JP2008258899A - 受信装置および受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マルチパス対策を施して通信品質を向上させることが可能なMIMO受信装置および受信方法を提供すること。
【解決手段】多重信号を受信するアンテナ102a、102b、102c、102dと、多重信号を変換する高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dと、QR分解に基づいて所定の係数を乗算して信号を出力する分離乗算部106と、周波数領域で等化を行って周波数領域等化後の信号を出力する信号等化部107と、信号等化部107が出力した信号を変換する逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dと、を含むことを特徴とする、受信装置100が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、受信装置および受信方法に関し、特に、複数の信号が多重された多重信号を受信して、多重信号の中から個々の信号に分離する受信装置および受信方法に関する。
無線通信における通信速度の向上のために、複数の送受信アンテナを用いた多入力多出力方式であるMIMO(Multi−Input Multi−Output)と呼ばれる信号伝送技術が、近年注目されている。MIMOは、無線通信を行う際に複数のアンテナ(アレーアンテナ)を用いて情報の伝送を行うものであり、複数のアンテナから別々の信号を同時に同一の周波数で送信し、送信された信号を複数のアンテナで受信して復号する技術である。
MIMOでは、受信側では1つのアンテナに複数の信号が多重された状態で到達する。従って、受信側では、複数の信号が多重された多重信号を、個々の信号に分離する仕組みが必要となる。このような仕組みの例として、2次元MMSE(Mimimun Mean Squared Error)法や、QR分解を用いたMLD(Maximam Likelihood Detection;最尤判定)法(以下「QRD−MLD」とも称する)が知られている。
2次元MMSEは、受信した多重信号を空間フィルタに通して分離し、分離した信号に対して周波数領域等化処理を施すことで、受信信号に対して所望の品質を得ることが可能となる。具体的には、受信した信号に所定の係数を乗算することで、送信アンテナから受信した多重信号を分離するものである。
一方、QRD−MLDは、行列のQR分解の原理を用いて、信号の伝送路行列を分解することによって多重信号の分離を行う。QRD−MLDは、複数の送信アンテナから送信された複数の送信信号と、受信信号の全ての可能な組み合わせについてユークリッド距離(またはユークリッド距離の二乗)を算出し、その中から最小のユークリッド距離の送信信号の組み合わせを、送信信号として選択するものである。
通常のMLD法では、送信側のアンテナの数が増大するに連れて計算量が指数関数的に増大してしまう問題があったが、QRD−MLDでは、受信信号の分離演算に際して上三角行列の演算を行うため、受信した多重信号の分離やユークリッド距離の算出に必要な計算量が大幅に削減できるのが特徴である。またQRD−MLDは、2次元MMSEでは得られない、受信アンテナの本数分のダイバーシチゲインが得られることが知られている。
2次元MMSEを用いた方法では、QRD−MLDを用いた方法のようにダイバーシチゲインを得ることができないので、受信信号に所望の品質を確保する為のSN比(信号電力対雑音電力比)が高くなる。そのため、受信信号に所望の品質を確保する為には送信側に大きな送信電力が要求され、特に送信電力が限られている端末にとっては大きな負荷となる問題があった。
一方、QRD−MLDを用いた方法では、下りリンクにおいては2次元MMSEを用いた場合に比べて大幅に受信特性を向上することができ、受信アンテナの本数分のダイバーシチゲインを得ることができるために、送信側の端末に大きな送信電力は要求されないが、上りリンクにおいて、受信信号に生じるマルチパス干渉により、受信多重信号の分離能力が低下するという問題があった。
マルチパス干渉は、送信された信号を受信する際に、信号の反射・散乱・回折等によって生じる遅延波を受信することによって生じる干渉である。このマルチパス干渉は、受信装置では受信信号に周波数選択性をもたらし、通信の誤りが引き起こされる原因となる。
信号を受信する受信装置では、送信アンテナからの直接波と、複数の反射波・遅延波とが重なりあった電波を受信するマルチパス環境が形成される。QRD−MLDにおいては、伝送路行列の各成分がそれぞれ独立してマルチパス干渉の影響を有しており、QR分解後の多重信号に内包される個々の信号に対して周波数領域で等化を実施することが非常に困難になるという問題があった。
QRD−MLDは、上三角行列Rの最下段に対応する成分から受信多重信号が順次特定される復号方法である。行列Rの最下段は対角成分を除けば値が0であるため、最下段に対応する成分に対しては容易に等化することができる。しかし、上三角行列Rの下段から上段に行くに連れて、各行に含まれる成分の数が増加していき、さらにそれぞれの成分がそれぞれ独立してマルチパス干渉の影響を有しているため、各成分に対して均等に等化することが非常に困難となる問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、QRD−MLDを用いた場合であっても、マルチパス干渉対策を施して信号を等化し、通信品質を向上させることが可能な、新規かつ改良された受信装置および受信方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のサブストリームが空間で多重された多重信号を第1〜第n(n:自然数)のアンテナで受信して多重信号を復号する受信装置であって:受信した多重信号を時間軸から周波数軸に信号変換する時間・周波数変換部と;時間・周波数変換部で信号変換された多重信号に、伝送路行列のQR分解に基づく分離係数を乗算し、QR分解にて得られた上三角行列R又は下三角行列Lの行単位の各構成要素数の前記サブストリームを含む第1〜第nのサブストリーム群としてそれぞれ出力する分離乗算部と;分離乗算部から出力される第1〜第nのサブストリーム群を、当該第1〜第nのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ周波数領域において等化する第1〜第nの信号等化部と;第1〜第nの信号等化部においてそれぞれ等化された第1〜第nのサブストリーム群を周波数軸から時間軸に信号変換する周波数・時間変換部と;を含むことを特徴とする、受信装置が提供される。
その結果、QRD−MLDを用いた場合であっても、QR分解の際の上三角行列R(QR分解は下三角行列Lの生成によっても可能であるが、本発明の適用においては実質的に同じである為、本明細書では、上三角行列Rの表現を主に用いる)の全ての成分が行単位で同様の変化を行うように周波数領域で信号の等化処理を実施することで、マルチパス干渉の影響による信号の劣化を抑えることができ、通信品質を向上させることが可能となる。
上記分離乗算部は、QR分解にて得られた上三角行列R又は下三角行列Lの行の構成要素数が最小である第1のサブストリーム群から構成要素数が最大である第nのサブストリーム群まで出力し、上記第1の信号等化部は、第1のサブストリーム群である一のサブストリームを、当該サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるように等化して第2〜第nの信号等化部及び周波数・時間変換部に出力し、上記第k(1<k<n)の信号等化部は、第1〜第(k−1)の信号等化部から出力される第1〜第(k−1)のサブストリーム群に、QR分解における各対角要素以外のサブストリームが全て除去されるような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果に基づいて、分離乗算部から出力される第kのサブストリーム群からQR分解における各対角要素に該当するサブストリームのみを抽出し、当該各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して第(k+1)〜第nの信号等化部に出力すると共に、第1〜第(k−1)の信号等化部から出力される各サブストリームに、QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を分離乗算部から出力される第kのサブストリーム群に加算し、当該第kのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して周波数・時間変換部に出力し、上記第nの信号等化部は、第1〜第(n−1)の信号等化部から出力される各サブストリームに、QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を分離乗算部から出力される第nのサブストリーム群に加算し、当該第nのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して周波数・時間変換部に出力してもよい。
その結果、QRD−MLDを用いた場合であっても、QR分解の際の三角行列の全ての成分が行単位で同様の変化を行うように周波数領域で信号の加算処理および減算処理を施した後に、周波数領域での等化処理を実施することで、マルチパス干渉の影響による信号の劣化を抑えることができ、通信品質を向上させることが可能となる。
周波数・時間変換部が出力する信号を入力して予想される信号点候補とのユークリッド距離を算出し、ユークリッド距離が大きいものは以後の演算対象から削除する演算を行うユークリッド距離算出部をさらに含み、信号点候補を生成する際の関数は、QR分解の際の上三角行列R又は下三角行列Lに対し、信号等化部における等化処理と同様の等化を実施して得られるものであってもよい。その結果、ユークリッド距離の算出精度を向上させることができ、受信信号の質を向上させることができる。
