JP2004176201A - セルロースアセテートプロピオネート繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維としてしかるべき良好な強伸度特性および高い初期引張抵抗度などの機械的特性を有したセルロースアセテートプロピオネート繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維であって、繊維の強度が1.0〜2.5cN/dtex、伸度が5〜40%、初期引張抵抗度が30cN/dtex以上であることを特徴とするセルロースアセテートプロピオネート繊維およびその製造方法。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセルロースアセテートプロピオネート繊維およびその製造方法に関する。より詳しくは、良好な強伸度特性および高い初期引張抵抗度を有したセルロースアセテートプロピオネート繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースエステル、セルロースエーテルなどのセルロース系材料は、地球上で最も大量に生産されるバイオマス材料として、また、環境中にて生分解可能な材料として昨今の大きな注目を集めつつある。現在、商業的に利用されているセルロースエステルの代表例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられ、繊維、フィルム、プラスチック、塗料など幅広い分野に利用されている。
【0003】
セルロースの繊維としての利用に関しては、自然界中で産生する綿や麻などの短繊維をそのまま紡績して使用することが古くから行われてきた。短繊維ではなく、フィラメント材料を得るためには、レーヨンのようにセルロースを二硫化炭素等の特殊な溶媒系で溶解させ湿式紡糸法での製糸を行うか、セルロースアセテートのようにセルロースを誘導体化して、塩化メチレンやアセトン等の有機溶媒に溶解させた後、この溶媒を蒸発させながら紡糸する乾式紡糸法での製糸を行うしか方法がなかった。しかし、これらの湿式紡糸法あるいは乾式紡糸法では、紡糸速度が遅いため、生産性が低いという問題があるだけでなく、使用する二硫化炭素、アセトン、塩化メチレン等の有機溶剤が環境に対して悪影響を及ぼす懸念が強いため、環境との調和を考える場合には、決して良好な製糸方法とはいえない。
【0004】
一方、溶融紡糸法を用いる方法としては、セルロースアセテートにポリエチレングリコールのような水溶性可塑剤を配合して溶融紡糸を行い、中空糸用の繊維を製造するものがある(例えば、特許文献1参照)が、平均分子量106〜900のポリエチレングリコールを単独で使用しても紡糸の際の断糸率の点から、低い紡糸ドラフトでないと溶融紡糸は困難である。さらに、ポリエチレングリコールのような吸湿性の強い可塑剤を単独で使用することは用途の点から制限が大きい。
【0005】
セルロースエステル繊維の延伸に関しては、中空繊維を得ることを目的として、セルロースジアセテート41〜50重量%と可塑剤50〜59重量%からなる組成物を溶融紡糸法による繊維化を行った後、常温下での延伸を行う方法がある(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。この場合、常温下での延伸のため延伸張力が非常に高くなってしまい、延伸倍率はたかだか1.2倍以下の範囲しか採用できない。さらにこの組成物には多量の可塑剤が含有されているため、延伸時の可塑剤のブリードやまた布帛にした場合、低い初期引張抵抗度に起因して、はり・こしのある布帛を得ることは極めて困難であった。
【0006】
セルロースの混合エステルであるセルロースアセテートプロピオネート繊維に関しても、セルロースアセテートプロピオネート90重量%と可塑剤(アジピン酸ジオクチル)10重量%からなる組成物を溶融紡糸して得た繊維も、紡糸速度が1000m/分でさえ、初期引張抵抗度が25cN/dtex程度であり、はり・こしを有した布帛を得ることが困難であった。その上、繊維強度は0.8cN/dtexと低強度の繊維しか得ることができなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開昭56−91006号公報(第1頁)
【0008】
【特許文献2】
特開昭54−42420号公報(第1〜2頁)
【0009】
【特許文献3】
特開昭62−250215号公報(第1頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、繊維として良好な強伸度特性および高い初期引張抵抗度などの機械的特性を備えたセルロースアセテートプロピオネート繊維およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の課題は、セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維であって、繊維の強度が1.0〜2.5cN/dtex、伸度が5〜30%、初期引張抵抗度が30cN/dtex以上であることを特徴とするセルロースアセテートプロピオネート繊維によって達成できる。
【0012】
また本発明の別の課題は、セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維を供給糸として延伸を行うに際し、供給糸をあらかじめ加熱した後、供給ローラーと該供給ローラーよりも早い速度で回転する延伸ローラーとの間で1.05〜2.0倍に延伸するとともに該延伸中に熱処理手段により熱処理し、かつ前記供給糸の加熱温度T1(℃)と熱処理手段の温度T2(℃)が下記式の関係を満たすことを特徴とするセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法によって達成できる。
【0013】
50≦T1≦140、T1+10≦T2
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、セルロースアセテートプロピオネート繊維およびその製造方法について詳細に説明する。
【0015】
本発明におけるセルロースアセテートプロピオネートのアセチル基およびプロピオニル基の置換度は、下式を満たすことが好ましい。
2.5≦(アセチル基の置換度+プロピオニル基の置換度)≦3.0
0.1≦(アセチル基の置換度)≦1.0
1.5≦(プロピオニル基の置換度)≦2.9
上式を満たすセルロースアセテートプロピオネートは可塑剤との相溶性および熱流動性の観点から好ましい。
【0016】
