JP2004169475A - 橋構造物用点検作業台 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両や鉄道の通行の妨げになることなく橋構造物の裏面や橋桁を定期的に点検することができ、かつ、構造が簡単で安価であり、さらに、設置も容易である橋構造物用点検作業台を提供すること。
【解決手段】本発明に係る橋構造物用点検作業台は、上部に橋構造物の側壁部に係止可能な係止部材を備え、下部に前記係止部材から下方に向かって垂下するガイド部材を備えた支持本体と、前記ガイド部材の下部に回動可能に装着され、不使用時には前記ガイド部材の延長方向に沿って垂直に立てられ、使用時には前記ガイド部材の延長方向に対して略垂直位置まで回動し、橋構造体の下方で橋構造体の内側に向けて伸びる足場を構成する足場部材とを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る橋構造物用点検作業台は、上部に橋構造物の側壁部に係止可能な係止部材を備え、下部に前記係止部材から下方に向かって垂下するガイド部材を備えた支持本体と、前記ガイド部材の下部に回動可能に装着され、不使用時には前記ガイド部材の延長方向に沿って垂直に立てられ、使用時には前記ガイド部材の延長方向に対して略垂直位置まで回動し、橋構造体の下方で橋構造体の内側に向けて伸びる足場を構成する足場部材とを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁、高速道路高架部、又は鉄道高架部等の橋構造物の裏面や橋桁等の点検や修繕に用いる架設作業台に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋梁、高速道路高架部、又は鉄道高架部等の橋構造物は、補修や修復のために定期的に点検をすることが必要とされる。
近年では、定期点検を行うことを前提として、橋構造物の下に予め点検及び作業の足場を永久設備として設置しているものもあるが、このような作業足場を既に完成された橋構造物の全てに設置するのは費用的にも作業量的にも極めて困難である。
このため、従来は、橋構造物の裏面や橋桁の点検は、主として専用の橋梁点検車(特許文献1及び2参照)を用いて行われていた。
この橋梁点検車は、車両の上に旋回自在の旋回台を設け、この旋回台に伸縮可能なブームを取り付け、該ブームの先端に作業台を連結して成る。
【0003】
【特許文献1】特開2002−53297号公報
【特許文献2】特開2002−187692号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような橋梁点検車は大型であり、点検時には、当然のことながら、道路に車両を固定しておなかければならないので、通行の妨げになり、小さな橋の場合には橋を完全に通行止めしなければならないという問題が生じる。また、車両が走行できる橋ならよいが、鉄道高架部等のように車両が走行できない橋もあるという問題もあった。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、車両や鉄道の通行の妨げになることなく橋構造物の裏面や橋桁を定期的に点検することができ、かつ、構造が簡単で安価であり、さらに、設置も容易である橋構造物用点検作業台を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために本発明に係る橋構造物用点検作業台は、上部に橋構造物の側壁部に係止可能な係止部材を備え、下部に前記係止部材から下方に向かって垂下するガイド部材を備えた支持本体と、前記ガイド部材に回動可能に装着され、不使用時には前記ガイド部材の延長方向に沿って垂直に立てられ、使用時には前記ガイド部材の延長方向に対して略垂直位置まで回動し、橋構造体の下方で橋構造体の内側に向けて伸びる足場を構成する足場部材とを備えていることを特徴とする。
前記ガイド部材は、橋の上と前記足場部材との間を作業者が昇り降りできるように構成されていればどのような構成でもよく、例えば、全体が梯子で構成されていてもよいが、代わりに、適当な昇降装置を介して作業者を乗せたままガイド部材に沿って昇降可能な昇降台を設けてもよい。
