JP2004168347A - 輸送用パレット - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤで吊り上げ易く、且つ整然と並べることができる輸送用パンレットを提供する。
【解決手段】複数の連結材40と、互いに平行に配され、連結材40の長手方向の中胴部により相互に連結される複数の内梁材10と、この内梁材10に対して平行に配され、連結材40の長手方向の両端部により相互に連結される一対の外梁材70と、を備える。一対の外梁材70のそれぞれは、断面が溝型を成し、溝型の開口部が他方の外梁材から遠ざかる向きに開口し、溝型の側板部71に連結材70の端部が接合されている。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の連結材40と、互いに平行に配され、連結材40の長手方向の中胴部により相互に連結される複数の内梁材10と、この内梁材10に対して平行に配され、連結材40の長手方向の両端部により相互に連結される一対の外梁材70と、を備える。一対の外梁材70のそれぞれは、断面が溝型を成し、溝型の開口部が他方の外梁材から遠ざかる向きに開口し、溝型の側板部71に連結材70の端部が接合されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷等を搬送するのに好適な輸送用パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の輸送用パレットとしては、例えば、以下の特許文献1,2に記載されているものがある。
【0003】
これらの輸送用パレットは、いずれも、複数の梁材を複数の連結材で連結したものである。
【0004】
これらの輸送用パレットは、フォークリフトの爪が複数の梁材の相互間に差し込まれた状態で搬送されるか、又は、ワイヤで吊るした状態で搬送される。
【0005】
パレットをワイヤで吊るす場合、パレットの下にワイヤを通す必要があるため、多くの場合、複数の枕木材を設置面に予め敷いておき、その上にパレットを置くことで、パレットと設置面と間に、ワイヤを通す隙間を確保している。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−068008号
【特許文献2】
特願平03−223362号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、パレットをワイヤで吊るす場合、複数の枕木材を準備し、これらの枕木材を設置面に予め敷いておく必要があり、甚だ面倒であるという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目し、簡単にワイヤで吊るすことができる輸送用パレットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための輸送用パレットは、
複数の連結材と、互いに平行に配され、前記連結材の長手方向の中胴部により相互に連結される複数の内梁材と、前記内梁材に対して平行に配され、前記連結材の長手方向の両端部により相互に連結される一対の外梁材と、を備え、
一対の前記外梁材のそれぞれは、断面が溝型を成し、該溝型の開口部が他方の該外梁材から遠ざかる向きに開口し、該溝型の側板部に前記連結材の前記端部が接合されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、前記輸送用パレットは、
ワイヤを掛けるためのフックと、前記フックに掛けられるワイヤに対する対ワイヤ用補強材と、を備え、
前記内梁材は、設置時に設置面側を向く底板部と、該底板部と対向する天板部とを有し、
複数の前記連結材のうち、一の連結材は、複数の前記内梁材の長手方向の端部であって前記天板部に接合され、二の連結材は、前記一の連結材と対向するよう、複数の前記内梁材の長手方向の端部であって前記底板部に接合され、
前記フックは、前記一の連結材と前記二の連結材との間に配置され、前記内梁材の端部に対して固定され、
前記対ワイヤ用補強材は、前記一の連結材の長手方向に対して垂直な幅方向の端部であって、前記フックに掛けられたワイヤが通る位置に固定されている、ことを特徴とするものであってもよい。
【0011】
また、前記輸送用パレットは、
前記内梁材を補強する複数の梁補強材を備え、
前記内梁材は、矩形状の側板部と、該側板部の一対の長辺のそれぞれに沿って該側板部に略垂直に形成されている前記底板部及び前記天板部と、該底板部の該側板部から遠い側の辺から該天板部に近づく方向に伸びている底板鍔部と、該天板部の該側板部から遠い側の辺から該底板部に近づく方向に伸びている天板鍔部と、を有し、
前記梁補強材は、矩形状の主側板部と、該側板部の一対の辺のそれぞれに沿って該側板部に略垂直に形成されている矩形状の副側板部と、を有し、該梁補強材の主側板部の該一対の辺の長さが前記梁材の前記天板部と前記底板部との相互間隔と実質的に同じで、該梁補強材の該主側板部には、該主側板部の該一対の辺と平行な方向の一方の端から他方の端まで伸び、且つ該主側板部を基準にして該副側板部が形成されている側に凹んでいる長溝が形成されており、
前記内梁材の内部に、前記梁補強材の前記主側板部が該梁材の該天板鍔部及び該底板鍔部に接するように、複数の該梁補強材が挿入され、
前記内梁材の前記天板鍔部及び底板鍔部の部分であって、前記梁補強材の前記長溝に対応する部分が該長溝内に押し込まれ、該内梁材に対する該梁補強材の移動が規制されている、ことを特徴とするものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る輸送用パレットの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
