JP2004174901A - 基体層積層材および基体層積層材を用いた部品 - Google Patents

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Kinji Saijo
謹二 西條
Kazuo Yoshida
一雄 吉田
Shinji Osawa
真司 大澤
Koji Nanbu
光司 南部
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Abstract

【課題】基体層と中間層と絶縁層と導電層を積層してなる基体層積層材、ならびに基体層積層材を用いてなる部品の提供。
【解決手段】基体層26と中間層25と絶縁層24と導電層23とを順次積層してなる基体層積層材30において、基体層積層材30の少なくとも1つの積層する面を活性化処理し、基体層26あるいは絶縁層24において積層する面の少なくとも一方に中間層25を積層した後、中間層25が基体層26と絶縁層24との中間になるようにして当接して重ね合わせて積層接合して基体層積層材30を製造する。またこの基体層積層材30を用いてディスクヘッド用途などに適用される部品を製造する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、基体層積層材を支持するに充分な機械的強度などを有する基体層と、中間層と、所要の誘電率を有し絶縁性に優れた絶縁層と、所要の導電性を有する導電層とを積層してなる基体層積層材、ならびに基体層積層材を用いてなる部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の高密度化やデータ転送速度の高速化が急速に進んできている。これにともなって、ハードディスク装置に使用されている部品、とりわけ磁気ヘッドの小型化と伝送スピードの高速化が顕著となってきている。このため磁気ヘッドを搭載するサスペンションも高度化することが求められている。従来、フィルム上に金属薄膜を形成した後、あるいは金属薄膜を形成するとともに金属箔を積層する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、過剰な熱や圧力を加えることなく金属板同士を接合する方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
【特許文献1】
特開2002−113811号公報
【特許文献2】
特開平1−224184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基体層積層材を支持するに充分な機械的強度などを有する基体層と、中間層と、絶縁性に優れた絶縁層と、導電性に優れた導電層とを積層してなる基体層積層材、およびディスクヘッド用途などに適用できる基体層積層材を用いてなる部品を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対する第1の解決手段として本発明の基体層積層材は、基体層と中間層と絶縁層と導電層とを順次積層してなる基体層積層材において、基体層積層材の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理して当接し、重ね合わせて積層接合してなる構成とした。あるいは、基体層と中間層と絶縁層と導電層とを順次積層してなる基体層積層材において、基体層積層材の少なくとも1つの積層する面を活性化処理し、基体層あるいは絶縁層において積層する面の少なくとも一方に中間層を積層した後、中間層が基体層と絶縁層との中間になるようにして当接して重ね合わせて積層接合してなる構成とした。好ましくは基体層積層材が、ステンレス層−銅層−液晶ポリマー層−銅層の4層構造からなる構成とした。
【0006】
前記課題に対する第2の解決手段として本発明の部品は、基体層と中間層と絶縁層と導電層とを順次積層してなる基体層積層材を用いてなる構成とした。好ましくはディスクヘッド用途に適用される構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を説明する。図3は、本発明の基体層積層材の一実施形態を示す概略断面図であり、基体層26、中間層25、絶縁層24、導電層23を積層した例を示している。基体層積層材30は、例えば、図1に示すような絶縁層24の片面に導電層23を積層してなる積層体20の絶縁層24側と、これと対向する基体層26とをそれぞれ活性化処理し、絶縁層24、基体層26の少なくとも一方に中間層25を積層した後に接合することにより製造してもよいし、図2に示すような絶縁層24の両面にそれぞれ導電層23と中間層25を積層してなる積層体22の中間層25側と、これと対向する基体層26とをそれぞれ活性化処理して接合することにより製造してもよい。
【0008】
絶縁層24の材質としては、基体層積層材を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、基体層積層材の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、プラスチックなどの有機高分子物質やプラスチックに粉末や繊維などを混ぜた混合体などのうち絶縁性を充分に有するものを適用することができる。基体層積層材を配線板用途などに用いる場合には適度な誘電率を持つ材料が好ましい。また回路付きサスペンションなどのディスクヘッド用途などに適用する場合には、液晶ポリマー(LCP)などを用いることができる。
【0009】