また、前記係止部材は橋構造体の側壁部に係止して、橋の上と前記足場部材との間を作業者が昇り降りする間、及び、作業者が前記足場部材上で点検や作業をしている間に、橋構造物用点検作業台全体を橋構造物に支持できるように構成されていれば任意の構成でよいが、例えば、前記構造物の側壁部の前面及び後面に接触する少なくとも二つの転倒防止用支持ローラと、前記橋構造物の側壁部の上面に接触する少なくとも一つの荷重支持ローラとを有し、前記ローラを介して橋構造物用点検作業台全体が、橋構造物の側壁部に沿って移動できるように構成され得る。
さらに、前記足場部材は、必要に応じてガイド部材に沿って上下に昇降可能に構成され得る。このように構成することにより、修繕等の作業をすべき橋構造体の裏面と足場部材との距離を適宜調整することが可能になる。この作用効果は、前記ガイド部材自体を伸縮可能に構成することによっても達成され得る。また、前記ガイド部材と前記係止部材とを別体で構成し、前記ガイド部材を前記係止部材に上下に昇降可能に取り付けることによっても同様の作用効果が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示した幾つかの実施例を参照して本発明に係る橋構造物用点検作業台(以下、単に点検作業台と称する。)の実施の形態について説明していく。
【0007】
図1及び図2は本発明の係る橋構造物用点検作業台の第一の実施例を示している。
【0008】
図中、符号Aは橋構造体を示している。本実施例においては、橋構造体Aは自動車が通行するための橋である。符号Bは橋構造体Aの両側に設けられている縁石であり、符号Cは縁石Bに設けられた欄干ある。橋構造体の構造は目的、用途又はデザインによって様々なものがあるが、本明細書では、橋の側部に橋と一体に設けられた上方に立ち上がる部分全体を指して「側壁部」と称する。従って、本実施例では、縁石B及び欄干Cで橋構造体Aの側壁部Dが構成されている。
【0009】
本発明に係る点検作業台は、前記橋構造体Aの側壁部Dに取り付けられる。
点検作業台は支持本体1を備え、この支持本体1は、係止部材10とガイド部材20とで構成されている。
前記係止部材10は、前記側壁部Dに係止可能な逆U字状の左右一対のフレーム11と、二つのフレーム11間を連結する複数のクロスバー12とを備えている。図1に示すように、各フレーム11は、前記側壁部Dの前面及び後面に接触する少なくとも二つの転倒防止用の第1及び第2支持ローラ13,14と、側壁部の上面に接触する少なくとも一つの荷重受け用の第3支持ローラ15とを備えている。
前記ガイド部材20は、左右一つのガイドレール21と、二つのガイドレール21を連結する複数のクロスバー22とを備えている。このガイド部材20は、前記係止部材10に固定され、係止部材10から下方に向けて垂下する。
前記ガイドレール21の下端部には、軸23を介して板状の足場部材24が回動可能に設けられている。前記足場部材24は、不使用時にはガイドレール21と平行に立てた状態で適当なフック部材(図示せず)でガイドレール21に止められており、使用時には前記フック部材を外すことにより、前記軸23を中心にガイドレール21の延長方向と略垂直な位置まで回動され、橋構造体Aの内側に向けてのびる足場を形成する。符号25は左右一対のワイヤーを示しており、このワイヤー25は、一端が足場部材24に、他端がガイドレール21に各々固定されており、足場部材24は、このワイヤー25によって延長方向と略垂直な位置で保持される。
また、この足場部材24は、その一端に180度回動可能に延長部材26を備えており、必要に応じて、この延長部材26を開いて足場を延長することができるように構成されている。
さらに、前記ガイドレール21には、昇降ウィンチ27を介してガイドレール21に沿って昇降可能な昇降台28が設けられており、作業者がこの昇降台28に乗って橋の上から前記足場部材24で構成される足場まで降りることができるように構成されている。
尚、図中、符号16は係止部材10の左右一対のフレーム11間に設けられた渡板を示しており、また、符号17は前記渡板16から前記昇降台28に乗り移る時に使用する梯子を示しており、符号18は、手摺を示している。前記梯子17及び手摺18は各々フレーム11に固定されている。
【0010】
次に、図3を用いて上記したように構成された点検作業台の使用方法について簡単に説明する。
始めに作業者は渡板16及び梯子17を使って橋構造体Aから昇降台28に乗り移る(図3(a)参照)。
そして、昇降ウィンチ27を使って、昇降台28をガイドレール21の下端まで下げる(図3(b)参照)。
