JP2004170510A - 自動測距装置及びそれを用いた電子カメラ - Google Patents
自動測距装置及びそれを用いた電子カメラ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】専用AFセンサを、その画素の走査方向を撮像素子の画素の水平走査方向に交差するように配置して、撮像素子の水平走査出力を用いる山登りコントラストAF法では正確な距離情報が得られない状態でも、正確且つ高速に距離情報が得られるようにした自動測距装置及びそれを用いた電子カメラを提供する。
【解決手段】フォーカシング用のレンズを含む撮影レンズ1と、撮影レンズの通過光を受光する撮像素子2と、撮像素子の画素の水平走査による出力から距離情報を求める距離評価値演算回路3と、撮像素子の水平走査方向と交差する走査方向をもつように配置した専用AFセンサ4と、距離評価値演算回路からの出力と専用AFセンサからの出力の一方を選択し、撮影レンズを構成するフォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する制御信号処理回路5とで自動測距装置を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】フォーカシング用のレンズを含む撮影レンズ1と、撮影レンズの通過光を受光する撮像素子2と、撮像素子の画素の水平走査による出力から距離情報を求める距離評価値演算回路3と、撮像素子の水平走査方向と交差する走査方向をもつように配置した専用AFセンサ4と、距離評価値演算回路からの出力と専用AFセンサからの出力の一方を選択し、撮影レンズを構成するフォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する制御信号処理回路5とで自動測距装置を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮影画像のコントラストに基づく合焦位置を検出するコントラストAFと、外部測距センサ(専用AFセンサ)によるAFとを選択的に用いるようにした撮像装置に用いられる自動測距装置、及びそれを用いた電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−255456号公報
【0003】
近年、画像信号処理のディジタル化及び画像信号圧縮技術の進歩に伴い、撮像した画像信号をディジタル化してメモリに記憶可能にしたデジタルカメラ等の電子カメラが注目されている。このような電子カメラにおいては、撮影画像の品質を決める一機構として自動測距装置を備えている。そして、さまざまな撮影条件で正確に合焦した撮影画像を得るため、またレンズを高速に合焦位置に移動するため、自動測距装置に関して従来より数多くの提案がなされている。従来から提案され広く普及している自動測距装置の一つに、山登りコントラスト法(コントラストAF)がある。次に山登りコントラスト法を、図6の(A)〜(D)を用いて説明する。
【0004】
山登りコントラスト法による自動測距装置は、図6の(A)に示すように、フォーカシング用に移動するレンズを含む撮影レンズ101 と、撮像素子102 と、該撮像素子102 の出力から距離情報を求める距離評価値演算回路103 と、該距離評価値演算回路103 の出力に基づいて、前記フォーカシング用に移動するレンズを含む撮影レンズ101 の位置を制御する信号を生成する制御信号処理回路104 とで構成されている。この方式の自動測距装置の構成要素の一つである距離評価値演算回路103 は、図6の(B)に示すように、高域通過フィルタ111 と、該高域通過フィルタ111 の出力を数値化する数値化演算回路112 と、信号選択回路とメモリを有するコントロール部113 とで構成されている。
【0005】
このように構成された自動測距装置において、図6の(C)に示す画像を撮像した場合の撮像素子102 の出力は、時間と共に▲1▼(a)→▲1▼(b)→▲1▼(c)→▲1▼(d)→▲2▼(a)→▲2▼(b)→▲2▼(c)→▲2▼(d)→・・・→▲4▼(a)→▲4▼(b)→▲4▼(c)→▲4▼(d)と変化する信号であり、これが距離評価値演算回路103 に入力される。距離評価値演算回路103 を構成する高域通過フィルタ111 並びに、この出力を数値化する数値化演算回路112 は、被写体の輪郭のシャープネスを求める機能を持ち、数値化演算回路112 の出力は、輪郭がシャープなら大きく、輪郭がシャープでないなら小さくなる。被写体の輪郭がシャープな状態は合焦状態、シャープでない(ぼやけている)状態は非合焦状態と同意である。
【0006】
次に、距離評価値演算回路103 の機能を、コントロール部113 により撮像素子102 の一水平走査出力を選択した場合について説明し、複数の水平走査出力を選択した場合の動作は、コントロール部113 の動きに着目して説明する。
【0007】
〔1〕一水平走査出力を選択した場合の動作
・高域通過フィルタ111 の入力:▲3▼(a)→▲3▼(b)→▲3▼(c)→▲3▼(d)
・高域通過フィルタ111 の出力:hpf ▲3▼(a)→hpf ▲3▼(b)→hpf ▲3▼(c)→hpf ▲3▼(d)
ここで、hpf は高域通過フィルタの出力を表す。
・数値化演算回路112 の出力:最大(det1,det2,det3) 、平均(det1,det2,det3) など
det 1=|hpf ▲3▼(b)−hpf ▲3▼(a)|
det 2=|hpf ▲3▼(c)−hpf ▲3▼(b)|
det 3=|hpf ▲3▼(d)−hpf ▲3▼(c)|
最大(a,b,c)は3信号a,b,cの最大値を求める演算を表す
平均(a,b,c)は3信号a,b,cの平均値を求める演算を表す
【0008】
〔2〕コントロール部113 の動き(複数の水平走査出力選択時)
(1)撮像素子102 の出力を一旦コントロール部113 のメモリに記憶し、記憶したデータを高域通過フィルタ111 に加える。
・撮像素子102 の水平走査方向を横切る画像の輪郭を検出する場合は、映像信号をライン単位にメモリに格納し、メモリに格納したデータを入れた順番通りに高域通過フィルタ111 に加える。
・撮像素子102 の水平走査方向に平行な画像の輪郭を検出する場合は、映像信号を画像単位でメモリに格納する。格納したデータは画像を垂直方向に走査した信号となるように入れ替えて高域通過フィルタ111 に加える。
(2)数値化演算回路112 の演算結果を、演算単位でコントロール部113 のメモリに記憶し、記憶したデータ同士を比較する、複数のデータから新たなデータを合成する等の処理を行う。
【0009】
