JP2004174447A - 自走式破砕機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自走式破砕機1を、ジョークラッシャ30を搭載した本体部ユニット10と、本体部ユニット10下方に配置されてジョークラッシャ30で破砕した破砕物を排出する排出コンベア50と、この排出コンベア50の後部側に設けられて排出コンベア50と本体部ユニット10との間の排出空間Sを塞ぐ開閉自在な扉80とを備えて構成する。そのため、破砕物が排出コンベア50に排出されたときに生じる砂塵等が外部に飛散するのを防止でき、また、扉を開けて排出口近辺にまで入り込むことができ、メンテナンス性の向上が図れる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走式破砕機に係り、詳しくは、破砕機で破砕された破砕物を排出する排出装置の後部防塵用の扉を備えた自走式破砕機に関する。
【0002】
【背景技術】
自走式破砕機では、例えば、建築現場で生じるコンクリート廃材や、砕石場での砕石等(以下、原材料という)が、油圧ショベルや、ホイールローダ等の積込機械によってホッパ内に投下された後、ホッパからグリズリフィーダを経て破砕機に送られて破砕される。そして、破砕機で破砕された破砕物と、グリズリフィーダの隙間を通過した小粒径の原材料とが排出コンベア等の排出装置により車外に排出される。
ところで、グリズリフィーダからの小粒径の原材料は、排出シュートを通って激しい勢いで排出装置上に落下する。そのため、落下付近では砂塵が舞い上がり、その砂塵が排出装置の後部(排出方向の後部)から車体の外部に飛散する。その結果、環境にも悪影響を及ぼすので、砂塵等の飛散を防止する必要があり、このような目的達成のために提案された破砕装置の防塵・飛散防止装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の破砕機の防塵・飛散防止装置は、排出装置の排出方向の後部側において、排出シュートの下部側と排出装置との間に窓カバーをボルトにより取り付けた構造である。このような窓カバーは、破砕機で破砕された破砕物が排出装置に落下するときの砂塵等の飛散も防止できるようになっている。
【0003】
一方、破砕機で破砕される原材料は様々であり、例えば、建築現場で用いられる自走式破砕機では、ホッパに投下されるコンクリート廃材が、鉄筋や針金等の異物を含んでいる場合が多い。このような異物はグリズリフィーダで選別されず、コンクリート廃材と共に破砕機に送られるが、破砕機で破砕されないために、破砕機の排出口近辺で絡まったりして詰まるおそれがある。その場合、砕石作業の中断が短時間ですむように、排出装置後部に設けられた窓カバーを取り外して詰まったものを迅速に取り除かなければならない。また、破砕機の排出口下部の整備等も定期的に窓カバーを取り外して行う必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−95992号公報(第1、第4頁、図6参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1の破砕装置の防塵・飛散防止装置における窓カバーは、取り外し可能となっているが、必要に応じて窓カバーを取り外すには、複数本のボルトを取り外さなくてはならず、取り外し作業に多くの手間、時間がかかるという問題がある。また、再度取り付ける際にも、取り外し作業と同じような手間、時間がかかる。そのため、鉄筋や針金等の異物が混入したことにより破砕機の排出口近辺で原材料が詰まったり、あるいは、排出口近辺の整備を行ったりする際に、容易に取り外すことができず、メンテナンス性の悪化を招いている。
【0006】
また、窓カバーの下端は、稼働する排出装置の上面に近接しており、排出装置の動きを妨げないように柔軟性が求められているため、例えばゴム製のものが用いられていると考えられる。そして、この場合、排出口から落下する原材料が外部に飛散しないように、ゴムはある程度の剛性を有する厚肉のものが必要となる。そうすると、窓カバー全体が重くなって取り扱いにくくなり、その結果、取り付け、取り外し作業にさらに多くの手間、時間がかかる。
【0007】
