JP2011242091A - 温風供給装置 - Google Patents

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功 松下
Takehiko Hayama
武彦 葉山
Kazuo Shimizu
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Abstract

【課題】、空気中の有害物質の分解能をより一層上げられる温風供給装置を提供する。
【解決手段】吸気口4から取り込んだ空気を温風にする温風発生部を備え、温風発生部から発生した温風を吹出し口5から外部に送り出す送風手段を備えた温風供給装置であって、一対のマイクロプラズマ電極間でのプラズマ放電により空気中の有害物質を分解するマイクロプラズマ発生手段と、オゾンを分解して除去するオゾン分解手段とを備え、風路の上流側にマイクロプラズマ発生手段を配置すると共に、下流側にオゾン分解手段を配置してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸気口から取り込んだ空気を温風にする温風発生部を備え、
前記温風発生部から発生した温風を吹出し口から外部に送り出す送風手段を備えた温風供給装置に関する。
近年、室内吸気中に存在するカビや、浮遊細菌、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)や、その他ナノ粒子等の有害物質を除去することが望まれてきている。
そこで、温風供給装置に前述の有害物質の除去機能を付加するために、従来、オゾン発生器を、前記吸気口から前記吹出し口までの空気流通路に設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−125742号公報
上述した従来のオゾン発生器を取り付けた温風供給装置において、発生したオゾンは、一部が前記温風発生部における燃焼領域に近い高温域を通過する際に分解されてラジカル(Oラジカル、HO2ラジカル、OHラジカル等)に変わり、そのラジカルが殺菌など有害物質の分解作用を発揮する。
この高温域を通過する空気は、空気流通路を通過する空気の全体の20%弱で、有害物質が確実に分解される。
しかし、それ以外の80%の希釈空気中のオゾンは、反応速度が遅く分解効率が悪いという問題があるばかりか、人に暴露されるのは好ましくないという問題がある。
そこで、この温風供給装置では、発生されたオゾンが吹出し口に到達するまでに消滅するような構成を採用している。
一方、空気中の有害物質の分解能を上げるべく、オゾンを紫外線照射によりラジカルに分解させる技術を利用して、例えば、従来のオゾン発生器を設けた温風供給装置に、空気流通路におけるオゾン発生器よりも下流側に紫外線照射装置を設けて、高温部を通過しなかったオゾンを、紫外線により分解させてラジカルに変化させることが考えられるが、紫外線によるオゾンの分解効率は数%に過ぎず、やはり全体として高い分解効率が得られないという問題が残る。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、空気中の有害物質の分解能をより一層上げられる温風供給装置を提供するところにある。
そこで、本発明の第1の特徴構成は、吸気口から取り込んだ空気を温風にする温風発生部を備え、前記温風発生部から発生した温風を吹出し口から外部に送り出す送風手段を備えた温風供給装置であって、一対のマイクロプラズマ電極間でのプラズマ放電により空気中の有害物質を分解するマイクロプラズマ発生手段と、オゾンを分解して除去するオゾン分解手段とを備え、風路の上流側に前記マイクロプラズマ発生手段を配置すると共に、下流側に前記オゾン分解手段を配置してあるところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、マイクロプラズマ発生手段における一対のマイクロプラズマ電極間でのプラズマ放電により、発生するマイクロプラズマで空気中の有害物質は、効率よく分解される。
その上、マイクロプラズマ発生手段によりマイクロプラズマと同時にオゾンも発生するが、その発生オゾンは、効率よくラジカル(Oラジカル,OHラジカル,HO2ラジカル)に変化して、空気中の有害物質としてのカビや、浮遊細菌、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)や、その他ナノ粒子等が効率よく分解する。
しかも、たとえマイクロプラズマ発生手段を通過した空気中にオゾンが残存したとしても、下流側に配置したオゾン分解手段により、残存オゾンは分解されるために、温風供給装置から供給される温風は、人に対して良好な環境を提供できる。
