JP5241437B2 - 受信装置、及び信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、受信装置、及び信号処理方法に関する。特に、シングルキャリア伝送方式の移動体通信システムにおけるMIMO(Multiple−Input and Multiple−Output)受信装置、及び信号処理方法に関する。
無線装置間の通信速度を高速化する技術の一つとして、多入力・多出力伝送方式が知られている。この方式は、文字通り、複数のアンテナを用いた信号の入出力を基本としている。この方式の特徴は、異なる複数のアンテナを利用して、同じタイミング、かつ、同じ周波数で複数の送信データを一度に送信することが可能な点にある。そのため、同時に送信可能なチャネルの数が増加するにつれ、増加したチャネルの分だけ単位時間当たりに送信可能な情報量を増加させることが可能になる。また、この方式は、通信速度を向上させるに当たって、占有される周波数帯域が増加しないという利点も有する。
しかし、同一周波数の搬送波成分を有する複数の変調信号が同時に送信されるため、受信側において混信した変調信号(多重信号)を分離する手段が必要になる。そこで、受信側において、無線伝送路の伝送特性を表すチャネル行列が推定され、そのチャネル行列に基づいて受信信号から各サブストリームに対応する送信信号が分離される。なお、チャネル行列は、パイロットシンボル等を用いて推定される。
しかしながら、伝送路内で付加されるノイズやサブストリーム間に生じる干渉等の影響を十分に除去してサブストリーム毎の送信信号を精度良く再現するには更に特別な工夫が必要である。これに関し、近年、MIMO信号検出に関する様々な技術が開発されてきている。例えば、MMSE(Minimum Mean Squared Error)検波方式や、このMMSE検波方式よりも伝送特性を向上させることが可能なMLD(Maximum Likelihood Detection)検波方式が知られている。また、MLD検波方式よりもサブストリーム毎の信号検出に要する演算量を低減することが可能なQR分解MLD検波方式(以下、QRD−MLD方式)と呼ばれる改良方式も知られている。さらに、下記の非特許文献1には、マルチパス干渉対策を施したQRD−MLD方式の一例が開示されている。
ところで、最近、シングルキャリア伝送に係る技術として、DFT−SOFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式と呼ばれる技術が注目されている。また、この方式について、現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格化が検討されている。
この方式は、送信信号を周波数領域で変調マッピングし、その周波数領域の変調信号を時間領域に逆変換した上で送信する送信側の技術と、2次元(空間領域+周波数領域)MMSE検波を用いて送信信号を復元する受信側の技術とを組み合わせたものである。この技術を適用すると、送信信号が周波数領域で変調マッピングされるため、送信装置の消費電力(瞬間最大電力)を抑制できる。このようなシングルキャリア伝送方式の場合、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のマルチキャリア伝送方式に比べてピーク電力を低く抑えることができるため、電力消費量に対する要求が厳しい携帯端末等への応用が期待されている。
しかしながら、DFT−SOFDM方式のようなMMSE検波方式を応用した技術をMIMOシステムに適用する場合、MLD検波方式等を適用した場合に得られる受信アンテナダイバーシチゲインが得られないという問題がある。この問題は、所望の信号品質を得るために必要な信号電力対雑音電力比(SNR)を実現するために比較的大きな送信電力を要するということを意味する。つまり、高い信号品質を得ようとすると、当該技術を適用したとしても、携帯端末等に対して大きな電力負担を強いることになる。
一方、MLD検波方式等の技術を適用する場合、受信アンテナイバーシチゲインが得られる分だけ、高い信号品質を得るために要求される送信電力を抑制することができる。但し、MLD検波方式は、サブストリーム毎の信号検出に要する演算量が大きく現実的ではないため、比較的演算量の少ないQRD−MLD方式等が一般に利用される。しかしながら、QRD−MLD方式等を用いるとダイバーシチゲインが得られるものの、チャネル行列の各要素に独立して発生するマルチパス干渉(以下、MPI)の影響を十分に等化することが難しいため、マルチパス干渉による影響を受けやすい環境において信号品質が大きく低下してしまうという問題がある。
また、上記の非特許文献1には、DS−CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access)方式を適用すると共にマルチコード伝送と呼ばれる多重法を用いてDS(Direct Sequence)処理による通信速度の低下を補償する送信側の技術と、干渉キャンセラを用いて信号分離の補助処理を施す受信側の技術とが開示されている。この技術は、DS−CDMA方式に特有の鋭い自己相関性を利用してマルチパスを独立したパスとして扱うことで、マルチパス干渉の影響を抑制するものである。しかしながら、この方式は、マルチコード伝送の利用を前提としているため、時間領域における独立な信号の加算処理が必要になり、大きなピーク電力が発生してしまうという問題がある。従って、この技術を携帯端末のような最大送信電力が制限されている装置に対して適用することは好ましくない。また、当該技術は、各パスを経由して到来する波の到達時刻が一定でないマルチユーザMIMOシステムのような環境に適用できないという問題もある。
こうした問題に対し、QRD−MLD方式を基盤とし、チャネル行列をQR分解して得られた上三角行列の最下行から順に、各行に対応する受信信号に対して周波数領域等化(FDE;Frequency−domain Equalizer)を施すことにより、周波数選択性を等化する方式(以下、QRDE−MLD方式)が考案された。しかしながら、周波数領域等化のために上三角行列に含まれる任意の伝達関数に等化係数を作用させると、QR分解の特性上、他の伝達関数の周波数選択性が強調されてしまうという問題がある。そのため、QRDE−MLD方式を適用したとしても、マルチパス干渉が比較的大きな環境下において、十分な周波数領域の等化が実現されないという問題があった。さらに言えば、通信品質をより向上させるために、周波数ダイバーシチ効果を失うことなく、周波数領域の等化を実現する技術が求められる。以下では、この周波数ダイバーシチ効果のことをマルチパスダイバーシチ効果、又は単にパスダイバーシチ効果と呼ぶ場合がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、最尤検出に基づく多重信号の分離処理に際し、マルチパス干渉が比較的大きな環境下においても周波数選択性を十分に等化しつつ、パスダイバーシチ効果を得ることが可能な、新規かつ改良された受信装置、及び信号処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のサブストリームが含まれる多重信号を受信する複数のアンテナと、周波数領域に変換された前記多重信号から対象パスに対するマルチパス干渉成分を抑圧して各対象パスの成分を抽出する複数のマルチパス干渉抑圧部と、チャネル行列をQR分解して得られる上又は下三角行列を前記各マルチパス干渉抑圧部から出力される前記各対象パスの成分に乗算し、前記上又は下三角行列が乗算された当該各対象パスの成分に対して周波数領域等化を施す複数の信号等化部と、前記各信号等化部により周波数領域等化が施された前記各対象パスの成分を合成するマルチパス成分合成部と、時間領域に変換された前記マルチパス成分合成部の出力信号から最尤検出を用いて前記多重信号に含まれる各サブストリームを復号する最尤復号部と、を備える、受信装置が提供される。
