JP2004167977A - ガスバリアフィルム及び包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラスチックフィルム1の片面に、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロースのいずれか及び/又はそれらの共重合体を成分に持つ水酸基含有高分子体Aと、ポリアクリル酸及び/又はその部分中和物及び/又はポリメタクリル酸及びその部分中和物Bとを成分に持つ被覆樹脂層2を設け、もう片面にセラミックス蒸着層3を設け、さらに複合被膜4を設けた。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスバリアフィルムに関する。さらに詳しくは、食品、医薬品、電子部材、電子機器等が、酸素や水蒸気等によって変質や劣化したりすることを抑制する包装用フィルムとして好適なガスバリアフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
包装材料には種々の機能が要求される。その中でも、内容物保護性は最も重要な機能である。内容物の劣化及び変質は主に酸素、水分、光、熱などの影響により促進される。とりわけ、酸素及び水分の影響が大きい。それらを遮断することが、内容物保護性を考える上で重要であり、すなわち、ガスバリアフィルムの存在が要求される。また、今日のように嗜好性が多様化したり、添加剤が規制されるなどの状況下では外部からの遮断のみならず、不活性ガス充填包装や、風味、香気の退化防止など内部からの透過も遮断する必要がある。
【0003】
しかしながら、一般的にプラスティックフィルムはガスバリア性に乏しく、単独で用いる場合には一部用途を除いては要求を満たすものがない。そこで、他のガスバリア性に優れた層を積層することによって、ガスバリアフィルムを作成する方法が採られていることが多い。
【0004】
ポリビニルアルコールを成分に含む層を有したフィルムは、乾燥状態では樹脂が結晶性に富み、酸素バリア性に優れることが知られているが、高湿条件下では結晶性が低下するため、バリア性が著しく低下することが問題である。その問題点を改善するために種々の方法が提案されている。非水酸基系として、ポリ塩化ビニリデン層を設けたガスバリアフィルム等も実用化されているが、廃棄処理時に有害なダイオキシンを発生する恐れがある。また、ポリビニルアルコールの耐水性を向上させるために、ポリビニルアルコール中にエチレンユニットを導入したポリビニルアルコールとエチレンのコポリマー(ビニルアルコール−エチレン共重合体、ビニルアルコール−co−エチレン)等の効果も知られているが、その湿度依存性に対する耐性は未だ十分であるとは言えない。
【0005】
また、ポリアクリル樹脂塩とポリビニルアルコールとのバリア性複合被膜も提案されており、酸素バリア性に優れることが知られているが、水蒸気バリア性が発現されない。セラミックス蒸着層を設けたガスバリアフィルムも各社から発売されているが、用途によってはバリア性が不充分である場合がある。また、レトルト処理を行うと酸素バリア性が若干損なわれることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、セラミックス蒸着フィルムはレトルト処理を行うことで、その酸素バリア性が若干劣化することがある。そこで、本発明により、その高い酸素バリア性を保持するガスバリアフィルムを提供したい。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく我々は鋭意研究し、次のような発明に至った。即ち請求項1に係る発明は、プラスチックフィルムの片面に水酸基含有高分子体Aと、ポリアクリル酸及び/又はその部分中和物及び/又はポリメタクリル酸及びその部分中和物Bとを成分に持つ被覆樹脂層を設け、もう片面にセラミックス蒸着層を設けたことを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0008】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るガスバリアフィルムにおいて、前記プラスチックフィルムが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールの少なくとも1種及び/又はそれらの共重合体を成分に持つことを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0009】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係るガスバリアフィルムにおいて、前記水酸基含有高分子体Aが、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロースのいずれか及び/又はそれらの共重合体を成分に持つことを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0010】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に係るガスバリアフィルムにおいて、前記ポリアクリル酸部分中和物又はポリメタクリル酸部分中和物Bが、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩であることを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0011】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係るガスバリアフィルムにおいて、前記セラミックス蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムの少なくとも1種を成分に持つことを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0012】
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係るガスバリアフィルムにおいて、前記セラミックス蒸着層の上に、ポリビニルアルコール及び金属アルコキシドの加水分解物を成分に持つ複合被膜を設けたことを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0013】