本実施形態の輸送用パレットは、図1に示すように、互いに平行に配される複数の内梁材10,10,…と、梁材10に対して平行に配される一対の外梁材70,70と、複数の梁材10,10,…及び一対の外梁材70を相互に連結する複数の連結材40,40,…と、ワイヤを掛けるためのフック50,50,…と、このフック50,50,…に掛けられるワイヤに対する対ワイヤ用補強材55,55,…と、を有している。
【0014】
内梁材10は、図11に示すように、一枚の鋼板が折り曲げられて、矩形状の側板部11と、この側板部11の一対の長辺のそれぞれに沿って側板部11に垂直に形成されている矩形状の天板部15a及び矩形状の底板部15bと、天板部15aの側板部11から遠い側の辺から底板部15bに近づく方向に伸びている天板鍔部17aと、底板部15bの側板部11から遠い側の辺から天板部15aに近づく方向に伸びている底板鍔部17bと、が形成されている。
【0015】
側板部11の長手方向の両端であって、天板部15a及び底板部15bの相互間は、僅かに切り欠かれ、補強材フランジ受入部12を形成している。また、各鍔部17a,17bのぞれぞれの両端も、同様に、僅かに切り欠かれ、補強材フランジ受入部18a,18bを形成している。
【0016】
この断面溝型の内梁材10内には、梁補強材20,30が装着される。梁補強材20,30としては、梁材10の長手方向の両端を除く位置に設けられる中間補強材20と、梁材10の両端部に設けられる端部補強材30と、がある。
【0017】
中間補強材20は、一枚の矩形状の鋼板が折り曲げられて、矩形状の主側板部21と、この主側板部21の一対の長辺のそれぞれに沿って主側板部21に垂直に形成されている矩形状の一対の副側板部23,23と、一対の副側板部23,23の主側板部21から遠い側のそれぞれの辺から他方の副側板部23に近づく方向に伸びている一対の鍔部25,25と、一対の鍔部25,25のそれぞれの他方の鍔部側の辺から主側板側へ伸びる一対の鍔下がり部26,26と、が形成されている。
【0018】
この中間補強材20の主側板部21には、その一方の短辺から他方の短辺まで伸び且つ鍔部側へ凹んだ二つの長溝22,22が互いに平行に形成されている。また、一対の副側板部23,23にも、それぞれ、その一方の短辺から他方の短辺まで伸び且つ他方の副側板部側へ凹んだ長溝24が形成されている。これらの長溝22,24は、中間補強材20の断面剛性を向上させるために形成されている。中間補強材20の主側板部21と鍔部25との相互間隔は、梁材10の側板部11と鍔部17a,17bとの相互間隔と実質的に同じで、より正確には、中間補強材20の主側板部21と鍔部25との相互間隔の方が僅かに短い。主側板部21の長辺の長さは、梁材10の天板部15aと底板部15bとの相互間隔と実質的に同じで、より正確には、主側板部21の長辺の方が僅かに短い。すなわち、この中間補強材20のサイズは、中間補強材20の主側板部21及び鍔部25がそれぞれ梁材10の鍔部17a,17b及び側板部11に内接し、中間補強材20の主側板部21の短辺及び副側板部23の短辺がそれぞれ梁材10の天板部15aと底板部15bに内接した状態で、この中間補強材20が梁材10内に押し込めるサイズになっている。
【0019】
端部補強材30は、中間補強材20と同様、矩形状の主側板部31と、一対の副側板部33,33aと、一対の鍔部35,35と、一対の鍔下がり部36,36とを有している。
【0020】
この端部補強材30の一対の副側板部33,33aのうち、一方の副側板部33は、中間補強材20の副側板部23と同形状且つ同サイズである。しかし、他方の副側板部33aは、中間補強材20の副側板部23と異なっている。この他方の副側板部33aは、主側板部31から鍔部35と反対側に鋼板が90°折り曲げられてから、直ちに180°折り曲げられて形成されている。このため、主側板部31と他方の副側板部33aとの角部は、主側板部31を基準にして鍔部35と反対側に、ヘアピン形状で突出しており、ここがフランジ部37を形成している。また、この他方の側板部33aの主側板部31と反対側の端部でも、180°折り曲げられてから、直ちに90°折り曲げられ、そこから鍔35を形成している。このため、この他方の副側板部33aと鍔部35との角部も、ヘアピン形状で突出したフランジ部37を形成している。
【0021】
この他方の副側板部33aは、主側板部31に対して垂直な方向の幅、言い換えると、副側板部33aのフランジ部37,37の相互間隔は、内梁材10の側板部11と鍔部17a,17bとの相互間隔より僅かに長い。また、他方の副側板部33aの長溝32と平行な方向の幅は、内梁材10の天板部15aと底板部15bとの相互間隔より僅かに長い。この他方の副側板部33aの長溝32と平行な方向の両端部には、この他方の副側板部33aに対して90°の角度を成しているフランジ部38が形成されている。
【0022】
なお、以上の端部補強材30を構成している部分のうち、他方の副側板部33aを除く部分の形状及びサイズは、中間補強材20の対応部位と同形状及び同サイズである。したがって、端部補強材30の主側板部31にも長溝32,32が形成され、一方の副側板部33にも長溝34が形成されている。
【0023】
内梁材10に、梁補強材20,30を組み付ける際には、先ず、複数の中間補強材20,20,…を断面溝型の梁材10の中に挿入する。具体的には、前述したように、中間補強材20の主側板部21及び鍔部25がそれぞれ梁材10の鍔部17a,17b及び側板部11に内接し、中間補強材20の主側板部21の短辺及び副側板部23の短辺がそれぞれ梁材10の天板部15aと底板部15bに内接するように、この中間補強材20を梁材10の中に挿入する。次に、内梁材10の長手方向の所定位置に、各中間補強材20,20,…を位置させる。そして、端部補強材30を一方の副側板部33側から、内梁材10の中に挿入する。この際、端部補強材30の他方の副側板部33aのサイズは、内梁材10の端部開口のサイズよりも大きいので、この他方の副側板部33aは、内梁材10の中に入らない。また、他方の副側板部33aの各フランジ部37,37が内梁材10の補強材フランジ受入部12,18に接する。このため、この端部補強材30の他方の副側板部33aは、内梁材10の端部開口の蓋としての機能する。
