JP2004172353A - ロータリソレノイド - Google Patents
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Abstract
【課題】回転角度を大きくし、高トルク化、低消費電力化を図る。
【解決手段】固定子10には、内方向へ突出した1対の対向するポール部11を有する。該1対のポール部11には、励磁コイル12,12が巻回されている。また、回転子14には、上記ポール部11,11の各々に略対面するように1対の永久磁石13,13が設けられている。永久磁石13,13は、厚さ方向に磁化されており、ポール部11,11との対面位置から回転方向にずらして配設されている。上記コイル12,12に励磁電流を流すことによりポール部11,11に励磁される磁界と永久磁石13,13の磁界との相互作用により回転子14を所定の回転角度範囲で駆動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】固定子10には、内方向へ突出した1対の対向するポール部11を有する。該1対のポール部11には、励磁コイル12,12が巻回されている。また、回転子14には、上記ポール部11,11の各々に略対面するように1対の永久磁石13,13が設けられている。永久磁石13,13は、厚さ方向に磁化されており、ポール部11,11との対面位置から回転方向にずらして配設されている。上記コイル12,12に励磁電流を流すことによりポール部11,11に励磁される磁界と永久磁石13,13の磁界との相互作用により回転子14を所定の回転角度範囲で駆動させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転子の永久磁石と固定子の励磁コイルとの相互作用により回転子が所定の回転角度の範囲で往復運動するロータリソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊戯機器などにおいて、遊戯球を打ち出す装置として、回転子が所定の回転角度の範囲で往復運動するロータリソレノイドが用いられている。ここで、図4は、従来のロータリソレノイドの構造および動作を説明するための平面図である。ロータリソレノイドは、内方向へ突出した1対の対向するポール部2,2を有し、該1対のポール部2,2に巻回された励磁コイル3,3を有する固定子1と、該固定子1内部に配設され、前記ポール部2,2の各々に対面するように、1対の永久磁石4,4が設けられた回転子5とを備えている。
【0003】
上記ロータリソレノイドでは、励磁コイル3,3に励磁電流が流れていない状態、すなわち無励磁状態においては、図4(a)に示すように、永久磁石4,4がポール部2,2に吸引されるので、回転子5は、永久磁石4,4とポール部2,2とが対面する位置で停止している。該無励磁状態において、図4(b)に示すように、回転子5を起動点(約19°)まで回転させた状態で、ポール部2,2が対面する永久磁石4,4の極と同じ極になるように励磁コイル3,3に励磁電流を流す。
【0004】
この結果、永久磁石4,4は、対面するポール部2,2から反発力を受け、図示の矢印Aの方向に回転することになる。回転子5は、図4(c)に示すように、図示しないストッパ(自己復帰可能点)に突き当たるまで回転して停止する(約76°)。この状態で、励磁電流を遮断すると、ポール部2,2の磁力が消滅するため、回転子5の永久磁石4,4が再びポール部2,2に引き付けられ、図4(a)に示す位置に戻る。
【0005】
上述したロータリソレノイドを、遊戯球を打ち出す装置に適用する場合、アームの角速度を速くする為に動作可能な回転角度を大きくし、低消費電力で大きなトルクを発生させることが望ましい。そこで、ロータソレノイドとして、ロータの永久磁石と、該永久磁石に対応するポール部とを複数配設するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−175419号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示す従来技術によるロータリソレノイドは、永久磁石の位置(または極)を対称に配置する構造となっている。このため、励磁状態および無励磁状態でのデットポイント(下死点)の範囲が広い。ここで、図5は、従来技術によるロータリソレノイドのトルク特性を示す概念図である。従来のロータリソレノイドでは、図示するように、0°〜30°の範囲でトルク無しの状態になる。
【0008】
このため、従来技術によるロータリソレノイドでは、励磁による回転起動させるための起動点の角度を大きく取る必要があり(図示の例では約19°)、自己復帰させるためには、動作可能な回転角度が小さくなる(図示の例では約57°)。また、大きなトルクを発生させるためには、大型で高出力の消費電力が大きいロータリソレノイドを必要とした。
【0009】
