JP2004166218A - 適応等化装置及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】干渉除去手段31n で干渉信号のレプリカにより受信信号中の干渉成分を減算し、その出力をフィルタ32n で処理して、残りの干渉成分の除去と、マルチパス合成を行い、干渉除去度推定部41n で、干渉除去度β(i)を処理繰り返し回数i=1で0とし、5≧i≧2で0.8+0.05×(i−1)とし、i≧6で1とし、各繰り返しの始めにβ(i)とチャネル推定値を用いてフィルタ係数を算出部33n で計算し、フィルタ32n に設定する。βとして前回処理の軟判定シンボル推定値の平均を用いてもよい。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は例えばターボ受信機のように、等化及び復号を繰り返し行う受信機に適用され、事前情報を用いて干渉のキャンセルを行い、続くフィルタにおいて、更なる干渉抑圧及び、マルチパス成分の合成をするフィルタ処理を行う適応等化装置及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信事業の課題は限られた周波数上でいかに高品質で多数のユーザ(移動機)を収容できるかということにある。このような課題を解決する手段として、多入力多出力(Multi-Input Multi-Output:MIMO)システムがある。このシステム構成は図1に示されているように複数の送信機S1〜SNから同時刻、同周波数上で情報ビットb1(k)〜bN(k)から生成されたシンボルを送信し、これらの送信信号を、複数のアンテナ#1〜#Mを備えるMIMO受信機で受信し、MIMO受信機は受信信号を処理し、各送信機S1〜SNの送信シンボルを構成する情報ビットb1(k)〜bN(k)を推定してb1^(k)〜bN^(k)として出力端子Out1〜OutNに別々に出力する。
【0003】
現在までのところMIMOシステムにおけるMIMO受信機の具体的な構成法に関する検討は十分に行われていない。MIMOシステムにおけるMIMO受信機の構成をMLSE(最尤推定)規範に基づいて行う場合は、送信機の数をN、各送信機の送信電波がMIMO受信機に到達するマルチパスの数をQとすれば、MIMO受信機の計算量は2(Q-1)Nに比例して増加するため、送信機数N、マルチパス数Qの増加に伴いその計算量は莫大なものとなる。またシングルユーザの情報を複数の並列信号として送信されたものを受信する場合に、各並列信号を分離するにはマルチパス数の増加に伴い多くの計算量を必要とする。この点からすれば、この発明は複数系列信号のターボ受信装置に適用すると特に効果が著しいが、シングルユーザ(送信機1台)、つまり1系列送信信号に対するターボ受信機、その他のシステムの受信機に適用しても効果がある。従って、まず既存のシングルユーザターボ用受信機について説明する。
【0004】
シングルユーザ用ターボ受信機
この場合の送信機、受信機の構成例を図2に示す。送信機10では入力された情報ビット系列b(k)に対して誤り訂正符号化をチャネル符号化器11で行って符号化ビット系列c(k)を生成する。この系列c(k)をインタリーバ12でインタリーブ(並べ替え)して系列c′(k)を得、この系列c′(k)で搬送波信号を変調器13において変調して送信シンボル系列s(k)を得る。そして、この送信シンボル系列s(k)に対して、トレーニングシンボル系列生成器14からのトレーニングシンボルstr(k)を多重化手段15において付加して送信する。一般には送信シンボル系列s(i)は無線周波数帯に変換されて送信される。
【0005】
この送信信号は伝送路(マルチパスの各チャネル)を通じて受信機20に受信される。受信機20では軟入力軟出力(SISO:Single-Input-Single-Output)等化器21により遅延波の等化が行われる。この等化器21の入力は一般に受信信号がベースバンドに変換され、そのベースバンドの受信信号が、前記送信シンボル系列のシンボル周波数の1倍以上の周波数でサンプリングされてディジタル信号に変換され、ディジタル信号の受信信号として等化器21へ入力される。
【0006】
シングルユーザの場合図1でN=1にあたり、各受信アンテナ#m(m=1,2,…,M)における受信出力は、
rm(k)=Σq=0 Q-1hm(q)・s(k−q)+vm(k)
と表すことができる。mはアンテナインデックス、kは離散時刻、hはチャネル値(伝送路インパルス応答:伝送路特性)、s(k−q+1)はユーザ(送信機1)の送信シンボル、vm(k)は受信機20の内部の熱雑音である。そして全てのアンテナ#1〜#Mからの出力を次式のベクトルとして表わし、更に
を定義する。ここで、
v(k)=[v1(k)v2(k)…vM(k)]T
H(q)=[h1(q)…hM(q)]T
である。また[ ]T は転置ベクトル(又は行列)を表わす。次にマルチパス(チャネル)の数Qを考慮して以下のベクトル及び行列を定義する。以下、一般にm=1,…,Mとn=1,…,Nが下付き添字として付けられている記号はベクトル又は行列の要素を表わす。
ここで、
【0007】
【数1】
【0008】
ただし、
S(k−q)=[s(k+Q−1)s(k+Q−2)…s(k−Q+1)]T
n(k)=[vT(k+Q−1)vT(k+Q−2)…vT(k)]T
である。
上で定義したr(k)が等化器21に入力され、このSISO等化器21は線形等化器であって、その等化出力として各符号化ビット{s(i)}が+1である確率と−1である確率の対数尤度比Λ1(LLR:Log-Likelihood Ratio)が導出される。
【0009】
【数2】
【0010】
である。ここでλ1[s(k)]は後続の復号器24に送られる外部情報、λ2 p[s(k)]は等化器21に与えられる事前情報である。対数尤度比Λ1[s(k)]は事前情報λ2[s(k)]が減算器22で減算され、更にデインタリーバ23を介してSISOチャネル復号器24へ供給される。この復号器24は送信機の符号器11で付加された誤り訂正に関する冗長度を用いて、軟入力軟出力復号を行い復号ビットを暫定或いは最終受信信号として出力し、かつ各ビットごとの対数尤度比Λ2
【0011】
【数3】
【0012】
を算出する。ここでλ2[s(i)]は繰り返しの際に等化器21にλ2 p[s(k)]として与えられる外部情報であり、λ1[s(k)]が減算器25に事前情報λ1 p[s(i)]として与えられる。Λ2[s(i)]は減算器25でλ1[s(i)]が減算され、減算器25の出力はインタリーバ26を介して等化器21及び減算器22へ事前情報λ2[s(k)]として供給される。このようにして繰り返し等化、復号が行われて誤り率の向上が達成される。
【0013】
次に前段の等化器21の詳細として受信ベクトルy(k)に施す線形フィルタ特性の算定について述べる。等化器21の事前情報λ2 p[s(k)]を用いて軟判定シンボル推定値
s′(k)=tan h[λ2 p[s(k)]/2]
を算出する。そして、この推定値とチャネル行列Hを用いて干渉成分、つまり干渉成分のレプリカH・S′(k)を生成し、これを受信信号から引き算する。つまり
ここで、
を計算する。干渉成分のレプリカH・S′(k)は正確なレプリカに必ずしもなっていないから、この処理により干渉成分を完全に除去できない。そこで干渉成分の残りを消す最適な線形フィルタ係数wopt(k)を以下のMMSE(最小平均2乗誤差)規範で求める。
【0014】
wopt(k)=arg min‖wH(k)・y′(k)−s(k)‖2
Hは共役転置を表わし、‖ ‖はノルムを表わす。
上式を最小とするw(k)を求める。
以下のw(k)の導出は例えば非特許文献1に記載されている。この手法の主な達成事項として計算量の大幅削減がある。従来のMLSE型ターボの計算量は2Q-1 のオーダに比例していたのに対し、この手法はQ3 のオーダで抑えられている。なおwH(k)・y′(k)は等化器21の出力であって、これからλ1[s(k)]が計算されてデインタリーバ23を介して復号器24へ供給され、復号演算が行われる。
【0015】
シングルユーザのターボ受信において、繰り返し2回目以降のMMSEフィルタ係数計算時において軟判定シンボル推定値s′n(k)を1と近似する方法が提案されている(例えば非特許文献2参照)。