【0024】
以上のように、内梁材10に対して、中間補強材20及び端部補強材30の装着が終了すると、内梁10の鍔部17a,17bの一部を複数の加工工具67,67,…を用いて塑性変形させて、各補強材20,30を内梁材10に固定する。
【0025】
一つの補強材20,30を内梁材10に固定する際には、2対の加工工具67,67,…が用いられる。対を成す2つの加工工具67,67の相互間隔Waは、内梁材10の天板鍔部17aと底板鍔部17bとの相互間隔に合うように、より正確には、内梁材10の天板部15aと底板部17bとの相互間隔よりいくらか短く設定されている。また、一方の対の加工工具67と他方の対の加工工具67との相互間隔Wbは、補強材20の主側板部21に形成されている二つの長溝22,22の相互間隔に等しく設定されている。
【0026】
このため、以上の加工工具67を内梁材10の鍔部17a,17bに押し付けると、この鍔部17a,17bの部分のうち、補強材20,30の長溝22,32に対応する部分が凹んで、この凹んだ部分が補強材20,30の長溝22,32に押し込まれる。この結果、各補強材20,30は、内梁材10に対して移動できなくなる。
【0027】
以上のように、本実施形態では、断面剛性の高い断面溝型の内梁材10に、梁補強材20,30を装着したので、内梁材10の剛性を高めることができる。しかも、内梁材10に装着した梁補強材20,30は、断面剛性の高い断面溝型である上に、主側板部21,31及び副側板部23,33に長溝22,32,24,34を形成したので、非常に高い。したがって、この梁補強材20,30の断面形状による効果も相俟って、内梁材10の剛性を非常に高めることができる。また、内梁材10及び梁補強材20,30は、いずれも薄鋼板で形成したので、軽量化を図ることができる。
【0028】
さらに、本実施形態では、梁補強材20,30の剛性向上のために形成した長溝22,32に、内梁材10の一部を押し込むだけで、内梁材10に梁補強材20,30を固定しているので、梁補強材20,30の取付を極めて容易に行うことができる。
【0029】
外梁材70は、図2に示すように、断面が溝型を成し、溝型の側面を形成する一対の側板部71,71と、溝型の底面を形成する底板部72と、を有している。外梁材70は、さらに、各側板部71,71の開口縁から他方の側板部71から遠ざかる向きであって、当該側板部71に対して垂直に形成されているストッパ部73と、このストッパ部73の端部から側板部71に対して平行で且つ底板部72側に伸びて、連結材40の端部を覆う端カバー部74と、を有している。
【0030】
この外梁材70の長手方向の長さは、内梁材60の長手方向の長さと実質的に同じである。また、この外梁材70の一対の側板部71,71の相互間隔は、内梁材10の底板部15aと天板部15bとの相互間隔と実質的に同じである。
【0031】
連結材40は、図3に示すように、一枚の薄鋼板を波型に折り曲げたものである。具体的には、連結材40の長手方向に対して垂直な幅方向に、二つの山部41,41を形成し、二つの山部41,41の間に谷部42を形成し、各谷部41,41の裾部分に筒状部43,43を形成したものである。山部41,41、谷部42、筒状部43,43は、いずれも、連結材40の長手方向の端から端まで伸びている。なお、連結材40に関しては、その強度を向上させるために、山部41を三つ形成し、谷部41を三つ形成してもよい。
【0032】
以上のように、連結材40も、薄鋼板で波型に形成したので、軽量且つ高剛性である。
【0033】
この連結材40は、前述したように、複数の内梁材10,10,…及び一対の外梁材70,70を相互に接続する。具体的には、図1に示すように、同じ長さの複数の内梁材10,10,…を互いに平行に且つ端部の位置が揃うように並べ、同じく、同じ長さの複数の連結材40,40,…を互いに平行に且つ梁材10に対して垂直に並べて、内梁材10と連結材40の中胴部とが重なり合う部分を溶接で接合する。連結材40としては、内梁材10の天板部15aに溶接される連結材と、内梁材10の底板部15bに溶接される連結材とがある。
【0034】
一対の外梁材70,70は、複数の内梁材10,10,…が並んでいる方向の端の位置に、互いの底板部72が対向するように、内梁材10に対して平行に配する。そして、図2に示すように、複数の内梁材10,10,…の端を外梁材70のストッパ部73に突き当てて、外梁材70の側板部74と連結材40の端部とを溶接で接合する。
【0035】
複数の連結材40,40,…のうち、両端の連結材40,40には、その両端部に端部カバー材が設けられている。この端部カバー材は、断面が溝型を成し、上連結材40と下連結材40との間であって、外梁材70の底板部72に端部カバー80の底板部が接するように配されている。
【0036】
複数の内梁材10,10,…のうち、端から二番目の梁材10,10の両端部には、ワイヤを掛けるフック50と、対フック補強材55が設けられている。フック50及び対フック補強材55は、図3及び図4に示すように、いずれも、内梁材10の天板部15aの端部に溶接されている上連結材40と、梁材10の底板部15bの端部に溶接されている下連結材40との間に位置している。
【0037】
フック50及び対フック補強材55としては、図5〜図7に示すように、丸鋼を曲げたものを使用している。具体的には、図6に示すように、フック50としては、φ16mmの丸鋼を「く」の字型に100°曲げたものを使用している。また、対フック補強材55としては、φ8mmの丸鋼を同じく「く」の字型に90°曲げたものを使用している。
【0038】
