JP2004169962A - 温風暖房機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温風暖房機の本体1内に、空気を吸引する吸引部2と、吸引部2によって吸引された空気を、燃料の燃焼によって加熱する加熱部3と、吸引部2によって吸引された空気に混合させるイオンを発生するイオン発生装置4とを設ける。そして、上記のイオン発生装置4を、吸引部2から加熱部3を介して本体1外部に放出される空気の流路において、加熱部3よりも上流側に設ける。これにより、加熱部3での加熱後の空気がイオン発生装置4に当たらないので、イオン発生装置4が高温となるのを回避することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸引した空気に混合するイオンを発生させるイオン発生装置を備えた温風暖房機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、石油やガスなどの燃料を燃焼させることにより、温風を部屋内に供給する温風暖房機として、燃料の燃焼によって生じる臭いを空気清浄フィルタによって除去するようにした、いわゆる空気清浄機能付き温風暖房機が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方、近年では、空気中の浮遊細菌や有害物質を除去したり、空気中の臭いを除去するものとして、正負両イオンを発生するイオン発生装置が開発されており、このイオン発生装置を温風暖房機に適用したものが既に市場に出回っている。温風暖房機における燃料の燃焼時には、臭いの元となるホルムアルデヒドが発生するので、このホルムアルデヒドとイオン発生装置から発生する正負両イオンとを化学反応させることにより、ホルムアルデヒドを分解・除去して、燃焼時に発生する臭いを無くすことができる。
【0004】
ここで、図6は、イオン発生装置を備えた従来の温風暖房機の概略の構成を示している。この温風暖房機は、本体101内に、吸引部102と、加熱部103と、イオン発生装置104と、温風吹出口105とを備えている。吸引部102にて本体101外から吸引された空気が加熱部103に供給されると、その空気は加熱部103にて加熱され、温風吹出口105から本体101外部に放出される。このとき、イオン発生装置104にて発生する正負両イオンが、加熱後の空気に混合されることにより、加熱後の空気に含まれる臭いが分解・除去され、清浄な空気が温風吹出口105から本体101外部に放出される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−179943号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の温風暖房機の構成では、吸引部102から加熱部103を介して本体101外部に放出される空気の流路において、イオン発生装置104が加熱部103よりも下流側に設けられている、つまり、イオン発生装置104が温風吹出口105の近傍(図6では温風吹出口105の上方)に設けられている。このため、イオン発生装置104が加熱後の温風により高温となるので、イオン発生装置104の耐久性が劣化するという問題が生ずる。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、イオン発生装置の長期耐久性を確保することができる温風暖房機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の温風暖房機によれば、イオン発生装置が加熱部よりも吸引手段側に設けられている、すなわち、吸引手段から加熱部を介して本体外に放出される空気の流路において、イオン発生装置が加熱部よりも上流側に設けられている。これにより、加熱部にて加熱された空気がイオン発生装置に当たることがない。したがって、イオン発生装置の長期耐久性を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。図1は、本実施形態に係る温風暖房機の概略の構成を示す説明図である。本実施形態の温風暖房機は、同図に示すように、本体1内に、吸引部2(吸引手段)と、加熱部3と、イオン発生装置4と、温風吹出口5とを備えている。
【0010】
吸引部2は、本体1外部から空気を吸引するものであり、ファン2aと、このファン2aを駆動するモータ2bとで構成されている。加熱部3は、吸引部2によって吸引された空気を、灯油やガスなどの燃料を燃焼させて加熱するものであり、例えばバーナー3aを備えている。イオン発生装置4は、吸引部2によって吸引された空気に混合させるイオンを発生するものである。温風吹出口5は、加熱部3にて加熱された空気を本体1外部に放出するための吹出口である。
【0011】
イオン発生装置4は、例えば、誘電体と、この誘電体内部に形成される平板状の誘導電極と、誘電体表面に上記誘導電極と対向して設けられる放電電極とを有するイオン発生素子を備えており、放電電極と誘導電極との間の電位差に基づいて発生する放電(例えば放電電極付近でのコロナ放電)により、正負両イオンを発生させる。
【0012】
また、イオン発生装置4は、加熱部3よりも吸引部2側に支持部材6を介して設けられている。詳しくは、イオン発生装置4は、吸引部2から加熱部3および温風吹出口5を介して本体1外部に放出される空気の流路において、加熱部3よりも上流側に支持部材6を介して設けられている。このとき、イオン発生装置4は、イオン発生素子の放電面4a(放電電極)が、上記空気の流路に沿って位置するように本体1内に配置されている。
【0013】
上記の構成において、吸引部2のモータ2bによってファン2aが回転することにより、本体1外部から空気が吸引される。吸引された空気は、イオン発生装置4の放電面付近を流れることにより、イオン発生装置4にて発生する正負両イオンが混合される。そのようなイオンを含む空気は、加熱部3に供給され、加熱部3にて燃料の燃焼によって加熱された後、温風吹出口5を介して本体1外部に放出される。