絶縁層に用いるプラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、アリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー(LCP:Liquid CrystalPolymer)、EEA樹脂(Ethylene Ethylacrylate 樹脂)、AAS樹脂(Acrylonitrile Acrylate Styrene 樹脂)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ACS樹脂(Acrylnitrile Chlorinated polyethylene Styrene 樹脂)、AS樹脂(Acrylonitrile Styrene 樹脂)、アイオノマー樹脂、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、エポキシ樹脂、珪素樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、弗化エチレンプロピレン、弗素樹脂、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド(6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロンなど)、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキンジメルテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリカーボネート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリサルホン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどを用いてもよい。
【0010】
絶縁層24の厚みは、基体層積層材の用途により適宜選定される。例えば、1〜1000μmである。1μm未満の場合にはピンホールなどの欠陥を生じやすくなるため絶縁層を形成することが難しくなり、1000μmを超えると基体層積層材としての製造が難しくなる。例えば基体層積層材の用途が回路付きサスペンションなどであれば、5〜50μmの範囲のものが好ましい。5μm未満の場合には絶縁性を確保することが難しくなり、50μmを超えると重くなりすぎる。より好ましくは、10〜20μmである。
【0011】
基体層26の材質としては、基体層積層材を製造可能な素材で充分な機械的強度を有するものであれば特にその種類は限定されず、基体層積層材の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、常温で固体である金属や合金(例えば、JISに規定の合金など)やそれらの積層体などである。基体層は基体層積層材を支持する役割を有しているが基体層積層材の厚みが薄い用途では適度な弾性を持つ材料が好ましい。基体層積層材の用途が回路付きサスペンションなどであれば、JISに規定のステンレス鋼などを用いることができる。
【0012】
基体層26の厚みは、基体層積層材を製造可能であれば特に限定はされず、基体層積層材の用途により適宜選定して用いることができる。例えば、5〜500μmであることが好ましい。5μm未満では充分な機械的強度を保持することが難しくなり、500μmを超えると基体層積層材としての製造が難しくなる。より好ましくは、10〜50μmである。なお基体層26は、電解箔や圧延箔などの板材であってもよいし、板材にめっきや蒸着などによる膜材を予め積層したものであってもよいし、クラッド材などの積層体でもよい。
【0013】
導電層23の材質としては、基体層積層材を製造可能な素材で所要の導電性を有するものであれば特にその種類は限定されず、基体層積層材の用途により適宜選択して用いることができる。導電層は、単層構造の導電体層や抵抗体層でもよいし、複数の層からなる積層構造であってもよい。例えば、所要の導電率を有する材質からなる導電体層と、所要の抵抗率を有する材質からなる抵抗体層の積層構造などである。絶縁層上に抵抗体層、導電体層の順に積層されている場合、導電体層のみをエッチング加工などにより除去することにより抵抗体層を露出させることができ、抵抗体配線として利用することができる。基体層積層材の用途が配線板部分を有する回路付きサスペンションなどであれば、導電層23としては、導電性の優れた金属であるCu、Alなどを用いることができる。
【0014】
導電体層は、例えば、常温で固体である金属(例えば、Al、Cu、Ni、Ag、Pt、Auなど)や、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金(例えば、JISに規定の合金など)などである。20℃での比抵抗が1〜20μΩ・cmの範囲であれば良い。配線板用途に用いる場合には、導電性の優れた金属であるCu、Alなどや、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む導電性の優れた合金などを適用することができる。すなわち銅層、アルミニウム層などを導電体層として適用することが可能である。銅層としては、Cuの他、JIS H 3100に規定の無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅、黄銅や、銅ベリリウム系合金(例えば、ベリリウム2%、残部が銅の合金など)、銅銀系合金(例えば、銀3〜5%、残部が銅の合金など)など、アルミニウム層としては、Alの他、JIS H 4000に規定の1000系、3000系などのアルミニウム合金を適用することができる。
【0015】
抵抗体層は、例えば、抵抗合金(例えば、JISに規定の抵抗合金など)や非合金抵抗材料などである。20℃での抵抗合金の比抵抗は30〜300μΩ・cm、非合金抵抗材料のシート抵抗は5〜1000Ω/□の範囲が好ましい。抵抗合金としては、銅マンガン系合金(例えば、マンガン12〜15%、ニッケル2〜4%、残部が銅の合金など)、銅ニッケル系合金(例えば、銅55%、ニッケル45%からなる合金など)、ニッケルクロム系合金(例えば、ニッケル80%、クロム20%からなるNi−Cr合金などや、Ni−Cr−Fe合金など)、ニッケルリン系合金(例えば、リン1〜20%、残部がニッケルの合金など)、ニッケルホウ素リン系合金(例えば、ホウ素2%、リン8〜16%、残部がニッケルの合金など)、鉄クロム系合金(例えば、クロム20%、アルミニウム3%、残部が鉄のFe−Cr−Al合金など)、鉄ニッケル系合金(Fe−Ni合金や、Fe−Ni−Cr合金など)、鉄炭素系合金などを適用することができる。非合金抵抗材料としては、例えば、常温で固体であり所要のシート抵抗を有する非合金導電材料、例えば、導電性の酸化物、窒化物や炭化物などを用いることができる。酸化物としては、SnO、In、In−SnO(ITO:Indium Tin Oxide)、InSn12、InGaZnO、ZnO、In−ZnO、CuAlO、SrCu、CdSnOなどである。
