JP2004175531A - 自動給紙装置、該自動給紙装置を備えた記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの給紙ローラで全ての紙幅の記録紙に対応可能な自動給紙装置において、紙幅が狭い記録紙を給紙する際に生じるスキューを低減させる。
【解決手段】紙案内レバー3は、軸31を揺動軸として揺動可能に軸支されている。第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、第2のカム573は、紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合する。第2のカム573は、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態では、紙案内レバー3が紙戻しレバー59の紙戻し動作に干渉しない位置まで紙案内レバー3を揺動させる。給紙動作中には、第1のカム572が第1のカムフォロア34に当接して紙案内レバー3の係合面32による給紙経路の間隔を所定の間隔に維持する如く紙案内レバー3の揺動位置を規制する。
【選択図】 図3
【解決手段】紙案内レバー3は、軸31を揺動軸として揺動可能に軸支されている。第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、第2のカム573は、紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合する。第2のカム573は、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態では、紙案内レバー3が紙戻しレバー59の紙戻し動作に干渉しない位置まで紙案内レバー3を揺動させる。給紙動作中には、第1のカム572が第1のカムフォロア34に当接して紙案内レバー3の係合面32による給紙経路の間隔を所定の間隔に維持する如く紙案内レバー3の揺動位置を規制する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、インクジェット式記録装置等の記録装置に搭載され、給紙トレイに積重された記録紙を記録実行領域に向けて1枚ずつ自動給送する自動給紙装置、及び該自動給紙装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、インクジェット式記録装置等の記録装置に搭載され、給紙トレイに積重された記録紙を記録実行領域に向けて1枚ずつ自動給送する自動給紙装置は、回転中心から周面までの距離が一部短い略D形の横断面形状を有し、回転駆動力源の回転駆動力が伝達されて回転する給紙ローラと、給紙トレイに積重された記録紙を給紙ローラの周面へ付勢するホッパー等の付勢手段と、その付勢手段によって給紙ローラの周面へ付勢された複数の記録紙を、給紙ローラの回転によって給紙すべき1枚の記録紙とそれ以外の記録紙とに分離する分離パッドやリタードローラ等の分離手段とを有する自動給紙機構を備えている。このような自動給紙機構を例えば、記録紙の紙幅方向に複数組配設すると、様々な幅の記録紙に対応が容易であるとともに、搬送ローラ等の記録紙搬送手段による記録紙の搬送方向に対する記録紙の傾き、いわゆるスキューが生じにくくなる。しかし、自動給紙装置に上述したような自動給紙機構を複数組設けると、自動給紙装置のコストは上昇してしまうことになる。そこで、様々な技術改良等によって、この自動給紙機構を一組だけにした低コストな自動給紙装置(例えば特許文献1参照)が一般的になりつつあり、多くのインクジェット式記録装置に搭載されて広く普及している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている自動給紙装置は、前述した一組の自動給紙機構に加えて、分離パッドにて給紙すべき1枚の記録紙から分離された他の記録紙を給紙トレイに押し戻すための紙戻しレバーと、その紙戻しレバーを駆動するための機構とを備えており、分離パッドにて分離された記録紙を紙戻しレバーで給紙トレイに押し戻すことによって、記録紙の重送の虞が低減される。また、一組の前記自動給紙機構に対して、この紙戻しレバーを有する紙戻し機構が記録紙の紙幅方向の両端近傍に二組配設することによって、前述したような記録紙のスキューを防止している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−19981号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているような一組の前記自動給紙機構によって給紙トレイに積重された記録紙を自動給紙する構成を成す自動給紙装置は、1つの給紙ローラで全ての紙幅の記録紙に対応可能な位置(例えば略中央近傍)に給紙ローラが配設されるので、紙幅によっては、紙幅方向における給紙ローラの回転が伝達される位置が紙幅の中心からずれた位置に作用することになる。特にハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙を自動給紙する際には、給紙ローラが記録紙の紙幅方向の一端部近傍に接した状態で回転して記録紙が給送されることになる。そのため、紙幅方向における記録紙の湾曲状態が一端側と他端側とで大きく異なる状態となってしまい、その湾曲状態の偏りによって、記録紙の搬送方向に対する記録紙の傾き(スキュー)が生じやすくなってしまうという問題があった。
【0006】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、1つの給紙ローラで全ての紙幅の記録紙に対応可能な自動給紙装置において、紙幅が狭い記録紙を給紙する際に生じるスキューを低減させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願発明の第1の態様は、主走査方向に記録ヘッドを往復動させて前記記録ヘッドから記録紙の記録面にインクを吐出する記録実行手段と、記録紙を副走査方向に所定の搬送量で搬送する記録紙搬送手段とを備えた記録装置に搭載され、給紙トレイに積重された記録紙を前記記録紙搬送手段に向けて1枚ずつ自動給送する自動給紙装置であって、回転駆動力源の回転が伝達されて給紙方向に駆動回転する給紙ローラと、該給紙ローラの周面に沿って湾曲した状態で、前記給紙ローラの駆動回転にて前記記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の両側端が略均等な湾曲状態となる如く、前記記録紙の姿勢を規制する記録紙規制手段とを備えている、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0008】
このように、給紙ローラの周面に沿って湾曲した記録紙は、記録紙規制手段によって、両側端が略均等な湾曲状態となる如く姿勢を規制されるので、紙幅方向における給紙ローラの回転が伝達される位置が紙幅の中心からずれた位置に作用することによって生じる湾曲状態の偏りに起因したスキューを低減させることができる。
【0009】
これにより、本願発明の第1の態様における自動給紙装置によれば、紙幅方向における給紙ローラの回転が伝達される位置が紙幅の中心からずれた位置に作用することによって生じる湾曲状態の偏りに起因したスキューを低減させることができるので、1つの給紙ローラで全ての紙幅の記録紙に対応可能な自動給紙装置において、紙幅が狭い記録紙を給紙する際に生じるスキューを低減させることができるという作用効果が得られる。
【0010】
本願発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記記録紙規制手段は、前記給紙ローラの駆動回転にて前記記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の紙幅方向における基準側端部近傍の姿勢を一定の湾曲状態に規制する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0011】
前述したように、ハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙を自動給紙する際には、給紙ローラが記録紙の紙幅方向の一端部近傍に接した状態で回転して記録紙が給送されることになる。そのため、紙幅方向における記録紙の湾曲状態が一端側と他端側とで大きく異なる状態となってしまい、その湾曲状態の偏りによって、記録紙の搬送方向に対する記録紙のスキューが生じやすくなってしまう。そこで、給紙ローラの周面に沿って湾曲している紙幅方向の一端部近傍に対して、記録紙の両側端が略均等な湾曲状態となる如く、紙幅方向の記録紙位置の基準となる側の端部近傍の姿勢を規制することによって、つまり、紙幅方向の他端部近傍の姿勢を規制することによって、ハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙を自動給紙する際に生じるスキューを低減させることができるという作用効果が得られる。
【0012】
本願発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様において、前記給紙ローラを駆動回転可能に軸支し、回転駆動力源の回転を前記給紙ローラへ伝達する給紙ローラ回転軸を有し、前記記録紙規制手段は、揺動可能に軸支され、所定の揺動位置において前記記録紙と係合して該記録紙の姿勢を規制する記録紙規制部材と、前記給紙ローラ回転軸の回転位置に応じて前記記録紙規制部材の揺動位置を規定する揺動位置規定手段とを有している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0013】
このように、記録紙規制手段は、記録紙の姿勢を規制するための揺動可能に軸支された記録紙規制部材が、揺動位置規制手段によって給紙ローラ回転軸の回転位置に応じて揺動位置が規定され、所定の揺動位置において記録紙と係合して記録紙の姿勢を規制するので、記録紙の自動給送中に適切なタイミングで記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の両側端が略均等な湾曲状態となる如く記録紙の姿勢を規制することができるという作用効果が得られる。
【0014】
本願発明の第4の態様は、前述した第3の態様において、前記給紙トレイに積重された記録紙を前記給紙ローラへ付勢する付勢手段と、複数枚重なった状態で前記給紙ローラへ付勢された記録紙の最上位の記録紙のみを分離する分離手段と、該分離手段にて分離された記録紙以外の残りの記録紙を前記給紙トレイに戻す紙戻し手段とを備え、前記揺動位置規定手段は、前記紙戻し手段による紙戻し動作時に前記記録紙規制部材が該紙戻し動作に干渉しない位置まで揺動する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0015】
