JP6739939B2 - 熱可塑性樹脂膜及び合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂を含む層が複数積層されている熱可塑性樹脂膜に関する。また、本発明は、上記熱可塑性樹脂膜を合わせガラス用中間膜として用いた合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に、窓ガラスとして広く使用されている。上記合わせガラスは、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造されている。
また、熱可塑性樹脂を含む層が複数積層されている熱可塑性樹脂膜が知られている。例えば、下記の特許文献1〜3に開示されているように、多層構造とすることで、耐引裂性を向上させた多層膜がある。このフィルムを、窓ガラスに貼ることでガラスの破損及び飛散を防ぐことができる。また、下記の特許文献4には、ヤング率の異なる2種類以上の樹脂製の中間膜を重ね合わせた多層膜を、ガラス板間に挿入して接着一体化した合わせガラスが開示されている。特許文献4では、耐衝撃性及び耐剥離性を向上させることが記載されている。
特開平6−190995号公報 特開平6−190997号公報 特開平10−76620号公報 特開2003−192402号公報
近年、高層建築物が増えており、特に外壁をガラス張りにした高層建築物が増えている。このような高層建築物に用いられる窓ガラスや、外壁に用いられる窓ガラスには、高い耐風圧性が求められている。
しかし、熱可塑性樹脂膜を用いた窓ガラスにおいて、熱可塑性樹脂膜の耐引裂性を高めても、窓ガラスの曲げ弾性率が低いと、耐風圧性が十分に発揮されない。特許文献1〜4に記載のような従来の多層膜では、窓ガラスに用いた場合に得られた窓ガラスの曲げ弾性率が比較的低く、耐風圧性が十分に得られないことがある。
本発明の目的は、曲げ弾性率を高めることができる熱可塑性樹脂膜を提供することである。また、本発明は、上記熱可塑性樹脂膜を合わせガラス用中間膜として用いた合わせガラスを提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、熱可塑性樹脂を含む複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含む複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備え、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に積層された多層構造を有し、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との厚み方向の積層数の合計が5層以上であり、前記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が30MPaを超え、前記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が280MPa以上であり、前記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が、前記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率よりも大きい、熱可塑性樹脂膜が提供される。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜のある特定の局面では、前記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂である。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜のある特定の局面では、前記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂とは異なる熱可塑性樹脂である。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜のある特定の局面では、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との屈折率の差の絶対値が0.03未満である。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜のある特定の局面では、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との厚み方向の積層数の合計が160層以上である。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜のある特定の局面では、前記第2の熱可塑性樹脂層のそれぞれの1層の厚みが11μm以下である。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜のある特定の局面では、前記第1の熱可塑性樹脂層の合計の厚みの、前記第2の熱可塑性樹脂層の合計の厚みに対する比が1.5以上である。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜は、合わせガラスを得るために好適に用いられ、合わせガラス用中間膜であることが好ましい。
本発明の広い局面によれば、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上述した熱可塑性樹脂膜である合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラスが提供される。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜は、熱可塑性樹脂を含む複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含む複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備え、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に積層された多層構造を有し、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との厚み方向の積層数の合計が5層以上であり、上記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が30MPaを超え、上記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が280MPa以上であり、上記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が、上記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率よりも大きいので、曲げ弾性率を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂膜を示す模式的な断面図である。 