「く」の字型のフック50の一方の端側部51は、内梁材10の端部補強材30内に差し込まれて溶接され、他方の端側部52は、下連結材40側を向いている。また、「く」の字型の対フック補強材55の一方の端側部56は、上連結材40の筒状部40に溶接され、他方の端側部57は、端部補強材30の主側板部31と他方の副側板部33aとの角の辺に沿って溶接されている。
【0039】
フック50の一方の端側部51が差し込まれている端部補強材30内には、図8〜図10に示すように、フック取付補強材60とフック回り止め座金58とが設けられている。フック取付補強材60は、断面溝型を成し、その底板部61が端部補強材30の鍔部35と対向するように、端部補強材30の中に挿入されている。フック回り止め座金58は、矩形板状を成し、その中心からいくらか外れた位置に、フック外径に併せた内径の孔が形成されている。このフック回り止め座金58は、端部補強材30内のフック取付補強材60の底板部61に沿って配置され、その孔にフック50の一方の端側部51が挿通され、そこで互いに溶接されている。
【0040】
仮定として、金属製パレットに、フックを取り付ける場合には、図12に示すように、パレット1の側面2からフック3が突出するように取り付けることが一般的に考えられる。しかしながら、このように、パレット1の側面2からフック3が突出していると、複数のパレット1,1,…を配置する場合、このフック3が邪魔になって、パレット10,10相互を近づけて並べることができない。また、一つのパレット1を単独で置く場合でも、パレット側面2から突出しているフック3に、作業者が足を引っ掛ける虞もある。
【0041】
そこで、本実施形態では、図2に示すように、断面が溝型の外梁材70の開口部を外側に向け、この開口部から外梁材70の溝内にワイヤ69を入れられるようにしている。さらに、本実施形態では、内梁材10の端部であって、梁材10の天板部15aに溶接されている連結材40と底板部15bに溶接されている連結材40との間に、フック50を配置することで、フック50がパレットの側面から突出しないようにしている。ところで、本実施形態では、フック50を以上のように配置すると、図4に示すように、フック50にワイヤ69を掛けて、パレットを吊り上げた際に、上連結材40にワイヤ69から多大な荷重がかかるので、この連結材40が変形する虞がある。この連結材40の変形を防ぐ方法として、素材自体が高剛性の厚鋼板等で連結材を形成する方法があるが、これでは、パレットの軽量化を図るために薄板鋼板で連結材40を形成している意味がなくなるので、本実施形態では、フック50に掛けられたワイヤ69が通る位置に対応した箇所のみに、対ワイヤ補強材55を取り付けて、連結材40の変形を防いでいる。
【0042】
なお、以上の実施形態では、フック50を設けているが、本発明では必ずしも必要なものではなく、これを省略してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、パレットを構成する梁材のうち、最も外側の外梁材を断面溝型に形成し、この溝型の開口部が外側を向くようにしているので、この開口部から外梁材の溝内にワイヤを入れることができるので、パレットの下に複数の枕木材を予め敷く必要がなくなり、極めて簡単にパレットをワイヤで吊るすことができる。
【0044】
しかも、本発明では、ワイヤを掛けるためのフック等がパレット側面から突出していないので、複数のパレットを相互に近接させて並べることができると共に、作業者がフック等に足を取られてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態におけるパレットの平面図(a)及び側面図(b)である。
【図2】本発明に係る一実施形態におけるパレットの要部斜視図である。
【図3】図1におけるA部斜視図である。
【図4】図1におけるA部の連結材の一部を切欠いた斜視図である。
【図5】図1におけるB部平面図である。
【図6】図5におけるVI矢視図である。
【図7】図5におけるVII矢視図である。
【図8】図5から連結材及び梁材と取り除いた図である。
【図9】図8におけるIX矢視図である。
【図10】図8におけるX矢視図である。
【図11】本発明に係る一実施形態における梁材及び梁補強材の斜視図である。
【図12】仮定パレットの平面図である。
【符号の説明】
10…内梁材、11…側板部、15a…天板部、15b…底板部、17a…天板鍔部、17b…底板鍔部、20…中間補強材(梁補強材)、21,31…主側板部、22,24,32,34…長溝、23,33,33a…副側板部、25,35…鍔部、30…端部補強材(梁補強材)、40…連結材、41…山部、42…谷部、43…筒状部、50…フック、55…対ワイヤ補強材、60…フック取付補強材、67…加工工具、69…ワイヤ、70…外梁材、71…側板部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷等を搬送するのに好適な輸送用パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の輸送用パレットとしては、例えば、以下の特許文献1,2に記載されているものがある。
【0003】
これらの輸送用パレットは、いずれも、複数の梁材を複数の連結材で連結したものである。
【0004】
これらの輸送用パレットは、フォークリフトの爪が複数の梁材の相互間に差し込まれた状態で搬送されるか、又は、ワイヤで吊るした状態で搬送される。
【0005】
パレットをワイヤで吊るす場合、パレットの下にワイヤを通す必要があるため、多くの場合、複数の枕木材を設置面に予め敷いておき、その上にパレットを置くことで、パレットと設置面と間に、ワイヤを通す隙間を確保している。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−068008号
【特許文献2】