セルロースアセテートプロピオネートの数平均分子量(Mn)は15000以上であることが好ましい。数平均分子量(Mn)が15000未満の場合、セルロースアセテートプロピオネートの繊維特性が低下するため好ましくない。数平均分子量は20000以上であることがより好ましく、25000以上であることが最も好ましい。数平均分子量(Mn)は高ければ高いほど好ましいが、熱流動性の観点から、数平均分子量(Mn)は15万以下であることが好ましい。なお数平均分子量(Mn)とは、GPC測定により算出した値をいい、実施例にて詳細に説明する。
【0017】
セルロースアセテートプロピオネートに対して可塑化作用を有する多価アルコールエステルの含有量は、セルロースアセテートプロピオネート100重量部に対して2〜25重量部であることが好ましい。多価アルコールエステルの含有量を2〜25重量部とすることで、セルロースアセテートプロピオネートの熱流動性が向上するため、生産効率の高い溶融紡糸法での生産が可能となったり、繊維断面を任意に制御することが可能となったり、複合繊維が可能となったり、さらに良好な熱可塑性を生かして延伸を容易に行うことができる。多価アルコールエステルが2重量部未満の場合、延伸時の加熱におけるポリマーの軟化が乏しいため、満足できる延伸を行うことができない。25重量部より多い場合、延伸時に可塑剤が繊維表面にしみ出したり、またそれに起因してヌメリ感が発生してしまい、高品質の製品を得ることができない。さらには熱的寸法安定性が悪くなってしまい、染色工程や高次加工工程において収縮に起因する問題が生じ、取り扱いが困難となってしまう。また布帛にした場合、はり(張り)・こし(腰)のないものとなってしまう。セルロースアセテートプロピオネート100重量部に対して可塑化作用を有する多価アルコールエステルの含有量は、より好ましくは5〜20重量部、最も好ましくは8〜18重量部である。
【0018】
本発明で具体的に用いることができる多価アルコールエステル可塑剤は、セルロースアセテートプロピオネートとの相溶性が良く、また熱可塑化効果が顕著に表れるグリセリンエステル、ジグリセリンエステルなどグリセリン系のエステル化合物やポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどの水酸基にアシル基が結合した化合物である。
【0019】
具体的なグリセリンエステルとして、グリセリンジアセテートステアレート、グリセリンジアセテートパルミテート、グリセリンジアセテートミスチレート、グリセリンジアセテートラウレート、グリセリンジアセテートカプレート、グリセリンジアセテートノナネート、グリセリンジアセテートオクタノエート、グリセリンジアセテートヘプタノエート、グリセリンジアセテートヘキサノエート、グリセリンジアセテートペンタノエート、グリセリンジアセテートオレート、グリセリンアセテートジカプレート、グリセリンアセテートジノナネート、グリセリンアセテートジオクタノエート、グリセリンアセテートジヘプタノエート、グリセリンアセテートジカプロエート、グリセリンアセテートジバレレート、グリセリンアセテートジブチレート、グリセリンジプロピオネートカプレート、グリセリンジプロピオネートラウレート、グリセリンジプロピオネートミスチレート、グリセリンジプロピオネートパルミテート、グリセリンジプロピオネートステアレート、グリセリンジプロピオネートオレート、グリセリントリブチレート、グリセリントリペンタノエート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリンプロピオネートラウレート、グリセリンオレートプロピオネートなどが挙げられるがこれに限定されず、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
【0020】
この中でも、グリセリンジアセテートカプリレート、グリセリンジアセテートペラルゴネート、グリセリンジアセテートカプレート、グリセリンジアセテートラウレート、グリセリンジアセテートミリステート、グリセリンジアセテートパルミテート、グリセリンジアセテートステアレート、グリセリンジアセテートオレートが好ましい。
【0021】
ジグリセリンエステルの具体的な例としては、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンテトラプロピオネート、ジグリセリンテトラブチレート、ジグリセリンテトラバレレート、ジグリセリンテトラヘキサノエート、ジグリセリンテトラヘプタノエート、ジグリセリンテトラカプリレート、ジグリセリンテトラペラルゴネート、ジグリセリンテトラカプレート、ジグリセリンテトララウレート、ジグリセリンテトラミスチレート、ジグリセリンテトラパルミテート、ジグリセリントリアセテートプロピオネート、ジグリセリントリアセテートブチレート、ジグリセリントリアセテートバレレート、ジグリセリントリアセテートヘキサノエート、ジグリセリントリアセテートヘプタノエート、ジグリセリントリアセテートカプリレート、ジグリセリントリアセテートペラルゴネート、ジグリセリントリアセテートカプレート、ジグリセリントリアセテートラウレート、ジグリセリントリアセテートミスチレート、ジグリセリントリアセテートパルミテート、ジグリセリントリアセテートステアレート、ジグリセリントリアセテートオレート、ジグリセリンジアセテートジプロピオネート、ジグリセリンジアセテートジブチレート、ジグリセリンジアセテートジバレレート、ジグリセリンジアセテートジヘキサノエート、ジグリセリンジアセテートジヘプタノエート、ジグリセリンジアセテートジカプリレート、ジグリセリンジアセテートジペラルゴネート、ジグリセリンジアセテートジカプレート、ジグリセリンジアセテートジラウレート、ジグリセリンジアセテートジミスチレート、ジグリセリンジアセテートジパルミテート、ジグリセリンジアセテートジステアレート、ジグリセリンジアセテートジオレート、ジグリセリンアセテートトリプロピオネート、ジグリセリンアセテートトリブチレート、ジグリセリンアセテートトリバレレート、ジグリセリンアセテートトリヘキサノエート、ジグリセリンアセテートトリヘプタノエート、ジグリセリンアセテートトリカプリレート、ジグリセリンアセテートトリペラルゴネート、ジグリセリンアセテートトリカプレート、ジグリセリンアセテートトリラウレート、ジグリセリンアセテートトリミスチレート、ジグリセリンアセテートトリパルミテート、ジグリセリンアセテートトリステアレート、ジグリセリンアセテートトリオレート、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンカプリレート、ジグリセリンミリステート、ジグリセリンオレートなどのジグリセリンの混酸エステルが挙げられるがこれらに限定されず、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