本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項6に係るガスバリアフィルムにおいて、前記金属アルコキシドが、シランアルコキシド及び/又はシランカップリング剤であることを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0014】
本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項1乃至7のいずれか1項に係るガスバリアフィルムにおいて、前記プラスチックフィルムとセラミックス蒸着層の間に、下引層を設けたことを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0015】
本発明の請求項9に係る発明は、上記請求項8に係るガスバリアフィルムにおいて、前記下引層が、シランカップリング剤を成分に持つことを特徴とするガスバリアフィルムである。
【0016】
本発明の請求項10に係る発明は、上記請求項1乃至9のいずれか1項に係るガスバリアフィルムを用いて製袋されていることを特徴とする包装体である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のガスバリアフィルムについて、その実施の形態に沿って以下に詳しく説明する。図1は、本発明のガスバリアフィルムの一例における積層断面図であり、ここでいうプラスチックフィルム1とは、一般的に定義される高分子化合物と同義であり、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールの少なくとも1種及び/又はそれらの共重合体を成分に持つことが望ましい。とりわけポリエチレンテレフタレート、ナイロンは好適であるが、必ずしも限定するものではない。実際的には、用途や要求物性により適宜選定をすることが望ましく、限定をする例ではないが医療用品、薬品、食品等の包装には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロンなどがコスト的に用いやすく、電子部材、光学部材等の極端に水分を嫌う内容物を保護する包装には、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド類、ポリエーテルスルホンなどのそれ自体も高いガスバリア性を有する基材を用いることが望ましい。また、基材フィルム厚みは限定するものではないが、用途に応じて、6μmから200μm程度が使用しやすい。
【0018】
次に、被覆樹脂層2を構成する水酸基含有高分子体Aは、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロースのいずれかであることが好ましいが、層を設けるにあたり、コーティング法を用いることを考慮すれば、ポリビニルアルコールまたはデンプンが溶液化し易く用いやすい。セルロースを用いる場合には微粉末にしてコーティング液中に分散するか、又は化学修飾(官能基を導入して化学構造を部分的に変化させること、共重合も含む)により、例えばカルボキシメチルセルロースに部分もしくは全体を変換して用いることがよろしい。
【0019】
次に、被覆樹脂層2を構成するポリアクリル酸及び/又はその部分中和物及び/又はポリメタクリル酸及びその部分中和物Bのポリアクリル酸、ポリメタクリル酸とは、それぞれポリアクリル酸、ポリメタクリル酸を重合させることで得られるポリマーである。重合には通常のラジカル重合法を用いることができ、特に溶液重合はポリマーが溶液として得られるために用いやすい。但し用途、物性的により高分子量のポリマーを得たければ、懸濁重合法やバルク重合法を採用することがよろしい。また、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルを加水分解することによっても得ることが可能である。また、これらとアルカリ金属またはアルカリ土類金属単体、もしくはそれらの水酸化物を反応させることで得られる。尚、これら製法は、限定例ではなく、また市販されているので用いることが出来る。また、中和度は30%(mol比)以下、さらに好ましくは20%以下が望ましい。
【0020】
次に、セラミック蒸着層3とはガスバリア性を付与するために設けるもので、扱い易さ、経済性、ガスバリア性能等を考慮して酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チタンのうちの少なくとも1種類以上を成分に持つことが好ましい。また、これら金属酸化物は必ずしも酸化飽和している必要は無い。また、要求物性に応じて、各種添加物を混合させても構わない。これらのセラミックの組成比、酸化度、添加物などは、用途、コスト、成膜装置特性等を考慮して設定すればよろしい。成膜手段は、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法が挙げられ、電子線加熱方式真空蒸着法などが特に有効であるが、これらの例に限定されるものではない。
【0021】
膜厚は限定するものではないが、1nm以上100nm以下が好ましい。これより薄い場合には、均一に成膜することが困難になるためにガスバリア性能が発現されにくく、また、これ以上の場合には、ガスバリア性能は発現されるものの可橈性が減少し後加工適性や実用性に乏しくなり、また不経済である。
【0022】
蒸着層3の上に設ける複合被膜4とは、ガスバリア性の向上、蒸着層の保護、印刷適性の向上などを目的として設けるものである。
【0023】
本発明でいう複合被膜4に用いるポリビニルアルコールとは一般的には酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルを加水分解することによって得られるポリマーであるが、製法については限定しない。また、種々物性を付与するために化学修飾する例は本発明の域を逸しない。
【0024】
複合被膜4に用いる金属アルコキシドには種々あるが、取り扱い性、コストなどを考えれば、珪素のアルコキシドがよろしい。また、被膜4の柔軟性向上、密着性改善などの要求があれば、テトラアルコキシドに限ることなく、いわゆるシランカップリング剤を適宜選定添加することがよい。特に限定するものではないが、複合被膜4の塗布形成方法としては、ディッピング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スプレー法等の公知の塗工法を用いることができる。
