JP2004168756A - オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法 - Google Patents

オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004168756A
JP2004168756A JP2003366746A JP2003366746A JP2004168756A JP 2004168756 A JP2004168756 A JP 2004168756A JP 2003366746 A JP2003366746 A JP 2003366746A JP 2003366746 A JP2003366746 A JP 2003366746A JP 2004168756 A JP2004168756 A JP 2004168756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon atom
ring
general formula
iridium complex
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003366746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4035614B2 (ja
Inventor
Hideo Konno
英雄 今野
Yoshiyuki Sasaki
義之 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2003366746A priority Critical patent/JP4035614B2/ja
Publication of JP2004168756A publication Critical patent/JP2004168756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4035614B2 publication Critical patent/JP4035614B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】脱ハロゲン化剤やアセチルアセトンなどの配位子を使用することなく、架橋ダイマーから1段階で高収率、高純度でかつ短時間でオルトメタル化イリジウム錯体を製造できる方法を提供する。
る。
【解決手段】架橋ダイマーと有機配位子とを反応させてオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、有機配位子の使用量を架橋ダイマーに対して化学量論的に10当量以上とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機EL素子等に用いられる発光素子用材料として有用なオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。
有機EL素子は次世代の携帯情報端末などのディスプレイ素子として注目されており、近年になって発光素子の材料開発が活発に進められるようになってきた。その中でも、オルトメタル化イリジウム錯体は発光効率の観点から有望視されており、特に注目されている発光素子材料である。
このようなオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法の一つとして、下記一般式(1)で表されるハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマー(以下、架橋イリジウムダイマーともいう)を出発原料として、これに有機配位子を反応させる方法が知られている。
しかしながら、この原料イリジウム架橋ダイマーは反応性が極めて低いため、脱ハロゲン化剤を使用するか(非特許文献1)、または、この架橋ダイマーを反応性の高いアセチルアセトンで配位されたイリジウム錯体に変換して、これを原料とする方法(特許文献1)等を採用する必要があった。このように架橋イリジウムダイマーを出発原料として、オルトメタル化イリジウム錯体を製造する際には、吸湿性で取り扱いにくいトリフルオロメタンスルホン酸銀等の脱ハロゲン化剤をあえて共存させるか、または、反応活性なアセチルアセトン配位子をわざわざ導入しなければならないといった問題点があった。
特開2002−105055号公報 Inorg.Chem., 33巻,545頁,1994年
本発明は、上記従来技術の事情に鑑みなされたものであって、架橋イリジウムダイマーと有機配位子を反応させて、オルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、目的生成物であるオルトメタル化イリジウム錯体を、脱ハロゲン化剤やアセチルアセトンなどの配位子を使用することなく、1段階で高収率、高純度でかつ短時間に製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、架橋ダイマーと有機配位子を反応させて、オルトメタル化イリジウム錯体を製造する反応は、反応系中の有機配位子の物質量に大きく依存し、有機配位子を架橋ダイマーに対し、化学量論的に大過剰に添加することにより、該反応が著しく活性化されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)ハロゲン配位子で架橋されたイリジウムダイマーと有機配位子を反応させてオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、有機配位子の使用量をハロゲン配位子で架橋されたイリジウムダイマーに対し化学量論的に10当量以上とすることを特徴とするオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
(2)ハロゲン配位子で架橋されたイリジウムダイマーが、下記一般式(1)で表される化合物またはその互変異性体であることを特徴とする上記(1)に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
一般式(1)
Figure 2004168756

(一般式(1)中、Xはハロゲン原子を表し、Z、Z、Y及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。Lは単結合または2価の基を表す。Yはそれぞれ窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
(3)有機配位子が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
一般式(2)
Figure 2004168756

(一般式(2)中、Z、Z、Y及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。Lは単結合または2価の基を表す。Yは窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
(4)オルトメタル化イリジウム錯体が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)乃至(3)いずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
一般式(3)
Figure 2004168756

(一般式(3)中、Z、Z、Y及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。Lは単結合または2価の基を表す。Yは窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
(5)オルトメタル化イリジウム錯体有機配位子が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)乃至(4)いずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
一般式(4)
Figure 2004168756

