JP2004096081A - 抵抗層接合体および抵抗層接合体を用いた部品 - Google Patents

抵抗層接合体および抵抗層接合体を用いた部品 Download PDF

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西條 謹二
Kazuo Yoshida
吉田 一雄
Shinji Osawa
大澤 真司
Koji Nanbu
南部 光司
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Abstract

【課題】所要の抵抗値を有する抵抗器をエッチング形成された配線パターン内部に形成可能とする抵抗層接合体および抵抗層接合体を用いた部品の提供。
【解決手段】基材となる高分子板24と所定の比抵抗を有する抵抗層28と導電性に優れた導電板26を複数層積層して抵抗層接合体22を製造する。この抵抗層接合体22にエッチング加工を施し、所要の抵抗値を有する抵抗器を配線パターン内部に形成して、プリント配線板、ICパッケージなどに適用される部品を製造する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、導電性に優れた導電板と電気抵抗性を有する抵抗層と基材となる高分子板を複数層積層してなる抵抗層接合体、および抵抗層接合体を用いてなる部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化・軽量化に伴い実装基板の高密度化が進み、実装部品点数の削減が進んでいる。このような背景の中で基板自体に実装部品を埋め込む方法が各種提案されてきている。その1例として、特開平5−41573号には、銅箔に所定のパターンで抵抗層となるNi−Cr合金層をメッキして、接着剤を用いて基材に接着し、銅箔部分をエッチングして抵抗内蔵型のプリント配線板を製造する方法が開示されている。しかしながら接着剤を用いるとプリント配線板としての耐熱性が悪化してしまうという問題が生じる。本発明はこのような点に鑑みて、耐熱性を犠牲にせずに抵抗層介挿型基板を実現させようとするものである。また特開平1−224184号には、メッキなどによらずに金属板同士を接合する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、導電性に優れた導電板と所要の体積抵抗率を有する抵抗層と基材となる高分子板を複数層積層してなる抵抗層接合体、およびプリント配線板、ICパッケージなどに適用できる抵抗層接合体を用いてなる部品を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対する第1の解決手段として本発明の抵抗層接合体は、高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなる構成とした。好ましくは、抵抗層接合体の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなる構成とした。さらに好ましくは、前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、接合されるそれぞれの面をスパッタエッチング処理してなる構成とした。
【0005】
前記課題に対する第2の解決手段として本発明の抵抗層接合体は、高分子板−抵抗層−導電板からなる3層構造である構成とした。好ましくは、前記高分子板が液晶ポリマーからなる構成とした。さらに好ましくは、前記導電板が銅板からなる構成とした。より好ましくは、前記抵抗層がNi−Cr合金、Ni−Cr−Fe合金、Fe−Cr−Al合金、Cu−Ni合金のいずれかからなる構成とした。
【0006】
前記課題に対する第3の解決手段として本発明の部品は、高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなる抵抗層接合体を用いてなる構成とした。好ましくは、前記部品の少なくとも一個所に、抵抗部を形成してなる構成とした。さらに好ましくは、前記部品が、プリント配線板、ICパッケージのいずれかに適用される構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明に用いる積層材20の一実施形態を示す概略断面図であり、蒸着などの方法により高分子板24に抵抗層28を積層した2層構造の例を示している。さらに図2は、本発明の抵抗層接合体22の一実施形態を示す概略断面図であり、積層材20にさらに導電板26を積層接合した3層構造の例を示している。
【0008】
高分子板24の材質としては、抵抗層接合体を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、抵抗層接合体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、プラスチックなどの有機高分子物質やプラスチックに粉末や繊維などを混ぜた混合体を適用することができる。抵抗層接合体をフレキシブルプリント基板などに適用する場合には、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどの芳香族ポリアミドなどや液晶ポリマーなどを用いることができる。
【0009】
プラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、アリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー、EEA樹脂(Ethylene Ethylacrylate 樹脂)、AAS樹脂(Acrylonitrile Acrylate Styrene 樹脂)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ACS樹脂(Acrylnitrile Chlorinated polyethylene Styrene 樹脂)、AS樹脂(Acrylonitrile Styrene 樹脂)、アイオノマー樹脂、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、エポキシ樹脂、珪素樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、弗化エチレンプロピレン、弗素樹脂、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド(6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロンなど)、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキンジメルテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリカーボネート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリサルホン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどを用いてもよい。