また、上述した理由により、遊戯機器等の発射装置に要求される連続的な安定したトルクおよび角速度を発生させることが困難であった。しかも、遊戯機器が数多く設置されている遊技場においては、大容量の電源装置が必要となり、設備および電力料金の負担が過大なものになるという問題があった。
【0010】
また、特許文献1に示す従来技術では、永久磁石およびポール部の数を増やすことで、高トルク化を図っているが、これは、ロータリソレノイドの大型化、消費電力の増加につながるという問題がある。また、動作可能な回転角度を大きくすることの考慮はされていない。
【0011】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、回転角度を大きくすることができ、高トルク化、低消費電力化を図ることができるロータリソレノイドを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した問題点を解決するために、本発明のロータリソレノイドは、円周方向に互いに隣接する少なくとも1対の永久磁石が軸線の周りに配設された回転子と、該回転子の周囲に前記1対の永久磁石に対面するように配設され、コイルが巻回された少なくとも1対の突部を有する固定子とからなり、前記1対の永久磁石の磁界と前記コイルへの励磁電流により前記1対の突部に励磁される磁界との相互作用により前記回転子を所定の回転角度範囲で駆動させるロータリソレノイドにおいて、前記1対の突部を、前記軸線を中心に回転対称に配設し、前記1対の永久磁石の一方を、回転方向にずらし近接させて配設したことを特徴としている。
【0013】
上記構成のロータリソレノイドにあっては、固定子に設けられた1対の突部を軸線を中心に回転対称に配設し、回転子に設けられた1対の永久磁石の一方を、回転方向にずらし近接させて配設しているから、突部に巻回されたコイルに励磁電流を流した状態で回転子を回転させると、より少ない回転角度で起動点に達し、回転子が回転方向への回転力を受ける。これにより、1対の突部に励磁される磁界と1対の永久磁石の磁界との相互作用により、回転子が所定の回転角度範囲で駆動される。したがって、回転角度を大きくすることが可能となり、高トルク化、低消費電力化を図ることが可能となる。
【0014】
本発明は、上記のように、1対の突部を、軸線を中心に回転対称に配設し、回転子に設けられた1対の永久磁石の一方を、回転方向にずらして配設する構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。たとえば、1対の永久磁石を、軸線を中心に回転対称に配設し、1対の突部の一方を、回転方向にずらして配設しても同等の作用、効果を得ることができる。また、回転子および突部は、2対あるいはそれ以上設けることもできる。なお、本発明において永久磁石とは、実質的に永久磁石の機能をなす部分を示す。したがって、回転子に永久磁石を設ける際に、回転子の着磁する位置を、回転方向にずらしても同等の作用、効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
A.実施形態の構成
図1は、本発明の一実施形態によるロータリソレノイドの基本構成を示す平面図である。図1(a)において、ロータリソレノイドは、内方向へ突出した1対の対向するポール部11を有し、該1対のポール部11に巻回された励磁コイル12,12を有する固定子10と、該固定子10内部に配設され、上記ポール部11,11の各々に略対面するように1対の永久磁石13,13が設けられた回転子14とを備えている。永久磁石13,13は、厚さ方向に磁化されており、回転子14の軸線に対して非対称に、すなわち、ポール部11,11との対面位置から回転方向もしくは反回転方向にずらして配設されている。
【0016】
励磁コイル12,12には、回転子14を起動点(約5°)まで回転させた状態で、ポール部11,11に略対面する永久磁石13,13の極と同じ極になるように直流の励磁電流が流れ、回転子14が図示しないストッパ(自己復帰可能点)で停止した状態で励磁電流が遮断されるようになっている。回転子14は、励磁コイル12,12に対する直流の励磁電流の供給、遮断による、ポール部11,11と永久磁石13,13との間で生じる吸引力、反発力に従って所定の角度範囲で往復運動する。
【0017】
B.実施形態の動作
次に、本発明の実施形態によるロータリソレノイドの動作について説明する。
上記ロータリソレノイドでは、励磁コイル12,12に励磁電流が流れていない状態、すなわち無励磁状態においては、図1(a)に示すように、永久磁石13,13がポール部11,11に吸引されるので、回転子14は、永久磁石13,13とポール部11,11とが対面する位置で停止している。該無励磁状態において、図1(b)に示すように、回転子14を起動点(約5°)まで回転させた状態で、ポール部11,11を、略対面する永久磁石13,13の極と同じ極になるように励磁コイル12,12に直流の励磁電流を流す。
【0018】