次いで、不図示のフックを外して足場部材24を、ガイドレール21の延長方向に対して垂直になる位置まで回動させる。この状態で昇降台28の床面と足場部材24とが連続して足場が形成されので、作業者は足場上を自由に移動して橋構造体Aの裏面の点検や補修作業を行うことが可能になる(図3(c)参照)。
以上説明したように構成された点検作業台は、第一、第二及び第三支持ローラ13,14,15によって橋構造体Aの側壁部Dに支持されているため、これらのローラ13,14,15を介して橋構造体Aの長手方向に沿って移動可能である。
【0011】
以上説明した点検作業台における係止部材10の形態は、必要に応じて適宜変更することができる。
図4は、係止部材10の変形実施例であり、この実施例では、係止部材10における第1支持ローラ13が橋構造体Aの側壁部Dの一部である欄干Cの前面に接触し、第2支持ローラ14が橋構造体Aの側壁部Dの一部である縁石Bの外面に接触し、第3支持ローラ15が前記縁石Bの上面に接触している。その他の構成は、図1〜図3で説明した第一実施例の構成を同じなので、主要部分に第一実施例と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
図5は、係止部材10の第二変形実施例であり、この実施例では、橋構造体Aは鉄道高架であり、その側壁部Dは鉄道高架の側縁から上方に立ち上がっている側壁のみから構成されている。
このため係止部材10における第1支持ローラ13及び第2支持ローラ14は側壁部Dの前面及び後面に接触され、第3支持ローラ15は側壁部Dの上面に接触されている。その他の構成は、図1〜図3で説明した第一実施例の構成を同じなので、主要部分に第一実施例と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0012】
以上説明した実施例では、支持本体1の係止部材10とガイド部材20とが別体に構成されているが、これは本実施例に限定されることなく、一体に構成してもよい。
また、上記した実施例では、係止部材10とガイド部材20とを別体に構成し、ガイド部材20を係止部材10に固定しているが、これは本実施例に限定されることなく、必要に応じて、ガイド部材20を係止部材10に上下に摺動可能に取り付けてもよい。このようにガイド部材20を係止部材10に上下に摺動可能に取り付けておくと、例えば、作業者の身長や作業工具の長さ等に応じて、足場部材24で構成される足場の高さを上下に調整することができるという効果を奏し、さらに、使用していない時にガイド部材20を係止部材10側に収容することができるので点検作業台全体をコンパクトにすることができ、運搬が容易になるという効果を奏する。さらに、ガイド部材20における足場部材24に対応する位置に、作業者が立つことができる程度の固定足場を設け、かつ、前記固定足場が橋構造体Aの側壁部Dの近くまで達するようにガイド部材20の摺動範囲を広げることで、昇降台28を設ける必要がなくなり、点検作業台の構造をより簡単化することができるという効果を奏する。また、係止部材10とガイド部材20とを一体に構成し、それを伸縮可能な入れ子式の構造にしてもよく、このように構成しても、足場の高さの調整が可能になり、点検作業台全体がコンパクト化でき、かつ、昇降台28を省略することも可能になるという効果を奏する。
さらにまた、上記した実施例では、ガイド部材20の下端に足場部材24を回動可能に設けているが、この構成は本実施例に限定されることなく、回動可能に構成されていれば任意の構成でよく、例えば、足場部材24をガイド部材20に対して上下に昇降可能に取り付けてもよい。このように足場部材24を上下に昇降可能に取り付けることにより、例えば、作業者の身長や作業工具の長さ等に応じて、足場部材24で構成される足場の高さを上下に調整することができるという効果を奏する。