【0010】
高分子板24の厚みは、抵抗層接合体の用途により適宜選定される。例えば、1〜1000μmである。1μm未満の場合には高分子板としての製造が難しくなり、1000μmを超えると抵抗層接合体としての製造が難しくなる。例えば抵抗層接合体の用途がフレキシブルプリント基板などであれば、3〜300μmの範囲のものが好ましい。3μm未満の場合には機械的強度が乏しく、300μmを超えると可撓性が乏しくなる。好ましくは、10〜150μmである。より好ましくは、20〜75μmである。
【0011】
抵抗層28の材質としては、抵抗層接合体を製造可能な素材で所要の体積抵抗率を有するものあれば特にその種類は限定されず、抵抗層接合体の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、常温で固体であり所要の比抵抗を有する合金(例えば、JISに規定の合金など)などが適用できる。抵抗層の比抵抗として、20℃で、30〜300μΩ・cmの範囲であることが好ましい。抵抗層接合体の用途がプリント配線板などであれば、配線パターンに抵抗部を形成可能な所要の比抵抗を有する抵抗合金を適用することができる。抵抗合金としては、銅−マンガン系合金(例えば、マンガン12〜15%、ニッケル2〜4%、残部が銅の合金など)、銅−ニッケル合金などからなる銅−ニッケル系合金(例えば、銅55%、ニッケル45%からなる銅−ニッケル合金など)、ニッケル−クロム系合金(例えば、ニッケル80%、クロム20%からなるNi−Cr合金などや、Ni−Cr−Fe合金など)、ニッケル−リン系合金(例えば、リン1〜20%、残部がニッケルの合金など)、ニッケル−ホウ素−リン系合金(例えば、ホウ素2%、リン8〜16%、残部がニッケルの合金など)、鉄−クロム系合金(例えば、クロム20%、アルミニウム3%、残部が鉄のFe−Cr−Al合金など)、鉄−ニッケル系合金(Fe−Ni合金や、Fe−Ni−Cr合金など)、鉄炭素系合金などを適用することができる。
【0012】
抵抗層28の厚みは、抵抗層接合体を製造可能であれば特に限定はされず、抵抗層接合体の用途により適宜選定して用いることができる。例えば、0.01〜10μmであることが好ましい。抵抗層が0.01μm未満では安定した抵抗値を実現することが難しくなり、10μmを超えると製造時間がかかりすぎる。より好ましくは、0.1〜5μmである。なお抵抗層は、スパッタリング、蒸着、CVDなどの気相法により基材となる高分子板上に形成することができる。抵抗層は、単相のみならず複数の相からなる積層膜であってもよいし、気相膜形成後に液相法などにより層厚化したり、多層膜を構成していてもよい。
【0013】
導電板26の材質としては、抵抗層接合体を製造可能な素材で導電性の優れたものであれば特にその種類は限定されず、抵抗層接合体の用途により適宜選択して用いることができる。導電板の比抵抗として、20℃で1〜20μΩ・cmの範囲であることが好ましく、更に、1〜10μΩ・cmの範囲であることがより好ましい。例えば、常温で固体である導電性の優れた金属(例えば、Al、Cu、Ag、Pt、Auなど)や、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む導電性の優れた合金(例えば、JISに規定の合金など)などが適用できる。抵抗層接合体の用途がプリント配線板などであれば、導電板としては、導電性に優れた金属であるCu、Alなどや、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む導電性の優れた合金などを適用することができる。すなわち銅板、アルミニウム板などを導電板として適用することが可能である。銅板としては、Cuの他、JISに規定の無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅、黄銅や、銅−ベリリウム系合金(例えば、ベリリウム2%、残部が銅の合金など)、銅−銀系合金(例えば、銀3〜5%、残部が銅の合金など)など、アルミニウム板としては、Alの他、JISに規定の1000系、3000系などのアルミニウム合金板を適用することができる。
【0014】
導電板26の厚みは、抵抗層接合体を製造可能であれば特に限定はされず、抵抗層接合体の用途により適宜選定して用いることができる。例えば、1〜1000μmであることが好ましい。導電板が箔などの板材からなる場合には1μm未満では導電板としての製造が難しくなり、1000μmを超えると抵抗層接合体としての製造が難しくなる。より好ましくは、5〜200μmである。なお導電板は、電解箔や圧延箔などの板材であってもよいし、メッキや蒸着などによる膜材を積層したものであってもよい。
【0015】
抵抗層接合体は、高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなるものであって、接合表面に活性化処理を施して積層接合する方法などがあり、以下にその活性化接合法を用いた製造方法について説明する。図2に示す3層の抵抗層接合体22は、高分子板24の片面に抵抗層28をスパッタリングなどにより積層した積層材20に導電板26を積層接合してなるものである。図4に示すように、真空槽52内において、巻き戻しリール62に設置された積層材20の抵抗層28の導電板26との接合予定面側が、活性化処理装置70で活性化処理される。同様にして巻き戻しリール64に設置された導電板26の抵抗層28との接合予定面側が、活性化処理装置80で活性化処理される。