この結果、永久磁石13,13は、略対面するポール部11,11から反発力を受け、図示の矢印Aの方向に回転することになる。回転子14は、図1(c)に示すように、図示しない停止点(約76°)まで回転して停止する。この状態で、直流の励磁電流を遮断すると、ポール部11,11の磁力が消滅するため、回転子14の永久磁石13,13が再びポール部14に引き付けられ、図1(a)に示す位置に戻る。
【0019】
図2は、本実施形態によるロータリソレノイドの回転角度―トルク特性を示す概念図である。本実施形態によるロータリソレノイドでは、0°〜20°の範囲でトルクが発生している。また、反発するトルクの発生が皆無であり、ロータリソレノイドの特性(動作可能回転角度、角速度、トルク安定性)を十分に発揮することが可能となる。
【0020】
上述したように、ロータリソレノイドにあっては、固定子10に設けられた1対のポール部11,11を、軸線を中心に回転対称に配設し、回転子14に設けられた1対の永久磁石13,13の一方を、回転方向にずらして配設しているから、ポール部11,11に巻回されたコイル12,12に励磁電流を流した状態で回転子14を回転させると、より少ない回転角度で起動点に達し、回転子14が回転方向への回転力を受ける。これにより、1対のポール部11,11に励磁される磁界と1対の永久磁石13,13の磁界との相互作用により、回転子14が所定の回転角度範囲で駆動される。したがって、回転角度を大きくすることが可能となり、高トルク化、低消費電力化を図ることが可能となる。
【0021】
C.他の実施形態
図3は、本発明の他の実施形態によるロータリソレノイドの基本構成を示す平面図である。上述した実施形態においては、1対の永久磁石13,13と1対のポール部11,11とを設けたロータリソレノイドについて説明したが、2対以上の永久磁石、ポール部を配設するようにしてもよい。図示の例では、2対の永久磁石13−1,13−1、13−2,13−2、ポール部11−1,11−1、11−2,11−2を配設しているが、それ以上設けることもできる。
【0022】
永久磁石13−1,13−1は、厚さ方向に磁化されており、回転子14の軸線に対して非対称に、すなわち、ポール部11−1,11−1との対面位置から回転方向にずらして配設されている。また、永久磁石13−2,13−2は、厚さ方向に磁化されており、回転子14の軸線に対して非対称に、すなわち、ポール部11−2,11−2との対面位置から回転方向にずらして配設されている。
なお、ロータリソレノイドの動作については前述した実施形態によるロータリソレノイドと同様であるので、説明を省略する。
【0023】
なお、上述した実施形態または他の実施形態においては、回転子14の永久磁石13,13を、対応するポール部11,11に対する対面位置からずらして配設したが、これに限らず、永久磁石13,13を対称に配設し、該永久磁石13,13に対する対面位置からずらして固定子10のポール部11,11を配設してもよく、同様の効果を得ることができる。該構成は、複数対の永久磁石、ポール部を設けたロータリソレノイドについても同様である。
【0024】
また、上述した実施形態または他の実施形態においては、永久磁石を用いたが、これに限らず、回転子上に着磁された着磁部位としてもよい。すなわち、回転子への着磁位置をずらすようにしてもよく、永久磁石の位置をずらすのと同様の効果を得ることが可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明によれば、回転子に配設された1対の永久磁石または固定子に設けられた1対の突部のいずれか一方を、前記回転子を中心に非対称に配設し、前記突部に巻回されたコイルに励磁電流を流すことにより前記1対の突部に励磁される磁界と前記1対の永久磁石の磁界との相互作用により前記回転子を所定の回転角度範囲で駆動させるようにしたので、回転角度を大きくすることができ、高トルク化、低消費電力化を図ることができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるロータリソレノイドの基本構成および動作を示す平面図である。
【図2】本実施形態によるロータリソレノイドの回転角度―トルク特性を示す概念図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるロータリソレノイドの基本構成を示す平面図である。
【図4】従来のロータリソレノイドの構造および動作を説明するための平面図である。
【図5】従来技術によるロータリソレノイドの回転角度―トルク特性を示す概念図である。
【符号の説明】
10 固定子
11,11,11−1,11−1,11−2,11−2 ポール部(突部)
12,12,12−1,12−1,12−2,12−2 コイル
13,13,13−1,13−1,13−2,13−2 永久磁石
14 回転子