このように、複数枚重なった状態で給紙ローラへ付勢された記録紙の最上位の記録紙のみを分離する分離手段を備えているので、複数の記録紙が重なった状態で記録紙搬送手段へ給送されてしまうことを防止することができる。そして、給紙後、分離手段によって給紙すべき記録紙から分離された記録紙を給紙トレイに戻す紙戻し手段を備えているので、分離手段によって分離された記録紙が給紙トレイの出口と給紙ローラとの間に残留した状態から再度記録紙の給送を行うことによって生じるスキューや紙詰まり等のトラブルを防止することができるという作用効果が得られる。そして、記録紙規制手段は、紙戻し手段による紙戻し動作時に、記録紙規制部材がその紙戻し動作に干渉しない位置まで揺動する構成を成しているので、前述した第3の態様における作用効果に加えて、上述したような紙戻し手段による作用効果を得ることができる。
【0016】
本願発明の第5の態様は、前述した第3の態様又は第4の態様において、前記給紙ローラと前記記録紙搬送手段との間の給紙経路に、前記記録紙が摺接した状態で該記録紙を支持する案内部を備え、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態において、前記案内部の前記記録紙が摺接する案内面と前記給紙ローラの周面との間隔は、前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔と略等間隔となる、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0017】
このように、給紙ローラの回転によって記録紙が給送されている状態において、案内部の案内面から給紙ローラの周面までの間隔と、案内部の案内面から記録紙規制部材の係合面までの間隔とが略等間隔となるので、記録紙規制部材に規制されて湾曲している部分の湾曲状態を、給紙ローラの周面に接した状態で湾曲している部分の湾曲状態と略同等の湾曲状態に規制することができるという作用効果が得られる。
【0018】
本願発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態における前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔は、1.5±0.5mmに設定されている、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0019】
案内部の案内面と記録紙規制部材の係合面との間隔を調節することによって、スキューの方向やスキュー量等のスキュー状態が変化する。したがって、この間隔を最適な間隔に設定することによって、記録紙の湾曲状態の偏りによるスキューを最小限にすることができる。そして、特にハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙においては、この間隔を1.5±0.5mmの範囲に設定することで記録紙の湾曲状態の偏りによるスキューを最小限にすることができるという作用効果が得られる。
【0020】
本願発明の第7の態様は、前述した第3の態様〜第6の態様のいずれかにおいて、前記揺動位置規定手段は、前記給紙ローラ回転軸と一体に配設されているカムと、前記記録紙規制部材に形成されているカムフォロアとを有する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0021】
このように、揺動位置規定手段は、給紙ローラ回転軸と一体に配設されているカムと、記録紙規制部材に形成されているカムフォロアとを有するカム機構で構成されているので、記録紙規制部材を給紙ローラの回転位置に合わせて最適なタイミングで揺動させることが、給紙ローラ回転軸の回転によって回転するカムの形状によって容易に設定できるという作用効果が得られる。
【0022】
本願発明の第8の態様は、前述した第7の態様において、前記カムは、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態における前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔を規定する第1のカムと、給紙された前記記録紙の先端が前記記録紙搬送手段に到達した後に、前記案内面から前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面が離間する方向に前記記録紙規制部材を揺動させる第2のカムとを有している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0023】
このように、記録紙が給送されている状態における案内面と記録紙規制部材の記録紙との係合面との間隔を規定する動作と、給紙後に案内面から記録紙規制部材の記録紙との係合面が離間する方向に記録紙規制部材を揺動させる動作とを異なるカムで行うことによって、給紙ローラの回転位置に対するそれぞれの動作タイミングや記録紙規制部材の揺動位置を、記録紙規制部材の形状等による制約がより少ない状態で最適に設定することが容易になるという作用効果が得られる。
【0024】
本願発明の第9の態様は、前述した第1の態様〜第8の態様のいずれかに記載の自動給紙装置を備えた記録装置である。
本願発明の第9の態様における記録装置によれば、記録装置において、前述した第1の態様〜第8の態様のいずれかに記載の自動給紙装置による作用効果を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本願発明に係る「記録装置」としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
図1は、本願発明に係る「記録装置」としてのインクジェット式記録装置の要部を示した斜視図であり、図2は要部側面図である。
【0026】
インクジェット式記録装置50には、記録紙Pに記録を実行する手段として、キャリッジ61が本体フレーム1に支持されているキャリッジガイド軸51に軸受部611にて軸支された状態で、主走査方向Xに往復動可能に配設されている。キャリッジ61には、インクカートリッジ61aに充填されているインクを記録紙Pに噴射して記録を行う記録ヘッド62が搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。そして、キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド62を主走査方向Xに移動させる間に記録ヘッド62から記録紙Pにインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって記録紙Pに記録が行われる。
【0027】
インクジェット式記録装置50は、記録紙Pを自動給紙する本願発明に係る「自動給紙装置」としてのASF(オート・シート・フィーダ)10を搭載している。ASF10は、給紙ローラ57及び給紙トレイ58を備えており、1つの給紙ローラ57で全ての紙幅の記録紙Pに対応可能な構成を成す自動給紙機構である。給紙ローラ57は、回転中心から周面までの長さが一部短くなっている略D形の横断面形状を有しており、図示していないステッピング・モータ等の回転駆動力源の回転駆動力によって回転する給紙ローラ回転軸571に一体に軸支されている。給紙トレイ58は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙可能な構成となっており、給紙トレイ58に積重された記録紙Pを底面側から押し上げて給紙ローラ57の周面に付勢する「付勢手段」としてのホッパー581と、給紙トレイ58に積重される記録紙Pの紙幅に合わせて符号Aで示した方向に摺動可能に配設されているガイド部582とを有している。給紙ローラ57の周面には、高摩擦抵抗を有する部材が周設されており、給紙トレイ58に積重された記録紙Pは、ホッパー581によって給紙ローラ57の周面に付勢された記録紙Pの最上位の記録紙が給紙ローラ57の周面に密着した状態で給紙ローラ57の回転方向(符号B)に給紙される構成を成している。
【0028】
記録紙Pを副走査方向Yに搬送する「記録紙搬送手段」として、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、図示していないステッピング・モータ等の回転駆動力源によって回転し、搬送駆動ローラ53の回転(符号D)により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それぞれ個々に搬送従動ローラホルダ541に軸支された状態で搬送駆動ローラ53に付勢されており、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。搬送駆動ローラ53の表面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54によって、搬送駆動ローラ53の表面に押しつけられた記録紙Pは、その表面の摩擦抵抗によって搬送駆動ローラ53の表面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬送される。
【0029】
また、給紙ローラ57と搬送駆動ローラ53との間には、公知の技術による紙検出器63が配設されている。紙検出器63は、軸63aを揺動軸として揺動可能に軸支されているレバー631と、レバー631の揺動位置を検出するためのレバー検出部632とを有しており、給紙トレイ58から給紙ローラ57の回転によって給紙された記録紙Pの先端がレバー631を押して符号Cで示した方向に揺動させることによって給紙された記録紙Pが検出される構成を成している。
【0030】
一方、記録された記録紙Pを排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56が設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転(符号E)により、記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙フレーム2に配設されている排紙従動ローラホルダ561に軸支された状態で排紙駆動ローラ55に付勢されており、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。
【0031】
次に、本願発明に係る「自動給紙装置」としてのASF10の構成について説明する。
図3は、ASF10の一部を拡大して示した斜視図であり、図4は、その正面図である。また、図5は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図である。
【0032】
ASF10は、前述した給紙ローラ57及び給紙トレイ58に加えて、リタードローラ7を有する「分離手段」と、紙戻しレバー59を有する「紙戻し手段」と、「記録紙規制部材」としての紙案内レバー3を有する「記録紙規制手段」とを備えている。リタードローラ7は、トルクリミッター等のトルク制限機構によって一定の回転負荷が付与された状態で従動回転可能に軸支されている。また、リタードローラ7は、給紙ローラ57の周面に付勢されて当接した状態で配設されているが、リタードローラ7が給紙ローラ57の回転中心からの長さが短い周面と対向した状態となる給紙ローラ57の回転位置においては、給紙ローラ57の周面から離間した状態となる。
【0033】
ホッパー582によって給紙ローラ57の周面に付勢された記録紙Pは、給紙ローラ57とリタードローラ7との間に挟持された状態で、給紙ローラ57の回転(符号B)によって給紙される。所定の回転抵抗を付与された状態で従動回転することにより生じるリタードローラ7の回転抵抗と、給紙ローラ57の周面の摩擦抵抗と、記録紙Pの表面の摩擦抵抗とのバランスによって、重なった状態で給紙ローラ57に付勢された記録紙Pは、給紙すべき1枚の記録紙と、それ以外の記録紙とに分離される。それによって、記録紙Pが重なった状態で給紙されることを防止することができる。
