JP2004170255A - コリオリ質量流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動チューブに熱変形が生じても、その影響を受けることなく、安定した定常振動が検出できる振動検出センサを有するコリオリ質量流量計を提供する。
【解決手段】振動チューブ内に測定流体が流れこの測定流体の流れと前記振動チューブの角振動によって生じるコリオリ力によりこの振動チューブを変形振動させるコリオリ質量流量計において、
上流側固定端部と下流側固定端部の中点を中心に点対称で3個の変曲点を有する曲線形状で前記点対称の曲線形状を保持したまま前記上流側固定端部と下流側固定端部とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする振動チューブと、前記上流側固定端部と前記下流側固定端部の端部から等距離にある平面上に前記振動チューブをはさんで設けられた振動検出センサと を具備したことを特徴とするコリオリ質量流量計である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動チューブに熱変形が生じても、その影響を受けることなく、安定した定常振動が検出できる振動検出センサを有するコリオリ質量流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18は、従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、例えば、特開平11−108723号に示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
11は、上流側固定端部12と下流側固定端部13とを結ぶ直線を基準軸14として、この基準軸14の各点から、それぞれ所定距離の円周線上で単振動あるいは円運動をする緩やかなカーブをもつ形状を有する振動チューブである。
【0004】
15は、振動チューブ11の中央部に設けられた励振器である。
この場合は、コイルとマグネットから成る。
16,17は、振動チューブ11の両側にそれぞれ設けられた振動検出センサである。
この場合も、コイルとマグネットから成る。
【0005】
以上の構成において、図19は、図18の振動チューブ11のb−b断面図、図20は図18の振動チューブ11のa−a,c−c断面図、図21は振動チューブ11の振動の様子を示す斜視図である。
図19,図20において、非励振状態の時、振動チューブ11はAの位置近傍にある。
【0006】
励振状態になると、振動チューブ11の中心は、基準軸14から半径R(x)離れた円周上を移動する。
断面b−bの位置では、基準軸14から半径R(b) 離れた円周上を、断面a−aやc−cの位置では、基準軸14から半径R(a) や R(c) 離れた円周上を、A→B→A→C→A→B→(繰り返し)のように振動する。
【0007】
図21において、A,B,Cは図19,図20の振動チューブ11の各位置に一致する。なお、12,13は固定端部、14は基準軸を示す。
【0008】
振動チューブ11は、基準軸14から等距離にある円周面内のみでの振動なので、振動チューブ11の位置がどこであっても、振動チューブ11の長さが変わることはない。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−108723号(第3−4頁、第1−4図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような装置においては、ほとんどのコリオリ流量計で発生する問題だが、特に図18従来例のように、振動チューブ11が分岐部を持たない1本管で、その形状は大きな湾曲部を有さず、直線似のセミストレート管の場合に、問題が大きくなりやすい。
【0011】
製造時の溶接による伸縮や、ハウジング6との温度差による熱膨張で、管軸方向(X方向)にわずかに変形が生じると、図22で示したように、振動チューブ11の湾曲方向(Z方向)に大きな変形が生じる。
【0012】
振動チューブ11の形状等によるが、Z方向変形は、X方向変形の数倍以上になるので、励振器付近の位置変形は数mmになることもある。
振動チューブ11に固定されたマグネット(あるいはコイル)が位置移動すると、ペアとなるコイル(あるいはマグネット)は、ハウジング6等の不動な場所に固定されているので、両者の間に位置ずれが生じる。
【0013】
