JP2009240697A - 除菌消臭ユニット及び除菌消臭機能付き暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気を除菌又は消臭する除菌消臭ユニットであって、空気を吸入する吸入部1と、吸入された空気を除菌又は消臭する処理部2と、除菌又は消臭された空気を吹き出す吹出部3とを備え、処理部2は、オゾン発生部6と紫外光源7とが内部に配置された通気路8を有しており、オゾン発生部6から発生したオゾンを含有する空気が流れる通気路8の壁部内側の少なくとも対向する位置に、紫外光源7からオゾン含有空気に照射される紫外光を反復的に反射する反射部10が形成されている。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示される装置は、オゾン供給装置から発生させたオゾンに対し、紫外線発生ランプから紫外光を照射することにより、オゾンを分解して活性酸素を生成している。そして、生成した活性酸素を除菌処理対象物に行き渡らせるため、攪拌装置を用いて除菌処理対象空間を攪拌している。
特許文献2に開示される空調機は、空気中の雑菌を捕集する捕集部を備えている。捕集部に捕集された雑菌は、オゾン供給装置からオゾンが供給されるととともに紫外光が照射される。これにより、活性酸素が発生し、捕集部の雑菌を死滅させている。
図6は、オゾンの半減期と温度との関係を示すグラフである。このグラフから分かるように、例えば、温度が40℃であればオゾンの半減期は1週間程度であるが、300℃になるとオゾンの半減期は1秒以下となる。
また、オゾンはその強い酸化力のため人体に有害な物質である。このため、除菌消臭処理後は空気中に放出するオゾン濃度をできるだけ低く(例えば、0.1ppm以下)する必要がある。
また、特許文献1の装置では、単純に、オゾン供給装置で発生させたオゾンに紫外線発生ランプからの紫外光を照射しているだけなので、紫外線発生ランプの出力を上げる等しない限り、オゾンの分解効率を十分に高めることも困難と考えられる。ただし、紫外線発生ランプの出力を上げたとしても、それに比例して分解効率が向上する訳ではない。
なお、特許文献1のようなバッチ方式では、除菌対象物の処理が終わると、装置本体内から当該除菌対象物をその都度取り出す必要がある。このため、実質的に除菌処理を行いたい場合では、除菌対象物の交換作業を何度も行う必要があり、作業者にとって手間が掛かるという問題もある。
このように、特許文献1のようなバッチ方式の除菌装置では、オゾン濃度を一定の低濃度に維持しながら、オゾンを効率良く分解して活性酸素を発生させることは困難である。さらに、除菌処理の作業効率も悪いと考えられる。そして、このようなデメリットは、オゾン寿命が短い高温環境下においては、より顕著になると考えられる。
ところが、特許文献2には、発生したオゾンの分解効率を高めるための工夫は一切見られない。すなわち、特許文献2の空調機においても、上記特許文献1と同様に、オゾン供給装置で発生させたオゾンに対して単純に紫外光を照射しているに過ぎない。
また、特許文献2においては、捕集部には除菌対象となる雑菌だけでなく、埃等の異物も捕集される。このため、空調機を長時間に渡って使用すると捕集部が徐々に目詰まりを起こし、その結果、捕集部の清掃又は交換作業を定期的に行わなければならないという問題もある。
また、本構成の除菌消臭ユニットでは、上記のように、活性酸素の分解効率が高いので、安全性を考慮してオゾン濃度が低くなるようにオゾン発生部を調整しても、除菌又は消臭に十分な量の活性酸素を発生させることができる。
そこで、本構成の除菌消臭ユニットでは、オゾン含有空気に暖房器具で発生する水蒸気を含んだ燃焼ガスを混合した状態で、紫外光源から紫外光を照射することができる。これにより、オゾンの分解効率が向上し、除菌消臭効果が高まる。また、オゾンと水蒸気とが反応して生成したヒドロキシラジカルも、活性酸素と同様に、空気中の雑菌や悪臭成分を強力に除菌又は消臭する作用を有する。このため、活性酸素とヒドロキシラジカルとの相乗効果により、より高い除菌消臭効果が期待できる。