特願平03−223362号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、パレットをワイヤで吊るす場合、複数の枕木材を準備し、これらの枕木材を設置面に予め敷いておく必要があり、甚だ面倒であるという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目し、簡単にワイヤで吊るすことができる輸送用パレットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための輸送用パレットは、
複数の連結材と、互いに平行に配され、前記連結材の長手方向の中胴部により相互に連結される複数の内梁材と、前記内梁材に対して平行に配され、前記連結材の長手方向の両端部により相互に連結される一対の外梁材と、を備え、
一対の前記外梁材のそれぞれは、断面が溝型を成し、該溝型の開口部が他方の該外梁材から遠ざかる向きに開口し、該溝型の側板部に前記連結材の前記端部が接合されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、前記輸送用パレットは、
ワイヤを掛けるためのフックと、前記フックに掛けられるワイヤに対する対ワイヤ用補強材と、を備え、
前記内梁材は、設置時に設置面側を向く底板部と、該底板部と対向する天板部とを有し、
複数の前記連結材のうち、一の連結材は、複数の前記内梁材の長手方向の端部であって前記天板部に接合され、二の連結材は、前記一の連結材と対向するよう、複数の前記内梁材の長手方向の端部であって前記底板部に接合され、
前記フックは、前記一の連結材と前記二の連結材との間に配置され、前記内梁材の端部に対して固定され、
前記対ワイヤ用補強材は、前記一の連結材の長手方向に対して垂直な幅方向の端部であって、前記フックに掛けられたワイヤが通る位置に固定されている、ことを特徴とするものであってもよい。
【0011】
また、前記輸送用パレットは、
前記内梁材を補強する複数の梁補強材を備え、
前記内梁材は、矩形状の側板部と、該側板部の一対の長辺のそれぞれに沿って該側板部に略垂直に形成されている前記底板部及び前記天板部と、該底板部の該側板部から遠い側の辺から該天板部に近づく方向に伸びている底板鍔部と、該天板部の該側板部から遠い側の辺から該底板部に近づく方向に伸びている天板鍔部と、を有し、
前記梁補強材は、矩形状の主側板部と、該側板部の一対の辺のそれぞれに沿って該側板部に略垂直に形成されている矩形状の副側板部と、を有し、該梁補強材の主側板部の該一対の辺の長さが前記梁材の前記天板部と前記底板部との相互間隔と実質的に同じで、該梁補強材の該主側板部には、該主側板部の該一対の辺と平行な方向の一方の端から他方の端まで伸び、且つ該主側板部を基準にして該副側板部が形成されている側に凹んでいる長溝が形成されており、
前記内梁材の内部に、前記梁補強材の前記主側板部が該梁材の該天板鍔部及び該底板鍔部に接するように、複数の該梁補強材が挿入され、
前記内梁材の前記天板鍔部及び底板鍔部の部分であって、前記梁補強材の前記長溝に対応する部分が該長溝内に押し込まれ、該内梁材に対する該梁補強材の移動が規制されている、ことを特徴とするものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る輸送用パレットの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
本実施形態の輸送用パレットは、図1に示すように、互いに平行に配される複数の内梁材10,10,…と、梁材10に対して平行に配される一対の外梁材70,70と、複数の梁材10,10,…及び一対の外梁材70を相互に連結する複数の連結材40,40,…と、ワイヤを掛けるためのフック50,50,…と、このフック50,50,…に掛けられるワイヤに対する対ワイヤ用補強材55,55,…と、を有している。
【0014】
内梁材10は、図11に示すように、一枚の鋼板が折り曲げられて、矩形状の側板部11と、この側板部11の一対の長辺のそれぞれに沿って側板部11に垂直に形成されている矩形状の天板部15a及び矩形状の底板部15bと、天板部15aの側板部11から遠い側の辺から底板部15bに近づく方向に伸びている天板鍔部17aと、底板部15bの側板部11から遠い側の辺から天板部15aに近づく方向に伸びている底板鍔部17bと、が形成されている。
【0015】
側板部11の長手方向の両端であって、天板部15a及び底板部15bの相互間は、僅かに切り欠かれ、補強材フランジ受入部12を形成している。また、各鍔部17a,17bのぞれぞれの両端も、同様に、僅かに切り欠かれ、補強材フランジ受入部18a,18bを形成している。
【0016】
この断面溝型の内梁材10内には、梁補強材20,30が装着される。梁補強材20,30としては、梁材10の長手方向の両端を除く位置に設けられる中間補強材20と、梁材10の両端部に設けられる端部補強材30と、がある。
【0017】
中間補強材20は、一枚の矩形状の鋼板が折り曲げられて、矩形状の主側板部21と、この主側板部21の一対の長辺のそれぞれに沿って主側板部21に垂直に形成されている矩形状の一対の副側板部23,23と、一対の副側板部23,23の主側板部21から遠い側のそれぞれの辺から他方の副側板部23に近づく方向に伸びている一対の鍔部25,25と、一対の鍔部25,25のそれぞれの他方の鍔部側の辺から主側板側へ伸びる一対の鍔下がり部26,26と、が形成されている。
【0018】
この中間補強材20の主側板部21には、その一方の短辺から他方の短辺まで伸び且つ鍔部側へ凹んだ二つの長溝22,22が互いに平行に形成されている。また、一対の副側板部23,23にも、それぞれ、その一方の短辺から他方の短辺まで伸び且つ他方の副側板部側へ凹んだ長溝24が形成されている。これらの長溝22,24は、中間補強材20の断面剛性を向上させるために形成されている。中間補強材20の主側板部21と鍔部25との相互間隔は、梁材10の側板部11と鍔部17a,17bとの相互間隔と実質的に同じで、より正確には、中間補強材20の主側板部21と鍔部25との相互間隔の方が僅かに短い。主側板部21の長辺の長さは、梁材10の天板部15aと底板部15bとの相互間隔と実質的に同じで、より正確には、主側板部21の長辺の方が僅かに短い。すなわち、この中間補強材20のサイズは、中間補強材20の主側板部21及び鍔部25がそれぞれ梁材10の鍔部17a,17b及び側板部11に内接し、中間補強材20の主側板部21の短辺及び副側板部23の短辺がそれぞれ梁材10の天板部15aと底板部15bに内接した状態で、この中間補強材20が梁材10内に押し込めるサイズになっている。
