JP2004174486A - 液相反応用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘテロポリオキソメタレートアニオンを必須として構成される触媒であって、液相反応に好適に適用することができる触媒を提供する。
【解決手段】 ヘテロ原子が遷移金属であり、かつ、ポリ原子がタングステン及び/又はモリブデンであり、一欠損及び/又は二欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)と、元素(B)とを必須とする液相反応用触媒であって、該元素(B)は、周期律表3〜16族の元素の群から選ばれる1種以上であり、ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)が有するポリ原子とは異なるものである液相反応用触媒。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液相反応用触媒及びヘテロポリオキソメタレート化合物に関する。より詳しくは、酸化反応や酸−塩基反応等を液相で行う際に用いる液相反応用触媒及びヘテロポリオキソメタレート化合物に関する。
ヘテロポリオキソメタレート化合物は、ヘテロ原子を中心とし、ポリ原子がヘテロ原子に酸素を介して配位した構造を有するものである。このようなヘテロポリオキソメタレート化合物としては、リンや珪素のような典型元素をヘテロ原子に有するものが一般的である。一方、典型元素中心ポリオキソメタレートとは異なる性質をもつ、遷移金属をヘテロ原子として有する遷移金属中心ポリオキソメタレートも挙げられ、これを反応用触媒として利用することが検討されている。しかしながら、従来の遷移金属中心ポリオキソメタレートにおいては、反応原料及び反応媒体等により形成される液相中で酸化反応や酸−塩基反応等の触媒作用を発揮することができる液相反応用触媒として好適に適用することができるものはなかった。例えば、以下のような遷移金属中心ポリオキソメタレートが開示されている。
すなわち、Coを中心原子にもつK6[Co(II)W1240]、K5[Co(III)W1240]、K10[Co(II)Co(II)W1140]、K9[Co(II)Co(III)W1140]で表されるポリオキソメタレートを合成したことが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、触媒反応への適用について開示はなく、ポリオキソメタレートを液相反応用触媒として好適なものとするための工夫の余地があった。
Feを中心原子にもつポリオキソメタレートH5[FeW1240]を光触媒として用いて下記式に示すアルコール酸化を行ったことが開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。下記式において、hvは、光照射を表し、catとは、触媒を表す。しかしながら、触媒として用いられたポリオキソメタレートは、無欠損・無置換型であり、その反応性も低く、ポリオキソメタレートの化学構造について工夫の余地があった。
Figure 2004174486
Coを中心原子に持つ欠損型ポリオキソメタレートであるK9[Co(III)W1139]、及び、置換型ポリオキソメタレートであるK8[Co(II)V(IV)W1140]、K7[Co(II)V(V)W1140]、K6[Co(III)V(V)W1140]を合成したことが開示されている(例えば、非特許文献3参照。)。しかしながら、このようなポリオキソメタレートを触媒反応に適用したことについては開示されていない。
12{[WZnMn2](ZnW9342}(Q=カウンターカチオン)を合成し、過酸化水素を酸化剤とした下記式に示すエポキシ化反応及びアルコール酸化反応の触媒として利用したことが開示されている(例えば、非特許文献4参照。)。しかしながら、この技術においては、基質に対して過剰の酸化剤を用いる必要があり、酸化剤の有効利用率を向上させることができるようにポリオキソメタレートの化学構造について工夫の余地があった。
Figure 2004174486
11{[WZnRu2(OH)(H2O)](ZnW9342}(Q=カウンターカチオン)の合成について開示され、また、下記式に示すように、酸素を酸化剤としたアルケンのエポキシ化反応へのポリオキソメタレートの適用について開示されている(例えば、非特許文献5参照。)。このようなポリオキソメタレートは、Znを中心とした2つの三欠損型ポリオキソメタレートが4つの遷移金属、すなわち1つのW、Zn、2つのRuをサンドイッチした形をしている。しかしながら、このようなポリオキソメタレートを用いた反応は当量反応であることから、触媒量で用いることができるように、ポリオキソメタレートの化学構造について工夫の余地があった。
Figure 2004174486
9[Co(III)W1139]を触媒とする下記式に示すシクロヘキセノールの過酸化水素エポキシ化反応が開示されている(例えば、非特許文献6参照。)。下記式において、化合物の下に記載の数字は、得られた化合物の収率を表している。しかしながら、このような反応においては、金属との組み合わせのない欠損型ポリオキソメタレートのみを触媒として用いていることから、ポリオキソメタレートの化学構造について、液相反応用触媒として好適なものとするための工夫の余地があった。
Figure 2004174486
アルカンから不飽和カルボン酸を製造する気相触媒として、Gb(e′−az′)[Xk′m′-x′M′x′M″n′y′-e′がCa(e−az)[Xkm-xM′xM″ny-e上に担持された触媒が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。式中の記号は、下記のとおりである。
C,G:カウンターカチオン、a,b:カウンターカチオン数、X:遷移金属、3B、4B、5B、6B族原子、M:タングステン又はモリブデン、M′:バナジウム、M″:遷移金属、z,z′:カチオンの価数 e,e′:アニオンの価数、k,k′:1−5、m,m′:5−17、n,n′:0−3、y,y′:18−60、x:0−3(M=モリブデンのとき)0−6(M=タングステンのとき)
しかしながら、このような触媒は、気相触媒であり、液相反応用触媒ではなく、また、欠損構造についての開示がないことから、これらの点について工夫の余地があった。
L.C.W.Baker、T.P.McCutcheon「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」(米国)1956年、第78巻、p.4503 M.A.Fox、R.Cardona、E.Gaillard「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」(米国)1987年、第109巻、p.6347 J.Bas−Serra、I.Todorut、N.Casan−Pastor、J.Server−Carrio、L.C.W.Baker、R.Acerete「シンセシス アンド リアクティビティー イン インオーガニック アンド メタルオーガニックケミストリー(Synth.React.Inorg.Met−Org.Chem.)」(米国)1995年、第25巻、p.869 R.Neumann、M.Gara「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」(米国)1995年、第117巻、p.5006 R.Neumann、M.Dahan「ネイチャー(Nature)」(英国)1997年、第388巻、p.353 J.Server−Carrio、J.Bas−Serra、M.E.Gonzales−Nunez、A.Garcia−Gastaldi、G.B.Jameson、L.C.W.Baker、R.Acerete「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」(米国)1999年、第121巻、p.977 米国特許第5990348号明細書(1999)第21−24欄