次に、図6の(D)を用いて、山登りコントラスト法により、撮影レンズ101を構成するフォーカシング用のレンズを合焦点位置まで移動するシーケンスについて説明する。図6の(D)の横軸は前記撮影レンズ101 の位置、縦軸は距離評価値演算回路103 の出力(距離評価値)である。合焦位置への前記撮影レンズ101 の移動は、電子カメラの操作開始時、無限側に位置する前記撮影レンズ101 を、電子カメラの操作開始後、距離評価値演算回路103 の出力をモニターし、距離評価値演算回路103 の出力が大きくなるように至近側に移動し、距離評価値演算回路103 の出力が極大値に達したときに、前記撮影レンズ101 の移動を止めることで実現される。距離評価値演算回路103 の出力が極大値に到達するまでには、距離評価値演算回路103 の出力は、上昇→下降→上昇する。このとき、前記撮影レンズ101 は、該レンズが至近側に動く状態を正と定義すると、正→逆→正の向きに動く。距離評価値演算回路103 の出力が極大値にあるとき、被写体の輪郭が最もシャープになり、この状態で撮影を行うと合焦した画像が得られる。
【0010】
以上説明したように、山登りコントラスト法による自動測距装置は、撮影画像を得るための撮像素子102 の出力を使う自動測距装置であり、撮影レンズ101 を構成するフォーカシング用のレンズを正確に制御できる。そして、外部の測距センサからなる専用AFセンサや、専用AFセンサ用の別個の光学系を必要としないメリットもある。しかし、距離情報を求め前記撮影レンズ101 を合焦点状態まで移動させる時間が長く、この間に電力を消費する。また距離評価値演算回路103 に大規模な回路が必要になる等の問題がある。これらの問題は、山登りコントラスト法の原理と、距離評価値演算回路103 の実現方法に起因している。
【0011】
(1)山登りコントラスト法の原理に基づく問題点
・被写体の輪郭のシャープネスを表す信号だけでなく、広範囲の画像信号を処理しなければならない。
・被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に距離評価値演算回路103 の出力が大きくなる被写体があり、この被写体を撮像した場合、正確な距離情報が得られない。
・距離評価値演算回路103 の出力は、被写体の距離(絶対値)を示していない。
・撮影レンズ101 を構成するフォーカシング用のレンズを合焦位置まで移動するのに、該レンズを正→逆→正(もしくは逆→正→逆)と動かす必要がある。
【0012】
(2)距離評価値演算回路103 の実現方法に起因する問題
・高精度な自動測距装置を実現するためには、距離評価値演算回路103 のコントロール部113 で多くの信号を処理しなければならない。多くの信号を処理するためには、少ない回路で時間をかけるか、時間の短縮を優先し、回路を大規模にする必要がある。同様に、高精度な測距装置を実現するためには数値化演算回路112 を複雑にする必要がある。
この傾向は、特に撮像素子の水平走査方向に平行な被写体の輪郭のシャープネスを検出しようとする距離評価値演算回路103 を実現するときに顕著になる。
【0013】
このような山登りコントラスト法による自動測距装置の欠点を、山登りコントラスト法自体の改良や改善ではなく、フィルムカメラで広く一般に普及している測距センサからなる専用AFセンサ、例えば一次元の光分布をセンシングする光センサであるCCDラインセンサ、CMOSラインセンサなどを併せもつことで、解決している電子カメラが知られている。例えば、特開平2001−255456号公報(特許文献1)では、撮影モードにより、あるいは被写体の判定結果により、自動測距装置を切り換え、上記問題を解決する方法が示されている。専用AFセンサを用いる自動測距装置は、レンズの位置制御の精度が山登りコントラスト法に劣るものの、高速動作が可能である。また被写体の距離(絶対値)を求めることができるため、合焦状態にフォーカシング用レンズを移動させるときに、該レンズを正→逆→正(もしくは逆→正→逆)と移動させる必要がない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特開平2001−255456号公報では、山登りコントラスト方式と専用AFセンサ方式とを併用した、高速且つ高精度の自動測距装置を開示しているが、撮像素子の画素の走査方向と、専用AFセンサの画素の走査方向の関係については言及しておらず、専用AFセンサの画素走査方向が撮像素子の水平走査方向と同じ場合、山登りコントラスト法の代わりに専用AFセンサを用いても解決されない問題が残る。すなわち、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に距離評価値演算回路の出力が高くなる場合には、専用AFセンサの出力が同じように距離に依存しない信号となり、問題が解決されない。また、撮像素子の画素の水平走査方向に平行する被写体の輪郭のシャープネスは、撮像素子の水平走査方向と、走査方向が同じになるように配置された専用AFセンサでは、検出できない。
【0015】
本発明は、従来提案の自動測距装置における上記問題点を解消するためになされたもので、山登りコントラスト方式と専用AFセンサ方式を用いた自動測距装置において、撮像素子の出力である画素の水平走査出力から求める距離評価値演算の出力が、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に大きくなる場合、及び撮像素子の画素の水平走査方向に平行する被写体の輪郭のシャープネスを検出する場合においても、高速且つ高精度で距離情報が得られるようにした自動測距装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明は、撮像装置に用いられる自動測距装置であって、フォーカシング用に移動するフォーカシングレンズを含む撮影レンズと、該撮影レンズを通過した光束を受光する撮像素子と、該撮像素子の水平走査による出力から得られるコントラスト情報に基づいて距離情報を求める距離評価値演算回路と、前記撮像素子の水平走査方向と交差する走査方向をもつように配置した専用AFセンサと、前記距離評価値演算回路と専用AFセンサの出力の少なくとも一方を選択し、前記撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を生成する制御信号処理回路とで、自動測距装置を構成するものである。
【0017】
このように構成された自動測距装置においては、専用AFセンサ(測距センサ)は撮像素子の画素の水平走査方向と交差する方向の走査により距離情報を得るようにしているので、撮像素子の水平走査出力から求める距離評価値演算出力が、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に大きくなる場合や、撮像素子の水平走査方向に平行する被写体の輪郭のシャープネスを検出する場合においても、高速且つ高精度で距離情報を得ることが可能となる。
