JP2004170630A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロジェクタ装置の空間光変調素子に光束を供給する照射装置のFナンバーを大きくする。
【解決手段】照射装置は、光源10、光源10の一方の側に設けられ、光源10の光を反射して平行光束として出射する、回転放物面状の反射面13aを有する第1の反射鏡13、及び光源10の他方の側に設けられ、光源10の光を光源10に戻すように反射し、この反射した光が第1の反射鏡13で前記平行光束として反射されるようにする第2の反射鏡15からなる光源装置10と、光源装置10から出射されたP偏光を透過させるがS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ23、直角プリズム25、及び1/2波長板27からなり光源装置10から入射した無偏光の光束をP偏光に変換する偏光分離変換器20と、フライアイレンズ系30と、フィールドレンズ41と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】照射装置は、光源10、光源10の一方の側に設けられ、光源10の光を反射して平行光束として出射する、回転放物面状の反射面13aを有する第1の反射鏡13、及び光源10の他方の側に設けられ、光源10の光を光源10に戻すように反射し、この反射した光が第1の反射鏡13で前記平行光束として反射されるようにする第2の反射鏡15からなる光源装置10と、光源装置10から出射されたP偏光を透過させるがS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ23、直角プリズム25、及び1/2波長板27からなり光源装置10から入射した無偏光の光束をP偏光に変換する偏光分離変換器20と、フライアイレンズ系30と、フィールドレンズ41と、を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子などの空間光変調素子に光束を供給する照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スクリーンに液晶表示素子などの空間光変調素子で変調した画像を投影するプロジェクタ装置が提供され、例えばプレゼンテーションのような用途に広く普及している。プロジェクタ装置は、画像を変調する空間光変調素子のほかに、空間光変調素子に光束を供給する照明装置を含む光学系を有している。
【0003】
図7は、従来の照明装置における光学系の構成を示す図である。図は、照明装置を構成する各光学部材の作用を示すものであり、照明装置においては光学部材が一直線上に配置される必要はない。
【0004】
照明装置は、平行な光束を出射する光源装置110と、光源装置110から入射した光束を均一にするフライアイレンズ系130と、フライアイレンズ系130から入射された無偏光の光束を分離して直線偏光に変換する偏光分離変換器120と、偏光分離変換器120で変換された直線偏光の光束を集光する集光光学系140とを有している。フライアイレンズ系130及び偏光分離変換器120からの光束は、集光光学系140により、空間光変調素子145に集光される。
【0005】
図8は、従来の光源装置110の構成を示す図である。図8(a)は光源装置110を光軸L0を含む面で切断した断面図であり、図8(b)は光源装置110から出射された光束を光軸L0に垂直な面で切断した断面図である。
【0006】
光源装置110は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された電極111a間にアーク111dを発生する例えばメタルハライドランプのような光源111と、光源111から出射された光を光軸L0に沿って図中右側に反射する反射面113aを有する反射鏡113とを有している。
【0007】
光源111は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された一対の電極111aと、電極111a間の空隙とこの空隙を挟む電極111aの一部を囲む透明なバルブ111cとを有している。
【0008】
反射鏡113は、光軸L0を軸とした回転放物面の一部である反射面113aを有している。反射面113aは、光源111から発した光を光軸L0の図中右側に反射し、光源装置110から平行な光束として出射する。
【0009】
光源装置110から出射された光束は、略円形状の断面を有している。ただし、前記円形の中心付近は、光源111の電極111aに遮られ、影になる。
【0010】
フライアイレンズ系130は、第1のフライアイレンズ131と、第2のフライアイレンズ133との対からなり、光源装置110から入射された光束の照度のむらを低減して均一にする。すなわち、図8(b)に示すように光源装置110から出射された光束は略円形状の断面を有し、光軸L0に垂直な面内で照度のむら、及び光源111のゆらぎが大きいが、フライアイレンズ系130とフィールドレンズ系140からなるインテグレータ系により所定範囲内で照度の分布を平均して均一にする。
【0011】
図9は、従来の偏光分離変換器120の構成を示す一部拡大図である。
【0012】
偏光分離変換器120は、断面が平行四辺形のプリズム121を並べて板状に張り合わせてなる。偏光分離変換器120の入射側の面125において、一つおきのプリズム121の入射側の面には光を遮るマスク121が形成されている。偏光分離変換器120の出射側の面127において、マスク122が形成されていないプリズム121の出射側の面には1/2波長板123が形成されている。
【0013】