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ヘテロポリオキソメタレートアニオンを必須として構成される触媒であって、液相反応に好適に適用することができる触媒を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、ヘテロポリオキソメタレートアニオンを必須として構成される化合物について種々検討した結果、遷移金属中心ヘテロポリオキソメタレートアニオンにより構成されるものが触媒活性を有することに着目し、遷移金属中心ヘテロポリオキソメタレートアニオンとともに、該ヘテロポリオキソメタレートアニオンが有するポリ原子とは異なる特定の元素を必須とすると、液相反応において触媒活性を有するものとなること、特に光照射下での液相反応に用いると更に触媒活性を向上することができることを見いだした。また、遷移金属中心ヘテロポリオキソメタレートアニオンとしては、一欠損及び/又は二欠損構造部位を有するものであって、ヘテロ原子とポリ原子とが特定されたものとし、該ヘテロポリオキソメタレートアニオンが有するポリ原子とは異なる特定の元素としては、周期律表3〜16族の元素の群から選ばれる1種以上のものとすると、液相反応用触媒として好適なものとなることを見いだした。このような触媒を、例えば、エチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物を酸化剤により酸化させてエポキシ化合物を製造する反応に適用すると、触媒量の使用により、エポキシ化合物を高収率で、しかも酸化剤の有効利用率を向上させて製造することが可能となる。
また触媒の必須成分であるヘテロポリオキソメタレートアニオンと特定の元素との組み合わせを適宜選択することにより、このような触媒を種々の液相反応に応じて好適に適用することができることを見いだした。
更にヘテロポリオキソメタレートアニオンと特定の元素とを必須として構成される化合物として、種々の反応触媒等に適用し得る新たな化合物を見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ヘテロ原子が遷移金属であり、かつ、ポリ原子がタングステン及び/又はモリブデンであり、一欠損及び/又は二欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)と、元素(B)とを必須とする液相反応用触媒であって、上記元素(B)は、周期律表3〜16族の元素の群から選ばれる1種以上であり、ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)が有するポリ原子とは異なるものである液相反応用触媒である。
本発明はまた、ヘテロ原子が周期律表8族、9族及び11族の元素の群から選ばれる原子であり、かつ、ポリ原子がタングステンであり、一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、周期律表3〜10族の元素の群から選ばれる1種以上の原子とを必須とするヘテロポリオキソメタレート化合物でもある。
以下に、本発明を詳述する。
本発明の液相反応用触媒は、ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)と、元素(B)とを必須として構成されるものである。なお、ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)及び元素(B)は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。このような液相反応用触媒は、酸化反応や酸−塩基反応等の液相反応に好適に適用されることとなる。
上記ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)は、結晶構造中で、あるべきポリ原子が1つ欠けている一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン及び/又はポリ原子が2つ欠けている二欠損構造部位を有するものであって、ヘテロ原子が遷移金属であり、かつ、ポリ原子がタングステン及び/又はモリブデンであるものである。このようなヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)は、ヘテロ原子である遷移金属原子に酸素を介してポリ原子が11個又は10個配位した結晶構造を有するものである。
上記ヘテロポリオキソメタレートアニオンにおけるヘテロ原子となる遷移金属としては、液相反応用触媒が適用される反応の種類等に応じて1種又は2種以上を適宜選択すればよいが、周期律表8族、9族及び11族の元素の群から選ばれる原子が好適である。また、例えば、酸化反応に用いる場合であれば、鉄、銅、マンガン、コバルト、クロム、亜鉛、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、ニッケル、バナジウムが好適である。より好ましくは、コバルト、鉄、銅である。また、酸−塩基反応に用いる場合であれば、コバルト、鉄、銅、ロジウム、ルテニウム、亜鉛が好適である。
本発明におけるヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)としては、下記一般式(1);
[XM1139q- (1)
で表される一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン及び/又は下記一般式(2);
[XM1038q- (2)
(式(1)及び(2)中、Xは、遷移金属を表す。Mは、同一若しくは異なって、タングステン又はモリブデンを表す。qは、正の整数である。)で表される二欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンであることが好ましい。なお、qは、元素X及びMの価数によって決まることになる。