(一般式(4)中、Z、Z、Z、Z10、Y、Y、Q及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。L及びLは単結合または2価の基を表す。Y及びYはそれぞれ窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
(6)該反応が、極性溶媒中、マイクロ波照射下で行なわれることを特徴とする上記(1)乃至(5)いずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
本発明方法によれば、これまで困難とされてきた架橋ダイマーからオルトメタル化イリジウム錯体への1段階合成を、脱ハロゲン化剤を加えることなく、また原料変換することなく高収率、高純度かつ短時間に得ることができる。
本発明は、ハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマー(架橋イリジウムダイマー)と有機配位子を反応させてオルトメタル化イリジウム錯体を製造する際に、有機配位子をハロゲン配位子で架橋したイリジウムダイマーに対し、化学量論的に10等量以上添加し反応させるものである。
本明細書において、一般式(1)〜(4)に記載した記号(Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Y、Y、Y、Y、Y、Q、Q、Q、Q、Q、L、L、L、L 及びL)について以下に説明する。
、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Y、Y、Y、Y、Y、Q、Q、Q、Q 及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、ジアルキルアミノ基及び置換ジアルキルアミノ基であり、特に好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10の置換アルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10の置換アリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基および炭素原子数1〜10の置換アルコキシ基であり、最も好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基および炭素原子数1〜4の置換アルキル基である。
、Z、Z、Z 及びZが形成する5員環、6員環としては、芳香族または複素芳香族環が好ましく、例えば、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、セレナゾール環、フラン環、チオフェン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環およびピリダジン環が挙げられる。これらのうち、チアゾール環、ピロール環、ベンゼン環およびピリジン環が好ましくい。
、Z、Z、Z 及びZ10が形成する5員環、6員環としては、複素芳香族環が好ましく、例えば、イミダゾール環、チアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、セレナゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環およびピリダジン環が挙げられる。これらのうち、イミダゾール環、チアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環およびピリミジン環が好ましく、ピラゾール環およびピリジン環がさらに好ましい。
、L、L、L 及びLは単結合または2価の基を表す。2価の基としては、例えば、─C(R)(R’)─、─N(R)─、─O─、─P(R) ─および─S─が挙げられる。ここでRは、水素原子または置換基を表し、置換基としては、例えばハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ニトロ基等を表す。 L、L、L、L 及びLとして、好ましくは、単結合または─C(R)(R’) ─、であり、さらに好ましくは、─C(R)(R’) ─であって、RおよびR’が水素原子、脂肪族基、または芳香族基の場合である。
、Y、Y、Y 及びYはそれぞれ窒素原子または炭素原子を表す。Y、Y、Y、Y 及びYが窒素原子の時は、Q、Q、Q、Q 及びQは炭素原子とY、Y、Y、Y 及びYとの間の結合が単結合であることを表す。Y、Y、Y、Y 及びYが炭素原子のときは、Q、Q、Q、Q 及びQは炭素原子とY、Y、Y、Y 及びYとの間の結合が2重結合であることを表す。
Xはハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子、臭素原子であり、さらに好ましくは塩素原子である。
本発明で用いる原料である架橋イリジウムダイマーとしては、従来公知の全て使用できるが、前記一般式(1)で示される化合物を用いることが好ましい。
これらの化合物は、既報に基づき合成することができる(J.
Am. Chem. Soc., 123巻,
4304頁,
2001年、Bull.
Chem. Soc. Jpn., 47巻,
767頁,
1974年など)。
以下に、本発明で用いられる架橋ダイマーの代表例を示す。
Figure 2004168756
本発明で用いる有機配位子としては、この種の反応原料として使用されるものであれば特に制限はないが、前記一般式(2)で示される化合物を用いることが好ましく、特にイリジウム-窒素結合およびイリジウム-炭素結合からなる結合を少なくとも2つ形成し得る多座配位子を用いることが好ましい。
このような配位子の例としては、例えば、2−フェニルピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルイソキノリン誘導体、2−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジン誘導体、2−ベンジルピリジン誘導体及び2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体の他、国際公開第01/041512号、国際公開第02/15645号、特許公開2001-247859号に記載の有機配位子等を挙げることができる。
有機配位子の使用量は、反応を円滑に進めるために、架橋イリジウムダイマーに対し化学量論的に10当量以上、好ましくは20当量以上、更に好ましくは30当量以上とすることが必要である。有機配位子の使用量が10当量未満であると、後記する比較例にみるように、架橋イリジウムダイマーが反応不活性であるために、所望とするオルトメタル化イリジウム錯体の収率が低下する。このように、有機配位子の使用量をハロゲン化イリジウムに対して化学量論的に10当量以上とした場合、オルトメタル化イリジウム錯体が主生成物になることは、従来全く知られていない事柄であり、本発明者らの、数多くの緻密な実験の積み重ねによって初めて見いだされた新規な知見である。
