JP2004173568A - 農業用ネット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】針葉樹クラフトパルプを主原料とする原紙からなる紙ひもから構成されることを特徴とする農業用ネットである。
原紙は坪量が20〜80g/m2であること、円網抄紙機により抄造されたものであることが望ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、畑や水田あるいは果樹等の農作物に対して、例えば防鳥、防虫、雑草の成育防止、防風、遮光、動物よけ等に有効な農業用ネットに関する。
【0002】
【従来の技術】
農業用ネットには、その使用目的に応じ様々な種類のものがあり、とりわけ最近では無農薬あるいは減農薬栽培における野菜類、特に葉菜類の害虫による食害を避けるための防虫ネットが効果的に利用されている。
従来の農業用ネットとしては、麻、わら等の天然繊維を用いた縄や紐を編んで網状に構成したものや、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維を使用したものが一般的であり、特に前者の麻、わら等の天然繊維は可燃性で、土中埋設でも容易に腐食する特徴を有するが、現在は生産原料が少なく、後者の合成繊維は、廃棄した時に燃焼すると環境に悪影響を及ぼすガスの発生が懸念され、まして土中では腐食しないという問題を有するものであった。これを解決するために種々の提案があるが、代表的なものには以下に記載の特許公報が挙げられる。
【0003】
【特許文献】
特開平6−185062号公報、
特開平11−275987号公報、
特開2000−32852号公報、
特開2001−346456号公報、
特開2001−352844号公報、
【0004】
上記特許公報の記載内容について概略説明すれば、 特開平6−185062号公報には、ナイロン等のプラスチック繊維からなる網状体本体に抗菌処理を施して腐食性に改質した素材から形成された植生用網状体が記載されているが、網状体本体にプラスチック繊維を使用しているので、その廃棄にあたっての燃焼時に有毒ガスの発生の問題を有し、しかも土壌中での分解が困難であるのみでなく、植生用に必要な十分な吸水性と保水性を有するものではなかった。
【0005】
特開平11−275987号公報に記載のものはラクトン樹脂単独もしくはラクトン樹脂と他の生分解性樹脂とからなる生分解性樹脂を成形してなる生分解性ネットで、ラクトン樹脂という特殊な樹脂を使用するので、コスト高である。
特開2000−32852号公報には、生分解性熱可塑性合成短繊維と製紙用植物繊維とを一定の割合で混抄した混抄紙、又は生分解性熱可塑性合成短繊維層が含まれていない層の片面に生分解性熱可塑性合成短繊維層が抄き合わせで接合されたものが記載されているが、生分解性熱可塑性合成短繊維なるものを用意するため、コストアップが避けられない。
特開2001−352844号公報に記載のものは、経糸と緯糸とを織編成した農業ネットであって、モノフィラメント又はテープヤーンを用い、格子状の目を有し、かつ経糸と緯糸とを澱粉を原料とするポリ乳酸としたものであり、特開2001−346456号公報に記載の物は、経糸と緯糸とを織編成した農業ネットであって、経糸と緯糸の一方をフラットヤーンとしたものを用い、格子状の目を有し、かつ経糸と緯糸とを生分解材料特に澱粉を原料とするポリ乳酸としたものであり、澱粉を原料とするポリ乳酸を選択使用している点で、吸湿性があり、コストも若干高い等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、燃焼しても有毒ガスを発生することなく、そのまま土壌に埋設しても良好な土壌同化性を有し、紐の太さ、網目の大きさ、編み目の構成を任意に設定することにより目的に応じた応用が可能な紙ひもから製造され、必要不可欠な吸水性、保水性を具備した農業用ネットを低コストで提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたもので、