上記元素(B)は、周期律表3〜16族の元素の群から選ばれる1種以上であり、ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)が有するポリ原子とは異なるものである。元素(B)の種類としては、液相反応用触媒を構成するヘテロポリオキソメタレートアニオンのヘテロ原子やポリ原子の種類、触媒が用いられる反応の種類等に応じて適宜選択すればよいが、周期律表3〜10族の元素の群から選ばれる1種以上の原子が好適である。元素(B)としては、例えば、酸化反応に用いる場合であれば、鉄、コバルト、マンガン、バナジウム、クロム、ルテニウムが好適である。また、ヘテロ原子が周期律表8族、9族及び11族の元素の群から選ばれる原子であり、かつ、ポリ原子がタングステンであり、一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、周期律表3〜10族の元素の群から選ばれる1種以上の原子とを必須とするヘテロポリオキソメタレート化合物を必須とする液相反応用触媒は、本発明の好ましい形態の1つであり、このようなヘテロポリオキソメタレート化合物もまた、本発明の1つである。より好ましくは、ヘテロ原子がコバルト原子であり、かつ、ポリ原子がタングステンであり、一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、クロム、マンガン、鉄及びルテニウムからなる群より選ばれる1種以上の原子とを必須とするヘテロポリオキソメタレート化合物であり、最も好ましい形態としては、ヘテロ原子がコバルト原子であり、かつ、ポリ原子がタングステンであり、一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、鉄原子とを必須とするヘテロポリオキソメタレート化合物である。このようなヘテロポリオキソメタレート化合物は、下記式(3);
[CoFe(OH2)W11396- (3)
で表される。
本発明の液相反応用触媒における元素(B)の含有量としては、触媒中のヘテロ原子1個に対して、0.0001個以上であることが好ましく、よりに好ましくは、0.01個以上である。また、6個以下であることが好ましい。より好ましくは、5個以下であり、更に好ましくは、3個以下である。
本発明の液相反応用触媒における元素(B)の形態としては、カチオンとして、ヘテロポリオキソメタレートアニオンと電荷とのバランスをとってもよく、酸化物等の形態をとってもよい。
本発明の液相反応用触媒における元素(B)と一欠損及び/又は二欠損構造部位を有し、ヘテロ原子が遷移金属であり、かつ、ポリ原子がタングステン及び/又はモリブデンであるヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)との存在形態としては、該ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)と元素(B)とが触媒中に共に存在することになればよいが、例えば、以下の(1)〜(3)に記載する結合形態が好適である。
(1)元素(B)がヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)の一欠損及び/又は二欠損部位を置換して存在する形態。二欠損部位を置換して存在する場合、各元素(B)は互いに隣接していることが好ましい。各元素(B)が互いに隣接する異性体としては、角を共有した異性体であるα、β体でもよく、陵を共有したγ、δ、ε体でもよい。より好ましくは、二欠損ケギン型ヘテロポリオキソメタレートアニオンの骨格中に二個の元素(B)が陵を共有してくみ込まれる形態であり、それはγ、δ、ε体である。
(2)元素(B)が錯体化合物、例えば、[XM1139q-−B−O−B−[XM1139q-又は[XM1038q-−B−[XM1038q-のように、一欠損又は二欠損部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンによって配位されて存在する形態。
上記(1)、(2)の形態において、元素(B)とヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)とが結合した構造は、X線解析、元素分析やFT−IR分光測定から決定又は推定することができる。
(3)元素(B)が一欠損及び/又は二欠損部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)に担持されたり、吸着されたりして存在する形態。この場合、ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)における、元素(B)が担持される部位や吸着される部位は特に限定されるものではない。このような形態は、元素分析、FT−IR分析等から推定される。
また、上記(1)−(3)のいずれの場合においても、ヘテロポリオキソメタレート中の遷移金属ヘテロ原子と、必須元素(B)との相違は、X線解析により決定・確認をすることができる。
上記ヘテロ原子が遷移金属であり、かつ、ポリ原子がタングステン及び/又はモリブデンであり、一欠損及び/又は二欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンは、塩を形成していてもよく、ヘテロポリオキソメタレートアニオンの塩を形成する対カチオンとしては、例えば、プロトン、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン)、アルカリ土類金属カチオン(ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン)や、第四級アンモニウム塩(アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリブチルメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリラウリルメチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、テトラペンチルアンモニウム塩、テトラヘキシルアンモニウム塩、テトラオクチルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩)、第四級フォスフォニウム塩(テトラメチルフォスフォニウム塩、テトラエチルフォスフォニウム塩、テトラプロピルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩、テトラフェニルフォスフォニウム塩、エチルトリフェニルフォスフォニウム塩、ベンジルトリフェニルフォスフォニウム塩)、また、第四級アルセン等の有機カチオンを含むカチオンが好適である。好ましくは、プロトン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、テトラブチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩、セチルピリジニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩であり、より好ましくは、プロトン、アンモニウム塩、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、テトラブチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩である。カチオンは、1種類又は2種類以上用いることができる。
本発明における液相反応用触媒は、上述したヘテロ原子が遷移金属であり、かつ、ポリ原子がタングステン及び/又はモリブデンであり、一欠損及び/又は二欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)と、元素(B)とを必須成分とし、これを主成分とすることが好ましいが、本発明の作用効果を奏する限り触媒調製過程で生じる不純分や、他の成分を含有していてもよい。