【0016】
導電層23の厚みは、基体層積層材を製造可能であれば特に限定はされず、基体層積層材の用途により適宜選定して用いることができる。導電層23は、例えば1〜100μmであることが好ましい。1μm未満では充分な導電性を保持することが難しくなり、100μmを超えると重くなりすぎる。より好ましくは、5〜50μmである。また導電層は、基体層積層材の用途により、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段や無電界めっきなどの湿式製膜手段から適宜選択して用いることができる。
【0017】
中間層25の材質としては、基体層積層材を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、基体層積層材の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、導電層23に用いることのできる材質である。基体層積層材の用途が回路付きサスペンションなどであれば、中間層25としては、Cuなどを用いることができる。
【0018】
中間層25の厚みは、基体層積層材を製造可能であれば特に限定はされず、基体層積層材の用途により適宜選定して用いることができる。中間層25は、例えば0.01〜5μmであることが好ましい。0.01μm未満では中間層としての形成が難しくなり、5μmを超えると製造時間が長くなりすぎる。より好ましくは、0.02〜1μmである。なお中間層25は、単層構造でもよいし複数の層からなる積層構造をしていてもよい。例えば、基体層積層材の製造時の積層接合において絶縁層24と基体層26の双方に中間層が積層されていてもよい。また中間層は、基体層積層材の用途により、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段や無電界めっきなどの湿式製膜手段から適宜選択して用いることができる。
【0019】
図3に示す基体層積層材30の活性化接合法を用いた製造方法について説明する。まず図1に示すような絶縁層24の片面に導電層23を積層してなる積層体20の絶縁層24側と、これと対向する基体層26を活性化処理し、絶縁層24、基体層25の少なくとも一方に、例えば絶縁層24側にのみに中間層25を積層した後に接合することにより製造する場合について説明する。図4に示すように、真空槽52内において、巻き戻しリール62に設置された積層体20の絶縁層24側の接合予定面側を、活性化処理装置70で活性化処理する。同様にして巻き戻しリール64に設置された基体層26の接合予定面側を、活性化処理装置80で活性化処理する。
【0020】
活性化処理は、以下のようにして実施する。すなわち、真空槽52内に装填された積層体20の導電層23側、および基体層26をそれぞれアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Bとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した積層体20の絶縁層24側、および基体層26のそれぞれの接合予定面側の面積が、実効的に電極Bの面積の1/3以下となるようにスパッタエッチング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどやこれらを含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくエッチングするためには電極Aと接触した積層体20の絶縁層24側、基体層26のそれぞれの面積を実効的に電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的1/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能となる。
【0021】
次に積層体20の絶縁層24側の表面に、膜形成ユニット90により中間層25を形成する。膜形成方法として、スパッタリングを用いた場合について説明する。膜形成ユニット90では、前記活性化処理装置とは逆に絶縁層24側の面積を実効的に大きくすることによりスパッタリング処理を行うことができる。すなわち、真空槽52内に装填された積層体20の導電層23側をアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Cとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した積層体20の絶縁層24側の面積が、実効的に電極Cの面積の3倍以上となるようにスパッタリング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどやこれらを含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく、10Paを超えるとスパッタリング効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続スパッタリングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくスパッタリングするためには電極Aと接触した積層体20の絶縁層24側の面積を実効的に電極Cの面積より大きくする必要があり、3倍以上とすることにより充分な効率で膜形成が可能となる。
【0022】