【0018】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る自動測距装置において、撮像動作中の該撮像装置のアングルを検出する手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記アングル検出手段の出力信号により、フォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、通常アングル撮影時には、距離評価値演算回路の出力に基づいて生成し、縦アングル撮影時には、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る自動測距装置において、撮像動作中に、前記撮像素子の出力が距離情報を得るのに適する品質であるか否かを判断する手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記品質判断手段が撮像素子の出力が距離情報を得るのに不適と判断した場合、撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に係る自動測距装置において、撮像動作中に、被写体の一方向の動きを前記撮像素子の出力により検出し、前記被写体の一方向に交差する方向の動きを前記専用AFセンサの出力により検出する動き検出手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記動き検出手段が被写体の動きを検出した場合、撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る自動測距装置を備え、内蔵モニター上に前記自動測距装置の動作状態を示すようにして電子カメラを構成するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、撮像装置として電子カメラを例として用い、図面を参照して本発明に係る自動測距装置及びそれを搭載した電子カメラの実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第1の実施の形態を示すブロック構成図である。図1の(A)に示すように、この実施の形態に係る自動測距装置は、フォーカシング用に移動するレンズを含む撮影レンズ1と、該撮影レンズ1を通過した光束を受光する撮像素子2と、該撮像素子2の画素の水平走査による出力から得られるコントラスト情報に基づいて距離情報を求める山登りコントラスト方式用の距離評価値演算回路3と、前記撮像素子2の水平走査方向と交差する方向の走査方向をもつように配置したCCDラインセンサなどの測距センサからなる専用AFセンサ4と、前記距離評価値演算回路3からの出力と前記専用AFセンサ4からの出力の少なくとも一方を選択し、前記撮影レンズ1を構成するフォーカシング用のレンズを合焦位置に移動する信号を生成する制御信号処理回路5とで構成されている。
【0023】
図1の(B)は、専用AFセンサ4を構成する距離センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図示例では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0024】
そして、このように構成した自動測距装置においては、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に距離評価値演算回路3の出力が高くなる場合、及び撮像素子2の画素の水平走査方向と平行な被写体の輪郭のシャープネスを検出する場合など、撮影画像を用いた山登りコントラスト方式のAF調整が不適ないしは不能な場合には、専用AFセンサによる距離情報を選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、上記のように山登りコントラスト方式によるAF調整が不適ないしは不能な場合でも、専用AFセンサの距離情報を用いることにより、撮影レンズのAF調整を高速且つ高精度で行うことができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図2の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第2の実施の形態を示すブロック図で、図1の(A)に示した第1の実施の形態と同一の構成部材には同一の符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態は、この自動測距装置を搭載した電子カメラの撮影アングルを判定するアングル判定部6を設け、このアングル判定部6からの判定信号に基づいて、制御信号処理回路5が、前記距離評価値演算回路3からの出力(山登りコントラスト方式による距離情報)と専用AFセンサ4からの出力(測距センサからの距離情報)のいずれかを選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成するように構成されている。
【0026】
図2の(B)は、電子カメラが縦アングル撮影時における、専用AFセンサ4を構成する測距センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0027】
このように構成された第2の実施の形態においては、通常の横アングル撮影時には、アングル判定部6からの横アングル判定信号により、制御信号処理回路5は、山登りコントラスト法を実現する前記距離評価値演算回路3からの出力を用いて、フォーカシング用のレンズを合焦位置へ移動させる制御信号を生成する。一方、縦アングル撮影時には、アングル判定部6からの縦アングル判定信号により、制御信号処理回路5は、専用AFセンサ4からの出力を用いて、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、縦アングル撮影時では山登りコントラスト方式による距離情報の取得が困難な被写体構成の場合でも、自動的に専用AFセンサ側に切り換えられ、高速且つ高精度で距離情報を得ることできる。
【0028】
(第3の実施の形態)
図3の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第3の実施の形態を示すブロック図で、図1の(A)に示した第1の実施の形態と同一の構成部材には同一の符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態は、被写体の縦縞シーンを判定する縦縞シーン判定部7を設け、この縦縞シーン判定部7からの判定信号に基づいて、制御信号処理回路5が、山登りコントラスト法を実現する前記距離評価値演算回路3からの出力と専用AFセンサ4からの出力のいずれかを選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成するように構成されている。
