JP2004168646A - 合わせガラス用中間膜、合わせガラスおよび合わせガラスの製造方法 - Google Patents

合わせガラス用中間膜、合わせガラスおよび合わせガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 例えば遮熱性や導電性などの機能性を有しながら、光学歪みを生じることのない合わせガラス用中間膜、および、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、ならびに、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】 機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムから形成される中間層の両面にポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層が積層されてなる合わせガラス用中間膜であって、上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面に、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工が施されてなる合わせガラス用中間膜、エンボス加工温度が100〜160℃である上記合わせガラス用中間膜、および、上記合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラス、ならびに、上記合わせガラス用中間膜を用いて、エンボス加工温度以上の加熱貼り合わせ温度で貼り合わせる合わせガラスの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、合わせガラス用中間膜、特に機能性を有しながら光学的欠陥の少ない合わせガラス用中間膜、および、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、ならびに、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの製造方法に関する。
従来より、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車のような車輌、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。上記合わせガラスとしては、例えば、少なくとも一対のガラスの間に、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂のようなポリビニルアセタール系樹脂が成形(製膜)されてなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得られるものが一般的に用いられている。一方、自動車用や建築物用の合わせガラスとして、これまではあまり重要視されていなかった遮熱性に優れる合わせガラスに対する要望が高まってきているが、上記のような従来の合わせガラスは、安全性には優れているものの、遮熱性に劣るという問題点がある。
一般に、光線のなかでも、780nm以上の波長を有する赤外線は、紫外線に比べてエネルギー量は約10%程度と小さいが、熱的作用が大きく、物質に吸収されて温度上昇をもたらすことから、熱線と呼ばれている。したがって、遮熱性を高めるために、自動車のフロントガラスやサイドガラス、建物のガラス窓やガラスドアから入る赤外線を遮断する方法が種々検討されており、例えば、合わせガラス用中間膜の間に金属または金属酸化物等が蒸着された遮熱性のポリエステル系樹脂フィルムを中間層として積層せしめた合わせガラスが開示されている。
特開昭64−36442号公報
一方、合わせガラス用中間膜には、通常、ガラスと積層せしめて合わせガラスとする際に、合わせガラス用中間膜とガラスとの界面に空気が残らないように、表面にエンボス加工等が施されている。このエンボスは、ガラスと積層する際の圧力や温度により、合わせガラスとなった時には消滅してしまっている。
しかし、表面にエンボスが形成された合わせガラス用中間膜の間に上記遮熱性のポリエステル系樹脂フィルムを挟んだ合わせガラス用中間膜をガラスと積層して得られた合わせガラスは、エンボス自体は消滅するものの、いわゆるオレンジピールと称される揺らぎを持った透過像となる光学歪みが生じるという問題点がある。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、例えば遮熱性や導電性などの機能性を有しながら、光学歪みを生じることのない合わせガラス用中間膜、および、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラス、ならびに、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明(本発明)による合わせガラス用中間膜は、機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムからなる中間層の両面にポリビニルアセタール系樹脂からなる表面層が積層されてなる合わせガラス用中間膜であって、上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面に、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工が施されてなることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1に記載の合わせガラス用中間膜において、熱可塑性樹脂フィルムが遮熱性層が積層されてなるポリエステル系樹脂フィルムであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1または請求項2に記載の合わせガラス用中間膜において、ポリビニルアセタール系樹脂がポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする。
さらに、請求項4に記載の合わせガラス用中間膜は、上記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜において、エンボス加工温度が100〜160℃であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明(本発明)による合わせガラスは、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明(本発明)による合わせガラスの製造方法は、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を用いて、エンボス加工温度以上の加熱貼り合わせ温度で貼り合わせることを特徴とする。
