JP2004174896A - 混在層積層体および混在層積層体を用いた部品 - Google Patents

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Kinji Saijo
謹二 西條
Kazuo Yoshida
一雄 吉田
Shinji Osawa
真司 大澤
Koji Nanbu
光司 南部
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Abstract

【課題】少なくとも接合面に複数種の性質の異なる材質を配する混在層と、接合面に対してほぼ均等な性質を有する非混在層と、必要により層間に介挿しうる中間層とを、積層してなる混在層積層体、および混在層積層体を用いてなる部品の提供。
【解決手段】混在層20と非混在層26を、または中間層27を中間として混在層20と中間層27と非混在層26とを積層してなる混在層積層体22,23であって、混在層積層体22,23の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理した後、少なくとも一方の活性化処理面に必要により中間層27を積層して、対向するように当接して重ね合わせて積層接合して混在層積層体22,23を製造する。またこの混在層積層体22,23を用いて配線板用途などに適用される部品を製造する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、少なくとも接合面に複数種の性質の異なる材質を配する混在層と、接合面に対してほぼ均等な性質を有する非混在層と、必要により層間に介挿しうる中間層とを、複数層積層してなる混在層積層体、および混在層積層体を用いてなる部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高分子フィルムに接着性樹脂などを用いて金属箔を積層した金属張積層体が多数提案されており、例えば、ポリイミドなどの耐熱性フィルム上に金属箔を積層したものは、フレキシブルプリント配線板などとして多用されている。特に両面に配線部を有する配線板においては、スルーホールなどを設けて配線層間の電気的接続を実現している。しかしながら、このような層間接続はスルーホール内面への導通膜形成のために無電解めっきなどの面倒な行程を必要としていた。特許文献1には、フィルム上に金属薄膜を形成した積層フィルムと金属箔とを積層する方法、およびフィルム上に金属薄膜を形成し金属箔を積層する方法が、特許文献2には、過剰な熱や圧力を加えることなく金属板同士を接合する方法が、特許文献3には、3層の積層材とその加工体の製造方法が、特許文献4には、5層の積層材とその加工体の製造方法が、それぞれ開示されている。
【0003】
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
【特許文献1】
特開2002−113811号公報
【特許文献2】
特開平1−224184号公報
【特許文献3】
特願2000−572941号公報
【特許文献4】
特願2000−561803号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少なくとも接合面に複数種の性質の異なる材質を配する混在層と、接合面に対してほぼ均等な性質を有する非混在層と、必要により層間に介挿しうる中間層とを、複数層積層してなる混在層積層体、および混在層積層体を用いてなる部品を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対する第1の解決手段として本発明の混在層積層体は、混在層と非混在層を複数層積層してなる混在層積層体であって、混在層積層体の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなる構成とした。または、中間層を中間にして、混在層と中間層と非混在層とを積層してなる混在層積層体であって、混在層積層体の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなる構成とした。または、中間層を中間にして、混在層と中間層と非混在層とを積層してなる混在層積層体であって、混在層積層体を構成する混在層と非混在層が向かい合う面において、それぞれの面を活性化処理した後、前記向かい合う面の少なくともいずれか一方の面に中間層を積層した後、当接して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする混在層積層体。好ましくは、前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、接合されるそれぞれの面をスパッタエッチング処理してなる構成とした。
【0006】
前記課題に対する第2の解決手段として本発明の混在層積層体は、前記混在層が、導電体と絶縁体からなる構成とした。または前記非混合層が導電体からなる構成とした。または前記中間層が導電体からなる構成とした。
【0007】
前記課題に対する第3の解決手段として本発明の部品は、混在層と非混在層を、または、中間層を中間にして混在層と中間層と非混在層とを積層してなる混在層積層体を用いてなる構成とした。好ましくは、前記部品の少なくとも一個所を除去してなる構成とした。さらに好ましくは、前記部品が配線板用途に適用される構成とした。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明に用いる混在層の一実施形態を示す概略断面図であり、平板に凸状の部位を配設した形状の基材24の凹部に平坦材25を配置した構造の例を示している。図2は、本発明に用いる混在層中間体の一実施形態を示す概略断面図であり、図1の混在層20上に中間層27を積層した構造の例を示している。図3は、本発明の混在層積層体の一実施形態を示す概略断面図であり、混在層20上に非混在層26を積層接合した構造の例を示している。図4は、本発明の混在層積層体の他の一実施形態を示す概略断面図であり、混在層20上に中間層27を積層した混在層中間体21にさらに非混在層26を積層接合した構造の例を示している。