円筒のコイル内部にマグネットを配置した励振器や検出器の構造では、位置ずれがおきると、すぐに両者が接触してしまい、安定した振動ができなくなり、ひどい場合には破損してしまう。
【0014】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、振動チューブに熱変形が生じても、その影響を受けることなく、安定した定常振動が検出できる振動検出センサを有するコリオリ質量流量計を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明では、請求項1のコリオリ質量流量計においては、
振動チューブ内に測定流体が流れこの測定流体の流れと前記振動チューブの角振動によって生じるコリオリ力によりこの振動チューブを変形振動させるコリオリ質量流量計において、
上流側固定端部と下流側固定端部の中点を中心に点対称で3個の変曲点を有する曲線形状で前記点対称の曲線形状を保持したまま前記上流側固定端部と下流側固定端部とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする振動チューブと、前記上流側固定端部と前記下流側固定端部の端部から等距離にある平面上に前記振動チューブをはさんで設けられた振動検出センサとを具備したことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項2のコリオリ質量流量計においては、請求項1記載のコリオリ質量流量計において、
前記振動検出センサとして、前記振動チューブの曲線が含まれる振動チューブ平面に垂直で且つ前記中点を含む直線上に配置され前記振動チューブ平面に垂直な方向のみに感度を有する振動検出センサと前記振動チューブ平面と平行で前記基準軸に垂直な方向のみに感度を有する振動検出センサとを具備したことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項3のコリオリ質量流量計においては、請求項1記載のコリオリ質量流量計において、
前記振動検出センサとして、前記振動チューブの曲線が含まれる振動チューブ平面に垂直で且つ前記中点を含む直線上に配置され前記振動チューブ平面に垂直な方向に高い感度を有し且つ前記振動チューブ平面と平行で前記基準軸に垂直な方向にも僅かの感度を有し励振振動振幅に対するコリオリ振動振幅の比が大きくなるようにされた振動検出センサを具備したことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項4のコリオリ質量流量計においては、請求項1記載のコリオリ質量流量計において、
前記振動検出センサとして、前記中点を中心に点対称に配置され前記振動チューブ平面に垂直な方向のみに感度を有し励振振動振幅に対するコリオリ振動振幅の比が大きくなるようにされた振動検出センサを具備したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1のa−a断面図、図3から図9は図1の動作説明図である。
【0020】
振動チューブ20は、図1に示す如く、上流側固定端部12と下流側固定端部13の中点25を中心に点対称で、変曲点を3箇所有するS字形の形状をなし、緩やかなカーブをもつS字形の曲線形状を有する。
【0021】
そして、点対称の曲線形状を保持したまま、後述する如く、上流側固定端部12と下流側固定端部13とを結ぶ直線を基準軸14として、基準軸14の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする。
【0022】
振動チューブ20は、後述する如く、図4の A→B→A→C→A→B→ のように位置を変えて振動をする。
このような振動を続ける為、図18従来例に示したような励振器15が必要だが、本発明とは直接は関係ないので、分かりやすくする為に、以後説明と図示を省略する。
【0023】
21は、上流側固定端部12と下流側固定端部13の端部から等距離にある平面(以下中面と呼ぶ)上に振動チューブ20をはさんで設けられた振動検出センサで、振動検出センサ23と振動検出センサ24とよりなる。
【0024】
図2に、中面上での位置関係を示す。
振動検出センサ23と、振動検出センサ24は、振動チューブ20の両側に設置されており、振動チューブ20の振動状況を測定する。
【0025】
この場合は、コイル231,241とマグネット232,242から構成されており、コイル231,241とマグネット232,242のいずれかが振動チューブ20に、そして他方がハウジング6に固定されている。