また、上記した実施例では、ガイド部材20に上下に昇降可能な昇降台28を設け、この昇降台28に乗って作業者が橋構造体Aの上から足場まで達するように構成されているが、この構成は本実施例に限定されることなく、作業者が橋構造体Aの上から足場に達することができるように構成されていれば任意の構成でよく、例えば、第一実施例において昇降台28を設けずに、梯子17を足場部材24の位置まで伸ばしてもよい。このように構成することで故障の原因になり易い可動部分が少なくなり、点検作業台全体の構造が簡単化され、かつ、軽量化及び小型化が図れるという効果を奏する。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る橋構造物用点検作業台は、上部に橋構造物の側壁部に係止可能な係止部材を備え、下部に前記係止部材から下方に向かって垂下するガイド部材を備えた支持本体と、前記ガイド部材に回動可能に装着され、不使用時には前記ガイド部材の延長方向に沿って垂直に立てられ、使用時には前記ガイド部材の延長方向に対して略垂直位置まで回動し、橋構造体の下方で橋構造体の内側に向けて伸びる足場を構成する足場部材とを備えているので、橋構造体に取り付けても車両や鉄道の通行の妨げになることがなく、また、構造が簡単で安価であり、設置も簡単であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の係る橋構造物用点検作業台の第一実施例の概略側面図である。
【図2】図1に示した橋構造物用点検作業台の概略正面図である。
【図3】図1に示した橋構造物用点検作業台の使用状態を説明する図である。
【図4】本発明の係る橋構造物用点検作業台の第ニ実施例の概略側面図である。
【図5】本発明の係る橋構造物用点検作業台の第三実施例の概略側面図である。
【符号の説明】
A 橋構造体
B 縁石
C 欄干
D 側壁部
1 支持本体
10 係止部材
11 フレーム
12 クロスバー
13 第一支持ローラ(転倒防止用)
14 第二支持ローラ(転倒防止用)
15 第三支持ローラ(荷重受け用)
16 渡板
17 梯子
18 手摺
20 ガイド部材
21 ガイドレール
22 クロスバー
23 軸
24 足場部材
25 ワイヤー
26 延長部材
27 昇降ウィンチ
28 昇降台
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁、高速道路高架部、又は鉄道高架部等の橋構造物の裏面や橋桁等の点検や修繕に用いる架設作業台に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋梁、高速道路高架部、又は鉄道高架部等の橋構造物は、補修や修復のために定期的に点検をすることが必要とされる。
近年では、定期点検を行うことを前提として、橋構造物の下に予め点検及び作業の足場を永久設備として設置しているものもあるが、このような作業足場を既に完成された橋構造物の全てに設置するのは費用的にも作業量的にも極めて困難である。
このため、従来は、橋構造物の裏面や橋桁の点検は、主として専用の橋梁点検車(特許文献1及び2参照)を用いて行われていた。
この橋梁点検車は、車両の上に旋回自在の旋回台を設け、この旋回台に伸縮可能なブームを取り付け、該ブームの先端に作業台を連結して成る。
【0003】
【特許文献1】特開2002−53297号公報
【特許文献2】特開2002−187692号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような橋梁点検車は大型であり、点検時には、当然のことながら、道路に車両を固定しておなかければならないので、通行の妨げになり、小さな橋の場合には橋を完全に通行止めしなければならないという問題が生じる。また、車両が走行できる橋ならよいが、鉄道高架部等のように車両が走行できない橋もあるという問題もあった。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、車両や鉄道の通行の妨げになることなく橋構造物の裏面や橋桁を定期的に点検することができ、かつ、構造が簡単で安価であり、さらに、設置も容易である橋構造物用点検作業台を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために本発明に係る橋構造物用点検作業台は、上部に橋構造物の側壁部に係止可能な係止部材を備え、下部に前記係止部材から下方に向かって垂下するガイド部材を備えた支持本体と、前記ガイド部材に回動可能に装着され、不使用時には前記ガイド部材の延長方向に沿って垂直に立てられ、使用時には前記ガイド部材の延長方向に対して略垂直位置まで回動し、橋構造体の下方で橋構造体の内側に向けて伸びる足場を構成する足場部材とを備えていることを特徴とする。
前記ガイド部材は、橋の上と前記足場部材との間を作業者が昇り降りできるように構成されていればどのような構成でもよく、例えば、全体が梯子で構成されていてもよいが、代わりに、適当な昇降装置を介して作業者を乗せたままガイド部材に沿って昇降可能な昇降台を設けてもよい。