請求項1の発明は、針葉樹クラフトパルプを主原料とする原紙からなる紙ひもから構成されることを特徴とする農業用ネットであり、請求項2の発明は、前記原紙の坪量が20〜80g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の農業用ネットであり、請求項3の発明は、前記原紙が円網抄紙機により抄造されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の農業用ネットにして、請求項4の発明は、前記原紙のJIS P 8113により測定された引張り強さの縦/横比が、5〜15であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の農業用ネットであり、請求項5の発明は、前記紙ひも網状体が無結節網から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の農業用ネットであり、請求項6の発明は、前記原紙に湿潤紙力増強剤が含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の農業用ネットにして、請求項7の発明は、前記湿潤紙力増強剤が、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリアクリルアミド及びポリエチレンイミンから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項6に記載の農業用ネットである。
【0008】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明を構成する原紙は、針葉樹クラフトパルプを主原料とする。当該クラフトパルプは晒クラフトパルプ(NBKP)でも、未晒クラフトパルプ(NUKP)であってもよいが、パルプ原料の少なくとも70%以上が針葉樹となるよう原料調整することにより、紙紐に必要な引張り強度を維持することが出来る。
針葉樹クラフトパルプに混合する他のパルプとしては、広葉樹パルプ等の木材パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ、ケナフパルプ等の非木材パルプ、および紙の強度を損なわない範囲で古紙パルプを配合する事も出来る。
これらのパルプは、ビ−タ−等の叩解機による叩解処理を経て原紙用の原料に供される。
【0009】
叩解処理の程度は、撚紙後の紙ひもから製造された農業用ネットの用途によって設定され、強度の高い紙ひもを得ようとする場合は叩解を進める必要がある。この場合、マニラ麻の配合率を高くするのも強度の高い紙ひもを得るのに有効である。
又、本発明の原紙には、必要に応じて湿潤紙力増強剤、各種の填料、サイズ剤および歩留り向上剤等の添加剤を配合することも出来る。
特に、湿潤紙力増強剤は、本発明の紙ひも網状体から製造された農業用ネットにする場合、ある程度の期間にわたって雨水による紙の強度劣化を防止するのに効果的である。この場合の、湿潤紙力増強剤は、特に限定されるものではないが、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリアクリルアミド及びポリエチレンイミンから選択された少なくとも1種が本発明に好適に適用出来る。
又、サイズ剤としては、ロジン系のほかアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等の内添サイズ剤や各種の合成高分子型の表面サイズ剤が使用可能である。
更に又、歩溜まり向上剤は、抄紙機におけるパルプや填料のロスを少なくし製紙の収率向上のために添加され、例えばポリアクリルアミドを代表とする有機高分子系電解質や、硫酸アルミニウムを代表とする無機塩類が本発明の原紙に適用可能である。
【0010】
本発明を構成する原紙を製造するには、上記の原料を所定の割合で配合した抄紙原料のスラリ−を湿式抄紙機にて抄造することにより行われる。
本発明の原紙を抄造する湿式抄紙機は、一般の抄紙技術に適用されている長網および円網抄紙機等とくに限定されるものではないが、紙ひも網状体に必要な引張り強度を十分に確保するために円網抄紙機を使用することが好ましい。
本発明の原紙の坪量は、20〜80g/m2であるのが好ましく、より好ましくは30〜50g/m2である。坪量が20g/m2に満たないと撚紙時に切断しやすく、80g/m2を超えると剛性が高くなって撚りにくくなり易い。
【0011】