次にシングルユーザのターボ受信方法をマルチユーザに発展させた特許文献1に示すターボ受信方法について説明する。この多入力多出力ターボ受信法に対する送信側の1ユーザ(送信機)n(n=1,…,N)の構成は例えば図2中の送信機と同様なものであり、よってユーザnの各系列に対する処理であることを示すために、同図中に対応する系列の記号に添字nを付けて括弧書きで示す。
【0016】
1つの送信アンテナから1つの受信アンテナに電波が到達するマルチパス数をQとすると、ユーザ(送信機)Snから送信され、m番目(m=1,…,M)のアンテナ#mで受信される信号は、送信機Snからの送信信号に遅延プロファイル(伝送路特性)hmn(q)を畳み込んだ信号であり、m番目のアンテナ#mで受信される信号rm(t)は全ての送信機S1〜SNからの受信信号を足し合わせ、これに雑音を加えた信号となる。よって、受信信号rm(t)は次のように表される。
【0017】
rm(t)=Σn=1 N(hmn(q)*st,n(t))+nm(t) (1)
ここで、nm(t)はm番目のアンテナ#mで受信した信号に対する加法性白色ガウス雑音(AWGN)である。
この明細書では、チャネル状態(伝送路特性)の表記法に関して、便宜上次のように定義する。
ここで、kは離散的時刻、[ ]T は転置行列又はベクトルを表わし、H(q),S(k),n(k)は以下の通りである。
【0018】
【数4】
【0019】
S(k)=[s1(k)s2(k)…sN(k)]T (4)
n(k)=[n1(k)n2(k)…nM(k)]T (5)
である。
図3に多入力多出力ターボ受信機の機能構成を示す。各アンテナ#1〜#Mからの受信信号は例えばシンボル周期でサンプリングされたベースバンドのデジタル信号としてMIMO時空ターボ等化器に入力される。MIMO時空ターボ等化器はMIMO等化器21と各信号系列(ユーザ)用復号部221 〜22N で構成され、同一受信信号に対し、等化と復号を繰り返し行うことでビット誤り率を低減させる。MIMO等化器21においては、前回の繰り返し等化復号時の軟入力軟出力(Soft-Input Soft-Output:SISO)復号器23n からフィードバック(帰還)される各送信シンボルの第2外部情報値(第2事前情報系列)λ2(sn(k))を用いて生成した受信信号レプリカ及びMMSE(最小平均2乗誤差)フィルタ処理を用いてユーザ間干渉(Multiple Access Interference:MAI)と符号間干渉(Inter-Symbol Interference:ISI)を除去し、各シンボルの第1外部情報値(第1事前情報系列)λ1(sn(k))を求める。ただし、各フレームの1回目のMIMO等化処理においては、前回の繰り返しにおいて求められる第2外部情報値λ2(sn(k))を利用することができないため、MMSEフィルタによる等化処理のみを行う。信号系列n用復号部(ユーザ毎のSISO復号部)22n では、MIMO等化器21により求められた第1外部情報値λ1(sn(k))を用い、SISO復号を行う。このSISO復号時に求められた各シンボルsn(k)に対する第2外部情報値λ2(sn(k))は、MIMO等化器21にフィードバックされる。
【0020】
図4にMIMO等化器21の構成を示す。MIMO等化器はチャネル推定部24と、各信号系列に対する等化手段251 〜25N から構成され、各信号系列用等化手段25n は適応等化部27n と外部情報生成手段28n から構成されている。チャネル推定部24は受信信号とトレーニングシンボル生成手段29からのトレーニングシンボルとによりチャネル状態(送信路特性)を推定する。
適応等化部27n の構成を図5に示す。適応等化部27n は干渉除去手段31n とフィルタ部32n とフィルタ係数算出部33n から構成されている。また、図6に干渉除去手段31n の構成例を示す。初めに図6に示す干渉除去手段31n では、レプリカ生成器34n により第2事前情報系列λ2(s1(k)),…,λ2(sN(k))(ただしλ2(sn(k))を除く)と推定されたチャネル状態(チャネル推定値)とにより受信信号中の干渉(MAI,ISI)成分の受信信号(干渉信号)レプリカが生成され、この干渉信号レプリカが減算部35n で受信信号から差し引かれる。各ユーザの信号sn(k)の送信信号の推定値(軟判定シンボル推定値)s′n(k)は第2事前情報値λ2(sn(k))から
s′n(k)=tan h(λ2(sn(k))/2) (6)
を計算して求める。軟判定シンボル推定値s′n(k)はその信頼度に応じた大きさをもつ送信信号レプリカである。ここで、送信機Snの送信信号の時点kにおける干渉成分となる信号の推定値ue,n(k)は下記の通りである。
【0021】
ue,n(k)=[un(k+(Q−1))un(k+(Q−2))…un(k+1)ucn(k)un(k−1)…un(k−(Q−1))]T (7)
un(k)=[s′1(k)s′2(k)…s′N(k)] (8)
ucn(k)=[s′1(k)s′2(k)…s′n-1(k) 0 s′n+1(k)…s′N(k)] (9)
この干渉成分ue,n(k)に対する受信信号レプリカHue,n(k)を生成し、これを受信信号re(k)からキャンセルすることにより、検出を行うシンボルである送信機Snの時点kの送信シンボルsn(k)に対する受信信号の推定値r′s,n(k)が求められる。つまり次式によりr′s,n(k)が求まる。
【0022】
r′s,n(k)=re(k)−Hue,n(k) (10)
ここで
re(k)=[r(k+Q−1)r(k+Q−2)…r(k)]T (11)
【0023】
【数5】
【0024】
である。但し、このr′s,n(k)には、前繰り返し時のビットの判定誤りや軟出力値に含まれる誤差によりキャンセルされなかった干渉成分は依然として含まれている。
次に、干渉成分の受信信号レプリカを受信信号からキャンセル後に残留する干渉の除去及び、マルチパスの合成をMMSEフィルタ部32n により行う。MMSEフィルタ部32n は、初期の繰り返しでは干渉レプリカの減算後に残された干渉成分が多いため、これらの干渉を除去するフィルタとして動作し、繰り返し回数が増えるに従いマルチパスを最大比合成するように動作する。MMSEフィルタ部32n の出力をzn(k)とすると、
zn(k)=wn H(k)r′s,n(k) (13)
となる。 Hは共役転置行列を表わし、wn(k)はMMSEフィルタ部32n の係数ベクトルで、フィルタ係数算出部33n において以下のように決定される。
【0025】
wn(k)=[HΛn(k)HH +σ2 I]-1hn (14)
ここで、hn は
であり、Λn(k)はD(k),Dc(k)を
D(k)=(1−s′1 2(k) 1−s′2 2(k)…1−s′N 2(k))(16)
Dcn(k)=(1−s′1 2(k) 1−s′2 2(k)…1−s′n-1 2(k)1
1−s′n+1 2(k)…1−s′N 2(k)) (17)
とすると、
Λn(k)=diag[D(k+(Q−1))D(k+(Q−2))…D(k+1)Dcn(k)D(k−1)…D(k−(Q−1))] (18)
と表される。σ2 は受信機の内部雑音電力(各成分の共分散)、Iは単位行列であり、diagは対角行列(対角線の要素以外の要素はゼロ)を表わす。
【0026】
この従来の技術により、複数のユーザ送信機から、同時に同一周波数で送信されたシンボルを、複数のアンテナにより受信してユーザごとに分離することができる。
CDMA(Code Division Multiple Access)方式の移動通信システムにおいて、複数のユーザよりの信号についての干渉除去処理として、誤り訂正復号後の信号を仮判定し、その仮定データを用いてレプリカを生成し、その際、前記仮判定値が誤っている場合に誤ったレプリカが生成されることに基づき、多数の誤りが生じるのを防止した干渉キャンセラ装置が例えば特許文献2で提案されている。以下この技術について説明する。
【0027】
図7中の第1ステージ301における各干渉除去(ICU)部311〜313において図8に示す処理が行われる。まず、RAKE受信部401では、自ユーザ信号に対してRAKE受信が行われる。すなわち、パスごとに、自ユーザ信号が逆拡散部404で逆拡散され、この逆拡散信号がチャネル推定部405および乗算部406へ出力される。チャネル推定部405で得られたチャネル推定値と逆拡散信号が乗算部406で乗算される。これら各パスの乗算結果はすべて加算部407で加算され、この加算の結果であるRAKE受信の結果は、送信データ判定部402内のFEC復号部408およびFEC復号前硬判定部411へ出力される。