本発明の液相反応用触媒は、例えば、以下の(a)〜(c)の文献に記載されている方法により調製することができる。
(a)J.Bas−Serra、I.Todorut、N.Casan−Pastor、J.Server−Carrio、L.C.W.Baker、R.Acerete「Synthesis and Reactivity in Inorganic and Metal−Organic Chemistry(Synth.React.Inorg.Met−Org.Chem.)」1995年、第25巻、p.869
(b)L.C.W.Baker、T.P.McCutcheon「J.Am.Chem.Soc.」(米国)1956年、第78巻、p.4503
(c)K.Nomiya、M.Miwa、R.Kobayashi、M.Aiso「Bull. Chem. Soc. Jpn.」1981年、第54巻、p.2983
本発明の液相反応用触媒の使用量としては、触媒を用いる反応の種類等により適宜設定することになるが、例えば、酸化反応に用いる場合であれば、反応基質100重量部に対して0.0001重量部以上とすることが好ましく、また、3000重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.01重量部以上であり、また、1500重量部以下である。また、酸−塩基反応に用いる場合であれば、反応基質100重量部に対して0.001重量部以上とすることが好ましく、また、3500重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.05重量部以上であり、また、2000重量部以下である。
本発明の液相反応用触媒の使用形態としては、触媒を溶媒に溶解させて均一系で反応させる形態、触媒を溶媒に溶解させずに液相に懸濁させて反応を行う形態が挙げられる。触媒を固相として反応を行うことも可能である。本発明の液相反応用触媒は、対カチオンを変更することで、触媒自体を固体として使用することができ、生成物と触媒の分離が容易となる。また、この場合、液相反応用触媒を担体に担持することによっても、触媒を固相として使用することができる。触媒用担体としては、各種イオン交換樹脂、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化錫、複合酸化物、アパタイト、ハイドロタルサイト、ポリオキソメタレート、モンモリロナイトを始めとする粘度化合物や、一般的に不均一系接触反応に使用される担体を用いることができる。好ましくは、イオン交換樹脂、シリカ、アルミナ、酸化錫、ポリオキソメタレート、ハイドロタルサイトである。また、触媒自体を固体として使用する場合、好ましい対カチオンは、プロトン、アンモニウム塩、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、バリウムイオン、テトラブチルアンモニウム塩、テトラオクチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩である。
本発明において、上記液相反応用触媒及び上記ヘテロポリオキソメタレート化合物は、種々の液相反応に適用することができるものであるが、中でも、光照射下での液相反応に適用することが好ましい。このような、上記液相反応用触媒、又は、上記ヘテロポリオキソメタレート化合物を含んでなり、光照射下での液相反応に用いてなる液相反応用触媒もまた、本発明の一つである。このような液相反応用触媒は、上記液相反応用触媒及び上記ヘテロポリオキソメタレート化合物のうち少なくとも1種を含んでなるものであって、光照射下での液相反応に用いられるものである。この場合、液相反応において、光照射により上述した触媒や化合物がより活性化され、目的生成物の収率を向上することができる。
このように、光照射下での液相反応に適用すると、高活性触媒としての性能を高めることが可能となる。なお、光照射の方法としては、水銀(Ag)ランプやキセノン(Xe)ランプを光源として用いて反応溶液に光を照射する方法が好ましく、カットオフフィルターを用いて特定の波長の光のみを照射することもできる。
また上記液相反応用触媒及び上記ヘテロポリオキソメタレート化合物は、種々の液相反応の中でも、酸化反応、酸−塩基反応等の反応を液相で行う際に好適に適用することができるものである。例えば、光照射下で行う液相反応は、液相酸化反応であることが好適である。
上記酸化反応の具体例としては特に限定されず、例えば、(1)アルケンの不飽和二重結合の酸化、具体的には一例を示すとプロピレンからプロピレンオキシドへの酸化(式(1))等、(2)アルキンの不飽和三重結合の酸化、(3)水酸基の酸化、(4)硫黄原子の酸化、(5)窒素原子の酸化、(6)アルカンの酸化、(7)芳香族の酸化、(8)これら(1)〜(7)以外の酸化反応等が挙げられる。このような酸化反応により被酸化性官能基が酸化され、酸化された有機化合物が製造されることになる。
上記(1)アルケンの不飽和二重結合の酸化としては、例えば、エポキシ化、アルケンからケトンが生成する反応(Wacker酸化)、アルケンからジヒドロキシ化合物が生成する反応、アルケンからα−ヒドロキシケトンが生成する反応、アルケン開裂、アリル位酸化、酸化的開裂、アンモ酸化等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(1)〜(9)で示される。
Figure 2004174486
上記(2)アルキンの不飽和三重結合の酸化としては、例えば、アルキンからα,β−エポキシケトンが生成する反応、アルキンからジケトンが生成する反応等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(10)及び(11)で示される。
Figure 2004174486
上記(3)水酸基の酸化としては、例えば、カルボニル化合物が生成する反応が挙げられ、具体的には、第一級アルコールからアルデヒドが生成する反応、アルデヒドからカルボン酸が生成する反応、第二級アルコールからケトンが生成する反応等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(12)及び(13)で示される。
Figure 2004174486
上記(4)硫黄原子の酸化としては、例えば、スルフィドからスルホキシドが生成する反応、スルホキシドからスルホンが生成する反応、チオールからジスルフィドが生成する反応等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(14)及び(15)で示される。
Figure 2004174486
上記(5)窒素原子の酸化としては、例えば、第一級アミンからヒドロキシルアミンが生成する反応、ヒドロキシルアミンからニトロソ化合物又はアゾキシ化合物が生成する反応、ニトロソ化合物からオキシム又はニトロ化合物が生成する反応、第二級アミンからヒドロキシルアミンが生成する反応、ヒドロキシルアミンからナイトロンが生成する反応、第三級アミンからアミンオキシドが生成する反応等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(16)、(17)及び(18)で示される。
Figure 2004174486
