JP3979647B2 - 合金層積層体の製造方法および合金層積層体を用いた部品の製造方法 - Google Patents

合金層積層体の製造方法および合金層積層体を用いた部品の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、第1の元素からなる金属または第1の元素を含む合金からなる第1の層と、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層と、高分子からなる第3の層と、必要により第1の層と同様の第4の層とを有する合金層積層体の製造方法、および合金層積層体を用いてなる部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化・軽量化に伴い実装基板の高密度化が進み、実装部品点数の削減が進んでいる。このような背景の中で基板自体に実装部品を埋め込む方法が各種提案されてきている。例えば、銅箔に所定のパターンで第2の層となるNi−Cr合金層をメッキして、接着剤を用いて基材に接着し、銅箔部分をエッチングして抵抗内蔵型のプリント配線板を製造する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、高分子フィルムと金属箔とをスパッタリングなどによる金属薄膜を介して接合する方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。さらに、メッキなどによらずに金属板同士を接合する方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0003】
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−41573号公報
【特許文献2】
特開平1−224184号公報
【特許文献3】
特開2002−113811号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、第1の元素からなる金属または第1の元素を含む合金からなる第1の層と、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層と、高分子からなる第3の層と、必要により第1の層と同様の第4の層とを有する合金層積層体の製造方法、およびプリント配線板、ICパッケージなどに適用できる合金層積層体を用いてなる部品の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対する第1の解決手段として本発明の合金層積層体の製造方法は、第1の元素からなる金属または第1の元素を含む合金からなる第1の層と、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層と、高分子からなる第3の層とを有し、第1の層および第3の層の接合予定面側を活性化処理し、第3の層の活性化処理面に第2の層を積層した後、さらに第1の層または第2の層の少なくとも一方に第1の層と同種の第4の層を積層し、第2の層および第4の層が内側となるように第1の層および第3の層を積層接合する方法とした。
【0007】
前記課題に対する第2の解決手段として本発明の合金層積層体の製造方法は、前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、前記第1の層および第3の層の接合予定面側をスパッタエッチング処理する方法とした。また好ましくは前記活性化処理と前記第2の層または第4の層の積層処理を、近傍にて施する方法とした。
【0008】
前記課題に対する第3の解決手段として本発明の部品の製造方法は、第1の元素からなる金属あるいは第1の元素を含む合金からなる第1の層と、高分子からなる第3の層との間に、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層を、または第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層と、第1の層と第2の層の間に第1の層と同種の第4の層とを有する合金層積層体を用いる方法とした。好ましくは、少なくとも一個所に、エッチング速度差が生じるエッチング処理を施す方法とした。また好ましくは、少なくとも一個所に、抵抗部を形成する方法とした。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の製造方法を説明する。図1は、本発明の製造方法を用いた合金層積層体の一実施形態を示す概略断面図であり、第3の層24と第1の層26との間に第2の層25を介挿した例を示している。図2は、本発明の製造方法を用いた合金層積層体の他の一実施形態を示す概略断面図であり、第3の層24と第1の層26との間に第2の層25と第4の層27とを介挿した例を示している。
【0010】
