JP4276016B2 - 低熱膨張積層板およびその製造方法 - Google Patents

低熱膨張積層板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低熱膨張基材層と中間層と導体層とを積層してなる低熱膨張積層板、および低熱膨張積層板の製造方法に関する。
近年、電子機器の発達に伴い電子基板などに搭載される電子部品の搭載密度が高くなり、半導体素子サイズ同程度の大きさを有するパッケージなどの使用や、半導体素子のベアチップ実装など高密度化を図る実装方法が進められてきている。そのような中で半導体素子の熱膨張係数とその実装に関わる材料の熱膨張係数との違いなどから生じる熱応力が問題となってきている。なお特許文献1には、高分子フィルムに金属薄膜を形成した後、あるいは金属薄膜を形成するとともに金属箔を積層する方法が開示されており、また特許文献2には、過剰な熱や圧力を加えることなく金属板同士を接合する方法が開示されている。
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
特開2002−113811号公報 特開平1−224184号公報
本発明は、半導体素子の熱膨張係数と近い材料である低熱膨張基材と、信号を伝搬するための導体層とを、熱膨張を抑制しうるような中間層を介して積層して、熱膨張係数の差から生じる熱応力を緩和しうるような低熱膨張積層板、および低熱膨張積層板の製造方法を提供することを課題とする。
(1)本願発明のICパッケージ用低膨張積層板の製造方法は、
基材層、中間層、導体層の3層を積層してなるICパッケージ用低膨張積層板の製造方法であって、有機高分子からなる基材層の表面をスパッタエッチング処理により活性化する工程と、
前記活性化した基材層の表面に、Fe−Ni合金からなる中間層をスパッタリングにより積層する工程と、
Cuからなる導体層の表面をスパッタエッチング処理により活性化する工程と、
前記導体操の活性化表面と前記中間層とを積層して冷間圧接により接合する工程と、を有することを特徴とする。
(2)本願発明のICパッケージ用低膨張積層板の製造方法は、前記(1)において、
前記中間層の熱膨張係数は前記導体層よりも熱膨張係数が小さく、30〜100度で、0.1〜10−6/Kであることを特徴とする。
本発明の低熱膨張積層板では、導体層−中間層間の接合部に合金層などの用途上好ましくない層を形成させることが抑止できるため、曲げ加工やプレス加工などの機械加工性や、エッチング加工におけるエッチング性、選択性の低下問題などを防ぐことができる。
以下に、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の低熱膨張積層板の一実施形態を示す概略断面図であり、低熱膨張基材層24と中間層25と導体層26とを積層した例を示している。低熱膨張積層板20は、活性化接合方法を用いて製造することが可能となる。すなわち低熱膨張基材層24と導体層26の接合予定面側をそれぞれ活性化処理を施し、活性化処理された低熱膨張基材層24、導体層26の接合予定面の少なくとも一方に中間層25をスパッタリング方法などで形成し、次いで積層接合を施すことにより製造することができる。あるいは、予め低熱膨張基材層24に中間層25を積層したものと導体層26を活性化接合方法を用いて接合することもできる。すなわち低熱膨張基材層24と中間層25の積層体の中間層25側と導体層26の接合予定面側に活性化処理を施して積層接合することによって製造することができる。
低熱膨張基材層24としては、基材層として用いられるもののうち熱膨張係数が小さいものが好ましい。特に半導体素子などを実装する基板などにおいては、熱応力などの軽減のためにも半導体素子などの熱膨張係数に近いものが好ましい。例えば、液晶ポリマー(LCP)などである。またこれらの素材に超高分子量ポリエチレン繊維などを方向性を持たせて配合することにより熱伝導性を高めたり、熱膨張係数を低くすることが可能である。特に繊維長が基材の長さに近づくほどその効果が高くなる。
低熱膨張基材層24の厚みは、用途により適宜選定することができる。例えば、1〜1000μmである。1μm未満の場合には低熱膨張基材層としての製造が難しくなり、1000μmを超えると重くなりすぎる。例えば低熱膨張基材層の用途がフレキシブルプリント基板などであれば、3〜300μmの範囲のものが好ましい。3μm未満の場合には機械的強度が乏しく、300μmを超えると可撓性が乏しくなる。好ましくは、10〜150μmである。より好ましくは、20〜75μmである。
基材層の材質としては、例えば、プラスチックなどの有機高分子物質やプラスチックに粉末や繊維などを混ぜた混合体を適用することができ、フレキシブルプリント基板などに適用する場合には、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどの芳香族ポリアミドなどや液晶ポリマー(LCP)などを用いることができる。プラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、アリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー(LCP、Liquid Crystal Polymer)、EEA樹脂(Ethylene Ethylacrylate 樹脂)、AAS樹脂(Acrylonitrile Acrylate Styrene 樹脂)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ACS樹脂(Acrylnitrile Chlorinated polyethylene Styrene 樹脂)、AS樹脂(Acrylonitrile Styrene 