図2は、図1に示す熱可塑性樹脂膜を備えた合わせガラスを示す模式的な断面図である。 図3は、熱可塑性樹脂膜の製造過程を説明するための模式図である。 図4は、熱可塑性樹脂膜の製造過程を説明するための模式図である。 図5は、熱可塑性樹脂膜の製造過程を説明するための模式図である。 図6は、熱可塑性樹脂膜の製造過程を説明するための模式図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜は、熱可塑性樹脂を含む複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含む複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備える。本発明に係る熱可塑性樹脂膜は、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に積層された多層構造を有する。上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との厚み方向の積層数の合計は5層以上である。上記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率は30MPaを超える。上記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率は280MPa以上である。上記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が、上記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率よりも大きい。
本発明では、上述した構成が備えられているので、曲げ弾性率を高めることができる。従って、本発明では、耐風圧性を高めることができる。さらに、本発明では、煩雑な工程を必要とせずに、合わせガラス用中間膜として好適な熱可塑性樹脂膜及び合わせガラスが得られる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂膜を示す模式的な断面図である。
図1に示す樹脂膜1は、熱可塑性樹脂膜である。樹脂膜1は、複数の熱可塑性樹脂層11を有する。樹脂膜1は、複数の第1の熱可塑性樹脂層11Aと、複数の第2の熱可塑性樹脂層11Bとを有する。第1の熱可塑性樹脂層11Aと、第2の熱可塑性樹脂層11Bとは、樹脂膜1の厚み方向に積層されている。本実施形態では、第1の熱可塑性樹脂層11Aと、第2の熱可塑性樹脂層11Bとは、樹脂膜1の厚み方向に交互に積層されている。樹脂膜1は、多層構造を有する。
第1の熱可塑性樹脂層11Aは熱可塑性樹脂を含む。第2の熱可塑性樹脂層11Bは熱可塑性樹脂を含む。第1の熱可塑性樹脂層11Aと第2の熱可塑性樹脂層11Bとの厚み方向の積層数の合計は5層以上である。第1の熱可塑性樹脂層11Aの1層での引張弾性率は30MPaを超える。上記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率は280MPa以上である。
上記第1の熱可塑性樹脂層の合計の厚み(T1)の、上記第2の熱可塑性樹脂層の合計の厚み(T2)に対する比(T1/T2)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは、0.3以上、更に好ましくは0.5以上、好ましくは10以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは3以下、特に好ましくは2以下である。上記比が上記下限以上及び上記上限以下であると、曲げ弾性率が効果的に高くなる。
上記第1の熱可塑性樹脂層の合計の積層数(L1)の上記第2の熱可塑性樹脂層の合計の積層数(L2)に対する比(L1/L2)は、好ましくは0.9以上、より好ましくは1以上、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
上記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率は、30MPaを超え、好ましくは50MPa以上である。上記第1の熱可塑性樹脂層の引張弾性率が上記下限値を満足すると、曲げ弾性率が効果的に高くなる。伸度が適度に大きくなることから、上記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率は、好ましくは200MPa以下である。
上記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率は、280MPa以上であり、好ましくは1000MPa以上である。上記第2の熱可塑性樹脂層の引張弾性率が上記下限以上であると、曲げ弾性率が効果的に高くなり、曲げ強度がより一層高くなる。第2の熱可塑性樹脂層が硬くなりすぎず、かつ脆性的に破壊するのを抑える観点からは、上記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率は、好ましくは4000MPa以下である。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜では、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との厚み方向の積層数の合計が5層以上であり、好ましくは160層以上である。上記積層数の合計は、特に限定されないが、例えば実用面から100000層以下である。
第1の熱可塑性樹脂層(A)と第2の熱可塑性樹脂層(B)とは、A/B/A/B・・・のようにそれぞれ交互に積層されていてもよく、A/B/A/A/B/A/・・・やA/B/B/A/B/B/・・・のように、同じ熱可塑性樹脂層が重なっていてもよい。上記熱可塑性樹脂膜は、A/B/A/Bの積層部分を有することが好ましく、A/B/A/B/A又はB/A/B/A/Bの積層部分を有することがより好ましい。また、上記第1の熱可塑性樹脂層及び上記第2の熱可塑性樹脂層以外の他の樹脂層を積層してもよい。合わせガラスにする際の貼り合わせの簡便さから、熱可塑性樹脂層における一方側の表面層は、上記第1の熱可塑性樹脂層であることが好ましく、他方側の表面層は上記第1の熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記第1の熱可塑性樹脂層のうちの1つ又は2つは、熱可塑性樹脂膜において、最表面に位置していることが好ましい。