【0029】
図3の(B)は、縦縞模様の被写体シーンの撮影時における、専用AFセンサ4を構成する測距センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0030】
このように構成された第3の実施の形態において、縦縞シーン判定部7は、撮像素子が縦縞模様の被写体シーンを撮影したときに出力される、水平方向に一定周期で明/暗を繰り返す縦縞パターンを検出し、縦縞シーン判定信号を出力するようになっている。そして、この縦縞シーン判定部7から縦縞シーン判定信号が検出されない場合は、制御信号処理回路5は、山登りコントラスト法を実現する距離評価値演算回路3の出力を用いて、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する。一方、縦縞シーン判定部7から縦縞シーン判定信号が検出されると、専用AFセンサ4からの出力を用いて、合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、山登りコントラスト法が苦手とする縦縞模様の被写体の場合は、自動的に専用AFセンサ側に切り換えられ、高速且つ高精度で距離情報を得ることができる。
【0031】
(第4の実施の形態)
図4の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第4の実施の形態を示すブロック図で、図1の(A)に示した第1の実施の形態と同一の構成部材には同一の符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態は、撮像素子2の出力を入力し、被写体の水平方向の動きを検出し、動き判定信号を出力する第1の動き判定部8−1と、専用AFセンサ4の出力を入力とし、被写体の縦方向の動きを検出し、動き判定信号を出力する第2の動き判定部8−2とを設け、この第1及び第2の動き判定部8−1,8−2からの動き判定信号に基づいて、制御信号処理回路5が、山登りコントラスト法を実現する前記距離評価値演算回路3からの出力と専用AFセンサ4からの出力のいずれかを選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成するように構成されている。
【0032】
図4の(B)は、専用AFセンサ4を構成する測距センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0033】
このように構成された第4の実施の形態において、第1及び第2の動き判定部8−1,8−2が、被写体が動いている状態を検出した場合は、それらの判定信号に基づいて、制御信号処理回路5は、専用AFセンサ4の出力を用いて、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成し、被写体の動きを検出しない場合は、山登りコントラスト法を実現する距離評価値演算回路3の出力を用いて合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、山登りコントラスト法によっては距離情報が得ることの困難な動きのある被写体の場合でも、自動的に専用AFセンサによる距離情報を用いるように切り換えられ、高速且つ高精度でフォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成することができる。
【0034】
(第5の実施の形態)
図5は、本発明に係る自動測距装置を搭載した電子カメラの構成例を示す概略模式図である。この電子カメラ11は、自動測距機構として山登りコントラスト方式と専用AFセンサ方式を併せもつ上記第1〜第4の実施の形態に示したいずれかの自動測距装置を備えており、且つスルー画像等を表示するLCD画像表示モニター12を備えていて、該LCD画像表示モニター12上にスルー画像と共に、上記自動測距装置の動作状態をスーパーインポーズ状態で表示させるように構成したものである。図5においては、撮像素子の水平走査による出力から山登りコントラスト方式の距離情報を得る場合と専用AFセンサの垂直方向走査による出力から距離情報を得る場合を、色別等で模式的に表すようにした態様例を示している。このような自動測距装置の動作状態をLCD画像表示モニター上に表示することにより、測距状態がどのような状態(選択状態等)で行われているかを容易に確認することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明によれは、専用AFセンサの画素の走査方向を撮像素子の画素の水平走査方向に交差するように専用AFセンサを配置して自動測距装置を構成しているので、撮像素子の画素の水平走査出力を用いる山登りコントラストAF法では正確な距離情報が得られない状態でも、正確且つ高速に距離情報を得ることができる。よって、このような構成の自動測距装置を電子カメラに搭載することにより、電子カメラの性能向上に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動測距装置の第1の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図2】本発明に係る自動測距装置の第2の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図3】本発明に係る自動測距装置の第3の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図4】本発明に係る自動測距装置の第4の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図5】本発明に係る自動測距装置を搭載した電子カメラの構成例を示す模式図である。
【図6】従来の自動測距装置を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 撮像素子
3 距離評価値演算回路
4 専用AFセンサ
5 制御信号処理回路
6 アングル判定部
7 縦縞シーン判定部
8−1 第1の動き判定部
8−2 第2の動き判定部
11 電子カメラ
12 LCD画像表示モニター
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮影画像のコントラストに基づく合焦位置を検出するコントラストAFと、外部測距センサ(専用AFセンサ)によるAFとを選択的に用いるようにした撮像装置に用いられる自動測距装置、及びそれを用いた電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−255456号公報