【0028】
FEC復号前硬判定部411では、RAKE受信の結果から直接硬判定が行われ、FEC復号部408では、RAKE受信の結果からFEC(Forward Error Correction)復号が行われる。このFEC復号後の信号は、硬判定部409で硬判定された後、FEC符号化部410および誤り検出部421へ出力される。FEC符号化部410では、硬判定信号のFEC符号化が行われ、このFEC符号化された硬判定値が、スイッチ部423および第2ステージ302の対応するICU部321〜323へ出力される。
【0029】
誤り検出部421では、たとえば、CRC(Cyclic Redundancy Check)によって誤り検出が行われ、その検出結果がスイッチ制御部422および第2ステージ302の対応するICU部321〜323へ出力される。
スイッチ制御部422は、CRC結果によりスイッチ423を制御する。CRC結果がNG(誤り有り)の場合、FEC復号前硬判定部411の出力であるFEC復号前の硬判定値がレプリカ生成部403内の各パスの乗算部414へ出力されるようにする。レプリカ生成部403における各パスの乗算部414では、FEC復号前の硬判定値と、RAKE受信部401からの対応するパスのチャネル推定値とが乗算され、この結果が、再拡散部415で、送信側と同様に拡散処理され、これら各パスの拡散信号は、加算部416で加算され、レプリカとして、各ICU部311〜313から出力された後、図7中の第1ステージにおける加算部315〜317を経て、第2ステージ302へ送られる。
【0030】
CRC結果がOK(誤り無し)の場合、スイッチ制御部422は、FEC符号化部410よりのFEC符号化後の硬判定信号(硬判定値)がレプリカ生成部403内の各パスの乗算部414へ出力されるようにする。
各ICU部311,312,313よりの各ユーザ受信信号のレプリカは遅延部310を通じた受信信号から減算部314で減算され、その減算された受信信号に対し、加算部315,316,317でそれぞれICU部311,312,313からレプリカが加算される。従って例えば加算部315の出力は、対応するユーザ受信信号に対する他のユーザ受信信号(干渉信号)が受信信号からキャンセルされた信号とする。同様にして加算部316,317からそれぞれ他ユーザの干渉信号が除去された対応するユーザ受信信号が出力されることになる。
【0031】
図7中の第2ステージ302における各ICU部321〜323においては、図9に図8と対応する部分に同一参照番号を付けて示すようにRAKE受信部401および送信データ判定部402における処理は、第1ステージ301の場合と同様である。誤り検出部421aへは、自ステージ(第2ステージ302)における硬判定部409からの硬判定信号に加えて、前ステージ(第1ステージ301)からのCRC結果が入力され、また、スイッチ部423aへは、自ステージにおけるFEC復号前の硬判定値およびFEC符号化後の硬判定値に加えて、前ステージからの硬判定値が入力される。誤り検出部421aにおける自ステージの誤り検出結果(CRC結果)、および、FEC符号化部410からの硬判定値は、次ステージ(第3ステージ303)の対応するICU部331〜333へ出力される。スイッチ制御部422aは、下記の条件に従って、レプリカ生成部403に出力する信号を選択する。第1に、前ステージからのCRC結果がOK(誤り無し)であれば前ステージの硬判定値を選択してレプリカ生成部403へ出力し、第2に、前ステージからのCRC結果がNG(誤り有り)であり、かつ、自ステージにおける硬判定信号のCRC結果がOKであれば、FEC符号化部410からの硬判定値を選択してレプリカ生成部403へ出力し、第3に、前ステージからのCRC結果がNGであり、かつ、自ステージにおける硬判定信号のCRC結果もNGであれば、FEC復号前硬判定部411からの硬判定値を選択してレプリカ生成部403へ出力する。
【0032】
従って第2ステージ302から各ユーザ受信信号はそれぞれ他ユーザ受信信号(干渉信号)がキャンセルされて出力される。第3ステージ303においても、上述した第2ステージ302と同様の処理が行われる。図7中の第4ステージ304における各ICU部341〜343の動作について、図10を用いて説明する。RAKE受信部401における処理は、第1ステージ301の場合と同様である。RAKE受信部401の出力は、送信データ判定部402a内のFEC復号部408でFEC復号が行われ、このFEC復号後の信号は、硬判定部409で硬判定される。スイッチ制御部422bは、前ステージからのCRC結果がOK(誤り無し)の場合、前ステージの硬判定値を復調信号として出力し、前ステージからのCRC結果がNG(誤り有り)の場合、自ステージにおける硬判定部409からの硬判定信号を復調信号として出力するようにする。
【0033】
このように、前ステージからのCRC結果がOK(誤り無し)の場合は、誤りのない前ステージの硬判定値を用いてレプリカを生成するため、確実に精度の高いレプリカを生成することができる。しかも、この場合、自ステージにおいてFEC復号、硬判定、およびFEC符号化の一連の処理が不要になるため、演算量を削減することができ、前ステージからのCRC結果がNG(誤り有り)であり、かつ、自ステージにおけるCRC結果がOKである場合は、誤りのない自ステージの硬判定値を用いてレプリカを生成するため、確実に精度の高いレプリカを生成することができ、前ステージからのCRC結果がNGであり、かつ、自ステージにおけるCRC結果もNGである場合は、誤った信号を使用せず、自ステージにおけるFEC復号前の信号を硬判定して得られた信号を用いてレプリカを生成するため、誤った信号を用いて誤ったレプリカを生成することがなくなり、レプリカの精度を向上することができる。
【0034】
なお図8、図9中のFEC復号前硬判定部411を使用する替りにRAKE受信の結果を直接軟判定してもよい。
【0035】
【特許文献1】
ヨーロッパ特許公開第EP1233565A2号公報(2002年8月21日発行)
【0036】
【特許文献2】
特開2002−33685号公報
【0037】
【非特許文献1】
デアリル レーノルドス(Daryl Reynolds),外1名 “ローコンプレキシテイ ターボイコライゼーション フォ ダイバーシチイ チャネルズ(Low Complexity Turbo-Equalization for Diversity Channels”インターネット<URL:htt:/ee.tamu.eda/reynolds/>
【0038】
【非特許文献2】
エッチ.オーモリ他著「ア マッチド フイルタ アプロキシメーション フォー エスシー/エムエムエスイー インタラティブ イコライザーズ」アイイーイーイー トランス.コンム.レターズ.2001年、5巻、7号、pp.310-312(H.Ohmori,T.Asai,T.Matsumoto,“A Matched filter approximation for SC/MMSE Iterative Equalizers,”IEEE Trans. Commun. Letters, vol.5,no 7,pp.310-312,2001)。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的はMMSEフィルタ係数の計算を少なくし、かつ、ビット誤り率の劣化が少ない適応等化装置及びそのプログラムを提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば繰り返し処理状態に基づく情報により干渉除去度を推定し、フィルタ係数を一定とする区間ごとにフィルタ係数更新タイミング信号を発生し、フィルタ係数更新タイミングごとに、干渉除去度とチャネル推定値とを用いてフィルタ係数を算出してフィルタ係数を更新する。
以下にこの発明をするに至った過程を説明する。
【0041】