【0034】
紙戻しレバー59は、軸591を揺動軸として揺動可能に軸支されており、記録紙Pの紙幅方向に略等間隔で2〜3個配設されている。「紙戻し手段」は、給紙ローラ57の回転に応じて紙戻しレバー59を揺動させる機構(図示せず)を有しており、図5に示した如く給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態においては、図示の揺動位置となる。紙戻しレバー59の揺動によって、給紙ローラ57と給紙経路を構成している案内部4との隙間に先端が入り込んだ記録紙Pは、給紙トレイ58に押し戻される。
【0035】
また、紙案内レバー3は、軸31を揺動軸として揺動可能に軸支されており、図示の如く、給紙ローラ回転軸571に形成されている第1のカム572と第2のカム573とに係合した状態で配設されている。第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、第2のカム573は、紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合する。
【0036】
図13は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0037】
給紙ローラ回転軸571に一体に形成されている第2のカム573は、図示の如く紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合し、給紙ローラ57の回転に応じて紙案内レバー3を揺動させるカム機構を構成している。第2のカム573は、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態では、前述したように、紙案内レバー3が紙戻しレバー59の紙戻し動作に干渉しない位置まで紙案内レバー3を揺動させた状態となる形状を成している。
【0038】
図20は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0039】
給紙ローラ回転軸571に一体に形成されている第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、給紙ローラ57の回転に応じて紙案内レバー3を揺動させるカム機構を構成している。第1のカム572は、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態では、第2のカム573による紙案内レバー3の揺動動作に干渉しないように、図示の如く第1のカム572の周面が第1のカムフォロア34から離間した状態となる形状を成している。
【0040】
つづいて、給紙ローラ57の回転位置に対する紙案内レバー3の揺動位置、及び紙戻しレバー59の揺動位置について図面を参照しながら説明する。また、給紙ローラ回転軸571に一体に形成されている第1のカム572と第2のカム573とによる紙案内レバー3の動きについて、給紙ローラ57の回転位置と対比させた図面を随時参照しながら説明する。前述したように、第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、第2のカム573は、紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合しており、第2のカム573と第2のカムフォロア33との係合関係について、図14〜図19を随時参照しながら説明し、第1のカム572と第1のカムフォロア34との係合関係について、図21〜図26を随時参照しながら説明する。
【0041】
図6は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約20度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図14は、給紙ローラ57がリセット位置から約20度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図21は、給紙ローラ57がリセット位置から約20度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0042】
ここでは、給紙トレイ58に積重されている記録紙Pは、ハガキ又はL判写真サイズの当該インクジェット式記録装置50において記録実行可能な最も紙幅の狭い記録紙であり、以下同様とする。給紙ローラ57がリセット位置にある状態から給紙動作が開始され、給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転し始めると、ホッパー581のロックが解除され、縮退していたコイルばね583のばね力によってホッパー581が符号Fで示した方向に移動し、給紙トレイ58に積重されている記録紙Pが底面側から押し上げられて給紙ローラ57の周面に押しつけられる。同時に、案内部4と給紙ローラ57との間の給紙経路に突出していた紙戻しレバー59が、符号Gで示した方向に揺動して給紙経路から退避していく。また、給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向に回転する。
【0043】
紙案内レバー3を上方に揺動させるための第2のカム573は、その外周面が紙案内レバー3の内周面に形成されている第2のカムフォロア33に当接した状態で紙案内レバー3を押し上げて、図示の如く紙案内レバー3を上方に揺動させた状態を維持している(図14)。給紙動作中の給紙経路の案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間隔を規定するための第1のカム572は、第1のカムフォロア34から離間して、紙案内レバー3に対してフリーな状態となっている(図21)。
【0044】
図7は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約40度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図15は、給紙ローラ57がリセット位置から約40度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図22は、給紙ローラ57がリセット位置から約40度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0045】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、紙戻しレバー59は、さらに符号Gで示した方向に揺動して、図示の如く給紙経路から完全に退避した状態となる。ホッパー581によって給紙ローラ57の周面に押しつけられた記録紙Pは、給紙ローラ57の周面に当接している最上位の記録紙P1が給紙ローラ57の回転によって符号Hで示した方向に給紙されていく。記録紙P1は、一定の回転抵抗を付与された状態で従動回転するリタードローラ7の回転抵抗によって、記録紙P1の下側に積重されている記録紙Pから分離されて、給紙ローラ57とリタードローラ7との間に挟持された状態で給紙される。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転し、紙案内レバー3が符号Jで示した方向に揺動し始める。
【0046】
第2のカム573は、回転中心から外周面までの長さが短い部分が第2のカムフォロア33に摺接しながら回転していき、それによって、紙案内レバー3を上方に揺動させた状態から符号Jで示した揺動方向に揺動させる(図15)。第1のカム572は、第1のカムフォロア34から離間したままで、紙案内レバー3に対してフリーな状態を維持している(図22)。
【0047】
図8は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約60度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図16は、給紙ローラ57がリセット位置から約60度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図23は、給紙ローラ57がリセット位置から約60度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0048】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、記録紙P1は、給紙経路を構成している案内面4と給紙ローラ57の外周面との間を符号Hで示した方向に給紙されていき、給紙ローラ57の外周面によって紙幅方向の一端部近傍の湾曲姿勢が規制される。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転し、紙案内レバー3が符号Jで示した方向にさらに揺動する。第2のカム573は、回転中心から外周面までの長さがさらに短い部分が第2のカムフォロア33に摺接しながら回転していき、それによって、紙案内レバー3を上方に揺動させた状態から符号Jで示した揺動方向にさらに揺動させる(図16)。案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔が最小になり、記録紙P1の紙幅方向の他端部近傍(紙幅方向における記録紙位置の基準側となる端部近傍、以下同様とする)の湾曲姿勢は、給紙ローラ57の周面に沿って湾曲している紙幅方向の一端部近傍の湾曲姿勢と略同等の湾曲状態となる如く係合面32によって規制される。
【0049】
第1のカム572は、第1のカムフォロア34から離間したままの状態となっているが(図23)、ここからさらに回転していくと、第1のカムフォロア34に当接して案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔を符号Tで示した所定の間隔に維持する如く紙案内レバー3の揺動位置を規制する(図24参照)。このように、給紙ローラ57の周面に沿って湾曲している紙幅方向の一端部近傍に対して、記録紙P1の両側端が略均等な湾曲状態となる如く、紙幅方向の他端部近傍の姿勢を規制することによって、ハガキやL判写真サイズ等の紙幅の狭い記録紙Pを自動給紙する際に生じるスキューを低減させることができる。
【0050】