【0022】
この中でも、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンテトラプロピオネート、ジグリセリンテトラブチレート、ジグリセリンテトラカプリレート、ジグリセリンテトララウレートが好ましい。
【0023】
ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどポリアルキレングリコールの水酸基にアシル基が結合した化合物の具体的な例として、ポリオキシエチレンジアセテート、ポリオキシエチレンジプロピオネート、ポリオキシエチレンジブチレート、ポリオキシエチレンジバリレート、ポリオキシエチレンジカプロエート、ポリオキシエチレンジヘプタノエート、ポリオキシエチレンジオクタノエート、ポリオキシエチレンジノナネート、ポリオキシエチレンジカプレート、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジミリスチレート、ポリオキシエチレンジパルミテート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンジリノレート、ポリオキシエチレンモノアセテート、ポリオキシエチレンモノプロピオネート、ポリオキシエチレンモノブチレート、ポリオキシエチレンモノバリレート、ポリオキシエチレンモノカプロエート、ポリオキシエチレンモノヘプタノエート、ポリオキシエチレンモノオクタノエート、ポリオキシエチレンモノノナネート、ポリオキシエチレンモノカプレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノミリスチレート、ポリオキシエチレンモノパルミテート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンモノリノレート、ポリオキシプロピレンジアセテート、ポリオキシプロピレンジプロピオネート、ポリオキシプロピレンジブチレート、ポリオキシプロピレンジバリレート、ポリオキシプロピレンジカプロエート、ポリオキシプロピレンジヘプタノエート、ポリオキシプロピレンジオクタノエート、ポリオキシプロピレンジノナネート、ポリオキシプロピレンジカプレート、ポリオキシプロピレンジラウレート、ポリオキシプロピレンジミリスチレート、ポリオキシプロピレンジパルミテート、ポリオキシプロピレンジステアレート、ポリオキシプロピレンジオレート、ポリオキシプロピレンジリノレート、ポリオキシプロピレンモノアセテート、ポリオキシプロピレンモノプロピオネート、ポリオキシプロピレンモノブチレート、ポリオキシプロピレンモノバリレート、ポリオキシプロピレンモノカプロエート、ポリオキシプロピレンモノヘプタノエート、ポリオキシプロピレンモノオクタノエート、ポリオキシプロピレンモノノナネート、ポリオキシプロピレンモノカプレート、ポリオキシプロピレンモノラウレート、ポリオキシプロピレンモノミリスチレート、ポリオキシプロピレンモノパルミテート、ポリオキシプロピレンモノステアレート、ポリオキシプロピレンモノオレート、ポリオキシプロピレンモノリノレートなどが挙げられるがこれに限定されず、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
【0024】
本発明におけるセルロースアセテートプロピオネートと多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維は、強度が1.0〜2.5cN/dtex、伸度が5〜30%、初期引張抵抗度が30cN/dtex以上である。
【0025】
強度は1.0〜2.5cN/dtexである。強度が1.0cN/dtex以上であれば、製織や製編時など高次加工工程の通過性が良好であり、また最終製品の強力も不足することがないため好ましい。良好な強度特性の観点から、強度は高ければ高いほど好ましいが、具体的には1.2cN/dtex以上であることがより好ましく、1.5cN/dtex以上であることが最も好ましい。
【0026】
伸度は5〜30%である。伸度が5%以上である場合には製織や製編時など高次加工工程において糸切れが多発することがない。また伸度が30%以下の繊維は低い応力であれば変形することがなく、製織時の緯ひけなどにより最終製品の染色欠点を生じることがないため好ましい。良好な伸度としては、10〜30%であることがより好ましく、15〜25%であることが最も好ましい。
【0027】
初期引張抵抗度は30cN/dtex以上である。初期引張抵抗度が30cN/dtex未満では、布帛にした場合、柔軟すぎるため、こしを有したものでなくなってしまう。適度なはり・こしを有した布帛を得るためには、初期引張抵抗度は30cN/dtex以上とすることが非常に重要である。初期引張抵抗度は、繊維の残留伸度の観点から、50cN/dtex以下であることが好ましい。
【0028】
本発明におけるセルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維の単糸繊度は、0.5〜100dtexであることが好ましい。単糸繊度が0.5dtex以上であれば、直接溶融紡糸法によって製糸性よく繊維を得ることができる。また、単糸繊度が100dtex以下であれば、繊維構造物の曲げ剛性が大きくなりすぎることなく、ソフトさが要求される衣料用布帛などにも適用することができる。単糸繊度は好ましくは0.7〜50dtexであり、最も好ましくは1〜25dtexである。
【0029】
本発明における、セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維のU%(ウースターノーマル%)は、3%以下であることが好ましい。U%とは、繊維の長さ方向の繊度斑をいう。U%が3%以下であることは、繊度の均一性に優れた繊維であり、値は小さければ小さい程好ましい。より好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2%以下である。なおU%測定方法に関しては、実施例にて詳細に説明する。
【0030】