本発明の第2の特徴構成は、前記マイクロプラズマ発生手段と前記オゾン分解手段を配置する前記風路は、前記吸気口から前記吹出し口までの空気流通路であるところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、吸引口から取り込んだ空気は、温風発生部により加熱され、しかも吹出し口から吹出すまでに、マイクロプラズマ発生手段により空気中の有害物質は分解されると共に、発生オゾンも除去され、清浄な温風として吹出し口から吹出される。即ち、温風を発生する空気流通路に有害物質の分解路としての機能を持たせることができる。
従って、除菌等の有害物質除去機能を備えた温風供給装置を、コンパクトに製作することが可能となる。
本発明の第3の特徴構成は、前記空気流通路において、前記マイクロプラズマ発生手段を前記吸気口またはその近くに配置し、前記オゾン分解手段を前記吹出し口またはその近くに配置してあるところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、吸気口より取り込んだ空気は、吸気口またはその近くに配置したマイクロプラズマ発生手段により有害物質が無害化処理されるばかりか、温風発生部を通過する際に、マイクロプラズマ発生手段から発生したオゾンは、熱分解によりラジカルに変化し、さらに空気中に残存する有害物質をラジカルが無害化処理する。
従って、全体として空気中の有害物質の無害化処理効率は向上する。
本発明の第4の特徴構成は、前記風路として、前記吸気口から前記吹出し口までの空気流通路とは別に、第2送風手段を備えた第2空気流通路を設け、その第2空気流通路の上流側に前記マイクロプラズマ発生手段を配置し、下流側に前記オゾン分解手段を配置してあるところにある。
本発明の第4の特徴構成によれば、吸気口から吹出し口までの空気流通路とは別に設けた第2空気供給路に、マイクロプラズマ発生手段とオゾン分解手段を配置することにより、温風発生手段を使用しない夏場においても、第2送風手段を作動させて空気中の有害物質を無害化処理でき、空気清浄装置としての使用が季節に関わらず行える。
ガス燃焼式温風暖房機の第1実施形態の概略縦断面図である。 ガス燃焼式温風暖房機の第2実施形態の概略縦断面図である。 ガス燃焼式温風暖房機の第3実施形態の概略縦断面図である。 マイクロプラズマ発生手段の斜視図である。 各試験装置の概略縦断面図で、(a)は第1実施形態に対応、(b)は第2実施形態に対応、(c)は第3実施形態に対応した装置である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、本発明の温風供給装置としてガス燃焼式温風暖房機1に適用した場合を例として説明する。
〔実施形態1〕
本実施形態に係るガス燃焼式温風暖房機1は、図1に示すように、空気流通させる空気流通路2と、室内の空気を空気流通路2を介して対流させる送風手段としてのファン3とを備えて構成される。空気流通路2は、ガス燃焼式温風暖房機1の後面に設けられた吸気口4と前面の下部に設けられた吹出し口5とを有しており、ファン3が室内空気を、除塵フィルター6を備えた吸気口4から空気流通路2に取り込み、吹出し口5から室内に送り出すことによって対流させる。
また、空気流通路2は、吸気口4から取り込んだ空気を加熱手段7によって加熱した加熱空気として流通させる加熱空気流通路8と、吸気口4から取り込んだ空気を加熱空気を希釈して温風にするための希釈用空気として流通させる希釈用空気流通路9と、発生した温風を流通させる温風流通路10とを備える。
温風流通路10の上流側には、加熱空気と希釈用空気とが合流する合流部11が設けてあり、合流部11において加熱空気と希釈用空気とが混合されることによって温風が発生する。このため、本実施形態では、加熱空気と希釈空気とが合流する合流部11が、本発明における「温風発生部」である。
加熱手段7は、上方が開口して加熱空気流通路8と連通する燃焼室12と、燃焼室12に収容されたガスバーナ13とを備える。ガスバーナ13は、従来公知のものと同様の構成であり、図示しないが、ガス管や燃焼用空気供給路等が接続してある。
本実施形態のガス燃焼式温風暖房機1は、運転を開始すると、ファン3が駆動して、室内の空気が吸気口4から矢印で示すように取り込まれる。ガスバーナ13は、ガス管(図示しない)から供給される燃料を、燃焼用空気供給路(図示しない)から取り込まれる燃焼用空気と共に燃焼させることにより点火される。点火されたガスバーナ13の燃焼炎は、燃焼室12の開口を介して、矢印Bに示すように加熱空気供給路に取り込まれた空気を加熱して(800℃)加熱空気とする。矢印Aに示すように希釈用空気流通路9に取り込まれた希釈用空気は、加熱空気と合流部11(200℃〜400℃)において合流し、加熱空気を希釈して、温風として吹出し口5から室内へ送り出される。