フライアイレンズ系130から偏光分離変換器120に入射する無偏光の光束は、P偏光とS偏光の重ね合わせである。この光束は、第2のフライアイレンズ133によって、偏光分離変換器120の入射側の面120においてマスク122が形成されていないプリズム121に集光されて入射される。
【0014】
偏光分離変換器120に入射したP偏光は、偏光分離器120をそのまま透過する。偏光分離器120に入射したS偏光は、プリズム121で2回反射され、1/2波長板123によってP偏光に変換される。したがって、偏光分離変換器120に入射された無偏光の光束は、偏光分離変換器120からP偏光となって出射される。
【0015】
フィールドレンズ系140は、第1のレンズ141及び第2のレンズ142からなり、第1及び第2のレンズ141,142の合成焦点距離よりフライアイレンズ130,131の各セルの結像倍率が決定され、照明領域の光束径を決定している。
【0016】
このように光源装置110からフィールドレンズ系140に至るまでの光路を経て、P偏光のみからなる光束が空間光変調素子145に入射される。
【0017】
ここで、フィールドレンズ系140の合成焦点距離はFであり、空間光変調素子145の入射面において入射する光束と光軸L0のなす最大角度は偏光分離変換器120を透過する光束径より容易に計算されるθである。
【0018】
空間光変調素子145は、2次元配列した複数のピクセルによってなり、各ピクセルについて透過する光を変調し、出力画像を制御する。
【0019】
ここで、従来の偏光分離変換器120においては、P偏光の光路長とS偏光の光路長は異なっている。すなわち、偏光分離変換器120に入射したP偏光がそのまま透過するのに対し、P偏光は偏光分離変換器120内で2回反射しているのでそれだけ光路が長くなっている。
【0020】
このため、偏光分離変換器120に入射したP偏光及びS偏光の空間光変調素子145における照明領域の大きさが異なることになる。すなわち、光路の長いS偏光のほうが空間光変調素子145において照明領域が小さくなる。
【0021】
したがって、照明領域の小さい方のS偏光を基準にするとP偏光の照明領域は大きくなりすぎて照明効率の低下を招き、照明領域の大きいP偏光を基準にするとS偏光の照明領域は小さくなりすぎて照明領域の照度分布が不均一になってしまう。
【0022】
さらに、従来の偏光分離変換器120は、フライアイレンズ系130を構成する第2のフライアイレンズ133の各セグメントに結像される光源の像を偏光分離している。この偏光分離変換器120は、第2のフライアイレンズ133の各セグメントを偏光分離変換器120を構成するプリズム121の配列に対して1/2のピッチ、すなわち一つおきに配列させることにより、各セグメントを透過した光が一つおきのプリズム121に入射するようになしている。このような構成により、第2のフライアイレンズ133の各セグメントは、偏光分離変換器120により領域を制限されることにより、照明効率の低下を招いている。
【0023】
このような、従来の偏光分離変換器120に由来する照度分布の不均一、照明効率の低下に対応する技術が開示されている(特許文献1参照。)。
【0024】
【特許文献1】
特開平11−174372号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プロジェクタ装置においては、スクリーンに投影する画像を生成するために、前述した偏光分離、さらには色分解・合成などの処理を行っている。
【0026】
具体的には、硝材に誘電体多層膜を蒸着したプリズムを用いるのが一般的であり、入射(透過)光線の入射角毎にその特性が設計された膜付けが施されている。したがって、これらの特性は、光束のFナンバーに依存しており、Fナンバーが小さい程、膜入射角が大きくなるため、膜設計が複雑及び困難になり、偏光分離性能及び色分解・合成性能を低下させる。
【0027】
偏光分離性能が低下すると、コントラストが低下したり、色分解・合成性能が低下し、色再現性が悪くなる等、画質劣化を招く。このため、偏光分離性能、色分解・合成の性能を確保するためには、光源装置において光束径を小さくすることで光学系のFナンバーを大きくすることが必要である。
【0028】
本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、空間光変調素子に光束を供給するものであって、Fナンバーを大きくした照明装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、光源と、前記光源の一方の側に設けられ、前記光源からの光を反射して平行光束として出射する第1の反射手段と、前記光源の他方の側に設けられ、前記光源からの光を前記光源に戻すように反射し、この反射した光が前記第1の反射手段によって前記平行光束として反射されるようにする第2の反射手段と、前記第1の反射手段から出射された光束の内、第1の直線偏光を透過して第1の光束として出射し、前記第1の直線偏光と直交する第2の直線偏光を反射する偏光分離手段と、前記偏光分離手段で反射された第2の直線偏光を反射して前記第1の光束の進行方向に第2の光束として出射する反射手段と、前記第1又は第2の光束のいずれか一方の光路に配置された、前記第1及び第2の直線偏光を相互に変換する偏光変換手段と、前記第1及び第2の光束の光路であって、前記偏光変換手段の後段に配置された、光束の照度の分布を平均化する平均化手段と、を有する。
【0030】
好ましくは、前記反射面は、回転放物面又は回転楕円面を含む。好ましくは、前記反射面は、回転放物面又は回転楕円面を所定の面で切断した開口を有する。
【0031】
好ましくは、前記第2の反射手段は、トロイダル形状の反射面を含む。好ましくは、前記反射面はトロイダル面を所定の面で切断した開口を有する。