第1の層26は、第1の元素からなる金属または第1の元素を含む合金からなる層である。なお第1の元素は、常温で固体である金属(例えば、Al、Cu、Ag、Pt、Auなど)であり、合金層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。第1の層26の材質としては、合金層積層体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、合金層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、常温で固体である金属(例えば、Al、Cu、Ag、Pt、Auなど)や、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金(例えば、JISに規定の合金など)などが適用できる。合金層積層体の用途がプリント配線板などであれば、第1の層26としては、導電性に優れた金属であるCu、Alなどや、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む導電性の優れた合金などを適用することができる。すなわち銅板、アルミニウム板などを第1の層26として適用することが可能である。銅板としては、Cuの他、JISに規定の無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅、黄銅や、銅ベリリウム系合金(例えば、ベリリウム2%、残部が銅の合金など)、銅銀系合金(例えば、銀3〜5%、残部が銅の合金など)など、アルミニウム板としては、Alの他、JISに規定の1000系、3000系などのアルミニウム合金を適用することができる。
【0011】
第1の層26の厚みは、合金層積層体を製造可能であれば特に限定はされず、合金層積層体の用途により適宜選定して用いることができる。第1の層26の厚みは、例えば1〜1000μmであることが好ましい。1μm未満では第1の層としての製造が難しくなり、1000μmを超えると合金層積層体としての製造が難しくなる。より好ましくは、10〜500μmである。なお第1の層26は、電解箔や圧延箔などの板材であってもよいし、板材にめっきや蒸着などによる膜材を予め積層したものであってもよいし、クラッド材などの積層体でもよい。例えば、銅−アルミニウムからなる2層構造のクラッド材などである。
【0012】
第2の層25は、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる層である。第1の元素は上述の通りであり、第2の元素は第1の元素と合金化することのできる元素であり、合金層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば第1の元素がCuであれば、第2の元素はNi、Fe、Mnなどである。第2の層25の材質としては、合金層積層体を製造可能な素材で合金あれば特にその種類は限定されず、合金層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、常温で固体である合金(例えば、JISに規定の合金など)などを適用することができる。合金層積層体の用途がプリント配線板などであれば、配線パターンに抵抗部を形成可能な所要の比抵抗を有する抵抗合金を適用することができる。例えば、20℃で、10〜300μΩ・cmである。10μΩ・cm未満では充分な抵抗値を得ることが難しくなり、300μΩ・cmを超えると抵抗合金の材質の選定が制限される。好ましくは、30〜200μΩ・cmである。抵抗合金としては、銅マンガン系合金(例えば、マンガン12〜15%、ニッケル2〜4%、残部が銅の合金など)、銅ニッケル系合金(例えば、銅55%、ニッケル45%からなる合金など)、ニッケルクロム系合金(例えば、ニッケル80%、クロム20%からなるNi−Cr合金などや、Ni−Cr−Fe合金など)、ニッケルリン系合金(例えば、リン1〜20%、残部がニッケルの合金など)、ニッケルホウ素リン系合金(例えば、ホウ素2%、リン8〜16%、残部がニッケルの合金など)、鉄クロム系合金(例えば、クロム20%、アルミニウム3%、残部が鉄のFe−Cr−Al合金など)、鉄ニッケル系合金(Fe−Ni合金や、Fe−Ni−Cr合金など)、鉄炭素系合金などを適用することができる。さらに最近の環境意識の高まりの中で環境負荷物質の使用を禁止もしくは抑制する動きが活発となって来たため、Cr、Pbなどの元素を極力含まないものを選択することが好ましい。
【0013】
また第2の層25の厚みは、合金層積層体を製造可能であれば特に限定はされず、合金層積層体の用途により適宜選定して用いることができる。第2の層25は、例えば0.01〜10μmであることが好ましい。0.01μm未満では第2の層としての形成が難しくなり、安定した抵抗値を実現することが難しくなる。また10μmを超えると製造時間が長くなりすぎる。より好ましくは、0.05〜5μmである。なお第2の層は、合金層積層体の用途により、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段から適宜選択して用いることができる。
【0014】
第3の層24は、高分子からなる層である。第3の層24の材質としては、合金層積層体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、合金層積層体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、プラスチックなどの有機高分子物質やプラスチックに粉末や繊維などを混ぜた混合体を適用することができる。合金層積層体をフレキシブルプリント基板などに適用する場合には、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどの芳香族ポリアミドなどや液晶ポリマーなどを用いることができる。また第3の層に熱可塑性樹脂を用いることにより環境負荷の軽減に資することが可能となる。