スパッタリングを用いる膜形成ユニット90は、例えば図5に示すように、電気的にフローティング状態にされたターゲット電極94と、アース接地された水冷の電極ロール72との組み合わせで構成される。ターゲット電極94には中間層25を形成するターゲット92が設置され、またマグネット98を設置して磁場によりスパッタリングの効率を向上させている。さらにターゲット92の異常加熱を防止するために、ターゲット電極94を水冷できるようにしてある。ターゲット電極94−電極ロール72間に高周波電源96を印加することで、プラズマを発生させてターゲット92にイオン衝撃を与え、これにより放出されたターゲット物質を積層体20の絶縁層24上に積層させて中間層25を形成させ、図2に示すような積層体22を得ることができる。
【0023】
その後、活性化処理された基体層26と、積層体20の絶縁層24上に中間層25を形成させた積層体22を積層接合する。積層接合は、積層体22、基体層26の接合予定面が対向するようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニット60で冷間圧接を施すことによって達成される。この際の積層接合は低温度で可能であり、積層体22、基体層26ならびに接合部に組織変化や合金層の形成などといった悪影響を軽減または排除することが可能である。Tを積層体22、基体層26の温度(℃)とするとき、0℃<T<300℃で良好な圧接状態が得られる。0℃以下では特別な冷却装置が必要となり、300℃以上では組織変化などの悪影響が生じてくるため好ましくない。より好ましくは、0℃<T<200℃である。さらに好ましくは、0℃<T<150℃である。また圧延率R(%)は、0.01%≦R≦30%であることが好ましい。0.01%未満では充分な接合強度が得られず、30%を超えると変形が大きくなり加工上好ましくない。より好ましくは、0.1%≦R≦3%である。さらに好ましくは、1%<R≦3%である。
【0024】
このように積層接合することにより、所要の層厚みを有する基体層積層材30を形成することができ、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要により所定の大きさに切り出して、図3に示すような基体層積層材30を製造することができる。またこのようにして製造された基体層積層材30に、必要により残留応力の除去または低減などのために問題が生じない範囲で熱処理を施してもよいし、さらに半田めっきなどの導電性膜材などを積層してもよい。
【0025】
なお図1に示した積層体20は、上記に説明した方法を用いても製造することが可能である。すなわち図4において、積層材20の代わりに絶縁層24を用い、基体層26の代わりに導電層23を用い、膜形成ユニット90により絶縁層24上に導電層23と同種の中間層を積層して、導電層23と積層接合することによって、絶縁層24上に2層の導電体層からなる導電層23を積層してなる積層材20を製造することができる。同様にして図2に示した絶縁層24の両面にそれぞれ導電層23と中間層25を積層してなる積層体22も上記方法により製造することができる。
【0026】
膜形成ユニットは、図4に示すように一方の活性化処理装置側のみならず、図6に示すように双方の活性化処理装置側にも配置してもよいし、図7に示すように複数段の膜形成ユニットを配置することも可能である。膜形成ユニットは、活性化処理装置の近傍であることが好ましく、膜形成ユニットを活性化処理装置の近傍に配置することで、製造装置のコンパクト化などを図ることが可能である。例えば、図4〜7に図示しているように活性化処理装置の電極ロールと膜形成ユニットの電極ロールを共用化する形態などや、さらに活性化処理装置と膜形成ユニットをそれぞれ共用の電極ロールの外周上に配置する形態などである。このような形態を採ることで一体化した処理が可能となる。なお近傍とは、活性化処理された導電板面が吸着や反応などにより再び不活性化されて膜形成に悪影響を与えない範囲あるいは状態のことである。
【0027】
基体層積層材30は、図2に示すような絶縁層24の両面にそれぞれ導電層23と中間層25を積層してなる積層体22の中間層25側と、これと対向する基体層26とをそれぞれ活性化処理して接合することにより製造することも可能である。すなわち上記説明において、図1に示す積層体20の代わりに図2に示す積層体22を用い、図4に示す製造装置の膜形成ユニット90を停止させることにより、同様にして基体層積層材30を製造することができる。また積層体20、22は、乾式製膜手段などの適切な方法を用いて絶縁層24上に導電層23や中間層25を積層することにより得ることができる。
【0028】
基体層積層材の製造にはバッチ処理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定の大きさに切り出された積層体、基体層を複数装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平など適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状態などで設置または把持して固定して活性化処理や必要により膜形成処理を行い、さらに積層体や基体層を保持する装置が圧接装置を兼ねる場合には活性化処理後に設置または把持したまま圧接し、積層体や基体層を保持する装置が圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの圧接装置に搬送して圧接を行うことにより達成される。なお活性化処理や膜形成処理は、積層体や基体層を絶縁支持された一方の電極Aとし、アース接地された他の電極Bとの間で行うことが好ましい。
【0029】