本発明における、セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維の断面形状に関しては、特に制限がなく、実質的に真円状の円形断面であってもよいし、多葉形、扁平形、楕円形、W字形、S字形、X字形、H字形、C字形、田字形、井桁形、中空などの異形断面であってもよい。また、芯鞘複合、偏芯芯鞘複合、サイドバイサイド型複合、異繊度混繊などのように複合繊維であってもよい。さらには、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤、着色顔料、静電剤、抗菌剤等として、無機微粒子や有機化合物を必要に応じて含有することができる。
【0031】
本発明におけるセルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維を得るためには、一旦紡糸によって得られた繊維を、熱延伸する方法を採用することができる。紡糸に関しては、溶融紡糸法を採用することができ、プレッシャーメルター型やエクストルーダー型など公知の溶融押出紡糸機において、加熱溶融した後、口金から押出し、チムニーにより糸条を冷却し、油剤付与により糸条を収束させ、巻き取る方法を用いることができる。この際、紡糸温度は200〜260℃が好ましく、さらに好ましくは210〜250℃である。紡糸温度を200℃以上とすることにより、組成物の溶融粘度が低くなり溶融紡糸性が向上するので好ましい。また260℃以下にすることにより、組成物の熱分解が抑制されるため好ましい。
【0032】
良好な強伸度特性、高い初期引張抵抗度を有した機械的特性に優れたセルロースアセテートプロピオネート繊維を得るためには、紡糸によって得られたセルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維を供給糸として延伸を行うことが好ましい。この延伸に際しては、供給糸をあらかじめ加熱した後、供給ローラーと該供給ローラーよりも早い速度で回転する延伸ローラーとの間で1.05〜2.0倍に延伸するとともに該延伸中、延伸後に熱処理手段により熱処理し、かつ供給糸の加熱温度T1(℃)と熱処理手段の温度T2(℃)が下記式の関係を満たすことを特徴とするセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法により、本発明の機械的特性に優れた繊維を得ることができる。
【0033】
50≦T1≦140、T1+10≦T2
この際、供給糸の加熱方法が、加熱ローラーとの接触、熱ピンとの接触、熱板との接触、液体浴への浸漬よりなる群より選ばれる方法であり、さらに熱処理手段が延伸ローラーまたは熱板であることを好ましく適用できる。
【0034】
延伸工程に供する、紡糸によって得られた繊維の伸度は15%以上100%以下であることが好ましい。伸度が15%未満の場合、延伸時の糸切れが多発したり、延伸後の繊維の伸度が非常に低くなってしまう。延伸工程に供する繊維の伸度は、好ましくは20%以上、最も好ましくは25%以上である。
【0035】
供給糸の加熱温度T1は50℃以上140℃以下とするものである。50℃未満の場合、供給糸の予熱が不十分のため、延伸時の熱変形が均一に行われなくなり繊度斑が発生してしまう。さらには延伸張力が非常に高くなり、糸切れが多発してしまいスムーズな延伸が行えない。供給糸の軟化を良好にすることにより延伸張力を低下させ、スムーズな延伸を行うためには、供給糸の加熱温度は50℃以上140℃以下であるが、より好ましくは70℃以上135℃以下であり、最も好ましくは80℃以上130℃以下である。
【0036】
ここで、延伸を容易にさせうるための供給糸の加熱は延伸前に行うものであり、加熱手法は、供給ローラーと延伸ローラー間で実施されるものであって、走行糸条を直接的あるいは間接的に加熱させうる装置であれば特に限定はされない。具体的な加熱手法としては、加熱ローラー、熱ピン、熱板、温水・熱水などの液体浴、熱空・スチームなどの気体浴、レーザーなどが挙げられる。加熱温度の制御、走行糸条への均一な加熱、装置が複雑にならない観点から、加熱ローラーとの接触、熱ピンとの接触、熱板との接触、液体浴への浸漬を加熱手法として用いることが好ましい。特に加熱ローラーを用いて供給糸を加熱させる場合、図1に記載のごとく、加熱ローラーが第2供給ローラーを兼ねることが最も効果的である
熱処理手段の温度(T2)は、供給糸の加熱温度(T1)よりも10℃以上高い温度とするものである。熱処理手段の温度(T2)を供給糸の加熱温度(T1)よりも10℃以上高くすることにより、延伸された繊維の熱収縮率を低下させ、初期引張抵抗度を向上させることができる。熱処理手段の温度(T2)の上限温度は、供給糸の融点−10℃以下であることが好ましい。熱処理手段の温度(T2)が、供給糸の融点−10℃より高い場合、単糸間の融着が生じてしまい、機械的特性の低下や高品位な繊維を得ることができなくなってしまう。熱処理手段の温度(T2)の上限温度は、供給糸の融点−15℃以下であることが好ましく、供給糸の融点−20℃以下であることがより好ましい。
【0037】
ここで熱処理手段は供給ローラーより下流側に設けられてなるものであって、走行糸条を直接的あるいは間接的に加熱させうる装置であれば特に限定はされない。具体的な熱処理手段としては、熱ローラー、熱板、スチーム発生装置、ホットチューブ、スリットヒーターなどが挙げられる。繊維に対する加熱効率および走行摩擦を低減する観点からは熱ローラーまたは熱板を熱処理手段として用いることが好ましく、この場合、図1に記載のごとく、延伸ローラー6が加熱され、熱処理手段7を兼ねることが最も効果的である。なお図1において、1は供給糸であり、該供給糸は第1供給ローラー2を経て加熱された第2供給ローラー3と延伸ローラー6との間の延伸ゾーン5で延伸され、ローラー8を介して巻き取られる。
【0038】
また図2のごとく、加熱された第2供給ローラー3と加熱または非加熱の延伸ローラー6との間で、熱板などの熱処理手段7によって熱処理を行う延伸方法としても良い。
【0039】
なお熱処理は延伸工程中、延伸を施された繊維に行うものである。
【0040】
延伸倍率は1.05〜2.0倍である。延伸倍率が1.05倍未満の場合、実質的に延伸を行っていない場合と同等の物性を有した繊維しか得られないし、延伸倍率が2.0倍より大きくすることは、セルロース主鎖の剛直性に起因して、実質的には困難である。良好な強伸度特性を有した繊維を得るためには、延伸倍率が1.05〜1.8倍であることがより好ましく、1.05〜1.5倍であることが最も好ましい。
【0041】