上記第2の熱可塑性樹脂層のそれぞれの1層の厚みは好ましくは11μm以下、より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1μm以下である。上記第2の熱可塑性樹脂層のそれぞれの1層の厚み上記上限以下であると、第2の熱可塑性樹脂層が破断する際に第1の熱可塑性樹脂層がより一層破断し難くなり、樹脂膜がより一層破断し難くなる。上記第2の熱可塑性樹脂層のそれぞれの1層の厚みは、好ましくは0.01μm以上である。
透明性を高める観点から、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との屈折率の差の絶対値は小さいことが望ましく、好ましくは0.03未満、より好ましくは0.02未満、更に好ましくは0.01未満である。上記屈折率の差の絶対値が上記上限以下であると、樹脂膜内の層界面で光の反射、屈折及び散乱などが生じ難くなり、透明性がより一層高くなる。
上記熱可塑性樹脂膜は、延伸されていてもよい。延伸温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは64℃以上、好ましくは90℃未満、より好ましくは70℃未満、更に好ましくは66℃未満である。延伸温度が上記下限以上であると、樹脂の弾性による収縮が生じ難くなり、分子配向が効果的に発現する。延伸温度が上記上限以下又は上記上限未満であると、樹脂が流れるように変形し難くなり、分子配向が効果的に発現する。延伸倍率は、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以上である。
上記の熱可塑性樹脂膜が合わせガラス用中間膜である場合に、中間膜の引裂強度を高めることで、該中間膜を備えた合わせガラスの耐貫通性が上昇する。よって、同等の耐貫通性能を維持したままで、従来のガラス板より薄いガラス板を、合わせガラスを得るために用いることが可能となり、合わせガラスの軽量化を図ることができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂膜は、表面に他の熱可塑性樹脂膜が積層されて、複合膜として用いられてもよい。
上記の熱可塑性樹脂膜の表面は、エンボス加工されていてもよい。エンボス加工する方法としては、エンボスロール法及びリップエンボス法等が挙げられる。定量的に一定の凹凸模様が形成されるようにエンボス加工を行うことができることから、エンボスロール法が好ましい。
合わせガラス部材との接着性をより一層高くし、合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記エンボス加工された樹脂膜の外側の表面の十点平均粗さRzは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。上記十点平均粗さRzは、JIS B0601:1994に準拠して測定される。
以下、本発明に係る樹脂膜に含まれる各成分の詳細を説明する。
(熱可塑性樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂)
上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、AS樹脂ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸セルロース、MS樹脂、MBS樹脂、及びSB樹脂等が挙げられる。これら以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
引張強度、接着力、耐貫通性及び遮音性をバランスよく良好にする観点からは、上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂であることがより好ましい。引張強度、接着力、耐貫通性及び遮音性をバランスよくより一層良好にする観点からは、上記第1の熱可塑性樹脂層は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含むことがより好ましい。
上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂は、曲げ弾性率を考慮して適宜選ばれる。上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂とは異なる熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸セルロース、MS樹脂、MBS樹脂、及びSB樹脂等が挙げられる。これら以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂は、曲げ弾性率がより一層向上することから、アクリル樹脂であることが好ましい。上記アクリル樹脂は、ポリメチルメタクリレート樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)をアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールのアセタール化物であることが好ましい。PVAのけん化度は、一般に、70〜99.9モル%の範囲内である。
上記ポリビニルアセタール樹脂を得るためのPVAの重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1700を超え、特に好ましくは2000以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、より一層好ましくは3000以下、更に好ましくは3000未満、特に好ましくは2800以下である。上記ポリビニルアセタール樹脂は、重合度が上記下限以上及び上記上限以下であるPVAをアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。上記重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記重合度が上記上限以下であると、樹脂膜の成形が容易になる。
PVAの重合度は平均重合度を示す。該平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
樹脂膜に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂の使用により、合わせガラス部材に対する樹脂膜の接着力がより一層適度に発現する。さらに、樹脂膜の耐候性等がより一層高くなる。
(可塑剤)