【0019】
端部補強材30は、中間補強材20と同様、矩形状の主側板部31と、一対の副側板部33,33aと、一対の鍔部35,35と、一対の鍔下がり部36,36とを有している。
【0020】
この端部補強材30の一対の副側板部33,33aのうち、一方の副側板部33は、中間補強材20の副側板部23と同形状且つ同サイズである。しかし、他方の副側板部33aは、中間補強材20の副側板部23と異なっている。この他方の副側板部33aは、主側板部31から鍔部35と反対側に鋼板が90°折り曲げられてから、直ちに180°折り曲げられて形成されている。このため、主側板部31と他方の副側板部33aとの角部は、主側板部31を基準にして鍔部35と反対側に、ヘアピン形状で突出しており、ここがフランジ部37を形成している。また、この他方の側板部33aの主側板部31と反対側の端部でも、180°折り曲げられてから、直ちに90°折り曲げられ、そこから鍔35を形成している。このため、この他方の副側板部33aと鍔部35との角部も、ヘアピン形状で突出したフランジ部37を形成している。
【0021】
この他方の副側板部33aは、主側板部31に対して垂直な方向の幅、言い換えると、副側板部33aのフランジ部37,37の相互間隔は、内梁材10の側板部11と鍔部17a,17bとの相互間隔より僅かに長い。また、他方の副側板部33aの長溝32と平行な方向の幅は、内梁材10の天板部15aと底板部15bとの相互間隔より僅かに長い。この他方の副側板部33aの長溝32と平行な方向の両端部には、この他方の副側板部33aに対して90°の角度を成しているフランジ部38が形成されている。
【0022】
なお、以上の端部補強材30を構成している部分のうち、他方の副側板部33aを除く部分の形状及びサイズは、中間補強材20の対応部位と同形状及び同サイズである。したがって、端部補強材30の主側板部31にも長溝32,32が形成され、一方の副側板部33にも長溝34が形成されている。
【0023】
内梁材10に、梁補強材20,30を組み付ける際には、先ず、複数の中間補強材20,20,…を断面溝型の梁材10の中に挿入する。具体的には、前述したように、中間補強材20の主側板部21及び鍔部25がそれぞれ梁材10の鍔部17a,17b及び側板部11に内接し、中間補強材20の主側板部21の短辺及び副側板部23の短辺がそれぞれ梁材10の天板部15aと底板部15bに内接するように、この中間補強材20を梁材10の中に挿入する。次に、内梁材10の長手方向の所定位置に、各中間補強材20,20,…を位置させる。そして、端部補強材30を一方の副側板部33側から、内梁材10の中に挿入する。この際、端部補強材30の他方の副側板部33aのサイズは、内梁材10の端部開口のサイズよりも大きいので、この他方の副側板部33aは、内梁材10の中に入らない。また、他方の副側板部33aの各フランジ部37,37が内梁材10の補強材フランジ受入部12,18に接する。このため、この端部補強材30の他方の副側板部33aは、内梁材10の端部開口の蓋としての機能する。
【0024】
以上のように、内梁材10に対して、中間補強材20及び端部補強材30の装着が終了すると、内梁10の鍔部17a,17bの一部を複数の加工工具67,67,…を用いて塑性変形させて、各補強材20,30を内梁材10に固定する。
【0025】
一つの補強材20,30を内梁材10に固定する際には、2対の加工工具67,67,…が用いられる。対を成す2つの加工工具67,67の相互間隔Waは、内梁材10の天板鍔部17aと底板鍔部17bとの相互間隔に合うように、より正確には、内梁材10の天板部15aと底板部17bとの相互間隔よりいくらか短く設定されている。また、一方の対の加工工具67と他方の対の加工工具67との相互間隔Wbは、補強材20の主側板部21に形成されている二つの長溝22,22の相互間隔に等しく設定されている。
【0026】
このため、以上の加工工具67を内梁材10の鍔部17a,17bに押し付けると、この鍔部17a,17bの部分のうち、補強材20,30の長溝22,32に対応する部分が凹んで、この凹んだ部分が補強材20,30の長溝22,32に押し込まれる。この結果、各補強材20,30は、内梁材10に対して移動できなくなる。
【0027】
以上のように、本実施形態では、断面剛性の高い断面溝型の内梁材10に、梁補強材20,30を装着したので、内梁材10の剛性を高めることができる。しかも、内梁材10に装着した梁補強材20,30は、断面剛性の高い断面溝型である上に、主側板部21,31及び副側板部23,33に長溝22,32,24,34を形成したので、非常に高い。したがって、この梁補強材20,30の断面形状による効果も相俟って、内梁材10の剛性を非常に高めることができる。また、内梁材10及び梁補強材20,30は、いずれも薄鋼板で形成したので、軽量化を図ることができる。
【0028】
さらに、本実施形態では、梁補強材20,30の剛性向上のために形成した長溝22,32に、内梁材10の一部を押し込むだけで、内梁材10に梁補強材20,30を固定しているので、梁補強材20,30の取付を極めて容易に行うことができる。
【0029】
外梁材70は、図2に示すように、断面が溝型を成し、溝型の側面を形成する一対の側板部71,71と、溝型の底面を形成する底板部72と、を有している。外梁材70は、さらに、各側板部71,71の開口縁から他方の側板部71から遠ざかる向きであって、当該側板部71に対して垂直に形成されているストッパ部73と、このストッパ部73の端部から側板部71に対して平行で且つ底板部72側に伸びて、連結材40の端部を覆う端カバー部74と、を有している。