上述のように、セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維を供給糸として用い、延伸を行うことにより、機械的特性に優れたセルロースアセテートプロピオネート繊維を容易に得ることができ、それからなる布帛は、はり・こしを有したものとなる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
A.アセチル基およびプロピオニル基の置換度
80℃で8時間の真空乾燥により絶乾状態としたセルロースエステル0.9gを秤量し、アセトン35mlとジメチルスルホキシド15mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら0.5N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水50mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
【0043】
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSace=(162.14×TA)/[1−(Mwace−(16.00+1.01)×TA+{1−(Mwacy−(16.00+1.01)×TA}×Acy/Ace]
DSacy=DSace×(Acy/Ace)
TA:全有機酸量(ml)
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価
W:試料重量(g)
DSace:アセチル基の置換度
DSacy:アシル基の置換度
Mwace:酢酸の分子量
Mwacy:他の有機酸の分子量
Acy/Ace:酢酸(Ace)と他の有機酸(Acy)とのモル比
162.14:セルロースの繰り返し単位の分子量
16.00:酸素の原子量
1.01:水素の原子量
B.数平均分子量
合成したセルロースアセテートプロピオネートを濃度0.01重量%となるようにクロロホルムに完全に溶解させ、GPC測定用試料とした。この試料を用い、以下の条件のもと、Waters 2690でGPC測定を行い、ポリスチレン換算により数平均分子量(Mn)を求めた。
カラム:昭和電工製Shodex K−805L 2本連結
検出器:Waters2410 示差屈折計RI
移動層溶媒:クロロホルム
流速:1.0ml/分
注入量:200μl
C.強度、伸度および初期引張抵抗度
オリエンテック社製テンシロンUCT−100型を用い、試料長20cm、引張速度20cm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重の示す点の応力を繊度で除した値を繊維強度(cN/dtex)とした。また破断時の伸度を繊維の伸度(%)とした。
【0044】
初期引張抵抗度は、JIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)8.10(初期引張抵抗度)に基づいて算出した。
D.U%(ウースターノーマル%)
U%測定は、ツェルベガーウースター社製ウースターテスター4−CXにて給糸速度200m/min、Twistwr:S、12000/minの条件で1分間の測定を行い、得られた値をU%とした。
E.布帛評価
延伸糸を用いて作成した布帛の官能試験を実施し、布帛のはり・こし、品質について3段階評価した。「極めて優れている」は◎、「優れている」は○、「劣っている」は×で表した。
【0045】
合成例1
セルロース(日本製紙(株)溶解パルプ、α−セルロース92wt%)100重量部に、酢酸67重量部とプロピオン酸300重量部を加え、50℃で30分間混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸17重量部と無水プロピオン酸500重量部をエステル化剤として、さらにエステル化触媒として濃硫酸4重量部を加え、25℃に設定された水浴中にて150分間撹拌を行い、エステル化反応を行った。反応後、反応停止剤として酢酸100重量部と水33重量部の混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸333重量部と水100重量部を加えて、60℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム6重量部を含む水溶液を加えて、析出したセルロースアセテートプロピオネートを濾別し、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネートの置換度は、アセチル基0.1、プロピオニル基2.6、数平均分子量は6.9万であった。
【0046】
実施例1
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してグリセリンジアセテートモノオレート11重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0047】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度235℃にて溶融させ、紡糸温度235℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量8.33g/分の条件で、0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を36ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、500m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(167デシテックス−36フィラメント)の強度は1.05cN/dtex、伸度は29.9%、初期引張抵抗度は21.8cN/dtex、U%は0.5%であった。
【0048】
この未延伸糸を100℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を1.20倍にし、120℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、300m/分で巻き取った。延伸して得られた繊維(139デシテックス−36フィラメント)の強度は、1.44cN/dtex、伸度は12.9%、初期引張抵抗度は38.6cN/dtex、U%は0.9%であり、良好な繊維特性を有していた。
【0049】
得られた延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、非常にすぐれたはり・こしを有した高品質なものであった(表1参照)(表1参照)。
【0050】
実施例2