また、上記の受信装置は、次のように構成されていてもよい。例えば、上記の受信装置は、前記最尤復号部により前記各サブストリームが復号される際に出力される対数尤度比を用いて前記各サブストリームの信号に誤り訂正を施す誤り訂正部と、前記誤り訂正部により誤り訂正が施された前記各サブストリームの信号に基づいてレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成部とをさらに備えていてもよい。この場合、前記マルチパス干渉抑圧部は、前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を用いてチャネル行列の周波数依存成分を減算することで前記マルチパス干渉成分を抑圧する。
また、上記の受信装置は、前記マルチパス干渉抑圧部から出力された信号を前記各信号等化部、前記マルチパス成分合成部、前記最尤復号部、及び前記誤り訂正部に順次入力させ、前記誤り訂正部から出力された信号を前記レプリカ信号生成部に入力させ、前記レプリカ信号生成部から出力された信号を前記マルチパス干渉抑圧部に入力させる制御処理を繰り返し実行して前記マルチパス干渉成分の抑圧処理を反復実行させる制御部をさらに備えていてもよい。
また、上記の受信装置は、前記周波数領域に変換された多重信号からMMSE等化係数を算出するMMSE分離・等化部をさらに備えていてもよい。この場合、前記制御部による制御に応じて反復実行される前記マルチパス干渉成分の抑圧処理の第1回目においては、前記レプリカ信号生成部が前記MMSE分離・等化部により算出されたMMSE等化係数に基づいてレプリカ信号を生成し、当該レプリカ信号を用いて前記マルチパス干渉抑圧部が前記マルチパス干渉成分の抑圧処理を実行する。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のサブストリームを含む多重信号が複数のアンテナにより受信されるステップと、マルチパスのパス毎に周波数領域に変換された前記多重信号から対象パスに対するマルチパス干渉成分が抑圧されて各対象パスの成分が抽出されるマルチパス干渉抑圧ステップと、チャネル行列をQR分解して得られる上又は下三角行列が前記各マルチパス干渉抑圧部から出力される前記各対象パスの成分に乗算され、前記上又は下三角行列が乗算された当該各対象パスの成分に対して周波数領域等化が施される信号等化ステップと、前記信号等化ステップで周波数領域等化が施された前記各対象パスの成分が合成されるマルチパス成分合成ステップと、前記マルチパス成分合成ステップの出力信号が時間領域に変換され、当該時間領域の出力信号から最尤検出を用いて前記多重信号に含まれる各サブストリームが復号される最尤復号ステップと、を含む、信号処理方法が提供される。
上記の装置又は方法を適用することにより、サブストリーム毎の周波数領域等化器により除去し切れない比較的大きなマルチパス干渉成分が予め減算されるため、マルチパス干渉の影響を大きく受けやすい伝送路の状態であっても、効果的に周波数選択性を等化することが可能になる。また、マルチパス干渉キャンセリングの初回に、MMSE等化係数を利用した信号分離法に基づいてレプリカ信号が生成されることで、レプリカ信号の生成誤差に起因する復号特性の劣化を防止することができる。一方で、2回目以降で最尤検出に基づく信号分離法が実施されるため、受信アンテナダイバーシチゲインが得られる。また、各対象パスに対して周波数領域の等化処理が実施された上で、全ての対象パスについて出力信号が合成されるため、パスダイバーシチ効果を享受することができる。
以上説明したように本発明によれば、最尤検出に基づく多重信号の分離処理に際し、マルチパス干渉が比較的大きな環境下においても周波数選択性を十分に等化しつつ、パスダイバーシチ効果を得ることが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[説明の流れ]
本発明の好適な実施形態について説明するに先立ち、当該説明の流れについて簡単に述べておくことにする。まず、図1を参照しながら、同実施形態において想定するMIMOシステム及び送信装置の構成について簡単に説明する。次いで、図2〜図4を参照しながら、QRDE−MLD方式の信号分離技術について説明する。次いで、図5及び図6を参照しながら、MPIC−QRDE−MLD方式の信号分離技術について説明する。次いで、図7及び図8を参照しながら、同実施形態に係る信号分離技術について説明する。次いで、図9及び図10を参照しながら、同実施形態に係る信号分離技術を適用することにより得られる効果について説明する。
[MIMOシステムの構成について]
まず、図1を参照しながら、後述する各技術が適用されるMIMOシステムの構成について簡単に説明する。但し、図1に例示するMIMOシステム10は、説明の都合上、簡略化して記載されている。そのため、実際には、図1に例示されていない構成要素が付加されたり、種々の変形が施されたりすることがある。しかし、これら構成要素の付加や種々の変形が施されたMIMOシステムに対しても後述する各技術を適用することは可能である。
図1を参照する。図1に示すように、MIMOシステム10は、送信装置12と、受信装置22とにより構成される。送信装置12は、ストリーム毎に符号化部14及び送信部16を備えている。また、送信装置12は、複数のアンテナ18を備えている。ストリーム毎の送信データ(Tx Data)は、符号化部14により所定の符号化方式で符号化(誤り訂正符号化)された後、送信部16に入力される。送信部16に入力された送信データは、所定の多値数(例えば、QPSK、16QAM等)で変調マッピングされ、アンテナ18を介して送信される。
複数のアンテナ18から送信されたストリームは、伝送路において空間多重され、受信装置22により受信される。受信装置22は、複数のアンテナ20を有し、当該複数のアンテナ20を介して空間多重された信号を受信する。そして、受信装置22は、後述する各技術を用いて受信信号をストリーム毎に分離し、元の送信データを復元する。本実施形態に係る技術は、受信装置22における信号分離方法に関する。そこで、以下の説明においては、空間多重されたマルチストリームの信号が受信装置22により受信されることを前提とする。また、後段においては、QRDE−MLD方式、MPIC−QRDE−MLD方式、及び本実施形態の方式を区別するため、受信装置22の符号を適宜変更する。
以上、後述する各技術が適用されるMIMOシステムの構成について簡単に説明した。以下では、QRDE−MLD方式、MPIC−QRDE−MLD方式、及び本実施形態に係る方式について順を追って説明する。
[QRDE−MLD方式について]
本発明の好適な実施形態について説明するに先立ち、本実施形態に係る技術の基盤となるQRDE−MLD方式について簡単に説明する。この方式は、シングルキャリア伝送のMIMOシステムにおける多重信号分離手段において、チャネル行列の各要素に独立して含まれる周波数選択性を等化することを目的とする最尤検出技術に関する。
(受信装置100の機能構成)