上記受信装置は、ユークリッド距離算出部の出力を1や0に硬判定した信号または誤り訂正復号後の信号を入力し、当該信号を用いて再変調を行う再変調部と、再変調部の出力信号を時間軸から周波数軸に信号変換し、当該信号変換された出力信号を第1〜第nの信号等化部に入力する第2の時間・周波数変換部と、をさらに含み、第2の時間・周波数変換部の出力を第1〜第nの信号等化部に供給し、等化の能力を向上させてもよい。その結果、信号の再変調と復調を繰り返すことで、受信信号の歪みを除去し、繰り返し復号後の受信信号の質を向上させることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のサブストリームが空間で多重された多重信号を第1〜第n(n:自然数)のアンテナで受信して多重信号を復号する受信方法であって、受信した多重信号を時間軸から周波数軸に信号変換する時間・周波数変換ステップと、信号変換された多重信号に、伝送路行列のQR分解に基づく分離係数を乗算し、当該QR分解にて得られた上三角行列R又は下三角行列Lの行単位の各構成要素数の第1〜第nのサブストリーム群としてそれぞれ出力する分離乗算ステップと、第1〜第nのサブストリーム群に対して、当該第1〜第nのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ周波数領域において等化する信号等化ステップと、信号等化ステップにおいてそれぞれ等化された第1〜第nのサブストリーム群を周波数軸から時間軸に信号変換する周波数・時間変換ステップと、を含むことを特徴とする、受信方法が提供される。
その結果、QRD−MLDを用いた場合であっても、QR分解の際の上三角行列Rまたは下三角行列Lの全ての成分が行単位で同様の変化を行うように周波数領域で信号の等化処理を実施することで、マルチパス干渉の影響による信号の劣化を抑えることができ、通信品質を向上させることが可能となる。
分離乗算ステップは、QR分解にて得られた上三角行列R又は下三角行列Lの行の構成要素数が最小である第1のサブストリーム群から構成要素数が最大である第nのサブストリーム群まで出力し、信号等化ステップは、第1のサブストリーム群である一のサブストリームを当該サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるように等化して出力する第1の信号等化ステップと、当該第1の信号等化ステップに基づく第k(1<k<n)の信号等化ステップと、当該第kの信号等化ステップに基づく第nの信号等化ステップとからなり、第kの信号処理ステップでは、第1〜第(k−1)の信号等化ステップで得られる第1〜第(k−1)のサブストリーム群に、QR分解における各対角要素以外のサブストリームが全て除去されるような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果に基づいて、分離乗算ステップで得られる第kのサブストリーム群からQR分解における各対角要素に該当するサブストリームのみを抽出し、当該各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して第(k+1)〜第nの信号処理ステップに供すると共に、第1〜第(k−1)の信号等化ステップで得られる各サブストリームに、QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を分離乗算ステップで得られる第kのサブストリーム群に加算し、当該第kのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して周波数・時間変換ステップに供し、第nの信号等化ステップでは、第1〜第(n−1)の信号等化ステップで得られる各サブストリームに、QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を分離乗算ステップで得られる第nのサブストリーム群に加算し、当該第nのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して周波数・時間変換ステップに供してもよい。
その結果、QRD−MLDを用いた場合であっても、QR分解の際の上三角行列Rまたは下三角行列Lの全ての成分が行単位で同様の変化を行うように周波数領域で信号の加算処理および減算処理を施して、周波数領域での等化処理を実施することで、マルチパス干渉の影響による信号の劣化を抑えることができ、通信品質を向上させることが可能となる。
周波数・時間変換ステップで得られる信号を入力して予想される信号点候補とのユークリッド距離を算出し、ユークリッド距離が大きいものは以後の演算対象から削除する演算を行うユークリッド距離算出ステップをさらに含み、信号点候補を生成する際の関数は、QR分解の際の上三角行列R又は下三角行列Lに対し、信号等化ステップにおける等化処理と同様の等化を実施して得られるものであってもよい。その結果、ユークリッド距離の算出精度を向上させることができ、受信信号の質を向上させることができる。
ユークリッド距離算出ステップで得られる演算結果又は誤り訂正復号後の信号を入力し、受信信号の再変調を行う再変調ステップと、再変調ステップにおける再変調後の受信信号を時間軸から周波数軸に信号変換し、当該信号変換された受信信号を信号等化ステップに反映させる第2の時間・周波数変換ステップと、をさらに含み、第2の時間・周波数変換ステップでの処理結果を信号等化ステップに反映させ、等化の能力を向上させてもよい。その結果、信号の再変調と復調を繰り返すことで、受信信号の歪みを除去し、繰り返し復号後の受信信号の質を向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば、QRD−MLDを用いた場合であっても、マルチパス対策を施して信号をすることで等化通信品質を向上させることが可能な、新規かつ改良された受信装置および受信方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置および受信方法について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置100について説明する説明図である。図1に示す受信装置100は、シングルキャリア伝送方式の1つであるDFT−SOFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplex)を通信方式とし、送信アンテナの数が4本、受信アンテナの数が4本の、いわゆる4×4MIMOに本発明を適用したものの一例である。そして、図1に示す受信装置100は、すべてのユーザがシステム資源を共有するマルチユーザMIMO(MU−MIMO)に本発明を適用したものの一例である。
ここで、DFT−SOFDMについて簡単に説明する。図9は、通信方式がDFT−SOFDMの場合における送信側と受信側の構成を概略的に示す説明図である。送信側では、まず離散フーリエ変換部11で離散フーリエ変換を行い、所望の周波数帯域にマッピングする処理を行う。
その後、逆フーリエ変換部12で信号を時間軸に戻し、CP(Cyclic Prefix)挿入部13でサイクリックプレフィックスを付加し、アンテナ14から信号を送信する。
受信側では、アンテナ21で信号を受信した後に、CP(Cyclic Prefix)削除部22でサイクリックプレフィックスを削除し、高速フーリエ変換部23でフーリエ変換を行って、図示していないが信号の補償処理を行い、逆離散フーリエ変換部24で逆離散フーリエ変換を行って信号を時間軸に戻す。
このように、送信側で一度離散フーリエ変換を行うことで、DFT−SOFDMはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex;直交周波数分割多重)などのマルチキャリア信号と比較して、ピーク電力が大きくならないという利点を有する。
以上、DFT−SOFDMの原理について説明した。続いて、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる受信装置100の構成について説明する。
図1に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置100は、アンテナ102a、102b、102c、102dと、高速フーリエ変換部(Fast Fourier Transform;FFT)104a、104b、104c、104dと、分離乗算部106と、信号等化部107と、逆離散フーリエ変換部(inverse Discrete Fourier Transform;iDFT)128a、128b、128c、128dと、ユークリッド距離算出部(Euclidean Distance Calculation;EDC)130a、130b、130c、130dと、対数尤度比算出部(LLR)132と、誤り訂正部(Forward Error Correction;FEC)134a、134b、134c、134dと、を含んで構成される。
そして、信号等化部107は、第1の周波数領域等化部(Frequency−domain Equalizer;FDE)108、110、112と、第2の周波数領域等化部114、116、118、120と、減加算部(Sub/Add)122、124と、加算部(Add)126と、を含んで構成される。
上述したように、DFT−SOFDMにおいては受信側でサイクリックプレフィックスを削除する処理を行うが、サイクリックプレフィックスの削除は本発明の主題とは関係の無いところであるため、図1では省略してある。
アンテナ102a、102b、102c、102dは、無線によって信号を受信するものである。アンテナ102a、102b、102c、102dは、送信側の複数のアンテナからそれぞれ同時に送信される複数の信号を受信するため、アンテナ102a、102b、102c、102dが受信する信号は、空間的に多重された多重信号となる。アンテナ102a、102b、102c、102dで受信した多重信号は、ベースバンド帯のデジタル信号へ変換された後、高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dに入力される。
高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dは、本発明の第1の時間・周波数変換部の一例であり、アンテナ102a、102b、102c、102dのそれぞれで受信した多重信号に対して高速に離散フーリエ変換を施して、時間軸の信号を周波数軸の信号に変換するものである。
分離乗算部106は、高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dでフーリエ変換を施した多重信号を入力し、入力された多重信号に対して行列演算を施して分離乗算信号を出力するものである。分離乗算部106は送信側のアンテナがm個(mは正の整数)であれば、送信側のアンテナの個数に対応したm種類の分離乗算信号を出力する。
ここで、分離乗算部106における演算処理について説明する。本実施形態のように、送信アンテナの数が4本、受信アンテナの数が4本である場合には、送受信アンテナ間の信号の伝送経路は4×4=16通り存在する。ここで、送信側からの各アンテナ単位の送信信号(サブストリームとも称する)をx〜x、受信装置における雑音をη〜η、a番目の受信アンテナにb番目のサブストリームが入力されるまでの経路をhabとすると、受信信号Y(y〜y)は以下の数式1のように表される。
Figure 2008258899
以下の説明において、行列Hをチャネル行列(伝送路行列)とも称する。