【0016】
活性化処理は、以下のようにして実施する。すなわち、真空槽52内に装填された導電板26、積層材20の高分子24側をそれぞれアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Bとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される導電板26、積層材20の抵抗層28側のそれぞれの面積が、実効的に電極Bの面積の1/3以下となるようにスパッタエッチング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどや、これらを少なくとも1種類含む混合体を用いることができる。好ましくは、アルゴンガスである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくエッチングするためには導電板26、積層材20の抵抗層28側のそれぞれの面積を電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的に1/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能となる。
【0017】
その後これら活性化処理された導電板26と積層材20の抵抗層28側を積層接合する。積層接合は、導電板26、抵抗層28のそれぞれ活性化処理された面が対向するようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニット60で冷間圧接を施すことによって達成される。この際の積層接合は低温度で可能であり、導電板26、積層材20ならびに接合部に組織変化や合金層の形成などといった悪影響を軽減または排除することが可能である。Tを導電板、積層材の温度(℃)とするとき、0℃<T≦300℃で良好な圧接状態が得られる。0℃以下では特別な冷却装置が必要となり、300℃を超えると組織変化などの悪影響が生じてくるため好ましくない。また圧延率R(%)は、0.01%≦R≦30%であることが好ましい。0.01%未満では充分な接合強度が得られず、30%を超えると変形が大きくなり加工精度上好ましくない。より好ましくは、0.1%≦R≦3%である。
【0018】
このように積層接合することにより、所要の層厚みを有する抵抗層接合体22を形成することができ、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要により所定の大きさに切り出して、図2に示す抵抗層接合体22を製造することができる。またこのようにして製造された抵抗層接合体22に、必要により残留応力の除去または低減などのために熱処理を施してもよい。
【0019】
なお抵抗層接合体の製造にはバッチ処理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定の大きさに切り出された導電板や積層材の板材を複数枚装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平など適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状態などで設置または把持して固定して活性化処理を行い、さらに導電板や積層材の板材を保持する装置が圧接装置を兼ねる場合には活性化処理後に設置または把持したまま圧接し、導電板や積層材の板材を保持する装置が圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの圧接装置に搬送して圧接を行うことにより達成される。なお活性化処理は、導電板や積層材の板材を絶縁支持された一方の電極Aとし、アース接地された他の電極Bとの間で行うことが好ましい。
【0020】
抵抗層接合体は、より多層の構造とすることも可能である。例えば、高分子板両面に抵抗層を積層した積層材の片面に導電板を積層接合することによって、導電板−抵抗層−高分子板−抵抗層の4層構造の抵抗層接合体を製造することができ、高分子板両面に抵抗層を積層した積層材の両面に導電板を積層接合することによって、導電板−抵抗層−高分子板−抵抗層−導電板の5層構造の抵抗層接合体を製造することができる。さらに抵抗板積層材にメッキや蒸着などによる膜を積層することも可能である。例えば、半田メッキなどである。また活性化接合法を用いれば、導電板−抵抗層の接合のみならず、導電板同士や抵抗層同士の接合も可能であるため種々の構造とすることが可能である。
【0021】
本発明の部品は、高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなる抵抗層接合体を用いてなるものであり、抵抗層接合体にエッチング加工などの加工を施したもの、さらにはこれに樹脂などで被覆あるいは固定したものや、抵抗層接合体を接着剤などを用いて高分子や金属、合金などからなる基材に積層したもの、さらにこれらにエッチング加工などの加工を施したものなどである。例えば、図3に示すようなプリント配線板などの部品などである。
【0022】
図3に示すようなプリント配線板などの部品は、例えば図2に示すような導電板26−抵抗層28−高分子板24の3層構造の抵抗層接合体22の導電板および/または抵抗層の部分にエッチング加工などを施すことによって製造することができる。このとき配線部は、導電板部が残存する2層の配線部(導電配線部32)と、導電板部が除去され抵抗層のみの1層の配線部(抵抗配線部34)を適宜選択的に形成することができる。さらにエッチング液や抵抗層28材質を適切に選定することにより、この抵抗層28をエッチングストップ層として機能させることができ、精度よくエッチング処理することが可能であるため、抵抗層28の部分のみの抵抗配線部34を形成することが容易となり、所要の抵抗値を有する抵抗部を配線内部に精度よく設けることができる。なお図3には基材の片面にのみ抵抗板積層材を積層した形態を示しているが、本発明の部品では基材の片面のみならず表裏両面に積層した形態も可能である。
【0023】