本発明の目的は、破砕機の排出口から排出される原材料の外部への飛散を防止でき、かつ排出口近辺の整備等が容易となってメンテナンス性の向上が図れるようになる自走式破砕機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明の請求項1記載の自走式破砕機は、破砕機が搭載された本体部と、この本体部下方に配置されて前記破砕機で破砕された破砕物を排出する排出装置と、この排出装置の排出方向の後部側に設けられて当該排出装置と前記本体部と間の排出空間を塞ぐ開閉自在な扉とを備えていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明によれば、排出装置の排出方向の後部側に、排出装置と本体部と間の排出空間を塞ぐ開閉自在な扉が設けられているので、破砕機で破砕された破砕物が排出装置に排出されたときに生じる砂塵等が外部に飛散するのを防止できる。また、扉が開閉自在なので、例えば、コンクリート廃材と共に破砕機に送られた鉄筋や針金等の異物が排出口近辺で絡まったりして詰まった場合等、詰まったものが手で容易に取り除けるものであれば、扉を開けたところから取り除くことができる。また、扉が開閉自在なので、排出口近辺の定期的な整備も容易であり、メンテナンス性の向上が図れる。
【0010】
本発明の請求項2記載の自走式破砕機は、前記扉が、金属製カバー部材と、この金属製カバー部材の下部に設けられて下端縁が前記排出装置の受面形状に沿った形状となった樹脂製の柔軟部材とで構成されていることを特徴とする。
このような本発明によれば、扉が金属製部材を含んで構成されて所定の剛性を有しているので、薄板で形成することができる。従って、扉を軽量化することができて開閉が容易となる。また、下部に柔軟部材が設けられているので、扉の開閉時に排出装置と擦れ合っても、互いに損傷する心配がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔全体構成の概略説明〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本実施形態に係る自走式破砕機1を示す正面図、背面図、右側面図、左側面図、および平面図である。なお、本実施形態では説明の便宜上、図3中の右側を前方側、左側を後方側とする。
【0012】
自走式破砕機1は、ビルの解体現場等に配置されてコンクリート塊やアスファルト塊の破砕に供される場合もあるが、本実施形態では専ら、鉱山や砕石場に配置され、大きな岩石や自然石を所定粒径に粗破砕するために用いられる。このため、全長、全幅、全高の各寸法が大きく、大型の自走式破砕機に属する。
【0013】
このような自走式破砕機1は、一対の下部走行体11を備えた本体部ユニット(本体部)10と、本体部ユニット10上の後方側に搭載されて原材料が供給される供給部ユニット20と、供給部ユニット20の前方側に搭載されたジョークラッシャ(破砕機)30と、ジョークラッシャ30のさらに前方側に搭載されたパワーユニット40と、本体部ユニット10の下方で一対のクローラ18間から前方斜め上方に向かって延出した排出コンベア(排出装置)50とで構成されている。
【0014】
本体部ユニット10は、前後方向に連続して設けられた左右の側方フレーム12を、複数の連結フレーム13(図2)で連結したメインフレーム(トラックフレーム)14を備え、各側方フレーム12の下部側に前記下部走行体11が取り付けられている。下部走行体11は、前部の油圧モータ15で駆動されるスプロケット16および後部のアイドラー17にクローラ18を巻回させた構成である。
【0015】
供給部ユニット20は、後方に迫り出した左右の側方フレーム21を、開口部22Aを有する略四角形の連結フレーム22で連結した後部フレーム23を備えている。後部フレーム23の上部には、複数のコイルスプリングを介してグリズリフィーダ24が載置され、このグリズリフィーダ24が振動装置25で駆動される。グリズリフィーダ24の上部には、その周囲の三方を囲うようにホッパ26が設けられ、上方に向かって拡開したこのホッパ26内に原材料が投入される。また、グリズリフィーダ24の下部には、グリズリフィーダ24で選別されて落下する原材料を下方の排出コンベア50に導く排出シュート27が設けられている。なお、本実施形態のホッパ26では、左右のウィング部28は本体部分に対して折り畳み可能に設けられ、支持バー29の上端を外すことで下方に折り畳まれる。これにより、供給部ユニット20の全高が低くなり、トレーラでの輸送制限をクリアできるようになっている。