又、本発明を構成する原紙は、針葉樹クラフトパルプ100%若しくは前記複数のパルプ成分の混抄紙からなる単層紙のほか、2ないし3層の抄き合わせ紙とした構成でも良い。本発明の原紙は、JIS P8113による常態での引張強さの縦/横比が5〜15であることが好ましい。当該引張強さの縦/横比が5に満たないと、紙ひも製造の際、原紙の原反からテ−プ状にスリットする時に紙切れのおそれがあり、一方、15を超えて大きいとテ−プ状にスリットする時に縦方向に裂けるおそれがあるので好ましくない。
【0012】
上記の工程によって得られた原紙は幅5〜50mmで巻長さが500m程度の巻き取りにスリット加工してテープ状に裁断し、撚糸機にセットして撚りをかけることにより紙ひもに加工される。本発明で使用する紙ひもは、コストの点から1本で使用するのが好ましいが、必要に応じ何本かを編んで使用しても良い。紙ひもの太さは特に限定がないが、 取扱いやすさからみて、直径が1〜10mm位が好適である。
【0013】
上記の工程で得られた紙ひもを使用して本発明の農業用ネットを作成するには、編網機を用いて通常の網製造技術により、有結節網若しくは無結節網に編網すればよい。
本発明の農業用ネットは、特に無結節網に編網することが好ましい。無結節網に編網することにより、結び目がなく連接部が平面的になり、かつ重量が軽く嵩張らないために、農業用の中でも種子蒔きからの育成に使用する際、種子、 肥料等が付着した紙等の貼り付けも可能で、その作業性が向上する作用効果を奏する。又、網目が正確で落目がないために農業用ネットに施した場合、外観が良い。更に又、無結節網は有結節網に比べて連接部がほつれやすいので、農業用ネットに使用した場合、土壌への同質化が容易になる利点を有する。
又、本発明の農業用ネットを有結節網として供給する場合は、予め紙ひもに油等を含浸して滑性を与えておくことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の農業用ネットに適用可能な無結節網の事例を、図1〜7として挙げておく。すなわち、図1は貫通型と称され2子の網糸の子糸を互いに交叉させ、網糸とは連接部を貫通して直線的に伸びる構造を有し、図2は千鳥型で2子の網糸の子糸を2〜3回交叉させたもので、網糸はジグザグに伸びた構造を有し、図3は、亀甲型で2子の網糸の子糸を3〜4回交叉させたもので、網糸は連接部を経て直線的に伸びる構造を有し、図4はラッセル網と称され、いわゆる「レ−ス網」にてつくられた網地であり、図5はもじ網(普通もじ網)と称され縦糸を撚り合わせ、その間に横糸を通して網目としたもので、図6はもじ網(改良もじ網)と称され上記横糸を撚り合わせたものを用い、目ずれを小さくしたもので、図7は織網で糸を単純に交叉させたものであり、これらは何れも本発明の農業用ネットの実施態様である。
【0015】
本発明においては、紙ひもの太さや網目の大きさを任意に調節することにより、様々な用途展開が可能である。
尚、本発明の農業用ネットには、必要に応じて、耐水性の付与又は物理強度の向上を目的に、樹脂成分を塗布若しくは含浸しても良い。この場合の樹脂成分の塗布若しくは含浸はネットに加工する前の段階、すなわち紙ひもや原紙に予め施しておいても良い。
【0016】
本発明の農業用ネットは、農作物に例えばトンネル状に覆って使用し、農作物の収穫後に外して回収し、定めた場所の土壌中に埋めればよい。又、果樹園の防鳥用として使用する場合は、適当な支柱等を用いて展張りすればよい。
又、予め除草剤を担持させた農業用ネットを使用する際は、農作物の根元等に、雑草を増やしたくない部分に敷設する。この場合は、農業用ネットの形態があるうちは、除草作用をし、そのまま放置しておけば所定の期間経過して分解され土に還る。
更に又、ネットの開口密度を選択することにより、温度、湿度および光等の雰囲気を調節できるので、野菜、花卉の上に展張し、園芸用ネットとして使用することも可能である。
【0017】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
国産の未晒クラフトパルプ(NUKP)を60゜SRに叩解して水性スラリ−を作成し、これにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂からなる湿潤紙力増強剤(昭和高分子社製、商品名「ポリフィックス301」)を、該水性スラリ−に対して2 %となるよう添加し製紙用原料を作成した。該原料を円網抄紙機に適用して、坪量30g/m2の原紙を作成した。
得られた原紙の引張り強さをJIS P8113に準じて測定したところ、縦方向が8.6Kg/15mm、横方向が1.6Kg/15mmであって、縦/横比は5.4であった。