図9は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約180度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図17は、給紙ローラ57がリセット位置から約180度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図24は、給紙ローラ57がリセット位置から約180度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0051】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、記録紙P1は、その先端が給紙経路を構成している案内面4と給紙ローラ57の周面との間を通って、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54とのニップ点に向けて符号Hで示した方向にさらに給紙されていく。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転する。第1のカム572は、第1のカムフォロア34に当接して紙案内レバー3の揺動位置を規制し、案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔を符号Tで示した所定の間隔に維持する(図24)。
【0052】
図10は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図18は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図25は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0053】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、記録紙P1は、符号Hで示した方向にさらに給紙され、その先端が搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54とのニップ点に到達する位置まで給紙される。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転する。第1のカム572は、第1のカムフォロア34に当接した状態で紙案内レバー3の揺動位置を規制したまま、案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔を符号Tで示した所定の間隔に維持する(図25)。
【0054】
図11は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約300度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図19は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図26は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0055】
記録紙P1の先端が搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54とのニップ点に到達した時点から、さらに給紙ローラ57が回転して給紙ローラ57がリセット位置まで回転する直前になると、まず、ホッパー581が符号Nで示した方向に下降し始める。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転する。第2のカム573は、回転中心から周面までの長さが短い部分が第2のカムフォロア33と対向する回転位置へと回転していき(図19)、それによって、記録紙P1の紙幅方向の他端部近傍の湾曲状態を規制していた紙案内レバー3は、係合面32に作用する湾曲状態の記録紙P1の反力によって符号Mで示した方向に、第1のカムフォロア34が第1のカム572の周面に当接する揺動位置まで揺動する(図26)。
【0056】
記録紙P1の紙幅方向の他端部近傍の湾曲状態を規制していた紙案内レバー3が符号Mで示した方向に揺動し始めて、記録紙P1から紙案内レバー3の係合面32が離間する方向に移動していき、係合面32による記録紙P1に対する湾曲状態の規制が解除されていく。同時に、紙戻しレバー59は、リタードローラ7によって記録紙P1から分離されて先端がリタードローラ7の近傍に残留している記録紙P2、P3を給紙トレイ58に押し戻すべく符号Kで示した方向に揺動し始める。
【0057】
図12は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約320度、給紙方向に回転した状態を示したものである。
さらに給紙ローラ57が回転すると、ホッパー581が符号Nで示した方向にさらに下降して、給紙ローラ57の周面に付勢されていた記録紙Pが給紙トレイ58内に戻される。また、紙案内レバー3は、符号Mで示した方向にさらに揺動し、紙戻しレバー59による紙戻し動作に干渉しない位置まで揺動する。同時に、紙戻しレバー59は、符号Kで示した方向にさらに揺動し、先端がリタードローラ7の近傍にまで飛び出している記録紙P2と記録紙P3を給紙トレイ58へ押し戻す。
【0058】
図27は、ASF10において、給紙動作中における給紙経路の案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間隔Tに対する記録紙P1のスキュー状態を示したグラフである。
【0059】
一定の間隔に設定される間隔Tの設定値を2.7mmから約0.2mmステップで小さくしていき、設定値毎にASF10の給紙動作を実行した際の記録紙P1のスキュー状態は、+側(紙案内レバー3が湾曲状態を規制している側)が先行する傾きとなり、1.5mm前後で0、つまりスキューがほとんどない状態となり、次第に−側(給紙ローラ57の周面が接して湾曲している側)が先行する傾きとなっていく。このように、給紙動作中における給紙経路の案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間隔Tは、当該グラフに示した0.3mm〜2.7mmの間に設定することによって、記録紙P1のスキューが許容可能な範囲と言えるかなり小さなスキューとなるが、特に1.5mm前後に設定することでスキューがほとんど生じない給紙が可能になり、より好ましいと言える。
【0060】
このようにして、1つの給紙ローラ57で全ての紙幅の記録紙Pに対応可能なASF10において、ハガキやL判写真サイズ等の紙幅が狭い記録紙Pを給紙する際に生じるスキューを低減させることができる。
【0061】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部斜視図である。
【図2】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部側面図である。
【図3】ASF10の一部を拡大して示した斜視図である。
【図4】ASF10の一部を拡大して示した正面図である。
【図5】ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図である。
【図6】給紙ローラが約20度回転したASFを示した側面図である。
【図7】給紙ローラが約40度回転したASFを示した側面図である。
【図8】給紙ローラが約60度回転したASFを示した側面図である。
【図9】給紙ローラが約180度回転したASFを示した側面図である。
【図10】給紙ローラが約280度回転したASFを示した側面図。
【図11】給紙ローラが約300度回転したASFを示した側面図。
【図12】給紙ローラが約320度回転したASFを示した側面図。
【図13】給紙ローラがリセット位置にあるASFを示した側面図。
【図14】給紙ローラが約20度回転したASFを示した側面図である。
【図15】給紙ローラが約40度回転したASFを示した側面図である。
【図16】給紙ローラが約60度回転したASFを示した側面図である。
【図17】給紙ローラが約180度回転したASFを示した側面図。
【図18】給紙ローラが約280度回転したASFを示した側面図。
【図19】給紙ローラが約320度回転したASFを示した側面図。
【図20】給紙ローラがリセット位置にあるASFを示した側面図。
【図21】給紙ローラが約20度回転したASFを示した側面図である。
【図22】給紙ローラが約40度回転したASFを示した側面図である。
【図23】給紙ローラが約60度回転したASFを示した側面図である。
【図24】給紙ローラが約180度回転したASFを示した側面図。
【図25】給紙ローラが約280度回転したASFを示した側面図。
【図26】給紙ローラが約320度回転したASFを示した側面図。
【図27】給紙経路の間隔に対するスキューを示したグラフである。
【符号の説明】
3 紙案内レバー、7 リタードローラ、10 ASF(オート・シート・フィーダ)、33 第2のカムフォロア、34 第1のカムフォロア、50 インクジェット式記録装置、51 キャリッジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、54 搬送従動ローラ、55 排紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、57 給紙ローラ、58 給紙トレイ、59 紙戻しレバー、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 紙検出器、100 記録制御部、571 給紙ローラ回転軸、572 第1のカム、573 第2のカム、X 主走査方向、Y 副走査方向
【発明の属する技術分野】
本願発明は、インクジェット式記録装置等の記録装置に搭載され、給紙トレイに積重された記録紙を記録実行領域に向けて1枚ずつ自動給送する自動給紙装置、及び該自動給紙装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、インクジェット式記録装置等の記録装置に搭載され、給紙トレイに積重された記録紙を記録実行領域に向けて1枚ずつ自動給送する自動給紙装置は、回転中心から周面までの距離が一部短い略D形の横断面形状を有し、回転駆動力源の回転駆動力が伝達されて回転する給紙ローラと、給紙トレイに積重された記録紙を給紙ローラの周面へ付勢するホッパー等の付勢手段と、その付勢手段によって給紙ローラの周面へ付勢された複数の記録紙を、給紙ローラの回転によって給紙すべき1枚の記録紙とそれ以外の記録紙とに分離する分離パッドやリタードローラ等の分離手段とを有する自動給紙機構を備えている。このような自動給紙機構を例えば、記録紙の紙幅方向に複数組配設すると、様々な幅の記録紙に対応が容易であるとともに、搬送ローラ等の記録紙搬送手段による記録紙の搬送方向に対する記録紙の傾き、いわゆるスキューが生じにくくなる。しかし、自動給紙装置に上述したような自動給紙機構を複数組設けると、自動給紙装置のコストは上昇してしまうことになる。そこで、様々な技術改良等によって、この自動給紙機構を一組だけにした低コストな自動給紙装置(例えば特許文献1参照)が一般的になりつつあり、多くのインクジェット式記録装置に搭載されて広く普及している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている自動給紙装置は、前述した一組の自動給紙機構に加えて、分離パッドにて給紙すべき1枚の記録紙から分離された他の記録紙を給紙トレイに押し戻すための紙戻しレバーと、その紙戻しレバーを駆動するための機構とを備えており、分離パッドにて分離された記録紙を紙戻しレバーで給紙トレイに押し戻すことによって、記録紙の重送の虞が低減される。また、一組の前記自動給紙機構に対して、この紙戻しレバーを有する紙戻し機構が記録紙の紙幅方向の両端近傍に二組配設することによって、前述したような記録紙のスキューを防止している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−19981号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているような一組の前記自動給紙機構によって給紙トレイに積重された記録紙を自動給紙する構成を成す自動給紙装置は、1つの給紙ローラで全ての紙幅の記録紙に対応可能な位置(例えば略中央近傍)に給紙ローラが配設されるので、紙幅によっては、紙幅方向における給紙ローラの回転が伝達される位置が紙幅の中心からずれた位置に作用することになる。特にハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙を自動給紙する際には、給紙ローラが記録紙の紙幅方向の一端部近傍に接した状態で回転して記録紙が給送されることになる。そのため、紙幅方向における記録紙の湾曲状態が一端側と他端側とで大きく異なる状態となってしまい、その湾曲状態の偏りによって、記録紙の搬送方向に対する記録紙の傾き(スキュー)が生じやすくなってしまうという問題があった。