MMSEフィルタ係数の更新は、受信信号の繰り返し処理の1回目においては、第2外部情報値λ2(sn(k))が得られていないから、フレームの先頭で一度行えばよいが、繰り返し処理の2回目以降では、第2外部情報値λ2(sn(k))の値が一般に各シンボルごとに異なるから、各シンボルごとにフィルタ係数を更新する必要がある。
なおシンボルs1(k)に対する第1外部情報値λ1(s1(k))は図4中の破線枠で示す外部情報値生成部281 で次の演算により求める。
【0042】
λ1(s1(k))=4R(zn(k))/(1−μn(k)) (19)
ここで、R(zn(k))はzn(k)の実数部を表わし、μn(k)は、
μn(k)=hn H[HΛn(k)HH +σ2 I]-1hn (20)
である。
MMSEフィルタ係数は式(14)〜(18)により求めるため計算量が多い。そこで図3〜図6を参照して説明した従来の適応等化装置に前記非特許文献2に示す近似法を適用することを考える。図11に、この近似を行う場合に考えられるフィルタ係数算出部33n の構成を示す。ここで繰り返し1回目においては、前記と同様にMMSEフィルタ係数の算出を第1フィルタ係数算出部37n で行う。ただし、繰り返し1回目においては、信号系列n用復号部22n からの第2事前情報λ2(sn(k))のフィードバックが存在しないことから、全てのkにおいて軟判定シンボル推定値(以後軟判定値という)s′n(k)=0であるため、MMSEフィルタ係数はシンボルごとに計算する必要はなく、フレーム内共通とすることができる。また、繰り返し2回目以降の等化処理においては、このとき、前記近似によりs′n(k)=1とするため、Λn(k)=1となる。よってフィルタ係数wn(k)は定数Const.とチャネル推定値hn (式(15))との積である。
【0043】
wn(k)=Const.hn (21)
となり、これが第2フィルタ係数算出部38n で計算される。つまり、この近似を用いた場合には、マルチパス成分を最大比合成し、スカラー値で重み付けすることになる。この近似によりフィルタ係数の計算が頗る簡単になる。以降、この近似をMRC近似と呼ぶ。
上記MIMOシステムの等化処理においてMMSEフィルタを用いる場合は、ISI,MAIシンボルの送信信号レプリカがシンボルごとに異なるため、シンボル毎にMMSEフィルタ係数の算出が必要になり、莫大な計算量が必要となる。この点を改善するために前記MRC近似の適用を考えた場合、MMSEフィルタ係数の算出はフレーム毎に1回で済むため大幅に計算量を削減できるが、MMSEフィルタを用いる場合に比べ干渉除去効果が少なくなり、BER(ビット誤り率)が大幅に劣化してしまう。
【0044】
MRC近似を用いた場合は2回目以降のMMSEフィルタ係数算出時においてs′n(k)=1としているが、この発明では受信信号における繰り返し処理状態に基づく情報から干渉除去度を求め、この干渉除去度を軟判定値s′n(k)の代わりに用いてMMSEフィルタ係数を算出してMMSEフィルタに設定する。干渉除去度は干渉除去の程度が大きい程1に近い値とする。従って、繰り返し処理の1過程においては同一フィルタ係数を適応することで計算量を削減することができ、しかも干渉除去度は繰り返し処理が進み干渉が除去されるに従って1に近づくため、ビットエラーレート(BER)の劣化を少なく押さえることができる。
【0045】
この構成により、従来のMRC近似を適用した場合に比べ干渉除去効果を増加させることができる。これは、MRC近似を用いない場合において、s′n(k)=1であることは、SISO復号の結果の信頼性が非常に大きい事を意味するが、実際にはs′n(k)には誤差が含まれており、例えば2回目或いは3回目のSISO復号後の結果にも比較的多くの誤りが存在するためであると考えられる。
【0046】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図12にこの発明における適応等化装置の要部を示す。この発明の適応等化装置は、干渉除去手段31n と、フィルタ部32n と、フィルタ係数算出部33n と、干渉除去度推定部41n と、更新タイミング発生部42を備え、その他の部分は従来と同様にすることができる。この発明では、干渉除去度βを干渉除去度推定部41n で算出し、この干渉除去度βを用いてフィルタ係数をフィルタ係数算出部33n で算出する。具体的には、式(16)(17)のs′n(k)をβとすることでフィルタ係数の算出を行う。演算量削減の観点からβは、フレーム内一定とすることがよい。このとき式(16)(17)は、
D(k)=(1−β2 1−β2 …1−β2 ) (22)
Dcn(k)=(1−β2 …1−β2 1 1−β2 …1−β2 )
となる。ここで、干渉除去度βは軟判定値s′n(k)の性質からi=1では0であり、受信信号の繰り返し処理の回数(単に繰り返し回数ともいう)と共に増加し、繰り返し回数が十分であるならば、遅くとも最終の繰り返しまでには1となることが望ましい。このような条件を満たす干渉除去度βは無限に考えることができるが、例えば繰り返し回数iの関数とすることができる。図13に干渉除去度関数β(i)の例を示す。ここでは、β(i)をiの1次式、1/m次式、m次式とした例をそれぞれ曲線45a,45b,45cで示している。
【0047】
実用的には、β(i)をiの1/m次式に近いものとし、i=1でβ=0,i=2でβを1に近い値、例えば0.8程度に急に大とし、それ以降ゆるやかに1に漸近させ、例えば繰り返しごとに0.05程度増加させることが望ましい。また、最後の繰り返し以前にβ=1とし、以降の繰り返しにおいては、β=1とする。このため、例えば
β(i)=0 i=1 (23)
β(i)=0.8+0.05×(i−1) 5>i>2
β(i)=1 i>6
とすることができる。このiを変数とする1次式における定数0.8や係数0.05は適用方式などによって好ましい値が異なってくる。例えばOFDM(直交周波数分割)では定数は0.9程度がよい。
【0048】
干渉除去度推定部41n に繰り返し回数iが入力され、干渉除去度β(i)が求められ、フィルタ係数算出部33n に更新タイミング発生部42から更新タイミング信号が入力されるごとに、その時の干渉除去度β(i)を用いて式(14)(15)(18)(22)によりフィルタ係数が計算され、その計算されたフィルタ係数でフィルタ部32n のフィルタ係数が更新される。干渉除去度推定部41n は各ユーザ対応のフィルタ係数算出部33n に共通に設けられる。
【0049】
次の第2実施形態の説明から理解されるが、この第1実施形態では、フィルタ係数を一定とする区間の始め、この場合は、各繰り返し処理におけるデータシンボルに対する処理の前に、更新タイミング発生部42から更新タイミング信号を発生させ、干渉除去度β(i)を求め、これを用いてフィルタ係数を計算して、フィルタ部32n に設定し、β(i)=1になると、その時のフィルタ係数を、繰り返し処理の最終回IE まで用いることになる。
[第2実施形態]
第2実施形態の要部を図14に示す。第1実施形態においては、干渉除去度βを繰り返し回数iのみの関数としたが、この第2実施形態では、干渉除去度βを第2事前情報値λ2(sn(k))の関数としている。例えば、フィルタ係数を一定とする区間における軟判定値s′n(k)=tan h(λ2(sn(k)/2)の平均値を次式のように干渉除去度とする。
【0050】
β=(1/N)(1/Nsy)Σn=1 NΣk=1 Nsys′n(k) (24)
Nはユーザ数、Nsyはフィルタ係数を一定とする区間に含まれるシンボル数である。ここで、フィルタ係数を一定とする区間は、フィルタ係数更新タイミング信号より判断することもできる。つまり受信信号の1フレーム(バースト)区間は一般にトレーニングシンボル区間とこれに続くデータシンボル区間を備え、トレーニングシンボル区間においてチャネル推定を行い、そのチャネル推定値を用いて、データシンボル区間において等化処理、つまり干渉除去手段31n での干渉レプリカによるキャンセル及びフィルタ部32n でのフィルタ処理を行う場合は、その1回の処理では全データシンボル区間でフィルタ係数を一定とし、従って、その直前の繰り返し処理における全データシンボルについての軟判定値s′n(k)と、データシンボル数Nsyと、ユーザ数とを用いて、式(24)を演算し、得られた干渉除去度βを用いて、フィルタ係数を式(22)などによりフィルタ係数算出部33n で算出し、今回の繰り返し処理におけるフィルタ部32n のフィルタ係数を設定する。従って、繰り返し処理ごとにその開始時にフィルタ係数更新タイミング信号を出力し、各繰り返し処理に1回だけフィルタ係数を求める演算をすればよい。要するにフィルタ係数更新タイミングごとに、前回のフィルタ係数更新タイミングから現在までに得られた軟判定値の平均値を求めていることになる。