樹脂)、アイオノマー樹脂、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、エポキシ樹脂、珪素樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、弗化エチレンプロピレン、弗素樹脂、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド(6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロンなど)、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキンジメルテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリカーボネート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリサルホン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどを用いてもよい。
導体層26は単層であってもよいし複数の層であってもよく、複数の層の材質は同じでも異なっていてもよい。導体層が複数の層からなっているときは、少なくともその1つは導電性の優れた材質であることが好ましい。導電性の優れた材質とは、低熱膨張積層板を製造可能な素材で、低熱膨張積層板の用途により適宜選択して用いることができるものである。例えば、常温で固体である金属や、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金や、これらの金属や合金を少なくとも1層有する積層体などの材質である。導電性の優れた材質の比抵抗としては、20℃で、1〜20μΩ・cmの範囲であることが好ましく、更に1〜10μΩ・cmの範囲であることがより好ましい。低熱膨張積層板の用途が、プリント配線板用途部品などであれば、導電性に優れた金属であるCu、Alなどや、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む導電性の優れた合金などを適用することができる。Cu系合金としては、JISに規定の無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅、黄銅や、銅−ベリリウム系合金(例えば、ベリリウム2重量%、残部が銅の合金など)、銅−銀系合金(例えば、銀3〜5重量%、残部が銅の合金など)など、Al系合金としては、JISに規定の1000系、3000系などのアルミニウム合金を適用することができる。
導体層26が複数の層からなる場合、導電性の優れた層の他に、抵抗性を有する層や、熱膨張係数の小さい層を設けてもよい。また中間層と接する層に中間層と同種の材質を用いてもよい。抵抗性を有する層は、例えば導電性に優れた層との2層構成などの場合のように、上層に存在する導電性の優れた層をエッチング加工などにより除去することにより抵抗部として用いることができるため、反射波を抑えるためやインピーダンス整合や抵抗素子部品点数の削減などに効果がある。抵抗性を有する層の比抵抗として、20℃で、30〜300μΩ・cmの範囲であることが好ましい。また発熱部として用いることも可能である。熱膨張係数の小さい層は熱膨張係数の大きな他の層の熱膨張を抑える効果を有する。中間層と接する層に中間層と同種の材質を用いる場合は、中間層とその接する層を例えばエッチング処理などの場合のように単一の層として扱うことが可能である。
導体層26の厚みは、低熱膨張積層板を製造可能であれば特に限定はされず、低熱膨張積層板の用途により適宜選定して用いることができる。導体層26は、例えば1〜1000μmであることが好ましい。1μm未満では板材としての製造が難しくなり、1000μmを超えると重くなりすぎる。より好ましくは、5〜50μmである。なお導体層26は、電解箔や圧延箔などの板材であってもよいし、板材にめっきや蒸着などによる膜材を予め積層したものであってもよいし、クラッド材などの積層体でもよいし、積層体に拡散処理などを施したものであってもよい。
中間層25の材質としては、低熱膨張積層板を製造可能な素材で、例えば導体層26に用いられる導電性に優れた層の材質よりも熱膨張係数の小さい材料であれば特にその種類は限定されず、低熱膨張積層板の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、常温で固体である金属や、これらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金や、これらの金属や合金を少なくとも1層有する積層体などのうち導体層よりも熱膨張係数の低い材料である。熱膨張係数としては、30〜100℃で、0.1〜10ー6/Kの範囲が望ましい。低熱膨張積層板の用途が、インターポーザなどの半導体素子搭載用途の部品などであれば、中間層25としては、鉄−ニッケル系合金などを用いることができる。例えば、Fe−36Ni(Niが36重量%、Feが残部)、Fe−32Ni−5Co(Niが32重量%、Coが5重量%、Feが残部)、Fe−29Ni−17Co(Niが29重量%、Coが17重量%、Feが残部)などやこれらに微量の他元素などを添加したものなどである。特に、Fe−29〜42重量%Ni−0〜20重量%Coの組成範囲の鉄−ニッケル系合金が望ましい。特にベアチップ実装などでは半導体素子の熱膨張係数に近い材料が好ましい。さらに低熱膨張材料からなる層を抵抗部として利用することも可能である。
中間層25の厚みは、低熱膨張積層板を製造可能であれば特に限定はされず、低熱膨張積層板の用途により適宜選定して用いることができる。例えば、0.01〜10μmであることが好ましい。0.01μm未満では充分な接合強度を保持することが難しくなり、10μmを超えると低熱膨張積層板としての製造に時間がかかりすぎる。より好ましくは、0.1〜1μmである。なお中間層は、低熱膨張積層板の用途により、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段から適宜選択して用いて、基材となる低熱膨張基材層上や導体層上に形成することができる。また中間層は、単相のみならず複数の相からなる積層膜であってもよい。
