JP2004171646A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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正志 末永
Yusuke Takahashi
裕介 高橋
Katsunori Miyata
勝則 宮田
Toyoyuki Nunomura
豊幸 布村
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Abstract

【課題】イングルーブピットが形成された基板を有する光情報記録媒体において、ピットから確実に信号を検出して再生エラーレートを低減することができる光情報記録媒体及びその製造方法を提供する。
【解決方法】本発明の光情報記録媒体の基板には、複数のランド及びグルーブが形成されており、一部のグルーブの底部にイングルーブピットが形成されている。このイングルーブピットは、グルーブ方向の長さに関係なく基板半径方向の幅の広がりが抑えられており、イングルーブピットに隣接するランド形状も側壁が大きく削られることなく、一定のランド及びグルーブ形状が維持されている。特に、イングルーブピットに隣接したランドプリピットが形成されている基板を用いて作製した光情報記録媒体においても、ランドプリピットの記録信号を確実に検出することができる。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光情報記録媒体に関し、特に、メーカ名や著作権保護対策用情報等のメディア情報がプリピットの形で書き込まれた光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CD(コンパクトディスク)の数倍の記録容量を有するDVD(デジタルバーサタイルディスク)が、画像や音声等の情報記録媒体として広く使用されている。また、DVDに対して、ユーザ側で情報の記録を1回に限り行うことができるDVD−R(追記型のデジタルバーサタイルディスク)や、情報の書換えを可能とするDVD−RW(書換え可能型のデジタルバーサタイルディスク)が既に製品化され、今後の大容量の情報記録媒体として広く普及すると考えられる。
【0003】
通常、DVD−R及びDVD−RWでは、ディスクのメーカ情報や、著作権保護対策用情報等の情報(以下、メディア情報という)がディスク最内周部や最外周部に予め記録されている。これらのメディア情報は、ディスク製造工程の最終段階で、記録装置を用いて光照射等により記録層を変性させることで記録している。これに対し、メディア情報を上記のような記録層に記録するのではなく、ディスクの基板製造段階において、予め基板のグルーブにエンボスピット(以下、イングルーブピットという)の形で記録する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法を用いて作製した光情報記録媒体の一部を、図1に示す。図1(a)は、光情報記録媒体の部分拡大平面図であり、イングルーブピットが形成された領域(以下、イングルーブピット領域という)を概略的に表わしている。また、図1(b)及び(c)は、それぞれ、図1(a)のA−A線断面及びB−B線断面を示した図である。この光情報記録媒体では、図1(b)に示すように、ランド及びグルーブが形成された基板101のランド表面101aを基準としたときのイングルーブピット107の底面(最下面)107aまでの深さdp”が、同じくランド表面101aを基準としてグルーブ105の底面(最下面)105aまでの深さdg”より深く形成されている。これにより、この基板101のパターン形成面上に記録層102及び反射層103を形成した場合、イングルーブピット107が形成されている部分とイングルーブピット107が形成されていないグルーブの部分とでは、形成される各層の表面高さに違いが生じる。したがって、このイングルーブピット部分とグルーブ部分との深さの違いを利用することにより、メディア情報等のデータをグルーブに記録することができる。
【0004】
DVD−R及びDVD−RWの基板では、グルーブ間に形成されるランド上にピット(以下、ランドプリピットという)が設けられており、ディスクのアドレス情報等の記録を行っている(例えば、特許文献2及び3参照)。また、ピットを有する基板を製造するための原盤露光工程において、一つのピットに対応するパターンを露光している間に露光強度を切り替える方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−67733号公報(第5―6頁、第1−3図)
【特許文献2】
特開平09−326138号公報(第1−8頁、第3図、第15図)