【0003】
近年、画像信号処理のディジタル化及び画像信号圧縮技術の進歩に伴い、撮像した画像信号をディジタル化してメモリに記憶可能にしたデジタルカメラ等の電子カメラが注目されている。このような電子カメラにおいては、撮影画像の品質を決める一機構として自動測距装置を備えている。そして、さまざまな撮影条件で正確に合焦した撮影画像を得るため、またレンズを高速に合焦位置に移動するため、自動測距装置に関して従来より数多くの提案がなされている。従来から提案され広く普及している自動測距装置の一つに、山登りコントラスト法(コントラストAF)がある。次に山登りコントラスト法を、図6の(A)〜(D)を用いて説明する。
【0004】
山登りコントラスト法による自動測距装置は、図6の(A)に示すように、フォーカシング用に移動するレンズを含む撮影レンズ101 と、撮像素子102 と、該撮像素子102 の出力から距離情報を求める距離評価値演算回路103 と、該距離評価値演算回路103 の出力に基づいて、前記フォーカシング用に移動するレンズを含む撮影レンズ101 の位置を制御する信号を生成する制御信号処理回路104 とで構成されている。この方式の自動測距装置の構成要素の一つである距離評価値演算回路103 は、図6の(B)に示すように、高域通過フィルタ111 と、該高域通過フィルタ111 の出力を数値化する数値化演算回路112 と、信号選択回路とメモリを有するコントロール部113 とで構成されている。
【0005】
このように構成された自動測距装置において、図6の(C)に示す画像を撮像した場合の撮像素子102 の出力は、時間と共に▲1▼(a)→▲1▼(b)→▲1▼(c)→▲1▼(d)→▲2▼(a)→▲2▼(b)→▲2▼(c)→▲2▼(d)→・・・→▲4▼(a)→▲4▼(b)→▲4▼(c)→▲4▼(d)と変化する信号であり、これが距離評価値演算回路103 に入力される。距離評価値演算回路103 を構成する高域通過フィルタ111 並びに、この出力を数値化する数値化演算回路112 は、被写体の輪郭のシャープネスを求める機能を持ち、数値化演算回路112 の出力は、輪郭がシャープなら大きく、輪郭がシャープでないなら小さくなる。被写体の輪郭がシャープな状態は合焦状態、シャープでない(ぼやけている)状態は非合焦状態と同意である。
【0006】
次に、距離評価値演算回路103 の機能を、コントロール部113 により撮像素子102 の一水平走査出力を選択した場合について説明し、複数の水平走査出力を選択した場合の動作は、コントロール部113 の動きに着目して説明する。
【0007】
〔1〕一水平走査出力を選択した場合の動作
・高域通過フィルタ111 の入力:▲3▼(a)→▲3▼(b)→▲3▼(c)→▲3▼(d)
・高域通過フィルタ111 の出力:hpf ▲3▼(a)→hpf ▲3▼(b)→hpf ▲3▼(c)→hpf ▲3▼(d)
ここで、hpf は高域通過フィルタの出力を表す。
・数値化演算回路112 の出力:最大(det1,det2,det3) 、平均(det1,det2,det3) など
det 1=|hpf ▲3▼(b)−hpf ▲3▼(a)|
det 2=|hpf ▲3▼(c)−hpf ▲3▼(b)|
det 3=|hpf ▲3▼(d)−hpf ▲3▼(c)|
最大(a,b,c)は3信号a,b,cの最大値を求める演算を表す
平均(a,b,c)は3信号a,b,cの平均値を求める演算を表す
【0008】
〔2〕コントロール部113 の動き(複数の水平走査出力選択時)
(1)撮像素子102 の出力を一旦コントロール部113 のメモリに記憶し、記憶したデータを高域通過フィルタ111 に加える。
・撮像素子102 の水平走査方向を横切る画像の輪郭を検出する場合は、映像信号をライン単位にメモリに格納し、メモリに格納したデータを入れた順番通りに高域通過フィルタ111 に加える。
・撮像素子102 の水平走査方向に平行な画像の輪郭を検出する場合は、映像信号を画像単位でメモリに格納する。格納したデータは画像を垂直方向に走査した信号となるように入れ替えて高域通過フィルタ111 に加える。
(2)数値化演算回路112 の演算結果を、演算単位でコントロール部113 のメモリに記憶し、記憶したデータ同士を比較する、複数のデータから新たなデータを合成する等の処理を行う。
【0009】
次に、図6の(D)を用いて、山登りコントラスト法により、撮影レンズ101を構成するフォーカシング用のレンズを合焦点位置まで移動するシーケンスについて説明する。図6の(D)の横軸は前記撮影レンズ101 の位置、縦軸は距離評価値演算回路103 の出力(距離評価値)である。合焦位置への前記撮影レンズ101 の移動は、電子カメラの操作開始時、無限側に位置する前記撮影レンズ101 を、電子カメラの操作開始後、距離評価値演算回路103 の出力をモニターし、距離評価値演算回路103 の出力が大きくなるように至近側に移動し、距離評価値演算回路103 の出力が極大値に達したときに、前記撮影レンズ101 の移動を止めることで実現される。距離評価値演算回路103 の出力が極大値に到達するまでには、距離評価値演算回路103 の出力は、上昇→下降→上昇する。このとき、前記撮影レンズ101 は、該レンズが至近側に動く状態を正と定義すると、正→逆→正の向きに動く。距離評価値演算回路103 の出力が極大値にあるとき、被写体の輪郭が最もシャープになり、この状態で撮影を行うと合焦した画像が得られる。
【0010】
以上説明したように、山登りコントラスト法による自動測距装置は、撮影画像を得るための撮像素子102 の出力を使う自動測距装置であり、撮影レンズ101 を構成するフォーカシング用のレンズを正確に制御できる。そして、外部の測距センサからなる専用AFセンサや、専用AFセンサ用の別個の光学系を必要としないメリットもある。しかし、距離情報を求め前記撮影レンズ101 を合焦点状態まで移動させる時間が長く、この間に電力を消費する。また距離評価値演算回路103 に大規模な回路が必要になる等の問題がある。これらの問題は、山登りコントラスト法の原理と、距離評価値演算回路103 の実現方法に起因している。
【0011】
(1)山登りコントラスト法の原理に基づく問題点
・被写体の輪郭のシャープネスを表す信号だけでなく、広範囲の画像信号を処理しなければならない。
・被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に距離評価値演算回路103 の出力が大きくなる被写体があり、この被写体を撮像した場合、正確な距離情報が得られない。
・距離評価値演算回路103 の出力は、被写体の距離(絶対値)を示していない。
・撮影レンズ101 を構成するフォーカシング用のレンズを合焦位置まで移動するのに、該レンズを正→逆→正(もしくは逆→正→逆)と動かす必要がある。