常温で固体である金属とは、例えば、Al、Mg、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Pb、Ti、Nb、W、Ag、Pt、Auなどである。これらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金には、例えば、JISに規定の合金なども含むことができ、合金鋼やステンレス鋼の他にも、Cu系合金では、無酸素銅、タフピッチ銅、りん脱酸銅、丹銅、黄銅、快削黄銅、すず入り黄銅、アドミラルティ黄銅、ネーバル黄銅、アルミニウム青銅、白銅など、Al系合金では、1000系、2000系、3000系、5000系、6000系、7000系など、Ni系合金では、常炭素ニッケル、低炭素ニッケル、ニッケル−銅合金、ニッケル−銅−アルミニウム−チタン合金、ニッケル−モリブデン合金、ニッケル−モリブデン−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄−モリブデン−銅合金、ニッケル−クロム−モリブデン−鉄合金などがある。これらの金属や合金を少なくとも1層有する積層体とは、例えば、クラッド材、メッキ材、蒸着膜材などであり、金属間化合物などの合金層も含むことができる。
図1に示す低熱膨張積層板20の活性化接合法を用いた中間層25介挿による製造方法について説明する。図2に示すように、真空槽52内において、巻き戻しリール62に設置された低熱膨張基材層24の接合予定面側を、活性化処理装置70で活性化処理する。同様にして巻き戻しリール64に設置された導体層26の接合予定面側を、活性化処理装置80で活性化処理する。次いで低熱膨張基材層24の接合予定面側に中間層25を形成して積層接合する。
活性化処理は、以下のようにして実施する。すなわち、真空槽52内に装填された低熱膨張基材層24および導体層26をそれぞれアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Bとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した低熱膨張基材層24、および導体層26のそれぞれの接合予定面側の面積が、実効的に電極Bの面積の1/3以下となるようにスパッタエッチング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどやこれらを含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくエッチングするためには電極Aと接触した低熱膨張基材層24および導体層26のそれぞれの面積を実効的に電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的1/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能となる。
次に低熱膨張基材層24の表面に、膜形成ユニット90により中間層25を形成する。膜形成方法として、スパッタリングを用いた場合について説明する。膜形成ユニット90では、前記活性化処理装置とは逆に低熱膨張基材層24側の面積を実効的に大きくすることによりスパッタリング処理を行うことができる。すなわち、真空槽52内に装填された低熱膨張基材層24をアース接地された一方の電極Aと接触させ、絶縁支持された他の電極Cとの間に、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接触した低熱膨張基材層24の面積が、実効的に電極Cの面積の3倍以上となるようにスパッタリング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトンなどやこれらを含む混合体を適用することができる。好ましくはアルゴンである。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく、10Paを超えるとスパッタリング効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続スパッタリングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくスパッタリングするためには電極Aと接触した低熱膨張基材層24の面積を実効的に電極Cの面積より大きくする必要があり、3倍以上とすることにより充分な効率で膜形成が可能となる。
スパッタリングを用いる膜形成ユニット90は、例えば図3に示すように、電気的にフローティング状態にされたターゲット電極94と、アース接地された水冷の電極ロール72との組み合わせで構成される。ターゲット電極94には中間層25を形成するターゲット92が設置され、またマグネット98を設置して磁場によりスパッタリングの効率を向上させている。さらにターゲット92の異常加熱を防止するために、ターゲット電極94を水冷できるようにしてある。ターゲット電極94−電極ロール72間に高周波電源96を印加することで、プラズマを発生させてターゲット92にイオン衝撃を与え、これにより放出されたターゲット物質を低熱膨張基材層24上に積層させて中間層25を形成させ、膜積層材22を得ることができる。