【0032】
好ましくは、前記偏光分離手段は偏光ビームスプリッタであり、前記反射手段は直角プリズムであり、前記偏光変換手段は1/2波長板である。
【0033】
本発明によると、光源装置からは第1の反射手段により反射された断面が略半円状の光束が出射される。したがって、この光源装置を備える本発明に係る照明装置においては、Fナンバーが大きくなっている。
【0034】
このように、本発明の照明装置ではFナンバーが大きいので、空間光変調素子に入射する光束と空間光変調素子の入射面の法線(光軸)のなす最大角を小さくすることができる。したがって、本発明では一定の偏光分離性能を確保することができ、さらには、一定のコントラスト、色分解・合成性能も確保することができる。
【0035】
また、本発明によると、偏光分離手段、反射手段及び偏光変換手段(以下、偏光分離変換手段という。)の後段に光束の照度のむらを均一にする平均化手段としてのインテグレータ系が設けられているので、照度の不均一が低減される。
【0036】
好ましくは、前記平均化手段は、フライアイレンズ系とフィールドレンズ系からなる。
【0037】
さらに、本発明によると、前記偏光分離変換手段の入射する光束の全てを分離及び変換することができるので一定の照明効率を確保することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る照明装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
本実施の形態の照明装置は、画像をスクリーンに投影するプロジェクタ装置において、画像を変調する液晶表示素子などの空間光変調素子に光束を供給するものである。
【0040】
図1は、本実施の形態の照明装置の光学系を示すものであり、光学系を光軸L0を含む面で切断した断面図(以下、横断面図という。)である。ただし、この図は照明装置を構成する各光学部材の作用を示すためのものであり、照明装置において各光学部材が直線上に配置される必要はない。
【0041】
照明装置は、光源11、光源11の一方の側に設けられ、光源11からの光を反射して平行光束として出射する第1の反射鏡(第1の反射手段)13、及び前記光源11の他方の側に設けられ、光源11からの光を光源11に戻すように反射し、この反射した光が第1の反射鏡13によって平行光束として反射されるようにする第2の反射鏡(第2の反射手段)15からなる光源装置10と、光源装置10から入射された無偏光の光束を分離してP波に変換する偏光分離変換器20と、偏光分離変換器20から入射された光を平均化して均一にするフライアイレンズ系30と、フライアイレンズ系30から入射された光束を収束させるフィールドレンズ41とを有している。これらフライアイレンズ系30とフィールドレンズ41は照度のむらを平均化する平均化手段を構成している。フィールドレンズ41で収束された光束は、空間光変調素子43に入射される。
【0042】
本実施の形態では、光源装置10は断面が略半円状の光束を出射し、偏光分離変換器20は光源装置10から入射された無偏光の光束をP偏光に変換し、フライアイレンズ系30は偏光分離変換装置20から入射された照度のむらのある光束を均一にし、フィールドレンズ41はインレグレータ30から出射された光束を空間光変調素子43に収束して照射する。
【0043】
図2は、光源装置10の構成を示す図である。図2(a)は光源装置10の横断面図であり、図2(b)は光源装置10から出射された光束を光軸L0に垂直な面で切断した断面図(以下、縦断面図という。)である。
【0044】
光源装置10は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された電極11a間にアーク11dを発生する光源11と、光源11から出射された光を光軸L0に沿って図中右側に反射する回転放物面状の反射面13aを有する第1の反射鏡(第1の反射手段)13と、光源11から発した光を光源11に向けて反射する反射面15aを有する第2の反射鏡(第2の反射手段)15とを有している。
【0045】
第1の反射鏡13と第2の反射鏡15は、光軸L0を含む面について反対側に配置されている。すなわち、光源11を含む光軸L0の一方の側に第1の反射鏡13が配置され、他方の側に第2の反射鏡15が配置されている。
【0046】
光源装置10は、光軸L0に沿って図中に、第1の反射面13aで反射した光を出射するので、光源装置10から出射された光束は、略半円状の断面を有する。したがって、光源装置10から出射される光束の断面は、横方向に比べて縦方向の寸法が1/2である。なお、前記半円の中心付近は、光源11の電極11aに遮られ、影となっている。
【0047】
本実施の形態では、光源装置10の出射する光束は、円状の断面を有する光束と比べると縦方向の口径が1/2になっている。したがって、本実施の形態では、光源装置10の口径を小さくすることによりFナンバーを大きくすることができるといえる。
【0048】
また、Fナンバーを大きくすることにより、本実施の形態の照明装置から空間光変調素子43に入射する光束の空間光変調素子43の入射面の法線(光軸)となす最大角を低減することができ、偏光板、偏光ビームスプリッタ等による偏光分離性能の向上を図ることができる。これにより、コントラスト、色分解・合成の性能も向上する。
【0049】
図3は、光源11の構成をさらに詳細に示す図である。図3(a)は横断面図であり、図3(b)は光源11の一部拡大横断面図であり、図3(c)は光源11の縦断面図である。
【0050】