また、前記係止部材は橋構造体の側壁部に係止して、橋の上と前記足場部材との間を作業者が昇り降りする間、及び、作業者が前記足場部材上で点検や作業をしている間に、橋構造物用点検作業台全体を橋構造物に支持できるように構成されていれば任意の構成でよいが、例えば、前記構造物の側壁部の前面及び後面に接触する少なくとも二つの転倒防止用支持ローラと、前記橋構造物の側壁部の上面に接触する少なくとも一つの荷重支持ローラとを有し、前記ローラを介して橋構造物用点検作業台全体が、橋構造物の側壁部に沿って移動できるように構成され得る。
さらに、前記足場部材は、必要に応じてガイド部材に沿って上下に昇降可能に構成され得る。このように構成することにより、修繕等の作業をすべき橋構造体の裏面と足場部材との距離を適宜調整することが可能になる。この作用効果は、前記ガイド部材自体を伸縮可能に構成することによっても達成され得る。また、前記ガイド部材と前記係止部材とを別体で構成し、前記ガイド部材を前記係止部材に上下に昇降可能に取り付けることによっても同様の作用効果が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示した幾つかの実施例を参照して本発明に係る橋構造物用点検作業台(以下、単に点検作業台と称する。)の実施の形態について説明していく。
【0007】
図1及び図2は本発明の係る橋構造物用点検作業台の第一の実施例を示している。
【0008】
図中、符号Aは橋構造体を示している。本実施例においては、橋構造体Aは自動車が通行するための橋である。符号Bは橋構造体Aの両側に設けられている縁石であり、符号Cは縁石Bに設けられた欄干ある。橋構造体の構造は目的、用途又はデザインによって様々なものがあるが、本明細書では、橋の側部に橋と一体に設けられた上方に立ち上がる部分全体を指して「側壁部」と称する。従って、本実施例では、縁石B及び欄干Cで橋構造体Aの側壁部Dが構成されている。
【0009】
本発明に係る点検作業台は、前記橋構造体Aの側壁部Dに取り付けられる。
点検作業台は支持本体1を備え、この支持本体1は、係止部材10とガイド部材20とで構成されている。
前記係止部材10は、前記側壁部Dに係止可能な逆U字状の左右一対のフレーム11と、二つのフレーム11間を連結する複数のクロスバー12とを備えている。図1に示すように、各フレーム11は、前記側壁部Dの前面及び後面に接触する少なくとも二つの転倒防止用の第1及び第2支持ローラ13,14と、側壁部の上面に接触する少なくとも一つの荷重受け用の第3支持ローラ15とを備えている。
前記ガイド部材20は、左右一つのガイドレール21と、二つのガイドレール21を連結する複数のクロスバー22とを備えている。このガイド部材20は、前記係止部材10に固定され、係止部材10から下方に向けて垂下する。
前記ガイドレール21の下端部には、軸23を介して板状の足場部材24が回動可能に設けられている。前記足場部材24は、不使用時にはガイドレール21と平行に立てた状態で適当なフック部材(図示せず)でガイドレール21に止められており、使用時には前記フック部材を外すことにより、前記軸23を中心にガイドレール21の延長方向と略垂直な位置まで回動され、橋構造体Aの内側に向けてのびる足場を形成する。符号25は左右一対のワイヤーを示しており、このワイヤー25は、一端が足場部材24に、他端がガイドレール21に各々固定されており、足場部材24は、このワイヤー25によって延長方向と略垂直な位置で保持される。
また、この足場部材24は、その一端に180度回動可能に延長部材26を備えており、必要に応じて、この延長部材26を開いて足場を延長することができるように構成されている。
さらに、前記ガイドレール21には、昇降ウィンチ27を介してガイドレール21に沿って昇降可能な昇降台28が設けられており、作業者がこの昇降台28に乗って橋の上から前記足場部材24で構成される足場まで降りることができるように構成されている。
尚、図中、符号16は係止部材10の左右一対のフレーム11間に設けられた渡板を示しており、また、符号17は前記渡板16から前記昇降台28に乗り移る時に使用する梯子を示しており、符号18は、手摺を示している。前記梯子17及び手摺18は各々フレーム11に固定されている。