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してグリセリンジアセテートモノラウレート15重量部をエクストルーダーを用いて185℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0051】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度240℃にて溶融させ、紡糸温度240℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量7.2g/分の条件で、0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を48ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、500m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(144デシテックス−48フィラメント)の強度は0.91cN/dtex、伸度は42.1%、初期引張抵抗度は20.0cN/dtex、U%は0.7%であった。
【0052】
この未延伸糸を110℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を1.10倍にし、130℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、300m/分で巻き取った。延伸して得られた繊維(131デシテックス−48フィラメント)の強度は、1.15cN/dtex、伸度は22.3%、初期引張抵抗度は31.5cN/dtex、U%は0.8%であり、良好な繊維特性を有していた。
【0053】
得られた延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、非常にすぐれたはり・こしを有した高品質なものであった(表1参照)。
【0054】
実施例3
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してジグリセリンテトラカプリレート11重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0055】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度232℃にて溶融させ、紡糸温度232℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量12.5g/分の条件で、0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を24ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、750m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(167デシテックス−24フィラメント)の強度は1.14cN/dtex、伸度は23.7%、初期引張抵抗度は25.9cN/dtex、U%は0.8%であった。
【0056】
この未延伸糸を115℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を1.05倍にし、135℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、250m/分で巻き取った。延伸して得られた繊維(159デシテックス−24フィラメント)の強度は、1.21cN/dtex、伸度は16.3%、初期引張抵抗度は31.0cN/dtex、U%は0.9%であり、良好な繊維特性を有していた。
【0057】
得られた延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、非常にすぐれたはり・こしを有した高品質なものであった(表1参照)。
【0058】
実施例4
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してジグリセリンテトラアセテート18重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0059】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度230℃にて溶融させ、紡糸温度230℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量6.0g/分の条件で、0.15mmφ−0.30mmLの口金孔を18ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、600m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた未延伸糸(100デシテックス−18フィラメント)の強度は0.97cN/dtex、伸度は35.5%、初期引張抵抗度は22.1cN/dtex、U%は1.0%であった。
【0060】
この未延伸糸を125℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を1.35倍にし、135℃に設定された熱板に接触させ、非加熱の延伸ローラーに6周回接触させて、100m/分で巻き取った。延伸して得られた繊維(74デシテックス−18フィラメント)の強度は、1.38cN/dtex、伸度は10.1%、初期引張抵抗度は46.9cN/dtex、U%は1.3%であり、良好な繊維特性を有していた。
【0061】
得られた延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、すぐれたはり・こしを有した高品質なものであった(表1参照)。
【0062】
実施例5
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してポリエチレングリコール(分子量200)の両末端水酸基をラウリル酸で封鎖したポリオキシエチレンジラウレート12重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0063】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度235℃にて溶融させ、紡糸温度235℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量9.0g/分の条件で、0.27mmφ−0.67mmLの口金孔を36ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、500m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(180デシテックス−36フィラメント)の強度は1.03cN/dtex、伸度は44.8%、初期引張抵抗度は21.8cN/dtex、U%は0.4%であり、良好な繊維特性を有していた。