光源11は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された一対の電極11aと、電極11a間の空隙と電極11aの一部を囲む軸L0について軸対称な形状を有する石英のバルブ11cとを有している。石英バルブ11c内には、発光物質として、例えば希土類ハロゲン化物、キセノン、水銀等を含む封入物が高圧で格納されている。電極11a間の空隙にて、アーク11dを発生させると、それによりバルブ11c内の封入物が励起され、各物質の発光スペクトルに応じた光を発光する。
【0051】
バルブ11cは、光軸L0に垂直な面内の第1の曲率と、光軸L0を含む面内の第2の曲率とを有する回転体であり、これら第1及び第2の曲率は互いに異なる。
【0052】
具体的には、光源11には、例えばキセノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプを用いることができる。
【0053】
図4は、第1の反射鏡13を示す図である。図4(a)は反射鏡13の横断面図であり、図4(b)は反射鏡13の右側面図である。
【0054】
第1の反射鏡13は、光軸L0について軸対称な形状を有する回転放物面の一部であり、光源11から発した光を光軸L0の図中右側に向けて反射する反射面13aを有している。反射面13aは、光軸L0を軸とする回転放物面を回転対称軸となる光軸L0に平行及び垂直な面でそれぞれ切断した開口を有している。すなわち、反射面13aは、前記回転放物面を光軸L0に垂直な面Vで切断し、さらに光軸L0を含む面(又は平行な面)Hで切断したものの一つである。
【0055】
図5は、第2の反射鏡15を示す図である。図5(a)は第2の反射鏡15の正面図であり、図5(b)は第2の反射鏡15の右側面図である。
【0056】
第2の反射鏡15は、光源11から発した光を光源11に向かって反射する反射面15aを有している。反射面15aは、光源11のアーク11dから発した光を反射して光源のアーク11dに結像する。
【0057】
反射面15aは、光軸L0を軸とした回転対称面の一部である。すなわち、第2の反射鏡15の反射面15aは、光軸L0に垂直な面内の第1の曲率R1と、光軸L0を含む面内の第2の曲率R2との2つの曲率を有するトロイダル面を、回転対称軸に平行な面で切断した開口を有している。第1及び第2の曲率R1,R2は互いに異なる。図中のOは、曲率半径R2の中心を示している。なお、反射面15は、トロイダル面に代わって回転楕円面とすることもできる。
【0058】
第2の反射鏡15で反射した光を結像する光源11のアーク11dは、厚みtを有するバルブ11cに囲まれている。したがって、反射面15aの第1及び第2の曲率R1,R2は、バルブ11cの厚みtに由来するレンズ効果を考慮に入れて定められる。
【0059】
図6は、作用を説明する図である。図6(a)は偏光分離変換器20の作用を示す図である。図6(b)は、偏光分離変換器20を透過したP偏光の光束の縦断面図である。図6(c)は、偏光分離変換器20でS偏光からP偏光に変換された光束の縦断面図である。
【0060】
偏光分離変換器20は、P偏光を透過するがS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ(偏光分離手段)23と、偏光ビームスプリッタ23で反射されたS偏光を偏光ビームスプリッタ23を透過したP偏光方向に反射する直角プリズム(反射手段)25と、直角プリズム25で反射されたS偏光をP偏光に変換する1/2波長板(偏光変換手段)27とを有している。
【0061】
光源装置10から偏光分離変換器20に入射された光束は、偏光ビームスプリッタ23によってP偏光とS偏光に分離される。すなわち、光源装置10から偏光分離変換器20に入射した無偏光の光束のうち、P偏光は偏光ビームスプリッタ23を透過し、偏光分離変換器20から出射される(第1の光束)。一方、偏光分離変換器20に入射したS偏光は、偏光ビームスプリッタ23によって反射され、略90度方向を変えられる。
【0062】
さらに、偏光ビームスプリッタ23で反射されたS偏光は、直角プリズム25によって反射され、偏光分離変換器20を透過したP偏光方向に略90度方向を変えられ、偏光分離変換器20を透過したP波と同じ方向に出射される(第2の光束)。プリズム25から出射されたS偏光は、1/2波長板27によって、S偏光からP偏光に変換される。
【0063】
本実施の形態では、偏光分離変換器20に入射された光束は、全て分離及び変換される。したがって、本実施の形態の照明装置では、一定の照明効率を確保している。
【0064】
偏光分離変換器20から出射された光束は、図6(b)及び図6(c)に示すように半円を二つ並べたような断面を有し、光軸に垂直な面内で照度のむらを有する。本実施の形態では、光束を均一にするフライアイレンズ系は偏光分離変換器20の後段に設けられているので、照明装置から出射される光束の照度の不均一な分布は平均化により均一になっている。
【0065】
なお、上述の実施の形態は本発明の一具体例を示すものであって本発明はこれに限定されない。本技術分野に属する専門家には、本発明を逸脱しない範囲において、前記実施の形態に適宜変更を加えることができることは明らかであろう。
【0066】
【発明の効果】
本発明によると、大きいFナンバーを有する光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の照明装置の光学系を示すものである。
【図2】光学装置の構成を示すものである。
【図3】光源の構成を示す図である。
【図4】第1の反射鏡を示す図である。
【図5】第2の反射鏡を示す図である。
【図6】偏光分離変換器を説明する図である。
【図7】従来の照明装置における光学系の構成を示す図である。
【図8】従来の光源装置の構成を示す図である。
【図9】従来の偏光分離変換器の構成を示す一部拡大図である。
【符号の説明】