【0010】
次に、図3を用いて上記したように構成された点検作業台の使用方法について簡単に説明する。
始めに作業者は渡板16及び梯子17を使って橋構造体Aから昇降台28に乗り移る(図3(a)参照)。
そして、昇降ウィンチ27を使って、昇降台28をガイドレール21の下端まで下げる(図3(b)参照)。
次いで、不図示のフックを外して足場部材24を、ガイドレール21の延長方向に対して垂直になる位置まで回動させる。この状態で昇降台28の床面と足場部材24とが連続して足場が形成されので、作業者は足場上を自由に移動して橋構造体Aの裏面の点検や補修作業を行うことが可能になる(図3(c)参照)。
以上説明したように構成された点検作業台は、第一、第二及び第三支持ローラ13,14,15によって橋構造体Aの側壁部Dに支持されているため、これらのローラ13,14,15を介して橋構造体Aの長手方向に沿って移動可能である。
【0011】
以上説明した点検作業台における係止部材10の形態は、必要に応じて適宜変更することができる。
図4は、係止部材10の変形実施例であり、この実施例では、係止部材10における第1支持ローラ13が橋構造体Aの側壁部Dの一部である欄干Cの前面に接触し、第2支持ローラ14が橋構造体Aの側壁部Dの一部である縁石Bの外面に接触し、第3支持ローラ15が前記縁石Bの上面に接触している。その他の構成は、図1〜図3で説明した第一実施例の構成を同じなので、主要部分に第一実施例と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
図5は、係止部材10の第二変形実施例であり、この実施例では、橋構造体Aは鉄道高架であり、その側壁部Dは鉄道高架の側縁から上方に立ち上がっている側壁のみから構成されている。
このため係止部材10における第1支持ローラ13及び第2支持ローラ14は側壁部Dの前面及び後面に接触され、第3支持ローラ15は側壁部Dの上面に接触されている。その他の構成は、図1〜図3で説明した第一実施例の構成を同じなので、主要部分に第一実施例と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0012】
以上説明した実施例では、支持本体1の係止部材10とガイド部材20とが別体に構成されているが、これは本実施例に限定されることなく、一体に構成してもよい。
また、上記した実施例では、係止部材10とガイド部材20とを別体に構成し、ガイド部材20を係止部材10に固定しているが、これは本実施例に限定されることなく、必要に応じて、ガイド部材20を係止部材10に上下に摺動可能に取り付けてもよい。このようにガイド部材20を係止部材10に上下に摺動可能に取り付けておくと、例えば、作業者の身長や作業工具の長さ等に応じて、足場部材24で構成される足場の高さを上下に調整することができるという効果を奏し、さらに、使用していない時にガイド部材20を係止部材10側に収容することができるので点検作業台全体をコンパクトにすることができ、運搬が容易になるという効果を奏する。さらに、ガイド部材20における足場部材24に対応する位置に、作業者が立つことができる程度の固定足場を設け、かつ、前記固定足場が橋構造体Aの側壁部Dの近くまで達するようにガイド部材20の摺動範囲を広げることで、昇降台28を設ける必要がなくなり、点検作業台の構造をより簡単化することができるという効果を奏する。また、係止部材10とガイド部材20とを一体に構成し、それを伸縮可能な入れ子式の構造にしてもよく、このように構成しても、足場の高さの調整が可能になり、点検作業台全体がコンパクト化でき、かつ、昇降台28を省略することも可能になるという効果を奏する。
さらにまた、上記した実施例では、ガイド部材20の下端に足場部材24を回動可能に設けているが、この構成は本実施例に限定されることなく、回動可能に構成されていれば任意の構成でよく、例えば、足場部材24をガイド部材20に対して上下に昇降可能に取り付けてもよい。このように足場部材24を上下に昇降可能に取り付けることにより、例えば、作業者の身長や作業工具の長さ等に応じて、足場部材24で構成される足場の高さを上下に調整することができるという効果を奏する。