【0025】
次に、前記プラスチックフィルム1とセラミックス蒸着層3の間に設けた下引層5は、有機化合物である基材フィルムとしてのプラスチックフィルム1と無機化合物であるセラミックス蒸着層3との密着性を向上させるために設けるものであり、特に有機金属化合物が含まれていると物性向上が目覚しく、ことレトルト処理ごの密着性に寄与するところが大きい。特に各種シランカップリング剤は選定範囲も広く、また経済的に優れる。実際には高度、弾性、可橈性、密着性能など種々物性を考慮してその他成分と配合することがよろしい。同様に限定するものではないが、ディッピング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スプレー法等の公知の塗工法を用いることができる。
【0026】
本発明のガスバリアフィルムを包装材料として用いる際には、ヒートシール層を組み合わせて用いる必要がある。ヒートシール層にはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体(ポリエチレン−co−酢酸ビニル)など公知の高分子フィルムを用いることができ、限定されるものではない。また、ヒートシールニスやホットメルト材を用いてもよい。また、基材フィルム1自身がヒートシール性を有していてもよい。ヒートシール層の積層法に関しては、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、エクストルーダー法、コーティング法などの公知の方法を用いることができ、材質等に応じて適当な手段を選定することがよく、またこれらに限定するものではない。尚、その際の積層構成は用途に応じて適宜決定することができる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明のガスバリアフィルムの具体的実施例を示す。
【0028】
<実施例1>
図1に示すように、基材フィルム1として12μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、ポリアクリル酸(実験室にて重合、分子量(GMC、PS換算)=約10,000)の水酸化ナトリウム部分中和物(中和度10%)とポリビニルアルコール(クラレポバールPVA124)を主成分とする水溶液を、グラビアコーティング法により塗布し、オーブンにて乾燥後、続いて熱ロールにて追乾燥を行うことで被覆樹脂層2の被膜を設けた。
【0029】
次にアクリルポリオールとイソシアネート基末端シランカップリング剤を主成分とする酢酸エチル溶液を、基材フィルム1の他面にグラビアコーティング法により塗布し、オーブン乾燥することで、下引層5の被膜を設けた。
【0030】
この下引層5の上に、電子線加熱方式にて真空蒸着法により酸化アルミニウム(不飽和酸化)による蒸着層3を設けた。
さらに、蒸着層3の表面に、テトラエトキシシランの塩酸酸性加水分解物とポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールPVA124)を主成分とする水溶液をグラビアコーティング法により塗布し、オーブンにて乾燥後、続いて熱ロールにて追乾燥を行うことで、複合被膜4の被膜を設け、実施例1による本発明のガスバリアフィルムを得た。
【0031】
さらに、このガスバリアフィルムの複合被膜4の面と二軸延伸ナイロン(ユニチカ(株)製、エンブレムONMB−RT:15μm厚)とを、ドライラミネート法によりウレタン系接着剤を用いて接合した。さらに、このナイロン面と未延伸ポリプロピレン(東セロ(株)製、RXC−18:70μm厚)とを、同様にドライラミネート法によりウレタン系接着剤を用いて接合してヒートシール層を形成して包装フィルムを得た後、A5サイズ大にカッティングした2枚の該包装フィルムの4方をヒートシールしてパウチを作製し、実施例1のガスバリアフィルムによる包装袋を得た。
【0032】
<実施例2>
上記実施例1において基材フィルム1に下引層5を設けない以外は、実施例1と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0033】
<実施例3>
上記実施例1において基材フィルム1に下引層5と複合被膜4とを設けない以外は、実施例1と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0034】
<実施例4>
上記実施例1において基材フィルム1に複合被膜4を設けない以外は、実施例1と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0035】
<実施例5>
上記実施例1において、基材フィルム1を二軸延伸ナイロン(ユニチ(株)製、カエンブレムON:15μ厚)とし、複合被膜4の面と、線状低密度ポリエチレン(タマポリ TUX FC−S 60μ)とを、直接、ドライラミネート法によりウレタン系接着剤を用いて接合した以外は、実施例1と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0036】
<実施例6>
上記実施例2において、基材フィルム1を二軸延伸ナイロン(ユニチ(株)製、カエンブレムON:15μ厚)とし、複合被膜4の面と、線状低密度ポリエチレン(タマポリ TUX FC−S 60μ)とを、直接、ドライラミネート法によりウレタン系接着剤を用いて接合した以外は、実施例2と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0037】
<実施例7>
上記実施例3において、基材フィルム1を二軸延伸ナイロン(ユニチ(株)製、カエンブレムON:15μ厚)とし、蒸着層3の面と、線状低密度ポリエチレン(タマポリ TUX FC−S 60μ)とを、直接、ドライラミネート法によりウレタン系接着剤を用いて接合した以外は、実施例3と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0038】
<実施例8>
上記実施例4において、基材フィルム1を二軸延伸ナイロン(ユニチ(株)製、カエンブレムON:15μ厚)とし、蒸着層3の面と、線状低密度ポリエチレン(タマポリ TUX FC−S 60μ)とを、直接、ドライラミネート法によりウレタン系接着剤を用いて接合した以外は、実施例4と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0039】