この場合は、マグネット232,242が、ハウジング6に固定されている。振動検出センサ23,24は、図のY方向振動を測定するように配置されている。
【0026】
今、励振による回転振動成分をVe,コリオリ力によるY方向成分をVcと表示すると、図のように振動検出センサ23と振動検出センサ24とで、励振成分Veがお互い逆向きになっていることがわかる。
【0027】
なお、通常の信号処理では、2つの信号出力の位相差δを求めて、質量流量を演算している。
センサ23出力 Esinωt+Ccosωt=√(E+C)・sin(ωt+δ)
センサ24出力 Esinωt−Ccosωt=√(E+C)・sin(ωt−δ)
tanδ=C/E
【0028】
図3では、振動系全体の動作状況を示している。振動チューブ20の励振振動により、図のVeに示したような振動を起こす。
また発生するコリオリ力は、図のVcのような振動を起こす。それらの振動のY成分を2つの振動検出センサ23,24で測定する。
【0029】
ところで、振動チューブ20内を測定流体が流れると、その質量流量と角加速度に応じて、コリオリ力が発生する。
本発明では、図5のような振動チューブ20の励振変形αで、図6に示したようなコリオリ力ベクトルβが発生し、このコリオリ力によって図7、図8に示したようなチューブの変形γが生じる。
【0030】
励振変形とコリオリ力による変形を同スケールで表示してあるが、実際にはコリオリ力によって生じる変形は、非常に小さい。(励振振幅の数百〜数千分の1以下)
【0031】
コリオリ流量計が稼働している状態では、図4あるいは図5の励振振動に図8あるいは図7のコリオリ振動が、重畳した状態になっている。
中点25でのYZ断面を図9に示す。ハッチングしてあるのが、振動チューブ20で、その周囲に測定点Aから測定点Jまでの計10ヶ所の測定点を配置した。
【0032】
これら測定点は実際の流量計に全て備え付けられているわけではなく、本発明の原理説明の為、仮想的に設置したものであり、振動チューブ20と各測定点は強固につながっていると想定している。
【0033】
図の太線実線矢印は励振による回転振動速度を表すベクトルで、測定点Bと測定点Cのベクトル長さでわかるように、大きさは中心からの距離に比例する。
図の点線矢印は、コリオリ力によるY方向振動速度を示すベクトルで、この断面上のどの場所でも一様に同じ方向、同じ大きさになっている。
【0034】
測定点A、Fでは、コリオリ振動も励振振動も同じY方向であるが、測定点B,C,G,Hでは、励振振動の向きがZ方向に傾いてくる。
測定点BとCを較べると、Cの励振成分が大きいので、コリオリ成分を効率良く測定するには、基準軸に近いB点で、Y方向振動を測定するのが有利であることがわかる。
【0035】
さらに測定点D,Iになると、励振振動はZ方向になり、コリオリ振動のY方向とは90°方向が異なり区別が容易になる。
例えば測定点Dに、Y方向にだけ感度を持つセンサを設置すれば、コリオリ振動のみが検出できるし、Z方向にだけ感度を持つセンサを設置すれば、励振振動のみの検出が可能になる。
【0036】
以上の構成において、振動チューブ20は、図4に示す如く、 A→B→A→C→A→B→ のように位置を変えて振動をする。
【0037】
この結果、コイルとマグネットを利用した通常の検出器では、片側を振動チューブ20に、反対側をハウジング6等の固定場所に設置するので、振動チューブ20の位置がずれるとコイルとマグネットの位置関係がずれて安定した励振ができなくなるばかりか、最悪の場合接触して壊れてしまう。
【0038】
製造時の歪みや、使用時の熱膨張等で振動チューブ20の長さや形状が変化しても、振動チューブ20の形状の点対称の中心である中点25は、場所が移動することが無い。
【0039】
本発明では、振動検出センサ23,24は中点25上あるいはその近傍に設置するので、振動検出センサ23,24の絶対位置は変わらない、あるいは位置移動はあっても小さく、コイルとマグネットの相対位置関係も変わらない、あるいはその変化は小さい。
【0040】
位置ずれが無い、あるいは小さいので、熱膨張に強く、安定した定常振動が確保でき、高安定・高精度の振動検出が可能になる。
すなわち、使用温度範囲が広く、温度変化に対し高安定、高精度な、流量計測、密度計測が可能になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0041】
図10は、本発明の他の実施例の要部構成説明図で、図11は図10の動作説明図である。