【特許文献3】
特開2001−118288号公報(第1−8頁、第1図)
【特許文献4】
特開昭63−153743号公報(第278頁、第280−282頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
イングルーブピットを有する光情報記録媒体では、図1に示すように、イングルーブピットが、トラック方向(即ち、グルーブ方向)の端部に比べトラック方向の中間部付近(以下、中間部と略す)の幅(ディスクの半径方向長さ)が広く形成されている。これは、イングルーブピットに対応するパターンを原盤に形成するための露光を行った際に、照射するレーザ光の積算露光量がパターンの中間部で大きくなることにより生じるものと考えられる。これにより、イングルーブピットの中間部の幅がグルーブの幅よりも広がり、隣接するランドの側壁を侵食する。即ち、イングルーブピットに隣接するランドの幅は狭くなる。特に、イングルーブピットに隣接するランド上にランドプリピットが形成されている場合、イングルーブピットとランドプリピットとの間のランド面の幅を十分確保することができなかった。この結果、図9(b)に示すように、ランドプリピットの検出信号のジッターが大きくなり、アパーチャ−レシオ(AR)が所定の要求値を満たさず、エラーレートが増大する問題が生じていた。
【0007】
本発明者が知る限りにおいては、グルーブよりもさらに深く形成されるイングルーブピットの形状を制御するために、原盤露光においてイングルーブピット形成パターンの露光強度を制御した例はない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、イングルーブピットが形成された基板を有する光情報記録媒体において、ピットから確実に信号を検出して再生エラーレートを低減することができる光情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、複数のランド及びグルーブが形成された円形基板と、該円形基板上に記録層と反射層とを有する光情報記録媒体において、
上記グルーブの底部に、第1ピットと、グルーブ方向の長さが第1ピットよりも長い第2ピットが形成されており、
第1ピットにおける基板半径方向の最大幅をWで表わし、第2ピットにおける基板半径方向の最大幅をWで表わしたとき、1<W/W<1.2であることを特徴とする光情報記録媒体が提供される。
【0010】
本発明の光情報記録媒体の基板には、複数のランド及びグルーブが形成されており、一部のグルーブの底部にピット(イングルーブピット)が形成されている。このイングルーブピットは、グルーブ方向の長さに関係なく基板半径方向の幅の広がりが抑えられており、イングルーブピットに隣接するランド形状も側壁が大きく削られることなく、一定のランド及びグルーブ形状が維持されている。特に、イングルーブピットに隣接したランド上にピット(ランドプリピット)が形成されている基板を用いて作製した光情報記録媒体においても、ランドプリピットの記録信号を確実に検出することができる。なお、ランドプリピットの深さがグルーブの深さと同じであっても構わない。
【0011】
本発明では、上記記録層が、色素材料で形成されていることが望ましい。また、上記色素材料がアゾ系色素材料であることが望ましい。
【0012】
本発明では、上記円形基板上にさらに第1及び第2ピットが形成されていないグルーブが形成されていてもよい。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様における光情報記録媒体の製造方法であって、
原盤上に形成された感光性材料を第1の露光強度と、第1の露光強度よりも低い第2の露光強度に変更しながら露光することにより、該感光性材料に少なくとも第2ピットに対応するパターンを露光し、第2の露光強度よりも低い第3の露光強度で上記感光性材料を露光することにより、上記感光性材料を上記グルーブに対応するパターンを露光することと;
上記露光後に、原盤を現像して第1ピット、第2ピット及び上記グルーブに対応するパターンを形成することと;
上記パターンが形成された原盤を用いて基板を成形することと;
該基板上に記録層及び反射層を形成することを含む光情報記録媒体の製造方法が提供される。
【0014】
本発明の方法を用いることにより、本発明の光情報記録媒体を製造することができる。
【0015】