まず、図2を参照しながら、QRDE−MLD方式に係る受信装置100の機能構成について説明する。図2は、QRDE−MLD方式に係る受信装置100の機能構成を示す説明図である。なお、同方式に適用される送信装置12は、例えば、符号化部14によりストリーム毎に誤り訂正符号化/誤り検出符号化し、送信部16により離散フーリエ変換、周波数領域における変調マッピング、及び時間領域に逆フーリエ変換を順次実行して信号を送信する構成を有する。
図2に示すように、受信装置100は、複数のアンテナに加え、主に、FFT部102と、乗算処理部104と、信号等化部106と、チャネル推定部108と、QR分解部110と、等化係数算出部112、114と、乗算係数算出部116、118と、IDFT部120と、EDC部122と、LLR部124と、S/P変換部126と、FEC部128とにより構成される。
(FFT部102、乗算処理部104)
FFT部102は、各アンテナを介して入力された時間領域の受信信号y(t)を周波数領域の受信信号y(ω)に変換する手段である。このとき、FFT部102は、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)のアルゴリズムに基づいて受信信号を周波数領域の信号に変換する。FFT部102により周波数領域に変換された受信信号は、乗算処理部104に入力される。なお、受信信号ベクトルyは、チャネル行列Hを用いて下記の式(1)のように表現される。但し、xは送信信号ベクトルである。また、nは雑音項である。
Figure 0005241437
…(1)
乗算処理部104は、後述するQR分解部110から入力されたユニタリ行列Qのエルミート共役Qと、FFT部102から入力された受信信号ベクトルyとの積を算出する手段である。乗算処理部104により算出された積Qyは、信号等化部106に入力される。なお、以下の説明において、積Qyの各要素を{Qy}(k)(k=0〜3;上三角行列Rの下から(k+1)行目に対応)と表記する。また、積Qyは、下記の式(2)のように表現される。
Figure 0005241437
…(2)
(信号等化部106)
信号等化部106は、乗算処理部104の出力信号と、後述する等化係数算出部112、114により算出された等化係数と、乗算係数算出部116、118により算出された乗算係数とに基づき、後述するQR分解部110により算出された上三角行列Rの各要素が持つ周波数選択性を等化し、さらに、その周波数選択性を平坦化する手段である。信号等化部106の出力信号ZはIDFT部120に入力される。なお、信号等化部106が有する機能構成の詳細については後述する。
(チャネル推定部108、QR分解部110)
チャネル推定部108は、パイロットシンボル等に基づいて信号伝送路の状態を示すチャネル行列Hを推定する手段である。チャネル推定部108により推定されたチャネル行列Hは、QR分解部110に入力される。QR分解部110は、チャネル推定部108により推定されたチャネル行列Hをユニタリ行列Qと上三角行列Rとの積に分解(所謂、QR分解)する手段である。
QR分解部110により算出されたユニタリ行列Qは、乗算処理部104に入力される。また、QR分解部110により算出された上三角行列Rは、等化係数算出部112、114、乗算係数算出部116、118、及びEDC部122に入力される。なお、本稿の全体を通じてQR分解を前提とした説明を行うが、QR分解に代えて、ユニタリ行列Qと下三角行列Lとの積に分解するQL分解を用いることも可能である。このような変形は適宜許容される。
(等化係数算出部112、114)
等化係数算出部112、114は、受信サブストリーム毎に周波数領域等化を実現するための等化係数(Fa、Fs)を算出する手段である。特に、等化係数算出部112は、主に、後述する加算用の乗算係数Caに関係する信号に対して周波数領域等化するための等化係数(以下、加算用等化係数Fa)を算出する。一方、等化係数算出部114は、主に、後述する減算用の乗算係数Csに関係する信号に対して周波数領域等化するための等化係数(以下、減算用等化係数Fs)を算出する。但し、上三角行列Rの最下行に対応する乗算処理部104の出力信号に対しては、後述するように、乗算係数Ca、Csとの関係を考慮しなくてもよい。
以下の説明において、{Qy}(k)に対応する加算用等化係数Fa、減算用等化係数Fsを各々Fa(k)、Fs(k)と表記する。また、加算用等化係数Fa(k)、減算用等化係数Fs(k)は、下記の式(3)、式(4)のように表現される。但し、Nは、受信アンテナの本数である。また、上付きバーは、アンサンブル平均を表す。さらに、同式に含まれるSは、信号電力を表す。
Figure 0005241437
…(3)

Figure 0005241437
…(4)
(乗算係数算出部116、118)
乗算係数算出部116、118は、受信サブストリーム毎に周波数領域等化の処理を実行する前段で、乗算処理部104の各出力信号に対し、上三角行列Rの非対角要素に対応する成分を除去又は注入するための乗算係数(Ca、Cs)を算出する。例えば、乗算係数算出部116は、乗算処理部104の各出力信号に対し、上三角行列Rの非対角要素に対応する成分を注入するための乗算係数(以下、加算用乗算係数Ca)を算出する。一方、乗算係数算出部118は、乗算処理部104の各出力信号に対し、上三角行列Rの非対角要素に対応する成分を除去するための乗算係数(以下、減算用乗算係数Cs)を算出する。後述するように、乗算係数算出部116により算出される加算用乗算係数Caは、上三角行列Rの非対角要素に対応する信号の周波数選択性を対角要素に対応する信号の周波数選択性に近似させる効果を奏するものである。
以下の説明において、上三角行列Rの非対角要素Rij(i≠j;i,j=0〜3)に対応する加算用乗算係数Ca、減算用乗算係数Csを各々Caij、Csijと表記する。また、加算用乗算係数Caij、減算用乗算係数Csijは、下記の式(5)、式(6)のように表現される。
Figure 0005241437
…(5)

Figure 0005241437
…(6)
(IDFT部120)
IDFT部120は、信号等化部106の各出力信号Zに対し、逆離散フーリエ変換(IDFT;Inverse Discrete Fourier Transform)を施して周波数領域の信号Z(ω)から時間領域の信号Z(t)に変換する手段である。各IDFT部120の出力信号は、EDC部122に入力される。
(EDC部122)
EDC部122は、IDFT部120により時間領域の信号に変換された信号等化部106の出力信号と、所定の変調方式に対応する送信シンボル候補との間のユークリッド距離(Euclidean Distance)を算出する手段である。但し、送信シンボル候補とは、所定の変調方式に対応する信号点配置図(コンステレーション)上の各信号点のことである。つまり、送信装置12において用いた変調多値数が分かれば、送信シンボル候補が決定される。また、このユークリッド距離は、下記の式(7)で表現される評価関数により算出される。
Figure 0005241437
…(7)
但し、xは送信シンボル候補を示す。なお、図中のEDC部122は、説明の便宜上、上三角行列Rの各行に対応するように各段が記載されており、例えば、最下段に記載されたEDC部122と上三角行列Rの最下行とが対応する。従って、EDC部122は、最下段から順にサブストリーム毎のユークリッド距離を算出し、全サブストリームに対応する尤度が最小となる送信シンボル候補の組み合わせ(以下、推定送信信号ベクトル)を選択する。EDC部122により選択された推定送信信号ベクトルはLLR部124に入力される。
(LLR部124、S/P変換部126、FEC部128)