上記(6)アルカンの酸化としては、例えば、アルカンに水酸基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基が導入される反応、アンモ酸化等が挙げられる。このような酸化反応は、具体的には、下記反応式(19)で示される。
Figure 2004174486
上記(7)芳香族の酸化としては、例えば、核水酸基化、側鎖酸化等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(20)及び(21)で示される。
Figure 2004174486
上記(8)(1)〜(7)以外の酸化反応としては、例えば、ケトンからラクトンが形成するBaeyer−Villiger酸化、酸化的カップリング、酸化的脱水素等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(22)〜(24)で示される。
Figure 2004174486
上記反応式(1)〜(24)は、本発明における酸化反応の各形態を例示したものであり、例えば、メチル基として表されている部分は水素原子やその他の基であってもよく、また、各化合物は置換基を有していてもよく、これらに特に限定されるものではない。
本発明の液相反応用触媒が適用される酸塩基反応としては、エステル化反応、アルカン骨格異性化反応、重合反応、付加反応、開環反応、脱離反応、アセタール化反応、ケタール化反応、芳香族求電子置換反応、芳香族求核置換反応、アルドール縮合反応、ピナコール転位反応、ベックマン転位反応、カニッツァロ反応、クライゼン縮合反応、ダルゼンズ縮合反応、ディールズアルダー反応、フリーデルクラフツ反応、フリース転位反応、ガッターマン・コッホ反応、マンニッヒ反応、マイケル反応、プリンス反応、グリコシル化反応、加溶媒分解反応等が挙げられる。本発明の液相反応用触媒は、これらの中でも、エステル化反応、アルカン骨格異性化反応、付加反応、開環反応、脱離反応、芳香族求電子置換反応、ディールズアルダー反応、フリーデルクラフツ反応、プリンス反応に好適である。
本発明の液相反応用触媒は、上述した反応の中でも、エチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物を酸化剤により酸化させてエポキシ化合物を製造する方法に好適に用いられ、エポキシ化合物を高収率で、しかも酸化剤の有効利用率を向上させて製造することができる。このような、本発明の液相反応用触媒を使用するエポキシ化合物の製造方法は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
以下では、本発明の液相反応用触媒を用いるエポキシ化合物の製造方法における反応基質、酸化剤、製造条件等について説明する。
本発明において使用する反応基質であるエチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物としては、非環式であっても環式有機化合物であってもよく、例えば、炭化水素、エステル、アルコール、エーテル、ハロゲン置換炭化水素等の1種又は2種以上用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、ブタジエン類、1−ヘキセン、1−ペンテン、イソプレン、ジイソブチレン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−エトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−アイコセン、プロピレンのトリマー及びテトラマー類、1,3−ブタジエン等の末端にエチレン性二重結合を有する直鎖アルケン;2−ブテン、2−オクテン、2−メチル−2−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン等の分子内部にエチレン性二重結合を有するアルケンや分岐アルケン;シクロペンテン、シクロヘキセン、1−フェニル−1−シクロヘキセン、1−メチル−1−シクロヘキセン、シクロへプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロペンタジエン、シクロデカトリエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、メチレンシクロプロパン、メチレンシクロペンタン、メチレンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、シクロオクテン、ノルボルネン等の脂環式オレフィン性炭化水素等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜15の不飽和炭化水素が好ましい。より好ましくは、炭素数2〜12の不飽和炭化水素である。
上記エチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物はまた、例えば、−COOH、−CN、COOR、−OR(Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール又はアリルアルキル置換基を表す)等の基や、アリール、アリルアルキル、ハロゲン、ニトロ、スルホン酸、カルボニル(例えばケトン、アルデヒド)、ヒドロキシル、エーテル基を有していてもよい。このような化合物として、例えば、アリルアルコール、塩化アリル、アリルメチルエーテル、アリルビニルエーテル、ジアリルエーテル、アリルフェニルエーテル、メタクリル酸メチル、アクリル酸等が挙げられる。
上記エチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物としてはまた、炭素−炭素の二重結合を含む炭素数6以上のアリール化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の置換スチレン類、ジビニルベンゼン類、スチルベン、アラルケン類;炭素−炭素の二重結合を有するアミン類、チオール類、サルファイド類、ジサルファイド類、Se、Te、SbやAsを有する化合物、ホスフィン類、ホスファイト類等が挙げられる。
上記酸化剤としては、例えば、酸素イオンや酸素ラジカル、ペルオキシドやスーパーペルオキシドを生成しうるものを用いることができ、例えば、分子状酸素や過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酢酸等の有機過酸化物、酸素と水素の混合ガス、一酸化二窒素、ヨードシルベンゼン、パーオキシナイトレート等が好適である。これらの中でも、分子状酸素又は過酸化水素を用いることが好ましい。
上記過酸化水素は、反応が選択的であれば理想的な酸化剤であるが、従来では反応系に生成する水により、生成したエポキシ化合物の開環がおこり収率が低くなる場合や、生成するエポキシ化合物の価格が低いと過酸化水素が相対的に高価となり、製造コストが割高になる場合があったが、本発明においては、エポキシ化合物への選択率が高く、過酸化水素の有効利用率が高く、また、触媒によるエポキシ化合物の生産性が高いことから、これらの問題が解消されることになる。
上記エポキシ化合物の製造方法において、酸化剤として過酸化水素を使用する場合、過酸化水素の使用形態としては、実用的には、0.01〜70質量%の水溶液、アルコール類の溶液が好適であるが、100%の過酸化水素も使用可能である。しかし非常に低い濃度の過酸化水素をつかっても副生物が生成しにくいのが本発明に使用される液相反応用触媒の特徴である。