本光情報記録媒体の製造方法では、上記感光材料を第1の露光強度で露光することにより、上記感光材料に第1ピットに対応するパターンを露光することを含むことが好ましい。また、上記感光材料に第2ピットに対応するパターンを露光する際の露光強度を、始めに第1の露光強度とし、次いで第2の露光強度とし、さらに第1の露光強度に変更することが好ましい。さらに、第1ピット及び第2ピットに対応するパターンを露光する前後で、露光強度を0にすることを含むことが望ましい。上記現像において、RIEによるエッチングを行うことを含むことが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図を用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0017】
【実施例1】
[基板作製の為の原盤及びスタンパの作製方法]
本発明における光情報記録媒体の基板1は、図7に示すように、基板1の内周側から順に、グルーブ領域71、イングルーブピット領域73及びグルーブ領域75に区画されている。この基板1を作製するための原盤及びスタンパの作製方法について、図2〜7を用いて説明する。図2(a)に示すように、直径200mm、厚さ6mmのガラス原盤50を用意した。次いで、図2(b)に示すように、ガラス原盤50の一方の表面50a上に、フォトレジスト52を、スピンコート法を用いて厚さ200nmで均一に塗布した。次いで、フォトレジスト52が形成されたガラス原盤50を、不図示のカッティング装置に装着した。カッティング装置(原盤露光装置)は、主に、波長351nmのレーザ光を発振するKrガスレーザ光源、音響光変調素子からなる光変調器、集光レンズ及びガラス原盤を回転させるための駆動装置等で構成されている。図2(c)に示すように、上記カッティング装置のレーザ光源から出射されたレーザ光LSは、光変調器及び集光レンズを介して、ガラス原盤50上のフォトレジスト52に照射される。このとき、ガラス原盤50を、ガラス原盤50の中心軸AXの回りに所定の回転数で回転させた。また、ガラス原盤50上のレーザ光LSの照射位置が、ガラス原盤50の半径方向に沿ってガラス原盤50の内側から外側に向かって移動するように、レーザ光LSを移動させた(矢印AR2)。
【0018】
上記のように、レーザ光LSを移動させながら、ガラス原盤50に照射するレーザ光LSの露光強度を、上記光変調器を用いて変化させる。ガラス原盤50の中心軸AXから半径22mm〜23.9mmの領域は、図7に示す基板1のグルーブ領域71に相当する(以下、第1グルーブ形成領域という)。また、半径23.9mm〜24mmの領域は、基板1のイングルーブピット領域73に相当する(以下、イングルーブピット形成領域という)。さらに、半径24mm〜58mmの領域は、ユーザデータ領域であり、基板1のグルーブ領域75に相当する(以下、第2グルーブ形成領域という)。本実施例では、第1及び第2グルーブ形成領域における露光強度は、低レベル(以下、グルーブレベルという)に設定した。また、イングルーブピット形成領域では、図3に示すように、レーザ光の露光強度を低レベル、中レベル及び高レベルの3段階に変化させた。イングルーブピット形成領域のイングルーブピットに対応する部分(以下、イングルーブピット形成部分という)を形成するときの露光強度は高レベル(以下、第1ピットレベルという)及び中レベル(以下、第2ピットレベルという)の2段階のレベルに設定し、それ以外のグルーブ部分の露光強度は、グルーブレベルに設定した。本実施例において、第1ピットレベルの信号振幅を100%とした場合、第2ピットレベルは70%、グルーブレベルの信号振幅は50%となるように設定した。また、イングルーブピット領域に形成されるランドプリピットに対応する部分(以下、ランドプリプット形成部分という)を露光する際、基板におけるランドプリピットの深さがグルーブとほぼ同じ深さとなるようにレーザ光の露光強度を調整した。
【0019】
図3に示すように、イングルーブピット形成部分の露光では、開始から1T〜1.5T(T:クロック周期)の間は第1ピットレベル(高レベル)で露光し、次いで、露光強度を第2ピットレベル(中レベル)に低下して露光した。さらに、イングルーブピット形成部分の終了までの1T〜1.5Tの間は、再び第1ピットレベルに露光強度を戻して露光した。これにより、イングルーブ形成部分の原盤半径方向の幅は、イングルーブピット形成部分の中間部付近で広がることはない。これは、第2ピットレベルで露光した間の積算露光量が低減し、その間の原盤半径方向への露光範囲の広がりが抑制されたためと考えられる。なお、基板のイングルーブピット領域におけるイングルーブピットは、トラック(グルーブ)の方向に3T〜11T又は14Tのいずれかのチャネルビット長で、所望のパターンに形成される。最短チャネルビット長である3Tで形成されたイングルーブピット形成部分では積算露光量の影響による幅の広がりが殆どないので上記のような2段階の露光強度切り替えは行わず、第1ピットレベルに固定して露光した。本実施例では、上述の露光強度の切り替えを行うことにより、最短チャネルビット長よりも長いチャネルビット長を有するイングルーブピット形成部分の幅を、最短チャネルビット長を有するイングルーブピット形成部分の幅と同等の大きさにすることができた。なお、クロック周期Tは、用いる再生装置に応じて適宜調整可能である。