【0051】
データシンボルの処理中においても前回復号したデータシンボルを用いてチャネル推定を行う場合やデータシンボルの途中にもトレーニングシンボルが含まれている場合においては、1フレームの区間においてチャネル状態がある程度以上変化するとこれを検出して、フィルタ係数更新タイミング信号を出力する。例えば図14中に示すようにチャネル推定値Hは、更新タイミング発生部42においてシンボルタイミングごとに入力され記憶部42aに記憶されている前回のフィルタ係数算出直後のチャネル推定値Hと、その各対応する要素の差が差検出部42bでとられ、差検出部42bよりの検出された差の2乗和が2乗和計算部42cで求められ、この2乗和がしきい値設定部42dのしきい値と比較部42eで比較され、しきい値以上であれば、チャネル状態が変動したとして、更新タイミング信号が出力され、かつ記憶部42aの記憶内容がその時入力されたチャネル推定値に更新される。この更新タイミング信号に基づき、その新たなチャネル推定値Hを用いてフィルタ係数算出部33n でフィルタ係数を算出して、フィルタ部32n のフィルタ係数を更新する。
【0052】
このようにして、1フレーム区間内においてもフィルタ係数の更新が行われる場合は、各隣接するフィルタ係数更新タイミング間(フィルタ係数一定区間)で前回の処理で得られたその区間の全ての軟判定値s′n(k)とその個数Nsyとにより又は直前のフィルタ係数更新タイミングから現在までに得られた軟判定値s′n(k)とその個数Nsyとにより式(24)を計算して干渉除去度βを推定し、その干渉除去度βを用いてフィルタ係数を求め、これを用いてそのフィルタ係数一定区間における干渉除去された信号に対するフィルタ部32n のフィルタ処理を行う。このようにしてフィルタ係数更新タイミング信号ごとにのみフィルタ係数の計算を行い、例えば数10〜数100のデータシンボルについて同一のフィルタ係数を使用し、それだけフィルタ係数の計算量を減少することができる。この場合も干渉除去度βとしては式(24)で求めた値を変数とする関数値としてもよい。
【0053】
これら軟判定値s′n(k)を用いて式(24)を計算する場合、これと第1実施形態の考えを組合せ図14中に破線で示すように干渉除去度推定部41n に処理繰り返し回数iも入力して例えばiの関数α(i)を式(24)に乗算して干渉除去度β(i)としてもよい。このα(i)としては先の場合と同様にi=1でα(i)=0とし、急に1に近い値とし、その後、ゆるやかに1に漸近し、1で飽和するようなものが好ましい。
【0054】
また式(24)の演算結果をそのまま用いることなく、この演算結果を変数とする関数値を干渉除去度βとしてもよい。更に式(24)による干渉除去度は全ユーザ(送信機送信)信号に対し共通に用いたが、復号対象ユーザ(送信機送信)信号ごとに異なる干渉除去度を用いてもよい。この場合は以下の式を用いる。
βn =(1/Nsy)Σk=1 Nsys′n(k) (24)′
D(k)=(1−β1 2 1−β2 2 …1−βN 2)
Dcn(k)=(1−β1 2 1−β2 2 …1−βn-1 2 1 1−βn+1 2 …1−βN 2) (25)
従って干渉除去度推定部41n は復号対象ユーザ信号(信号系列n)ごとに設けられ、全信号系列1〜Nについての干渉除去度β1〜βNが各フィルタ係数算出部33nに入力されることになる。
【0055】
軟判定値s′n(k)ではなく第2事前情報λ2(sn(k))を直接変数とする関数を干渉除去度としてもよい。更に干渉除去度としてはβあるいはβn 又はその何れかを変数とする関数値、要は第2事前情報λ2(sn(k))を変数とする関数とすればよい。
これらのことは以後の実施形態においても同様である。
更新タイミング発生部42は、先の説明から理解されるように、繰り返し処理開始信号、チャネル推定値が入力され、繰り返し処理開始信号ごとに、又はこれとチャネル推定状態が所定値以上変化するごとに、つまりフィルタ係数を一定とする区間の始めに更新タイミング信号を発生するものである。
[第3実施形態]
第1実施形態の等化処理手法では、検出する信号(復号しようとする信号)に関する誤り訂正復号結果が反映されていないが、検出する信号に関する誤り訂正復号結果を反映させる手法が特許文献1に示されている。そこで、この第3実施形態では第1実施形態における適応等化装置の要部において検出する信号の受信信号レプリカの一部を受信信号に加算する。つまり式(9)中の検出する信号と対応する要素0を−f(s′n(k))として下記のように変更する。
【0056】
ucn(k)=[s′1(k+q)s′2(k)…s′n-1(k)−f(s′n(k))s′n+1(k)…s′N(k)] (26)
f(s′n(k))はs′n(k)を変数とする関数である。
図15に示すように、干渉除去手段31′n で、この式(26)と式(8)とにより式(7)に基づき干渉成分レプリカHue,n(k)を求めて、これを受信信号からキャンセルしてフィルタ部32n に供給すればよい。この場合は検出する信号を強調させるための処理であるから、これを明確に表わすと、図15中の検出信号強調手段43において、入力された第2事前情報系列に基づき関数演算部43aによりf(s′n(k))が演算され、このf(s′n(k))とチャネル推定値Hとから検出信号レプリカ生成手段43bで検出信号レプリカが生成される。つまり検出信号レプリカ生成手段43bでは式(8)のun(k)の全ての要素を0とし、式(9)のucn(k)中の0の要素をf(s′n(k))とし、その他の要素を全て0として、式(7)ue,n(k)を作り、これとHとを畳み演算して検出信号レプリカを得る。この検出信号レプリカを受信信号に加算部43cで加算する。図では干渉除去手段31n の出力に対して検出信号レプリカを加算したが、干渉除去手段31n の入力受信信号に対して加算してもよい。なお、下記の式(27)から明らかなように、フィルタ係数計算部33n には関数演算部43aの演算結果f(s′n(k))も入力される。
【0057】
この検出する信号の強調変更に伴いMMSEフィルタ係数の算出における式(22)中のDcn(k)を以下のようにする。
Dcn(k)=(1−β2 1−β2 …1−β2 1+2f(s′n(k))s′n(k)+|f(s′n(k))|2 1−β2 …1−β2 ) (27)
干渉除去度βとしては第1実施形態、第2実施形態で用いたものを用いればよい。
【0058】
f(s′n(k))は、s′n(k)の符号が対応するシンボル硬判定結果と関係し、s′n(k)の絶対値が大きい程、対応する硬判定シンボルの信頼性が大きいという性質から、以下の条件を満す必要がある。
s′n(k)=0、つまり対応する硬判定シンボルの信頼性が0の場合は、関数fの値も0、即ち、
f(0)=0 (28)
である。またs′n(k)の値が大きければ関数fの値も大きな値となる。従って
d{f(s′n(k))}/d{s′n(k)}≧0 (29)
である。このような関数としては例えば、
f(s′n(k))=γ×s′n(k) (30)
とすればよい。この場合s′n(k)=1とするとMMSEフィルタ係数の算出時における式(27)は
Dcn(k)=(1−β2 …1−β2 1+2γ+γ2 1−β2 …1−β2 )
となる。γを定数とすれば簡単に実現でき、γを大きくするとBER(ビット誤り率)が返って悪くなり、0<γ<0.6が好ましい。γを繰り返し処理の回数に応じて大きくしてもよい。
[第4実施形態]
この第4実施形態は、ユーザn(n=1,…,N)に対する信号系列n用等化手段25n における復号ビット系列に誤りが検出されない場合は、ユーザ間干渉(MAI)、符号間干渉(ISI)も十分除去されたとみなして、干渉除去度βn を予め決めた定数とする。これにより干渉除去度β(又はβn )の推定精度を向上させる。
【0059】