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転子の永久磁石と固定子の励磁コイルとの相互作用により回転子が所定の回転角度の範囲で往復運動するロータリソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊戯機器などにおいて、遊戯球を打ち出す装置として、回転子が所定の回転角度の範囲で往復運動するロータリソレノイドが用いられている。ここで、図4は、従来のロータリソレノイドの構造および動作を説明するための平面図である。ロータリソレノイドは、内方向へ突出した1対の対向するポール部2,2を有し、該1対のポール部2,2に巻回された励磁コイル3,3を有する固定子1と、該固定子1内部に配設され、前記ポール部2,2の各々に対面するように、1対の永久磁石4,4が設けられた回転子5とを備えている。
【0003】
上記ロータリソレノイドでは、励磁コイル3,3に励磁電流が流れていない状態、すなわち無励磁状態においては、図4(a)に示すように、永久磁石4,4がポール部2,2に吸引されるので、回転子5は、永久磁石4,4とポール部2,2とが対面する位置で停止している。該無励磁状態において、図4(b)に示すように、回転子5を起動点(約19°)まで回転させた状態で、ポール部2,2が対面する永久磁石4,4の極と同じ極になるように励磁コイル3,3に励磁電流を流す。
【0004】
この結果、永久磁石4,4は、対面するポール部2,2から反発力を受け、図示の矢印Aの方向に回転することになる。回転子5は、図4(c)に示すように、図示しないストッパ(自己復帰可能点)に突き当たるまで回転して停止する(約76°)。この状態で、励磁電流を遮断すると、ポール部2,2の磁力が消滅するため、回転子5の永久磁石4,4が再びポール部2,2に引き付けられ、図4(a)に示す位置に戻る。
【0005】
上述したロータリソレノイドを、遊戯球を打ち出す装置に適用する場合、アームの角速度を速くする為に動作可能な回転角度を大きくし、低消費電力で大きなトルクを発生させることが望ましい。そこで、ロータソレノイドとして、ロータの永久磁石と、該永久磁石に対応するポール部とを複数配設するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−175419号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示す従来技術によるロータリソレノイドは、永久磁石の位置(または極)を対称に配置する構造となっている。このため、励磁状態および無励磁状態でのデットポイント(下死点)の範囲が広い。ここで、図5は、従来技術によるロータリソレノイドのトルク特性を示す概念図である。従来のロータリソレノイドでは、図示するように、0°〜30°の範囲でトルク無しの状態になる。
【0008】
このため、従来技術によるロータリソレノイドでは、励磁による回転起動させるための起動点の角度を大きく取る必要があり(図示の例では約19°)、自己復帰させるためには、動作可能な回転角度が小さくなる(図示の例では約57°)。また、大きなトルクを発生させるためには、大型で高出力の消費電力が大きいロータリソレノイドを必要とした。
【0009】
また、上述した理由により、遊戯機器等の発射装置に要求される連続的な安定したトルクおよび角速度を発生させることが困難であった。しかも、遊戯機器が数多く設置されている遊技場においては、大容量の電源装置が必要となり、設備および電力料金の負担が過大なものになるという問題があった。
【0010】
また、特許文献1に示す従来技術では、永久磁石およびポール部の数を増やすことで、高トルク化を図っているが、これは、ロータリソレノイドの大型化、消費電力の増加につながるという問題がある。また、動作可能な回転角度を大きくすることの考慮はされていない。
【0011】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、回転角度を大きくすることができ、高トルク化、低消費電力化を図ることができるロータリソレノイドを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した問題点を解決するために、本発明のロータリソレノイドは、円周方向に互いに隣接する少なくとも1対の永久磁石が軸線の周りに配設された回転子と、該回転子の周囲に前記1対の永久磁石に対面するように配設され、コイルが巻回された少なくとも1対の突部を有する固定子とからなり、前記1対の永久磁石の磁界と前記コイルへの励磁電流により前記1対の突部に励磁される磁界との相互作用により前記回転子を所定の回転角度範囲で駆動させるロータリソレノイドにおいて、前記1対の突部を、前記軸線を中心に回転対称に配設し、前記1対の永久磁石の一方を、回転方向にずらし近接させて配設したことを特徴としている。
【0013】