その後、低熱膨張基材層24に中間層25を形成した膜積層材22と導体層26を積層接合する。積層接合は、膜積層材22、導体層26の接合予定面側が対向するようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニット60で冷間圧接を施すことによって達成される。この際の積層接合は低温度で可能であり、膜積層材22、導体層26ならびに接合部に組織変化や合金層の形成などといった悪影響を軽減または排除することが可能である。Tを膜積層材22、導体層26の温度(℃)とするとき、0℃<T<300℃で良好な圧接状態が得られる。0℃以下では特別な冷却装置が必要となり、300℃以上では組織変化などの悪影響が生じてくるため好ましくない。また導体層26、中間層25にかかわる圧延率R(%)は、0.01%≦R≦30%であることが好ましい。0.01%未満では充分な接合強度が得られず、30%を超えると変形が大きくなり加工上好ましくない。より好ましくは、0.1%≦R≦3%である。さらに好ましくは、1%<R≦3%である。
このように積層接合することにより、所要の層厚みを有する3層構造の低熱膨張積層板20を形成することができ、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要により所定の大きさに切り出して、図1に示すような低熱膨張積層板20を製造することができる。またこのようにして製造された低熱膨張積層板20に、必要により残留応力の除去または低減などのために問題が生じない範囲で熱処理を施してもよいし、さらに半田めっきなどの膜材などを積層してもよい。また膜形成ユニット90を機能停止あるいは取り除くことによっても、予め低熱膨張基材層24に中間層25を積層したものと導体層26とを接合することもできる。
低熱膨張積層板の製造にはバッチ処理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定の大きさに切り出された低熱膨張基材層、導体層を複数装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平など適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状態などで設置または把持して固定して活性化処理や膜形成処理を行い、さらに低熱膨張基材層、導体層を保持する装置が圧接装置を兼ねる場合には活性化処理や膜形成処理後に設置または把持したまま圧接し、低熱膨張基材層、導体層を保持する装置が圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの圧接装置に搬送して圧接を行うことにより達成される。なお活性化処理は、低熱膨張基材層、導体層を絶縁支持された一方の電極Aとし、アース接地された他の電極Bとの間で行うことが好ましい。
本発明の低熱膨張積層板では、導体層−中間層間の接合部に合金層などの用途上好ましくない層を形成させることが抑止できるため、曲げ加工やプレス加工などの機械加工性や、エッチング加工におけるエッチング性、選択性の低下問題などを防ぐことができる。このためインターポーザなどのプリント配線用途部品などにも有用である。
以下に、実施例を図面に基づいて説明する。導体層26として厚み10μmの無酸素銅箔を用い、低熱膨張基材層24として厚み50μmの液晶ポリマーを用いて、低熱膨張積層板製造装置50にセットし、真空槽52内の活性化処理ユニット70および80でスパッタエッチング法によりそれぞれ活性化処理した後、膜形成ユニット90で中間層25として厚み0.5μmの鉄ニッケル合金(Fe−36重量%Ni)層を液晶ポリマー側にスパッタリングにより形成し、圧延ユニット60で圧接して積層接合して低熱膨張積層板20を製造した。さらに低熱膨張積層板20にエッチング加工を施して配線パターンを形成してプリント配線板を製造した。
以上説明したように、本発明の低熱膨張積層板は低熱膨張基材層と中間層と導体層とを積層してなるものである。このためプリント配線板(リジットプリント配線板やフレキシブルプリント配線板など)などに好適であり、ICカード、インターポーザ、CSP(チップサイズパッケージまたはチップスケールパッケージ)やBGA(ボールグリッドアレイ)などのICパッケージなどにも応用が可能である。
本発明の導電層積層材の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の導電層積層材の製造に用いる装置の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の導電層積層材の製造に用いる膜形成ユニットの一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
20 低熱膨張積層板
22 膜積層材
24 低熱膨張基材層
25 中間層
26 導体層
50 低熱膨張積層板製造装置
52 真空槽
54 真空ポンプ
60 圧接ユニット
62 巻き戻しリール
64 巻き戻しリール
66 巻き取りロール
70 活性化処理装置
72 電極ロール
74 電極
76 電極
80 活性化処理装置
82 電極ロール
84 電極
90 膜形成ユニット
92 ターゲット
94 ターゲット電極
96 高周波電源
98 マグネット
A 電極A
B 電極B
C 電極C

Claims (2)

  1. 基材層、中間層、導体層の3層を積層してなるICパッケージ用低膨張積層板の製造方法であって、
    有機高分子からなる基材層の表面をスパッタエッチング処理により活性化する工程と、
    前記活性化した基材層の表面に、Fe−Ni合金からなる中間層をスパッタリングにより積層する工程と、
    Cuからなる導体層の表面をスパッタエッチング処理により活性化する工程と、
    前記導体層の活性化表面と前記中間層とを積層して冷間圧接により接合する工程と、を有することを特徴とするICパッケージ用低膨張積層板の製造方法。
  2. 前記中間層の熱膨張係数は前記導体層よりも熱膨張係数が小さく、30〜100度で、0.1〜10 −6 /Kであることを特徴とする請求項1に記載のICパッケージ用低膨張積層板の製造方法。
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