なお、アルミニウム又は銀を含む金属膜は、蒸着や鍍金等の既存の技術によって比較的簡単に形成することができる。
また、本構成の除菌消臭機能付き暖房装置では、上記のように、活性酸素の分解効率が高いので、安全性を考慮してオゾン濃度が低くなるようにオゾン発生部を調整しても、除菌又は消臭に十分な量の活性酸素及びヒドロキシラジカルを発生させることができる
なお、アルミニウム又は銀を含む金属膜は、蒸着や鍍金等の既存の技術によって比較的簡単に形成することができる。
図1は、第1実施形態による除菌ユニット30の内部構成を示す一部切欠き平断面図である。
除菌処理部2を構成する通気路8の内部では、オゾン発生部6から発生させたオゾンに対して紫外光源7から紫外光が照射される。具体的には、吸入口4から吸入された空気にオゾン発生部6で発生させたオゾンが混合され、これにより生成したオゾン含有空気に紫外光源7から紫外光が照射される。このとき、オゾンが分解し、ラジカルの一種である活性酸素が生成する。この活性酸素は、空気に含まれる雑菌に対して強力な除菌(殺菌)効果を発揮する。また、活性酸素の一部は、空気中の水分と反応して、活性酸素と同様に強力な除菌効果を有するヒドロキシラジカルを生成する。従って、オゾンの分解効率を向上させることができれば、さらに強力な除菌効果が期待できる。
そして、本実施形態の除菌ユニット30では、上記のように、活性酸素の分解効率が高いので、安全性を考慮してオゾン濃度が低くなるようにオゾン発生部6を調整しても、除菌に十分な量の活性酸素を発生させることができる。
なお、本実施形態では、通気路8の壁部9の内側全体に反射部10を形成したが、反射部10は壁部9の内側の少なくとも対向する位置に形成すればよい。
図2に示すように、ガスファンヒータ50は、空気を通流させる空気通路51と、空気を加熱するガスバーナ52を備えた燃焼室(燃焼部)53と、温風を室内に送る送風ファン54を備えた希釈部55とを備えている。空気通路51の上流側はガスファンヒータ50の後面に設けられた吸気口(空気吸入部)56として構成され、下流側はガスファンヒータ50の前面の下部に設けられた温風吹出口(温風吹出部)57として構成される。また、空気通路51は、ガスバーナ52で加熱された空気が通流する加熱空気通路51aと、加熱空気を希釈するための希釈空気が通流する希釈空気通路51bとを有する。さらに、希釈部55は、加熱空気と希釈空気とが混合する希釈通路51cと、ガスファンヒータ50の内部の空気が温風吹出口57から吹き出される前に通気する通気チャンバ58とを有する。
このようにして、本実施形態のガスファンヒータ50は、室内の暖房を行うとともに、室内空気を対流させている。
このように、本実施形態の除菌機能付きガスファンヒータ50を用いると、室内を対流する空気に対して、効果的な除菌を行うことができる。
図3は、本発明の第2実施形態による除菌機能付きガスファンヒータ50の縦断面図である。紫外光を照射することによるオゾンの活性酸素への分解効率は、水蒸気の存在により向上する。これは、オゾンが分解して生成した活性酸素は、水蒸気と反応してヒドロキシラジカルを生成し、その結果、オゾンから活性酸素への分解がさらに進行するためである。そこで、本実施形態では、ガスバーナ52を燃焼させたときに発生する水蒸気を含有する加熱空気の一部を、除菌ユニット30の除菌処理部2に積極的に導入するように構成している。
図4は、本発明の第3実施形態による除菌機能付きガスファンヒータ50の縦断面図である。本実施形態は、上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、ガスファンヒータ50の内部に、オゾン発生部6と、紫外光源7と、反射部10とを組み込んで構成したものである。