前記空気流通路2において吹出し口5の近くには、マイクロプラズマ発生手段とその下流側にオゾン分解手段が配設してある。
前記マイクロプラズマ発生手段は、図1、図4に示すように、空気流通路2を横断して互いに略平行に配置される一対の電極板14と、電極板14にプラズマ発生用の電圧を印加する高周波電源15とを備えてマイクロプラズマ発生装置16が構成されるとともに、一対の電極板14の夫々に、除菌対象の流体である空気が通過可能な貫通孔20を電極板14の厚み方向に形成して構成されている。
また、電極板14の表面には誘電体膜(図示せず)が形成されている。高周波電源15と一対の電極板14のそれぞれとは電気配線により電気的に接続されている。そして、一対の電極板14間に高周波電源15から交流電圧を印加することで、一対の電極板14間にストリーマ形式の誘電体バリア放電を生起させ、マイクロプラズマを生成することができる。このマイクロプラズマにより生成された高速電子、各種活性ラジカル(N*,O*,HO2 *,OH*等)、強電界、紫外線が、一対の電極板14に形成された貫通孔20を上流側から下流側へ向かって通過する空気を除菌する。即ち、有害物質である菌を低減する。
電極板14は、大気圧中でマイクロプラズマを発生させるための電極として用いるため、高温での耐酸化性を有する各種のステンレス鋼で形成されたものを用いるのが好ましい。このようなステンレス鋼としては、例えば、マルテンサイト系ステンレス鋼(martensitic stainless steels)、フェライト系ステンレス鋼(ferritic stainless steels)、オーステナイト系ステンレス鋼(austenitic stainless steels)、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(austenitic-ferritic stainless steels)、析出硬化系ステンレス鋼(precipitation hardening stainless steels)等がある。なお、ステンレス鋼以外の金属を用いて電極板14を形成しても良い。
ここで、電極板14の板厚は、1mm以上とするのが好ましい。電極板14の厚みが1mm未満の場合、電極板14の縁部近傍で両電極板14間にわたって直接放電が発生するおそれがあるが、電極板14の板厚を1mm以上に設定することで、電極板14の縁部近傍で両電極板14間にわたって直接放電が発生することを抑制することができる。結果、一対の電極板14間に安定してマイクロプラズマを発生させることができる。なお、電極板14の板厚の上限値は、製造コストの抑制や製造工程の簡素化の観点から定めたり、電極板14に形成する貫通孔20の孔径φに基づいて定めると好適である。一般的に、板厚より小さい孔径φの貫通孔20を電極板14に形成するのは、製造工程を簡素化するという観点から望ましくない。そのため、電極板14の板厚は、貫通孔20の孔径φと同じ値としたり、貫通孔20の孔径φより小さな値とすることが好ましく、電極板14の板厚の上限値としては、例えば、1.5mm、2mm、或いは3mm程度とすることができる。なお、当然ながら、本発明は、電極板14の板厚が1mm以上である構成に限定されるものではなく、厚さが1mm未満の電極板14を備えてマイクロプラズマ発生装置16を構成してもよい。
また、電極板14に形成される貫通孔20の孔径φは、1.5mm以上3mm以下とするのが好ましい。貫通孔20の孔径φが1.5mm未満となると、電極板14の製造コストの上昇や、除菌対象の流体を貫通孔20に流通させる際の圧力損失の上昇を招来するおそれがある。そこで、上記のように貫通孔20の孔径φを1.5mm以上とすることで、電極板14に貫通孔20を安定的に穿孔でき、製造コストの上昇を抑制することができる。また、圧力損失の上昇も抑制することができる。また、貫通孔20の孔径φが3mmを超えると、除菌対象の流体がマイクロプラズマにより処理されずに電極板14に形成された貫通孔20を通過する割合が高くなり、除菌性能が低下するおそれがある。そこで、貫通孔20の孔径φを3mm以下とすることで、除菌対象の空気がマイクロプラズマにより処理されずに電極板14に形成された貫通孔20を通過することが抑制され、除菌率の向上を図ることができる。なお、貫通孔20の孔径φの上限値を3mmに替えて2mmとすると更に好ましい。また、当然ながら、本発明は、貫通孔20の孔径φが1.5mm以上3mm以下である構成に限定されるものではなく、貫通孔20の孔径φを1.5mm未満としたり3mmより大きな値としてもよい。