上記数式1で表されるチャネル行列Hに対して、ユニタリ行列Qと上三角行列Rとの積QRに分解するQR分解を実施することで、多重信号の分離の際に必要となる演算量およびユークリッド距離の算出に必要な演算量を低減するのがQRD−MLDである。
QRD−MLDでは、予めチャネル行列Hを測定しておき、そのチャネル行列Hに対してQR分解を実施して、H=QRとなるようなユニタリ行列Qおよび上三角行列Rを算出する。この場合におけるユニタリ行列Qは、QをQの複素共役転置とすると、QQ=QQ=I(Iは単位行列を表す)を満たすものである。そして、上記数式1に示した受信信号Yに対して左側からQの複素共役転置であるQを乗算すると、QYは以下の数式2の通りになる。
Figure 2008258899
数式2のように、受信信号Yに対してQの複素共役転置であるQを乗算する演算処理を行って、演算結果であるQYを出力するのが分離乗算部106の役割である。以下の説明において、分離乗算部106の出力信号を、上から1番目の出力信号、2番目の出力信号、3番目の出力信号、4番目の出力信号と称する。つまり、1番目の出力信号は、数式2からX11+X12+X13+X14+nであり、4番目の出力信号は、X44+nである。ここで、nやnは、それぞれQNにおける第1、第4要素を表す。
なお、図1の分離乗算部106の中に示した「0」は、行列Rにおいて値が0である成分の存在を表しているものであり、分離乗算部106の中に示した円は、行列Rにおいて値が0でない成分の存在を表しているものである。また、受信SNRの大きなサブストリームを右側に配置するのが好ましい為、円の大きさは受信SNRの大きさを表している。
信号等化部107は、分離乗算部106からの出力信号に対して、周波数領域で等化できるように信号処理を施して等化し、周波数領域で等化した後の信号を出力するものである。以下、信号等化部107の構成について説明する。
第1の周波数領域等化部108、110、112は、分離乗算部106からの出力を入力し、入力信号に対して周波数領域で等化を実施して出力するものである。上述したように、送信された信号をアンテナ102a、102b、102cおよび102bで受信する際に、信号の反射・散乱・回折等によって生じる遅延波を受信することによってマルチパス干渉が生じてしまう。第1の周波数領域等化部108、110、112は、入力信号を周波数領域でそれらマルチパス干渉を等化して出力するものである。
第1の周波数領域等化部108は、分離乗算部106の出力信号が直接入力され、入力された信号に対して周波数領域で等化を実施して出力する。一方、第1の周波数領域等化部110、112は、分離乗算部106からのx番目(本発明の第1の実施形態においては、x=2,3。以下の説明においても同じ)の出力信号と、分離乗算部106からのx+1番目の出力信号に対応する第1の周波数領域等化部108または110の出力信号とを、減加算部122、124に入力し、減加算部122、124からの出力信号を入力し、入力された信号に対して周波数領域で等化を実施して出力する。第1の周波数領域等化部108、110、112の動作については後に詳述する。
第2の周波数領域等化部114、116、118、120も、第1の周波数領域等化部108、110、112と同様に、分離乗算部106からの出力を入力し、入力信号に対して周波数領域で等化を実施して出力するものである。第2の周波数領域等化部114、116、118、120の動作については後に詳述する。
減加算部122、124は、分離乗算部106からのx番目の出力信号と、分離乗算部106からのx+1番目の出力信号とを入力し、信号の減算および加算を行って出力するものである。
減加算部122、124における減算の目的は、分離乗算部106からの出力信号から、上記の数式2で示した上三角行列Rの対角成分以外の成分(本実施形態では、R12、R13、R14、R23、R24、R34)に相当する信号を削除し、対角成分(本実施形態では、R11、R22、R33、R44)に相当する信号のみを抽出することである。一方、減加算部122、124における加算の目的は、対角成分以外の成分に相当する信号が、対角成分に相当する信号と行単位で同様の周波数変動を有するように、信号の加減算(注入)を行うことである。対角成分に相当する信号と同様の周波数変動を有するように信号の注入を行うことで、一度の等化処理で、複数の信号が多重された状態の信号を周波数領域で等化することができる。
加算部126は、分離乗算部106からの1番目の出力信号と、第1の周波数領域等化部108、110、112からの出力信号を入力し、入力信号を全て重み付け加算して出力するものである。加算部126に入力される信号は、全て対角成分に相当する信号である。従って、加算部126での加算によって、全ての対角成分に相当する信号が加算されることになる。加算部126でR11を除く全ての対角成分に相当する信号が、R11に相当する周波数変動を有する様に加算されることで、全ての対角成分に相当する信号が同様の周波数変動を有するようになり、一度の等化処理で、複数の信号が多重化された状態の信号を周波数領域で等化することができる。
なお本実施形態においては、第1の周波数領域等化部108および第2の周波数領域等化部116は、本発明の第1の信号等化部に相当し、加算部126および第2の周波数領域等化部114は、本発明の第nの信号等化部に相当し、第1の周波数領域等化部110、第2の周波数領域等化部118および減加算部122並びに第1の周波数領域等化部112、第2の周波数領域等化部120および減加算部124は、それぞれ第k(1<k<n)の信号等化部に相当する。そして、本実施形態においてはn=4である。
以上、信号等化部107の構成について説明した。なお、本実施形態においては信号等化部107を図1に示したように構成したが、本発明における信号等化部の構成は、かかる例に限定されない。本発明における信号等化部の別の構成例については後述する。
逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dは、信号等化部107に含まれる第2の周波数領域等化部114、120、118、116の出力信号を入力し、逆離散フーリエ変換を施して、高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dで周波数軸に変換された信号を時間軸の信号に変換するものである。
ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dは、それぞれ逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dの出力信号を入力し、それぞれの信号に対して、受信信号の信号点候補とのユークリッド距離を算出し、ユークリッド距離が算出された信号を対数尤度比算出部132に対して出力するものである。ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dで算出するユークリッド距離については後に詳述するが、従来のQRD−MLD方式においては、ユークリッド距離は下記の数式3に示されるものである。
Figure 2008258899
数式3において、Xsは想定される全てのシンボル候補を表している。そして、数式3は、想定される全てのシンボル候補の中からユークリッド距離の二乗誤差が一番少ないものを探索することを表している。
算出したユークリッド距離は、最下段のユークリッド距離算出部130dから、ユークリッド距離が短い信号点候補を抽出し、抽出した信号点候補をユークリッド距離算出部130cに入力する。以下、信号点候補の抽出を順次ユークリッド距離算出部130c、130b、130aの順に行って、信号点候補を絞り込んで対数尤度比算出部132に出力する。
なお、信号点候補を抽出する際には、抽出する信号点候補の数は、受信装置の性能等に応じて、ユークリッド距離が最も短いものを抽出してもよく、短いものから順に複数個を抽出してもよい。
対数尤度比算出部132は、ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dからユークリッド距離が算出されて絞り込まれた信号点候補を受け取り、各信号点候補に対して、誤り訂正部134a、134b、134c、134dにおける誤り訂正で必要となるLLR(Log−Likelihood Ratio;対数尤度比)を算出するものである。
誤り訂正部134a、134b、134c、134dは、対数尤度比算出部132からの出力信号を受け取り、対数尤度比算出部132で算出されたLLRに基づいて、受信信号に対して誤り訂正処理を行うものである。
以上、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる受信装置100の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置100の動作について説明する。
アンテナ102a、102b、102c、102dが、それぞれ複数の無線信号を受信する。アンテナ102a、102b、102c、102dがそれぞれ複数の無線信号を受信するため、各アンテナ102a、102b、102c、102dが受信する信号は空間で多重された多重信号となる。
アンテナ102a、102b、102c、102dで多重信号を受信すると、受信した多重信号をそれぞれ高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dに入力し、多重信号に対して離散フーリエ変換を施して、それぞれの多重信号を時間軸の信号から周波数軸の信号に変換する。
高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dで離散フーリエ変換処理が施され、時間軸から周波数軸に変換された信号は、それぞれ分離乗算部106に入力される。そして、分離乗算部106において各アンテナが受信した信号に対して行列演算が施され、演算が施された信号が送信側のアンテナ数分出力される。分離乗算部106で施される行列演算は、上記の数式2で表される演算である。本実施形態においては、送信側は4本のアンテナから信号を送信すると想定しているため、分離乗算部106から出力される信号QYには4つの要素(サブストリーム群)が含まれる。以下の説明では、信号QYの第1要素をQY[1]、第2要素をQY[2]、第3要素をQY[3]、第4要素をQY[4]とも称する。
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる、信号等化部107における等化処理について説明する説明図である。以下の説明では、図1の他に図2も用いて信号の等化処理について説明する。