本実施例において、振動検出センサ31として、振動チューブ20の曲線が含まれる振動チューブ平面201に垂直で、且つ中点25を含む直線202上に配置されている。
【0042】
振動検出センサ31は、振動チューブ平面201に垂直な方向のみに感度を有する振動検出センサ34と、振動チューブ平面201と平行で基準軸14に垂直な方向のみに感度を有する振動検出センサ33とを有する。
【0043】
すなわち、振動検出センサ33は、Z方向振動のみを検出する構造で、コリオリ力によるY方向振動Vcには反応せず、励振による回転振動Veのみを測定する。
【0044】
一方、振動検出センサ34は、Y方向振動のみを検出する構造で、励振による回転振動Veには反応せず、コリオリ力によるY方向振動Vcのみを測定する。振動検出センサ33、振動検出センサ34の出力が、即、励振成分とコリオリ成分になる。
【0045】
振動検出センサ33の出力 Esinωt
振動検出センサ34の出力 Ccosωt
ここで、コリオリ成分振幅は、質量流量に比例した値になる。
また、共振周波数での自励振の為、密度計測や補正の為、励振成分の振幅と周波数も同時に測定する必要がある。
【0046】
この結果、振動検出センサ33,34の出力として、励振振動成分100%の出力と、コリオリ振動成分100%の出力を得ることができる。
容易にこれらの出力を得られれるので、複雑な信号処理回路が不要になり、シンプルで、コスト安なコリオリ質量流量計が得られる。
【0047】
図12は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図13は図12の動作説明図である。
【0048】
本実施例において、振動検出センサ41として、振動チューブ20の曲線が含まれる振動チューブ平面201に垂直で、且つ中点25を含む直線上に配置され、振動チューブ平面201に垂直な方向に高い感度を有し、且つ振動チューブ平面201と平行で、基準軸14に垂直な方向にも僅かの感度を有し励振振動振幅に対するコリオリ振動振幅の比が大きくなるようにされた振動検出センサ43,44を有する。
【0049】
すなわち、振動チューブ20の曲線が含まれる振動チューブ平面201に垂直で、且つ中点25を含む直線上に、振動チューブ20をはさんで振動検出センサ43,44が設置される。
【0050】
その場所では、励振力による回転振動VeはZ方向に、コリオリ力による並進振動はY方向に向いている。
振動検出センサ43と、振動検出センサ44は、Y方向振動検出感度が高く、検出感度は低いがZ方向振動も検出可能な特性を有する。
【0051】
例えば、図12のようにマグネット432,442とコイル431,441の向きをY軸から若干Z方向に曲げることでこのような特性を実現できる。
このような特性のセンサを用いることで、Y方向のコリオリ振動Vcは感度良く検出し、Z方向の励振振動Veも感度は悪いが測定できる。
【0052】
そもそも励振振動はコリオリ振動の数百〜数千倍以上と非常に大きい。
感度を落として、コリオリ振動成分の励振振動に対する比を大きくしたほうが、両センサ出力の位相差も大きくなり、その後の信号処理が楽となる。
【0053】
この結果、コリオリ成分に関しては感度良く検出でき、励振成分検出感度は悪くなる。
コリオリ成分はフルスケール流量が流れたときでも、励振成分の百〜数千分の一以下と非常に小さい。
【0054】
励振振動に重畳した僅かなコリオリ成分を分離検出するのは難しいが、上記のような特徴を持つセンサを用いれば、コリオリ成分はそのままに、励振成分を抑えることで、両者の大きさを近づけることが可能になり、コリオリ成分の分離検出が容易になる。
【0055】
2つの振動検出センサ43,44の出力の位相差で考えると、通常は数μrad程度の非常に小さい位相差を測定しなくてはならないが、これが数十μrad〜数mradの測定であれば、かなり信号処理が楽になる。
図10実施例のように両成分を、センサのみで完全に分離するのも一つの方法だが、調整は難しくなる。
【0056】
本発明のように、両成分を適度に含んだセンサ出力を用い、あとは変換器で信号分離処理をする方法は、調整が容易で、高精度、高安定なコリオリ質量流量計を実現しやすいメリットがある。
【0057】
また、センサの検出方向感度を変えることで、コリオリ成分と励振成分の比(2つのセンサ出力の位相差)を自由に設定することができる。
変換器側の都合に合わせて、自由な成分比(位相差)とすることができるコリオリ質量流量計が得られる。
【0058】