<比較例1>
上記実施例1において基材フィルム1に被覆樹脂層2を設けない以外は、実施例1と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0040】
<比較例2>
上記実施例1において基材フィルム1に下引層5と蒸着層3と複合被膜4とを設けない以外は、実施例1と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0041】
<比較例3>
実施例1における基材フィルム1のみを用いて、実施例1と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0042】
<比較例4>
上記実施例5において基材フィルム1に被覆樹脂層2を設けない以外は、実施例5と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0043】
<比較例5>
上記実施例5において基材フィルム1に下引層5と蒸着層3と複合被膜4とを設けない以外は、実施例5と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0044】
<比較例6>
実施例5における基材フィルム1のみを用いて、実施例5と同様にして包装フィルムを得た後、包装袋を作製した。
【0045】
<比較結果>
上記実施例1〜4と比較例1〜3により得られた各々包装袋について、酸素透過度(ml/m2 /24hr/atm、測定装置:モダンコントロール社製OXTRAN2/20、測定条件:30℃、70%RH))と、水蒸気透過度(g/m2 /24hr、測定装置:モダンコントロール社製PERMATRAN3/31、測定条件:40℃、90%RH)を測定し、ガスバリア性を比較評価した。なお、評価にあたり、各々包装袋の開口部から、水道水150mlを充填し、開口部をヒートシールして密封した後、121℃、30分の熱水回収式レトルト処理を行い、包装袋に過酷負荷を与えた。その結果を下記表1に示す。
【0046】
また、上記実施例5〜8と比較例4〜6により得られた各々包装袋について、酸素透過度(ml/m2 /24hr/atm、測定装置:モダンコントロール社製OXTRAN2/20、測定条件:30℃、70%RH)と、水蒸気透過度(g/m2 /24hr、測定装置:モダンコントロール社製PERMATRAN3/31、測定条件:40℃、90%RH)を測定し、ガスバリア性を比較評価した。なお評価にあたり、各々包装袋の開口部から、水道水150mlを充填し、開口部をヒートシールして密封した後、95℃、30分のボイル処理を行い、包装袋に過酷負荷を与えた。その結果を下記表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
それぞれ表1及び表2に示すように、比較例1及び比較例4は、水蒸気バリア性をあるレベルまで保持しているものの、酸素バリア性は著しく低下している。また、比較例2及び比較例5は、酸素バリア性を保持しているものの、水蒸気バリアに関しては、基材フィルム1単体(比較例3及び比較例6)程度である。
【0050】
それに対して、実施例1〜8は、いずれもレトルト処理もしくはボイル処理後でも高いバリア性を保持していた。
【0051】
【発明の効果】
本発明のガスバリアフィルムによれば、レトルト処理やボイル処理などのような過酷な処理工程を経ても、酸素バリア及び水蒸気バリアを高いレベルで保持しており、内容物を保護するガスバリアフィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリアフィルムの一実施例における積層断面図。
【符号の説明】
1…プラスチックフィルム(基材フィルム) 2…被覆樹脂層 3…蒸着層
4…複合被膜 5…下引層
Claims (10)
- プラスチックフィルムの片面に水酸基含有高分子体Aと、ポリアクリル酸及び/又はその部分中和物及び/又はポリメタクリル酸及びその部分中和物Bとを成分に持つ層を設け、もう片面にセラミックス蒸着層を設けたことを特徴とするガスバリアフィルム。
- 前記プラスチックフィルムが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールの少なくとも1種及び/又はそれらの共重合体を成分に持つことを特徴とする請求項1記載のガスバリアフィルム。
- 前記水酸基含有高分子体Aが、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロースのいずれか及び/又はそれらの共重合体を成分に持つことを特徴とする請求項1又は2記載のガスバリアフィルム。
- 前記ポリアクリル酸部分中和物又はポリメタクリル酸部分中和物Bが、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガスバリアフィルム。
- 前記セラミックス蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムの少なくとも1種を成分に持つことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のガスバリアフィルム。
- 前記セラミックス蒸着層の上に、ポリビニルアルコール及び金属アルコキシドの加水分解物を成分に持つ複合被膜を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のガスバリアフィルム。
- 前記金属アルコキシドが、シランアルコキシド及び/又はシランカップリング剤であることを特徴とする請求項6記載のガスバリアフィルム。
- 前記プラスチックフィルムとセラミックス蒸着層の間に、下引層を設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のガスバリアフィルム。
- 前記下引層が、シランカップリング剤を成分に持つことを特徴とする請求項8記載のガスバリアフィルム。
- 請求項1乃至9のいずれか1項記載のガスバリアフィルムを用いて製袋されていることを特徴とする包装体。
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