【0009】
混在層は、少なくとも1つの面に種類あるいは性質の異なる複数の材質が露出してなるものであり、混在の状態や混在する材質は混在層積層体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、混在層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。基材は、混在層の少なくとも1つ面に露出するものであり、混在層の1つの面に複数箇所露出したり、混在層の1つの面から他の面につながって露出したり、あるいは複数個の基材が混在層中に存在していてもよい。平坦材は、少なくとも1つの基材を固定または被覆して、混在層の基材露出面側をほぼ平坦にするものである。例えば、図1に示す混在層20では、凹凸を有する基材24に平坦材25を組み合わせて、基材露出面側をほぼ平坦にしている。
【0010】
混在層を構成する基材や平坦材の材質は、混在層積層体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、混在層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、絶縁性の高分子材料や、高分子材料に種々の粉末や繊維などを混ぜた混合体、金属材料、合金材料や非合金材料などの導電体を適用することができる。例えば配線板用途の場合であれば、混在層は導電体と絶縁体の混在物とすることができ、基材24に導電体として導電性に優れた金属材料である銅材などを用いてエッチングなどにより所定パターンの凹凸を設け、平坦材25に絶縁体として絶縁性の樹脂を用いて図1に示すような混在層20を形成することが可能である。これは液状の樹脂を基材24凹部に塗布して固化させた後に、不要となる部分例えば基材24凸部上に付着した部分などの樹脂を研削などにより除去して基材24凸部側面をほぼ平坦化したり、樹脂フィルムをラミネート処理した後不要部分を除去するなどして製造することができる。また平坦材はプリプレグなどであってもよい。なお基材凸部は層間接続として利用することができ、基材底部はエッチング加工などにより配線パターン部などとして利用することができる。
【0011】
絶縁体として、高分子材料あるいは絶縁性の樹脂を用い、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、アリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー、EEA樹脂(EthyleneEthylacrylate 樹脂)、AAS樹脂(Acrylonitrile Acrylate Styrene 樹脂)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ACS樹脂(Acrylnitrile Chlorinated polyethylene Styrene 樹脂)、AS樹脂(Acrylonitrile Styrene 樹脂)、アイオノマー樹脂、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、エポキシ樹脂、珪素樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、弗化エチレンプロピレン、弗素樹脂、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド(6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロンなど)、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキンジメルテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリカーボネート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリサルホン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどが適用できる。
【0012】
導電体として、金属材料や合金材料を用い、例えば、常温で固体である金属(例えば、Al、Cu、Ni、Ag、Pt、Auなど)や、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金(例えば、JISに規定の合金など)などが適用できる。比抵抗として、1〜300μΩ・cmの範囲のものが望ましい。混在層積層体の用途が配線板などであれば、Cu、Al、Niなどや、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金などを適用することができる。すなわち銅材やアルミニウム材などを適用することが可能である。銅材としては、Cuの他、JISH 3100に規定の無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅、黄銅や、銅ベリリウム系合金(例えば、ベリリウム2%、残部が銅の合金など)、銅銀系合金(例えば、銀3〜5%、残部が銅の合金など)など、アルミニウム材としては、Alの他、JIS H 4000に規定の1000系、3000系などのアルミニウム合金など、ニッケル材としては、Niの他、常炭素ニッケル、低炭素ニッケル、ニッケル−銅合金、ニッケル−銅−アルミニウム−チタン合金、ニッケル−モリブデン合金、ニッケル−モリブデン−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄−モリブデン−銅合金、ニッケル−クロム−モリブデン−鉄合金などのニッケル合金などを適用することができる。