【0015】
プラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、アリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー、EEA樹脂(Ethylene Ethylacrylate 樹脂)、AAS樹脂(Acrylonitrile Acrylate Styrene 樹脂)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ACS樹脂(Acrylnitrile Chlorinated polyethylene Styrene 樹脂)、AS樹脂(Acrylonitrile Styrene 樹脂)、アイオノマー樹脂、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、エポキシ樹脂、珪素樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、弗化エチレンプロピレン、弗素樹脂、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド(6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロンなど)、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキンジメルテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリカーボネート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリサルホン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどを用いてもよい。
【0016】
第3の層24の厚みは、合金層積層体の用途により適宜選定される。例えば、1〜1000μmである。1μm未満の場合には第3の層としての製造が難しくなり、1000μmを超えると合金層積層体としての製造が難しくなる。例えば合金層積層体の用途がフレキシブルプリント基板などであれば、3〜300μmの範囲のものが好ましい。3μm未満の場合には機械的強度が乏しく、300μmを超えると可撓性が乏しくなる。好ましくは、10〜150μmである。より好ましくは、20〜75μmである。
【0017】
第4の層27は、第1の層と同様の材質である。第1の層と同様の材質とは、第1の層に適用できるものであればよく、第1の層と同種でもよく異種でもよく、合金層積層体の用途により適宜選定して用いることができる。第4の層は、主に第1の層と第2の層がうまくいかない場合に設ける。この場合、第4の層は第1の層に似た組成で、かつ第2の層と接合しやすい材質を用いることが望ましい。合金層積層体にエッチング処理などの加工を施す場合には、第1の層と第4の層とが同種で隣接している場合には一体のものとして加工を施すことが可能である。また第4の層27の厚みは、合金層積層体を製造可能であれば特に限定はされず、合金層積層体の用途により適宜選定して用いることができる。第4の層27は、例えば0.01〜10μmであることが好ましい。0.01μm未満では第4の層としての形成が難しくなり、10μmを超えると製造時間が長くなりすぎる。より好ましくは、0.05〜3μmである。なお第4の層は、合金層積層体の用途により、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段から適宜選択して用いることができる。第2の層と第4の層の積層手段は同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0018】
図1に示す合金層積層体20の製造方法について説明する。図4に示すように、真空槽52内において、巻き戻しリール62に設置された第3の層24の接合予定面側を、活性化処理装置70で活性化処理する。同様にして巻き戻しリール64に設置された第1の層26の接合予定面側を、活性化処理装置80で活性化処理する。
【0019】
活性化処理は、以下のようにして実施する。すなわち、真空槽52内に装填された第3の層24、第1の層26をそれぞれアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Bとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した第3の層24、第1の層26のそれぞれの面積が、実効的に電極Bの面積の1/3以下となるようにスパッタエッチング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどやこれらを含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくエッチングするためには電極Aと接触した第3の層24、第1の層26のそれぞれの面積を実効的に電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的1/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能となる。
【0020】