LLR部124は、EDC部122から入力された推定送信信号ベクトルの対数尤度比(LLR;Log−Likelihood Ratio)を算出する手段である。S/P変換部126は、推定送信信号ベクトルをサブストリーム毎に分離する手段である。S/P変換部126により分離されたサブストリーム毎の推定送信信号は、FEC部128に入力される。FEC部128は、LLR部124により算出された対数尤度比に基づいてサブストリーム毎の推定送信信号に対して誤り訂正(FEC;Forward Error Correction)を施し、再生データを出力する。
以上、QRDE−MLD方式の受信装置100について、その全体的な機能構成の概要を説明した。但し、QRDE−MLD方式の特徴は、主に、上記で説明の詳細を省略した信号等化部106が有する機能構成にある。そこで、信号等化部106の機能構成について、より詳細な説明を行うことにする。
(信号等化部106の詳細な機能構成について)
図3を参照しながら、信号等化部106の機能構成について、より詳細に説明する。図3は、QRDE−MLD方式に係る信号等化部106の機能構成を示す説明図である。
図3に示すように、QRDE−MLD方式に係る信号等化部106は、主に、FDE部172、176、180、184、及び加減算部174、178、182を含む。
(第1段目の処理)
まず、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(3)を2つに分岐してFDE部172に入力する。FDE部172は、その入力された信号の一方に対して加算用等化係数Fa(3)を乗算し、その乗算結果(Z(3))をIDFT部120に向けて出力する。さらに、FDE部172は、その入力された信号の他方に対して減算用等化係数Fs(3)を乗算する。減算用等化係数Fs(3)が乗算された信号は、分岐されて加減算部174、178、182に入力される。
(第2段目の処理)
次いで、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(2)を2つに分岐して加減算部174に入力する。加減算部174は、FDE部172から入力された信号に加算用乗算係数Ca23を乗算する。そして、加減算部174は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(2)に加算して加算信号を生成する。同様に、加減算部174は、FDE部172から入力された信号に減算用乗算係数Cs23を乗算する。そして、加減算部174は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(2)から減算して減算信号を生成する。これら加算信号及び減算信号は、FDE部176に入力される。
FDE部176は、加減算部174から入力された加算信号に対し、加算用等化係数Fa(2)を乗算し、その乗算結果(Z(2))をIDFT部120に向けて出力する。さらに、FDE部176は、加減算部174から入力された減算信号に対し、減算用等化係数Fs(2)を乗算する。減算用等化係数Fs(2)が乗算された信号は、分岐されて加減算部178、182に入力される。
(第3段目の処理)
次いで、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(1)を2つに分岐して加減算部178に入力する。加減算部178は、FDE部172から入力された信号に加算用乗算係数Ca13を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(1)に加算して第1の加算信号を生成する。同様に、加減算部178は、FDE部172から入力された信号に減算用乗算係数Cs13を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(1)から減算して第1の減算信号を生成する。
さらに、加減算部178は、FDE部176から入力された信号に加算用乗算係数Ca12を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を第1の加算信号に加算して第2の加算信号を生成する。同様に、加減算部178は、FDE部176から入力された信号に減算用乗算係数Cs12を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を第1の減算信号から減算して第2の減算信号を生成する。この第2の加算信号、及び第2の減算信号は、FDE部180に入力される。
FDE部180は、加減算部178から入力された第2の加算信号に対し、加算用等化係数Fa(1)を乗算し、その乗算結果(Z(1))をIDFT部120に向けて出力する。さらに、FDE部180は、加減算部178から入力された第2の減算信号に対し、減算用等化係数Fs(1)を乗算する。減算用等化係数Fs(1)が乗算された信号は、分岐されて加減算部182に入力される。
(第4段目の処理)
次いで、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(0)を2つに分岐して加減算部182に入力する。加減算部182は、FDE部172から入力された信号に加算用乗算係数Ca03を乗算する。そして、加減算部182は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(0)に加算して第1の加算信号を生成する。同様に、加減算部182は、FDE部176から入力された信号に加算用乗算係数Ca02を乗算する。そして、加減算部182は、その乗算して得られた信号を第1の加算信号に加算して第2の加算信号を生成する。さらに、加減算部182は、FDE部180から入力された信号に加算用乗算係数Ca01を乗算する。そして、加減算部182は、その乗算して得られた信号を第2の加算信号に加算して第3の加算信号を生成する。この第3の加算信号は、FDE部184に入力される。
FDE部184は、加減算部182から入力された第3の加算信号に対し、加算用等化係数Fa(0)を乗算し、その乗算結果(Z(0))をIDFT部120に向けて出力する。信号等化部106による上記の処理を施すことにより、上三角行列Rの各要素が独立に有する周波数選択性を等化することができる。この様子を示したのが図4である。
(信号等化部106の処理による効果について)
ここで、図4を参照しながら、信号等化部106の処理による効果について簡単に説明する。図4は、信号等化部106の第3段目で実行される等化処理の効果を示す説明図である。なお、第3段目の処理を例に挙げて説明するが他段の処理についても同様である。
まず、図4の(IN)を参照する。(IN)は、上三角行列Rの下から第3行目に対応する要素R11、R21、R31の周波数特性を模式的に示すものである。(IN)に示すように、要素R11、R21、R31は、それぞれ独立の周波数特性を有している。そのため、乗算処理部104から入力される信号{Qy}(3)は、サブストリーム毎に独立した周波数選択性を有している。
次に、図4の(A1)を参照する。(A1)は、第1の加算信号における上三角行列Rの要素R11、R21、R31の周波数特性を模式的に示すものである。(A1)に示すように、第1段目の出力信号に加算用乗算係数Ca13を乗算して得られた信号を信号{Qy}(3)に加算することで、要素R31の周波数特性が要素R11と同様の周波数特性に補正される効果を得ることができる。
