JP2004175917A - 油化装置 - Google Patents

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Kunisuke Konno
國輔 今野
Akinori Ito
昭典 伊東
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【目的】破砕プラスチックを効率よく迅速に溶解できる油化置及びこの油化装置により採集された採集油を有効利用できる石油精製方法を提供する。
【構成】本発明の油化装置は、溶解槽1に予め採集された採集油を収納し、この採集油内にプラスチック送り装置2から破砕プラスチックを供給し、この混合溶融液を送りスクリュー6により斜め上方に気化温度に加熱しつつ搬送し、気化ガスをコンデンサー12で冷却して油を採集し、この油の一部を溶解槽1に戻し、更に採集油の一部を石油精製行程の水素源として使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックを熱分解して油を得るための油化装置および原油を精製するための石油精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチックを溶融して気化させて熱分解し、それを冷却して油化するための油化装置として特開2000−1677号に開示されたものがある。しかしながら、上記油化装置としては破砕粉砕されたプラスチック片を固体のまま周囲から熱を加えて溶融するために溶融効率が悪いという問題がある。
【0003】
また、一般の石油精製行程においては、その精留の際に一旦精留して得た重質成分を水素源として次の精留に使用していた。
【0004】
そこで、本発明は、溶融効率のよい油化装置を提供するとともに、プラスチックから得た採集油を石油精製行程に使用してプラスチックからの採集油を効率よく活用できるための石油精製方法を提供することを目的とする。
【特許文献】
特開2000−1677公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の油化装置は、プラスチックを熱分解して油化する油化装置において、油化して採集された油をプラスチックと混合して溶融し、この溶融混合プラスチックを熱分解して気化させて冷却し採集することを特徴とする。
【0006】
更に本発明はプラスチックを溶融して気化させて採集された採集油を原油から精留して各種の油を採集するための石油精製行程中の水素源として使用することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の態様】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1において、本発明の油化装置Mは、溶解槽1を有し、この溶解槽1には、水平にプラスチック送り装置2が設けられ、この送り装置2は、ホッパー3を有し、このホッパー3には破砕して2〜3cmに裁断されたプラスチックが供給され、ホッパー3からのプラスチックは、モーター4により回転するリードスクリュー5によって溶解槽1内のほぼ中心まで送られる。この溶解槽1の底部には、傾斜して配置されたリードスクリュー6の下部が臨まされ、後述する重質油と混合して溶融したプラスチックが前記リードスクリュー6によってゆっくりと斜め上方に持ち上げられる。
【0009】
前記リードスクリュー6は、その上端に設けられたモーター7によって毎分ゆっくりと4〜6回転され、粘性ある溶融プラスチックを徐々に高温域に持ち上げていく。前記リードスクリュー6は、傾斜管8内に収納され、この傾斜管8内はその周囲に設けられたヒーター9によって約350℃〜550℃に熱せられ、上部に昇るに従って徐々に温度が上昇するように温度コントロールされる。
【0010】
一方、前記溶解槽1の周囲にもヒーター10が設けられ、これにより溶解槽1が温度300℃〜350℃に加熱され、重質油内に供給された破砕プラスチックが溶融される。
【0011】
前記傾斜管8の上端には、採集管11が取付けられ、550℃程度に徐々に加熱された気化ガスがこの採集管11によって採集され、採集管11の中間部に設けられたコンデンサー12によって冷却されて液化し、この液化油がタンク13内に貯留される。このタンク13内の一部の採集油は、精留塔14によって精留され、これによって得られた重質油が前記溶解槽1内に供給され、この重質油内に破砕プラスチックが供給される。前記溶解槽1内の予め加温された重質油内に破砕プラスチックが混入されると破砕プラスチックが加温液体から熱伝達され短時間で効率よく破砕プラスチックが溶融されることとなる。なお、精留塔14内で精留された軽質油、中質油は取り出されてそれぞれの用途に使用される。また、タンク13内に採集された採集油を精留塔14を介することなく直接溶解槽1内に供給することも可能である。
【0012】
前記溶解槽1の上端には、この溶解槽1内で気化したガスを前記傾斜管8の中間部分である400℃〜450℃に加熱された部分に戻すためのガス送り管15が設けられている。これにより、350℃以下の温度で気化した軽質ガスが傾斜管8内で分解重合して前記採集管11を介して採集される。
【0013】
前記傾斜管8の上端下面からは、残渣管16が垂下され、その下端は動作時には密閉された残渣タンク17内に収納されている。前記残渣タンク17内には、収納箱18が収納され、この収納箱18は残渣を収納した状態で残渣タンク17の下部に開閉自在に取付けられた開閉蓋19によって開かれた開口から外部に取り出され、これにより残渣が排出される。前記残渣管16の中間部分にはシャッター20が設けられ、このシャッター20は、前記開閉蓋19が開いて残渣タンク17が開放しているときに空気が残渣タンク16を通って傾斜管8内に入らないように残渣管16を閉じるものであり、このシャッター20は常時は開放して、残渣の残渣タンク17の落下を許容する。
【0014】
前記採集タンク13内に採集されたプラスチックの原料の採集油は、石油精製システム30の精留塔31又は反応塔32を動作させるための水素源として使用される。このような水素源としては、一般に、一旦蒸留された残渣重質油が使用されているが、この代替油としてプラスチックから採集した油を使用すれば、より上質の油として良好な水素源となり得るし、特に廃プラから採集した油を大量に消費でき効率よく廃プラを利用できることとなる。
【0015】
また、前記溶解槽1は、図2に示すようにその底部はリードスクリュー6を収納するような半円形部1aを有し、この内壁に接近してリードスクリューの羽根6aが配置されている。このように、溶解槽1を形成することにより溶解槽1内に残渣となる溶融プラスチック以外の物質が確実に傾斜管8上方に送り出されるようになっている。
【0016】
なお、溶解槽1内に予め収納される液体としては、例えば食用油(使用後の廃食油でもよい)でもよいし、自動車又は工作機器等に使用した各種循環油、エンジンオイルでもよく、これらの油は溶解プラスチックと混合して熱分解、熱重合して新たな成分の油として採集される。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、破砕プラスチックを効率よく短時間で溶融でき、プラスチックから得られた採集油を石油精製に効率よく活用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の概略構成図を示すための概念図である。
【図2】図2は、図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1…溶解槽
3…ホッパー
5、6…リードスクリュー
8…傾斜管
9、10…ヒーター
13…採集タンク
17…残渣タンク
30…石油精製システム

Claims (2)

  1. プラスチックを熱分解して油化する油化装置において、油化して採集された油をプラスチックと混合して溶融し、この溶融混合プラスチックを熱分解して気化させて冷却し採集することを特徴とする油化装置。
  2. プラスチックを溶融して気化させて採集された採集油を原油から精留して各種の油を採集するための石油精製行程中の水素源として使用することを特徴とする石油精製方法。
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