次に第3の層24の表面に、膜形成ユニット90により第2の層25を形成する。膜形成方法として、スパッタリングを用いた場合について説明する。膜形成ユニット90では、前記活性化処理装置とは逆に第3の層24側の面積を実効的に大きくすることによりスパッタリング処理を行うことができる。すなわち、真空槽52内に装填された第3の層24をアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Cとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した第3の層24の面積が、実効的に電極Cの面積の3倍以上となるようにスパッタリング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどやこれらを含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく、10Paを超えるとスパッタリング効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続スパッタリングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくスパッタリングするためには電極Aと接触した第3の層24の面積を実効的に電極Cの面積より大きくする必要があり、3倍以上とすることにより充分な効率で膜形成が可能となる。
【0021】
スパッタリングを用いる膜形成ユニット90は、例えば図7に示すように、電気的にフローティング状態にされたターゲット電極94と、アース接地された水冷の電極ロール72との組み合わせで構成される。ターゲット電極94には第2の層25を形成するターゲット92が設置され、またマグネット98を設置して磁場によりスパッタリングの効率を向上させている。さらにターゲット92の異常加熱を防止するために、ターゲット電極94を水冷できるようにしてある。ターゲット電極94−電極ロール72間に高周波電源96を印加することで、プラズマを発生させてターゲット92にイオン衝撃を与え、これにより放出されたターゲット物質を第3の層24上に積層させて第2の層25を形成させ、膜積層材22を得ることができる。
【0022】
その後、活性化処理された第1の層26と、第3の層24に第2の層25を形成させた膜積層材22を積層接合する。積層接合は、膜積層材22、第1の層26の接合予定面が対向するようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニット60で冷間圧接を施すことによって達成される。この際の積層接合は低温度で可能であり、膜積層材22、第1の層26ならびに接合部に組織変化や合金層の形成などといった悪影響を軽減または排除することが可能である。Tを膜積層材、第1の層の温度(℃)とするとき、0℃<T<300℃で良好な圧接状態が得られる。0℃以下では特別な冷却装置が必要となり、300℃以上では組織変化などの悪影響が生じてくるため好ましくない。より好ましくは、0℃<T<200℃である。さらに好ましくは、0℃<T<150℃である。また圧延率R(%)は、0.01%≦R≦30%であることが好ましい。0.01%未満では充分な接合強度が得られず、30%を超えると変形が大きくなり加工上好ましくない。より好ましくは、0.1%≦R≦3%である。さらに好ましくは、1%<R≦3%である。
【0023】
このように積層接合することにより、所要の層厚みを有する合金層積層体20を形成することができ、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要により所定の大きさに切り出して、図1に示すような合金層積層体20を製造することができる。またこのようにして製造された合金層積層体20に、必要により残留応力の除去または低減などのために問題が生じない範囲で熱処理を施してもよいし、さらに半田めっきなどの導電性膜材などを積層してもよい。なお合金層積層体20は、図4に示す膜形成ユニット90を除去もしくはその機能を停止した状態で、第3の層にあらかじめ第2の層を積層したものと第1の層とを活性化処理した後直接積層接合しても製造することができる。
【0024】
また図5に示すように膜形成ユニット91を追加して第4の層27を形成させるようにすると、第3の層24−第2の層25−第4の層27の構造を有する膜積層材22を得ることができ、第1の層26と積層接合させることにより図2に示すような合金層積層体21を製造することができる。なお図5に示す装置において膜形成ユニット91の膜形成機能を抑止することによっても図1に示すような3層の合金層積層体20を製造することが可能である。さらに膜形成ユニットは一方の活性化処理装置側のみならず、図6に示すように双方の活性化処理装置側にも配置することが可能である。
【0025】
膜形成ユニットは活性化処理装置の近傍であることが好ましく、膜形成ユニットを活性化処理装置の近傍に配置することで、製造装置のコンパクト化などを図ることが可能である。例えば、図4〜7に図示しているように活性化処理装置の電極ロールと膜形成ユニットの電極ロールを共用化する形態などや、さらに活性化処理装置と膜形成ユニットをそれぞれ共用の電極ロールの外周上に配置する形態などである。このような形態を採ることで一体化した処理が可能となる。なお近傍とは、活性化処理された第1の層面が吸着や反応などにより再び不活性化されて膜形成に悪影響を与えない範囲あるいは状態のことである。
【0026】