次に、図4の(A2)を参照すると、第2段目の出力信号に加算用乗算係数Ca12を乗算して得られた信号が更に加算されることで、要素R21の周波数特性が要素R11と同様の周波数特性に補正される効果を得ることができる。最後に、その出力信号に加算用等化係数Fa(1)が乗算されることで、(A3)に示すように、要素R11、R21、R31の周波数特性が平坦化される効果を得ることができる。
次に、図4の(S1)(S2)(S3)を参照する。(S1)は、第1段目の出力信号に減算用乗算係数Cs13を乗算して得られた信号を信号{Qy}(3)から減算した信号の周波数特性である。同様に、(S2)は、その信号から、第2段目の出力信号に減算用乗算係数Cs12を乗算して得られた信号を減算した信号の周波数特性である。つまり、(S1)(S2)では、上三角行列Rの非対角要素に対応する信号{Qy}(3)の各成分が除去されている。最後に、減算用等化係数Fs(1)が乗算されて、上三角行列Rの対角要素に対応する信号成分が平坦化される。
(QRDE−MLD方式の効果と課題)
以上説明した通り、信号等化部106は、上三角行列Rの各要素に独立して含まれる周波数選択性を等化することができる。その結果、シングルキャリア伝送方式のMIMOシステムにおいて、マルチパス干渉による影響を効果的に抑制することが可能になる。また、最尤検出に基づく信号分離方式であるため、ダイバーシチゲインが得られることで高いSN比が実現され、結果として最大消費電力を低減させることが可能になる。しかし、各段で実行される等化処理により、他段で処理されるサブストリームの周波数選択性が強調されるため、マルチパス干渉の影響が大きい場合には十分に除去できない場合がある。そこで、この問題を解決するために、本件発明者により後述するMPIC−QRDE−MLD方式が考案された。
[MPIC−QRDE−MLD方式について]
以下、上記のQRDE−MLD方式の課題を解決するために考案されたMPIC−QRDE−MLD方式について説明する。MPIC−QRDE−MLD方式は、上記のQRDE−MLD方式を基盤とし、信号等化処理の前段で、繰り返し処理によるマルチパス干渉除去処理を実行する点に特徴がある。これは、マルチパス干渉による影響が大きな広帯域伝送等の場合でも、QRDE−MLD方式の利点を生かせるようにするものである。
[受信装置200の機能構成]
まず、図5を参照しながら、MPIC−QRDE−MLD方式に係る受信装置200の機能構成について説明する。図5は、MPIC−QRDE−MLD方式に係る受信装置200の機能構成を示す説明図である。なお、上記のQRDE−MLD方式に係る受信装置100と実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図5に示すように、受信装置200は、主に、FFT部102と、マルチパス干渉除去部202と、乗算処理部104と、信号等化部106と、チャネル推定部108と、QR分解部110と、等化係数算出部112、114と、乗算係数算出部116、118と、IDFT部120と、EDC部122と、LLR部124と、S/P変換部126と、FEC部128と、制御部204と、変調部206と、DFT部208とにより構成される。上記の受信装置100との主な構成上の相違点は、マルチパス干渉除去部202、制御部204、変調部206、及びDFT部208である。そこで、これらの相違点を中心に説明する。
(制御部204、変調部206、DFT部208)
制御部204は、QRDE−MLD方式の受信装置100と実質的に同一の処理により再生された再生データを用いて送信レプリカ信号x’を生成させる手段である。まず、FEC部128から出力された再生データが変調部206に入力されて時間領域の送信レプリカ信号x’(t)が生成される。次いで、時間領域の信号レプリカ信号x’(t)は、DFT部208に入力されて周波数領域の送信レプリカ信号x’(ω)に変換される。この周波数領域の送信レプリカ信号x’(ω)は、マルチパス干渉除去部202、及び乗算処理部104に入力される。
(マルチパス干渉除去部202)
マルチパス干渉除去部202は、FFT部102から入力された周波数領域の受信信号に含まれるマルチパス干渉の影響を繰り返し処理により除去する手段である。マルチパス干渉除去部202は、下記の式(8)に示すように、DFT部208から出力された送信レプリカ信号x’を用いてチャネル行列Hの周波数依存成分ΔH(ω)を減算することで周波数選択性を除去する。但し、送信レプリカ信号x’には、誤差が含まれることがあり、送信信号xと送信レプリカ信号x’とが一致せずに周波数選択性が残留する可能性がある。しかし、この残留した周波数選択性(又は残留マルチパス干渉)は、後段の信号等化部106によって除去される。なお、Havは、周波数領域におけるチャネル行列Hの平均を表す。
Figure 0005241437
ここで、図6を参照しながら、マルチパス干渉除去部202の構成について、より詳細に説明を行う。図6に示すように、マルチパス干渉除去部202は、受信サブストリーム毎に減算部232、234、236、238を有する。各減算部232、234、236、238においては、送信レプリカ信号x’に基づいて生成された減算信号dyr(k)={ΔH(ω)x’}(k)(k=0〜3)を受信信号y(k)から減算する処理(y(k)−dyr(k))が実行される。再生データの出力、送信レプリカ信号の生成、及びマルチパス干渉の除去等の処理は、全てのサブストリームについて誤りなしと判定されるまで繰り返される。誤りの有無は、各サブストリームについて巡回冗長検査(CRC;Cyclic Redundancy Check)を実施することで判明する。
(制御部204の詳細な機能構成について)
再び図5を参照し、制御部204の機能構成について、より詳細な説明を行う。制御部204は、伝送路の状況や再生データの復号品質を監視しながら、マルチパス干渉除去部202の動作を制御する手段である。チャネル行列Hの平均値Havは、例えば、周波数帯域内での位相や振幅等の変化に応じて零又は非常に低いレベルとなる場合がある。こうした場合、制御部204は、チャネル行列Hの平均値Havを算出するための平均化手法を変更する。例えば、制御部204は、平均化手法として周波数領域内における電力重み付け平均を用いたり、或いは、時間領域(インパルス応答)内で最大レベルを有するパスの伝達関数を平均値Havに代えて用いる。制御部204は、こうした手法を伝送路の状況に応じて変化させるように構成されている。
制御部204は、平均化手法を決定すると、チャネル行列Hの平均値Hav、及び周波数依存成分ΔH(ω)を算出する。次いで、制御部204は、送信レプリカ信号x’を用いて、上記の式(8)で表現される減算処理をマルチパス干渉除去部202に実行させる。また、制御部204は、QR分解部110に対してチャネル行列Hの平均値Havに対するQR分解を実行させる。また、制御部204は、信号等化部302に対し、周波数依存成分ΔH(ω)の残留成分について周波数領域等化の処理を実行させる。
さらに、制御部204は、送信レプリカ信号x’が正しく生成されない場合を想定し、サブストリーム毎に重み付けをしてもよい。実際、変調方式毎に所望の品質を得るために要する信号電力対雑音・干渉電力比(SINR)が異なるため、変調方式毎に復号後の信号品質が異なる可能性がある。但し、この復号品質は、軟値ビットの絶対値平均(例えば、Σ|tanh(LLR)|等)から推測が可能である。そこで、この推測値を用いてサブストリーム毎の送信レプリカ信号x’に重み付けを付与することにより、低品質の送信レプリカ信号に起因する復号品質の劣化を緩和することができる。