本実施形態に係るマイクロプラズマ発生装置16は、一対の電極板14間に誘電体バリア放電を生起させマイクロプラズマを発生させる。そのため、一対の電極板14の互いに対向する面のうち少なくとも一方の面には誘電体膜(図示せず)を形成することになる。そこで、電極板14に隣接して配設される貫通孔20間に位置する電極板14部分に関し、隣接して配設される貫通孔20間の最小離間長さは、少なくとも1mmとするのが好ましい。最小離間長さが1mm未満の場合、電極板14の他方の電極板14に対向する面の面積が小さくなり、電極板14の表面に形成した誘電体膜が剥離しやすくなるおそれがある。しかし、上記のように最小離間長さを設定することで、誘電体膜を形成する面の面積を十分に確保することができ、電極板14の表面に形成した誘電体膜が剥離することが抑制され、一対の電極板14間にマイクロプラズマを安定して発生させることができる。一方、最小離間長さが大きくなるにつれて除菌対象の空気を貫通孔20に流通させる際の圧力損失が大きくなるため、最小離間長さの上限値は、許容できる圧力損失の大きさに応じて定めると好適である。例えば、最小離間長さの上限値は、1.5mmや2mm程度とすることができる。なお、当然ながら、本発明は、最小離間長さsが1mm以上である構成に限定されるものではなく、最小離間長さが1mm未満となる構成としてもよい。
先にも述べたように、電極板14の表面には誘電体膜が形成されている。本実施形態では、上記のように、一対の電極板14間に誘電体バリア放電を生起させるため、一対の電極板14の互いに対向する面のうち少なくとも一方の面或いは双方の面には誘電体膜を形成することとなる。また、これらの面に加え、貫通孔20の内周面にも誘電体膜を形成する構成としてもよい。このように誘電体膜を形成することで、一対の電極板14間に安定してマイクロプラズマを発生させることができる。誘電体膜の膜厚は、例えば、50μm以上500μm以下とすることが好ましい。また、誘電体膜は、例えば、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、Y23、PbZrO3−PbTiO3、BaTiO3、TiO2、ZnO等や、これらの複合酸化物により構成することができる。
前記オゾン分解手段は、本実施形態では、オゾン分解触媒フィルタ17を備えて構成されている。オゾン分解触媒フィルタ17は、例えば、二酸化マンガン、酸化ニッケル、四三酸化鉄、酸化銅、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、及び炭酸銅の何れか一種又は複数種の組み合わせからなるオゾン分解触媒と、ハニカム状に構成された触媒担持用の構造体とから構成される。そして、マイクロプラズマ発生装置16によりマイクロプラズマが形成される状態で、電極板14に形成された貫通孔20を通過した除菌対象の空気がオゾン分解触媒フィルタ17の配設箇所を通過するように構成されている。なお、このようなオゾン分解触媒フィルタ17の構成は公知であるため、ここでは詳細な説明は省く。
発明者らは、鋭意研究の結果、一定の除菌効果が得られる程度の電圧を一対の電極板14間に印加すると、一対の電極板14間に発生するマイクロプラズマにより環境上の観点から無視できない程度の濃度のオゾンが生成されることを見出した。そして、マイクロプラズマと共に発生したオゾンは、貫通孔20を通過した除菌対象の空気とともにオゾン分解触媒フィルタ17に導かれる。
オゾン分解手段に導かれたオゾンは、上記のオゾン分解触媒フィルタ17により無害な酸素分子に変化するため、オゾンが吹出し口5の外部に流出することが抑制されている。しかも、オゾンは酸素分子に変化する過程で酸素原子として存在するため、オゾン分解手段に導かれた空気は、当該酸素原子によっても除菌される。そのため、オゾン分解手段を設けることで、マイクロプラズマ発生手段を用いて流体の除菌を行う際にオゾンが発生するという課題を解決できるとともに、空気の除菌効果を高めることも可能となっている。
尚、マイクロプラズマ発生手段とオゾン分解手段の組み合わせによる効果は、空気の除菌効果を中心に説明したが、空気中のカビ、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)や、ナノ粒子等の有害物質も分解される。
〔実施形態2〕