なお合金層積層体の製造にはバッチ処理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定の大きさに切り出された第1および第3の層を複数枚装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平など適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状態などで設置または把持して固定して活性化処理や膜形成処理を行い、さらに第1および第3の層を保持する装置が圧接装置を兼ねる場合には活性化処理や膜形成処理後に設置または把持したまま圧接し、第1および第3の層を保持する装置が圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの圧接装置に搬送して圧接を行うことにより達成される。なお活性化処理や膜形成処理は、第1および第3の層を絶縁支持された一方の電極Aとし、アース接地された他の電極Bとの間で行うことが好ましい。
【0027】
本発明の製造方法を用いた部品は、第1の元素からなる金属あるいは第1の元素を含む合金からなる第1の層と、高分子からなる第3の層との間に、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層を、または第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層と、第1の層と同様の第4の層とを有する合金層積層体を用いてなるものであり、合金層積層体に1段あるいは複数段のエッチング加工などの加工を施したもの、さらにこれに樹脂などで被覆あるいは固定したものや、合金層積層体を接着剤などを用いて高分子や金属、合金などからなる基材や基板に積層したもの、さらにビア加工やスルーホール加工などにより基板の層間導通処理などを施したものなどである。例えば、図3に示すようなプリント配線板などの部品などである。また、図示しないが、図3に示す部品は重ねて用いても良く、さらに、第1の層/第2の層/第3の層/第2の層/第1の層という構成となるように、第3の層の両面に、2層配線部あるいは1層配線部を設けても良い。
【0028】
図3に示すようなプリント配線板などの部品は、例えば図1に示すような第3の層24−第2の層25−第1の層26の3層構造の合金層積層体20に対し、第1の層26−第2の層25の部分にエッチング加工などを施して、第1の層26−第2の層25構造の2層配線部32や第2の層25のみの1層配線部34などを形成することにより製造することができる。このとき各配線部は、第1の層が残存する2層配線部32と、第1の層部が除去され第2の層のみの1層配線部34を適宜選択的に形成することができる。さらにエッチング液や第1の層26、第2の層25の材質を適切に選定することにより、この第2の層25をエッチング減速層として機能させることができるため、精度のよいエッチング処理することが可能となり、第2の層25のみの1層配線部34を形成することが容易となる。
【0029】
この3層構造の合金層積層体20は、例えば第1の元素にCuを、第2の元素にNiを用いることで、液晶ポリマー−Ni・Cu合金層−銅箔の3層構造などとすることが可能であり、液晶ポリマーに活性化処理してNi・Cu合金層をスパッタリングで積層し、さらに銅箔を活性化処理して積層接合することなどにより達成することができる。また銅箔およびNi・Cu合金層を逐次または一括にエッチング加工を施すことにより2層配線部32を形成し、また銅箔のみをエッチング加工することにより1層配線部34を形成することができる。銅箔およびNi−Cu合金層を一括にエッチング処理する場合には塩化第二鉄液を用いることができ、銅箔をエッチング処理する場合にはアルカリエッチング液を用いることができる。アルカリエッチング液を用いてエッチング処理を行うと、銅箔部分でのエッチング速度に比してNi−Cu合金層でのエッチング速度を下げることができ、これにより実質的な選択的エッチング処理が可能となる。なおこのエッチング速度差は、第2の元素であるNiの含有率がふえるほど大きくなるため、適用する加工条件や利用環境などにより適宜選定して用いることができる。
【0030】
なお本発明の製造方法を用いた合金層積層体において、第1の層を導電性に優れた層とし、第2の層を電気抵抗性に優れた層とする場合、第2の層のみの配線部を形成させることにより、抵抗部として利用することが可能であり、終端抵抗やブリーダ抵抗などの抵抗器として機能させることができるため、プリント配線板の埋め込み抵抗や、抵抗アレイ、抵抗ネットワーク、抵抗ラダーなどの集合抵抗などとしても適用することができる。この抵抗値は第2の層の材質によって決まる比抵抗と膜厚みおよび配線パターンの幅や長さを適宜選択して製造することができる。逆に抵抗器として機能させたくない場合には、第2の層部分のみの配線部分の幅を大きくして実質的な抵抗値を下げるか、もしくは第2の層の少なくとも片面に第1の層を残すようなエッチング処理を行うか、あるいは第2の層部分のみの配線部分に蒸着などで導電層を形成させることによって達成することが可能である。このため今までプリント配線板に取り付けられていた抵抗器を削減もしくは不要とすることが可能となり、プリント配線板の高密度化などに効果がある。
【0031】