分離乗算部106からの出力信号の内、最下段の出力QY[4]、つまり上三角行列Rの対角成分の一番下の成分R44に対応する出力は、第1の周波数領域等化部108および第2の周波数領域等化部116に入力される。第1の周波数領域等化部108および第2の周波数領域等化部116では、入力された信号に対して周波数領域で等化を行うような演算処理を行う。第1の周波数領域等化部108および第2の周波数領域等化部116における乗算係数は、MMSE等化を例に取れば、R44の複素共役をR44 、Sを信号電力、Nを分離乗算部106においてQを乗算した後の雑音電力とすると、以下の数式4のように表せることが知られている。
Figure 2008258899
第1の周波数領域等化部108および第2の周波数領域等化部116で信号の等化を行うと、第2の周波数領域等化部116は等化した信号を逆離散フーリエ変換部128dに入力する。一方、第1の周波数領域等化部108は等化した信号を分岐して、減加算部122、124および加算部126に入力する。
なお、本来であればR44は周波数に対する関数となっているため、正確にはR44(ω)と表記されるべきである。図1で分離乗算部106においてQ(ω)と表記しているのはそのためである。しかし、以下の説明では表記を簡素化するためにサフィックス(ω)を省略した形式で記載を統一する。
成分R44に対応し、MMSE方式による周波数領域での等化が施された出力信号は、減加算部122に入力される。そして、減加算部122の内部で、加算器122bにおいて分離乗算部106からの出力QY[3]との加算処理が行われ、減算器122dにおいて分離乗算部106からの出力QY[3]との減算処理が行われる。
加算器122bにおいて信号の加算を行う目的は、R34に相当する信号が、R33に相当する信号と同様の周波数変動を有するように、信号の注入を行うことにある。つまり、後に複数の信号に対して、R33の周波数変動に適した等化を行うために、全ての信号がR33と同様の周波数変動を行単位で有している必要があるためである。
一方、減算器122dにおいて信号の減算を行う目的は、QY[3]から対角成分に相当する信号のみ、つまりR33に相当する信号のみを抽出することにある。そして、対角成分に相当する信号のみを抽出し、後段の減加算部に注入することで、後に複数の信号に対して一気に周波数領域で等化を行うことができる。
加算器122bにおける加算処理および減算器122dにおける減算処理を行う前には、それぞれ乗算器122a、122cにおいて、分離乗算部106からの出力QY[3]に対し、異なる乗算係数で乗算処理が行われる。R34に相当する成分に対する、乗算器122cにおける減算用乗算係数SubW34および乗算器122aにおける加算用乗算係数AddW34を、それぞれ下記の数式5、数式6に示す。
Figure 2008258899
ここで、上にバーが付されているRxy(以下「上バー付きRxy」とも称する)はステージxにおけるy番目のサブストリームの平均ベクトルを表している。上バー付きRxyの値の算出方法は、例えば周波数軸上において瞬時Rxyを単純平均加算することによって算出してもよく、瞬時Rxyを電力レベルの重み付けを行って平均を取る電力重み付け平均によって算出してもよい。
数式6に示したように、R34に相当する成分に対する加算用乗算係数AddW34は、乗算後のR34に相当する成分(上バー付きR34)と、本来のR33に相当する成分との平均電力比と平均位相差を保ちながら、本来のR34に相当する成分を削除するような重み付けとなっている。このように重み付けを行って、第2の周波数領域等化部118で等化処理を行う際に、行列RにおけるR33に相当する成分とR34に相当する成分とを含む信号に対して、周波数領域で等化を行うことができる。
減加算部122に第1の周波数領域等化部108からの信号が注入されると、減算用乗算係数SubW34および加算用乗算係数AddW34を用いて、加算器122bと減算器122dにおいて、第1の周波数領域等化部108からの出力信号と、分離乗算部106からの出力QY[3]との加算および減算処理を行う。分離乗算部106からの出力QY[3]は、以下の数式7で表される。
Figure 2008258899
この出力に対し、第1の周波数領域等化部108を通過した信号が注入される。以下の説明においては、説明を分かりやすくするために、高いSN比が期待できる領域、すなわち雑音成分が無視できるような領域での動作を考えることとする。
減加算部122の加算器122bにおける加算処理によって出力される信号は、数式4および数式6を数式7に代入して、さらに高いSN比を前提として雑音項N/Sおよびnを0とみなすと、以下の数式8のように表すことができる。
Figure 2008258899
このように、減加算部122の加算器122bにおける加算処理によって出力される信号は、サブストリームXとサブストリームXとのベクトル比が保たれ、さらにサブストリームXの直交化後の伝送路変動成分R33を有していることが分かる。
つまり、サブストリームXに最適な等化係数を、サブストリームXの直交化後の伝送路変動成分R33を基準にして作成すれば、R34に相当する成分に対して新たなマルチパス干渉を生成することがなく、伝送路の変動を補償し、信号を等化できることが分かる。
一方、減加算部122の減算器122dにおける減算処理によって出力される信号は、数式4および数式5を数式7に代入して、さらに高いSN比を前提として雑音項N/Sおよびnを0とみなすと、以下の数式9のように表される。
Figure 2008258899
このように、減加算部122の減算器122dにおける減算処理によって、対角成分R33に相当する信号のみを抽出することができる。
なお、上記の数式8および数式9においては高いSN比を前提としたために雑音項を0とみなしたが、実際の受信装置においては雑音項も考慮に入れることが望ましい。
減加算部122における減算処理によって減算器122dから出力された信号は、次に第1の周波数領域等化部110によって周波数領域での等化処理が実施される。一方、減加算部122における加算処理によって加算器122bから出力された信号は、次に第2の周波数領域等化部118によって周波数領域での等化処理が実施される。以下において、第1の周波数領域等化部110および第2の周波数領域等化部118における乗算係数の算出方法について説明する。
第1の周波数領域等化部110における乗算係数をFDE_SubW[3]、第2の周波数領域等化部118における乗算係数をFDE_AddW[3]と表記する。第1の周波数領域等化部110における乗算係数をFDE_SubWと表記したのは、減加算部122における減算器122dを通過した信号に対する乗算処理であることを意味しており、第2の周波数領域等化部118における乗算係数をFDE_AddWと表記したのは、減加算部122における加算器122bを通過した信号に対する乗算処理であることを意味している。
FDE_SubW[3]は、対角成分R33のみ周波数領域で等化を行えばよいので、上記の数式4と同様に以下の数式10の様に表される。
Figure 2008258899
数式10に示したFDE_SubW[3]は、一般的なMMSE基準に基づく周波数領域での等化処理の乗算係数である。しかし、FDE_AddW[3]については、複数の成分に対応する信号が加算された状態の信号(ここでは、成分R33とR34とが加算された信号)を等化するために、一般的なMMSE基準に基づく周波数領域での等化処理の乗算係数を用いることができない。従って、新たに乗算係数を算出する必要がある。
減加算部122の加算器122bにおける加算処理によって出力される信号の値は、上記の数式8に示した通りである。一方、乗算係数FDE_AddW[3]を乗算することによって得たい希望出力信号は、以下の数式11で表すことができる。
Figure 2008258899
この希望出力信号と、周波数領域等化後の信号とのアンサンブル平均を取った二乗誤差は、ε[]をアンサンブル平均演算子、Woptをこれから求める乗算係数として、以下の数式12で表すことができる。
Figure 2008258899
この数式12を、Woptの共役複素数Wopt で偏微分すると、以下の数式13が求まる。
Figure 2008258899
ここで、Sは第3サブストリームの電力、Sは第4サブストリームの電力を表す。
数式13の結果が0となるときに、求めたい乗算係数Woptが求まる。以下の数式14でWoptを算出する。
Figure 2008258899
従って、FDE_AddW[3]は、以下の数式15の様に表される。
Figure 2008258899
なお、上記数式14において、Woptを求める際には、各サブストリームにおける電力は等しいものとして計算したが、各サブストリームの電力が異なっている場合には、各サブストリーム間の電力の比を考慮に入れてWoptを求めることが望ましい。
以上、第1の周波数領域等化部110および第2の周波数領域等化部118における乗算係数の算出方法について説明した。
第1の周波数領域等化部110および第2の周波数領域等化部118における乗算係数を、上記の数式10および数式15のように求めることができたので、第1の周波数領域等化部108、110、112および第2の周波数領域等化部114、116、118、120の乗算係数は、変数を用いて一般化することができる。同様に、減加算部122、124および加算部126における減算用乗算係数および加算用乗算係数も、変数を用いて一般化することができる。すなわち、減算用乗算係数SubW[x][y]、加算用乗算係数AddW[x][y]、第1の周波数領域等化部の乗算係数FDE_SubW[x]および第2の周波数領域等化部の乗算係数FDE_AddW[x]は、以下の数式16〜数式19のように表すことができる。
Figure 2008258899
以後、加算処理および減算処理並びに周波数領域等化処理を繰り返すことによって、全てのサブストリームの周波数領域での等化を実施することができる。本実施形態における以後の加算処理および減算処理並びに周波数領域での等化処理の流れは、以下の通りである。
減加算部124には、第1の周波数領域等化部108、110からの信号が入力され、分離乗算部106からの出力QY[2]との加算処理および減算処理が行われる。
第1の周波数領域等化部108からの出力は、乗算器124aでの乗算係数AddW[2][4]による乗算処理および乗算器124cでの乗算係数SubW[2][4]が行われた後、分離乗算部106からの出力QY[2]との加算器124bでの加算処理および減算器124dでの減算処理が行われる。
また、第1の周波数領域等化部110からの出力は、乗算器124eでの乗算係数AddW[2][3]による乗算処理および乗算器124gでの乗算係数SubW[2][3]が行われた後、加算器124fでの加算処理および減算器124hでの減算処理が行われる。
減加算部124で加算処理を行うことでR23およびR24に相当する信号が、R22に相当する信号と同様の周波数変動を有することができ、減算処理を行うことで対角成分R22に相当する信号のみを抽出することができる。