【0013】
導電体として、非合金材料も用いることができ、常温で固体であり所要のシート抵抗を有する非合金材料、例えば、導電性の酸化物、窒化物や炭化物などである。酸化物としては、SnO、In、In−SnO(ITO:Indium Tin Oxide)、InSn12、InGaZnO、ZnO、In−ZnO、CuAlO、SrCu、CdSnOなどである。混在層積層体の用途が配線板などであれば、ITOなどを適用することができる。シート抵抗としては、5〜1000Ω/□が好ましい。5Ω/□未満では非合金導電材料で実現することが難しく、1000Ω/□を超えると導電性が悪くなる。好ましくは、10〜300Ω/□である。
【0014】
混在層の厚みは、混在層積層体の用途により適宜選定することができる。例えば、10〜1000μmである。10μm未満の場合には混在層としての製造が難しくなり、1000μmを超えると混在層積層体としての製造が難しくなる。例えば混在層積層体の用途が配線板などであれば、30〜300μmの範囲のものが好ましい。30μm未満の場合には機械的強度が乏しく、300μmを超えると重くなりすぎる。好ましくは、50〜200μmである。より好ましくは、50〜150μmである。また混在層積層体を配線板などに用いる場合には、混在層を構成する基材の凸部以外の部分の厚みは5〜100μmであることが好ましい。5μm未満では充分な電流容量を確保することが難しくなり、100μmを超えると可撓性が乏しくなり好ましくない。
【0015】
非混在層の材質は、混在層積層体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、混在層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、混在層に用いることのできる素材である。非混在層は混在層に用いた材料のうちの1つと同質の導電体あるいは異質の導電体でもよく、混在層に用いた導電体でもよい。例えば配線板用途の場合であれば、基材と同様に導電体すなわち導電性に優れた金属材料である銅材などを用いることができ、配線パターン部などとして利用することができる。
【0016】
非混在層の厚みは、混在層積層体を製造可能であれば特に限定はされず、混在層積層体の用途により適宜選定して用いることができる。例えば、1〜500μmであることが好ましい。1μm未満では非混在層としての製造が難しくなり、500μmを超えると混在層積層体としての製造が難しくなる。より好ましくは、10〜50μmである。例えば配線板用途の場合であれば、非混在層は、電解箔や圧延箔などの板材であってもよいし、クラッド材などの積層体でもよい。例えば、銅−アルミニウム構造のクラッド材などである。
【0017】
中間層は、混在層を保護したり、混在層と非混在層を分離したり、接合を強化したり種々の目的に応じて用いるためのものであり、その材質は、混在層積層体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、混在層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、混在層に用いることのできる素材などである。中間層は導電体が望ましく、混在層に用いた導電体の材料のうちの1つと同質ものでも、異質の導電体でもよく、非混在層と同質の導電体でも異質の導電体でもよい。例えば配線板用途の場合であれば、基材や非混在層と同様に導電体すなわち導電性に優れた金属材料である銅材などを用いることができる。
【0018】
中間層の厚みは、混在層積層体を製造可能であれば特に限定はされず、混在層積層体の用途により適宜選定して用いることができる。例えば配線板用途の場合であれば、0.01〜10μmであることが好ましい。0.01μm未満では中間層としての形成が難しくなり、また10μmを超えると乾式成膜の場合製造時間がかかりすぎる。より好ましくは、0.05〜5μmである。なお中間層は、混在層積層体の用途により、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段から適宜選択して用いて、混在層上に形成することが可能である。また中間層は、単層のみならず複数の層からなる積層膜であってもよい。
【0019】
混在層積層体は、混在層と非混在層、または中間層を中間として、混在層と中間層と非混在層とを積層してなるものであって、接合表面に活性化処理を施して積層接合する方法などがあり、以下にその活性化接合法を用いた製造方法について説明する。図3に示す2層の混在層積層体22は、図1に示す混在層20の基材24と平坦材25が共に露出した面側に非混在層26を積層接合してなるものである。混在層積層体を配線板用途に用いる場合について説明する。基材24として平板の銅材を切削やエッチングなどの方法により片面に所定のパターンの凹凸を形成した後、この凹部に平坦材25として絶縁性の樹脂で固定するなどした混在層20を用いる。非混在層26として平板の銅材を用いる。図8に示すように、真空槽52内において、巻き戻しリール62に設置された混在層20の非混在層26との接合予定面側が、活性化処理装置70で活性化処理される。同様にして巻き戻しリール64に設置された非混在層26の混在層20との接合予定面側が、活性化処理装置80で活性化処理される。これらの活性化処理の際に、活性化対象材料の表面がエッチングされて、酸化膜などの不要な物質を除去することが可能である。