また本発明の製造方法を用いた合金層積層体の第2の層は、抵抗器として機能させるばかりでなく、発熱体やヒューズとして機能させることも可能である。本発明の合金層積層体には耐熱性を阻害する要因となる接着層がないため、従来より高温での用途が可能である。このため、プリント配線板(リジットプリント配線板やフレキシブルプリント配線板など)などに好適であり、ICカード、CSP(チップサイズパッケージまたはチップスケールパッケージ)やBGA(ボールグリッドアレイ)などのICパッケージなどにも応用が可能である。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を図面に基づいて説明する。第3の層24として厚み50μmの液晶ポリマーを用い、第1の層26として厚み35μmの圧延銅箔を用い、第2の層25としてNi−Cu合金層を用いた。液晶ポリマー、圧延銅箔を合金層積層体製造装置50にセットし、真空槽52内の活性化処理ユニット70および80でスパッタエッチング法によりそれぞれ活性化処理した。活性化処理された液晶ポリマーにスパッタリングを用いた膜形成ユニット90でNi−Cu合金層25を形成させて膜積層材22とし、これに活性化処理させた圧延銅箔を圧延ユニット60で圧接して積層接合して合金層積層体20を製造した。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の合金層積層体の製造方法は、第1の層と第3の層との間に第2の層、または第2の層と第4の層とを介挿する方法であり、本発明の部品の製造方法は、合金層積層体を用いる方法である。このため合金層積層体の第2の層に抵抗部を形成させることにより、回路を形成する部品点数を削減することが可能であり、プリント配線板などへの適用も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を用いた合金層積層体の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の製造方法を用いた合金層積層体の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の製造方法を用いた部品の一実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の製造方法に用いる装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の製造方法に用いる装置の他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の製造方法に用いる装置のさらに他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図7】本発明の製造方法に用いる膜形成ユニットの一実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
20 合金層積層体
21 合金層積層体
22 膜積層材
24 第3の層
25 第2の層
26 第1の層
27 第4の層
30 部品
32 2層配線部
34 1層配線部
50 合金層積層体製造装置
52 真空槽
54 真空ポンプ
60 圧接ユニット
62 巻き戻しリール
64 巻き戻しリール
66 巻き取りロール
70 活性化処理装置
72 電極ロール
74 電極
76 電極
78 電極
80 活性化処理装置
82 電極ロール
84 電極
86 電極
90 膜形成ユニット
91 膜形成ユニット
92 ターゲット
94 ターゲット電極
95 膜形成ユニット
96 高周波電源
98 マグネット
A 電極A
B 電極B
C 電極C

Claims (6)

  1. 第1の元素からなる金属または第1の元素を含む合金からなる第1の層と、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層と、高分子からなる第3の層とを有し、第1の層および第3の層の接合予定面側を活性化処理し、第3の層の活性化処理面に第2の層を積層した後、さらに第1の層または第2の層の少なくとも一方に第1の層と同種の第4の層を積層し、第2の層および第4の層が内側となるように第1の層および第3の層を積層接合することを特徴とする合金層積層体の製造方法。
  2. 前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、前記第1の層および第3の層の接合予定面側をスパッタエッチング処理することを特徴とする請求項1に記載の合金層積層体の製造方法。
  3. 前記活性化処理と前記第2の層または第4の層の積層処理を、近傍にて施すことを特徴とする請求項1または2に記載の合金層積層体の製造方法。
  4. 第1の元素からなる金属あるいは第1の元素を含む合金からなる第1の層と、高分子からなる第3の層との間に、第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層を、または第1の元素および第2の元素を含む合金からなる第2の層と、第1層と第2層の間に第1の層と同種の第4の層とを有する合金層積層体を用いることを特徴とする部品の製造方法。
  5. 少なくとも一個所に、エッチング速度差が生じるエッチング処理を施すことを特徴とする請求項4に記載の部品の製造方法。
  6. 少なくとも一個所に、抵抗部を形成することを特徴とする請求項4または5に記載の部品の製造方法。
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