ポリビニルアセタール樹脂を含む熱可塑性樹脂層は、可塑剤を含むことが好ましい。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステルなどの有機酸エステル可塑剤、並びに有機リン酸エステル可塑剤及び有機亜リン酸エステル可塑剤などの有機リン酸エステル可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機酸エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル、並びにトリエチレングリコール又はトリプロピレングリコールと一塩基性有機酸とのエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルとしては、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物等が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
上記有機エステル可塑剤としては、トリエチレングリコールジ−2−エチルプロパノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
上記有機リン酸可塑剤としては、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。
Figure 0006739939
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数2〜10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数5〜10の有機基であることが好ましく、炭素数6〜10の有機基であることがより好ましい。
上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)又はトリエチレングリコールジ−2−エチルプロパノエートであることが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート又はトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートであることがより好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートであることが更に好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む層において、上記ポリビニルアセタール樹脂に対する可塑剤の添加量は、PVAの平均重合度、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度及びアセチル化度等によって適宜調整することができる。
上記第1の熱可塑性樹脂層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、上記第1の熱可塑性樹脂層中の可塑剤の含有量は好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、好ましくは60重量部以下、より好ましくは40重量部以下である。上記可塑剤の含有量が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記可塑剤の含有量が上記上限以下であると、樹脂膜の透明性がより一層高くなり、樹脂膜の曲げ弾性率が効果的に高くなる。
(他の成分)
上記の樹脂膜における各層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料、接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。
(熱可塑性樹脂膜の製造方法)
上記の熱可塑性樹脂膜の製造方法としては、例えば、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション法、押出コーティング法、多層溶融押出成形法、ホットメルトラミネーション法及びヒートラミネーション法等が挙げられる。
製造が容易であり、かつ引張強度が優れた熱可塑性樹脂膜が得られるため、上記の樹脂膜は、多層溶融押出成形法により得られていることが好ましい。上記多層溶融押出成形法としては、例えば、マルチマニホールド法及びフィードブロック法等が挙げられる。
(合わせガラス)
本発明に係る熱可塑性樹脂膜は、合わせガラスを得るために好適に用いられる。本発明に係る熱可塑性樹脂膜は、合わせガラス用中間膜であることが好ましい。
本発明に係る合わせガラスは、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上記熱可塑性樹脂膜である合わせガラス用中間膜とを備える。上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材との間に、上記合わせガラス用中間膜が配置されている。
図2は、図1に示す熱可塑性樹脂膜を備えた合わせガラスを示す模式的な断面図である。
図2に示す合わせガラス51は、第1の合わせガラス部材52と、第2の合わせガラス部材53と、樹脂膜1とを備える。樹脂膜1は、第1の合わせガラス部材52と第2の合わせガラス部材53との間に配置されており、挟み込まれている。第1の合わせガラス部材52は、樹脂膜1の第1の表面1aに積層されている。第2の合わせガラス部材53は、樹脂膜1の第2の表面1bに積層されている。従って、合わせガラス51は、第1の合わせガラス部材52と、樹脂膜1と、第2の合わせガラス部材53とがこの順で積層されて構成されている。
上記合わせガラス部材としては、ガラス板、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンフィルム、アクリルフィルム及びポリエステルフィルム等が挙げられる。合わせガラスには、2枚のガラス板の間に樹脂膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に樹脂膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材はそれぞれガラス板又はPETフィルムであることが好ましく、合わせガラスは、第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材のうちの少なくとも一方としてガラス板を備えることが好ましい。
上記ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、及び線入り板ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。