【0020】
活性化処理は、以下のようにして実施する。すなわち、真空槽52内に装填された混在層20、非混在層26をそれぞれアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Bとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される混在層20、非混在層26のそれぞれの面積が、実効的に電極Bの面積の1/3以下となるようにスパッタエッチング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどや、これらを少なくとも1種類含む混合体を用いることができる。好ましくは、アルゴンガスである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また効率よくエッチングするためには混在層20、非混在層26のそれぞれの面積を電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的に1/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能となる。
【0021】
次にこれら活性化処理された混在層20と非混在層26を積層接合する。積層接合は、混在層20、非混在層26のそれぞれ活性化処理された面が対向するようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニット60で冷間圧接を施すことによって達成される。この際の積層接合は低温度で可能であり、混在層20、非混在層26ならびに接合部に組織変化や合金層の形成などといった悪影響を軽減または排除することが可能である。Tを混在層、非混在層の温度(℃)とするとき、0<T≦300で良好な圧接状態が得られる。0℃以下では特別な冷却装置が必要となり、300℃を超えると組織変化などの悪影響が生じてくるため好ましくない。また可塑性を有する材質の場合、圧延率R(%)は、0.01≦R≦30であることが好ましい。0.01%未満では充分な接合強度が得られず、30%を超えると変形が大きくなり加工精度上好ましくない。より好ましくは、0.1≦R≦3である。
【0022】
このように積層接合することにより、混在層−非混在層の2層構造の混在層積層体22を形成することができ、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要により所定の大きさに切り出して、図3に示す混在層積層体22を製造することができる。またこのようにして製造された混在層積層体22に、必要により残留応力の除去または低減などのために熱処理を施してもよい。基材24および非混在層26が共に銅材である場合その接合部は、低抵抗の金属接合となり高電流密度用途に最適となる。
【0023】
混在層積層体は、より多層の構造とすることも可能である。例えば上記説明において混在層20の代わりに中間層27を積層した混在層中間体21を用いることで、図4に示すような混在層−中間層−非混在層の3層構造の混在層積層体23を製造することができる。または混在層20に活性化処理を施した後、その上に中間層27を積層して膜積層材28を形成した後、非混在層26を積層接合することによっても混在層積層体23を製造することができる。中間層27は対向する混在層と非混在層の間に介挿するものであり、混在層、非混在層の少なくともいずれか一方に積層することができ、複数の層を構成してもよい。
【0024】
例えば、混在層20に中間層27を積層した後、非混在層26と積層接合する方法について、混在層積層体を配線板用途に用いる場合について説明する。上記と同様に基材24として平板の銅材を切削やエッチングなどの方法により片面に所定のパターンの凹凸を形成した後、この凹部に平坦材25として絶縁性の樹脂で固定または被覆するなどした混在層20を用いる。非混在層26として平板の銅材を用いる。中間層27として銅材を用いる。
【0025】
図9に示すように、活性化処理装置70の後に膜形成ユニット90を設けて、混在層20の接合予定面側を活性化処理した後に、膜形成ユニット90で混在層20上に中間層27を形成する。膜形成方法として、スパッタリングを用いた場合について説明する。膜形成ユニット90では、上記説明した活性化処理装置とは逆に混在層20の面積を電極Cよりも実効的に大きくすることによりスパッタリング処理を行うことができる。すなわち、真空槽52内に装填された混在層20をアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Cとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した混在層20の面積が、実効的に電極Cの面積の3倍以上となるようにしてスパッタリング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどやこれらを含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく、10Paを超えるとスパッタリング効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続スパッタリングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくスパッタリングするためには電極Aと接触した混在層20の面積を実効的に電極Cの面積より大きくする必要があり、3倍以上とすることにより充分な効率で膜形成が可能となる。