減算器122hからの出力信号は第1の周波数領域等化部112において周波数領域で等化が行われ、加算器124fからの出力信号は、第2の周波数領域等化部120において周波数領域で等化が行われる。
加算部126には、第1の周波数領域等化部108、110、112において周波数領域で等化した信号がそれぞれ入力される。
第1の周波数領域等化部108からの出力信号は、乗算器126aでの乗算係数AddW[1][4]による乗算処理が行われた後、分離乗算部106からの出力QY[1]との加算器126bでの加算処理が行われる。
第1の周波数領域等化部110からの出力信号は、乗算器126cでの乗算係数AddW[1][3]による乗算処理が行われた後、加算器126bからの出力との加算器126dでの加算処理が行われる。
第1の周波数領域等化部112からの出力信号は、乗算器126eでの乗算係数AddW[1][2]による乗算処理が行われた後、加算器126dからの出力との加算器126fでの加算処理が行われる。
加算部126で信号の乗算処理および加算処理を行うことで、行列Rの成分R12、R13およびR14に相当する信号が、成分R11に相当する信号と同様の周波数変動を有することができる。そして、加算器126fからの出力信号は、第2の周波数領域等化部114において周波数領域で等化が行われる。
以上説明したように、分離乗算部106からの出力信号に対して最下段から順次、減加算部122、124および加算部126での信号の注入処理、すなわち信号の減算処理および加算処理を繰り返すことで、値が0以外の行列Rの各成分に相当する信号が、行単位で同じような周波数変動を有することができる。そして、このように行単位で同じような周波数変動を有する信号に対して、第2の周波数領域等化部114、116、118、120において、周波数領域での等化処理をそれぞれ一度実施することで、全てのサブストリームを周波数領域で等化することができる。
また、信号の注入を行う際に、値が0以外の行列Rの各成分に相当する信号のレベルが等間隔となるように、重み付け平均を取ることで上バー付きRxyを求めてもよい。
全てのサブストリームを周波数領域で等化すると、信号は逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dにそれぞれ入力され、入力された周波数領域での等化後の信号は、周波数軸から時間軸に変換される。そして、ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dでそれぞれユークリッド距離を算出して、信号点候補の絞込みを行う。
ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dで算出するユークリッド距離とは、上述したように、逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dの出力信号と、受信信号の信号点候補とのユークリッド距離である。このユークリッド距離が最小となる信号点候補が、実際に送信された信号に近いものと推定される。
本実施形態においては、ユークリッド距離の二乗誤差が一番少ない信号点候補を、実際の信号と推定する。上述したように、最下段のユークリッド距離算出部130dから、ユークリッド距離が短い信号点候補を抽出し、抽出した信号点候補をユークリッド距離算出部130cに入力する。以下、信号点候補の抽出を順次ユークリッド距離算出部130c、130b、130aの順に行って、信号点候補を絞り込んで対数尤度比算出部132に出力する。このように、ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dで算出するユークリッド距離は、対数尤度比算出部132で対数尤度比を計算する際の基礎となり、ユークリッド距離が短い信号点候補を絞り込むことでユークリッド距離の大きいものは演算から除外され、多重信号の分離に関する演算量の削減を図ることができる。
ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dでそれぞれユークリッド距離を算出すると、対数尤度比算出部132で対数尤度比を算出し、S/P変換(直並列変換)を行って、各サブストリームのLLRに分離した後、それぞれに対応する誤り訂正部134a、134b、134c、134dに信号を入力し、誤り訂正処理を行う。
なお、図1ではマルチユーザMIMOに本発明を適用した場合における受信装置100の構成について説明したが、これをシングルユーザMIMO(SU−MIMO)に適用することももちろん可能である。図3は、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置101の別の例を示す説明図である。図3に示す受信装置101は、送信アンテナの数が4本、受信アンテナの数が4本の、いわゆる4×4MIMOであり、シングルユーザMIMOに本発明を適用したものの一例である。
図1と図3の相違点は、対数尤度比算出部132で対数尤度比を算出した後に、S/P変換を行わずに誤り訂正部134eに信号を入力し、誤り訂正を行っている点である。このように、シングルユーザMIMOにおける受信装置101に本発明を適用することで、信号の分離および復号を行うことができる。
また、図1および図3に示した分離乗算部106からの最下段の出力、つまり上三角行列Rの対角成分の一番下の成分に対応する出力(上三角行列Rの対角成分のみを有する出力)は、第1の周波数領域等化部108および第2の周波数領域等化部116に入力したが、最下段の出力を入力する周波数領域等化部は、1つにまとめることもできる。
図4は、本発明の第1の実施形態にかかる受信方法によるシミュレーション結果を示す説明図である。図4を用いて、本発明の第1の実施形態にかかる受信方法のシミュレーションによって、本発明の第1の実施形態にかかる受信方法が従来の受信方法に比べて改善されていることを説明する。
図4の横軸は、送信側の端末に要求する電力のSN比であり、縦軸は平均パケット誤り率である。伝送路のモデルは周波数選択性の激しい6パス等レベルのレイリーフェージング環境であり、最大ドップラー周波数は88.8Hzである。また、受信装置は4×4のシングルユーザMIMOに本発明を適用したものを採用した。当該シミュレーションにおける使用帯域幅は、12×15.36KHz=184.32KHzであり、無線周波数帯は固定し、スケジューラによる最適周波数帯の選択は行っていない。
また、当該シミュレーションにおいて調査した変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)およびQPSK(Quadrature Phase Shift Keying;四位相偏移変調)であり、Turbo符号における符号化率RはR=3/4およびR=8/9であり、ターボ復号に特有の繰り返し回数は8回としてある。
図4において、符号151a、151bおよび151cで示す曲線は、本発明の第1の実施形態にかかる受信方法による特性を示しており、符号152a、152bおよび152cで示す曲線は、従来の2次元MMSEにおける受信方法による特性を示している。そして、符号151aおよび152aは、変調方式がQPSK、符号化率RはR=3/4の場合の特性を示し、符号151bおよび152bは、変調方式が16QAM、符号化率RはR=3/4の場合の特性を示し、符号151cおよび152cは、変調方式が16QAM、符号化率RはR=8/9の場合の特性を示している。図4から、以下のような特徴が分かる。
まず、変調方式がQPSK、符号化率RはR=3/4の場合で比較すると、平均パケット誤り率PER=0.01を達成する際の所要SN比は、従来の2次元MMSEにおける受信方法に比べ、本発明の第1の実施形態にかかる受信方法の方が11dB少ない。すなわち、同じ平均パケット誤り率を達成するために必要な送信側の所要電力を低減することができる。
次に、変調方式が16QAM、符号化率RはR=8/9の場合で比較すると、従来の2次元MMSEにおける受信方法では、平均パケット誤り率PER=0.01を達成することが出来なかったのに対し、本発明の第1の実施形態にかかる受信方法では、およそ42.5dB付近で達成出来ていることが分かる。
そして、平均パケット誤り率PER=0.1を達成する際の所要SN比は、いずれの場合においても、従来の2次元MMSEにおける受信方法に比べ、本発明の第1の実施形態にかかる受信方法では約5dB程度改善出来ていることが分かる。
上述した通り、このシミュレーションにおける使用帯域幅は12サブキャリア(184.32KHz)である。この帯域幅を増加させると、従来の受信方法と本実施形態を適用した受信方法との差は縮まることが予想される。しかし、使用する無線周波数帯を決定するスケジューラを適用する場合には、最小帯域幅単位でスケジューリングするとより多くのスループットが得られることになる。従って、本実施形態は特にMU−MIMO環境で有効であると言える。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、直交化後の伝送路の伝達関数(直交化後伝達関数)に対して、周波数領域等化部によって周波数領域で等化を実施し、等化後の信号を上位の出力信号に対して注入することで、全てのサブストリームに対して周波数領域で等化を実施することができる。そして、全てのサブストリームに対して周波数領域で等化を実施することで、実施可能な規模での最尤受信に対してマルチパス干渉を抑圧することができる。
従って、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置および受信方法を適用することによって、マルチパス干渉を軽減するために通信速度を落とすこと無く、高速での無線通信を行うことができ、最尤受信によるダイバーシチ効果を得ることができるので、ダイバーシチ効果を得ることができない従来の2次元MMSEによる受信方法に比べて、大幅に通信品質を改善することができる。
さらに、通信品質の改善によって送信側の端末に要求する送信電力を低減することが可能となり、送信側の通信端末の省電力化により、通信端末の稼働時間の長時間化を実現することもできる。
(第2の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、周波数領域で等化を行う周波数領域等化部を、第1の周波数領域等化部と第2の周波数領域等化部の2種類設ける場合について説明した。しかし、第1の周波数領域等化部108、110および112の出力は、いずれも減加算部122および124または加算部126の乗算器に入力されている。従って、第1の周波数領域等化部108、110および112は、減加算部122、124または加算部126の乗算器に、第1の周波数領域等化部108、110、112のそれぞれの乗算係数を乗じることで代用が可能である。