上記酸化剤の使用量としては、反応基質であるエチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物中のエチレン性二重結合に対するモル比(反応基質中のエチレン性二重結合のモル数/酸化剤のモル数)が1000/1以下となるようにすることが好ましく、より好ましくは、100/1以下である。また、1/1000以上となるようにすることが好ましく、より好ましくは、1/100以上である。
上記エポキシ化合物の製造方法における液相反応用触媒の使用量としては、反応基質であるエチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物100重量部に対して0.0001重量部以上とすることが好ましく、また、3000重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.01重量部以上であり、また、1500重量部以下である。
上記製造方法における反応方法としては、エチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物及び酸化剤に液相反応用触媒を接触させることによりエポキシ化反応を行うことが好ましい。また、液相反応用触媒、エチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物及び酸化剤を溶媒に溶解させて液相均一系で行うことが反応活性の面で好ましい。
上記溶媒としては、水及び/又は有機溶媒を用いることになる。有機溶媒としては、1種又は2種以上を用いることができ、反応基質であるエチレン性二重結合を少なくとも1個有する化合物や、過酸化水素等の酸化剤、生成したエポキシ化合物とは反応しないものが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマル又はイソプロパノール、第3級ブタノール等の炭素数1〜6の第1、2、3級の一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレンオキシド、プロピレンオキシドが開環したオリゴマー類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、多価アルコールの蟻酸エステル又は酢酸エステル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ニトリル類等の窒素化合物;リン酸トリエチル、リン酸ジエチルヘキシル等のリン酸エステル等のリン化合物;クロロホルム、ジクロロメタン、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素;ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
上記溶媒の中でも、水、炭素数1〜4のアルコール類、1,2−ジクロロエタン、ヘプタン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等や、これらの混合物を用いることが好ましい。水が存在する場合は、場合によって相間移動触媒や界面活性剤を共存させることも可能である。
上記エポキシ化反応における反応系は、中性〜酸性であることが好ましい。上記製造方法においては、本発明の液相反応用触媒を用いることにより反応系を酸性とすることができるが、更に反応系中に酸性物質を加えてもよい。酸性物質としては、例えば、ブレンステッド酸、ルイス酸等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。ブレンステッド酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸;酢酸、安息香酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スルホン酸等の有機酸類;ゼオライト類、混合酸化物類等の無機酸類等が好適であり、ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化ホウ素化合物、塩化アンチモン化合物、塩化第二スズ、フッ化アンチモン、亜鉛やチタンの化合物、ゼオライト類、混合酸化物等が好適である。更に無機、有機酸性塩を用いることもできる。
上記エポキシ化反応における反応条件としては、例えば、反応温度は、0℃以上が好ましく、より好ましくは、室温以上である。また、250℃以下が好ましく、より好ましくは、180℃以下である。反応時間は、数分以上が好ましく、また、150時間以内が好ましい。より好ましくは、48時間以内である。反応圧力は、常圧以上が好ましく、また、2×107Pa以下が好ましい。より好ましくは、5×106Pa以下である。また、減圧下で反応を行うこともできる。
上記エポキシ化合物の製造方法においては、本発明の液相反応用触媒を使用することにより、エポキシ化合物を高収率で、しかも酸化剤の有効利用率を向上させて製造することができ、各種の工業製品の製造において用いる中間体や原料として有用な化合物であるエポキシ化合物を供給するための製造方法として好適に適用することができる。上記製造方法により得られるエポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールやポリエチレングリコールの原料となるエチレンオキシドや、ポリエーテルポリオール類を得るための原料となるプロピレンオキシド等が工業的に重要であるが、これらのエポキシ化合物は、溶剤や界面活性剤の原料として重要な工業製品の一つであるプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレングリコール類やアルカノールアミン類の製造における重要な中間体でもある。
本発明の液相反応用触媒は、上述の構成からなるので、酸化反応や酸−塩基反応等を液相で行う際に好適であり、目的物を高収率で製造することができ、特に光照射下での液相反応、中でも液相酸化反応に用いた場合に、更に高活性触媒とすることができるものである。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、「重量部」を意味するものとする。
(触媒調製方法)
5[Co(III)W1240]は、以下の文献(a)、(b)に従い合成した。
(a)L.C.W.Baker、T.P.McCutcheon「J.Am.Chem.Soc.」(米国)1956年、第78巻、p.4503
(b)K.Nomiya、M.Miwa、R.Kobayashi、M.Aiso「Bull. Chem. Soc. Jpn.」(日本)1981年、第54巻、p.2983
9[Co(III)W1139]は、以下の文献に従い合成した。
J.Bas−Serra、I.Todorut、N.Casan−Pastor、J.Server−Carrio、L.C.W.Baker、R.Acerete「Synthesis and Reactivity in Inorganic and Metal−Organic Chemistry(Synth.React.Inorg.Met−Org.Chem.)」(米国)1995年、第25巻、p.869
(TBA)3.52.5[CoFe(OH2)W1139]の調製方法