他の実施形態のガス燃焼式温風暖房機1では、図2に示すように、吸気口4の付近に、マイクロプラズマ及びオゾンを発生させるマイクロプラズマ発生装置16を設け、吹出し口5の付近にオゾン分解触媒フィルタ17を設けてある。運転時にマイクロプラズマ発生装置16を駆動させてマイクロプラズマを発生させる。マイクロプラズマと同時に発生するオゾンは、希釈用空気と共に合流部11に導かれ、加熱空気によって加熱され、熱分解して、ラジカルを発生させる。発生したラジカルは、温風流通路の内において、臭気成分を分解し、細菌やカビ等を死滅させ、花粉等のアレルゲン物質を不活化させることができる。また、残存するオゾンは、吹出し口5手前でオゾン分解手段であるオゾン分解触媒フィルタ17で分解される。このようにして、室内の空気を取り込み、清浄化し、温風として室内に送り出すことができる。
〔実施形態3〕
更に他の実施形態のガス燃焼式温風暖房機1では、図3に示すように、有害物質分解風路として、前記吸気口4から前記吹出し口5までの空気流通路2とは別に、シロッコファン18からなる第2送風手段を備えた第2空気流通路19を設け、その第2空気流通路19の上流側に前記マイクロプラズマ発生手段(マイクロプラズマ電極)を配置し、下流側に前記オゾン分解手段を配置してある。図中シロッコファン18の空気取り入れ口には、除塵フィルター6を設けてある。
このような構成にすることにより、温風発生手段を使用しない夏場においても、第2送風手段を作動させて空気中の有害物質を無害化処理でき、空気清浄装置としての使用が季節に関わらず行える。
次に、前記実施形態1,2,3に示す形態の除菌性能を調べるために、性能試験を行った。
〔試験条件1〕
図5(a)の試験装置(実施形態1のガス燃焼式温風暖房機1の例で図示してある)、及び、図5(b)の試験装置(実施形態2のガス燃焼式温風暖房機2)を準備して試験を行ったが、ガス燃焼式温風暖房機1の例として異なる実施形態1と実施形態2の試験では、夫々1.5m3/分の風量で、ファン3を常に作動させた。
試験条件として、
1. ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼した場合と、しない場合。
2. マイクロプラズマ電極(電極面積:140cm2)を放電した場合と、しない場合。
とで比較試験をした。つまり、実施形態1と実施形態2の試験では、ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼せず、且つ、マイクロプラズマ電極を放電しない条件のコントロール試験との比較において、マイクロプラズマの除菌率、マイクロプラズマ+燃焼による除菌率を算出した。
尚、燃焼した場合のガス排出側の出口温度は、54℃(室温:22℃条件下で)である。この時の空気流通路2の内部温度は、200℃〜400℃である。
〔試験条件2〕
図5(c)の試験装置を準備して、実施形態3の試験を行った。
本体のファン3の風量は、1.5m3/分の風量で、第2送風手段の風量も1.5m3の風量に設定し常に作動させた。つまり、実施形態1及び2の試験と比較して、2倍の処理量に設定した。
試験条件として、前述の方法と同様にした。
1. ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼した場合と、しない場合。
2. マイクロプラズマ電極(電極面積:140cm2)を放電した場合と、しない場合。
とで比較試験をした。
尚、燃焼した場合のガス排出側の出口温度は、54℃(室温:22℃条件下で)である。この時の空気流通路2の内部温度は、200℃〜400℃である。
〔カビ粉体の供給〕
カビ胞子(ペニシリウム)とJIS粉体を混合したカビ粉体を作製し、フィルター(ポアーサイズ:50μm)を装着したフィーダーに粉体を投入(10g)して、連続的に攪拌してカビ粉体を供給するシステムを構築し、フィーダーの回転数を調整してカビ粉体を供給した。
コントロール試験において、下記のサンプリングにおいて、セルロースフィルターに200個程度のコロニー(カビ濃度:1×103個/m3に相当)が出現するように調整した。
〔サンプリング、培養、計測〕
サンプリングは、出口側において滅菌した0.45μmのセルロースフィルターを装着し、ポンプ(10L/分)で20分間吸引してカビ粉体を平板培地にサンプリングした。
カビ胞子をサンプリングしたセルロースフィルターは、シャーレ内のPDB培地(ポテトスターチ0.4%、デキストロース2%、pH5.6)で湿らせた滅菌濾紙上に置いて、30℃で2日間培養し、出現したコロニーを計測した。
各試験の平板培地1枚あたりに出現したカビのコロニー数は、N=5で平均して算出した。
〔除菌性能結果〕
〔試験条件1の結果〕
ガス燃焼式温風暖房機1の本体内にマイクロプラズマ電極を設置した実施形態1と実施形態2の試験装置の場合、同様の結果が得られ、
1. マイクロプラズマ電極を作動しない場合・・・・・