上記構成のロータリソレノイドにあっては、固定子に設けられた1対の突部を軸線を中心に回転対称に配設し、回転子に設けられた1対の永久磁石の一方を、回転方向にずらし近接させて配設しているから、突部に巻回されたコイルに励磁電流を流した状態で回転子を回転させると、より少ない回転角度で起動点に達し、回転子が回転方向への回転力を受ける。これにより、1対の突部に励磁される磁界と1対の永久磁石の磁界との相互作用により、回転子が所定の回転角度範囲で駆動される。したがって、回転角度を大きくすることが可能となり、高トルク化、低消費電力化を図ることが可能となる。
【0014】
本発明は、上記のように、1対の突部を、軸線を中心に回転対称に配設し、回転子に設けられた1対の永久磁石の一方を、回転方向にずらして配設する構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。たとえば、1対の永久磁石を、軸線を中心に回転対称に配設し、1対の突部の一方を、回転方向にずらして配設しても同等の作用、効果を得ることができる。また、回転子および突部は、2対あるいはそれ以上設けることもできる。なお、本発明において永久磁石とは、実質的に永久磁石の機能をなす部分を示す。したがって、回転子に永久磁石を設ける際に、回転子の着磁する位置を、回転方向にずらしても同等の作用、効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
A.実施形態の構成
図1は、本発明の一実施形態によるロータリソレノイドの基本構成を示す平面図である。図1(a)において、ロータリソレノイドは、内方向へ突出した1対の対向するポール部11を有し、該1対のポール部11に巻回された励磁コイル12,12を有する固定子10と、該固定子10内部に配設され、上記ポール部11,11の各々に略対面するように1対の永久磁石13,13が設けられた回転子14とを備えている。永久磁石13,13は、厚さ方向に磁化されており、回転子14の軸線に対して非対称に、すなわち、ポール部11,11との対面位置から回転方向もしくは反回転方向にずらして配設されている。
【0016】
励磁コイル12,12には、回転子14を起動点(約5°)まで回転させた状態で、ポール部11,11に略対面する永久磁石13,13の極と同じ極になるように直流の励磁電流が流れ、回転子14が図示しないストッパ(自己復帰可能点)で停止した状態で励磁電流が遮断されるようになっている。回転子14は、励磁コイル12,12に対する直流の励磁電流の供給、遮断による、ポール部11,11と永久磁石13,13との間で生じる吸引力、反発力に従って所定の角度範囲で往復運動する。
【0017】
B.実施形態の動作
次に、本発明の実施形態によるロータリソレノイドの動作について説明する。
上記ロータリソレノイドでは、励磁コイル12,12に励磁電流が流れていない状態、すなわち無励磁状態においては、図1(a)に示すように、永久磁石13,13がポール部11,11に吸引されるので、回転子14は、永久磁石13,13とポール部11,11とが対面する位置で停止している。該無励磁状態において、図1(b)に示すように、回転子14を起動点(約5°)まで回転させた状態で、ポール部11,11を、略対面する永久磁石13,13の極と同じ極になるように励磁コイル12,12に直流の励磁電流を流す。
【0018】
この結果、永久磁石13,13は、略対面するポール部11,11から反発力を受け、図示の矢印Aの方向に回転することになる。回転子14は、図1(c)に示すように、図示しない停止点(約76°)まで回転して停止する。この状態で、直流の励磁電流を遮断すると、ポール部11,11の磁力が消滅するため、回転子14の永久磁石13,13が再びポール部14に引き付けられ、図1(a)に示す位置に戻る。
【0019】
図2は、本実施形態によるロータリソレノイドの回転角度―トルク特性を示す概念図である。本実施形態によるロータリソレノイドでは、0°〜20°の範囲でトルクが発生している。また、反発するトルクの発生が皆無であり、ロータリソレノイドの特性(動作可能回転角度、角速度、トルク安定性)を十分に発揮することが可能となる。
【0020】
上述したように、ロータリソレノイドにあっては、固定子10に設けられた1対のポール部11,11を、軸線を中心に回転対称に配設し、回転子14に設けられた1対の永久磁石13,13の一方を、回転方向にずらして配設しているから、ポール部11,11に巻回されたコイル12,12に励磁電流を流した状態で回転子14を回転させると、より少ない回転角度で起動点に達し、回転子14が回転方向への回転力を受ける。これにより、1対のポール部11,11に励磁される磁界と1対の永久磁石13,13の磁界との相互作用により、回転子14が所定の回転角度範囲で駆動される。したがって、回転角度を大きくすることが可能となり、高トルク化、低消費電力化を図ることが可能となる。
【0021】
C.他の実施形態