図16にこの第4実施形態における信号系列1用復号部221 の機能構成例を示す。SISO復号機231 内には硬判定部46が設けられてあり、この硬判定部46で対数尤度比Λ2[s(i)]が硬判定され、その判定結果が信号系列1の判定ビット系列b1(i)として出力される。この判定ビット系列b1(i)は誤り検出部47に入力され、CRC符号を用いた誤り検出処理が行われ、誤りが検出されたかされなかったかを示す誤り検出情報SED1 が出力される。
【0060】
つまり信号系列n用復号部22n からは誤り検出情報SEDn が出力され、これが図17に示すように対応する信号系列n用等化手段25n の干渉除去度推定部41n へ入力される。干渉除去度推定部41n には可変部41aと定数部41bとが設けられ、誤り検出情報SEDn に基づき選択手段41cが制御されて、可変部41aの出力又は定数部41bの出力の何れかが干渉除去度βn として選択出力される。
【0061】
可変部41aは例えば第1実施形態で説明した繰り返し処理回数iを変数とする式(23)による関数値又は第2実施形態で説明した軟判定値s′n(k)を変数とする式(24)又は(24)′による関数値などの繰り返し処理状態に基づいて変化する値を出力し定数部41bは干渉除去が十分なされたことを示す、つまり干渉除去度の最高値1、又はこれに近い値、例えば0.98などの定数を保持して出力するものである。誤り検出情報SEDn が誤り有りを示すものであれば、誤り検出情報SEDn が入力された制御部41dによりスイッチ41eが可変部41aの出力側をフィルタ係数算出部33n に接続するように制御される。従ってフィルタ係数算出部33n には全ての信号系列についての干渉除去度β1 〜βN が入力され、式(22)又は(25)或いは(27)に基づいてフィルタ係数wn(k)が算出される。
【0062】
前記第1〜第4実施形態と同様となる。
誤り検出情報SEDn が誤り無しを示すものであれば、誤り検出情報SEDn が入力された制御部41dによりスイッチ41eが定数部41bの出力側をフィルタ係数算出部33n に接続するように制御される。従って、フィルタ係数算出部33n に入力される干渉除去度β1 〜βNは、誤り検出情報SEDn が誤り無しを示すものと対応するものは定数例えばβ=1とおいて、その信号系列nに対する干渉は完全に除去されたものとして、他の信号系列中の誤り検出情報が誤り有りを示すものについての干渉を除去するようにフィルタ係数wn(k)が計算される。また誤りが検出されなかった信号系列については、その後の繰り返し処理においても対応する干渉除去度推定部41n は定数を出力することになる。なおこの例では制御部41d及びスイッチ41eにより選択手段41cを構成した場合である。
【0063】
また、信号系列n用復号部22n では図16に、信号系列1用復号部221 に示すように、誤り検出部47の出力SED1 が制御部48aに入力され、制御部48aは誤り検出情報SED1 が誤り有りを示すものであれば、スイッチ48bにより減算部49の出力側をインタリーバ51に接続し、誤り無しを示すものであればスイッチ48bにより符号化部52の出力側をインタリーバ51へ接続するようにスイッチ48bを制御する。従って誤りが検出されれば、SISO復号器231 内に得られている対数尤度比Λ2[s(i)]からデインタリーバ53の出力第1事前情報λ1[s(i)]が減算部49で差し引かれた第2事前情報λ2[s(i)]がインタリーバ51へ供給される。誤りが検出されなければ硬判定部46の出力ビット列が符号化部52で再び誤り訂正符号化が行われ、又は必要に応じて変調(いわゆるマッピング)が行われ、シンボル列がインタリーバ51へ供給される。なお破線で示すように減算部49の出力の代りに対数尤度比Λ2[s(i)]を第2事前情報としてインタリーバ51へ供給してもよい。このことは他の実施形態についても云えることであり、この対数尤度比を第2事前情報として、例えば第2実施形態における干渉除去度を求めてもよい。またインタリーバ51の出力は第2事前情報としてMIMO等化器21へ供給されるが、前回の繰り返し処理で生成された第2事前情報が記憶されている記憶部54にも格納され、その記憶情報が絶えず更新されている。MIMO等化器21から前回の繰り返し処理における対応信号系列に対する誤り検出情報SED1 が制御部55aに入力され、制御部55aは誤り検出情報SED1 が誤り有りであればインタリーバ51よりの第2事前情報をMIMO等化器21へ供給し、誤り無しであれば記憶部54に格納されている前回の繰り返し処理で得られた第2事前情報をMIMO等化器21へ供給するようにスイッチ55bを制御する。この繰り返し処理を含めてこれ以後の繰り返しにおける復号処理は行わない。なお誤りが検出されなければ、その繰り返し処理で生成された硬判定部46の出力又は符号化部52の出力を記憶しておいて、以後の繰り返し処理に用いてもよい。
【0064】
定数部41bに格納する定数を1とし、かつ第2実施形態で説明したように、繰り返し処理状態を示す情報として軟判定値s′n(k)を用いる場合は、誤りが検出されない状態においてはs′n(k)=1となり、干渉除去度βnも1となるから、信号系列nに誤りが検出されなかった場合に定数部41bを設けなくてもフィルタ計算は簡単になる。しかし前述した誤り検出情報SEDn による可変部41aと定数部41bとの切り替えを行うようにすれば誤りがない場合に、対応する信号系列の干渉除去度推定部41での計算量を削減することができる。
【0065】
定数部41bに格納する定数は前述したように1に限らず1以下の1に近い定数、例えば0.98などにすることにより、チャネル推定誤差により干渉キャンセル誤差が残留する場合に、これを考慮したフィルタ係数wn(k)の算出を可能とすることができる。つまり信号系列nについて誤りが検出されない場合、その信号系列nに対する等化処理はそれ以上改善する必要はないが、他の信号系列に対する等化処理において、βn =1にしてしまうと式(25)より理解されるように信号系列nによる干渉は無視されてしまうことになり、よって前述したように他のユーザ(信号系列)に対する干渉除去手段31n の出力はチャネル推定誤差に基づく干渉が残留している可能性があり、この残留干渉を除去できない。しかし信号系列nに誤りが検出された場合にその干渉除去度βn を1より小さいか1に近い定数とすることにより、チャネル推定誤差による干渉を考慮したフィルタ係数を算出することができ、信号系列n以外の信号系列に対する残留干渉を抑圧することができる。
【0066】
この定数部41bに格納する定数は必ずしも固定値としなくてもよい。例えば前記特許文献1中に図4〜図6を参照して説明しているように、前回の繰り返し処理により得られたデータシンボル中の確らしい硬判定値をも用いてチャネル推定を行う場合においては、繰り返し処理ごとに良いチャネル推定値が得られる。この場合、誤りが検出されなかった信号系列の干渉除去度βn を例えば最初に誤りが検出されなくなった時に0.97とし、次の繰り返し処理時に0.98にするなど、わずか増加するようにしてもよい。また第2実施形態中で述べたように1フレーム中でチャネル状態が例えば前半と後半で異なっている場合にそれらの部について干渉除去度βn をそれぞれ求めたが、このような状態で誤りが検出されなくなると、それまでの干渉除去度βn に応じて、βn が悪い方、つまりチャネル推定が悪い方のβn を0.97とし、良い方のβn を0.98にするなど1フレーム中において定数を異ならせてもよい。これらのように定数を変更する場合は例えば図17中に破線で示すように複数の定数部41b,41b′を設け、これらを切替えて用いればよい。定数部41bに格納する定数を設定し直してもよい。
[処理手順]
上述したこの発明の各種実施形態の処理手順を簡単に説明する。図18に示すように、各送信機Sn(n=1,…,N)と各受信アンテナ#1,…,#Mとの間のチャネル値H(式(3))の推定をチャネル推定部24で行ない(ステップS1)、このチャネル値Hと各信号系列の軟判定値を用いて、干渉信号の受信信号レプリカ(干渉レプリカ)Hue,n(k)をレプリカ生成部34n で生成し(ステップS2)、この干渉レプリカを受信信号r(k)から減算部35n で差し引いて式(10)に示すように干渉除去を行う(ステップS3)。この発明では繰り返し処理状態に基づく情報を用いて、ステップS3の出力中の残差干渉の程度を示す干渉除去度β又はβn を干渉除去度推定部41n で推定する(ステップS4)。