また、上記した実施例では、ガイド部材20に上下に昇降可能な昇降台28を設け、この昇降台28に乗って作業者が橋構造体Aの上から足場まで達するように構成されているが、この構成は本実施例に限定されることなく、作業者が橋構造体Aの上から足場に達することができるように構成されていれば任意の構成でよく、例えば、第一実施例において昇降台28を設けずに、梯子17を足場部材24の位置まで伸ばしてもよい。このように構成することで故障の原因になり易い可動部分が少なくなり、点検作業台全体の構造が簡単化され、かつ、軽量化及び小型化が図れるという効果を奏する。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る橋構造物用点検作業台は、上部に橋構造物の側壁部に係止可能な係止部材を備え、下部に前記係止部材から下方に向かって垂下するガイド部材を備えた支持本体と、前記ガイド部材に回動可能に装着され、不使用時には前記ガイド部材の延長方向に沿って垂直に立てられ、使用時には前記ガイド部材の延長方向に対して略垂直位置まで回動し、橋構造体の下方で橋構造体の内側に向けて伸びる足場を構成する足場部材とを備えているので、橋構造体に取り付けても車両や鉄道の通行の妨げになることがなく、また、構造が簡単で安価であり、設置も簡単であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の係る橋構造物用点検作業台の第一実施例の概略側面図である。
【図2】図1に示した橋構造物用点検作業台の概略正面図である。
【図3】図1に示した橋構造物用点検作業台の使用状態を説明する図である。
【図4】本発明の係る橋構造物用点検作業台の第ニ実施例の概略側面図である。
【図5】本発明の係る橋構造物用点検作業台の第三実施例の概略側面図である。
【符号の説明】
A 橋構造体
B 縁石
C 欄干
D 側壁部
1 支持本体
10 係止部材
11 フレーム
12 クロスバー
13 第一支持ローラ(転倒防止用)
14 第二支持ローラ(転倒防止用)
15 第三支持ローラ(荷重受け用)
16 渡板
17 梯子
18 手摺
20 ガイド部材
21 ガイドレール
22 クロスバー
23 軸
24 足場部材
25 ワイヤー
26 延長部材
27 昇降ウィンチ
28 昇降台
Claims (4)
- 上部に橋構造物の側壁部に係止可能な係止部材を備え、下部に前記係止部材から下方に向かって垂下するガイド部材を備えた支持本体と、
前記ガイド部材に回動可能に装着され、不使用時には前記ガイド部材の延長方向に沿って垂直に立てられ、使用時には前記ガイド部材の延長方向に対して略垂直位置まで回動し、橋構造体の下方で橋構造体の内側に向けて伸びる足場を構成する足場部材と
を備えている
ことを特徴とする橋構造物用点検作業台。 - 前記ガイド部材に、ガイド部材に沿って昇降可能な昇降台を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の橋構造物用点検作業台。 - 前記係止部材が、
前記構造物の側壁部の前面及び後面に接触する少なくとも二つの転倒防止用の第1及び第2支持ローラと、
前記橋構造物の側壁部の上面に接触する少なくとも一つの荷重受け用の第3支持ローラと
を有し、
前記ローラを介して橋構造物用点検作業台全体が、橋構造物の側壁部に沿って移動できるように構成した
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の橋構造物点検作業台。 - 前記足場部材が、その上端部を支点として180度回動可能な第二足場部材を備えている
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の橋構造物点検作業台。
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JP2002338479A JP2004169475A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 橋構造物用点検作業台 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004169475A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2002-11-21 JP JP2002338479A patent/JP2004169475A/ja active Pending
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