図14は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図15は図14の動作説明図である。
本実施例においては、振動検出センサ51として、中点を中心に点対称に配置され振動チューブ平面に垂直な方向のみに感度を有し、励振振動振幅に対するコリオリ振動振幅の比が大きくなるようにされた振動検出センサ53,54を有する。
【0059】
すなわち、図14に示す如く、Y方向向きに設置された2つの振動検出センサ53,54は、Y方向のみに感度を有する。
両センサ53,54は中面上に存在し、かつ図のXY平面から、14基準軸(X軸)回りにおよそ45°以下(但し0°は除く)の範囲に、振動チューブ20を挟んで設置されている。
【0060】
このような場所では、励振力による回転振動VeはZ方向から多少Y方向にずれた向きに、コリオリ力による並進振動はY方向に向いている。
このような特徴、配置のセンサ53,54を用いることで、Y方向振動のコリオリ振動Vcは感度良く検出するが、励振振動VeのY方向成分は小さいので、測定はできるが感度が低い。
【0061】
励振振動はコリオリ振動の数百〜数千倍以上と非常に大きい。
感度を落としてその両者の比を近づけた方が、両センサ出力の位相差も大きくなり、その後の信号処理が楽である。
【0062】
この結果、図12実施例では、コリオリ成分に関しては感度良く検出でき、励振成分検出感度は悪くなる。
コリオリ成分は、フルスケール流量が流れたときでも、励振成分の百〜数千分の一以下と非常に小さい。
【0063】
励振振動に重畳した僅かなコリオリ成分を分離検出するのは難しいが、上記のような特徴を有する振動検出センサ53,54を用いれば、コリオリ成分はそのままに、励振成分を抑えることで、両者の大きさを近づけることが可能になり、コリオリ成分の分離検出が容易になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0064】
2つのセンサ53,54の出力の位相差で考えると、通常は数μrad程度の非常に小さい位相差を測定しなくてはならないが、これが数十μrad〜数mradの測定であれば、かなり信号処理が楽になる。
【0065】
図10実施例のように両成分を、センサ33,34のみで完全に分離するのも一つの方法だが、調整は難しくなる。
本発明のように、両成分を適度に含んだ振動検出センサ53,54の出力を用い、あとは変換器で信号分離処理をする方法は、調整が容易で、高精度、高安定な流量計を実現しやすいメリッがある。
【0066】
また、振動検出センサ53,54の設置位置を(基準軸14回りの0°より大きく45°以下の角度範囲で)変えることで、コリオリ成分と励振成分の比(2つの振動検出センサ53,54の出力の位相差)を自由に設定することができる。
従って、変換器側の都合に合わせて、自由な成分比(位相差)とすることができるコリオリ質量流量計が得られる。
【0067】
図16は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図17は図16の動作説明図である。
本実施例においては、振動チューブは1本管式でなく、2本平行管18,19式の場合である。
【0068】
2本の振動チューブ18,19は対称な方向に振動し、振動検出センサ61は、それら2つの振動チューブ18,19間の相対振動を測定する振動検出センサ63,64を有する。
【0069】
なお、前述の実施例においては、振動検出センサ21,31,41,51,61はコイルとマグネットで構成されると説明したが、これに限ることはなく、たとえば、光(レーザー)反射方式、渦電流検出方式、加速度測定方式等であっても良く、要するに、振動チューブ18,19,20の振動を測定出来るものであれば良い。
【0070】
また、振動チューブをはさんで2つの振動検出センサを配置するというのは、必ずしも、振動チューブ18,19,20を中心に2つの振動検出センサ23,24,63,64が対称である必要はない。
例えば、図9において、振動チューブの両側、測定点BとEに振動検出センサがあるような位置関係でも良い。
【0071】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
コイルとマグネットを利用した通常の検出器では、片側を振動チューブ20に、反対側をハウジング等の固定場所に設置するので、振動チューブの位置がずれるとコイルとマグネットの位置関係がずれて安定した励振ができなくなるばかりか、最悪の場合接触して壊れてしまう。