【0012】
(2)距離評価値演算回路103 の実現方法に起因する問題
・高精度な自動測距装置を実現するためには、距離評価値演算回路103 のコントロール部113 で多くの信号を処理しなければならない。多くの信号を処理するためには、少ない回路で時間をかけるか、時間の短縮を優先し、回路を大規模にする必要がある。同様に、高精度な測距装置を実現するためには数値化演算回路112 を複雑にする必要がある。
この傾向は、特に撮像素子の水平走査方向に平行な被写体の輪郭のシャープネスを検出しようとする距離評価値演算回路103 を実現するときに顕著になる。
【0013】
このような山登りコントラスト法による自動測距装置の欠点を、山登りコントラスト法自体の改良や改善ではなく、フィルムカメラで広く一般に普及している測距センサからなる専用AFセンサ、例えば一次元の光分布をセンシングする光センサであるCCDラインセンサ、CMOSラインセンサなどを併せもつことで、解決している電子カメラが知られている。例えば、特開平2001−255456号公報(特許文献1)では、撮影モードにより、あるいは被写体の判定結果により、自動測距装置を切り換え、上記問題を解決する方法が示されている。専用AFセンサを用いる自動測距装置は、レンズの位置制御の精度が山登りコントラスト法に劣るものの、高速動作が可能である。また被写体の距離(絶対値)を求めることができるため、合焦状態にフォーカシング用レンズを移動させるときに、該レンズを正→逆→正(もしくは逆→正→逆)と移動させる必要がない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特開平2001−255456号公報では、山登りコントラスト方式と専用AFセンサ方式とを併用した、高速且つ高精度の自動測距装置を開示しているが、撮像素子の画素の走査方向と、専用AFセンサの画素の走査方向の関係については言及しておらず、専用AFセンサの画素走査方向が撮像素子の水平走査方向と同じ場合、山登りコントラスト法の代わりに専用AFセンサを用いても解決されない問題が残る。すなわち、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に距離評価値演算回路の出力が高くなる場合には、専用AFセンサの出力が同じように距離に依存しない信号となり、問題が解決されない。また、撮像素子の画素の水平走査方向に平行する被写体の輪郭のシャープネスは、撮像素子の水平走査方向と、走査方向が同じになるように配置された専用AFセンサでは、検出できない。
【0015】
本発明は、従来提案の自動測距装置における上記問題点を解消するためになされたもので、山登りコントラスト方式と専用AFセンサ方式を用いた自動測距装置において、撮像素子の出力である画素の水平走査出力から求める距離評価値演算の出力が、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に大きくなる場合、及び撮像素子の画素の水平走査方向に平行する被写体の輪郭のシャープネスを検出する場合においても、高速且つ高精度で距離情報が得られるようにした自動測距装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明は、撮像装置に用いられる自動測距装置であって、フォーカシング用に移動するフォーカシングレンズを含む撮影レンズと、該撮影レンズを通過した光束を受光する撮像素子と、該撮像素子の水平走査による出力から得られるコントラスト情報に基づいて距離情報を求める距離評価値演算回路と、前記撮像素子の水平走査方向と交差する走査方向をもつように配置した専用AFセンサと、前記距離評価値演算回路と専用AFセンサの出力の少なくとも一方を選択し、前記撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を生成する制御信号処理回路とで、自動測距装置を構成するものである。
【0017】
このように構成された自動測距装置においては、専用AFセンサ(測距センサ)は撮像素子の画素の水平走査方向と交差する方向の走査により距離情報を得るようにしているので、撮像素子の水平走査出力から求める距離評価値演算出力が、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に大きくなる場合や、撮像素子の水平走査方向に平行する被写体の輪郭のシャープネスを検出する場合においても、高速且つ高精度で距離情報を得ることが可能となる。
【0018】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る自動測距装置において、撮像動作中の該撮像装置のアングルを検出する手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記アングル検出手段の出力信号により、フォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、通常アングル撮影時には、距離評価値演算回路の出力に基づいて生成し、縦アングル撮影時には、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る自動測距装置において、撮像動作中に、前記撮像素子の出力が距離情報を得るのに適する品質であるか否かを判断する手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記品質判断手段が撮像素子の出力が距離情報を得るのに不適と判断した場合、撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に係る自動測距装置において、撮像動作中に、被写体の一方向の動きを前記撮像素子の出力により検出し、前記被写体の一方向に交差する方向の動きを前記専用AFセンサの出力により検出する動き検出手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記動き検出手段が被写体の動きを検出した場合、撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る自動測距装置を備え、内蔵モニター上に前記自動測距装置の動作状態を示すようにして電子カメラを構成するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、撮像装置として電子カメラを例として用い、図面を参照して本発明に係る自動測距装置及びそれを搭載した電子カメラの実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第1の実施の形態を示すブロック構成図である。図1の(A)に示すように、この実施の形態に係る自動測距装置は、フォーカシング用に移動するレンズを含む撮影レンズ1と、該撮影レンズ1を通過した光束を受光する撮像素子2と、該撮像素子2の画素の水平走査による出力から得られるコントラスト情報に基づいて距離情報を求める山登りコントラスト方式用の距離評価値演算回路3と、前記撮像素子2の水平走査方向と交差する方向の走査方向をもつように配置したCCDラインセンサなどの測距センサからなる専用AFセンサ4と、前記距離評価値演算回路3からの出力と前記専用AFセンサ4からの出力の少なくとも一方を選択し、前記撮影レンズ1を構成するフォーカシング用のレンズを合焦位置に移動する信号を生成する制御信号処理回路5とで構成されている。