10 光源装置
11 光源
13 第1の反射鏡
15 第2の反射鏡
20 偏光分離変換器
23 偏光ビームスプリッタ
25 プリズム
30 フライアイレンズ系
31 第1のフライアイレンズ
33 第2のフライアイレンズ
41 フィールドレンズ
43 空間光変調素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子などの空間光変調素子に光束を供給する照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スクリーンに液晶表示素子などの空間光変調素子で変調した画像を投影するプロジェクタ装置が提供され、例えばプレゼンテーションのような用途に広く普及している。プロジェクタ装置は、画像を変調する空間光変調素子のほかに、空間光変調素子に光束を供給する照明装置を含む光学系を有している。
【0003】
図7は、従来の照明装置における光学系の構成を示す図である。図は、照明装置を構成する各光学部材の作用を示すものであり、照明装置においては光学部材が一直線上に配置される必要はない。
【0004】
照明装置は、平行な光束を出射する光源装置110と、光源装置110から入射した光束を均一にするフライアイレンズ系130と、フライアイレンズ系130から入射された無偏光の光束を分離して直線偏光に変換する偏光分離変換器120と、偏光分離変換器120で変換された直線偏光の光束を集光する集光光学系140とを有している。フライアイレンズ系130及び偏光分離変換器120からの光束は、集光光学系140により、空間光変調素子145に集光される。
【0005】
図8は、従来の光源装置110の構成を示す図である。図8(a)は光源装置110を光軸L0を含む面で切断した断面図であり、図8(b)は光源装置110から出射された光束を光軸L0に垂直な面で切断した断面図である。
【0006】
光源装置110は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された電極111a間にアーク111dを発生する例えばメタルハライドランプのような光源111と、光源111から出射された光を光軸L0に沿って図中右側に反射する反射面113aを有する反射鏡113とを有している。
【0007】
光源111は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された一対の電極111aと、電極111a間の空隙とこの空隙を挟む電極111aの一部を囲む透明なバルブ111cとを有している。
【0008】
反射鏡113は、光軸L0を軸とした回転放物面の一部である反射面113aを有している。反射面113aは、光源111から発した光を光軸L0の図中右側に反射し、光源装置110から平行な光束として出射する。
【0009】
光源装置110から出射された光束は、略円形状の断面を有している。ただし、前記円形の中心付近は、光源111の電極111aに遮られ、影になる。
【0010】
フライアイレンズ系130は、第1のフライアイレンズ131と、第2のフライアイレンズ133との対からなり、光源装置110から入射された光束の照度のむらを低減して均一にする。すなわち、図8(b)に示すように光源装置110から出射された光束は略円形状の断面を有し、光軸L0に垂直な面内で照度のむら、及び光源111のゆらぎが大きいが、フライアイレンズ系130とフィールドレンズ系140からなるインテグレータ系により所定範囲内で照度の分布を平均して均一にする。
【0011】
図9は、従来の偏光分離変換器120の構成を示す一部拡大図である。
【0012】
偏光分離変換器120は、断面が平行四辺形のプリズム121を並べて板状に張り合わせてなる。偏光分離変換器120の入射側の面125において、一つおきのプリズム121の入射側の面には光を遮るマスク121が形成されている。偏光分離変換器120の出射側の面127において、マスク122が形成されていないプリズム121の出射側の面には1/2波長板123が形成されている。
【0013】
フライアイレンズ系130から偏光分離変換器120に入射する無偏光の光束は、P偏光とS偏光の重ね合わせである。この光束は、第2のフライアイレンズ133によって、偏光分離変換器120の入射側の面120においてマスク122が形成されていないプリズム121に集光されて入射される。
【0014】
偏光分離変換器120に入射したP偏光は、偏光分離器120をそのまま透過する。偏光分離器120に入射したS偏光は、プリズム121で2回反射され、1/2波長板123によってP偏光に変換される。したがって、偏光分離変換器120に入射された無偏光の光束は、偏光分離変換器120からP偏光となって出射される。
【0015】
フィールドレンズ系140は、第1のレンズ141及び第2のレンズ142からなり、第1及び第2のレンズ141,142の合成焦点距離よりフライアイレンズ130,131の各セルの結像倍率が決定され、照明領域の光束径を決定している。
【0016】
このように光源装置110からフィールドレンズ系140に至るまでの光路を経て、P偏光のみからなる光束が空間光変調素子145に入射される。
【0017】
ここで、フィールドレンズ系140の合成焦点距離はFであり、空間光変調素子145の入射面において入射する光束と光軸L0のなす最大角度は偏光分離変換器120を透過する光束径より容易に計算されるθである。
【0018】
空間光変調素子145は、2次元配列した複数のピクセルによってなり、各ピクセルについて透過する光を変調し、出力画像を制御する。
【0019】
ここで、従来の偏光分離変換器120においては、P偏光の光路長とS偏光の光路長は異なっている。すなわち、偏光分離変換器120に入射したP偏光がそのまま透過するのに対し、P偏光は偏光分離変換器120内で2回反射しているのでそれだけ光路が長くなっている。