【0067】
次にこの干渉除去度β又はβ1〜βNとチャネル推定値Hとを用いて、フィルタ係数算出部33n でフィルタ係数wn(k)を算出する(ステップS5)。このフィルタ係数wn(k)でフィルタ部32n のフィルタ係数を更新して、このフィルタ部32n で減算部35n の出力をフィルタ処理して、残差干渉成分を抑圧する(ステップS6)。このフィルタ処理された信号を復号処理する(ステップS7)。その後、繰り返し処理回数が所定値となったかを調べ(ステップS8)、所定値になっていなければ、復号処理された信号系列に対して第2事前情報を求めてステップS2に戻る(ステップS9)。ステップS8で繰り返し処理回数が所定値であれば、その時のステップS7における硬判定ビット列を出力して終了する。つまり、この実施形態では、前記特許文献1に示した処理手順に対し干渉除去度推定処理を加え、その推定した干渉除去度を軟判定値の替りに用いてフィルタ係数wn(k)を求める点が異なる。
【0068】
次に第1実施形態におけるフィルタ係数を求める処理手順の例を図19を参照して説明する。先ずステップS1で繰り返し処理回数iを1に初期設定し、ステップS2で例えば式(23)により回数iを変数とする関数値を演算して干渉除去度βを求める。この状態でステップS3で更新タイミング信号が発生するのを待ち、更新タイミング信号が発生すると、ステップS4で先に求めた干渉除去度βとチャネル値Hを用いて、フィルタ係数wn(k)を計算する。次にステップS5でその時の繰り返し処理が終了すると繰り返し処理回数iを+1し、ステップS6でその回数iが最終繰り返し処理回IE を超えたかを調べ、超えていなければ、ステップS7で先に求めた干渉除去度βが1になったかを調べ、1になっていなければ、ステップS2に戻る。ステップS6でiが最終繰り返し処理回IE を超えていれば処理を終了し、ステップS7で干渉除去度βが1であれば、ステップS3に戻る。なおステップS6でi>IE でなければ破線で示すようにステップS2に戻ってステップS7を省略してもよい。
【0069】
次に第2実施形態におけるフィルタ係数を求める処理手順の例を図20を参照して説明する。先ずステップS1で繰り返し処理回数iを1に初期設定し、ステップS2で軟判定値を用いて式(24)又は(24)′により干渉除去度β又はβn を演算し、ステップS3で更新タイミング信号の発生を待ち、更新タイミング信号が発生すると、ステップS4で先に求めた干渉除去度とチャネル推定値Hを用いてフィルタ係数wn(k)を計算する。ステップS5で先のステップS3で発生した更新タイミング信号がその繰り返し処理の更新に基づくものであるかを調べ、繰り返し処理の更新に基づくものでなければステップS2に戻り、繰り返し処理の更新に基づくものであれば、ステップS6で繰り返し処理回数iを+1し、ステップS7でその繰り返し処理回数iが最終繰り返し処理回IE を超えたかを調べ、超えていなければステップS2に戻り、超えていれば終了とする。
【0070】
次に第4実施形態における信号系列n復号部の処理手順の例を図21を参照して説明する。先ずステップS1でMIMO等化器21から入力された誤り検出情報SEDn が誤り有りであるかを調べ、誤り有りであればステップS2で復号処理を行い、ステップS3でその硬判定ビット列について誤り検出処理を行う。ステップS4でその処理の結果誤りが検出されたかを調べ、誤りが検出されたら、ステップS5で先のステップS2の復号処理で求めた情報から第2事前情報を生成し、つまり図18中のステップS9と同様の処理を行う。
【0071】
ステップS4で誤りが無ければ、ステップS6で先に求めた硬判定ビット列に対し誤り訂正符号化、必要に応じてシンボルマッピングを行い、更にステップS7でその符号化列又はシンボル列を第2事前情報列として出力すると共に記憶部54に記憶する。ステップS1で誤り検出情報SEDn が誤り有りでなければステップS8で記憶部54内の第2事前情報列を読み出す。
またこの第4実施形態における干渉除去度推定処理は例えば図19又は図20中におけるステップS2の干渉除去度演算処理を図22に示すように処理すればよい。即ちまずステップS2−1で入力された誤り検出情報SEDn が誤り有りを示す情報であるかを調べ、誤り有りであればステップS2−2で干渉除去度βを求める関数演算を行いその結果を干渉除去度βn とし、ステップS2−1で誤り有りでなければステップS2−3で1又はこれに近い定数を干渉除去度βn とする。
【0072】
上述においては図3及び図4に示したように信号系列1〜Nを並列に処理したが、例えばSiriki at Let Ariyavisitakul著“Turbo Space-Time Processing toImprove Wireless”,IEEE.TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS,VOL.48,NO.8,AUGUST, 2000に示すような直列処理の手法にこの発明を適用してもよい。この場合は信号系列1〜Nを予め決めた順、例えば信号系列1,2,…,Nの順に処理し、その各信号系列n(1,…,N)を処理する際に、用いるそれまでの他の信号系列処理結果は、信号系列1,…,n−1については今回の繰り返し処理で得られたものを、信号系列n,…,Nについては前回の繰り返し処理で得られたものを使用する。また送信側で各信号系列nごとにシンボル系列をOFDM(直交周波数分割多重方式)により送信した信号を受信等化する場合は信号系列1〜Nの同一サブキャリアごとに適応等化処理を行うが、この場合にもこの発明を適用することができる。
【0073】
上述において、干渉除去度βとしては、処理の繰り返し回数、今回の事前情報の大きさに応じて推定する場合に限らず、これらと1ビット当りの情報エネルギー(受信信号電力)、送、受信アンテナ数、符号化率、マルチパス数などの1つ乃至複数と組合せて推定してもよい。この場合、例えばシステムが決まれば、予め電子計算機シミュレーションにより、最適又はこれに近い干渉除去度βを求めておき、繰り返し処理状態に基づきその干渉除去度βを用いればよい。何れにしても繰り返し処理状態の情報に基づきβを推定すると云える。つまり第1実施形態においては繰り返し回数iが繰り返し処理状態の情報であり、第2実施形態においては事前情報λ2(sn(k))が繰り返し処理状態の情報である。
【0074】
誤り検出により再送要求を行うシステムにおいては誤り検出した時の受信信号に対する処理が1回目の繰り返し処理であり、再送された受信信号に対する処理が2回目の繰り返し処理である。この発明はMIMOシステムに限らず、シングルユーザのターボシステム、更に受信側で誤りを検出すると送信側に再送信を要求するシステムや、セルダイバーシチシステムなど、なんらかにより事前情報λ2(sn(k))と対応するものを得ることができるシステムにこの発明は適用できる。この場合、誤り検出再送要求システムでは誤りを検出した時の受信信号に対する処理が繰り返し処理の1回目であり、再送された受信信号に対する処理が繰り返し処理の2回目である。セルダイバーシチシステムでは、移動通信におけるセル間移動の際のハンドオーバ時のように移動機が隣接する二つのセルの各基地局と通信可能な状態で、その一方の基地局からの受信信号に対し、処理を1回目の繰り返し処理としその後、他方の基地局の送信信号に対する受信処理を2回目の繰り返し処理とする。また、セルダイバーシチシステムでターボ受信を行っている場合は一方の基地局からの受信信号に対し3回の繰り返し処理を行った後に、他方の基地局の送信信号を受信して処理する場合はこれを4回目の繰り返し処理とする。
【0075】
この発明の適応等化装置はコンピュータにより機能させることもできる。この場合は図18〜図20に示した処理手順、必要に応じて更に図21、図22に示した処理手順の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムをCD−ROM、磁気ディスクなどの記録媒体から、或いは通信回線を介してコンピュータにダウンロードして、そのプログラムをそのコンピュータに実行させればよい。
実験例
この発明の効果を示すために、計算機シミュレーションによる特性評価を行った。シミュレーションに用いたパラメータは以下のとおりである。