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる、信号等化部207における等化処理について説明する説明図であり、本発明における信号等化部の別の構成例である。図2に示した第1の実施形態の信号等化部107との違いは、信号等化部207には第1の周波数領域等化部108、110、112が存在していないことである。第1の周波数領域等化部108、110、112の機能は、減加算部222、224および加算部226に組み込まれている。
なお本実施形態においては、第2の周波数領域等化部116は、本発明の第1の信号等化部に相当し、加算部226および第2の周波数領域等化部114は、本発明の第nの信号等化部に相当し、第2の周波数領域等化部118および減加算部222並びに第2の周波数領域等化部120および減加算部224は、それぞれ第k(1<k<n)の信号等化部に相当する。そして、本実施形態においてはn=4である。
減加算部222、224および加算部226における減算用の乗算係数と加算用の乗算係数は、上記の数式16および数式17に数式18を乗算して、以下の数式20および21のように表される。
Figure 2008258899
このように、減加算部222、224および加算部226において周波数領域等化処理用の乗算処理と加算または減算用の乗算処理を一緒に行うことで、周波数領域等化処理用の乗算器を削減することが可能になる。従って、本実施形態を受信装置に適用することにより、乗算器の数の削減によって回路規模を縮小させることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、信号を周波数領域等化した後にユークリッド距離を算出する際の、直交化後伝達関数R’の変換処理について説明する。
図1に示した受信装置100および図3に示した受信装置101においては、ユークリッド距離はユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dにおいて算出する。
従来のQRD−MLD方式におけるユークリッド距離は、上述した数式3によって算出することができる。しかし、本発明ではユークリッド距離の算出の前に周波数領域での等化処理を実施しているため、ユークリッド距離の算出の際には等化処理の乗算係数を考慮に入れる必要がある。数式3を、周波数領域での等化処理の乗算係数を考慮して展開すると、以下の数式22のようになる。
Figure 2008258899
上記の数式3と数式22とを比較することで、数式3とは違い、周波数領域での等化の実施並びに加算部126および減加算部122、124の存在により、逆離散フーリエ変換を施した後の、ユークリッド距離を算出する際に用いる、図1および図3のユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dの上部に示した直交化後の伝達関数R’の値は、QR分解によって得られたRの値と異なっている。
従って、QR分解によって得られたRの値に対して補正を行う必要が生じる。そして、その補正を行う際には、受信信号に対して実際に使用した周波数領域での等化のための乗算係数を用いることが望ましい。以上の観点から、例えば成分R44に対応する直交化後伝達関数R’の成分R’44の値を算出すると、以下の数式23のようになる。
Figure 2008258899
なお、上記の数式23において、Wadd4は、数式4で表した第2の周波数領域等化部116の乗算係数を意味する。
同様に、成分R33に対応する直交化後伝達関数R’の成分R’33の値を算出すると、以下の数式24のようになる。
Figure 2008258899
数式24において、Wadd3は、数式14で表した第2の周波数領域等化部118の乗算係数を意味する。
このように、直交化後伝達関数Rの対角成分においては他の成分の影響を無視することができるので、対角成分における直交化後伝達関数R’の各成分の値は、以下の数式25のように一般化することができる。
Figure 2008258899
一方、直交化後伝達関数Rの対角成分以外の成分に対しては、第1の周波数領域等化部からの信号の注入が行われるので、例えば成分R34に対応する直交化後伝達関数R’の成分R’34の値を算出すると、第1の周波数領域等化部108からの信号の注入を考慮して、以下の数式26のように表される。
Figure 2008258899
数式26において、Wsub4は、数式4で表した第1の周波数領域等化部108の乗算係数を意味する。行列Rの成分R44に対しては第1の周波数領域等化部108および第2の周波数領域等化部116では同一の等化処理を実施するため、実質的にはWadd4とWsub4とは同じ係数であるが、ここでは説明を分かりやすくするために区別して別々の変数を用いている。
上記数式26を拡張することにより、直交化後伝達関数Rの対角成分以外の成分に対しても、以下の数式27のように一般化することができる。
Figure 2008258899
このように、伝達関数Rを、受信信号に対して実施した減加算やFDE処理に基づいて補正し、新たな伝達関数R’を生成することによって、ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dにおいて、より正確なユークリッド距離の算出が可能になる。そして、その結果、最尤受信の精度を向上させることができる。
なお、演算規模に制限があり、上記数式25および数式27のような演算が困難である場合には、ゼロフォーシング(ZF)基準に基づいて、雑音項(=N/S)を0とみなしても演算を行ってもよい。その場合には、受信信号の品質は劣化するが、雑音項を0とみなすことで演算量を削減し、演算に必要な回路規模を抑えることが可能となる。
以上説明したように、本発明の第3の実施形態によれば、最尤受信の際に必要となる直交化後の伝達関数Rを補正するような演算を行うことによって、最尤受信の精度を向上させることが可能になると共に、受信した信号の品質を向上させることができる。
(第4の実施形態)
上記本発明の第1〜第3の実施形態においては、直交化後の伝達関数の直線化、および最尤受信の際に必要となる直交化後の伝達関数の補正を行う受信装置および受信方法について説明した。本発明の第4の実施形態では、判定帰還によって周波数領域で等化を行う受信装置および受信方法について説明する。
本発明の第1〜第3の実施形態では線形処理を前提としていた。線形処理は、処理遅延や回路規模を最小化するには適した処理である。しかし、受信品質を最大限向上させるためには、線形処理だけでは不十分である。また、伝送路の伝達関数のノッチが深い場合には、一度周波数領域等化による伝達関数の平坦化に失敗すると、次段以降にその誤差が累積伝播し、信号抽出精度が劣化する。
従って、受信品質をより向上させるためには、線形処理だけでなく非線形処理を導入することが望ましい。
非線形処理の一例としてターボ等化がある。ターボ等化は、まず歪みの影響を受ける状態であっても信号の復号処理を行って、誤り訂正を行い、誤り訂正後の信号を再び変調することで歪みの除去を試みるものである。再変調と復調を繰り返して信号の歪みの除去を図るため、ターボ等化は繰り返し復号とも称される。
本発明の第4の実施形態では、この繰り返し復号を導入することで受信品質を向上させる受信装置および受信方法について説明する。
図6は、本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400の構成について説明する説明図である。以下、図6を用いて本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400の構成について説明する。
図6に示したように、本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400は、アンテナ102a、102b、102c、102dと、高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dと、分離乗算部106と、逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dと、ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dと、対数尤度比算出部132と、誤り訂正部134a、134b、134c、134dと、再変調部(Remod.)402と、離散フーリエ変換部(DFT)404と、信号等化部405と、を含んで構成される。そして、信号等化部405は、加算部406、408、410、412と、周波数領域等化部414、416、418、420と、を含んで構成される。
このうち、アンテナ102a、102b、102c、102dと、高速フーリエ変換部104a、104b、104c、104dと、分離乗算部106と、逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dと、ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dと、対数尤度比算出部132と、誤り訂正部134a、134b、134c、134dとは、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置100に示したものと同一の機能を有するため、詳細な説明は割愛する。以下では、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置とは異なる構成である、再変調部402と、離散フーリエ変換部404と、信号等化部405(加算部406、408、410、412および周波数領域等化部414、416、418、420)と、について説明する。
また、図6に示した本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400は、本実施形態の特徴である、繰り返し復号の2回目以降の加算処理を分かりやすく説明するために、図1に示した本発明の第1の実施形態にかかる受信装置100の構成のうち、減加算部における減算処理を省略して表記している。実際に本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400を構成する際には、図1に示した減加算部122、124における減算処理を含めることが必要となる。
再変調部402は、誤り訂正部134a、134b、134c、134dで誤り訂正を行った信号をそれぞれ入力し、変調処理を行って、送信された信号を仮想的に生成するものである。再変調部402で行う変調処理は、送信側で実施された変調(一次変調)と同一の変調処理であることが望ましい。また後述するように、再変調部402で変調処理を実施する前には、誤り訂正が行われた信号を2値データに変換する信号の変換処理を行ってもよい。再変調部402で行う変調処理については後に詳述する。