本発明の部品は、基体層と中間層と絶縁層と導電層を積層してなる基体層積層材を用いてなるものであり、基体層積層材にエッチング加工やレーザ加工などの加工を施して一部を除去したもの、さらにこれに樹脂などで被覆あるいは固定したものや、基体層積層材を接着剤などを用いて高分子や金属、合金などからなる基材や基板に積層したもの、さらにビア加工やスルーホール加工などにより基板の層間導通処理などを施したものなどである。例えば、図8に示すようなディスクヘッド用途などの部品36などである。図8に示すような部品は、基体層26にSUS304やSUS316などのステンレス箔、絶縁層24に液晶ポリマー(LCP)、導電層23や中間層25に銅を用いたステンレス−銅−LCP−銅の4層構造の積層材に、プラズマエッチングなどの種々のエッチング加工を施してサブトラクティブ法により製造したものであり、ディスクヘッド用途の回路付きサスペンションとして用いることができる。また基体層を除去してフレキシブル基板を部分的に構成することも可能なため、サスペンションと伝送回路を一体成形することができ、データ転送速度の高速化に不可欠なインピ−ダンス整合を図ることも容易となる。その上絶縁層をも除去して電極のみの部分を構成して電気的接合のためのフライングリード部を形成することも可能である。さらにGMR(Giant Magneto Resistive)素子などの磁気検出素子やアンプ回路などのICチップを搭載することも可能である。
【0030】
本発明の基体層積層材や部品では、絶縁層に接着剤を用いていないため接着剤などによる耐熱特性の低下問題が発生しない。また絶縁層を予め形成するため厚みを均一に保つことが可能であり、誘電率や絶縁性も安定しており、導電層に余計な応力をもたらすことがなく、品質向上に効果がある。このため本発明の基体層積層材や部品は、回路付きサスペンションなどのディスクヘッド用途に有用である。
【0031】
【実施例】
以下に、実施例を図面に基づいて説明する。絶縁層24として厚み10μmのLCPフィルムを用い、基体層26として厚み25μmのステンレス圧延箔を用いた。LCPフィルム24に導電層23として厚み5μmの銅層をスパッタリングにより積層した積層体20と、ステンレス圧延箔26を基体層積層材製造装置50にセットし、真空槽52内の活性化処理ユニット70および80でスパッタエッチング法によりそれぞれ活性化処理した。活性化処理されたLCPフィルム24露出側にスパッタリングを用いた膜形成ユニット90で中間層25として厚み0.1μmの銅層を形成させて積層体22とし、これに活性化処理させたステンレス圧延箔26を圧延ユニット60で圧接して積層接合して基体層積層材30を製造した。さらにパターンエッチングを行い部品36を製造した。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基体層積層材は基体層と中間層と絶縁層と導電層とを順次積層してなるものであり、本発明の部品は基体層積層材を用いたものである。このためディスクヘッド用途などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基体層積層材に用いる積層体の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の基体層積層材に用いる積層体の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の基体層積層材の一実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の基体層積層材の製造に用いる装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の基体層積層材の製造に用いる膜形成ユニットの一実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の基体層積層材の製造に用いる装置の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図7】本発明の基体層積層材の製造に用いる装置のさらに他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の部品の一実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
20 積層体
22 積層体
23 導電層
24 絶縁層
25 中間層
26 基体層
30 基体層積層材
36 部品
50 基体層積層材製造装置
52 真空槽
54 真空ポンプ
60 圧接ユニット
62 巻き戻しリール
64 巻き戻しリール
66 巻き取りロール
70 活性化処理装置
72 電極ロール
74 電極
76 電極
78 電極
80 活性化処理装置
82 電極ロール
84 電極
86 電極
90 膜形成ユニット
91 膜形成ユニット
92 ターゲット
94 ターゲット電極
95 膜形成ユニット
96 高周波電源
98 マグネット
A 電極A
B 電極B
C 電極C

Claims (5)

  1. 基体層と中間層と絶縁層と導電層とを、順次積層してなる基体層積層材において、基体層積層材の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理して当接し、重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする基体層積層材。
  2. 基体層と中間層と絶縁層と導電層とを、順次積層してなる基体層積層材において、基体層積層材の少なくとも1つの積層する面を活性化処理し、基体層あるいは絶縁層において、積層する面の少なくとも一方に中間層を積層した後、中間層が基体層と絶縁層との中間になるようにして当接して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする基体層積層材。
  3. 前記基体層積層材が、ステンレス層−銅層−液晶ポリマー層−銅層の4層構造からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基体層積層材。
  4. 基体層と中間層と絶縁層と導電層とを順次積層してなる基体層積層材を用いてなることを特徴とする部品。
  5. 前記部品が、ディスクヘッド用途に適用されることを特徴とする請求項4に記載の部品。
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