【0023】
図1の(B)は、専用AFセンサ4を構成する距離センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図示例では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0024】
そして、このように構成した自動測距装置においては、被写体の輪郭のシャープネスとは無関係に距離評価値演算回路3の出力が高くなる場合、及び撮像素子2の画素の水平走査方向と平行な被写体の輪郭のシャープネスを検出する場合など、撮影画像を用いた山登りコントラスト方式のAF調整が不適ないしは不能な場合には、専用AFセンサによる距離情報を選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、上記のように山登りコントラスト方式によるAF調整が不適ないしは不能な場合でも、専用AFセンサの距離情報を用いることにより、撮影レンズのAF調整を高速且つ高精度で行うことができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図2の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第2の実施の形態を示すブロック図で、図1の(A)に示した第1の実施の形態と同一の構成部材には同一の符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態は、この自動測距装置を搭載した電子カメラの撮影アングルを判定するアングル判定部6を設け、このアングル判定部6からの判定信号に基づいて、制御信号処理回路5が、前記距離評価値演算回路3からの出力(山登りコントラスト方式による距離情報)と専用AFセンサ4からの出力(測距センサからの距離情報)のいずれかを選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成するように構成されている。
【0026】
図2の(B)は、電子カメラが縦アングル撮影時における、専用AFセンサ4を構成する測距センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0027】
このように構成された第2の実施の形態においては、通常の横アングル撮影時には、アングル判定部6からの横アングル判定信号により、制御信号処理回路5は、山登りコントラスト法を実現する前記距離評価値演算回路3からの出力を用いて、フォーカシング用のレンズを合焦位置へ移動させる制御信号を生成する。一方、縦アングル撮影時には、アングル判定部6からの縦アングル判定信号により、制御信号処理回路5は、専用AFセンサ4からの出力を用いて、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、縦アングル撮影時では山登りコントラスト方式による距離情報の取得が困難な被写体構成の場合でも、自動的に専用AFセンサ側に切り換えられ、高速且つ高精度で距離情報を得ることできる。
【0028】
(第3の実施の形態)
図3の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第3の実施の形態を示すブロック図で、図1の(A)に示した第1の実施の形態と同一の構成部材には同一の符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態は、被写体の縦縞シーンを判定する縦縞シーン判定部7を設け、この縦縞シーン判定部7からの判定信号に基づいて、制御信号処理回路5が、山登りコントラスト法を実現する前記距離評価値演算回路3からの出力と専用AFセンサ4からの出力のいずれかを選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成するように構成されている。
【0029】
図3の(B)は、縦縞模様の被写体シーンの撮影時における、専用AFセンサ4を構成する測距センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0030】
このように構成された第3の実施の形態において、縦縞シーン判定部7は、撮像素子が縦縞模様の被写体シーンを撮影したときに出力される、水平方向に一定周期で明/暗を繰り返す縦縞パターンを検出し、縦縞シーン判定信号を出力するようになっている。そして、この縦縞シーン判定部7から縦縞シーン判定信号が検出されない場合は、制御信号処理回路5は、山登りコントラスト法を実現する距離評価値演算回路3の出力を用いて、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成する。一方、縦縞シーン判定部7から縦縞シーン判定信号が検出されると、専用AFセンサ4からの出力を用いて、合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、山登りコントラスト法が苦手とする縦縞模様の被写体の場合は、自動的に専用AFセンサ側に切り換えられ、高速且つ高精度で距離情報を得ることができる。
【0031】
(第4の実施の形態)
図4の(A)は、本発明に係る自動測距装置の第4の実施の形態を示すブロック図で、図1の(A)に示した第1の実施の形態と同一の構成部材には同一の符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態は、撮像素子2の出力を入力し、被写体の水平方向の動きを検出し、動き判定信号を出力する第1の動き判定部8−1と、専用AFセンサ4の出力を入力とし、被写体の縦方向の動きを検出し、動き判定信号を出力する第2の動き判定部8−2とを設け、この第1及び第2の動き判定部8−1,8−2からの動き判定信号に基づいて、制御信号処理回路5が、山登りコントラスト法を実現する前記距離評価値演算回路3からの出力と専用AFセンサ4からの出力のいずれかを選択して、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成するように構成されている。
【0032】