例えば、QPSKがストリーム番号1に割り当てられ、64QAMがストリーム番号2に割り当てられている場合を考える。この場合、例えば、QPSK(ストリーム番号1)に重み1.0を付与し、64QAM(ストリーム番号2)に重み0.5(<1.0)を付与することで、誤りやすいストリーム(64QAM)のレベルを低減させ、復号品質の劣化を緩和することができる。なお、制御部204は、サブストリーム毎の重みをDFTの周期で変更してもよいし、或いは、誤り訂正符号の1区間で変更してもよい。
(MPIC−QRDE−MLD方式のまとめ)
以上、MPIC−QRDE−MLD方式に係る受信装置200の機能構成、及び信号処理方法について説明した。上記の方法は、繰り返し復号を前提とし、2回目以降の繰り返し復号処理において、周波数領域におけるマルチパス干渉の除去処理をする点に特徴がある。また、マルチパス干渉の除去後に出力される信号に対してQRDE−MLD方式の信号等化処理を施す。このような制御は、伝送路の状況や復号品質に応じて実行される。
(MPIC−QRDE−MLD方式の効果と課題)
MPIC−QRDE−MLD方式を用いると、送信側に高い電力負担を強いずに最尤検出に際してマルチパス干渉の抑圧が実現される。その結果、高速パケット伝送の際に、その高速性を犠牲にすることなく通信品質を改善できる。また、最尤検出による受信アンテナ間のダイバーシチゲインを得ることができるため、MMSE方式よりも大幅な信号特性の改善が見込まれる。結果として、所望の通信品質を得るために要する送信電力が低減され、携帯端末等(受信装置22)のバッテリ持続時間を延ばすことにも繋がる。また、下り回線で考えれば、インフラ設備の省電力化が実現される。もちろん、電波到達距離が延びるという効果も得られる。
しかしながら、マルチパス干渉除去部202により周波数変動が平均化されると、周波数ダイバーシチ効果(パスダイバーシチ効果)が失われてしまう。そこで、マルチパス干渉の影響を除去しつつ、パスダイバーシチ効果を得られるようにして伝送品質をさらに向上させる工夫が求められる。こうした課題を解決するために本実施形態に係る技術が開発された。
<実施形態>
以下、本実施形態に係る技術について説明する。本実施形態は、上記のMPIC−QRDE−MLD方式を基盤とし、上記の受信装置200が備えるマルチパス干渉除去部202、QR分解部110、信号等化部106、等化係数算出部112、114、及び乗算係数算出部116、118により実行される処理をマルチパスのパス毎に実行する構成に特徴がある。以下の説明においては、マルチパス干渉除去部202により実行される処理をMPIC処理と呼び、QR分解部110、信号等化部106、等化係数算出部112、114、及び乗算係数算出部116、118により実行される処理をQRDE処理と呼ぶことにする。
[受信装置300の機能構成]
まず、図7を参照しながら、本実施形態に係る受信装置300の機能構成について説明する。図7は、本実施形態に係る受信装置300の機能構成例を示す説明図である。なお、上記の受信装置200と実質的に同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略することにする。
図7に示すように、受信装置300は、FFT部102と、チャネル推定部108と、IDFT部120と、EDC部122と、LLR部124と、S/P変換部126と、FEC部128とを有する。さらに、受信装置300は、制御部204と、変調部206と、DFT部208とを有する。そして、受信装置300は、複数のMPIC+QRDE処理部302と、信号加算部304とを有する。
まず、各アンテナで受信された受信信号は、FFT部102に入力される。FFT部102においては、受信信号が時間領域の信号から周波数領域の信号へと変換される。FFT部102により周波数領域の信号に変換された受信信号は、複数のMPIC+QRDE処理部302に入力される。上記の通り、MPIC+QRDE処理部302は、MPIC処理、及びQRDE処理を実行する手段である。そのため、MPIC+QRDE処理部302に入力された周波数領域の受信信号には、MPIC処理、及びQRDE処理が順次施される。但し、各MPIC+QRDE処理部302は、受信信号に含まれるマルチパス成分のうち、各MPIC+QRDE処理部302に設定されたパス成分が残るように上記のMPIC処理、及びQRDE処理を実行する。なお、各MPIC+QRDE処理部302で処理されるパス成分に対応するパスのことを対象パスと呼ぶ場合がある。
既に述べた通り、受信信号には、複数のパス成分が含まれる。例えば、送信装置12から発信された信号は、建造物による反射等により異なる複数のパスを経由して受信装置300(22)に到達する。そのため、反射条件等に応じて到来遅延時間や信号の大きさが異なる複数のパス成分が受信信号に含まれる。また、送信アンテナ毎に異なるストリームが割り当てられている場合、ストリーム毎にマルチパス成分が発生し、これらのマルチパス成分が相互に干渉する。そのため、マルチパス干渉成分の影響により伝送品質が劣化するのである。このような受信信号に対し、あるパス成分を対象として上記のMPIC処理を施すと、そのパス成分のみを残して他のパス成分が全てキャンセルされる。そのため、本実施形態においては、各パス成分に対してMPIC処理が施される。
なお、図7の例では、MPIC+QRDE処理部302の実現方法として、上記の受信装置200と同様の繰り返し処理によるマルチパス干渉キャンセラ(MPIC処理部分)が用いられている。つまり、繰り返し復号を前提とし、フィードバックされた仮判定信号をレプリカ信号に用いてマルチパス干渉成分をキャンセルするものである。一方、MPIC+QRDE処理部302としては、例えば、複数回のMMSE受信を実行して精度を高めたレプリカ信号を用いて受信信号からマルチパス干渉成分をキャンセルするような構成を採用することも可能である。以下では、説明の都合上、上記の受信装置200と同様の繰り返し処理によるマルチパス干渉キャンセラを前提として説明を行うことにする。
上記のようにしてMPIC処理が施された信号は、QRDE処理されて信号加算部304に出力される。なお、QRDE処理の中で、チャネル推定部108により推定されたチャネル行列HがQR分解され、その結果得られるユニタリ行列QHが受信信号に乗算されて上三角行列になるように分離される。さらに、分離処理の結果得られる信号に対し、周波数領域等化の処理が施され、各ストリームが有するチャネル応答成分が平坦化されるように調整される。そのため、QRDE処理の出力結果は、理想的な場合、平坦な周波数特性を有するストリームの和となる。上記のMPIC処理及びQRDE処理は、マルチパスに含まれる1パス(対象パス)に対して実行されるものである。本実施形態においては、マルチパスに含まれる全てのパスに対して対象パス毎にMPIC処理及びQRDE処理が施される。
複数のMPIC+QRDE処理部302から出力された信号は、信号加算部304により加算される。そして、信号加算部304により加算された信号は、IDFT部120に入力される。このように、各対象パスに対してMPIC処理及びQRDE処理が施された信号がマルチパスの全てについて加算されることにより、いずれかのパス成分が低レベルに落ち込んだとしても、その落ち込み分を他のパス成分が補償する形になる。つまり、パスダイバーシチ効果が得られるのである。ここで、MPIC処理、及びQRDE処理により得られる効果について、図8を参照しながら説明する。
(MPIC処理+QRDE処理の効果について)