【0016】
ジョークラッシャ30は、図6に示すように、左右の側壁プレート31を、複数のリブで補強された背壁プレート32およびクロスメンバ33で連結したクラッシャフレーム34を備え、背壁プレート32の内側には固定ジョー35が取り付けられ、固定ジョー35の前方側には歯面が略鉛直に迫り立ったスイングジョー36が配置されている。スイングジョー36は、その上部側が側壁プレート31間に回転可能に架設されたメインシャフト37の偏心部に吊設されているとともに、下部側が破砕時の反力を受ける反力受リンク機構60で支持されており、また、テンションリンク機構70により常時反力受リンク機構60側に付勢されている。
【0017】
ここで、反力受リンク機構60は、一端がスイングジョー36の背面部分に係止されたトグルプレート61と、トグルプレート61の他端側を支持しかつ固定リンクピン63を中心に回動するトグルリンク64と、下端がトグルリンク64に軸支されたベアロックシリンダ65とで概ね構成され、このベアロックシリンダ65がクロスメンバ33側に回動自在に軸支(トラニオン構造)されている。そして、このベアロックシリンダ65のロッド66を進退させることで、各ジョー35,36の下端間の出口隙間Wを調節できるようになっている。つまり、反力受リンク機構60は、ベアロックシリンダ65の駆動によってトグルリンク64およびトグルプレート61を介してスイングジョー36を固定ジョー35に近接離間させる出口隙間調整用リンク機構62となっている。
【0018】
また、テンションリンク機構70は、反力受リンク機構60の略中央に配置されており、一端がスイングジョー36側に軸支されたテンションリンク71と、前記固定リンクピン63に回動自在に軸支されたテンションレバー72と、一端がテンションレバー72に軸支されたテンションロッド73と、このテンションロッド73を所定方向に付勢するテンションスプリング74とで概ね構成され、これらテンションロッド73およびテンションスプリング74が前記トグルリンク64に取り付けられている。
【0019】
このようなジョークラッシャ30では、メインシャフト37の一端に設けられたプーリ38をVベルトを介して油圧モータ39で駆動すると、メインシャフト37の回転によりスイングジョー36が揺動リンクとして機能し、固定ジョー35との間で原材料を破砕する。この際、本実施形態のジョークラッシャ30では、スイングジョー36が固定ジョー35の歯面に対して上方から下方に削ぎ取るようにスイングするよう、反力受リンク機構60がいわゆるアップスラストタイプになっている。
【0020】
パワーユニット40は、左右の側方フレーム41を複数の連結フレーム(不図示)で連結したベースフレーム42を備えている。ベースフレーム42上には、適宜な載置用のブラケットやクロスメンバを介してエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク43、および作動油タンク44等が載置されている。また、油圧ポンプからの油圧を下部走行体11の油圧モータや、グリズリフィーダ24の振動装置25、ジョークラッシャ30の油圧モータ39、および排出コンベア50駆動用の油圧モータ等に分配するコントロールバルブが、当該ベースフレーム42で囲まれた収容空間内に収容されている。
【0021】
排出コンベア50は、後部が排出シュート27下端の排出口よりも後方に位置し、ここから排出される未破砕の原材料と、ジョークラッシャ30の出口から落下した破砕物とを前方に排出し、高所から落下させて堆積等させる。なお、原材料として鉄筋や金属片等の異物が含まれる場合には、排出コンベア50の前部側に磁選機を取り付け、この異物を取り除くことも可能である。また、排出コンベア50からの破砕物を地上に堆積させるのではなく、二次コンベアや三次コンベア等を用いて遠隔地まで搬送することもある。
【0022】
〔排出空間の周辺構造の説明〕
以下には、扉80および排出空間Sについて説明する。
ここで、排出空間Sは、扉80の内部からジョークラッシャ30の排出口30Aを越えた付近までの連続する空間である。