【0006】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、1つの給紙ローラで全ての紙幅の記録紙に対応可能な自動給紙装置において、紙幅が狭い記録紙を給紙する際に生じるスキューを低減させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願発明の第1の態様は、主走査方向に記録ヘッドを往復動させて前記記録ヘッドから記録紙の記録面にインクを吐出する記録実行手段と、記録紙を副走査方向に所定の搬送量で搬送する記録紙搬送手段とを備えた記録装置に搭載され、給紙トレイに積重された記録紙を前記記録紙搬送手段に向けて1枚ずつ自動給送する自動給紙装置であって、回転駆動力源の回転が伝達されて給紙方向に駆動回転する給紙ローラと、該給紙ローラの周面に沿って湾曲した状態で、前記給紙ローラの駆動回転にて前記記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の両側端が略均等な湾曲状態となる如く、前記記録紙の姿勢を規制する記録紙規制手段とを備えている、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0008】
このように、給紙ローラの周面に沿って湾曲した記録紙は、記録紙規制手段によって、両側端が略均等な湾曲状態となる如く姿勢を規制されるので、紙幅方向における給紙ローラの回転が伝達される位置が紙幅の中心からずれた位置に作用することによって生じる湾曲状態の偏りに起因したスキューを低減させることができる。
【0009】
これにより、本願発明の第1の態様における自動給紙装置によれば、紙幅方向における給紙ローラの回転が伝達される位置が紙幅の中心からずれた位置に作用することによって生じる湾曲状態の偏りに起因したスキューを低減させることができるので、1つの給紙ローラで全ての紙幅の記録紙に対応可能な自動給紙装置において、紙幅が狭い記録紙を給紙する際に生じるスキューを低減させることができるという作用効果が得られる。
【0010】
本願発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記記録紙規制手段は、前記給紙ローラの駆動回転にて前記記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の紙幅方向における基準側端部近傍の姿勢を一定の湾曲状態に規制する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0011】
前述したように、ハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙を自動給紙する際には、給紙ローラが記録紙の紙幅方向の一端部近傍に接した状態で回転して記録紙が給送されることになる。そのため、紙幅方向における記録紙の湾曲状態が一端側と他端側とで大きく異なる状態となってしまい、その湾曲状態の偏りによって、記録紙の搬送方向に対する記録紙のスキューが生じやすくなってしまう。そこで、給紙ローラの周面に沿って湾曲している紙幅方向の一端部近傍に対して、記録紙の両側端が略均等な湾曲状態となる如く、紙幅方向の記録紙位置の基準となる側の端部近傍の姿勢を規制することによって、つまり、紙幅方向の他端部近傍の姿勢を規制することによって、ハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙を自動給紙する際に生じるスキューを低減させることができるという作用効果が得られる。
【0012】
本願発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様において、前記給紙ローラを駆動回転可能に軸支し、回転駆動力源の回転を前記給紙ローラへ伝達する給紙ローラ回転軸を有し、前記記録紙規制手段は、揺動可能に軸支され、所定の揺動位置において前記記録紙と係合して該記録紙の姿勢を規制する記録紙規制部材と、前記給紙ローラ回転軸の回転位置に応じて前記記録紙規制部材の揺動位置を規定する揺動位置規定手段とを有している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0013】
このように、記録紙規制手段は、記録紙の姿勢を規制するための揺動可能に軸支された記録紙規制部材が、揺動位置規制手段によって給紙ローラ回転軸の回転位置に応じて揺動位置が規定され、所定の揺動位置において記録紙と係合して記録紙の姿勢を規制するので、記録紙の自動給送中に適切なタイミングで記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の両側端が略均等な湾曲状態となる如く記録紙の姿勢を規制することができるという作用効果が得られる。
【0014】
本願発明の第4の態様は、前述した第3の態様において、前記給紙トレイに積重された記録紙を前記給紙ローラへ付勢する付勢手段と、複数枚重なった状態で前記給紙ローラへ付勢された記録紙の最上位の記録紙のみを分離する分離手段と、該分離手段にて分離された記録紙以外の残りの記録紙を前記給紙トレイに戻す紙戻し手段とを備え、前記揺動位置規定手段は、前記紙戻し手段による紙戻し動作時に前記記録紙規制部材が該紙戻し動作に干渉しない位置まで揺動する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0015】
このように、複数枚重なった状態で給紙ローラへ付勢された記録紙の最上位の記録紙のみを分離する分離手段を備えているので、複数の記録紙が重なった状態で記録紙搬送手段へ給送されてしまうことを防止することができる。そして、給紙後、分離手段によって給紙すべき記録紙から分離された記録紙を給紙トレイに戻す紙戻し手段を備えているので、分離手段によって分離された記録紙が給紙トレイの出口と給紙ローラとの間に残留した状態から再度記録紙の給送を行うことによって生じるスキューや紙詰まり等のトラブルを防止することができるという作用効果が得られる。そして、記録紙規制手段は、紙戻し手段による紙戻し動作時に、記録紙規制部材がその紙戻し動作に干渉しない位置まで揺動する構成を成しているので、前述した第3の態様における作用効果に加えて、上述したような紙戻し手段による作用効果を得ることができる。
【0016】
本願発明の第5の態様は、前述した第3の態様又は第4の態様において、前記給紙ローラと前記記録紙搬送手段との間の給紙経路に、前記記録紙が摺接した状態で該記録紙を支持する案内部を備え、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態において、前記案内部の前記記録紙が摺接する案内面と前記給紙ローラの周面との間隔は、前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔と略等間隔となる、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0017】
このように、給紙ローラの回転によって記録紙が給送されている状態において、案内部の案内面から給紙ローラの周面までの間隔と、案内部の案内面から記録紙規制部材の係合面までの間隔とが略等間隔となるので、記録紙規制部材に規制されて湾曲している部分の湾曲状態を、給紙ローラの周面に接した状態で湾曲している部分の湾曲状態と略同等の湾曲状態に規制することができるという作用効果が得られる。
【0018】
本願発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態における前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔は、1.5±0.5mmに設定されている、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0019】
案内部の案内面と記録紙規制部材の係合面との間隔を調節することによって、スキューの方向やスキュー量等のスキュー状態が変化する。したがって、この間隔を最適な間隔に設定することによって、記録紙の湾曲状態の偏りによるスキューを最小限にすることができる。そして、特にハガキやL判写真サイズ等の最も紙幅の狭い記録紙においては、この間隔を1.5±0.5mmの範囲に設定することで記録紙の湾曲状態の偏りによるスキューを最小限にすることができるという作用効果が得られる。
【0020】
本願発明の第7の態様は、前述した第3の態様〜第6の態様のいずれかにおいて、前記揺動位置規定手段は、前記給紙ローラ回転軸と一体に配設されているカムと、前記記録紙規制部材に形成されているカムフォロアとを有する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0021】
このように、揺動位置規定手段は、給紙ローラ回転軸と一体に配設されているカムと、記録紙規制部材に形成されているカムフォロアとを有するカム機構で構成されているので、記録紙規制部材を給紙ローラの回転位置に合わせて最適なタイミングで揺動させることが、給紙ローラ回転軸の回転によって回転するカムの形状によって容易に設定できるという作用効果が得られる。
【0022】
本願発明の第8の態様は、前述した第7の態様において、前記カムは、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態における前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔を規定する第1のカムと、給紙された前記記録紙の先端が前記記録紙搬送手段に到達した後に、前記案内面から前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面が離間する方向に前記記録紙規制部材を揺動させる第2のカムとを有している、ことを特徴とした自動給紙装置である。
【0023】
このように、記録紙が給送されている状態における案内面と記録紙規制部材の記録紙との係合面との間隔を規定する動作と、給紙後に案内面から記録紙規制部材の記録紙との係合面が離間する方向に記録紙規制部材を揺動させる動作とを異なるカムで行うことによって、給紙ローラの回転位置に対するそれぞれの動作タイミングや記録紙規制部材の揺動位置を、記録紙規制部材の形状等による制約がより少ない状態で最適に設定することが容易になるという作用効果が得られる。