オゾン発生部6から発生させたオゾンが吸気口56から吸い込んだ空気とともに通気チャンバ58に流入すると、オゾン含有空気は紫外光源7から紫外光が照射されて活性酸素に分解される。あるいは、反射部10で反射された紫外光を受けて活性酸素に分解される。さらに、生成した活性酸素の一部は、燃焼ガス中の水蒸気と反応してヒドロキシラジカルを生成する。これにより、オゾンから活性酸素への分解がさらに進行する。従って、通気チャンバ58の内部においては、活性酸素及びヒドロキシラジカルの相乗効果による強力な除菌が行われる。除菌処理がなされた空気は、温風吹出口57から吹き出される。温風吹出口57にはオゾン分解フィルタ12が取り付けられているので、吹き出された空気中のオゾン濃度は、爆発限界である0.1ppm以下にまで低減され、安全性が確保される。
本発明の除菌ユニット30をガスファンヒータ50に取り付けて使用する場合(第1実施形態及び第2実施形態)において、空気中の雑菌に対して効果的な除菌を行うには、先に述べたように、オゾンの分解効率を向上させる必要がある。そのためには、オゾン含有空気に対する紫外光の照射頻度(照射時間)を増大させる工夫が必要となる。この点について、図1で示した第1実施形態の構成の他に、例えば、図5に示すような構成を採用することもできる。この除菌ユニット30は、通気路8を長手方向で一回折り返して通気路8の有効長を倍増させたものである。この場合も、オゾン発生部6は通気路8の上流側に配置され、紫外光源7は通気路8の折り返し部分を除いた略全域に通気路8に沿って配置される。
本別実施構成は、図1の構成と比較して単純であるため、設計が容易である。しかも、オゾン含有空気に対する紫外光の照射頻度(照射時間)が増大するので、オゾン含有空気中のオゾンは高い効率で活性酸素に分解される。
2 除菌(消臭)処理部
3 吹出部
6 オゾン発生部
7 紫外光源
8 通気路
9 壁部
10 反射部
13 燃焼ガス導入部
30 除菌(消臭)ユニット
50 ガスファンヒータ
53 燃焼室(燃焼部)
54 ファン
55 希釈部
56 吸気口(空気吸入部)
57 温風吹出口(温風吹出部)
58 通気チャンバ
Claims (7)
- 空気を除菌又は消臭する除菌消臭ユニットであって、
前記空気を吸入する吸入部と、吸入された空気を除菌又は消臭する処理部と、除菌又は消臭された空気を吹き出す吹出部とを備え、
前記処理部は、オゾン発生部と紫外光源とが内部に配置された通気路を有しており、
前記オゾン発生部から発生したオゾンを含有する空気が流れる前記通気路の壁部内側の少なくとも対向する位置に、前記紫外光源からオゾン含有空気に照射される紫外光を反復的に反射する反射部が形成されている除菌消臭ユニット。 - 前記処理部に、暖房器具で発生する水蒸気を含んだ燃焼ガスが導入される燃焼ガス導入部を設け、
前記通気路の内部の前記オゾン含有空気に前記燃焼ガスを混合した状態で、前記紫外光源から紫外光を照射可能に構成されている請求項1に記載の除菌消臭ユニット。 - 前記反射部は、アルミニウム又は銀を含む金属膜で構成される請求項1又は2に記載の除菌消臭ユニット。
- 暖房を行うとともに空気を除菌又は消臭する除菌消臭機能付き暖房装置であって、
請求項1〜3の何れか一項に記載の除菌消臭ユニットを備えた除菌消臭機能付き暖房装置。 - 暖房を行うとともに空気を除菌又は消臭する除菌消臭機能付き暖房装置であって、
外部の空気を吸入する空気吸入部と、燃料を燃焼して水蒸気を含んだ燃焼ガスを発生させる燃焼部と、前記燃焼ガスを前記空気吸入部より吸入した空気の一部で希釈する希釈部と、希釈された燃焼ガスを温風として吹き出す温風吹出部とを備え、
前記希釈部は、除菌消臭処理を行うオゾン発生部と紫外光源とが内部に配置された通気チャンバを有しており、
前記通気チャンバの壁部内側の少なくとも一部に、前記紫外光源からオゾン含有希釈燃焼ガスに照射される紫外光を反復的に反射する反射部が形成されている除菌消臭機能付き暖房装置。 - 前記反射部は、アルミニウム又は銀を含む金属膜で構成される請求項5に記載の除菌消臭機能付き暖房装置。
- 前記希釈部に前記温風を吹き出すファンが設けられ、当該ファンの回転軸に沿って、前記紫外光源が配置されている請求項5又は6に記載の除菌消臭機能付き暖房装置。
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