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と略記することもある)を構成する中間層は、機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムから形成される。
上記機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムとは、透明な熱可塑性樹脂フィルム基材上に、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物等からなる遮熱性層やデフロスタや電磁波遮蔽などに用いられる導電性層などの機能性層が設けられている透明な熱可塑性樹脂フィルムのことである。
上記透明な熱可塑性樹脂フィルム基材としては、透明性に優れる熱可塑性樹脂フィルムであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル系樹脂フィルム、ナイロン系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、アセチルセルロース系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム等が挙げられ、なかでも、ポリエステル系樹脂フィルムが好適に用いられ、とりわけ、二軸に延伸されているとともに低収縮特性を備えるように熱安定化されたポリエステル系樹脂フィルムが特に好適に用いられる。これらの透明な熱可塑性樹脂フィルム基材は、単独で用いられても良いし、2種類以上が積層された状態で併用されても良い。
上記透明な熱可塑性樹脂フィルム基材上に設けられる機能性層としては、特に限定されるものではないが、例えば、蒸着などの手段によって設けられる各種金属、各種金属酸化物、各種金属窒化物などからなる遮熱性層や導電性層等が挙げられる。これらの機能性層は、単一の機能を有しているものであっても良いし、複数の機能を有しているものであっても良い。
上記機能性層を各種金属、各種金属酸化物、各種金属窒化物等から設ける場合、金属、金属酸化物、金属窒化物等の種類や機能性層の厚みは、特に限定されるものではなく、要求される機能に応じて適宜選定もしくは設定されれば良く、その具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、銀と金属酸化物との積層蒸着膜や金属窒化物と銀との混合物からなる蒸着膜等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜を構成する表面層は、ポリビニルアセタール系樹脂から形成される。
上記ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂をアルデヒドによりアセタール化して得られるポリビニルアセタール系樹脂であれば良く、特に限定されるものではない。
上記PVA樹脂は、通常ポリ酢酸ビニル樹脂を鹸化することにより得られ、鹸化度が80〜99.8モル%のPVA樹脂が一般的に用いられる。また、本発明で用いられるポリビニルアセタール系樹脂の平均分子量や分子量分布は、特に限定されるものではないが、成形性(製膜性)や物性等を考慮すると、原料となるPVA樹脂として平均重合度が200〜3000のPVA樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは平均重合度が500〜2000のPVA樹脂を用いることである。
PVA樹脂の平均重合度が200未満であると、得られるポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層ひいては中間膜の強度が弱くなりすぎて、この中間膜を用いて作製した合わせガラスの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性等が不十分となることがあり、逆にPVA樹脂の平均重合度が3000を超えると、得られるポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層ひいては中間膜の成形性(製膜性)が悪くなったり、このポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層ひいては中間膜の剛性が大きくなりすぎて、中間膜の例えば合わせ加工性などの加工性が悪くなることがある。
上記アルデヒドとしては、炭素数が1〜10のアルデヒドが好ましく、その具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド等が挙げられ、なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド等が好適に用いられ、とりわけ、炭素数が4のn−ブチルアルデヒドが特に好適に用いられる。これらのアルデヒドは、得られるポリビニルアセタール系樹脂に要求される性能に応じて適宜選定されれば良い。また、これらのアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
本発明で用いられるポリビニルアセタール系樹脂は、2種類以上のポリビニルアセタール系樹脂が混合されてなる混合ポリビニルアセタール系樹脂であっても良いし、アセタール化時に2種類以上のアルデヒドを併用した共ポリビニルアセタール系樹脂であっても良い。
また、本発明で用いられるポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、アセタール化度が40〜85モル%であることが好ましく、より好ましくは60〜75モル%である。
本発明の合わせガラス用中間膜においては、上述したポリビニルアセタール系樹脂のなかでも、PVA樹脂をn−ブチルアルデヒドによりブチラール化(アセタール化)して得られるポリビニルブチラール(PVB)樹脂が特に好適に用いられる。
上記ポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層には、通常、可塑剤が添加される。
上記可塑剤としては、ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられる従来公知の可塑剤で良く、特に限定されるものではないが、例えば、一塩基性有機酸エステル系可塑剤、多塩基性有機酸エステル系可塑剤などの有機酸エステル系可塑剤、有機リン酸系可塑剤、有機亜リン酸系可塑剤などのリン酸系可塑剤等が挙げられる。