【0024】
本願発明の第9の態様は、前述した第1の態様〜第8の態様のいずれかに記載の自動給紙装置を備えた記録装置である。
本願発明の第9の態様における記録装置によれば、記録装置において、前述した第1の態様〜第8の態様のいずれかに記載の自動給紙装置による作用効果を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本願発明に係る「記録装置」としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
図1は、本願発明に係る「記録装置」としてのインクジェット式記録装置の要部を示した斜視図であり、図2は要部側面図である。
【0026】
インクジェット式記録装置50には、記録紙Pに記録を実行する手段として、キャリッジ61が本体フレーム1に支持されているキャリッジガイド軸51に軸受部611にて軸支された状態で、主走査方向Xに往復動可能に配設されている。キャリッジ61には、インクカートリッジ61aに充填されているインクを記録紙Pに噴射して記録を行う記録ヘッド62が搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。そして、キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド62を主走査方向Xに移動させる間に記録ヘッド62から記録紙Pにインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって記録紙Pに記録が行われる。
【0027】
インクジェット式記録装置50は、記録紙Pを自動給紙する本願発明に係る「自動給紙装置」としてのASF(オート・シート・フィーダ)10を搭載している。ASF10は、給紙ローラ57及び給紙トレイ58を備えており、1つの給紙ローラ57で全ての紙幅の記録紙Pに対応可能な構成を成す自動給紙機構である。給紙ローラ57は、回転中心から周面までの長さが一部短くなっている略D形の横断面形状を有しており、図示していないステッピング・モータ等の回転駆動力源の回転駆動力によって回転する給紙ローラ回転軸571に一体に軸支されている。給紙トレイ58は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙可能な構成となっており、給紙トレイ58に積重された記録紙Pを底面側から押し上げて給紙ローラ57の周面に付勢する「付勢手段」としてのホッパー581と、給紙トレイ58に積重される記録紙Pの紙幅に合わせて符号Aで示した方向に摺動可能に配設されているガイド部582とを有している。給紙ローラ57の周面には、高摩擦抵抗を有する部材が周設されており、給紙トレイ58に積重された記録紙Pは、ホッパー581によって給紙ローラ57の周面に付勢された記録紙Pの最上位の記録紙が給紙ローラ57の周面に密着した状態で給紙ローラ57の回転方向(符号B)に給紙される構成を成している。
【0028】
記録紙Pを副走査方向Yに搬送する「記録紙搬送手段」として、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、図示していないステッピング・モータ等の回転駆動力源によって回転し、搬送駆動ローラ53の回転(符号D)により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それぞれ個々に搬送従動ローラホルダ541に軸支された状態で搬送駆動ローラ53に付勢されており、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。搬送駆動ローラ53の表面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54によって、搬送駆動ローラ53の表面に押しつけられた記録紙Pは、その表面の摩擦抵抗によって搬送駆動ローラ53の表面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬送される。
【0029】
また、給紙ローラ57と搬送駆動ローラ53との間には、公知の技術による紙検出器63が配設されている。紙検出器63は、軸63aを揺動軸として揺動可能に軸支されているレバー631と、レバー631の揺動位置を検出するためのレバー検出部632とを有しており、給紙トレイ58から給紙ローラ57の回転によって給紙された記録紙Pの先端がレバー631を押して符号Cで示した方向に揺動させることによって給紙された記録紙Pが検出される構成を成している。
【0030】
一方、記録された記録紙Pを排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56が設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転(符号E)により、記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙フレーム2に配設されている排紙従動ローラホルダ561に軸支された状態で排紙駆動ローラ55に付勢されており、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。
【0031】
次に、本願発明に係る「自動給紙装置」としてのASF10の構成について説明する。
図3は、ASF10の一部を拡大して示した斜視図であり、図4は、その正面図である。また、図5は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図である。
【0032】
ASF10は、前述した給紙ローラ57及び給紙トレイ58に加えて、リタードローラ7を有する「分離手段」と、紙戻しレバー59を有する「紙戻し手段」と、「記録紙規制部材」としての紙案内レバー3を有する「記録紙規制手段」とを備えている。リタードローラ7は、トルクリミッター等のトルク制限機構によって一定の回転負荷が付与された状態で従動回転可能に軸支されている。また、リタードローラ7は、給紙ローラ57の周面に付勢されて当接した状態で配設されているが、リタードローラ7が給紙ローラ57の回転中心からの長さが短い周面と対向した状態となる給紙ローラ57の回転位置においては、給紙ローラ57の周面から離間した状態となる。
【0033】
ホッパー582によって給紙ローラ57の周面に付勢された記録紙Pは、給紙ローラ57とリタードローラ7との間に挟持された状態で、給紙ローラ57の回転(符号B)によって給紙される。所定の回転抵抗を付与された状態で従動回転することにより生じるリタードローラ7の回転抵抗と、給紙ローラ57の周面の摩擦抵抗と、記録紙Pの表面の摩擦抵抗とのバランスによって、重なった状態で給紙ローラ57に付勢された記録紙Pは、給紙すべき1枚の記録紙と、それ以外の記録紙とに分離される。それによって、記録紙Pが重なった状態で給紙されることを防止することができる。
【0034】
紙戻しレバー59は、軸591を揺動軸として揺動可能に軸支されており、記録紙Pの紙幅方向に略等間隔で2〜3個配設されている。「紙戻し手段」は、給紙ローラ57の回転に応じて紙戻しレバー59を揺動させる機構(図示せず)を有しており、図5に示した如く給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態においては、図示の揺動位置となる。紙戻しレバー59の揺動によって、給紙ローラ57と給紙経路を構成している案内部4との隙間に先端が入り込んだ記録紙Pは、給紙トレイ58に押し戻される。
【0035】
また、紙案内レバー3は、軸31を揺動軸として揺動可能に軸支されており、図示の如く、給紙ローラ回転軸571に形成されている第1のカム572と第2のカム573とに係合した状態で配設されている。第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、第2のカム573は、紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合する。
【0036】
図13は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0037】
給紙ローラ回転軸571に一体に形成されている第2のカム573は、図示の如く紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合し、給紙ローラ57の回転に応じて紙案内レバー3を揺動させるカム機構を構成している。第2のカム573は、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態では、前述したように、紙案内レバー3が紙戻しレバー59の紙戻し動作に干渉しない位置まで紙案内レバー3を揺動させた状態となる形状を成している。
【0038】
図20は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0039】
給紙ローラ回転軸571に一体に形成されている第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、給紙ローラ57の回転に応じて紙案内レバー3を揺動させるカム機構を構成している。第1のカム572は、給紙ローラ57の回転位置がリセット位置にある状態では、第2のカム573による紙案内レバー3の揺動動作に干渉しないように、図示の如く第1のカム572の周面が第1のカムフォロア34から離間した状態となる形状を成している。
【0040】
つづいて、給紙ローラ57の回転位置に対する紙案内レバー3の揺動位置、及び紙戻しレバー59の揺動位置について図面を参照しながら説明する。また、給紙ローラ回転軸571に一体に形成されている第1のカム572と第2のカム573とによる紙案内レバー3の動きについて、給紙ローラ57の回転位置と対比させた図面を随時参照しながら説明する。前述したように、第1のカム572は、紙案内レバー3の外側に形成されている第1のカムフォロア34と係合し、第2のカム573は、紙案内レバー3の内側に形成されている第2のカムフォロア33と係合しており、第2のカム573と第2のカムフォロア33との係合関係について、図14〜図19を随時参照しながら説明し、第1のカム572と第1のカムフォロア34との係合関係について、図21〜図26を随時参照しながら説明する。
【0041】
図6は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約20度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図14は、給紙ローラ57がリセット位置から約20度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図21は、給紙ローラ57がリセット位置から約20度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0042】