図3は、本発明の他の実施形態によるロータリソレノイドの基本構成を示す平面図である。上述した実施形態においては、1対の永久磁石13,13と1対のポール部11,11とを設けたロータリソレノイドについて説明したが、2対以上の永久磁石、ポール部を配設するようにしてもよい。図示の例では、2対の永久磁石13−1,13−1、13−2,13−2、ポール部11−1,11−1、11−2,11−2を配設しているが、それ以上設けることもできる。
【0022】
永久磁石13−1,13−1は、厚さ方向に磁化されており、回転子14の軸線に対して非対称に、すなわち、ポール部11−1,11−1との対面位置から回転方向にずらして配設されている。また、永久磁石13−2,13−2は、厚さ方向に磁化されており、回転子14の軸線に対して非対称に、すなわち、ポール部11−2,11−2との対面位置から回転方向にずらして配設されている。
なお、ロータリソレノイドの動作については前述した実施形態によるロータリソレノイドと同様であるので、説明を省略する。
【0023】
なお、上述した実施形態または他の実施形態においては、回転子14の永久磁石13,13を、対応するポール部11,11に対する対面位置からずらして配設したが、これに限らず、永久磁石13,13を対称に配設し、該永久磁石13,13に対する対面位置からずらして固定子10のポール部11,11を配設してもよく、同様の効果を得ることができる。該構成は、複数対の永久磁石、ポール部を設けたロータリソレノイドについても同様である。
【0024】
また、上述した実施形態または他の実施形態においては、永久磁石を用いたが、これに限らず、回転子上に着磁された着磁部位としてもよい。すなわち、回転子への着磁位置をずらすようにしてもよく、永久磁石の位置をずらすのと同様の効果を得ることが可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明によれば、回転子に配設された1対の永久磁石または固定子に設けられた1対の突部のいずれか一方を、前記回転子を中心に非対称に配設し、前記突部に巻回されたコイルに励磁電流を流すことにより前記1対の突部に励磁される磁界と前記1対の永久磁石の磁界との相互作用により前記回転子を所定の回転角度範囲で駆動させるようにしたので、回転角度を大きくすることができ、高トルク化、低消費電力化を図ることができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるロータリソレノイドの基本構成および動作を示す平面図である。
【図2】本実施形態によるロータリソレノイドの回転角度―トルク特性を示す概念図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるロータリソレノイドの基本構成を示す平面図である。
【図4】従来のロータリソレノイドの構造および動作を説明するための平面図である。
【図5】従来技術によるロータリソレノイドの回転角度―トルク特性を示す概念図である。
【符号の説明】
10 固定子
11,11,11−1,11−1,11−2,11−2 ポール部(突部)
12,12,12−1,12−1,12−2,12−2 コイル
13,13,13−1,13−1,13−2,13−2 永久磁石
14 回転子
Claims (5)
- 円周方向に互いに隣接する少なくとも1対の永久磁石が軸線の周りに配設された回転子と、該回転子の周囲に前記1対の永久磁石に対面するように配設され、コイルが巻回された少なくとも1対の突部を有する固定子とからなり、前記1対の永久磁石の磁界と前記コイルへの励磁電流により前記1対の突部に励磁される磁界との相互作用により前記回転子を所定の回転角度範囲で駆動させるロータリソレノイドにおいて、前記1対の突部を、前記軸線を中心に回転対称に配設し、前記1対の永久磁石の一方を、回転方向にずらして配設したことを特徴とするロータリソレノイド。
- 円周方向に互いに隣接する少なくとも1対の永久磁石が軸線の周りに配設された回転子と、該回転子の周囲に前記1対の永久磁石に対面するように配設され、コイルが巻回された少なくとも1対の突部を有する固定子とからなり、前記1対の永久磁石の磁界と前記コイルへの励磁電流により前記1対の突部に励磁される磁界との相互作用により前記回転子を所定の回転角度範囲で駆動させるロータリソレノイドにおいて、前記1対の永久磁石を、前記軸線を中心に回転対称に配設し、前記1対の突部の一方を、回転方向にずらして配設したことを特徴とするロータリソレノイド。
- 前記突部および前記永久磁石を複数対設け、前記1対の永久磁石の少なくとも一方を回転方向にずらして配設したことを特徴とする請求項1記載のロータリソレノイド。
- 前記突部および前記永久磁石を複数対設け、前記1対の突部の少なくとも一方を回転方向にずらして配設したことを特徴とする請求項2記載のロータリソレノイド。
- 前記永久磁石は、前記回転子上に着磁された着磁部位であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロータリソレノイド。
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