一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコールと酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸などの一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられ、なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジn−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキシル酸エステルなどのトリエチレングリコールの一塩基性有機酸エステルが好適に用いられる。
多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数が4〜8の直鎖状または分岐状アルコールとアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの多塩基性有機酸との反応によって得られるエステル等が挙げられ、なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適に用いられる。
リン酸系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記可塑剤のなかでも、例えば、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジn−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキシル酸エステル等が特に好適に用いられる。これらの可塑剤は、ポリビニルアセタール系樹脂との相溶性を考慮して、ポリビニルアセタール系樹脂の種類に応じて適宜選定されれば良い。また、これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
ポリビニルアセタール系樹脂に対する可塑剤の添加量は、ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度、アセタール化度、残存アセチル基量等によっても異なり、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、可塑剤20〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜60重量部である。
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量が20重量部未満であると、ポリビニルアセタール系樹脂の可塑化が不十分となって、成形(製膜)が困難となることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量が100重量部を超えると、可塑剤のブリードアウトが生じて、表面層ひいては中間膜の透明性や接着性が低下し、この中間膜を用いて作製した合わせガラスが光学歪みを生じやすくなることがある。
本発明の合わせガラス用中間膜には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、接着力調整剤、耐湿剤、滑剤、着色剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以上が添加されていても良い。
本発明の合わせガラス用中間膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性や経済性等を考慮すると、実用的には、0.3〜1.6mmであることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、前記機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムから形成される中間層の両面に上記ポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層が積層されてなり、上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面に、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工が施されてなる。なお、上記エンボス加工は、上記表面層の上記中間層と接する側の表面のみならず、上記表面層の上記中間層と接しない側の表面(合わせガラス用中間膜の表面)にも施されていて良い。すなわち、上記エンボス加工は、上記表面層の両面に施されていて良い。
上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面にエンボス加工を施す方法としては、例えば、リップエンボス法やロールエンボス法等が挙げられるが、本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記エンボス加工を合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度で施すことから、ロールエンボス法を採ることが好ましい。
すなわち、リップエンボス法の場合は、エンボス加工が成形(製膜)時の押し出し温度で施されることになり、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度よりも高い温度でエンボス加工が施されてしまうので好ましくない。一方、ロールエンボス法の場合は、エンボス加工を施す際の表面層(ポリビニルアセタール系樹脂層)の温度を任意に設定することが可能であるため、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工を施すことができるので好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面にエンボス加工を施す際の温度(エンボス加工温度)が合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度であることが必要である。具体的には、上記エンボス加工温度が100〜160℃であることが好ましい。上記エンボス加工温度が合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度を超える温度であると、得られる中間膜を用いて合わせガラスを作製する際に、前記機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムから形成される中間層に凹凸が生じて、いわゆるオレンジピールと称される光学歪みが生じてしまう。