次いでこの原紙をボビンワインダ−にて幅40mmの細長いテ−プ状にスリット加工し、これを撚紙機にセットして28回/30cmの撚りをかけて、直径が3mmの紙ひもを作製した。この紙ひもの強度はJISZ1518による測定で15Kgであった。
この紙ひもを市販の編網機に供し、図1に示す貫通型であって開口率の少ない無結節網を作成した。
得られた無結節網に除草剤を含浸させて、本発明の農業用ネットとし、これを農作物の根元等の雑草を生やしたくない部分に敷設して使用した。その結果、農業用ネットの形態がある間は除草効果が確認され、さらにそのまま放置して所定期間を経過させたところ、当該農業用ネットは土中に同化されたことが確認された。
【0018】
実施例2
NUKP80重量%とマニラ麻パルプ20重量%とを混合して60゜SRに叩解して水性スラリ−を作成した以外は、全て実施例1 と同じ条件にて原紙を作成した。
得られた原紙の引張り強さをJIS P8113に準じて測定したところ、縦方向が11.8Kg/15mm、横方向が2.1Kg/15mmであって、縦/横比は5.6であった。
この原紙を使用して、実施例1と同じ条件にて、紙ひも及び紙ひも網状体からなる本発明の農業用ネットを作成した。
得られた農業用ネットを、白菜の畑にトンネル状にかぶせアンカ−ピンで固定した。その結果、白菜は害虫に侵されることなく成育し、収穫することが出来た。白菜の収穫後に当該農業用ネットを取り外し、別の所定の場所に廃棄し放置したところ、土中に土壌と同質化して分解された。
【0019】
実施例3
国産の未晒クラフトパルプ(NUKP)を50゜SRに叩解して水性スラリ−を作成し、これにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂からなる湿潤紙力増強剤(昭和高分子社製、商品名「ポリフィックス301」)を、該水性スラリ−に対して2 .5 %となるよう添加し製紙用原料を作成した。該原料を円網抄紙機に適用して、坪量41.5g/m2の原紙を作成した。
得られた原紙の引張り強さをJIS P8113に準じて測定したところ、縦方向が13.1Kg/15mm、横方向が1.9Kg/15mmであって、縦/横比は6.8であった。
この原紙を使用して、実施例1と同じ条件にて、紙ひもを作成し、実施例1よりも開口率の高い紙ひも網状体からなる本発明の農業用ネットを作成した。
得られた農業用ネットを、花卉類の栽培ハウスの天井面に張って使用したところ、適度な保温性と高い通気性に相まって防虫効果も発揮され、順調な花卉類の成育が確認された。又、花卉類の収穫後は、当該農業用ネットを取り外し、別の場所に廃棄し放置したところ、土中に土壌と同質化して分解された。
【0020】
実施例4
国産の未晒クラフトパルプ(NUKP)を50゜SRに叩解して水性スラリ−を作成し、これにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂からなる湿潤紙力増強剤(昭和高分子社製、商品名「ポリフィックス301」)を、該水性スラリ−に対して2 .5 %となるよう添加し製紙用原料を作成した。該原料を円網抄紙機に適用して、坪量42g/m2の原紙を作成した。
【0021】
得られた原紙の引張り強さをJIS P8113に準じて測定したところ、縦方向が13.1Kg/15mm、横方向が1.9Kg/15mmであって、縦/横比は6.8であった。
この原紙を使用して、実施例1と同じ条件にて、紙ひもを作成し、実施例1よりも開口率の低い紙ひも網状体からなる本発明の農業用ネットを作成した。
得られた農業用ネットを、無農薬栽培の小松菜の畑にトンネル状に敷設し、防虫用ネットとして使用した。
当該防虫用ネットの敷設17日後に小松菜を収穫し、その重量、害虫の有無及び葉色等を観察したところ、十分な防虫効果が確認され、順調な小松菜の成育が認められた。また、当該防虫用ネットの使用後は回収することなくそのまま放置したところ、土中に分解されたことが確認された。
【0022】
比較例1
線番手20番の単糸のビニロン紡績糸で製造されたネット(商品名:#クレモナ300;クラレ社製)を準備し実施例4と同じ条件で無農薬栽培の小松菜の畑にトンネル状に敷設し、防虫用ネットとして使用した。
その結果、防虫効果は実施例4と同じであったが、使用後は回収することなくそのまま放置したところ、土中に分解されることなくそのままゴミとして畑に残留した。