【0014】
ここで、イオン発生装置4は、上記した放電電極付近でのプラズマ放電により、例えばH+(H2O)m(mは任意の自然数)からなる正イオンと、例えばO2 −(H2O)n(nは任意の自然数)からなる負イオンとを発生させ、これら両イオンを放出する。すると、これら両イオンが以下の式(1)〜(3)に示す化学反応を起こすことにより、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)がそれぞれ生成される。なお、以下の式(1)〜式(3)において、m、m’、n、n’は任意の自然数である。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’→2・OH+O2+ (m+m’+n+n’)H2O ・・・(2)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’→ H2O2+O2+ (m+m’+n+n’)H2O ・・・(3)
【0015】
上記のH2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これら活性種がホルムアルデヒドなどの臭いの元となる化学物質を酸化若しくは分解して、二酸化炭素や、水、窒素などの無害な物質に変換する。つまり、加熱部3での燃料の燃焼時に発生するホルムアルデヒドなどの化学物質は、上記活性種により、分解・除去され、燃焼時に空気中に含まれる臭いが除去されることになる。
【0016】
つまり、加熱部3に供給される空気に、予め、臭いを分解・除去するためのイオンを混合させておき、加熱部3での燃焼によって生じる臭いが、加熱部3に供給される空気に含まれるイオンによって分解・除去される。最終的には、このように臭いの除去された加熱後の空気が温風として、温風吹出口5から本体1外部に放出されることになる。
【0017】
また、正負両イオンには、インフルエンザウィルス、コクサッキーウィルスなどのウィルス類も不活化する働きがある。なお、不活化とは、カビや菌に積極的に働きかけて、その活動を抑えることをいい、広義には「殺菌」や「除菌」という意味も含まれる。したがって、正負両イオンの発生により、空気中に含まれるこれらウィルスを分解・除去して、ウィルスの混入による汚染を防止することができる。
【0018】
以上のように、本実施形態では、イオン発生装置4が加熱部3よりも吸引部2側に設けられている。すなわち、イオン発生装置4は、吸引部2から加熱部3を介して本体1外部に放出される空気の流路において、加熱部3よりも上流側に設けられている。そして、吸引部2から加熱部3に供給される空気に、イオン発生装置4にて発生するイオンが混合されるようになっている。
【0019】
これにより、加熱部3での加熱後の空気がイオン発生装置4に当たることがないので、イオン発生装置4が高温となるのを回避することができる。その結果、イオン発生装置4の長期耐久性を確保することができる。
【0020】
また、加熱部3での燃料の燃焼時には、NOx、CO、CO2などの燃焼ガスも発生するが、これらの燃焼ガスと、イオン発生装置4にて発生するイオンとが化学反応を起こすことにより、これらの有害物質が低減される効果が得られることも予想される。
【0021】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る温風暖房機の概略の構成を示す説明図である。本実施形態では、吸引部2にて吸引される空気の一部を加熱部3に導くとともに、残りの空気をイオン発生装置4を介して、かつ、加熱部3を避けて本体1外部に導くための仕切り板7(仕切り部材)を本体1内に設けている点、イオン発生装置4にて発生したイオンを含む上記残りの空気を本体1外部に放出するイオン吹出口8を本体1に設けている点以外は、実施の形態1と全く同様である。
【0023】
上記の構成においては、吸引部2のモータ2bによってファン2aが回転することにより、本体1外部から空気が吸引される。このとき、本体1内には、上記の仕切り板7が設けられているので、吸引された空気のうちの一部は、加熱部3に供給され、加熱部3にて燃料の燃焼によって加熱された後、温風吹出口5を介して本体1外部に放出される。
【0024】
一方、吸引された空気の残りは、仕切り板7により、イオン発生装置4を介して、かつ、加熱部3を避けて本体1外部に導かれる。これにより、イオン発生装置4にて発生したイオンは、上記空気と混合された後、上記空気の流れによってイオン吹出口8より本体1外部に放出される。したがって、温風吹出口5から放出された温風に含まれる臭いは、温風暖房機の外部で、イオン吹出口8から放出される空気に含まれるイオンによって分解・除去されることになる。
【0025】
以上のように、本実施形態では、本体1内に上記の仕切り板7を設けることにより、本体1外部で、温風の臭いの分解・除去を行うことができる。また、加熱部3への空気の供給と、イオンを含む空気の本体1外部への放出とを、1個の吸引部2(ファン2a・モータ2b)で行うことができ、それぞれに対応した吸引部2を別々に設ける必要がない。
【0026】
ところで、本実施形態では、図2に示したように、イオン発生装置4は、本体1内において、イオンを発生する放電面4aが下方を向くように縦向きに配置されているが、図3に示すように、放電面4aが側方を向くように横向きに配置されていてもよい。詳しくは、仕切り板7によって吸引部2から加熱部3を避けて本体1外部に導かれる空気の流路に、イオンを発生する放電面4aが面するように、イオン発生装置4が支持部材6を介して本体1内に設けられていてもよい。これにより、イオン発生装置4の放電面4aにて発生したイオンを、吸引部2にて吸引される空気に確実に、かつ、効率よく混合させることができ、そのようなイオンによる臭いの分解・除去効果を確実に得ることができる。
【0027】