本発明がこのような手段を講じることにより、架橋イリジウムダイマーの反応性が高められ、オルトメタル化イリジウム錯体が高収率、高純度、かつ短時間で得られる理由は現時点では定かではないが、大過剰に添加した有機配位子が単に配位子として機能するだけでなく、塩基としても機能し、オルトメタル化反応における有機配位子からの脱プロトン過程を促進しているものと推定している。
また、本発明においては、加熱手段は特に制約されないが、反応を円滑するために、マイクロ波を照射することが好ましい。マイクロ波の照射時間は、マイクロ波反応装置の出力や有機配位子や用いる溶媒等に依存するが、1〜60分が望ましく、より好ましくは1〜20分である。マイクロ波の波長に特に制限はないが、2000〜3000MHz、好ましくは2400〜2500MHzである。マイクロ波発振装置としては、市販されている従来公知の発振装置が全て適用できる。また、加熱手段として、オイルバス、マントルヒーター等を用いても良い。その場合の反応時間は、1〜24時間が望ましく、より好ましくは1〜10時間である。窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下で反応を行うのも好ましい。
本発明においては、該反応を更に円滑に進めるために、反応溶媒として、極性溶媒を用いることが望ましい。このような溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられるが、高沸点のエチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、もしくは、それらを含む混合溶媒を用いることが望ましい。最も好ましく用いられるのは、エチレングリコール、グリセリンである。
本発明の反応温度、反応圧力、反応時間は、使用する原料、マイクロ波の波長、溶媒などによって異なるが、通常、反応温度は20〜300℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは150〜250℃、反応圧力は1〜30atm、好ましくは1〜5atmである。
該反応においては、反応後の溶液を濃縮することにより、オルトメタル化イリジウム錯体の収率を上げることができ、また、大過剰に使用した有機配位子については、蒸留、分留、抽出、ろ過、洗浄、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の操作を単独あるいは組み合わせることで、反応系から容易に分離回収し再利用することができる。
本発明によって得られたオルトメタル化イリジウム錯体については、通常の合成反応の後処理に従って処理した後、必要があれば精製してあるいは精製せずに供することができる。後処理の方法としては、例えば、抽出、冷却、水または有機溶媒を添加することによる晶析、反応混合物からの溶媒を留去する操作等を単独あるいは組み合わせて行うことができる。精製の方法としては再結晶、蒸留、昇華あるいはカラムクロマトグラフィー等を単独あるいは組み合わせて行うことができる。
本発明により製造されるオルトメタル化イリジウム錯体については、フェイシャル型とメリジオナル型の異性体が存在するが、どちらの構造でも構わず、またそれらの混合体でも構わない。より好ましいのは、フェイシャル型のオルトメタル化イリジウム錯体である。
本発明により製造されたオルトメタル化イリジウム錯体については、架橋ダイマーの含有率が極めて低く(または検出限界以下であり)、該イリジウム錯体を発光素子の発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層に含有されることで、従来よりも発光効率や耐久性で優れた発光素子を得ることができる。
本発明によって製造されるオルトメタル化イリジウム錯体は典型的には、前記一般式(4)又は(5)で示される。以下、本発明で得られるオルトメタル化イリジウム錯体の代表例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2004168756
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1((A−1)の合成)
架橋ダイマー(D−1)を100mg、2−フェニルピリジンを0.72g、エチレングリコール15mlをナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を20分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、冷蔵庫で一晩冷却した。沈殿してきた黄色結晶をろ別し、水、ペンタンで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、得られた黄色結晶はオルトメタル化イリジウム錯体(A−1)であり、架橋ダイマー(D−1)は検出されなかった。(A−1)の単離収率は62%であった。
実施例2((A−2)の合成)
実施例1において、2−フェニルピリジンを2−(p−トリル)ピリジンに代え、実施例1と同様(有機配位子を架橋ダイマーに対して100当量)にして実験を行った。オルトメタル化イリジウム錯体(A−2)の単離収率は65%であった。
実施例3及び4(10等量以上)、比較例1(10当量未満)
実施例1において、2−フェニルピリジンの使用量を表1のように代えた以外は、実施例1と同様にして実験を行った。その結果を表3に示す。なお、表3には実施例1、2及び後述の実施例5の結果も併記した。
実施例5((A−1)の合成:オイルバスを用いて加熱還流法を用いた場合)
架橋ダイマー(D−1)を250mg、2−フェニルピリジンを3.6g、エチレングリコール25mlを二口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下で1時間加熱還流した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、沈殿してきた黄色結晶をろ別し、水、ペンタンで洗浄した後、減圧乾燥した。プロトンNMR(500MHz)による分析の結果、得られた黄色結晶はオルトメタル化イリジウム錯体(A−1)であり、架橋ダイマー(D−1)は検出されなかった。(A−1)の単離収率は87%であった。
Figure 2004168756
これらの結果から、有機配位子を架橋ダイマーに対し、化学量論的に10等量以上添加したときにのみ、目的物であるオルトメタル化イリジウム錯体が主生成物として得られていることが判る。