【0020】
このため、偏光分離変換器120に入射したP偏光及びS偏光の空間光変調素子145における照明領域の大きさが異なることになる。すなわち、光路の長いS偏光のほうが空間光変調素子145において照明領域が小さくなる。
【0021】
したがって、照明領域の小さい方のS偏光を基準にするとP偏光の照明領域は大きくなりすぎて照明効率の低下を招き、照明領域の大きいP偏光を基準にするとS偏光の照明領域は小さくなりすぎて照明領域の照度分布が不均一になってしまう。
【0022】
さらに、従来の偏光分離変換器120は、フライアイレンズ系130を構成する第2のフライアイレンズ133の各セグメントに結像される光源の像を偏光分離している。この偏光分離変換器120は、第2のフライアイレンズ133の各セグメントを偏光分離変換器120を構成するプリズム121の配列に対して1/2のピッチ、すなわち一つおきに配列させることにより、各セグメントを透過した光が一つおきのプリズム121に入射するようになしている。このような構成により、第2のフライアイレンズ133の各セグメントは、偏光分離変換器120により領域を制限されることにより、照明効率の低下を招いている。
【0023】
このような、従来の偏光分離変換器120に由来する照度分布の不均一、照明効率の低下に対応する技術が開示されている(特許文献1参照。)。
【0024】
【特許文献1】
特開平11−174372号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プロジェクタ装置においては、スクリーンに投影する画像を生成するために、前述した偏光分離、さらには色分解・合成などの処理を行っている。
【0026】
具体的には、硝材に誘電体多層膜を蒸着したプリズムを用いるのが一般的であり、入射(透過)光線の入射角毎にその特性が設計された膜付けが施されている。したがって、これらの特性は、光束のFナンバーに依存しており、Fナンバーが小さい程、膜入射角が大きくなるため、膜設計が複雑及び困難になり、偏光分離性能及び色分解・合成性能を低下させる。
【0027】
偏光分離性能が低下すると、コントラストが低下したり、色分解・合成性能が低下し、色再現性が悪くなる等、画質劣化を招く。このため、偏光分離性能、色分解・合成の性能を確保するためには、光源装置において光束径を小さくすることで光学系のFナンバーを大きくすることが必要である。
【0028】
本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、空間光変調素子に光束を供給するものであって、Fナンバーを大きくした照明装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、光源と、前記光源の一方の側に設けられ、前記光源からの光を反射して平行光束として出射する第1の反射手段と、前記光源の他方の側に設けられ、前記光源からの光を前記光源に戻すように反射し、この反射した光が前記第1の反射手段によって前記平行光束として反射されるようにする第2の反射手段と、前記第1の反射手段から出射された光束の内、第1の直線偏光を透過して第1の光束として出射し、前記第1の直線偏光と直交する第2の直線偏光を反射する偏光分離手段と、前記偏光分離手段で反射された第2の直線偏光を反射して前記第1の光束の進行方向に第2の光束として出射する反射手段と、前記第1又は第2の光束のいずれか一方の光路に配置された、前記第1及び第2の直線偏光を相互に変換する偏光変換手段と、前記第1及び第2の光束の光路であって、前記偏光変換手段の後段に配置された、光束の照度の分布を平均化する平均化手段と、を有する。
【0030】
好ましくは、前記反射面は、回転放物面又は回転楕円面を含む。好ましくは、前記反射面は、回転放物面又は回転楕円面を所定の面で切断した開口を有する。
【0031】
好ましくは、前記第2の反射手段は、トロイダル形状の反射面を含む。好ましくは、前記反射面はトロイダル面を所定の面で切断した開口を有する。
【0032】
好ましくは、前記偏光分離手段は偏光ビームスプリッタであり、前記反射手段は直角プリズムであり、前記偏光変換手段は1/2波長板である。
【0033】
本発明によると、光源装置からは第1の反射手段により反射された断面が略半円状の光束が出射される。したがって、この光源装置を備える本発明に係る照明装置においては、Fナンバーが大きくなっている。
【0034】
このように、本発明の照明装置ではFナンバーが大きいので、空間光変調素子に入射する光束と空間光変調素子の入射面の法線(光軸)のなす最大角を小さくすることができる。したがって、本発明では一定の偏光分離性能を確保することができ、さらには、一定のコントラスト、色分解・合成性能も確保することができる。
【0035】
また、本発明によると、偏光分離手段、反射手段及び偏光変換手段(以下、偏光分離変換手段という。)の後段に光束の照度のむらを均一にする平均化手段としてのインテグレータ系が設けられているので、照度の不均一が低減される。
【0036】
好ましくは、前記平均化手段は、フライアイレンズ系とフィールドレンズ系からなる。
【0037】
さらに、本発明によると、前記偏光分離変換手段の入射する光束の全てを分離及び変換することができるので一定の照明効率を確保することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る照明装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