【0030】
この外梁材70の長手方向の長さは、内梁材60の長手方向の長さと実質的に同じである。また、この外梁材70の一対の側板部71,71の相互間隔は、内梁材10の底板部15aと天板部15bとの相互間隔と実質的に同じである。
【0031】
連結材40は、図3に示すように、一枚の薄鋼板を波型に折り曲げたものである。具体的には、連結材40の長手方向に対して垂直な幅方向に、二つの山部41,41を形成し、二つの山部41,41の間に谷部42を形成し、各谷部41,41の裾部分に筒状部43,43を形成したものである。山部41,41、谷部42、筒状部43,43は、いずれも、連結材40の長手方向の端から端まで伸びている。なお、連結材40に関しては、その強度を向上させるために、山部41を三つ形成し、谷部41を三つ形成してもよい。
【0032】
以上のように、連結材40も、薄鋼板で波型に形成したので、軽量且つ高剛性である。
【0033】
この連結材40は、前述したように、複数の内梁材10,10,…及び一対の外梁材70,70を相互に接続する。具体的には、図1に示すように、同じ長さの複数の内梁材10,10,…を互いに平行に且つ端部の位置が揃うように並べ、同じく、同じ長さの複数の連結材40,40,…を互いに平行に且つ梁材10に対して垂直に並べて、内梁材10と連結材40の中胴部とが重なり合う部分を溶接で接合する。連結材40としては、内梁材10の天板部15aに溶接される連結材と、内梁材10の底板部15bに溶接される連結材とがある。
【0034】
一対の外梁材70,70は、複数の内梁材10,10,…が並んでいる方向の端の位置に、互いの底板部72が対向するように、内梁材10に対して平行に配する。そして、図2に示すように、複数の内梁材10,10,…の端を外梁材70のストッパ部73に突き当てて、外梁材70の側板部74と連結材40の端部とを溶接で接合する。
【0035】
複数の連結材40,40,…のうち、両端の連結材40,40には、その両端部に端部カバー材が設けられている。この端部カバー材は、断面が溝型を成し、上連結材40と下連結材40との間であって、外梁材70の底板部72に端部カバー80の底板部が接するように配されている。
【0036】
複数の内梁材10,10,…のうち、端から二番目の梁材10,10の両端部には、ワイヤを掛けるフック50と、対フック補強材55が設けられている。フック50及び対フック補強材55は、図3及び図4に示すように、いずれも、内梁材10の天板部15aの端部に溶接されている上連結材40と、梁材10の底板部15bの端部に溶接されている下連結材40との間に位置している。
【0037】
フック50及び対フック補強材55としては、図5〜図7に示すように、丸鋼を曲げたものを使用している。具体的には、図6に示すように、フック50としては、φ16mmの丸鋼を「く」の字型に100°曲げたものを使用している。また、対フック補強材55としては、φ8mmの丸鋼を同じく「く」の字型に90°曲げたものを使用している。
【0038】
「く」の字型のフック50の一方の端側部51は、内梁材10の端部補強材30内に差し込まれて溶接され、他方の端側部52は、下連結材40側を向いている。また、「く」の字型の対フック補強材55の一方の端側部56は、上連結材40の筒状部40に溶接され、他方の端側部57は、端部補強材30の主側板部31と他方の副側板部33aとの角の辺に沿って溶接されている。
【0039】
フック50の一方の端側部51が差し込まれている端部補強材30内には、図8〜図10に示すように、フック取付補強材60とフック回り止め座金58とが設けられている。フック取付補強材60は、断面溝型を成し、その底板部61が端部補強材30の鍔部35と対向するように、端部補強材30の中に挿入されている。フック回り止め座金58は、矩形板状を成し、その中心からいくらか外れた位置に、フック外径に併せた内径の孔が形成されている。このフック回り止め座金58は、端部補強材30内のフック取付補強材60の底板部61に沿って配置され、その孔にフック50の一方の端側部51が挿通され、そこで互いに溶接されている。
【0040】
仮定として、金属製パレットに、フックを取り付ける場合には、図12に示すように、パレット1の側面2からフック3が突出するように取り付けることが一般的に考えられる。しかしながら、このように、パレット1の側面2からフック3が突出していると、複数のパレット1,1,…を配置する場合、このフック3が邪魔になって、パレット10,10相互を近づけて並べることができない。また、一つのパレット1を単独で置く場合でも、パレット側面2から突出しているフック3に、作業者が足を引っ掛ける虞もある。
【0041】
そこで、本実施形態では、図2に示すように、断面が溝型の外梁材70の開口部を外側に向け、この開口部から外梁材70の溝内にワイヤ69を入れられるようにしている。さらに、本実施形態では、内梁材10の端部であって、梁材10の天板部15aに溶接されている連結材40と底板部15bに溶接されている連結材40との間に、フック50を配置することで、フック50がパレットの側面から突出しないようにしている。ところで、本実施形態では、フック50を以上のように配置すると、図4に示すように、フック50にワイヤ69を掛けて、パレットを吊り上げた際に、上連結材40にワイヤ69から多大な荷重がかかるので、この連結材40が変形する虞がある。この連結材40の変形を防ぐ方法として、素材自体が高剛性の厚鋼板等で連結材を形成する方法があるが、これでは、パレットの軽量化を図るために薄板鋼板で連結材40を形成している意味がなくなるので、本実施形態では、フック50に掛けられたワイヤ69が通る位置に対応した箇所のみに、対ワイヤ補強材55を取り付けて、連結材40の変形を防いでいる。
【0042】