離散フーリエ変換部404は、本発明の第2の時間・周波数変換部の一例であり、再変調部402で変調された信号をそれぞれ入力し、離散フーリエ変換処理を行って出力するものである。離散フーリエ変換部404から出力された信号は、それぞれ加算部406、408、410、412に入力される。
加算部406、408、410、412は、分離乗算部106の出力信号と、離散フーリエ変換部404からの出力信号とを、それぞれ加算して、周波数領域等化部414、416、418、420に出力するものである。
図6に示した本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400においては、加算部406には離散フーリエ変換部404から当該サブストリームに相当する再変調信号が加算され、加算部408には離散フーリエ変換部404から2つの信号が加算され、加算部410には離散フーリエ変換部404から3つの信号が加算され、加算部412には離散フーリエ変換部404から4つの信号が加算されている。これは、分離乗算部106からの各出力信号に含まれる、行列Rの各行の成分の数に応じたものとなっている。加算部406、408、410、412における加算処理については後に詳述する。
周波数領域等化部414、416、418、420は、加算部406、408、410、412において分離乗算部106の出力信号と離散フーリエ変換部404からの出力信号とが加算された信号を入力し、周波数領域等化処理を行って、周波数領域等化した信号をそれぞれ逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dに出力するものである。
以上、図6を用いて本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400の構成について説明した。次に、本発明の第4の実施形態にかかる受信装置400を用いた受信方法について説明する。
最初にアンテナ102a、102b、102c、102dに端末からの信号が無線で到達し、誤り訂正部134a、134b、134c、134dで誤り訂正を行うまでは、本発明の第1〜第3の実施形態にかかる受信方法と同一であるため、詳細な説明は省略する。
誤り訂正部134a、134b、134c、134dで信号の誤り訂正が行われると、誤り訂正が行われた信号は分岐され、再変調部402にそれぞれ入力される。再変調部402では、入力された信号に対して、送信側で行われた変調処理と同一の変調処理(例えばQPSKや16QAM等の変調処理)が行われ、仮想的な送信データ(仮想送信データ)が生成される。送信側において、特有の信号フォーマットが存在する場合には、その信号フォーマットに従って仮想送信データを生成してもよい。特有の信号フォーマットとは、例えば、10シンボルの送信データの後に5シンボルのパイロット信号を挿入するようなフォーマットである。
変調処理を行う際には、誤り訂正が行われた信号を2値データに変換してから変調処理を行ってもよい。または、誤り訂正部134a、134b、134c、134dからの出力が対数尤度比(LLR)であれば、tanh()(ハイパーボリック・タンジェント)等の関数を用いて軟判定データに変換してもよい。軟判定データに変換することで、信号の各ビットに対し、信頼度に応じた振幅が与えられる状態となる。
再変調部402で変調された信号は、周波数選択性が無く、誤りが低減された信号となっている。再変調部402で変調された信号と分離乗算部106からの出力信号とを加算することによって、雑音や残留干渉の影響を抑えることが可能となる。
再変調部402で信号の変調処理が行われると、変調された信号はそれぞれ加算部406、408、410、412に入力される。上述したように、加算部406、408、410、412に入力される信号の数はそれぞれ異なっているが、以下においてその理由について説明する。
図7は、本発明の第4の実施形態にかかる加算部を一般化したものを示す説明図であり、図8は、本発明の第1〜第3の実施形態にかかる減加算部および加算部における加算処理を一般化したものを示す説明図である。
図7および図8は、分離乗算部106から出力される信号QYの第x要素に対する加算処理を一般化したものであり、例えば、QYの第4要素QY[4]に対して加算処理を行う際には、AddW[4][1]、AddW[4][2]およびAddW[4][3]にはそれぞれ0が供給される。
図7と図8とを比較すると、図7の方が加算器の数が1つ多いことが分かる。これは、本発明の第1〜第3の実施形態にかかる減加算部および加算部における加算処理は、分離乗算部106における対角成分以外の、直交化後の伝達関数を補償することを目的としていたのに対し、本発明の第4の実施形態にかかる加算部における加算処理は、分離乗算部106における対角成分を含めた、直交化後の伝達関数を補償することを目的としているからである。対角成分を含めた伝達関数を補償することで、信号全体のSN比を改善することができる。
図7に示した加算部における、再変調部402からの出力信号に対する乗算処理の乗算係数は、対角成分以外の成分については以下の数式28のようになる。
Figure 2008258899
一方、対角成分については複数の乗算係数が考えられる。例えば、対角成分の補償は必要ない場合には、重み付けを0として対角成分をそのまま通過させることができる。また、対角成分の全周波数帯域に対して補償を行う場合には、重み付けを1として、対角成分に対応する信号と再変調部402からの出力信号とを足し合わせて出力することができる。また、初回の周波数領域等化後に完全に等化できず、歪が残ってしまい、その歪が残った部分に対してのみ補償を行う場合には、乗算係数を以下の数式29のように設定することができる。
Figure 2008258899
上述の通り、図6においては、分離乗算部106から出力される信号QYの内、最下段のQYの第4要素QY[4]に対しても加算処理を行っている。これは、最下段のQY[4]が、ノッチが生じる可能性が一番高いからである。
加算部406、408、410、412で信号の加算処理が行われると、加算された信号は周波数領域等化部414、416、418、420にそれぞれ入力され、周波数領域で等化が行われる。そして、周波数領域等化部414、416、418、420で周波数領域での等化が実施された信号は、逆離散フーリエ変換部128a、128b、128c、128dにそれぞれ入力され、信号を周波数軸から時間軸に変換する。そして、ユークリッド距離算出部130a、130b、130c、130dでそれぞれユークリッド距離を算出し、対数尤度比算出部132で対数尤度比を算出し、誤り訂正部134a、134b、134c、134dで誤り訂正処理を行う。
その後は、希望する品質の信号が得られるまで、上記の再変調処理〜誤り訂正処理を複数回繰り返してもよい。再変調処理〜誤り訂正処理を繰り返して行うことによって、受信信号の品質を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の第4の実施形態によれば、判定帰還を用いて信号の復号処理を繰り返すことで、雑音や残留干渉の影響を抑圧することが可能となり、希望する受信品質を得るためのSN比を低減することができる。そして、結果として受信品質を向上させ、送信側の端末の送信電力の低減化や、サービスエリアの拡大化を図ることが可能となる。
また、本発明の第1〜第3の実施形態にかかる受信装置に本発明の第4の実施形態をさらに適用することで、従来の単なる判定帰還型の復調方式に比べ、帰還回数を低減することが可能となる。従って、回路規模や処理時間の大幅な削減が可能となり、受信装置のコストを低減させることができ、安価な通信サービスの提供にも繋がるものである。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記第1および第2の実施形態では、加算処理および減算処理を減加算部122、124としてまとめていたが、本発明はこれに限られず、構成要素を加算器のみが含まれる加算部と減算器のみが含まれる減算部とに分離して構成することももちろん可能である。
また例えば、上記実施形態では、周波数領域での等化の際にSN比のみを考慮していたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、無線通信の帯域幅に応じた係数を付加してもよく、直交化後の伝達関数から予測されるマルチパス干渉の影響を考慮したマルチパス干渉項を付加してもよい。
また例えば、上記第1〜第4の実施形態では、無線通信の通信方式をDFT−SOFDMとした場合について説明したが、本発明はこれに限られず、マルチパス干渉が問題となるような通信方式であれば、例えばIFDMA(Interleaved Frequency Division Multiple Access)や、VSCRF−CDMA(Variable Spreading Chip Repetition Factor−CDMA)といった通信方式に本発明を適用してもよい。また、上位のユーザスケジューリング機能によって、短い時間をユーザに割り当てることで他のセルやセクタとの同一チャネル間の干渉が少なくなる高速パケット伝送を行う無線通信システムに適用してもよい。
また例えば、上記実施形態では、本発明がもっとも有効となるシングルキャリアシステムを前提に説明しているが、OFDM等のマルチキャリアシステムでも、受信側処理を簡略化するためには本発明が有効となる場合が考えられる。つまり、本来であればキャリア毎にQRD−MLDを実施する事が最適であるが、その処理を簡略化するために、複数のキャリアの平均値等に対してQR分解を実施する場合は、本発明が問題とし、また解決したマルチパス干渉対策が必要となる。
また例えば、上記各実施形態では上三角行列Rを生成するQR分解に基づいて信号の分離を行ったが、本発明においては、下三角行列Lを生成するQR分解に基づいて信号の分離を行ってもよい。下三角行列Lの生成に基づく場合には、上記各実施形態とは逆に、上から順に信号の減加算処理を行うことによって信号を等化することができる。
本発明は、携帯電話システムなどの移動体通信システムにおける受信装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる受信装置について説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる、信号等化部における等化処理について説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる受信装置の別の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる受信方法によるシミュレーション結果を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる、信号等化部における等化処理について説明する説明図である。 本発明の第4の実施形態にかかる受信装置の構成について説明する説明図である。 本発明の第4の実施形態にかかる加算部を一般化したものを示す説明図である。 本発明の第1〜第3の実施形態にかかる加算処理を一般化したものを示す説明図である。 DFT−SOFDMにおける送信側と受信側の構成を概略的に示す説明図である。