本実施の形態の照明装置は、画像をスクリーンに投影するプロジェクタ装置において、画像を変調する液晶表示素子などの空間光変調素子に光束を供給するものである。
【0040】
図1は、本実施の形態の照明装置の光学系を示すものであり、光学系を光軸L0を含む面で切断した断面図(以下、横断面図という。)である。ただし、この図は照明装置を構成する各光学部材の作用を示すためのものであり、照明装置において各光学部材が直線上に配置される必要はない。
【0041】
照明装置は、光源11、光源11の一方の側に設けられ、光源11からの光を反射して平行光束として出射する第1の反射鏡(第1の反射手段)13、及び前記光源11の他方の側に設けられ、光源11からの光を光源11に戻すように反射し、この反射した光が第1の反射鏡13によって平行光束として反射されるようにする第2の反射鏡(第2の反射手段)15からなる光源装置10と、光源装置10から入射された無偏光の光束を分離してP波に変換する偏光分離変換器20と、偏光分離変換器20から入射された光を平均化して均一にするフライアイレンズ系30と、フライアイレンズ系30から入射された光束を収束させるフィールドレンズ41とを有している。これらフライアイレンズ系30とフィールドレンズ41は照度のむらを平均化する平均化手段を構成している。フィールドレンズ41で収束された光束は、空間光変調素子43に入射される。
【0042】
本実施の形態では、光源装置10は断面が略半円状の光束を出射し、偏光分離変換器20は光源装置10から入射された無偏光の光束をP偏光に変換し、フライアイレンズ系30は偏光分離変換装置20から入射された照度のむらのある光束を均一にし、フィールドレンズ41はインレグレータ30から出射された光束を空間光変調素子43に収束して照射する。
【0043】
図2は、光源装置10の構成を示す図である。図2(a)は光源装置10の横断面図であり、図2(b)は光源装置10から出射された光束を光軸L0に垂直な面で切断した断面図(以下、縦断面図という。)である。
【0044】
光源装置10は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された電極11a間にアーク11dを発生する光源11と、光源11から出射された光を光軸L0に沿って図中右側に反射する回転放物面状の反射面13aを有する第1の反射鏡(第1の反射手段)13と、光源11から発した光を光源11に向けて反射する反射面15aを有する第2の反射鏡(第2の反射手段)15とを有している。
【0045】
第1の反射鏡13と第2の反射鏡15は、光軸L0を含む面について反対側に配置されている。すなわち、光源11を含む光軸L0の一方の側に第1の反射鏡13が配置され、他方の側に第2の反射鏡15が配置されている。
【0046】
光源装置10は、光軸L0に沿って図中に、第1の反射面13aで反射した光を出射するので、光源装置10から出射された光束は、略半円状の断面を有する。したがって、光源装置10から出射される光束の断面は、横方向に比べて縦方向の寸法が1/2である。なお、前記半円の中心付近は、光源11の電極11aに遮られ、影となっている。
【0047】
本実施の形態では、光源装置10の出射する光束は、円状の断面を有する光束と比べると縦方向の口径が1/2になっている。したがって、本実施の形態では、光源装置10の口径を小さくすることによりFナンバーを大きくすることができるといえる。
【0048】
また、Fナンバーを大きくすることにより、本実施の形態の照明装置から空間光変調素子43に入射する光束の空間光変調素子43の入射面の法線(光軸)となす最大角を低減することができ、偏光板、偏光ビームスプリッタ等による偏光分離性能の向上を図ることができる。これにより、コントラスト、色分解・合成の性能も向上する。
【0049】
図3は、光源11の構成をさらに詳細に示す図である。図3(a)は横断面図であり、図3(b)は光源11の一部拡大横断面図であり、図3(c)は光源11の縦断面図である。
【0050】
光源11は、光軸L0に沿って所定間隔を有して配置された一対の電極11aと、電極11a間の空隙と電極11aの一部を囲む軸L0について軸対称な形状を有する石英のバルブ11cとを有している。石英バルブ11c内には、発光物質として、例えば希土類ハロゲン化物、キセノン、水銀等を含む封入物が高圧で格納されている。電極11a間の空隙にて、アーク11dを発生させると、それによりバルブ11c内の封入物が励起され、各物質の発光スペクトルに応じた光を発光する。
【0051】
バルブ11cは、光軸L0に垂直な面内の第1の曲率と、光軸L0を含む面内の第2の曲率とを有する回転体であり、これら第1及び第2の曲率は互いに異なる。
【0052】
具体的には、光源11には、例えばキセノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプを用いることができる。
【0053】
図4は、第1の反射鏡13を示す図である。図4(a)は反射鏡13の横断面図であり、図4(b)は反射鏡13の右側面図である。
【0054】
第1の反射鏡13は、光軸L0について軸対称な形状を有する回転放物面の一部であり、光源11から発した光を光軸L0の図中右側に向けて反射する反射面13aを有している。反射面13aは、光軸L0を軸とする回転放物面を回転対称軸となる光軸L0に平行及び垂直な面でそれぞれ切断した開口を有している。すなわち、反射面13aは、前記回転放物面を光軸L0に垂直な面Vで切断し、さらに光軸L0を含む面(又は平行な面)Hで切断したものの一つである。
【0055】
図5は、第2の反射鏡15を示す図である。図5(a)は第2の反射鏡15の正面図であり、図5(b)は第2の反射鏡15の右側面図である。
【0056】