【0026】
スパッタリングを用いる膜形成ユニット90は、例えば図10に示すように、電気的にフローティング状態にされたターゲット電極94と、アース接地された水冷の電極ロール72との組み合わせで構成される。ターゲット電極94には中間層27を形成するターゲット92が設置され、またマグネット98を設置して磁場によりスパッタリングの効率を向上させている。さらにターゲット92の異常加熱を防止するために、ターゲット電極94を水冷できるようにしてある。ターゲット電極94−電極ロール72間に高周波電源96を印加することで、プラズマを発生させてターゲット92にイオン衝撃を与え、これにより放出されたターゲット物質を混在層20上に積層させて中間層27を形成させ、膜積層材28を得ることができる。その後、活性化処理された非混在層26と、混在層20上に中間層27を形成させた膜積層材28を積層接合することにより、混在層積層体23を製造することができる。
【0027】
また膜形成ユニットは、活性化処理装置70または80のいずれか一方または双方の後に1つまたは複数配置することも可能である。なお膜形成ユニットは活性化処理装置の近傍であることが好ましく、膜形成ユニットを活性化処理装置の近傍に配置することで、製造装置のコンパクト化などを図ることが可能である。例えば、図9に示すように活性化処理装置の電極ロールと膜形成ユニットの電極ロールを共用化する形態などや、さらに活性化処理装置と膜形成ユニットをそれぞれ共用の電極ロールの外周上に配置する形態などである。このような形態を採ることで一体化した処理が可能となる。なお近傍とは、活性化処理された導電板面などが吸着や反応などにより再び不活性化されて膜形成に悪影響を与えない範囲あるいは状態のことである。
【0028】
なお混在層積層体の製造にはバッチ処理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定の大きさに切り出された混在層や非混在層の板材を複数枚装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平など適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状態などで設置または把持して固定して活性化処理や必要により膜形成処理を行い、さらに混在層や非混在層の板材を保持する装置が圧接装置を兼ねる場合には活性化処理や膜形成処理後に設置または把持したまま圧接し、混在層や非混在層の板材を保持する装置が圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの圧接装置に搬送して圧接を行うことにより達成される。なお活性化処理は、混在層や非混在層の板材を絶縁支持された一方の電極Aとし、アース接地された他の電極Bとの間で行うことが好ましい。
【0029】
本発明の部品は、混在層と非混在層を、または混在層と中間層と非混在層を複数層積層してなる混在層積層体を用いてなるものであり、混在層積層体にエッチング加工などの加工を施したもの、さらにはこれに樹脂などで被覆あるいは固定したものや、混在層積層体を接着剤などを用いて高分子や金属、合金などからなる基材に積層したもの、さらにこれらにエッチング加工などの加工を施したものなどである。例えば、図5に示すような配線板などの部品などである。
【0030】
本発明の混在層積層体や部品を配線板用途に用いる場合、例えば図3の混在層積層体22において、基材24および非混在層26を導電性に優れた銅材とし、平坦部材25を絶縁性樹脂などとすることにより、混在層表面に露出する基材24の凸部が層間接続機能を果たし、凸部反対面の基材24平坦面および非混在層26面を配線パターン層として利用することができる。また基材24平坦面および非混在層26面をエッチング加工などを施すことにより、図5に示すような2層の配線パターンを有するプリント配線板を形成することができる。基材24凸部と非混在層26の接合部は、低抵抗の金属接合となっており、高電流密度用途に最適である。またスルーホールなどを設けなくても層間接続を達成することができるため、スルーホール内面での無電解めっきなど面倒な処理が不要となり、微細加工にも最適である。さらに抵抗性材料を用いることで抵抗内蔵配線板を製造することも可能となる。
【0031】
混在層には種々の形態をとることが可能であり、配線板用途であれば、例えば、図6や図7に示すような基材31、34を絶縁性樹脂などで固定したものなどを用いることができる。図6に示す基材31は、例えば、銅材−ニッケル材−銅材構造の3層の積層板をエッチング加工を施したものであり、図7に示す基材34は、例えば、銅材−ニッケル材−銅材−ニッケル材−銅材構造の5層の積層板をエッチング加工を施したものである。なお図中点線は、絶縁性樹脂の固定範囲を示している。図7に示すような基材34などを混在層に用い、この混在層の上下2面に非混在層を積層して、非混在層に配線パターンを形成することによって3層の配線パターンを有するプリント配線板を形成することができる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を図面に基づいて説明する。厚み100μmの銅材−厚み1μmのニッケル材−厚み18μmの銅材の3層積層材を用いて、100μm厚みの銅材側にレジストパターンを形成した後、アルカリエッチング液を用いてエッチング加工を施して凸部を形成し、露出したニッケル材層を市販のニッケル剥離液を用いて選択的に除去して基材31とした。