次に、本発明の合わせガラスは、上述した本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなる。すなわち、本発明の合わせガラスは、少なくとも一対のガラスの間に本発明の合わせガラス用中間膜を挟み込んで積層し、一体化させてなる。
本発明の合わせガラスに用いられるガラスは、無機ガラスであっても良いし、有機ガラスであっても良く、その具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、平板ガラス、曲板ガラス、並板ガラス、型板ガラス、金網入り型板ガラス、着色ガラスなどの各種無機ガラスや、例えばポリカーボネート系樹脂やポリメチルメタクリレート系樹脂などからなる各種有機ガラス等が挙げられる。これらのガラスは、単独で用いられて少なくとも一対を形成しても良いし、2種類以上が併用されて少なくとも一対を形成しても良い。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを製造する方法は、通常の合わせガラスの場合と同様の製造方法で良く、予備圧着と本圧着とを行う。例えば、予備圧着は、2枚の透明な無機ガラスの間に本発明の中間膜を挟み、この合わせガラス積層体をニップロールに通し、例えば、温度約50〜100℃、圧力約0.2〜1MPaの条件で扱いて脱気しながら予備圧着する方法(扱き脱気法)、あるいは、上記合わせガラス積層体をゴムバッグに入れ、ゴムバッグを排気系に接続して、温度約60〜100℃、圧力約1〜50Paの条件で予備圧着する方法(減圧脱気法)により行われる。次いで、上記予備圧着された合わせガラス積層体は、常法によりオートクレーブを用いるか、あるいは、プレスを用いて、温度約120〜170℃、圧力約0.2〜15MPaの条件で本圧着されることにより、合わせガラスとなされる。
次に、本発明の合わせガラスの製造方法は、前述した本発明の合わせガラス用中間膜を用いて、前記エンボス加工温度以上の加熱貼り合わせ温度で貼り合わせる。すなわち、上記合わせガラスの製造における本圧着を前記エンボス加工温度以上の加熱貼り合わせ温度で行う。
本発明の合わせガラスの製造方法において、本圧着を前記エンボス加工温度未満の加熱貼り合わせ温度で行うと、エンボスが十分に消滅せず、得られる合わせガラスが、いわゆるオレンジピールと称される光学歪みを生じるものとなる。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスは、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス等や、航空機や電車などの乗り物のガラス部位、建築物のガラス部位等に好適に用いることができる。また、上記合わせガラスは、他の無機膜もしくは有機膜と積層して用いることにより、例えば遮音性を付与した遮音性合わせガラスなどの機能性合わせガラスとして用いることもできる。さらに、本発明の合わせガラス用中間膜は、ガラス以外の剛性体、例えば、金属や無機材料等と積層することにより制振素材として用いることもできる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムから形成される中間層の両面にポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層が積層されてなる合わせガラス用中間膜であって、上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面に、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工が施されてなるので、エンボス加工時に合わせガラス用中間膜に残っている歪みが上記加熱貼り合わせ工程において十分に消滅するため、合わせガラスとされた際に光学歪みを生じない。
すなわち、従来のエンボス加工が施された合わせガラス用中間膜においては、エンボス加工法がリップエンボス法またはロールエンボス法のいずれであろうとも、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度を超える温度(高温)でエンボス加工が施されているので、上記加熱貼り合わせ温度程度の温度では十分に内部応力が緩和されず、エンボスが十分に消滅しないか、または、エンボスは消滅しても変形しにくくなって、エンボス部分と接する中間層を変形させるような応力が加わる。その結果、合わせガラスとされた際に、いわゆるオレンジピールと称される揺らぎを持った透過像となる光学歪みを生じる。
これに対し、本発明の合わせガラス用中間膜は、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工が施されているので、上記加熱貼り合わせ温度程度の温度でも十分に内部応力が緩和され、エンボスが十分に消滅するとともに変形しやすくなって、エンボス部分と接する中間層を変形させるような応力が加わることがなく、合わせガラスとされた際に光学歪みを生じない。
また、本発明の合わせガラス用中間膜は、中間層を遮熱性層が積層されてなるポリエステル系樹脂フィルムから形成するか、および/または、表面層をポリビニルブチラール樹脂から形成するか、および/または、エンボス加工温度を100〜160℃とすることにより、遮熱性や導電性などの機能性を有するとともに、合わせガラス用中間膜として必要な基本性能に優れるものとなり、かつ、上記効果がより確実なものとなる。
本発明の合わせガラスは、上記本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなるので、例えば遮熱性や導電性などの機能性を有しながら、光学歪みを生じることがない。また、本発明の合わせガラスの製造方法は、上記本発明の合わせガラス用中間膜を用いて、エンボス加工温度以上の加熱貼り合わせ温度で貼り合わせるので、例えば遮熱性や導電性などの機能性を有しながら、光学歪みを生じることのない合わせガラスを効率的かつ簡便に得ることができる。
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
1.合わせガラス用中間膜の作製