【0064】
この未延伸糸を90℃に設定された熱水に浸漬させ、延伸倍率を1.25倍にし、125℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、油剤を付与した後、50m/分で巻き取った。延伸して得られた繊維(144デシテックス−36フィラメント)の強度は、1.27cN/dtex、伸度は11.3%、初期引張抵抗度は36.1cN/dtex、U%は1.0%であった。
【0065】
得られた延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、非常にすぐれたはり・こしを有した高品質なものであった(表1参照)。
【0066】
【表1】
Figure 2004176201
【0067】
比較例1
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してグリセリンジアセテートモノオレート11重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0068】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度235℃にて溶融させ、紡糸温度235℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量10.5g/分の条件で、0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を36ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、1250m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(84デシテックス−36フィラメント)の強度は1.19cN/dtex、伸度は23.5%、初期引張抵抗度は26.8cN/dtex、U%は0.8%であった。
【0069】
得られた未延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、柔軟すぎるため、こしのない布帛しか得られなかった(表2参照)。
【0070】
比較例2
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してグリセリンジアセテートモノオレート11重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0071】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度235℃にて溶融させ、紡糸温度235℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量8.33g/分の条件で、0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を36ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、500m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(167デシテックス−36フィラメント)の強度は1.05cN/dtex、伸度は29.9%、初期引張抵抗度は21.8cN/dtex、U%は0.5%であった。
【0072】
この未延伸糸を145℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を1.10倍にし、150℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、200m/分で巻き取った。延伸時、供給ローラーの温度が高すぎるため、激しい糸揺れが見られ、さらに得られた繊維(151デシテックス−36フィラメント)の単糸間は融着していた。延伸糸の強度は、1.10cN/dtex、伸度は6.5%、初期引張抵抗度は30.5cN/dtex、U%は3.8%であった。
【0073】
得られた延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、単糸間の融着により布帛はざらつきを有しており、低品質のものしか得られなかった(表2参照)。
【0074】
比較例3
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してジグリセリンテトラカプリレート11重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0075】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度232℃にて溶融させ、紡糸温度232℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量12.5g/分の条件で、0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を24ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、750m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(167デシテックス−24フィラメント)の強度は1.14cN/dtex、伸度は23.7%、初期引張抵抗度は25.9cN/dtex、U%は0.7%であった。
【0076】
この未延伸糸を115℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を1.02倍にし、135℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、180m/分で巻き取った。延伸して得られた繊維(164デシテックス−24フィラメント)の強度は、1.17cN/dtex、伸度は19.0%、初期引張抵抗度は27.9cN/dtex、U%は0.8%であった。