例えば、この3層構造の抵抗層接合体22は、銅箔−Ni・Cr系合金−液晶ポリマーフィルムの3層構造などであり、液晶ポリマーフィルムにNi−Cr系合金層を蒸着などにより積層した積層材20に銅箔を積層接合することなどにより製造することができる。銅箔およびNi−Cr系合金層を逐次または一括にエッチング加工を施すことにより導電配線部32を形成し、また銅箔のみをエッチング加工することにより抵抗配線部34を形成することができる。
【0024】
なお本発明の抵抗層接合体に抵抗層部分のみの配線部を形成させることにより、終端抵抗やブリーダ抵抗などの抵抗器として機能させることができ、この抵抗値は抵抗層の材質によって決まる比抵抗と層厚みおよび配線パターンの幅や長さで適宜選択することができる。逆に抵抗器として機能させたくない場合には、抵抗層部分のみの配線部分の幅を大きくして実質的な抵抗値を下げるか、もしくは抵抗層の少なくとも片面に導電板を残すようなエッチング処理を行うか、あるいは抵抗層部分のみの配線部分に半田メッキなどで導電膜を形成させることによって達成することが可能である。このため今までプリント配線板に取り付けられていた抵抗器を削減もしくは不要とすることが可能となり、プリント配線板の高密度化などに効果がある。
【0025】
また本発明の抵抗層接合体の抵抗層は、抵抗器として機能させるばかりでなく、発熱体やヒューズとして機能させることも可能である。本発明の抵抗層接合体には耐熱性を阻害する要因となる接着層がないため、従来より高温での用途が可能である。このため、プリント配線板(リジットプリント配線板やフレキシブルプリント配線板など)などに好適であり、ICカード、CSP(チップサイズパッケージまたはチップスケールパッケージ)やBGA(ボールグリッドアレイ)などのICパッケージなどにも応用が可能である。
【0026】
【実施例】
以下に、実施例を図面に基づいて説明する。積層材20として、厚み50μmの液晶ポリマーフィルムの高分子板24上に、抵抗層28となるNi−20%Cr合金をスパッタリング法により0.1μm積層したものを用い、導電板26として厚み35μmの無酸素銅箔を用いた。無酸素銅箔、積層材20を抵抗層接合体製造装置50にセットし、1Paのアルゴンガス雰囲気とした真空槽52内の活性化処理ユニット70および80でスパッタエッチング法によりそれぞれ活性化処理した。次に圧接ユニット60を用いて、これら活性化処理された無酸素銅箔、積層材20を、活性化処理面同士を重ね合わせて、圧延率1%で圧接して積層接合し、抵抗層接合体22を製造した。さらにこの抵抗層接合体22に選択的にエッチング処理を施し、図3に示す部品を製造した。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の抵抗層接合体は高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなるものであり、本発明の部品は抵抗層接合体を用いてなるものである。このため抵抗層接合体の抵抗層に抵抗部を形成させることにより回路を形成する部品点数を削減することが可能であり、プリント配線板などへの適用も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抵抗層接合体に用いる積層材の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の抵抗層接合体の一実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の部品の一実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の抵抗層接合体の製造に用いる装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
20  積層材
22  抵抗層接合体
24  高分子板
26  導電板
28  抵抗層
32  導電配線部
34  抵抗配線部
50  抵抗層接合体製造装置
52  真空槽
60  圧接ユニット
62  巻き戻しリール
64  巻き戻しリール
66  巻き取りロール
70  活性化処理装置
72  電極ロール
74  電極
80  活性化処理装置
82  電極ロール
84  電極
A   電極A
B   電極B

Claims (10)

  1. 高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなることを特徴とする抵抗層接合体。
  2. 高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなる抵抗層接合体であって、抵抗層接合体の少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする抵抗層接合体。
  3. 前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、接合されるそれぞれの面をスパッタエッチング処理してなることを特徴とする請求項2に記載の抵抗層接合体。
  4. 前記抵抗層接合体が、高分子板−抵抗層−導電板からなる3層構造であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の抵抗層接合体。
  5. 前記高分子板が、液晶ポリマーからなることを特徴とする請求項1〜2、または4のいずれかに記載の抵抗層接合体。
  6. 前記導電板が銅板からなることを特徴とする請求項1〜2、または5のいずれかに記載の抵抗層接合体。
  7. 前記抵抗層がNi−Cr合金、Ni−Cr−Fe合金、Fe−Cr−Al合金、Cu−Ni合金のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜2、または4のいずれかに記載の抵抗層接合体。
  8. 高分子板と抵抗層と導電板を複数層積層してなる抵抗層接合体を用いてなることを特徴とする部品。
  9. 前記部品の少なくとも一個所に、抵抗部を形成してなることを特徴とする請求項8に記載の部品。
  10. 前記部品が、プリント配線板、ICパッケージのいずれかに適用されることを特徴とする請求項8または9に記載の部品。
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