ポリビニルアセタール系樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(平均重合度:1700、ブチラール化度:65モル%、残存アセチル基量:1モル%)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ2−エチル酪酸エステル40重量部を混合し、この混合物を押出機により溶融混練して押出金型よりシート状に押出して、厚み0.76mmのポリビニルブチラール樹脂シート(表面層)を成形(製膜)した後、エンボスロールを用いて、エンボス加工温度120℃にて上記ポリビニルブチラール樹脂シート(表面層)の両面にエンボス加工を施した。次いで、銀および酸化インジウムが表面に蒸着された熱線反射ポリエステル系樹脂フィルム(中間層)の両面に上記で得られた両面にエンボス加工が施されたポリビニルブチラール樹脂シート(表面層)を積層して、合わせガラス用中間膜を作製した。
2.合わせガラスの作製
上記で得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロート板ガラス(縦30cm×横30cm×厚み2.5mm)で挟み込んで合わせガラス積層体を作製し、これをゴムバッグ内に入れ、20MPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままの状態でオーブンに移し、さらに90℃で30分間保持しつつ真空プレスをして予備圧着を行った。次いで、この予備圧着された合わせガラス積層体をオートクレーブ中に入れ、温度135℃、圧力12MPaの条件で20分間本圧着を行って、合わせガラスを作製した。
(比較例1)
ポリビニルブチラール樹脂シート(表面層)の両面のエンボス加工温度を140℃としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、合わせガラス用中間膜を作製した。次いで、この合わせガラス用中間膜を用い、オートクレーブ中での本圧着温度を130℃としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、合わせガラスを作製した。
(比較例2)
エンボスロールを用いることなく、リップエンボス法によりエンボス加工温度200℃でポリビニルブチラール樹脂シート(表面層)の両面にエンボス加工を施したこと以外は実施例1の場合と同様にして、合わせガラス用中間膜を作製した。次いで、この合わせガラス用中間膜を用い、オートクレーブ中での本圧着温度を140℃としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、合わせガラスを作製した。
実施例1、および、比較例1および比較例2で得られた合わせガラスについて、透過した像の歪みの有無を目視で観察して、光学歪みの有無を評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
Figure 2004168646
表1から明らかなように、本発明による実施例1の合わせガラス用中間膜を用いて作製した実施例1の合わせガラスは、光学歪みを全く生じなかった。これに対し、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度(本圧着温度)を超える温度でエンボス加工を施した比較例1および比較例2の合わせガラス用中間膜を用いて作製した比較例1および比較例2の合わせガラスは、いずれも光学歪みを生じた。
以上述べたように、本発明の合わせガラス用中間膜は、機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムから形成される中間層の両面にポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層が積層されてなる合わせガラス用中間膜であって、上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面に、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工が施されてなるので、例えば遮熱性や導電性などの機能性を有しながら、光学歪みを生じることがないものであり、例えば遮熱性や導電性などの機能性を有し、かつ、光学歪みを生じることのない合わせガラス作製用として好適に用いられる。
また、本発明の合わせガラスは、上記本発明の合わせガラス用中間膜を用いて作製されるので、例えば遮熱性や導電性などの機能性を有し、かつ、光学歪みを生じることがないものであり、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス等や、航空機や電車などの乗り物のガラス部位、建築物のガラス部位等に好適に用いられる。また、本発明の合わせガラスは、他の無機膜もしくは有機膜と積層して用いることにより、例えば遮音性を付与した遮音性合わせガラスなどの機能性合わせガラスとしても好適に用いられる。
さらに、本発明の合わせガラスの製造方法によれば、上記本発明の合わせガラス用中間膜を用いて、エンボス加工温度以上の加熱貼り合わせ温度で貼り合わせるので、例えば遮熱性や導電性などの機能性を有し、かつ、光学歪みを生じることのない合わせガラスを効率的かつ簡便に得ることができる。

Claims (6)

  1. 機能性層を有する透明な熱可塑性樹脂フィルムから形成される中間層の両面にポリビニルアセタール系樹脂から形成される表面層が積層されてなる合わせガラス用中間膜であって、上記表面層の少なくとも上記中間層と接する側の表面に、合わせガラスを作製する際の加熱貼り合わせ温度以下の温度でエンボス加工が施されてなることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 熱可塑性樹脂フィルムが遮熱性層が積層されてなるポリエステル系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  3. ポリビニルアセタール系樹脂がポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4. エンボス加工温度が100〜160℃であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする合わせガラス。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を用いて、エンボス加工温度以上の加熱貼り合わせ温度で貼り合わせることを特徴とする合わせガラスの製造方法。
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