ここでは、給紙トレイ58に積重されている記録紙Pは、ハガキ又はL判写真サイズの当該インクジェット式記録装置50において記録実行可能な最も紙幅の狭い記録紙であり、以下同様とする。給紙ローラ57がリセット位置にある状態から給紙動作が開始され、給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転し始めると、ホッパー581のロックが解除され、縮退していたコイルばね583のばね力によってホッパー581が符号Fで示した方向に移動し、給紙トレイ58に積重されている記録紙Pが底面側から押し上げられて給紙ローラ57の周面に押しつけられる。同時に、案内部4と給紙ローラ57との間の給紙経路に突出していた紙戻しレバー59が、符号Gで示した方向に揺動して給紙経路から退避していく。また、給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向に回転する。
【0043】
紙案内レバー3を上方に揺動させるための第2のカム573は、その外周面が紙案内レバー3の内周面に形成されている第2のカムフォロア33に当接した状態で紙案内レバー3を押し上げて、図示の如く紙案内レバー3を上方に揺動させた状態を維持している(図14)。給紙動作中の給紙経路の案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間隔を規定するための第1のカム572は、第1のカムフォロア34から離間して、紙案内レバー3に対してフリーな状態となっている(図21)。
【0044】
図7は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約40度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図15は、給紙ローラ57がリセット位置から約40度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図22は、給紙ローラ57がリセット位置から約40度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0045】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、紙戻しレバー59は、さらに符号Gで示した方向に揺動して、図示の如く給紙経路から完全に退避した状態となる。ホッパー581によって給紙ローラ57の周面に押しつけられた記録紙Pは、給紙ローラ57の周面に当接している最上位の記録紙P1が給紙ローラ57の回転によって符号Hで示した方向に給紙されていく。記録紙P1は、一定の回転抵抗を付与された状態で従動回転するリタードローラ7の回転抵抗によって、記録紙P1の下側に積重されている記録紙Pから分離されて、給紙ローラ57とリタードローラ7との間に挟持された状態で給紙される。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転し、紙案内レバー3が符号Jで示した方向に揺動し始める。
【0046】
第2のカム573は、回転中心から外周面までの長さが短い部分が第2のカムフォロア33に摺接しながら回転していき、それによって、紙案内レバー3を上方に揺動させた状態から符号Jで示した揺動方向に揺動させる(図15)。第1のカム572は、第1のカムフォロア34から離間したままで、紙案内レバー3に対してフリーな状態を維持している(図22)。
【0047】
図8は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約60度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図16は、給紙ローラ57がリセット位置から約60度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図23は、給紙ローラ57がリセット位置から約60度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0048】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、記録紙P1は、給紙経路を構成している案内面4と給紙ローラ57の外周面との間を符号Hで示した方向に給紙されていき、給紙ローラ57の外周面によって紙幅方向の一端部近傍の湾曲姿勢が規制される。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転し、紙案内レバー3が符号Jで示した方向にさらに揺動する。第2のカム573は、回転中心から外周面までの長さがさらに短い部分が第2のカムフォロア33に摺接しながら回転していき、それによって、紙案内レバー3を上方に揺動させた状態から符号Jで示した揺動方向にさらに揺動させる(図16)。案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔が最小になり、記録紙P1の紙幅方向の他端部近傍(紙幅方向における記録紙位置の基準側となる端部近傍、以下同様とする)の湾曲姿勢は、給紙ローラ57の周面に沿って湾曲している紙幅方向の一端部近傍の湾曲姿勢と略同等の湾曲状態となる如く係合面32によって規制される。
【0049】
第1のカム572は、第1のカムフォロア34から離間したままの状態となっているが(図23)、ここからさらに回転していくと、第1のカムフォロア34に当接して案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔を符号Tで示した所定の間隔に維持する如く紙案内レバー3の揺動位置を規制する(図24参照)。このように、給紙ローラ57の周面に沿って湾曲している紙幅方向の一端部近傍に対して、記録紙P1の両側端が略均等な湾曲状態となる如く、紙幅方向の他端部近傍の姿勢を規制することによって、ハガキやL判写真サイズ等の紙幅の狭い記録紙Pを自動給紙する際に生じるスキューを低減させることができる。
【0050】
図9は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約180度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図17は、給紙ローラ57がリセット位置から約180度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図24は、給紙ローラ57がリセット位置から約180度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0051】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、記録紙P1は、その先端が給紙経路を構成している案内面4と給紙ローラ57の周面との間を通って、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54とのニップ点に向けて符号Hで示した方向にさらに給紙されていく。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転する。第1のカム572は、第1のカムフォロア34に当接して紙案内レバー3の揺動位置を規制し、案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔を符号Tで示した所定の間隔に維持する(図24)。
【0052】
図10は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図18は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図25は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0053】
さらに給紙ローラ57が符号Bで示した方向に回転すると、記録紙P1は、符号Hで示した方向にさらに給紙され、その先端が搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54とのニップ点に到達する位置まで給紙される。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転する。第1のカム572は、第1のカムフォロア34に当接した状態で紙案内レバー3の揺動位置を規制したまま、案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間の間隔を符号Tで示した所定の間隔に維持する(図25)。
【0054】
図11は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約300度、給紙方向に回転した状態を示したものである。また、図19は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第2のカム573と紙案内レバー3との係合状態を示したものであり、図26は、給紙ローラ57がリセット位置から約280度、給紙方向に回転した状態における第1のカム572と紙案内レバー3との係合状態を示したものである。
【0055】
記録紙P1の先端が搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54とのニップ点に到達した時点から、さらに給紙ローラ57が回転して給紙ローラ57がリセット位置まで回転する直前になると、まず、ホッパー581が符号Nで示した方向に下降し始める。また、第1のカム572及び第2のカム573も符号Bで示した方向にさらに回転する。第2のカム573は、回転中心から周面までの長さが短い部分が第2のカムフォロア33と対向する回転位置へと回転していき(図19)、それによって、記録紙P1の紙幅方向の他端部近傍の湾曲状態を規制していた紙案内レバー3は、係合面32に作用する湾曲状態の記録紙P1の反力によって符号Mで示した方向に、第1のカムフォロア34が第1のカム572の周面に当接する揺動位置まで揺動する(図26)。
【0056】
記録紙P1の紙幅方向の他端部近傍の湾曲状態を規制していた紙案内レバー3が符号Mで示した方向に揺動し始めて、記録紙P1から紙案内レバー3の係合面32が離間する方向に移動していき、係合面32による記録紙P1に対する湾曲状態の規制が解除されていく。同時に、紙戻しレバー59は、リタードローラ7によって記録紙P1から分離されて先端がリタードローラ7の近傍に残留している記録紙P2、P3を給紙トレイ58に押し戻すべく符号Kで示した方向に揺動し始める。
【0057】
図12は、ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図であり、給紙ローラ57がリセット位置から約320度、給紙方向に回転した状態を示したものである。
さらに給紙ローラ57が回転すると、ホッパー581が符号Nで示した方向にさらに下降して、給紙ローラ57の周面に付勢されていた記録紙Pが給紙トレイ58内に戻される。また、紙案内レバー3は、符号Mで示した方向にさらに揺動し、紙戻しレバー59による紙戻し動作に干渉しない位置まで揺動する。同時に、紙戻しレバー59は、符号Kで示した方向にさらに揺動し、先端がリタードローラ7の近傍にまで飛び出している記録紙P2と記録紙P3を給紙トレイ58へ押し戻す。