(1)K9[Co(III)W1139]0.5g(0.15mmol)とFe(NO33・9H2O0.1g(0.25mmol)に、pH=5に設定したAcOK/AcOH緩衝液20mLを加えて75℃で攪拌した。
(2)溶液を室温に戻してTBABr(臭化テトラブチルアンモニウム)1.0gを加えた後、硝酸を滴下して(pH=2)得られた沈澱を濾過した。
(3)固体を3mLのMeCNに溶かして不溶物を濾過した後、200mLの水を加えて30分間攪拌した。
得られた固体を濾過して空気下で乾燥した。収量は、0.4gであった。
(TBA)4.21.8[CoCr(OH2)W1139]の調製方法
(1)K9[Co(III)W1139]0.5g(0.15mmol)とCr(NO33・9H2O0.1g(0.25mmol)に、pH=5に設定したAcOK/AcOH緩衝液20mLを加えて75℃で攪拌した。
(2)溶液を室温に戻してTBABr1.0gを加えた後、得られた沈殿を濾過した。
(3)固体を3mLのMeCNに溶かして不溶物を濾過した後、200mLの水を加えて30分間攪拌した。
得られた固体を濾過して空気下で乾燥した。収量は、0.13gであった。
(TBA)42[CoMn(OH2)W1139]の調製方法
(1)K9[Co(III)W1139]0.5g(0.15mmol)とMn(NO3234mg(0.19mmol)及びKMnO49.9mg(0.06mmol)に、pH=5に設定したAcOK/AcOH緩衝液20mLを加えて75℃で攪拌した。
(2)溶液を室温に戻してTBABr1.0gを加えた後、硝酸を滴下して(pH=2)得られた沈殿を濾過した。
(3)固体を3mLのMeCNに溶かして不溶物を濾過した後、200mLの水を加えて30分間攪拌した。
得られた固体を濾過して空気下で乾燥した。収量は、0.32gであった。
(TBA)3.82.2[CoRu(OH2)W1139]の調製方法
(1)K9[Co(III)W1139]0.5g(0.15mmol)に、pH=5に設定したAcOK/AcOH緩衝液20mLを加え、TBABr1.0gを加えて、得られた固体を濾過した。
(2)(1)で得られた固体をMeCN15mLに溶かし、ここにRuCl331mg(0.15mmol)を加えて攪拌した。
(3)(2)の溶液に水200mLを加え、30分間攪拌した。得られた固体を加圧濾過して空気下で乾燥した。収量は、0.15gであった。
(TBA)x6-x[Co(III)V(V)W1140](Xは0<X<6の正数)は、以下の文献を参考に調製した。
J.Bas−Serra、I.Todorut、N.Casan−Pastor、J.Server−Carrio、L.C.W.Baker、R.Acerete「Synthesis and Reactivity in Inorganic and Metal−Organic Chemistry(Synth.React.Inorg.Met−Org.Chem.)」(米国)1995年、第25巻、p.869
(1)K9[Co(III)W1139]0.5g(0.15mmol)とVOSO4・5H2O49mg(0.3mmol)に、pH=5に設定したAcOK/AcOH緩衝液20mLを加えて75℃で攪拌し、得られた黒色固体を濾過した。
(2)緑色母液にKCl 2gを加えた後エタノール30mLを加え、得られた固体を濾過した。
(3)(1)(2)で得られた固体に水25mLに加え、75℃加熱下でK228を溶液の色が黄色に変わるまでゆっくり加えた。
(4)(3)の溶液を室温に戻し、TBABr1.0gを加えて得られた沈殿を濾過した。
(5)固体を3mLのMeCNに溶かして不溶物を濾過した後、200mLの水を加えて30分間攪拌した。
得られた固体を濾過して空気下で乾燥した。収量は、0.29gであった。
(TBA)y7-y[Co(II)Co(III)(OH2)W1139](yは0<y<7の正数)は、以下の文献(a)、(b)を参考に調製した。
(a)L.C.W.Baker、T.P.McCutcheon「J.Am.Chem.Soc.」(米国)1956年、第78巻、p.4503
(b)K.Nomiya、M.Miwa、R.Kobayashi、M.Aiso「Bull. Chem. Soc. Jpn.」1981年、第54巻、p.2983
(1)K9[Co(III)W1139]0.5g(0.15mmol)とCo(OAc)2・4H2O62mg(0.25mmol)に、pH=5に設定したAcOK/AcOH緩衝液20mLを加えて75℃で攪拌した。
(2)溶液を室温に戻してTBABr1.0gを加えた後、得られた沈殿を濾過した。
(3)固体を3mLのMeCNに溶かして不溶物を濾過した後、200mLの水を加えて30分間攪拌した。
得られた固体を濾過して空気下で乾燥した。収量は、0.2gであった。
(TBA)6−z[Co(OH2)SiW1139](zは0<z<6の正数)は、以下の文献を参考に調製した。
Y.Matsumoto、M.Asami、M.Hashimoto、M.Misono「J.Mol.Catal.A:Chem.」(蘭国)1996年、第114巻、p.161
(1)KSiW1139・13HO6.4g(2.0mmol)をpH=6に設定したAcOK/AcOH緩衝液(95℃)30mLに溶かし、ここにCo(NO・6HO0.36g(2.0mmol)をゆっくり加えた。
(2)10分間攪拌後不溶物を濾過し、KCl4.0gを加えた後、メタノール30mLを加えて得られた沈殿を濾過した。
(3)固体を20mLの水に溶かし、ここにTBABr5.0gを加えて得られた沈殿を濾過した。得られた固体を10mLのMeCNに溶かして不溶物を濾過した後、100mLの水を加え、必要に応じて少量の硝酸を滴下して30分間攪拌した。得られた固体を濾過して空気下で乾燥した。収量は、3.8gであった。
(TBA)z’5−z’[Fe(OH)SiW1139](z’は0<z’<5の正数)は、以下の文献を参考に調製した。
F.Zonnevijlle、C.Tourne、G.Tourne「Inorg.Chem.」(米国)1982年、第21巻、p.2751
(1)KSiW1139・13HO6.4g(2.0mmol)を熱水(95℃)30mLに溶かし、ここにFe(NO・9HO0.82g(2.0mmol)をゆっくり加えた。
(2)10分間攪拌後不溶物を濾過し、ここにTBABr6.0gを加えた後、硝酸を滴下して(pH=2)得られた沈殿を濾過した。
(3)固体を10mLのMeCNに溶かして不溶物を濾過した後、800mLの水を加えて30分間攪拌した。得られた固体を濾過して空気下で乾燥した。収量は、4.5gであった。
調製した触媒の分析結果を以下に示す。
(TBA)3.52.5[CoFe(OH2)W1139
(元素分析)
(計算値)Fe:1.53%、Co:1.61%、W:55.73%、C:18.52%、H:3.55%、N:1.34%
(実測値)Fe:1.51%、Co:1.64%、W:55.45%、C:18.48%、H:3.53%、N:1.28%
(IR)(括弧内はピーク強度s:大 m:中 w:小を表す)
1062(w)、1027(w)、953(s)、882(s)、778(s)、671(w)、546(w)、437(m)cm-1
(TBA)42[CoMn(OH2)W1139
(元素分析)
(計算値)Mn:1.47%、Co:1.57%、W:53.92%、C:20.47%、H:3.96%、N:1.49%