上記合わせガラス部材の厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、合わせガラス部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは3mm以下である。合わせガラス部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、好ましくは0.03mm以上、好ましくは0.5mm以下である。
上記合わせガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、第1の合わせガラス部材と第2の合わせガラス部材との間に、樹脂膜を挟んで、押圧ロールに通したり、又はゴムバックに入れて減圧吸引したりして、第1の合わせガラス部材と樹脂膜との間及び第1の合わせガラス部材と樹脂膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70〜110℃で予備接着して積層体を得る。次に、積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120〜150℃及び1〜1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。上記第2の層の上記積層体側とは反対の外側の表面にエンボスが形成されている場合には、第1の合わせガラス部材と中間膜との間、及び第2の合わせガラス部材と中間膜との間に残留する空気をより一層効果的に脱気できる。
合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。合わせガラスは、これら以外にも使用できる。合わせガラスは、建築用又は車両用の合わせガラスであることが好ましく、建築用の合わせガラスであることがより好ましい。建築用の合わせガラスでは、かなり高い耐風圧性が求められる。合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。また、上記合わせガラスは、他の無機膜もしくは有機膜と積層して用いることにより、例えば遮音性を付与した遮音性合わせガラスなどの機能性合わせガラスとして用いることもできる。上記合わせガラスは、窓ガラスであることが特に好ましい。
上記合わせガラスのヘーズ値は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、より一層好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.4%以下である。合わせガラスのヘーズ値は、JIS K6714に準拠して測定できる。上記合わせガラスのヘーズ値を低くするために、上記の樹脂膜を構成する各層はフィラーを含まないことが好ましい。
なお、本発明の熱可塑性樹脂膜は、ガラス以外の剛性体と積層することにより、例えば、金属や無機材料等と積層することにより、制振素材として用いることもできる。他にも、例えば、熱可塑性樹脂膜を液晶部材と貼り合せることによって、強度上昇と飛散防止を両立させることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
第1の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1700、アセタール化度69mol%、アセチル化度1mol%、水酸基の含有率30mol%、積水化学工業社製)を用意した。可塑剤として、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を用意した。第2の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、三菱レイヨン社製「MF001」、ビカット軟化温度89℃(JIS K7206)、メルトフローレート14.0g/10min(JIS K7210、230℃、37.3N))を用意した。ポリメチルメタクリレート樹脂は、温度75℃で6時間乾燥させて用いた。
170℃に加熱された押出機1に、上記第1の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂100重量部と可塑剤25重量部とを供給し、200℃に加熱された押出機2に上記第2の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂100重量部を供給した。このとき、単位時間当たりの押出量は、押出機1と押出機2との重量比が6:1となるようにした。それぞれギアポンプを介して、押出機1から押出される溶融樹脂と押出機2から押出される溶融樹脂とが交互に積層され、合わせて40層積層されるフィールドブロックにて合流させて、40層の積層体21を得た(図3参照)。その後、スクエアミキサーに、積層体21を供給して、80層の積層体を得た(図4〜6参照)。その後、2つ目のスクエアミキサーに供給して160層の積層体を得た。
なお、スクエアミキサーは、断面形状が長方形である流路を通過した溶融樹脂を、分岐流路により2分割し、それらを積み重ねて合流させて層数を2倍にすることが可能な流路を有する筒体である。スクエアミキサーでは、図3に示す40層の積層体21を、図4に示すように中央で2分割するように、矢印X1の方向に流路を圧縮することで、層数が40層であり、かつ厚みが1/2である2つの圧縮物を得ることができる。次に、図5に示すように矢印X2の方向に流路を拡大することで、図6に示すように層数が2倍の80層である積層体22を得ることができる。同様の操作を繰り返して、160層の積層体を得ることができる。さらに2度、同様の操作を繰り返して、640層の積層体を得ることができる。
このようにして得られた640層の積層体をTダイに供給して、シート状に成形した後、引取ロールで引き取り、平均厚み380μmの640層の樹脂膜を得た。ただし、評価に用いる際は、厚み380μmの部分を選択してサンプリングを行った。
(実施例2)
押出機1から押出される溶融樹脂と押出機2から押出される溶融樹脂とが交互に積層され、合わせて10層積層されるフィードブロックにて合流させて、10層の積層体を得たことと、その後スクエアミキサーに供給しなかったこと以外は実施例1と同様にして、10層の樹脂膜を得た。
(実施例3)
第1の熱可塑性樹脂層を形成するために、可塑剤の供給量を25重量部から20重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、640層の樹脂膜を得た。
(比較例1)
第1の熱可塑性樹脂層を形成するために、可塑剤の供給量を25重量部から30重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、640層の樹脂膜を得た。
(評価)
(1)1層の厚み、及び、(2)層比