【0073】
製造時の歪みや、使用時の熱膨張等で振動チューブの長さや形状が変化しても、振動チューブの形状の点対称の中心である中点は、場所が移動することが無い。
【0074】
本発明では、振動検出センサは中点上あるいはその近傍に設置するので、振動検出センサの絶対位置は変わらない、あるいは位置移動はあっても小さく、コイルとマグネットの相対位置関係も変わらない、あるいはその変化は小さい。
【0075】
位置ずれが無い、あるいは小さいので、熱膨張に強く、安定した定常振動が確保でき、高安定・高精度の振動検出が可能になる。
すなわち、使用温度範囲が広く、温度変化に対し高安定、高精度な、流量計測、密度計測が可能になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0076】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
振動検出センサの出力として、励振振動成分100%の出力と、コリオリ振動成分100%の出力を得ることができる。
容易にこれらの出力を得られれるので、複雑な信号処理回路が不要になり、シンプルで、コスト安なコリオリ質量流量計が得られる。
【0077】
本発明の請求項3によれば、次のような効果がある。
コリオリ成分に関しては感度良く検出でき、励振成分検出感度は悪くなる。
コリオリ成分はフルスケール流量が流れたときでも、励振成分の百〜数千分の一以下と非常に小さい。
【0078】
励振振動に重畳した僅かなコリオリ成分を分離検出するのは難しいが、上記のような特徴を持つセンサを用いれば、コリオリ成分はそのままに、励振成分を抑えることで、両者の大きさを近づけることが可能になり、コリオリ成分の分離検出が容易になる。
【0079】
2つの振動検出センサの出力の位相差で考えると、通常は数μrad程度の非常に小さい位相差を測定しなくてはならないが、これが数十μrad〜数mradの測定であれば、かなり信号処理が楽になる。
請求項2のように両成分を、センサのみで完全に分離するのも一つの方法だが、調整は難しくなる。
【0080】
本発明のように、両成分を適度に含んだセンサ出力を用い、あとは変換器で信号分離処理をする方法は、調整が容易で、高精度、高安定なコリオリ質量流量計を実現しやすいメリッがある。
【0081】
また、センサの検出方向感度を変えることで、コリオリ成分と励振成分の比(2つのセンサ出力の位相差)を自由に設定することができる。
変換器側の都合に合わせて、自由な成分比(位相差)とすることができるコリオリ質量流量計が得られる。
【0082】
本発明の請求項4によれば、次のような効果がある。
請求項3では、コリオリ成分に関しては感度良く検出でき、励振成分検出感度は悪くなる。
コリオリ成分は、フルスケール流量が流れたときでも、励振成分の百〜数千分の一以下と非常に小さい。
【0083】
励振振動に重畳した僅かなコリオリ成分を分離検出するのは難しいが、上記のような特徴を有する振動検出センサを用いれば、コリオリ成分はそのままに、励振成分を抑えることで、両者の大きさを近づけることが可能になり、コリオリ成分の分離検出が容易になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0084】
2つのセンサの出力の位相差で考えると、通常は数μrad程度の非常に小さい位相差を測定しなくてはならないが、これが数十μrad〜数mradの測定であれば、かなり信号処理が楽になる。
【0085】
請求項2のように両成分を、センサのみで完全に分離するのも一つの方法だが、調整は難しくなる。
本発明のように、両成分を適度に含んだ振動検出センサの出力を用い、あとは変換器で信号分離処理をする方法は、調整が容易で、高精度、高安定な流量計を実現しやすいメリッがある。
【0086】
また、振動検出センサの設置位置を(基準軸14回りの0°より大きく45°以下の角度範囲で)変えることで、コリオリ成分と励振成分の比(2つの振動検出センサの出力の位相差)を自由に設定することができる。
従って、変換器側の都合に合わせて、自由な成分比(位相差)とすることができるコリオリ質量流量計が得られる。
【0087】
従って、本発明によれば、振動チューブに熱変形が生じても、その影響を受けることなく、安定した定常振動が検出できる振動検出センサを有するコリオリ質量流量計を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1のa−a断面図である。