【0023】
比較例2
外国産の広葉樹からなる未晒クラフトパルプ(LUKP)60重量%と未晒クラフトパルプ(NUKP)40重量%との混合パルプを55゜SRに叩解して水性スラリ−を作成し、これにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂からなる湿潤紙力増強剤(昭和高分子社製、商品名「ポリフィックス301」を、該水性スラリ−に対して2 %となるよう添加し製紙用原料を作成した。該原料を長網抄紙機に適用して、坪量26.9g/m2の原紙を作成した。
得られた原紙の引張り強さをJIS P8113に準じて測定したところ、縦方向が5.1Kg/15mm、横方向が1.7Kg/15mmであって、縦/横比は3.0であった。
次いでこの原紙をボビンワインダ−にて幅40mmの細長いテ−プ状にスリット加工し、これを撚紙機にセットして28回/30cmの撚りをかけて、直径が3mmの紙ひもを作成したところ、頻繁に紙切れが生じ紙ひもの作成、延いては農業用ネットの作成が困難であった。
【0024】
【発明の効果】
本発明の農業用ネットは、素材が木材パルプから構成されるので、その廃棄処理の際に土壌中への同化性に優れるので生態環境的にも(エコロジー的にも)利点があり、又、農業用ネットを構成する縦ひもと横ひも、あるいは斜めひもの太さ、物理強度、編み目間隔を調節することにより、開口の極めて小さいものから、大きいものまで任意に製造することができ、また、用途に応じて紐の太さや強度、網目の空隙率を代え、空気の流通(防風を含む)、光の投射率、湿度の調整等好ましい特性を付与することが出来、更に必要に応じて、除草剤、虫の忌避剤、動物の忌避剤を含浸させることにより、それらの目的を達成し易い農業用ネットを提供することができる。
そして、本発明の農業用ネットは使用すべき期間経過後は使用した現地において、雑草、残根等他の埋設処理すべきものと一緒に埋設することにより、一定の期間内に腐食して土に還元されるので、有害なガスの発生は全くなく、農業者の高齢化に対応して、運搬、焼却処理等をする必要がなく、取扱性に優れた農業ネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貫通型の無結節網からなる農業用ネットの平面図
【図2】本発明に係る千鳥型の無結節網からなる農業用ネットの平面図
【図3】本発明に係る亀甲型の無結節網からなる農業用ネットの平面図
【図4】本発明に係るラッセル網からなる無結節網からなる農業用ネットの平面図
【図5】本発明に係る普通もじ網からなる無結節網からなる農業用ネットの平面図
【図6】本発明に係る改良もじ網からなる無結節網からなる農業用ネットの平面図
【図7】本発明に係る織網からなる無結節網からなる農業用ネットの平面図
Claims (7)
- 針葉樹クラフトパルプを主原料とする原紙からなる紙ひもから構成されることを特徴とする農業用ネット。
- 前記原紙の坪量が20〜80g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の農業用ネット。
- 前記原紙が円網抄紙機により抄造されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の農業用ネット。
- 前記原紙のJIS P 8113により測定された引張り強さの縦/横比が、5〜15であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の農業用ネット。
- 前記紙ひも網状体が無結節網から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の農業用ネット。
- 前記原紙に湿潤紙力増強剤が含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の農業用ネット。
- 前記湿潤紙力増強剤が、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリアクリルアミド及びポリエチレンイミンから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項6に記載の農業用ネット。
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