【0020】
さらに、本実施例では、図3に示したように、露光強度を第1ピットレベルからグルーブレベルに、または、グルーブレベルから第1ピットレベルに切り替える毎に、一時的にレーザ光の露光強度を0レベルにする期間を設けた。0レベルの期間は形成するピットのチャネルビット長に応じて変更した。最短チャネルビット長3Tのイングルーブピット形成部分の露光時には、0レベルの期間を0.2Tとした。これにより、原盤のイングルーブピット形成部分の加工精度が向上する。
【0021】
次に、フォトレジストが感光されたガラス原盤をカッティング装置から取出し、現像処理を行った。これにより、図4(a)及び(b)に示すような、グルーブ形成部40、イングルーブピット形成部44及びランドプリピット形成部42が、ガラス原盤50上に形成された。グルーブ形成部40及びランドプリピット形成部42は、断面がV字状の溝形状となるように形成される。このとき、グルーブ形成部40の溝幅drgに比べてランドプリピット形成部42の溝幅drlは狭い。また、イングルーブピット形成部44では、現像処理によってガラス原盤50上のフォトレジスト52は除去され、図4(b)に示すように、ガラス原盤50の表面50aが露出部44aとして現れる。
【0022】
次に、図5(a)に示すように、ガラス原盤50上に形成されているフォトレジスト52の表面を、不図示のRIE(リアクティブイオンエッチング)装置を用いて、Cのガス雰囲気中でエッチングした。これにより、イングルーブピット形成部44は、それぞれガラス原盤50の表面50aから90nmの深さまでエッチングされる。次いで、図5(b)に示すように、グルーブ形成部40及びランドピット形成部42におけるガラス原盤50の表面50aを露出させるために、不図示のOによるレジストアッシング装置を用いて、フォトレジスト52を所定厚さだけ削った。これにより、グルーブ形成部40及びランドプリピット形成部42のガラス原盤表面50aを露出させた。さらに、図5(c)に示すように、ガラス原盤50のフォトレジスト52形成面に対して、再度Cのガス雰囲気中でRIEを行った。これにより、グルーブ形成部40は、ガラス原盤表面50aから175nmの深さまでエッチングされた。また、ランドプリピット形成部42は、ガラス原盤表面50aから175nmの深さまでエッチングされた。同時に、イングルーブピット形成部44は、ガラス原盤表面50aから265nmの深さまでエッチングされた。次いで、図5(d)に示すように、再度レジストアッシング装置(不図示)を用いて、ガラス原盤50上のフォトレジスト52を除去した。これにより、表面に所望のパターンが形成されたガラス原盤50を得た。
【0023】
このガラス原盤50のパターン形成面に、メッキの前処理として無電解メッキを施した。さらに、このメッキ層を導電膜として用いることにより、厚さ0.3mmのNi層を、電鋳法によって形成した。次いで、ガラス原盤50上に形成したNi層の表面を研磨し、さらに、ガラス原盤から上記Ni層を剥離することにより、スタンパを得た。なお、上記メッキの前処理における導電膜形成を、スパッタ法や蒸着法を用いて行ってもよい。
【0024】
[情報記録媒体の作製方法]
上記のスタンパを、既存の射出成形装置に装着し、射出成形により基板1を得た。基板1は、直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板であり、図6に示すように、ガラス原盤に形成された凹凸パターン形状と同じ形状のパターンが基板1の一方の面上に転写されている。前述の通り、基板1には、グルーブ領域71、イングルーブピット領域73及びグルーブ領域(ユーザデータ領域)75が形成されている。また、イングルーブピット領域73には、図8(a)に示すように、グルーブ80、ランドプリピット82及びイングルーブピット84が形成されている。このうち、最短チャネルビット長3Tを有するイングルーブピットの基板半径方向の幅及びそれよりも長いチャネルビット長を有するイングルーブピットの基板半径方向の幅を、デジタルインスツルメンツ社製走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した。最短チャネルビット長3Tを有するイングルーブピットの最大幅は0.34μmであった。また、チャネルビット長11Tを有するイングルーブピットの最大幅は、0.38μmであった。さらに、チャネルビット長14Tを有するイングルーブピットの最大幅は、0.4μmであった。本発明者らによる実験から、最短チャネルビット長3Tを有するイングルーブピットの最大幅に対する最短チャネルビット長3Tよりも長いチャネルビット長を有するイングルーブピットの最大幅の割合は112〜118%の範囲内であり、最短チャネルビット長よりも長いイングルーブピットにおいて、基板半径方向の幅の広がりが抑制されていることが分かる。