Claims (6)

  1. ハロゲン配位子で架橋されたイリジウムダイマーと有機配位子を反応させてオルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、有機配位子の使用量をハロゲン配位子で架橋されたイリジウムダイマーに対し化学量論的に10当量以上とすることを特徴とするオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  2. ハロゲン配位子で架橋されたイリジウムダイマーが、下記一般式(1)で表される化合物またはその互変異性体であることを特徴とする請求項1に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    一般式(1)
    Figure 2004168756

    (一般式(1)中、Xはハロゲン原子を表し、Z、Z、Y及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。Lは単結合または2価の基を表す。Yはそれぞれ窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
  3. 有機配位子が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    一般式(2)
    Figure 2004168756

    (一般式(2)中、Z、Z、Y及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。Lは単結合または2価の基を表す。Yは窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
  4. オルトメタル化イリジウム錯体が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    一般式(3)
    Figure 2004168756

    (一般式(3)中、Z、Z、Y及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。Lは単結合または2価の基を表す。Yは窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
  5. オルトメタル化イリジウム錯体が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    一般式(4)
    Figure 2004168756

    (一般式(4)中、Z、Z、Z、Z10、Y、Y、Q及びQは、それぞれ独立に、5員環または6員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は置換基を有していても良く、またさらに別の環と縮合環を形成しても良い。L及びLは単結合または2価の基を表す。Y及びYはそれぞれ窒素原子または炭素原子を表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。Yが窒素原子の時は、Qは炭素原子とYとが単結合で結合していることを表す。Yが炭素原子のときは、Qは炭素原子とYとが2重結合で結合していることを表す。)
  6. 該反応が、極性溶媒中、マイクロ波照射下で行なわれることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
JP2003366746A 2002-11-06 2003-10-28 オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法 Expired - Lifetime JP4035614B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003366746A JP4035614B2 (ja) 2002-11-06 2003-10-28 オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002321970 2002-11-06
JP2003366746A JP4035614B2 (ja) 2002-11-06 2003-10-28 オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004168756A true JP2004168756A (ja) 2004-06-17
JP4035614B2 JP4035614B2 (ja) 2008-01-23