符号の説明
100、101、400 受信装置
102a、102b、102c、102d アンテナ
104a、104b、104c、104d 高速フーリエ変換部
106 分離乗算部
107、207,405 信号等化部
108、110、112 第1の周波数領域等化部
114、116、118、120 第2の周波数領域等化部
122、124、222、224 減加算部
126、226 加算部
128a、128b、128c、128d 逆離散フーリエ変換部
130a、130b、130c、130d ユークリッド距離算出部
132 対数尤度比算出部
134a、134b、134c、134d,134e 誤り訂正部
402 再変調部
404 離散フーリエ変換部
406,408、410、412 加算部

Claims (8)

  1. 複数のサブストリームが空間で多重された多重信号を第1〜第n(n:自然数)のアンテナで受信して前記多重信号を復号する受信装置であって:
    受信した前記多重信号を時間軸から周波数軸に信号変換する時間・周波数変換部と;
    前記時間・周波数変換部で信号変換された前記多重信号に、伝送路行列のQR分解に基づく分離係数を乗算し、前記QR分解にて得られた上三角行列R又は下三角行列Lの行単位の各構成要素数の前記サブストリームを含む第1〜第nのサブストリーム群としてそれぞれ出力する分離乗算部と;
    前記分離乗算部から出力される前記第1〜第nのサブストリーム群を、当該第1〜第nのサブストリーム群内の各前記サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ周波数領域において等化する第1〜第nの信号等化部と;
    前記第1〜第nの信号等化部においてそれぞれ等化された前記第1〜第nのサブストリーム群を周波数軸から時間軸に信号変換する周波数・時間変換部と;
    を含むことを特徴とする、受信装置。
  2. 前記分離乗算部は、
    前記QR分解にて得られた前記上三角行列R又は前記下三角行列Lの行の構成要素数が最小である前記第1のサブストリーム群から構成要素数が最大である前記第nのサブストリーム群まで出力し、
    前記第1の信号等化部は、
    前記第1のサブストリーム群である一のサブストリームを、当該サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるように等化して前記第2〜第nの信号等化部及び前記周波数・時間変換部に出力し、
    前記第k(1<k<n)の信号等化部は、
    前記第1〜第(k−1)の信号等化部から出力される前記第1〜第(k−1)のサブストリーム群に、前記QR分解における各対角要素以外のサブストリームが全て除去されるような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果に基づいて、前記分離乗算部から出力される前記第kのサブストリーム群から前記QR分解における各対角要素に該当するサブストリームのみを抽出し、当該各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して第(k+1)〜第nの信号等化部に出力すると共に、
    前記第1〜第(k−1)の信号等化部から出力される各前記サブストリームに、前記QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を前記分離乗算部から出力される前記第kのサブストリーム群に加算し、当該第kのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して前記周波数・時間変換部に出力し、
    前記第nの信号等化部は、
    前記第1〜第(n−1)の信号等化部から出力される各前記サブストリームに、前記QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を前記分離乗算部から出力される前記第nのサブストリーム群に加算し、当該第nのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して前記周波数・時間変換部に出力する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記周波数・時間変換部が出力する信号を入力して予想される信号点候補とのユークリッド距離を算出し、前記ユークリッド距離が大きいものは以後の演算対象から削除する演算を行うユークリッド距離算出部をさらに含み、
    前記信号点候補を生成する際の関数は、前記QR分解の際の前記上三角行列R又は前記下三角行列Lに対し、前記信号等化部における等化処理と同様の等化を実施して得られるものであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の受信装置。
  4. 前記ユークリッド距離算出部の出力又は誤り訂正復号後の信号を入力し、受信信号の再変調を行う再変調部と、
    前記再変調部の出力信号を時間軸から周波数軸に信号変換し、当該信号変換された出力信号を前記第1〜第nの信号等化部に入力する第2の時間・周波数変換部と、
    をさらに含み、前記第2の時間・周波数変換部の出力を前記第1〜第nの信号等化部に供給し、前記等化の能力を向上させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の受信装置。
  5. 複数のサブストリームが空間で多重された多重信号を第1〜第n(n:自然数)のアンテナで受信して前記多重信号を復号する受信方法であって:
    受信した前記多重信号を時間軸から周波数軸に信号変換する時間・周波数変換ステップと;
    信号変換された前記多重信号に、伝送路行列のQR分解に基づく分離係数を乗算し、当該QR分解にて得られた上三角行列R又は下三角行列Lの行単位の各構成要素数の前記サブストリームを含む第1〜第nのサブストリーム群としてそれぞれ出力する分離乗算ステップと;
    前記第1〜第nのサブストリーム群に対して、当該第1〜第nのサブストリーム群内の各前記サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ周波数領域において等化する信号等化ステップと;
    前記信号等化ステップにおいてそれぞれ等化された前記第1〜第nのサブストリーム群を周波数軸から時間軸に信号変換する周波数・時間変換ステップと;
    を含むことを特徴とする、受信方法。
  6. 前記分離乗算ステップは、
    前記QR分解にて得られた上三角行列R又は下三角行列Lの行の構成要素数が最小である前記第1のサブストリーム群から構成要素数が最大である前記第nのサブストリーム群まで出力し、
    前記信号等化ステップは、
    前記第1のサブストリーム群である一のサブストリームを当該サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるように等化して出力する第1の信号等化ステップと、当該第1の信号等化ステップに基づく第k(1<k<n)の信号等化ステップと、当該第kの信号等化ステップに基づく第nの信号等化ステップとからなり、
    前記第kの信号処理ステップでは、
    前記第1〜第(k−1)の信号等化ステップで得られる前記第1〜第(k−1)のサブストリーム群に、前記QR分解における各対角要素以外のサブストリームが全て除去されるような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果に基づいて、前記分離乗算ステップで得られる前記第kのサブストリーム群から前記QR分解における各対角要素に該当するサブストリームのみを抽出し、当該各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して前記第(k+1)〜第nの信号処理ステップに供すると共に、
    前記第1〜第(k−1)の信号等化ステップで得られる各前記サブストリームに、前記QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を前記分離乗算ステップで得られる前記第kのサブストリーム群に加算し、当該第kのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して前記周波数・時間変換ステップに供し、
    第nの信号等化ステップでは、
    前記第1〜第(n−1)の信号等化ステップで得られる各前記サブストリームに、前記QR分解における各行内の全要素のサブストリームが同一の周波数変動を有するような係数をそれぞれ乗算した後、当該各乗算結果を前記分離乗算ステップで得られる前記第nのサブストリーム群に加算し、当該第nのサブストリーム群内の各サブストリームが保有する周波数特性が無歪みとなるようにそれぞれ等化して前記周波数・時間変換ステップに供する
    ことを特徴とする、請求項5に記載の受信方法。
  7. 前記周波数・時間変換ステップで得られる信号を入力して予想される信号点候補とのユークリッド距離を算出し、前記ユークリッド距離が大きいものは以後の演算対象から削除する演算を行うユークリッド距離算出ステップをさらに含み、
    前記信号点候補を生成する際の関数は、前記QR分解の際の前記上三角行列R又は前記下三角行列Lに対し、前記信号等化ステップにおける等化処理と同様の等化を実施して得られるものであることを特徴とする、請求項5又は6のいずれかに記載の受信方法。
  8. 前記ユークリッド距離算出ステップで得られる演算結果又は誤り訂正復号後の信号を入力し、受信信号の再変調を行う再変調ステップと;
    前記再変調ステップにおける再変調後の前記受信信号を時間軸から周波数軸に信号変換し、当該信号変換された受信信号を前記信号等化ステップに反映させる第2の時間・周波数変換ステップと;
    をさらに含み、前記第2の時間・周波数変換ステップでの処理結果を前記信号等化ステップに反映させ、前記等化の能力を向上させることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の受信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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