【0058】
図27は、ASF10において、給紙動作中における給紙経路の案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間隔Tに対する記録紙P1のスキュー状態を示したグラフである。
【0059】
一定の間隔に設定される間隔Tの設定値を2.7mmから約0.2mmステップで小さくしていき、設定値毎にASF10の給紙動作を実行した際の記録紙P1のスキュー状態は、+側(紙案内レバー3が湾曲状態を規制している側)が先行する傾きとなり、1.5mm前後で0、つまりスキューがほとんどない状態となり、次第に−側(給紙ローラ57の周面が接して湾曲している側)が先行する傾きとなっていく。このように、給紙動作中における給紙経路の案内面4と紙案内レバー3の係合面32との間隔Tは、当該グラフに示した0.3mm〜2.7mmの間に設定することによって、記録紙P1のスキューが許容可能な範囲と言えるかなり小さなスキューとなるが、特に1.5mm前後に設定することでスキューがほとんど生じない給紙が可能になり、より好ましいと言える。
【0060】
このようにして、1つの給紙ローラ57で全ての紙幅の記録紙Pに対応可能なASF10において、ハガキやL判写真サイズ等の紙幅が狭い記録紙Pを給紙する際に生じるスキューを低減させることができる。
【0061】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部斜視図である。
【図2】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部側面図である。
【図3】ASF10の一部を拡大して示した斜視図である。
【図4】ASF10の一部を拡大して示した正面図である。
【図5】ASF10の一部を拡大して模式的に示した側面図である。
【図6】給紙ローラが約20度回転したASFを示した側面図である。
【図7】給紙ローラが約40度回転したASFを示した側面図である。
【図8】給紙ローラが約60度回転したASFを示した側面図である。
【図9】給紙ローラが約180度回転したASFを示した側面図である。
【図10】給紙ローラが約280度回転したASFを示した側面図。
【図11】給紙ローラが約300度回転したASFを示した側面図。
【図12】給紙ローラが約320度回転したASFを示した側面図。
【図13】給紙ローラがリセット位置にあるASFを示した側面図。
【図14】給紙ローラが約20度回転したASFを示した側面図である。
【図15】給紙ローラが約40度回転したASFを示した側面図である。
【図16】給紙ローラが約60度回転したASFを示した側面図である。
【図17】給紙ローラが約180度回転したASFを示した側面図。
【図18】給紙ローラが約280度回転したASFを示した側面図。
【図19】給紙ローラが約320度回転したASFを示した側面図。
【図20】給紙ローラがリセット位置にあるASFを示した側面図。
【図21】給紙ローラが約20度回転したASFを示した側面図である。
【図22】給紙ローラが約40度回転したASFを示した側面図である。
【図23】給紙ローラが約60度回転したASFを示した側面図である。
【図24】給紙ローラが約180度回転したASFを示した側面図。
【図25】給紙ローラが約280度回転したASFを示した側面図。
【図26】給紙ローラが約320度回転したASFを示した側面図。
【図27】給紙経路の間隔に対するスキューを示したグラフである。
【符号の説明】
3 紙案内レバー、7 リタードローラ、10 ASF(オート・シート・フィーダ)、33 第2のカムフォロア、34 第1のカムフォロア、50 インクジェット式記録装置、51 キャリッジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、54 搬送従動ローラ、55 排紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、57 給紙ローラ、58 給紙トレイ、59 紙戻しレバー、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 紙検出器、100 記録制御部、571 給紙ローラ回転軸、572 第1のカム、573 第2のカム、X 主走査方向、Y 副走査方向
Claims (9)
- 主走査方向に記録ヘッドを往復動させて前記記録ヘッドから記録紙の記録面にインクを吐出する記録実行手段と、記録紙を副走査方向に所定の搬送量で搬送する記録紙搬送手段とを備えた記録装置に搭載され、給紙トレイに積重された記録紙を前記記録紙搬送手段に向けて1枚ずつ自動給送する自動給紙装置であって、
回転駆動力源の回転が伝達されて給紙方向に駆動回転する給紙ローラと、
該給紙ローラの周面に沿って湾曲した状態で、前記給紙ローラの駆動回転にて前記記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の両側端が略均等な湾曲状態となる如く、前記記録紙の姿勢を規制する記録紙規制手段とを備えている、ことを特徴とした自動給紙装置。 - 請求項1において、前記記録紙規制手段は、前記給紙ローラの駆動回転にて前記記録紙搬送手段に向けて給送される記録紙の紙幅方向における基準側端部近傍の姿勢を一定の湾曲状態に規制する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置。
- 請求項1又は2において、前記給紙ローラを駆動回転可能に軸支し、回転駆動力源の回転を前記給紙ローラへ伝達する給紙ローラ回転軸を有し、前記記録紙規制手段は、揺動可能に軸支され、所定の揺動位置において前記記録紙と係合して該記録紙の姿勢を規制する記録紙規制部材と、前記給紙ローラ回転軸の回転位置に応じて前記記録紙規制部材の揺動位置を規定する揺動位置規定手段とを有している、ことを特徴とした自動給紙装置。
- 請求項3において、前記給紙トレイに積重された記録紙を前記給紙ローラへ付勢する付勢手段と、複数枚重なった状態で前記給紙ローラへ付勢された記録紙の最上位の記録紙のみを分離する分離手段と、該分離手段にて分離された記録紙以外の残りの記録紙を前記給紙トレイに戻す紙戻し手段とを備え、前記揺動位置規定手段は、前記紙戻し手段による紙戻し動作時に前記記録紙規制部材が該紙戻し動作に干渉しない位置まで揺動する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置。
- 請求項3又は4において、前記給紙ローラと前記記録紙搬送手段との間の給紙経路に、前記記録紙が摺接した状態で該記録紙を支持する案内部を備え、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態において、前記案内部の前記記録紙が摺接する案内面と前記給紙ローラの周面との間隔は、前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔と略等間隔となる、ことを特徴とした自動給紙装置。
- 請求項5において、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態における前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔は、1.5±0.5mmに設定されている、ことを特徴とした自動給紙装置。
- 請求項3〜6のいずれか1項において、前記揺動位置規定手段は、前記給紙ローラ回転軸と一体に配設されているカムと、前記記録紙規制部材に形成されているカムフォロアとを有する構成を成している、ことを特徴とした自動給紙装置。
- 請求項7において、前記カムは、前記給紙ローラの回転によって前記記録紙が給送されている状態における前記案内面と前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面との間隔を規定する第1のカムと、給紙された前記記録紙の先端が前記記録紙搬送手段に到達した後に、前記案内面から前記記録紙規制部材の前記記録紙との係合面が離間する方向に前記記録紙規制部材を揺動させる第2のカムとを有している、ことを特徴とした自動給紙装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の自動給紙装置を備えた記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345270A JP2004175531A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 自動給紙装置、該自動給紙装置を備えた記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002345270A JP2004175531A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 自動給紙装置、該自動給紙装置を備えた記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004175531A true JP2004175531A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32706484
Family Applications (1)
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JP2002345270A Pending JP2004175531A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 自動給紙装置、該自動給紙装置を備えた記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004175531A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7874555B2 (en) | 2006-06-15 | 2011-01-25 | Seiko Epson Corporation | Feeding apparatus, recording apparatus and liquid ejecting apparatus |
CN106185393A (zh) * | 2016-08-29 | 2016-12-07 | 浙江光大合文具有限公司 | 一种用于大型纸张的起纸设备 |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002345270A patent/JP2004175531A/ja active Pending
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US7874555B2 (en) | 2006-06-15 | 2011-01-25 | Seiko Epson Corporation | Feeding apparatus, recording apparatus and liquid ejecting apparatus |
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