Family

ID=32715971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003366746A Expired - Lifetime JP4035614B2 (ja) 2002-11-06 2003-10-28 オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4035614B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004108738A1 (de) * 2003-06-07 2004-12-16 Covion Organic Semiconductors Gmbh Verfahren zur herstellung von hochreinen, tris- und bis-ortho-metallierten organometall-verbindungen
WO2006088028A1 (ja) * 2005-02-15 2006-08-24 Gifu University 2-アザインドリジン類の製造方法、2-アザインドリジン類金属錯体の製造方法及び2-アザインドリジン類金属錯体
JP2006520773A (ja) * 2003-03-20 2006-09-14 シーディーティー オックスフォード リミテッド 金属錯体の製造方法
KR100776826B1 (ko) * 2006-06-14 2007-11-29 고려대학교 산학협력단 이리듐 착물의 제조방법
DE112011103600T5 (de) 2010-10-28 2013-09-12 Furuya Metal Co., Ltd. Verfahren zum Erzeugen eines Komplexes von Tris-Orthometalliertem Iridium, lichtemittierendes Material unter Verwendung des Komplexes und lichtemittierende Einheit

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520773A (ja) * 2003-03-20 2006-09-14 シーディーティー オックスフォード リミテッド 金属錯体の製造方法
JP4892339B2 (ja) * 2003-03-20 2012-03-07 シーディーティー オックスフォード リミテッド 金属錯体の製造方法
WO2004108738A1 (de) * 2003-06-07 2004-12-16 Covion Organic Semiconductors Gmbh Verfahren zur herstellung von hochreinen, tris- und bis-ortho-metallierten organometall-verbindungen
US7737276B2 (en) 2003-06-07 2010-06-15 Merck Patent Gmbh Method for producing highly purified, tris-and bis-ortho-metallated organometallic compounds
WO2006088028A1 (ja) * 2005-02-15 2006-08-24 Gifu University 2-アザインドリジン類の製造方法、2-アザインドリジン類金属錯体の製造方法及び2-アザインドリジン類金属錯体
KR100776826B1 (ko) * 2006-06-14 2007-11-29 고려대학교 산학협력단 이리듐 착물의 제조방법
DE112011103600T5 (de) 2010-10-28 2013-09-12 Furuya Metal Co., Ltd. Verfahren zum Erzeugen eines Komplexes von Tris-Orthometalliertem Iridium, lichtemittierendes Material unter Verwendung des Komplexes und lichtemittierende Einheit
US9200023B2 (en) 2010-10-28 2015-12-01 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology & Furuya Metal Co. Ltd. Method for producing complex of trisortho-metalated iridium, light-emitting material using said complex, and light-emitting element
DE112011103600B4 (de) 2010-10-28 2018-05-03 Furuya Metal Co., Ltd. Verfahren zum Erzeugen eines Komplexes von tris-orthometalliertem Iridium

Also Published As

Publication number Publication date
JP4035614B2 (ja) 2008-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4460743B2 (ja) イリジウム錯体またはその互変異性体の製造方法
JP4756273B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法ならびに製造されたイリジウム錯体からなる発光材料
JP5692805B2 (ja) イリジウム錯体の製造方法ならびに製造されたイリジウム錯体からなる発光材料
JP4390592B2 (ja) キノキサリン構造を含む有機金属化合物及び発光素子
JP6206887B2 (ja) シクロメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP5881215B2 (ja) トリスオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びそれを用いた発光材料並びに発光素子
JP2007045742A (ja) 遷移金属錯体の製造方法及び遷移金属錯体
JP5017954B2 (ja) 遷移金属錯体の製造方法
WO2007058255A1 (ja) 遷移金属錯体化合物
JP4913059B2 (ja) ホモリガンドのオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP4959338B2 (ja) 有機金属シクロメタル化遷移金属錯体の合成
JP2004161661A (ja) イリジウム錯体の製造方法
JP4035614B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP4035604B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP4035613B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP4484464B2 (ja) 発光材料及び発光素子
JP4035615B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP6978784B2 (ja) シクロメタル化イリジウム錯体の製造方法
Babón et al. Two Synthetic Tools to Deepen the Understanding of the Influence of Stereochemistry on the Properties of Iridium (III) Heteroleptic Emitters
JP5881216B2 (ja) トリスオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びそれを用いた発光材料並びに発光素子
TWI585094B (zh) 環金屬化銥錯合物的原料及其製造方法
JP2004099548A (ja) 含窒素複素環配位子を複数有するレニウム錯体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050502

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4035614

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term