また、吸引部2にて吸引した空気が放電面4aに沿って流れるため、放電面4a上に上記空気に含まれるホコリが付着するのを抑制することができる。また、たとえ、放電面4aに上記空気に含まれるホコリが付着したとしても、付着したホコリを空気の流れに乗せて容易に除去することができる。
【0028】
また、図4および図5は、仕切り板7によって吸引部2から加熱部3を避けて本体1外部に導かれる空気の流路に沿って放電面4aが位置していない場合を示している。詳細には、図4は、放電面4aが上向き(吸引部2とは反対側)となるようにイオン発生装置4を本体1内に配置した場合を示し、図5は、放電面4aが上記空気の流路と略垂直になるようにイオン発生装置4を本体1内に配置した場合を示している。
【0029】
図4および図5の構成では、吸引部2から加熱部3を避けて本体1外部に導かれる空気の流路を挟んで、仕切り板7と本体1とで囲まれる(略閉空間の)空間内にイオン発生装置4が配置されているため、吸引部2にて吸引された空気が上記空間内の上記流路を流れたときに、イオン発生装置4にて発生したイオンは、その空気の流れに引き込まれるようになる。また、放電面4aが上記空気の流路に面していないので、吸引部2にて吸引された空気に含まれるホコリが放電面4aに付着しにくい。
【0030】
したがって、このようなイオン発生装置4の配置の仕方でも、イオン発生装置4の放電面4aにて発生したイオンを、吸引部2にて吸引される空気に確実に、かつ、効率よく混合させることができ、そのようなイオンによる臭いの分解・除去効果を確実に得ることができる。また、たとえ、放電面4aに本体1内のホコリが付着したとしても、そのようなホコリが上記空気の流れに引き込まれるので、上記ホコリを容易に除去することができる。
【0031】
また、図2および図3の構成であっても、イオン発生装置4は、上記空気の流路を挟んで仕切り板7と本体1とで囲まれる空間内に、かつ、放電面4aが上記空気の流路に面するように配置されているため、吸引部2にて吸引された空気が上記空間内の上記流路を流れたときには、放電面4aにて発生したイオンが、その空気の流れに引き込まれることにもなる。
【0032】
したがって、図2ないし図5の構成は、いずれも、吸引部2から加熱部3を避けて本体1外部に導かれる空気の流路を挟んで、仕切り板7と本体1とで囲まれる(略閉空間の)空間内にイオン発生装置4が配置されている構成であると言うことができる。そして、この場合、イオン発生装置4が上記空間内でどのように配置されていても(放電面4aがどの方向を向いていても)、放電面4aにて発生したイオンが、その空気の流れに引き込まれるので、上記イオンを吸引部2にて吸引される空気に確実に、かつ、効率よく混合させて、そのようなイオンによる臭いの分解・除去効果を確実に得ることができるとともに、たとえ、放電面4aに本体1内のホコリが付着したとしても、上記ホコリを容易に除去することができる。
【0033】
また、以上のことから、図2ないし図5の構成は、仕切り板7によって吸引部2から加熱部3を避けて本体1外部に導かれる空気の流れに、発生するイオンが引き込まれるような本体1内の位置に、イオン発生装置4が支持部材6を介して設けられている構成であるとも言うことができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の温風暖房機によれば、加熱後の空気がイオン発生装置に当たることがないので、これによってイオン発生装置が高温となるのを回避することができ、イオン発生装置の長期耐久性を確保することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る温風暖房機の概略の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る温風暖房機の概略の構成を示す説明図である。
【図3】上記温風暖房機のイオン発生装置の配置例を示す説明図である。
【図4】上記イオン発生装置のさらに他の配置例を示す説明図である。
【図5】上記イオン発生装置のさらに他の配置例を示す説明図である。
【図6】従来の温風暖房機の概略の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 吸引部(吸引手段)
2a ファン(吸引手段)
2b モータ(吸引手段)
3 加熱部
4 イオン発生装置
4a 放電面
7 仕切り板(仕切り部材)
Claims (4)
- 空気を吸引する吸引手段と、
前記吸引手段によって吸引された空気を、燃料を燃焼させることによって加熱する加熱部と、
前記吸引手段によって吸引された空気に混合させるイオンを発生するイオン発生装置とを備えた温風暖房機において、
前記イオン発生装置は、前記吸引手段から前記加熱部を介して本体外に放出される空気の流路において、前記加熱部よりも上流側に設けられていることを特徴とする温風暖房機。 - 前記吸引手段にて吸引される空気の一部を前記加熱部に導くとともに、残りの空気を前記イオン発生装置を介して、かつ、前記加熱部を避けて本体外に導くための仕切り部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の温風暖房機。
- 前記イオン発生装置は、前記吸引手段から前記加熱部を避けて本体外に導かれる空気の流路を挟んで、前記仕切り部材と本体とで囲まれる空間内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の温風暖房機。
- 前記イオン発生装置は、前記仕切り部材によって前記吸引手段から前記加熱部を避けて本体外に導かれる空気の流路に、イオンを発生する放電面が面するように、本体内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の温風暖房機。
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