【0076】
パス数 Q=3
同時送信ユーザ数 N=3
受信アンテナ数 M=2
繰り返し等化復号回数 5
変調方式 BPSK
チャネル 等レベル3波レイリーチャネル
チャネル推定 完全
復号アルゴリズム Max-Log-MAP
符号化率 2
拘束長 3
従来のMRC近似、この発明の第1実施形態、第3実施形態を用いた場合の平均BER(ビット誤り率)特性を図23に示す。また、第1実施形態、第3実施形態におけるβ(i),f(s′n )は、
β(i)=0 i=1 (31)
β(i)=0.8+0.05×(i−1) 5>i>2
β(i)=1 i>6
f(s′n(k))=0.15×s′n(k) (32)
とした。
【0077】
図23より、第1実施形態を用いることで、MRC近似を用いた場合に比べBER特性を大幅に改善できていることがわかる。これは、MRC近似を用いた場合には、2回目の繰り返し以降においては、MRCを行うため干渉の抑圧効果が少なくSINR(信号対干渉雑音比)が低くなるためと思われ、この発明の実験例においては、フレーム内一定ではあるが、繰り返し回数にしたがって、β(i)を増加させることで、繰り返し回数が少ない段階において干渉の抑圧を高め、SINRを増大させているためである。
【0078】
また、第3実施形態を用いることで、さらにBER特性を低減できることがわかる。これは、等化処理においてMAI,ISIに対応する事前情報値に加え、検出するシンボルに対応する事前情報値をも利用することで、より、干渉や雑音に対する誤り耐性が強くなったためであると考えられる。
【0079】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、フィルタ係数をシンボル周期で演算することなく、フィルタ係数を一定とする区間の始めにフィルタ係数を演算すればよく、しかも繰り返し状態に基づく情報に応じて干渉除去度を推定し、これを用いてフィルタ係数を求めているため、少ない演算量でかつ受信特性の優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MIMOシステムを簡単に示す図。
【図2】従来のシングルユーザターボシステムにおける送信機及び受信機の機能構成を示す図。
【図3】従来のMIMOターボ受信機の要部の機能構成を示す図。
【図4】図3中のMIMO等化器21の機能構成を示す図。
【図5】図4中の適応等化部27の機能構成を示す図。
【図6】図5中の干渉除去手段31の機能構成を示す図。
【図7】従来の干渉キャンセラの機能構成を示す図。
【図8】図7中の第1ステージのICU部の機能構成を示す図。
【図9】図7中の第2ステージのICU部の機能構成を示す図。
【図10】図7中の第4ステージのICU部の機能構成を示す図。
【図11】MRC近似を適用した場合に考えられる図5中のフィルタ係数算出部33の機能構成を示す図。
【図12】この発明の第1実施形態の要部の機能構成を示す図。
【図13】繰り返し回数と干渉除去度との関係例を示す図。
【図14】この発明の第2実施形態の要部の機能構成を示す図。
【図15】この発明の第3実施形態の機能構成を示す図。
【図16】この発明の第4実施形態の機能構成を示す図。
【図17】図16中のMIMO等化器21の一部の機能構成を示す図。
【図18】この発明の方法の実施形態を示す流れ図。
【図19】図18中の干渉除去推定ステップS4の具体例を示す流れ図。
【図20】図18中の干渉除去推定ステップS4の他の具体例を示す流れ図。
【図21】図18中の復号処理ステップS7の他の方法例を示す流れ図。
【図22】図19及び図20中のステップS2の変形例を示す流れ図。
【図23】この発明の効果を示す計算機シミュレーションの結果を示す図。
Claims (10)
- 受信信号と、チャネル推定値と、事前情報系列とを入力とし、上記受信信号中の干渉波成分の除去を行う干渉除去手段と、
上記干渉が除去された受信信号を入力とし、干渉抑圧及び、マルチパス成分の合成を行うフィルタ部と、
受信信号に対する繰り返し処理状態に基づく情報を入力とし、干渉除去度を推定する干渉除去度推定部と、
少くとも繰り返し処理開始信号を入力とし、上記フィルタ部のフィルタ係数を一定とする区間ごとにフィルタ係数を更新する更新タイミング信号を発生する更新タイミング発生手段と、
干渉除去度とチャネル推定値と上記更新タイミング信号を入力とし、上記更新タイミング信号ごとに上記フィルタ部のフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出手段と
を具備することを特徴とする適応等化装置。 - 前回の繰り返し処理により得られた上記受信信号中の検出する信号を変数とする関数値を演算する手段を備え、
上記干渉除去手段は上記関数値も入力とし、受信信号中の上記検出する信号の成分を増加させる処理も行う手段であり、
上記フィルタ係数算出手段は上記関数値も入力としてフィルタ係数を算出する手段であることを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。 - 上記干渉除去度推定手段は、上記繰り返し処理状態に基づく情報として、繰り返し処理回数が入力され、その繰り返し処理回数が高い程、大きな干渉除去度を生成する手段であることを特徴とする請求項1又は2記載の適応等化装置。
- 上記干渉度推定手段は、上記繰り返し処理状態に基づく情報として事前情報が入力され、上記更新タイミング信号ごとに前回の更新タイミング信号から現在までの事前情報を変数とする関数値を干渉除去度として出力する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の適応等化装置。
- 上記干渉除去度推定手段は、上記繰り返し処理状態に基づく情報として、繰り返し処理回数も入力され、上記更新タイミング信号ごとに上記事前情報の関数値と上記繰り返し処理回数とに基づき、上記事前情報の関数値が大きい程大きく、かつ上記繰り返し処理回数が多い程、大きい干渉除去度を生成する手段であることを特徴とする請求項4記載の適応等化装置。
- 上記干渉除去度推定手段は、1情報ビット当たりの受信エネルギー、受信電力、送、受信アンテナ数、マルチパス数又は符号化率、あるいはこれらの組み合せも入力され、その入力も干渉除去度の推定に用いることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の適応等化装置。
- 上記更新タイミング発生手段は、上記チャネル推定値も入力とし、前回フィルタ係数算出直後のチャネル推定値と現在のチャネル推定値との差が2乗和が所定以上になるごとに上記更新タイミング信号を出力する手段であることを特徴とする請求項1,2,又は4乃至6の何れかに記載の適応等化装置。
- 1以上の整数N個の送信機からの信号を受信し、N個の送信機が送信する各信号系列についてターボ等化を行う適応等化装置であって、
各信号系列の上記フィルタ部の出力を入力とし外部情報値の算出を行うN個の外部情報値生成部と、
N個の外部情報値生成部からの上記外部情報値を入力とし、送信機の符号器で付加された誤り訂正に関する冗長度を用いて、軟入力軟出力復号を行い、復号ビットを暫定或いは最終受信信号として出力し、かつ上記各ビットの外部情報値或いは対数尤度比を上記事前情報系列として出力するN個の軟入力軟出力復号器とを備え、
上記事前情報値を逐次更新しながら等化処理と復号処理を繰り返し行うことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の適応等化装置。 - 上記干渉除去度推定部は上記各信号系列ごとに設けられ、対応する上記軟入力軟出力復号器からの誤り検出処理結果を示す誤り検出結果情報も入力され、
入力された誤り検出結果情報が誤り有りであれば上記繰り返し処理状態に基づく情報より推定された干渉除去度を出力し、誤り無しであれば定数を干渉除去度として出力する手段であることを特徴とする請求項8記載の適応等化装置。 - 請求項1〜9の何れかに記載した適応等化装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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