次に基材31凸部面側に絶縁樹脂として高分子フィルムを積層して凹部に固定し、不要な部分を切削加工して基材凸部を露出させると共に、樹脂および基材凸部の露出面をほぼ平坦化して、混在層とした。非混在層26として厚み18μmの銅材の箔を用い、混在層と共に混在層積層体の製造装置にセットして活性化処理を行った後、中間層27として厚み0.5μmの銅層を混在層上に積層し、積層接合を施して混在層積層体を製造した。さらに混在層積層体の基材31露出面側と非混在層26、中間層27にパターンエッチングを行い部品を製造した。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の混在層積層体は混在層と非混在層を、または中間層を中間にして混在層と中間層と非混在層を積層してなるものであり、本発明の部品は混在層積層体を用いてなるものである。このため配線板用途などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混在層積層体に用いる混在層の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の混在層積層体に用いる混在層中間体の一実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の混在層積層体の一実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の混在層積層体の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の部品の一実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の混在層に用いる基材の一実施形態を示す概略断面図である。
【図7】本発明の混在層に用いる基材の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の混在層積層体の製造に用いる装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図9】本発明の混在層積層体の製造に用いる装置の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図10】本発明の混在層積層体の製造に用いる膜形成ユニットの一実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
20 混在層
21 混在層中間体
22 混在層積層体
23 混在層積層体
24 基材
25 平坦材
26 非混在層
27 中間層
28 膜積層材
30 部品
31 基材
32 導電体
33 導電体
34 基材
50 混在層積層体製造装置
52 真空槽
54 真空ポンプ
60 圧接ユニット
62 巻き戻しリール
64 巻き戻しリール
66 巻き取りロール
70 活性化処理装置
72 電極ロール
74 電極
76 電極
80 活性化処理装置
82 電極ロール
84 電極
90 膜形成ユニット
92 ターゲット
94 ターゲット電極
96 高周波電源
98 マグネット
A 電極A
B 電極B
C 電極C

Claims (10)

  1. 混在層と非混在層を複数層積層してなる混在層積層体であって、混在層積層体の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする混在層積層体。
  2. 中間層を中間にして、混在層と中間層と非混在層とを積層してなる混在層積層体であって、混在層積層体の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする混在層積層体。
  3. 中間層を中間にして、混在層と中間層と非混在層とを積層してなる混在層積層体であって、混在層積層体を構成する混在層と非混在層とが向かい合う面において、それぞれの面を活性化処理した後、前記向かい合う面の少なくともいずれか一方の面に中間層を積層した後、当接して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする混在層積層体。
  4. 前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、接合されるそれぞれの面をスパッタエッチング処理してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の混在層積層体。
  5. 前記混在層が、導電体と絶縁体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の混在層積層体。
  6. 前記非混合層が導電体からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の混在層積層体。
  7. 前記中間層が導電体からなることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の混在層積層体。
  8. 混在層と非混在層を、または中間層を中間にして混在層と中間層と非混在層とを積層してなる混在層積層体を用いてなることを特徴とする部品。
  9. 前記部品の少なくとも一個所を除去してなることを特徴とする請求項8に記載の部品。
  10. 前記部品が、配線板用途に適用されることを特徴とする請求項8または9に記載の部品。
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