【0025】
この基板1のパタ−ン形成面上に、下記化学式(1)で表わされるアゾ系色素1重量%の濃度を有する溶液を、グルーブ間、即ち、ランド部で厚さ30nmとなるようにスピンコート法を用いて塗布した。このとき、上記溶液の塗布量を1gとし、塗布開始から30秒間は回転数100rpmで、その後30秒間は回転数800〜1000rpmで基板を回転させた。なお、上記色素溶液を塗布する際に、テトラフルオロプロパノールを溶媒として用いることによりアゾ系色素溶媒とし、フィルタで濾過して不純物を取り除いた。次いで、上記色素材料を塗布した基板1を70℃にて1時間乾燥させ、さらに、室温にて1時間冷却した。こうして、記録層2が基板1上に形成された(図8(b)参照)。
【0026】
【化1】
Figure 2004171646
【0027】
さらに、図8(b)に示すように、記録層2上に、反射層3としてAg合金を厚さ100nmとなるように、スパッタ法を用いて形成した。次いで、反射層3上に、UV樹脂材料を、厚さ10μmとなるようにスピンコート法により塗布し、さらに、その上に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(ダミー基板)を載置した。この状態で、各層が形成された基板にUV照射を施すことにより、各層が形成された基板とダミー基板とを貼り合わせて光情報記録媒体を得た。
【0028】
こうして得られた光情報記録媒体について、イングルーブピット領域73のイングルーブピット、グルーブ及びランドプリピットの最大深さを、デジタルインスツルメンツ社製走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した。それらの深さは、図8(b)に示すように、基板のランド81の表面からの深さとした。グルーブの最大深さdgは170nm、イングルーブピットの最大深さdpは、265nmであった。また、ランドプリピットの最大深さdlpは、グルーブの最大深さdgと同じ175nmであった。また、イングルーブピット領域73のイングルーブピット、グルーブ及びランドプリピットの記録層窪み深さを、デジタルインスツルメンツ社製走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した。ここで、記録層窪み深さとは、ランド81上に形成された記録層2の表面2aを基準としたときの記録層2の最大窪み量をいう。グルーブの記録層窪み深さTgは100nmであり、イングルーブピットの記録層窪み深さTpは170nmであった。また、ランドプリピットにおける記録層窪み深さTlpは、90nmであった。
【0029】
上記実施例で得た光情報記録媒体を、波長650nmのレーザ光及び開口数0.6のレンズを有する光ピックアップを用いて、イングルーブピット領域の記録信号の再生を行った。信号の検出及び再生は安定して行うことができ、また、このときの再生信号の信号変調度は61%、ジッターは7.2%であり、いずれも良好な結果を得ることができた。また、図9(a)に示すように、ランドプリピットの記録信号も安定して検出が可能となった。これにより、アパーチャーレシオも要求値を満たし、エラーレートも規格にある5%を十分に満足することができた。
【0030】
上記実施例の光情報記録媒体では、基板としてポリカーボネートを用いたが、ポリメチルメタクリレートやアモルファスポリオレフィン等を用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明の光情報記録媒体では、イングルーブピット形状のピットの長さに起因する形状変化を抑制し、隣接するランド形状への悪影響を防止することが可能となる。特に、ランドプリピットが隣接する場合でも、ランドプリピットの記録信号を確実に検出することができ、エラーレートが低減される。また、本発明の光情報記録媒体の製造方法は、本発明の光情報記録媒体を製造するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、従来のイングルーブピットを有する光情報記録媒体の一部分を示した概略上面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
【図2】実施例1におけるガラス原盤の作製方法を説明した図である。