【図3】図1の動作説明図である。
【図4】図1の動作説明図である。
【図5】図1の動作説明図である。
【図6】図1の動作説明図である。
【図7】図1の動作説明図である。
【図8】図1の動作説明図である。
【図9】図1の動作説明図である。
【図10】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図11】図10の動作説明図である。
【図12】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図13】図12の動作説明図である。
【図14】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図15】図14の動作説明図である。
【図16】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図17】図14の動作説明図である。
【図18】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【図19】図18の動作説明図である。
【図20】図18の動作説明図である。
【図21】図18の動作説明図である。
【図22】図18の動作説明図である。
【符号の説明】
2 フランジ
6 ハウジング
12 上流側固定端部
13 下流側固定端部
14 基準軸
141 基準軸
142 基準軸
20 振動チューブ
201 振動チューブ平面
202 直線
21 振動検出センサ
23 振動検出センサ
231 コイル
232 マグネット
24 振動検出センサ
241 コイル
242 マグネット
25 中点
31 振動検出センサ
33 振動検出センサ
331 コイル
332 マグネット
34 振動検出センサ
341 コイル
342 マグネット
41 振動検出センサ
43 振動検出センサ
431 コイル
432 マグネット
44 振動検出センサ
441 コイル
442 マグネット
51 振動検出センサ
53 振動検出センサ
531 コイル
532 マグネット
54 振動検出センサ
541 コイル
542 マグネット
61 振動検出センサ
63 振動検出センサ
631 コイル
632 マグネット
64 振動検出センサ
641 コイル
642 マグネット

Claims (4)

  1. 振動チューブ内に測定流体が流れこの測定流体の流れと前記振動チューブの角振動によって生じるコリオリ力によりこの振動チューブを変形振動させるコリオリ質量流量計において、
    上流側固定端部と下流側固定端部の中点を中心に点対称で3個の変曲点を有する曲線形状で前記点対称の曲線形状を保持したまま前記上流側固定端部と下流側固定端部とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする振動チューブと、
    前記上流側固定端部と前記下流側固定端部の端部から等距離にある平面上に前記振動チューブをはさんで設けられた振動検出センサと
    を具備したことを特徴とするコリオリ質量流量計。
  2. 前記振動検出センサとして、
    前記振動チューブの曲線が含まれる振動チューブ平面に垂直で且つ前記中点を含む直線上に配置され前記振動チューブ平面に垂直な方向のみに感度を有する振動検出センサと前記振動チューブ平面と平行で前記基準軸に垂直な方向のみに感度を有する振動検出センサと
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
  3. 前記振動検出センサとして、
    前記振動チューブの曲線が含まれる振動チューブ平面に垂直で且つ前記中点を含む直線上に配置され前記振動チューブ平面に垂直な方向に高い感度を有し且つ前記振動チューブ平面と平行で前記基準軸に垂直な方向にも僅かの感度を有し励振振動振幅に対するコリオリ振動振幅の比が大きくなるようにされた振動検出センサ
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
  4. 前記振動検出センサとして、
    前記中点を中心に点対称に配置され前記振動チューブ平面に垂直な方向のみに感度を有し励振振動振幅に対するコリオリ振動振幅の比が大きくなるようにされた振動検出センサ
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
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