図8を参照する。図8には、MPIC処理の前後(前:(A)、後:(B))、及びQRDE処理の前後(前:(B)、後:(C)〜(E))におけるインパルス応答が示されている。但し、インパルス応答が紙面の奥行き方向に傾倒する角度は位相変化を表している。また、説明の都合上、一部のインパルス応答のみを図示した。
まず、(A)に注目する。(A)は、最下段の受信アンテナで受信された受信信号に対応するインパルス応答を模式的に示したものである。(A)に示された各時間軸は、それぞれ各送信ストリームに対応する。図1に示した送信装置12は4本のアンテナ18を有しており、各アンテナ18から1つずつ送信ストリームが送信された場合、本来、4つの時間軸が描画されるべきであるが、ここでは説明の都合上、その中の3つだけを描画している点に注意されたい。この点については(B)〜(E)においても同様である。
各受信アンテナで受信された受信ストリームには、伝送路で発生したマルチパス干渉成分が含まれている。そのため、異なるパスを経由して到達したストリームは、(A)に示すように、互いに独立した位相及び振幅を有している。そこで、個々のパス成分について、MPIC+QRDE部302によりMPIC処理及びQRDE処理が施される。但し、本実施形態においては、マルチパスをレベル毎に分け、最大レベルのパス(Max Path)から順に所定数のパスについてMPIC処理及びQRDE処理が施される。つまり、所定数のパスについて、各レベルのパスが残るようにMPIC処理が実行され、各レベルのパスに対してQRDE処理が施される。
もちろん、マルチパスに含まれる全てのパスについてMPIC処理及びQRDE処理が施されるのが理想的であるが、現実的には3パス以上のパス成分についてMPIC処理及びQRDE処理が施されることで、十分に伝送特性が改善される。この点については後述する。なお、図8の例においては、レベル毎に処理対象となる対象パスを分ける構成が示されているが、遅延時間を基準として処理対象を分ける構成にすることもできる。例えば、各ストリームにおいて遅延時間がほぼ等しいパスを選択し、選択されたパス毎にMPIC処理及びQRDE処理を実行するように構成されていてもよい。
(A)に示すようなインパルス応答を有する信号に対し、最大レベルのパス(以下、最大パス)を処理対象とするMPIC処理が施されると、最大パス以外のパス成分が除去されて、最大パス成分のみを含む信号が得られる。最大パスを処理対象とするMPIC処理の出力をIFFT処理して得られるインパルス応答を模式的に示したものが(B)である。但し、図中のIFFT処理は実際に設けられる構成要素ではなく、(A)〜(E)を時間軸上で比較するために便宜的に記載しているものである。
さて、(B)を参照すると、各ストリームに含まれる最大パス以外のパス成分が除去されていることが分かる。なお、MPIC処理により各ストリームが1パスになるが、遅延時間やレベルは補正されない。また、これら複数のストリームは和の形で含まれている。そこで、MPIC処理が施された後、MPIC処理の出力結果にQRDE処理が施されて各ストリームに分離される。既に述べた通り、QRDE処理は、チャネル行列HのQR分解で得られたユニタリ行列Qと上三角行列Rとを用いて各サブストリームを分離した後、FDE処理により周波数特性を補正するものである。
QRDE処理が施された最大パスに対応する信号は、(C)〜(E)に示すように遅延時間やレベルが揃った信号となる。但し、SNRは個別に異なる点に注意されたい。なお、(C)〜(E)には、最大パス成分に対応する信号の他、第2レベルのパス成分に対応する信号も示されている。このように、MPIC処理及びQRDE処理が各パスに対して実行されることで、処理対象となるパス以外のパス成分が除去されると共に、遅延時間及び位相が揃えられる。本実施形態においては、互いに異なる複数のパスに対してMPIC処理及びQRDE処理が施され、その結果が信号加算部304により加算される。
上記の通り、異なるパス成分の間においても位相が揃っているため、異なるパス成分の間で逆位相による相殺が発生することはない。そのため、単純にパス毎に得られるMPIC処理及びQRDE処理の出力信号を加算するだけで、希望信号成分は同相加算され、大きなレベルを有する信号が得られる。また、雑音や干渉等に起因するノイズ成分は、非同相加算されて抑圧される。そのため、SN比が向上する。このように、処理対象となるパスを分け、パス毎にMPIC処理及びQRDE処理を施して加算することで、マルチパス干渉の影響を除去しつつ、パスダイバーシチ効果を享受することが可能になる。
以上、本実施形態に係る受信装置300の機能構成について詳細に説明した。以下では、本実施形態に係る技術を適用した場合に得られる具体的な効果について、シミュレーション結果を参照しながら説明する。
[シミュレーション結果]
ここでは、図9及び図10を参照しながら、本実施形態に係る技術を適用した場合に得られる効果について具体的なシミュレーション結果を交えて説明を行う。図9及び図10は、計算機シミュレーションによる伝送特性の比較結果を示す説明図である。
まず、図9を参照する。図9では、同一条件の下でパスダイバーシチの有無による伝送特性の比較が行われている。また、図9には、理想的な受信機(以下、SC−MMSE受信機)による伝送特性も示されている。条件は、3GPPにて規格化が進められているEvolved UTRA and UTRAN(LTE;Long Term Evolution)を参考にしている。通信方式は、SC−FDMA(又はDFT−SOFDM)を用いている。また、符号にはTurbo符号を用いており、拘束長4、最大繰り返し復号回数を7回に設定している。この場合、Turbo復号は、総合で8回実施することになる。また、サブキャリア数Nc=120を想定している。
図9から明らかなように、上記のMPIC処理及びQRDE処理をパス毎に実行してパスダイバーシチ効果を有りにすると、パケット誤り率0.01において約2.3dBの特性向上が得られている。また、SC−MMSE受信機との比較においては、パスダイバーシチ効果により0.25dB程度の差まで迫っている。なお、SC−MMSE受信機は、反復型のSoft−Cancel MMSEである。そのため、広帯域通信で、かつ、十分な反復回数があれば、SC−MMSE受信機は理想的な受信機となるのである。
次に、図10を参照する。図10においては、パケット誤りの発生頻度が100回に1回(PER=0.01)、10回に1回(PER=0.1)という伝送品質を得るために必要とされる所要SINRの比較が示されている。所要SINRは、携帯端末等に求められる送信電力を表す指標となる。そのため、所要SINRが低いと携帯端末等の送信電力を低く抑えることができる。図中に示されている横軸は、DFT−SOFDMにおけるサブキャリア数である。このサブキャリア数は、高速伝送の度合いを示す。従って、サブキャリア数が大きくなれば高速・広帯域通信であり、その数が小さくなれば低速・狭帯域通信である。この点を踏まえると、低速・狭帯域通信の領域では、本実施形態に係る受信機の特性がSC−MMSE受信機の特性を上回っていることが分かる。
低速通信の領域においてはシンボル間の無相関性が確保されないため、SC−MMSE受信機は理想受信機ではなくなる。一方、広帯域通信の領域においては、SC−MMSE受信機は理想受信機であり、本実施形態に係る受信機よりもSC−MMSE受信機の方が良好な特性を得ることができる。また、PER=0.01における特性を比較すると、本実施形態に係る受信機の特性は、サブキャリア数の増減に対する変動が抑制されている。一方、SC−MMSE受信機の特性はサブキャリア数の増減に対する変動が大きい。つまり、本実施形態に係る受信機は安定した特性を有していることが分かる。