まず、図7に示すように、前記排出空間Sには、グリズリフィーダ24の隙間を通過して落下した原材料を排出コンベア50に排出する排出シュート27の下端が開口している。この排出シュート27は、原材料の落下方向に沿って配置された最上部の第1シュート部材27A、中央部の第2シュート部材27B、最下段の第3シュート部材27Cを含んで構成されている。
【0023】
第1シュート部材27Aおよび第2シュート部材27Bの底面の一部には、グリズリフィーダ24の隙間を通過して落下した一部の土砂が堆積し、各シュート部材27A,27Bの内面を覆って原材料のガイド面27Dとなる土砂溜まり部27Eがそれぞれ設けられている。また、第3シュート部材27Cの下部開口は、本体部ユニット10の側方フレーム12を介して設けられたガイド部材19の上部によって被せられ、第3シュート部材63を通過した原材料は、ガイド部材19で外部への飛散を防止されて排出コンベア50に排出されるようになっている。
【0024】
なお、本体部ユニット10のフレームにおいてガイド部材19の前方側には、ジョークラッシャ30の排出口30Aから落下した破砕物を排出コンベア50にガイドするガイド部材90が設けられている。そして、このガイド部材90にも図示しないが土砂溜まり部が設けられており、この土砂溜まり部に溜まった土砂によりガイド面が形成され、ジョークラッシャ30から排出される破砕物を排出コンベア50にさせるようになっている。
【0025】
前記排出コンベア50は、その後部側が前部側を支点として上下方に回動可能となっている。
すなわち、図7に示すように、本体部ユニット10の後部側端部には、支持部材51が設けられている。これに対して、排出コンベア50の後部側端部にはブラケット52が設けられ、支持部材51とブラケット52とは連結部材53によって連結されている。この連結部材53による連結は、連結部材53の両端と、支持部材51およびブラケット52とを、連結ピン54で連結することで行われている。その結果、排出コンベア50の後端部は本体部ユニット10に吊り下げられた状態で設けられている。
一方、図3,4に示すように、排出コンベア50の前部側には、排出コンベア50を回動可能に支持する支点部55が設けられている。支点部55は、本体部ユニット10に設けられた側方フレーム41の先端下部と排出コンベア50とにわたって設けられている。
【0026】
このような排出コンベア50を、支点部55を支点として後部側を回動させるには、排出コンベア50の後部側下方を例えばジャッキ等で支持しておいて、連結部材53とブラケット52とを連結している連結ピン54を抜き、次いで、排出コンベア50の後部側の下部を支持したままジャッキ等を下げればよい。そして、排出コンベア50の後部側を下げた状態では、図7に一点鎖線で示されるように、排出コンベア50と第3シュート部材27Cの下部等との間の排出空間Sが広がることがわかる。
【0027】
このような排出コンベア50の排出方向の後部側には、図9に詳細を示すように、排出空間Sを塞ぐ扉80がガイド部材19に開閉自在に設けられている。
すなわち、ガイド部材19は断面L字状に形成され、その後端には内側に向いた折り返し部19Aが形成されている。このようなガイド部材19は左右一対に設けられ、本体部ユニット10の側方フレーム12から突設されたステイ90(図8参照)にボルト止めされている。そして、前記扉80は、ガイド部材19の折り返し部19Aにボルト81によって取り付けられ、支持されている。
従って、扉80をあけたときには、左右2枚のガイド部材19が排出空間S内に露出するだけであり、これらのガイド部材19の特に下端間が下方に解放されているから、作業者が排出空間S内に入り込む際には、何ら跨ぐ部材が存在せず、作業者が容易に入り込める広さが確保されるようになっている。また、破砕物を後方側から排出させる際の後方側からの妨げになる部材も存在しないことになり、異物の除去が容易である。
【0028】
この扉80は、金属製のカバー部材82と、このカバー部材82の下部にボルト81によって着脱自在に取り付けられたゴム製の柔軟部材83とで構成されている。そして、柔軟部材83の下端縁83Aは、排出コンベア50の受面50Aに対して隙間をあけずに互いが接触している。
【0029】