第2の反射鏡15は、光源11から発した光を光源11に向かって反射する反射面15aを有している。反射面15aは、光源11のアーク11dから発した光を反射して光源のアーク11dに結像する。
【0057】
反射面15aは、光軸L0を軸とした回転対称面の一部である。すなわち、第2の反射鏡15の反射面15aは、光軸L0に垂直な面内の第1の曲率R1と、光軸L0を含む面内の第2の曲率R2との2つの曲率を有するトロイダル面を、回転対称軸に平行な面で切断した開口を有している。第1及び第2の曲率R1,R2は互いに異なる。図中のOは、曲率半径R2の中心を示している。なお、反射面15は、トロイダル面に代わって回転楕円面とすることもできる。
【0058】
第2の反射鏡15で反射した光を結像する光源11のアーク11dは、厚みtを有するバルブ11cに囲まれている。したがって、反射面15aの第1及び第2の曲率R1,R2は、バルブ11cの厚みtに由来するレンズ効果を考慮に入れて定められる。
【0059】
図6は、作用を説明する図である。図6(a)は偏光分離変換器20の作用を示す図である。図6(b)は、偏光分離変換器20を透過したP偏光の光束の縦断面図である。図6(c)は、偏光分離変換器20でS偏光からP偏光に変換された光束の縦断面図である。
【0060】
偏光分離変換器20は、P偏光を透過するがS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ(偏光分離手段)23と、偏光ビームスプリッタ23で反射されたS偏光を偏光ビームスプリッタ23を透過したP偏光方向に反射する直角プリズム(反射手段)25と、直角プリズム25で反射されたS偏光をP偏光に変換する1/2波長板(偏光変換手段)27とを有している。
【0061】
光源装置10から偏光分離変換器20に入射された光束は、偏光ビームスプリッタ23によってP偏光とS偏光に分離される。すなわち、光源装置10から偏光分離変換器20に入射した無偏光の光束のうち、P偏光は偏光ビームスプリッタ23を透過し、偏光分離変換器20から出射される(第1の光束)。一方、偏光分離変換器20に入射したS偏光は、偏光ビームスプリッタ23によって反射され、略90度方向を変えられる。
【0062】
さらに、偏光ビームスプリッタ23で反射されたS偏光は、直角プリズム25によって反射され、偏光分離変換器20を透過したP偏光方向に略90度方向を変えられ、偏光分離変換器20を透過したP波と同じ方向に出射される(第2の光束)。プリズム25から出射されたS偏光は、1/2波長板27によって、S偏光からP偏光に変換される。
【0063】
本実施の形態では、偏光分離変換器20に入射された光束は、全て分離及び変換される。したがって、本実施の形態の照明装置では、一定の照明効率を確保している。
【0064】
偏光分離変換器20から出射された光束は、図6(b)及び図6(c)に示すように半円を二つ並べたような断面を有し、光軸に垂直な面内で照度のむらを有する。本実施の形態では、光束を均一にするフライアイレンズ系は偏光分離変換器20の後段に設けられているので、照明装置から出射される光束の照度の不均一な分布は平均化により均一になっている。
【0065】
なお、上述の実施の形態は本発明の一具体例を示すものであって本発明はこれに限定されない。本技術分野に属する専門家には、本発明を逸脱しない範囲において、前記実施の形態に適宜変更を加えることができることは明らかであろう。
【0066】
【発明の効果】
本発明によると、大きいFナンバーを有する光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の照明装置の光学系を示すものである。
【図2】光学装置の構成を示すものである。
【図3】光源の構成を示す図である。
【図4】第1の反射鏡を示す図である。
【図5】第2の反射鏡を示す図である。
【図6】偏光分離変換器を説明する図である。
【図7】従来の照明装置における光学系の構成を示す図である。
【図8】従来の光源装置の構成を示す図である。
【図9】従来の偏光分離変換器の構成を示す一部拡大図である。
【符号の説明】
10 光源装置
11 光源
13 第1の反射鏡
15 第2の反射鏡
20 偏光分離変換器
23 偏光ビームスプリッタ
25 プリズム
30 フライアイレンズ系
31 第1のフライアイレンズ
33 第2のフライアイレンズ
41 フィールドレンズ
43 空間光変調素子
Claims (1)
- 光源と、
前記光源の一方の側に設けられ、前記光源からの光を反射して平行光束として出射する第1の反射手段と、
前記光源の他方の側に設けられ、前記光源からの光を前記光源に戻すように反射し、この反射した光が前記第1の反射手段によって前記平行光束として反射されるようにする第2の反射手段と、
前記第1の反射手段から出射された光束の内、第1の直線偏光を透過して第1の光束として出射し、前記第1の直線偏光と直交する第2の直線偏光を反射する偏光分離手段と、
前記偏光分離手段で反射された第2の直線偏光を反射して前記第1の光束の進行方向に第2の光束として出射する反射手段と、
前記第1又は第2の光束のいずれか一方の光路に配置された、前記第1及び第2の直線偏光を相互に変換する偏光変換手段と、
前記第1及び第2の光束の光路であって、前記偏光変換手段の後段に配置された、光束の照度の分布を平均化する平均化手段と、
を有することを特徴とする照明装置。
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- 2002-11-19 JP JP2002335405A patent/JP2004170630A/ja active Pending
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