なお、本実施形態に係る受信機の特性にはピークが現れている。このピークは、パスの増加によるマルチパス干渉による伝送特性の劣化と、パスダイバーシチ効果による伝送特性の向上とが均衡する部分に現れるものである。広帯域になればなるほどマルチパス干渉の影響が大きくなる反面、パスダイバーシチの効果も大きくなる。SC−MMSE受信機の場合、狭帯域通信になればなるほどマルチパス干渉の影響を大きく受けて特性が劣化するが、本実施形態の受信機は、パスダイバーシチの効果が得られるため、マルチパス干渉の影響を相殺して余りある特性の向上効果が得られるのである。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、各実施形態の説明において、受信アンテナ数Nを4本に設定して説明したが、これに限定されず、N≧2の任意の本数であってもよい。
ところで、周波数領域等化は、その係数の分母に含まれる固定値に応じて特性が大きく変化する。そこで、SNRのみを考慮するのではなく、無線通信帯域幅に応じた係数を固定値に設定してもよい。また、上三角行列Rの成分から推測されるマルチパス干渉項を固定値に付加してもよい。
また、QR分解にMMSEの概念を追加した擬似逆MMSE基準(Pseudo−inverse MMSE)と呼ばれる方式が報告されているが、本発明に係る技術を当該疑似逆MMSE基準に適用させることも可能である。なお、本発明に係る技術は、マルチパス干渉が問題となるシングルキャリア通信方式に対して広く適用可能である。例えば、IFDMA(Interleaved Frequency Domain Multiple Access)や、VSCRF−CDMA(Variable Spreading Chip Repetition Factor−CDMA)に係る無線通信方式、或いは、上位スケジューリング機能によって極めて短い時間を各ユーザに割り当て、他セルやセクタとの間の同一チャネル間干渉を低減させるような高速パケット伝送方式に係る無線通信システム等に適用される。
MIMOシステムの構成を示す説明図である。 QRDE−MLD方式に係る受信装置の機能構成を示す説明図である。 同方式に係る信号等化部の機能構成を示す説明図である。 同方式の信号等化部による周波数選択性除去の様子を示す説明図である。 MPIC−QRDE−MLD方式に係る受信装置の機能構成を示す説明図である。 同方式に係るマルチパス干渉除去部の機能構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る受信装置の機能構成を示す説明図である。 同実施形態に係るMPIC処理及びQRDE処理により得られる効果を説明するための説明図である。 同実施形態に係る受信装置により得られる効果を示す説明図である。 同実施形態に係る受信装置により得られる効果を示す説明図である。
符号の説明
10 MIMOシステム
12 送信装置
14 符号化部
16 送信部
18 アンテナ
20 アンテナ
22 受信装置
100 受信装置
200 受信装置
300 受信装置
102 FFT部
104 乗算処理部
106 信号等化部
108 チャネル推定部
110 QR分解部
112 等化係数算出部
114 等化係数算出部
116 乗算係数算出部
118 乗算係数算出部
120 IDFT部
122 EDC部
124 LLR部
126 S/P変換部
128 FEC部
172 FDE部
176 FDE部
180 FDE部
184 FDE部
174 加減算部
178 加減算部
182 加減算部
202 マルチパス干渉除去部
204 制御部
206 変調部
208 DFT部
302 MPIC+QRDE処理部
304 信号加算部

Claims (5)

  1. 複数のサブストリームが含まれる多重信号を受信する複数のアンテナと、
    周波数領域に変換された前記多重信号から対象パスに対するマルチパス干渉成分を抑圧して各対象パスの成分を抽出する複数のマルチパス干渉抑圧部と、
    チャネル行列をQR分解して得られる上又は下三角行列を前記各マルチパス干渉抑圧部から出力される前記各パスの成分に乗算し、前記上又は下三角行列が乗算された当該各対象パスの成分に対して周波数領域等化を施す複数の信号等化部と、
    前記各信号等化部により周波数領域等化が施された前記各対象パスの成分を合成するマルチパス成分合成部と、
    時間領域に変換された前記マルチパス成分合成部の出力信号から最尤検出を用いて前記多重信号に含まれる各サブストリームを復号する最尤復号部と、
    を備える、受信装置。
  2. 前記最尤復号部により前記各サブストリームが復号される際に出力される対数尤度比を用いて前記各サブストリームの信号に誤り訂正を施す誤り訂正部と、
    前記誤り訂正部により誤り訂正が施された前記各サブストリームの信号に基づいてレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成部と、
    をさらに備え、
    前記マルチパス干渉抑圧部は、前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を用いてチャネル行列の周波数依存成分を減算することで前記マルチパス干渉成分を抑圧する、請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記マルチパス干渉抑圧部から出力された信号を前記各信号等化部、前記マルチパス成分合成部、前記最尤復号部、及び前記誤り訂正部に順次入力させ、前記誤り訂正部から出力された信号を前記レプリカ信号生成部に入力させ、前記レプリカ信号生成部から出力された信号を前記マルチパス干渉抑圧部に入力させる制御処理を繰り返し実行して前記マルチパス干渉成分の抑圧処理を反復実行させる制御部をさらに備える、請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記周波数領域に変換された多重信号からMMSE(Minimum Mean Squared Error)等化係数を算出するMMSE分離・等化部をさらに備え、
    前記制御部による制御に応じて反復実行される前記マルチパス干渉成分の抑圧処理の第1回目においては、前記レプリカ信号生成部が前記MMSE分離・等化部により算出されたMMSE等化係数に基づいてレプリカ信号を生成し、当該レプリカ信号を用いて前記マルチパス干渉抑圧部が前記マルチパス干渉成分の抑圧処理を実行する、請求項3に記載の受信装置。
  5. 複数のサブストリームを含む多重信号が複数のアンテナにより受信されるステップと、
    マルチパスのパス毎に周波数領域に変換された前記多重信号から対象パスに対するマルチパス干渉成分が抑圧されて各対象パスの成分が抽出されるマルチパス干渉抑圧ステップと、
    チャネル行列をQR分解して得られる上又は下三角行列が前記各マルチパス干渉抑圧部から出力される前記各対象パスの成分に乗算され、前記上又は下三角行列が乗算された当該各対象パスの成分に対して周波数領域等化が施される信号等化ステップと、
    前記信号等化ステップで周波数領域等化が施された前記各対象パスの成分が合成されるマルチパス成分合成ステップと、
    前記マルチパス成分合成ステップの出力信号が時間領域に変換され、当該時間領域の出力信号から最尤検出を用いて前記多重信号に含まれる各サブストリームが復号される最尤復号ステップと、
    を含む、信号処理方法。
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