ、前記断面において中空に形成される前記弾性体としてのゴム部材と、
    前記ゴム部材内に前記ゴム部材の内周面と接触した状態で配置される前記錘と、を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のダイナミックダンパ付運動案内装置。
  5. 前記錘の質量を変化できるように、
    前記錘は、複数に分割された分割錘と、該複数の分割錘を連結する連結手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のダイナミックダンパ付運動案内装置。
  6. 転動体転走部が形成される軌道レールと、
    前記軌道レールの転動体転走部に対応する負荷転動体転走部を含む転動体循環路を有し、前記軌道レールに対して相対的に移動可能に組み付けられる移動ブロックと、
    前記転動体循環路に配列され、前記移動ブロックの前記軌道レールに対する相対的な運動に伴って、前記軌道レールの前記転動体転走部と前記移動ブロックの前記負荷転動体転走部との間を転がり運動する複数の転動体と、を有する複数の運動案内装置と、
    前記軌道レールを平行にして配置される前記複数の運動案内装置のそれぞれの移動ブロックを跨るように取り付けられるテーブルと、
    主振動系を構成する前記移動ブロックに取り付けられ、錘と弾性体を有する副振動系と、を備え、
    前記副振動系によって、前記移動ブロックが移動する方向と交差する方向での前記移動ブロックの振動が抑制されることを特徴とするダイナミックダンパ付テーブル装置。
  7. 前記移動ブロックは、中央部と中央部の両側に設けられた一対の側壁部を有して全体が略鞍形状に形成され、
    前記テーブルは、前記移動ブロックの上面となる前記中央部の表面に取り付けられ、
    前記副振動系は、
    複数の運動案内装置それぞれの移動ブロックの側面となる側壁部の表面間に介在・取り付けられ、前記移動ブロックが移動する方向と直交する断面において中空に形成されるケーシングと、
    前記ケーシング内に前記ケーシングの内周面に接触した状態で設けられ、前記断面において中空に形成される前記弾性体としてのゴム部材と、
    前記ゴム部材内に前記ゴム部材の内周面と接触した状態で配置される前記錘と、を有することを特徴とする請求項6に記載のダイナミックダンパ付テーブル装置。
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