なお、以上の実施形態では、フック50を設けているが、本発明では必ずしも必要なものではなく、これを省略してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、パレットを構成する梁材のうち、最も外側の外梁材を断面溝型に形成し、この溝型の開口部が外側を向くようにしているので、この開口部から外梁材の溝内にワイヤを入れることができるので、パレットの下に複数の枕木材を予め敷く必要がなくなり、極めて簡単にパレットをワイヤで吊るすことができる。
【0044】
しかも、本発明では、ワイヤを掛けるためのフック等がパレット側面から突出していないので、複数のパレットを相互に近接させて並べることができると共に、作業者がフック等に足を取られてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態におけるパレットの平面図(a)及び側面図(b)である。
【図2】本発明に係る一実施形態におけるパレットの要部斜視図である。
【図3】図1におけるA部斜視図である。
【図4】図1におけるA部の連結材の一部を切欠いた斜視図である。
【図5】図1におけるB部平面図である。
【図6】図5におけるVI矢視図である。
【図7】図5におけるVII矢視図である。
【図8】図5から連結材及び梁材と取り除いた図である。
【図9】図8におけるIX矢視図である。
【図10】図8におけるX矢視図である。
【図11】本発明に係る一実施形態における梁材及び梁補強材の斜視図である。
【図12】仮定パレットの平面図である。
【符号の説明】
10…内梁材、11…側板部、15a…天板部、15b…底板部、17a…天板鍔部、17b…底板鍔部、20…中間補強材(梁補強材)、21,31…主側板部、22,24,32,34…長溝、23,33,33a…副側板部、25,35…鍔部、30…端部補強材(梁補強材)、40…連結材、41…山部、42…谷部、43…筒状部、50…フック、55…対ワイヤ補強材、60…フック取付補強材、67…加工工具、69…ワイヤ、70…外梁材、71…側板部。
Claims (6)
- 複数の連結材と、
互いに平行に配され、前記連結材の長手方向の中胴部により相互に連結される複数の内梁材と、
前記内梁材に対して平行に配され、前記連結材の長手方向の両端部により相互に連結される一対の外梁材と、
を備え、
一対の前記外梁材のそれぞれは、断面が溝型を成し、該溝型の開口部が他方の該外梁材から遠ざかる向きに開口し、該溝型の側板部に前記連結材の前記端部が接合されている、
ことを特徴とする輸送用パレット。 - 請求項1に記載の輸送用パレットにおいて、
前記外梁材は、前記側板部の開口縁から前記開口部と反対方向に伸びているストッパ部を有し、
前記連結材の端縁が、前記外枠材の前記ストッパ部に突き当たっている、
ことを特徴とする輸送用パンレット。 - 請求項1及び2のいずれか一項に記載の輸送用パレットにおいて、
ワイヤを掛けるためのフックと、
前記フックに掛けられるワイヤに対する対ワイヤ用補強材と、
を備え、
前記内梁材は、設置時に設置面側を向く底板部と、該底板部と対向する天板部とを有し、
複数の前記連結材のうち、一の連結材は、複数の前記内梁材の長手方向の端部であって前記天板部に接合され、二の連結材は、前記一の連結材と対向するよう、複数の前記内梁材の長手方向の端部であって前記底板部に接合され、
前記フックは、前記一の連結材と前記二の連結材との間に配置され、前記内梁材の端部に対して固定され、
前記対ワイヤ用補強材は、前記一の連結材の長手方向に対して垂直な幅方向の端部であって、前記フックに掛けられたワイヤが通る位置に固定されている、
ことを特徴とする輸送用パレット。 - 請求項3に記載の輸送用パレットにおいて、
前記連結材は、幅方向の両端は、丸められ、且つ丸められた形状が長手方向に伸びて筒状を成し、
前記対ワイヤ補強材は、前記連結材の筒状の部分に沿って設けられている、
ことを特徴とする輸送用パレット。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の輸送用パレットにおいて、
前記連結材は、幅方向に山部と谷部とが交互に繰り返され、且つ該山部及び谷部が長手方向に伸びている、
ことを特徴とする輸送用パレット。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の輸送用パレットにおいて、
前記内梁材を補強する複数の梁補強材を備え、
前記内梁材は、矩形状の側板部と、該側板部の一対の長辺のそれぞれに沿って該側板部に略垂直に形成されている前記底板部及び前記天板部と、該底板部の該側板部から遠い側の辺から該天板部に近づく方向に伸びている底板鍔部と、該天板部の該側板部から遠い側の辺から該底板部に近づく方向に伸びている天板鍔部と、を有し、
前記梁補強材は、矩形状の主側板部と、該側板部の一対の辺のそれぞれに沿って該側板部に略垂直に形成されている矩形状の副側板部と、を有し、該梁補強材の主側板部の該一対の辺の長さが前記内梁材の前記天板部と前記底板部との相互間隔と実質的に同じで、該梁補強材の該主側板部には、該主側板部の該一対の辺と平行な方向の一方の端から他方の端まで伸び、且つ該主側板部を基準にして該副側板部が形成されている側に凹んでいる長溝が形成されており、
前記内梁材の内部に、前記梁補強材の前記主側板部が該梁材の該天板鍔部及び該底板鍔部に接するように、複数の該梁補強材が挿入され、
前記内梁材の前記天板鍔部及び底板鍔部の部分であって、前記梁補強材の前記長溝に対応する部分が該長溝内に押し込まれ、該内梁材に対する該梁補強材の移動が規制されている、
ことを特徴とする輸送用パレット。
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A02 | Decision of refusal |
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