図4の(B)は、専用AFセンサ4を構成する測距センサの画素の走査方向を示す説明図であり、専用AFセンサ4は、点線で示す画素の走査方向が、実線で示す撮像素子2の水平走査方向に対して交差(図では直交)する方向に、配置されていることを示している。
【0033】
このように構成された第4の実施の形態において、第1及び第2の動き判定部8−1,8−2が、被写体が動いている状態を検出した場合は、それらの判定信号に基づいて、制御信号処理回路5は、専用AFセンサ4の出力を用いて、フォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成し、被写体の動きを検出しない場合は、山登りコントラスト法を実現する距離評価値演算回路3の出力を用いて合焦位置への移動用制御信号を生成する。これにより、山登りコントラスト法によっては距離情報が得ることの困難な動きのある被写体の場合でも、自動的に専用AFセンサによる距離情報を用いるように切り換えられ、高速且つ高精度でフォーカシング用のレンズの合焦位置への移動用制御信号を生成することができる。
【0034】
(第5の実施の形態)
図5は、本発明に係る自動測距装置を搭載した電子カメラの構成例を示す概略模式図である。この電子カメラ11は、自動測距機構として山登りコントラスト方式と専用AFセンサ方式を併せもつ上記第1〜第4の実施の形態に示したいずれかの自動測距装置を備えており、且つスルー画像等を表示するLCD画像表示モニター12を備えていて、該LCD画像表示モニター12上にスルー画像と共に、上記自動測距装置の動作状態をスーパーインポーズ状態で表示させるように構成したものである。図5においては、撮像素子の水平走査による出力から山登りコントラスト方式の距離情報を得る場合と専用AFセンサの垂直方向走査による出力から距離情報を得る場合を、色別等で模式的に表すようにした態様例を示している。このような自動測距装置の動作状態をLCD画像表示モニター上に表示することにより、測距状態がどのような状態(選択状態等)で行われているかを容易に確認することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明によれは、専用AFセンサの画素の走査方向を撮像素子の画素の水平走査方向に交差するように専用AFセンサを配置して自動測距装置を構成しているので、撮像素子の画素の水平走査出力を用いる山登りコントラストAF法では正確な距離情報が得られない状態でも、正確且つ高速に距離情報を得ることができる。よって、このような構成の自動測距装置を電子カメラに搭載することにより、電子カメラの性能向上に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動測距装置の第1の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図2】本発明に係る自動測距装置の第2の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図3】本発明に係る自動測距装置の第3の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図4】本発明に係る自動測距装置の第4の実施の形態を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【図5】本発明に係る自動測距装置を搭載した電子カメラの構成例を示す模式図である。
【図6】従来の自動測距装置を示すブロック構成図及びその動作説明図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 撮像素子
3 距離評価値演算回路
4 専用AFセンサ
5 制御信号処理回路
6 アングル判定部
7 縦縞シーン判定部
8−1 第1の動き判定部
8−2 第2の動き判定部
11 電子カメラ
12 LCD画像表示モニター
Claims (5)
- 撮像装置に用いられる自動測距装置であって、フォーカシング用に移動するフォーカシングレンズを含む撮影レンズと、該撮影レンズを通過した光束を受光する撮像素子と、該撮像素子の水平走査による出力から得られるコントラスト情報に基づいて距離情報を求める距離評価値演算回路と、前記撮像素子の水平走査方向と交差する走査方向をもつように配置した専用AFセンサと、前記距離評価値演算回路と専用AFセンサの出力の少なくとも一方を選択し、前記撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を生成する制御信号処理回路とで構成されていることを特徴とする自動測距装置。
- 撮像動作中の該撮像装置のアングルを検出する手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記アングル検出手段の出力信号により、フォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、通常アングル撮影時には、距離評価値演算回路の出力に基づいて生成し、縦アングル撮影時には、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とする請求項1に係る自動測距装置。
- 撮像動作中に、前記撮像素子の出力が距離情報を得るのに適する品質であるか否かを判断する手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記品質判断手段が撮像素子の出力が距離情報を得るのに不適と判断した場合、撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とする請求項1に係る自動測距装置。
- 撮像動作中に、被写体の一方向の動きを前記撮像素子の出力により検出し、前記被写体の一方向に交差する方向の動きを前記専用AFセンサの出力により検出する動き検出手段を備え、前記制御信号処理回路は、前記動き検出手段が被写体の動きを検出した場合、撮影レンズを構成するフォーカシングレンズを合焦点位置に移動する信号を、前記専用AFセンサの出力に基づいて生成することを特徴とする請求項1に係る自動測距装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に係る記載の自動測距装置を備え、内蔵モニター上に前記自動測距装置の動作状態を示すように構成したことを特徴とするする電子カメラ。
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2002
- 2002-11-18 JP JP2002333773A patent/JP2004170510A/ja active Pending
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