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼しない場合であるコントロール試験では、カビ数は、200個/平板培地であった。
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼した場合、カビ数は、160個/平板培地で、20%の除菌率であった。
2. マイクロプラズマ電極を作動した場合・・・・・
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼しない場合、カビ数は、40個/平板培地で、80%の除菌率であった。
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼した場合、カビ数は、32個/平板培地で、84%の除菌率であった。
〔試験条件2の結果〕
ガス燃焼式温風暖房機1の本体とは別の第2送風手段を設けてマイクロプラズマ電極を設置した実施形態3の試験装置の場合
1. マイクロプラズマ電極を作動しない場合・・・・・
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼しないコントロール試験では、カビ数は、400個/平板培地であった。
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼した場合、カビ数は、360個/平板培地で、10%の除菌率であった。
2. マイクロプラズマ電極を作動した場合・・・・・
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼しない場合、カビ数は、240個/平板培地で、40%の除菌率であった。
ガス燃焼式温風暖房機1を燃焼した場合、カビ数は、200個/平板培地で、50%の除菌率であった。
実施形態3の除菌率は、実施形態1及び2の場合と比較して、除菌率が下がるが、室内空気に対して2倍の処理量となっていた。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記温風供給装置は、ガス燃焼式温風暖房機1に限らず、石油燃焼式温風暖房機や電気加熱式温風暖房機であっても良い。
〈2〉 オゾン分解触媒フィルタ17に代えて、他の形式のオゾン分解装置であってもよく、それらをオゾン分解手段と総称する。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
2 空気流通路
4 吸気口
5 吹出し口
19 第2空気流通路

Claims (4)

  1. 吸気口から取り込んだ空気を温風にする温風発生部を備え、
    前記温風発生部から発生した温風を吹出し口から外部に送り出す送風手段を備えた温風供給装置であって、
    一対のマイクロプラズマ電極間でのプラズマ放電により空気中の有害物質を分解するマイクロプラズマ発生手段と、
    オゾンを分解して除去するオゾン分解手段とを備え、
    風路の上流側に前記マイクロプラズマ発生手段を配置すると共に、下流側に前記オゾン分解手段を配置してある温風供給装置。
  2. 前記マイクロプラズマ発生手段と前記オゾン分解手段を配置する前記風路は、前記吸気口から前記吹出し口までの空気流通路である請求項1に記載の温風供給装置。
  3. 前記空気流通路において、前記マイクロプラズマ発生手段を前記吸気口またはその近くに配置し、
    前記オゾン分解手段を前記吹出し口またはその近くに配置してある請求項2に記載の温風供給装置。
  4. 前記風路として、前記吸気口から前記吹出し口までの空気流通路とは別に、第2送風手段を備えた第2空気流通路を設け、その第2空気流通路の上流側に前記マイクロプラズマ発生手段を配置し、下流側に前記オゾン分解手段を配置してある請求項1に記載の温風供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012125360A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Mitsubishi Electric Corp ウイルス不活化装置、その方法およびそれを用いた空調機
JP2018038315A (ja) * 2016-09-07 2018-03-15 フルタ電機株式会社 炭酸ガス発生装置と、ハウス内への炭酸ガス供給方法
WO2023127836A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 キヤノン株式会社 気体処理装置、及び気体処理方法
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