得られた樹脂膜を、ウルトラミクロトーム(ライカ社製「EM−ULTRACUT・S」)で縦1cm×横1cmの大きさで厚み方向に切断し、積層体の断面を得た。積層体の断面の幅方向の中心部を、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製「VHX−200」)を用いて20μm×20μmの範囲で観察した。視野を厚さ方向に動かすことにより、全ての層の画像を撮影し、断面の拡大画像を得た。断面の拡大画像から、上記デジタルマイクロスコープ付属の計測機能を用いて、各層の幅方向の中心部の厚みを測定した。得られた各層の幅方向の中心部の厚みの平均値を求め、積層体における第1の熱可塑性樹脂層の平均厚み(1層の厚み)及び第2の熱可塑性樹脂層の平均厚み(1層の厚み)とした。全ての第1の熱可塑性樹脂層の合計の厚み(T1)の、全ての第2の熱可塑性樹脂層の合計の厚み(T2)に対する比(T1/T2)を求めた。
(3)引張弾性率
実施例1〜3及び比較例1における第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の引張弾性率を以下の手順に従って測定した。実施例1〜3及び比較例1における第1の熱可塑性樹脂層を形成するための組成物及び第2の熱可塑性樹脂層を形成するための樹脂を、それぞれ押出機を用いて単層で押出し、平均厚みが380μmである単層の樹脂膜を作製した。得られた単層の樹脂膜に対して鋭利なカミソリを使用し、幅10mm、長さ150mmの短冊状にサンプリングした試験片を用意した。この試験片について、オリエンテック社製万能試験機RTC−1310Aを用いて、ASTM D 882:2012に準拠した方法で、23℃で引張弾性率を測定した。
(4)曲げ弾性率
合わせガラスの作製:
幅25mm、長さ250mmの短冊状にサンプリングした樹脂膜を、幅25mm、厚み1.3mm、長さ250mmのフロートガラス2枚で挟み、真空ラミネーターにて90℃で真空プレスを行い、圧着した。その後、140℃及び1.3MPaの条件でオートクレーブを用いて圧着を行い、合わせガラスを得た。
曲げ弾性率の評価:
使用する試験片の寸法を変更したこと以外は、JIS K7171:2008に準拠した方法で、曲げ弾性率を測定した。試験片の寸法は、幅25mm、長さ250mm、及び厚み3mmとした。支点間距離は180mmとし、試験速度は1mm/minとした。
(5)屈折率
鋭利なカミソリを使用し、幅10mm、長さ30mmの形状にサンプリングした試験片を用意した。ERMA社製アッベ屈折計ER−7MWを用いて、JIS K7142に準拠して、屈折率を測定した。このとき、23℃で、D線(波長589.3nm)により測定した屈折率nDを、屈折率とした。
屈折率の結果:
実施例1〜3では、第1の熱可塑性樹脂層の屈折率は1.481、第2の熱可塑性樹脂層の屈折率は1.496であり、第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層との屈折率の差の絶対値は0.015であった。
上記評価結果を表1に記載する。下記の表1において、「PVB」は、ポリビニルブチラール樹脂を示し、「PMMA」はポリメチルメタクリレート樹脂を示す。
Figure 0006739939
1…樹脂膜
1a…第1の表面
1b…第2の表面
11…熱可塑性樹脂層
11A…第1の熱可塑性樹脂層
11B…第2の熱可塑性樹脂層
21…積層体(40層)
22…積層体(80層)
51…合わせガラス
52…第1の合わせガラス部材
53…第2の合わせガラス部材

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂を含む複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含む複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備え、
    前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に積層された多層構造を有し、
    前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との厚み方向の積層数の合計が5層以上であり、
    前記第1の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が30MPaを超え、200MPa以下であり、
    前記第2の熱可塑性樹脂層の1層での引張弾性率が1000MPa以上であ、熱可塑性樹脂膜。
  2. 前記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂膜。
  3. 前記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂とは異なる熱可塑性樹脂である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂膜。
  4. 前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との屈折率の差の絶対値が0.03未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂膜。
  5. 前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との厚み方向の積層数の合計が160層以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂膜。
  6. 前記第2の熱可塑性樹脂層のそれぞれの1層の厚みが11μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂膜。
  7. 前記第1の熱可塑性樹脂層の合計の厚みの、前記第2の熱可塑性樹脂層の合計の厚みに対する比が、1.5以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂膜。
  8. 合わせガラスを得るために用いられ、
    合わせガラス用中間膜である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂膜。
  9. 第1の合わせガラス部材と、
    第2の合わせガラス部材と、
    請求項8に記載の熱可塑性樹脂膜である合わせガラス用中間膜とを備え、
    前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラス。
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