金属製カバー部材82の一端は、上記折り返し部19Aとほぼ同じ幅に形成された取り付け部材84にヒンジ85を介して取り付けられている。また、金属製カバー部材82の外表面には、左右一対の取っ手86が取り付けられている。さらに、カバー部材82においてヒンジ85の反対側位置は、折り返し部19Aにボルト81によって固定できるようになっている。これにより、破砕物が落下してその反動で後部側に跳ね返っても、扉80が開くことがない。
【0030】
次に、以上のような自走式破砕機1の作用を説明する。
グリズリフィーダ24の隙間を通過して落下した原材料が排出シュート27で排出コンベア50に排出される一方で、グリズリフィーダ24を経由してジョークラッシャ30に送られ、そこで破砕された破砕物も排出コンベア50に排出される。未破砕の原材料と破砕物とは排出コンベア50によって前方側に送られ、かつ前端から落下されて堆積される。
【0031】
自走式破砕機1の運転中は、排出シュート27から排出される原材料と、ジョークラッシャ30の排出口30Aから排出される破砕物との落下時の衝撃によって、砂塵が舞い上がり、後部側から飛散しようとするが、扉80が閉じられているので、外部に漏れることがない。
ここで、例えば、自走式破砕機1が建築現場で用いられる場合では、ホッパ26に投下されるコンクリート廃材が、鉄筋や針金等の異物を含んでいる場合がある。このような異物はグリズリフィーダ24で選別されず、コンクリート廃材と共にジョークラッシャ30に送られるが、ジョークラッシャ30で破砕されないために、ジョークラッシャ30の排出口30A近辺で絡まったりして詰まるおそれがある。
【0032】
ジョークラッシャ30の排出口30A近辺に異物が詰まった場合、グリズリフィーダ24の駆動を停止してジョークラッシャ30への原材料の供給を停止し、排出コンベア50の駆動も停止する。そして、扉80を開いておいて、作業者が排出空間Sの内部をジョークラッシャ30の排出口30A近辺まで入り込み、簡単に取れるものであれば取り除き、そうでなければ、作業者が一端扉80の外に出て、扉80は開けたままで、排出コンベア50を逆回転させる。
【0033】
それでも詰まった異物を排出できないときは、排出コンベア50の駆動を停止するとともに、排出コンベア50の後部側の下部をジャッキ等で支持しておいて、ブラケット52と連結部材53とを連結している連結ピン54を抜き、ジャッキ等を下げて、ジョークラッシャ30の排出口30Aと排出コンベア50との間の隙間を大きくする。そして、詰まった異物を鉄棒等で引っ掛けたりして下方に取り出し、広くなった排出空間から後部側に排出する。
異物の排出が完了したら、排出コンベア50を初期の位置に持ち上げ、連結ピン54でブラケット52と連結部材53とを連結した後、扉80を閉めて、排出コンベア50やグリズリフィーダ24を駆動させて、運転を再開させる。
【0034】
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 排出コンベア50の後部側に、排出コンベア50と本体部ユニット10と間の排出空間Sを塞ぐ扉80が設けられているので、扉80を閉じておけば、ジョークラッシャ30で破砕された破砕物、および排出シュート27から排出される原材料が排出コンベア50に排出されたときには、砂塵等が生じても外部に飛散するのを確実に防止できる。
【0035】
(2) 扉80は、金属製カバー部材82と、この金属製カバー部材82の下部に設けられた樹脂製の柔軟部材83とで構成されており、金属製カバー部材82が所定の剛性を有しているので、薄板で形成することができる。従って、扉80を軽量化することができて容易に開閉できる。
【0036】
(3) 扉80をあけたとき、左右2枚のガイド部材19が排出空間S内に露出するだけなので、人が容易に入り込める間口を形成できる。このため、例えば、コンクリート廃材と共にジョークラッシャ30に送られた鉄筋や針金等の異物が、排出口30A近辺で絡まったりして詰まった場合等、扉80をあけて容易に排出口30A近辺にまで入り込むことができ、詰まったものが手で容易に取り除けるものであれば、扉80をあけておいて取り除くことができる。
【0037】
(4) ガイド部材19の下側が解放しているので、扉80をあけたとき、後方側からの排出を妨げるものがなく、排出コンベア50のバックによる後方側からの排出も容易であり、また、扉80が開閉自在なので、排出口30A近辺の定期的な整備も容易であり、メンテナンス性の向上が図れる。
【0038】