【0077】
得られた延伸糸を200t/mの甘撚りを施し、経糸および緯糸に使用してツイル(2/2)を製織し、官能評価を行ったところ、柔軟すぎるため、こしのない布帛しか得られなかった(表2参照)。
【0078】
比較例4
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してジグリセリンテトラアセテート18重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0079】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度230℃にて溶融させ、紡糸温度230℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量6.0g/分の条件で、0.15mmφ−0.30mmLの口金孔を18ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、600m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた未延伸糸(100デシテックス−18フィラメント)の強度は0.97cN/dtex、伸度は35.5%、初期引張抵抗度は22.1cN/dtex、U%は1.0%であった。
【0080】
この未延伸糸を110℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を2.10倍にし、125℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、10m/分での巻き取りを試みたが、延伸ゾーンでの糸切れが頻発し、延伸糸を得ることができなかった(表2参照)。
【0081】
比較例5
合成例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート100重量部とセルロースアセテートプロピオネート100重量部に対してポリエチレングリコール(分子量200)の両末端水酸基をラウリル酸で封鎖したポリオキシエチレンジラウレート12重量部をエクストルーダーを用いて190℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースアセテートプロピオネート組成物ペレットを得た。
【0082】
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥により絶乾状態とし、メルター温度235℃にて溶融させ、紡糸温度235℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量9.0g/分の条件で、0.27mmφ−0.67mmLの口金孔を36ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を25℃、風速0.3m/秒のチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、500m/分で回転する第1ゴデットローラーにて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、巻き取り張力が0.1cN/dtexとなる速度で回転するワインダーにて巻き取った。得られた繊維(180デシテックス−36フィラメント)の強度は1.03cN/dtex、伸度は44.8%、初期引張抵抗度は21.8cN/dtex、U%は0.7%であった。
【0083】
この未延伸糸を40℃に設定された供給ローラーに6周回接触させ、延伸倍率を1.20倍にし、100℃に設定された延伸ローラーに6周回接触させて、100m/分での巻き取りを試みたが、供給ローラー上での供給糸の予熱不良のため、延伸ゾーンで糸切れが多発し、延伸糸を得ることはできなかった(表2参照)。
【0084】
【表2】
Figure 2004176201
【0085】
【発明の効果】
本発明のセルロースアセテートプロピオネート繊維は良好な機械的特性を有しており、衣料用繊維、医療用繊維、産業用繊維、不織布などとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明にかかるセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法の他の一例であり、熱処理手段の方法として熱板を用いた工程図である。
【図3】本発明にかかるセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法の他の一例であり、加熱方法として液体浴を用いた工程図である。
【符号の説明】
1:供給糸
2:第1供給ローラー
3:第2供給ローラー
4:供給糸の加熱実施個所
5:延伸ゾーン
6:延伸ローラー
7:熱処理実施個所
8:ローラー
9:延伸糸

Claims (4)

  1. セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維であって、該繊維の強度が1.0〜2.5cN/dtex、伸度が5〜30%、初期引張抵抗度が30cN/dtex以上であることを特徴とするセルロースアセテートプロピオネート繊維。
  2. セルロースアセテートプロピオネートおよび多価アルコールエステル可塑剤を少なくとも含んでなる組成物からなる繊維を供給糸として延伸を行うに際し、供給糸をあらかじめ加熱した後、供給ローラーと該供給ローラーよりも早い速度で回転する延伸ローラーとの間で1.05〜2.0倍に延伸するとともに該延伸中に熱処理手段により熱処理し、かつ前記供給糸の加熱温度T1(℃)と熱処理手段の温度T2(℃)が下記式の関係を満たすことを特徴とするセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法。
    50≦T1≦140、T1+10≦T2
  3. 前記供給糸の加熱方法が、加熱ローラーとの接触、熱ピンとの接触、液体浴への浸漬よりなる群より選ばれたものであることを特徴とする請求項2記載のセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法。
  4. 前記熱処理手段が延伸ローラーまたは熱板であることを特徴とする請求項2〜3のいずれか1項に記載のセルロースアセテートプロピオネート繊維の製造方法。
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