(実測値)Mn:1.32%、Co:1.53%、W:54.21%、C:20.20%、H:3.82%、N:1.36%
(IR)(括弧内はピーク強度s:大 m:中 w:小を表す)
1059(w)、1029(w)、950(s)、878(s)、775(s)、670(w)、548(w)、497(w)、438(m)cm-1
(TBA)3.82.2[CoRu(OH2)W1139
(元素分析)
(計算値)Ru:2.70%、Co:1.57%、W:53.98%、C:19.47%、H:3.76%、N:1.42%
(実測値)Ru:2.43%、Co:1.37%、W:53.28%、C:19.20%、H:3.70%、N:1.64%
(IR)(括弧内はピーク強度s:大 m:中 w:小を表す)
1063(w)、1029(w)、952(s)、878(s)、777(s)、669(w)、549(w)、502(w)、440(m)cm-1
(TBA)4.21.8[CoCr(OH2)W1139
(元素分析)
(計算値)Cr:1.37%:Co:1.55%:W:53.30%:C:21.26%:H:4.09%:N:1.55%
(実測値)Ru:1.59%、Co:1.36%、W:53.53%、C:21.36%、H:3.92%、N:1.52%
(IR)(括弧内はピーク強度s:大 m:中 w:小を表す)
1064(w)、1029(w)、951(s)、877(s)、776(s)、669(w)、547(w)、502(w)、440(m)cm-1
上記で調製した触媒を用いて、下記の反応条件で酸化反応を行った。
(1)シクロヘキサンの酸素酸化
基質:シクロヘキサン1mmol
溶媒:1,2−ジクロロエタン(1,2−DCE)1.5mL、アセトニトリル1.5mL
触媒:10mg
反応温度:83℃
反応時間:48時間
結果を表1に示す。なお、収率は、基質として用いたシクロヘキサンを100(mol%)としたときの収率(mol%)である。
Figure 2004174486
(2)シクロヘキサンの過酸化水素酸化
基質:シクロヘキサン1mmol
過酸化水素(H22)35%水溶液:H22のモル数として0.2mmol
溶媒:アセトニトリル3mL
触媒:10mg
反応温度:32℃
反応時間:48時間
結果を表2に示す。なお、収率(mol%)/H22は、ガスクロマトグラフィーにより生成物のモル数を求め、
{(生成物ができるために消費されたH22のモル数)/(加えたH22のモル数)}×100
の式で求めた。
Figure 2004174486
(3)シクロオクテンの酸素酸化
基質:シクロオクテン1mmol
溶媒:1,2−ジクロロエタン(1,2−DCE)1.5mL、アセトニトリル1.5mL
触媒:10mg
反応温度:83℃
反応時間:48時間
結果を表3に示す。収率(mol%)は、表1におけるのと同様である。
Figure 2004174486
(4)シクロオクテンの過酸化水素酸化
基質:シクロオクテン1mmol
過酸化水素(H22)35%水溶液:H22のモル数として0.2mmol
溶媒:アセトニトリル3mL
触媒:10mg
反応温度:32℃
反応時間:48時間
結果を表4に示す。収率(mol%)/H22は、表2におけるのと同様である。
Figure 2004174486
(5)キシレンの酸素酸化
基質:キシレン1mL(8.2mmol)
酸素:1atm
溶媒:ベンゾニトリル1.5mL
触媒:10mg
反応温度:100℃
反応時間:48時間
結果を表5及び図1に示す。なお、収率は、基質として用いたキシレンを100(mol%)としたときの収率(mol%)である。
Figure 2004174486
(6)キシレンの酸素光酸化
基質:キシレン1mL(8.2mmol)
酸素:1atm
光源:水銀ランプ(使用水銀灯起動装置:入江製作所 H−400−A/B 使用水銀ランプ:東芝 H−400P)
溶媒:ベンゾニトリル1.5mL
触媒:10mg
反応温度:100℃
反応時間:7時間
結果を表6及び図2に示す。なお、収率は、基質として用いたキシレンを100(mol%)としたときの収率(mol%)である。
Figure 2004174486
(7)ジシクロペンタジエンの酸素酸化
基質:ジシクロペンタジエン2mmol
酸素:1atm
溶媒:ベンゾニトリル1.5mL
触媒:10mg
反応温度:105℃
反応時間:72時間
結果を表7に示す。なお、収率は、基質として用いたジシクロペンタジエンを100(mol%)としたときの収率(mol%)である。
Figure 2004174486
実施例1〜17及び比較例1〜5から、調製した液相反応用触媒を用いた場合には、酸化剤の有効利用率が高く、目的物を高収率で製造することができることが分かる。実施例18〜20及び比較例6から、調製した液相反応用触媒は、キシレンの酸素酸化反応にも用いることができることが分かる。また、光照射下でのキシレンの酸化反応に用いた実施例21及び比較例7〜8から、本発明の遷移金属中心ヘテロポリオキソメタレートは、従来の典型元素中心ヘテロポリオキソメタレートに比べて目的物の収率が高く、高活性触媒となることが分かる。更に、実施例22から、調製した液相反応用触媒は、ジシクロペンタジエンの酸素酸化反応にも用いることができ、生成物としてモノエポキシドを高選択的に生成させることが分かる。
実施例18〜20及び比較例6において、ヘテロポリオキソメタレートアニオンを必須とする各種の液相反応用触媒を用いたキシレンの酸素酸化反応の結果を示した図である。 実施例21及び比較例7〜8において、ヘテロポリオキソメタレートアニオンを必須とする各種の液相反応用触媒を用いたキシレンの酸素光酸化反応の結果を示した図である。

Claims (4)

  1. ヘテロ原子が遷移金属であり、かつ、ポリ原子がタングステン及び/又はモリブデンであり、一欠損及び/又は二欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)と、元素(B)とを必須とする液相反応用触媒であって、
    該元素(B)は、周期律表3〜16族の元素の群から選ばれる1種以上であり、ヘテロポリオキソメタレートアニオン(A)が有するポリ原子とは異なるものである
    ことを特徴とする液相反応用触媒。
  2. ヘテロ原子が周期律表8族、9族及び11族の元素の群から選ばれる原子であり、かつ、ポリ原子がタングステンであり、一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、周期律表3〜10族の元素の群から選ばれる1種以上の原子とを必須とする
    ことを特徴とするヘテロポリオキソメタレート化合物。
  3. ヘテロ原子がコバルト原子であり、かつ、ポリ原子がタングステンであり、一欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、クロム、マンガン、鉄及びルテニウムからなる群より選ばれる1種以上の原子とを必須とする
    ことを特徴とする請求項2記載のヘテロポリオキソメタレート化合物。
  4. 請求項1記載の液相反応用触媒、又は、請求項2若しくは3記載のヘテロポリオキソメタレート化合物を含んでなり、光照射下での液相反応に用いてなる
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の液相反応用触媒。
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