(5) 扉80の金属製カバー部材82の下部には、樹脂製の柔軟部材83が設けられ、下端縁83Aが排出コンベア50の受面50Aの形状に沿った形状となっているので、扉80の開閉時に排出コンベア50と擦れ合っても、互いに損傷する心配がない。
【0039】
(6) 排出コンベア50が、後部側が前部側の支店部55を支点として上下方向に回動可能となっているので、ジョークラッシャ30の排出口30Aの近辺で詰まりが生じた場合で、その詰まりが容易に解消できない場合には、排出コンベア50の後部側を回動させて下方に移動させればよく、排出口30Aと排出コンベア50との間の間隔を広くすることで詰まりが解消し易くなる。また、間隔が拡がることにより、内部により容易に入り込むことができ、メンテナンス性をさらに向上させることができる。
【0040】
(7) 排出シュート27を構成する第1シュート部材27Aおよび第2シュート部材27Bの底面の一部には土砂溜まり部27Eがそれぞれ設けられ、グリズリフィーダ24の隙間を通過した原材料の一部の土砂が堆積してガイド面27Dが形成されるので、それ以降に落下する原材料は、ガイド面27Dに当たって排出される。従って、ガイド面27Dによって第1シュート部材27Aおよび第2シュート部材27Bが保護され、第1シュート部材27Aおよび第2シュート部材27Bの長寿化が図れる。
【0041】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、他の変形形態を含むものである。
例えば、前記実施形態では、扉80が第3シュート部材27Cの側面を挟んで対向配置されたガイド部材19に取り付けられていたが、対向配置されたガイド部材19の上部間に連結板を架けわたして門形のガイド部材を形成し、ここに扉80を支持させてもよく、この場合でも扉80をあけたとき、人が入れるような広さを確保できるとともに、後部側からの排出も確実に実施でき、さらに、ガイド部材19の強度も大きくなるという効果がある。
【0042】
また、本発明の自走式破砕機に搭載される破砕機としては、前記実施形態で説明したジョークラッシャ30に限らず、例えば、インパクトクラッシャ、シェアクラッシャ、コーンクラッシャ、ロールクラッシャ等、任意のクラッシャであってもよい。
【0043】
さらに、本体部ユニット10、供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40、排出コンベア50等の構成は、本発明の目的を達成できる範囲で任意に変更可能であり、前記実施形態に限定されない。
【0044】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態での自走式破砕機を示す正面図。
【図2】前記自走式破砕機を示す背面図。
【図3】前記自走式破砕機を示す右側面図。
【図4】前記自走式破砕機を示す左側面図。
【図5】前記自走式破砕機を示す平面図。
【図6】前記自走式破砕機のジョークラッシャを示す断面図。
【図7】前記自走式破砕機の要部を示す側面図。
【図8】図7におけるVIII矢視図。
【図9】前記自走式破砕機の防塵用扉を示す斜視図。
【符号の説明】
1…自走式破砕機、10…本体部ユニット(本体部)、20…供給部ユニット、30…ジョークラッシャ(破砕機)、30A…排出口、40…パワーユニット、50…排出コンベア(排出装置)、50A…受面、80…扉、81…金属製カバー部材、82…柔軟部材。
Claims (2)
- 自走式破砕機(1)において、
破砕機(30)が搭載された本体部(10)と、
この本体部(10)下方に配置されて前記破砕機(30)で破砕された破砕物を排出する排出装置(50)と、
この排出装置(50)の排出方向の後部側に設けられて当該排出装置(50)と前記本体部(10)との間の排出空間(S)を塞ぐ開閉自在な扉(80)とを備えている
ことを特徴とする自走式破砕機(1)。 - 請求項1に記載の自走式破砕機(1)において、
前記扉(80)は、金属製カバー部材(82)と、この金属製カバー部材(82)の下部に設けられて下端縁が前記排出装置(50)の受面形状に沿った形状となった樹脂製の柔軟部材(83)とで構成されている
ことを特徴とする自走式破砕機(1)。
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