【図3】実施例1におけるガラス原盤に照射するレーザ光の露光強度の時間変化を示した図である。
【図4】(a)は、実施例1において、フォトレジスト露光・現像直後のガラス原盤の一部分を示した概略上面図であり、(b)は、(a)のA’−A’線断面図である。
【図5】実施例1におけるガラス原盤の作製方法を説明した図である。
【図6】実施例1において得られた基板のパターン形成面の概略斜視図である。
【図7】実施例1において得られた基板の概略図である。
【図8】(a)は、実施例1における基板のイングルーブピット付近の概略上面図を示し、(b)は(a)のC−C線断面に加えて基板上に記録層及び反射層を形成した状態の概略断面図である。
【図9】ランドプリピットの再生信号を示した図であり、(a)は、実施例1で作成した情報記録媒体の信号を示した図であり、(b)は、従来のイングルーブピットを有する情報記録媒体の信号を示した図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
3 反射層
40 グルーブ形成部
42 ランドプリピット形成部
44 イングルーブピット形成部
50 ガラス原盤
52 フォトレジスト
71,75 グルーブ領域
73 イングルーブ領域
101 基板
101a ランド面
102 記録層
103 反射層
105 グルーブ
107 イングルーブピット
AX 中心軸

Claims (11)

  1. 複数のランド及びグルーブが形成された円形基板と、該円形基板上に記録層と反射層とを有する光情報記録媒体において、
    上記グルーブの底部に、第1ピットと、グルーブ方向の長さが第1ピットよりも長い第2ピットが形成されており、
    第1ピットにおける基板半径方向の最大幅をWで表わし、第2ピットにおける基板半径方向の最大幅をWで表わしたとき、1<W/W<1.2であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 上記ランドに、第3ピットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 第3ピットの深さが、上記グルーブの深さと同じであることを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体。
  4. 上記記録層が、色素材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  5. 上記色素材料がアゾ系色素材料であることを特徴とする請求項4に記載の光情報記録媒体。
  6. 上記円形基板上にさらに第1及び第2ピットが形成されていないグルーブが形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光情報記録媒体の製造方法であって、
    原盤上に形成された感光性材料を第1の露光強度と、第1の露光強度よりも低い第2の露光強度に変更しながら露光することにより、該感光性材料に少なくとも第2ピットに対応するパターンを露光し、第2の露光強度よりも低い第3の露光強度で上記感光性材料を露光することにより、上記感光性材料を上記グルーブに対応するパターンを露光することと;
    上記露光後に、原盤を現像して第1ピット、第2ピット及び上記グルーブに対応するパターンを形成することと;
    上記パターンが形成された原盤を用いて基板を成形することと;
    該基板上に記録層及び反射層を形成することを含む光情報記録媒体の製造方法。
  8. 上記感光材料を第1の露光強度で露光することにより、上記感光材料に第1ピットに対応するパターンを露光することを含むことを特徴とする請求項7に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  9. 上記感光材料に第2ピットに対応するパターンを露光する際の露光強度を、始めに第1の露光強度とし、次いで第2の露光強度とし、さらに第1の露光強度に変更することを特徴とする請求項8に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  10. 第1ピット及び第2ピットに対応するパターンを露光する前後で、露光強度を0にすることを含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  11. 上記現像において、RIEによるエッチングを行うことを含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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