JP2004166033A - オーディオ・エフェクタ回路 - Google Patents
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Abstract
【目的】各種音楽ソースに適応して音量変化の強調を行うオーディオ・エフェクタ回路を提供する。
【構成】オーディオ・エフェクタ回路10は、リリースタイムT1RがアタックタイムT1Aよりも長い第1のALC回路5と、リリースタイムT2Rが前記第1のALC回路5の値T1Rと同等の値に設定され、且つアタックタイムT2Aが前記第1のALC回路5の値T1Aよりも長くなるように設定された第2のALC回路7と、を備えるとともに、同一のオーディオ信号SINが直接又は第1のローパスフィルタLPF1を通して前記第1のALC回路5及び第2のALC回路7に入力されて、両回路5、7の出力S1O、S2Oの差信号SMを抽出して直接又は第2のローパスフィルタLPF2を通して元のオーディオ信号SINに加える構成であり、音量の急激な増加の場合に変化を強調してメリハリを与える。
【選択図】 図1
【構成】オーディオ・エフェクタ回路10は、リリースタイムT1RがアタックタイムT1Aよりも長い第1のALC回路5と、リリースタイムT2Rが前記第1のALC回路5の値T1Rと同等の値に設定され、且つアタックタイムT2Aが前記第1のALC回路5の値T1Aよりも長くなるように設定された第2のALC回路7と、を備えるとともに、同一のオーディオ信号SINが直接又は第1のローパスフィルタLPF1を通して前記第1のALC回路5及び第2のALC回路7に入力されて、両回路5、7の出力S1O、S2Oの差信号SMを抽出して直接又は第2のローパスフィルタLPF2を通して元のオーディオ信号SINに加える構成であり、音量の急激な増加の場合に変化を強調してメリハリを与える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオーディオ機器の分野に属し、特にスピーカから出力されるオーディオ信号に躍動感を与えるオーディオ・エフェクタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、音楽の躍動感を向上させるために、オーディオ信号に対し静的な周波数特性を変化させたり(トーン・コントロール回路/グラフィック・イコライザー回路/バス・ブースト回路等)、音楽信号振幅の大小を拡大(振幅エキスパンダー/アタックタイムを長くしたオートマチック・レベル・コントロール回路(以降、ALC回路とも略称する)等)する各種オーディオ・エフェクタ回路が挿入されている。
【0003】
人の聴覚には音楽信号において躍動感を心理的に向上させる周波数帯域があり、静的なエフェクタ回路であるトーン・コントロール回路やイコライザ回路で躍動感を出そうとした場合は、ある種の音楽ソースでは上記周波数帯域で盛り上がって躍動感が向上する良い結果が得られるが、単に静的にその周波数帯域のみが強調されてしまうので他の音楽ソース、例えばクラシック音楽等では不自然に聴こえる場合が多い。
【0004】
また、音楽信号振幅の大小を拡大する動的なエフェクタ回路でも、一律に制御されるので静的エフェクタ回路と同様にクラシック音楽等、入力ソースによっては不自然になる場合がある。
【0005】
なお、図3に示されるように、上記ALC回路15は自動音量調節AVC(オートマチック・ボリューム・コントロール)回路とも称され、入力されたオーディオ信号SINの振幅に応じて自動的にアンプの増幅度を変える働きをする回路であって、電圧で振幅を制御するVCA回路11とそのフィードバック回路12とアンプ13で構成されている。その原理はダイオードDの検波出力中の直流分をVCA回路11の制御電圧として利用し増幅度を制御するものである(従来のALC回路としては例えば特許文献1参照)。
【0006】
そして上記ALC回路15の動作特性を表すパラメータ項目として、アタックタイムTAとリリースタイムTRがある。図4の波形図において、前記アタックタイムTAはオーディオ信号SINの振幅の急激な増大につきレベル制御が働いて出力信号レベルSoが制御値V0に制限されるまでの制御開始の遅れ時間をいい、前記リリースタイムTRはオーディオ信号SINの振幅の急激な制御値V0未満へのレベル低下につきレベル制御が解放されて元の入力信号に追随するまでの制御停止の遅れ時間を指す。
【0007】
通常のALC回路15では、アタックタイムTAは非常に短く、リリースタイムTRは比較的長く設定されている。図3のALC回路15でリリースタイムTRは抵抗R1とコンデンサC1のCR時定数で決まり、アタックタイムTAはコンデンサC1を充電するための微小抵抗RA(≒0)とコンデンサC1で決まる時定数の非常に短い時間となる。
【0008】
【特許文献1】
実開昭63−16712号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
先に挙げた従来のオーディオ・エフェクタ回路では、躍動感の向上を特に必要としない、たとえば緩やかな信号変化のクラシック音楽などのオーディオ信号に対しても特定周波数帯域に変化を与えてしまう。また、効果が十分でなく不自然になる場合もある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、効かすべき時は十分にALCのエフェクタ回路を働かして振幅拡張のエフェクト効果を得て、効かさざるべき時はエフェクタ回路を働かせないでエフェクト効果を控えるようにした新規なオーディオ・エフェクタ回路を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リリースタイムT1RがアタックタイムT1Aよりも長い第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5と、リリースタイムT2Rが前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5の値T1Rと同等の値に設定され、且つアタックタイムT2Aが前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5の値T1Aよりも長くなるように設定された第2のオートマチック・レベル・コントロール回路7と、を備えるとともに、同一のオーディオ信号SINが直接又は第1のローパスフィルタLPF1を通して前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5及び第2のオートマチック・レベル・コントロール回路7に入力されて、両回路5、7の出力S1O、S2Oの差信号SMを抽出して直接又は第2のローパスフィルタLPF2を通して元のオーディオ信号SINに加える構成であることを特徴とするオーディオ・エフェクタ回路10を提供することにより、上記課題を達成する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の回路図である。
【0014】
図2は本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の振幅制御を説明するための波形模式図である。
【0015】
先ず、本発明の実施の形態の一例のオーディオ・エフェクタ回路10は、リリースタイムT1RがアタックタイムT1Aよりも長い第1のALC回路5と、リリースタイムT2Rが前記第1のALC回路5の値T1Rと同等の値に設定され、且つアタックタイムT2Aが前記第1のALC回路5の値T1Aよりも長くなるように設定された第2のALC回路7と、を備えており、例えばバッファアンプ1の出力である同一のオーディオ信号SINが第1のローパスフィルタLPF1を通して前記第1のALC回路5及び第2のALC回路7に入力され、この第1のALC回路5及び第2のALC回路7の各出力S1O、S2Oの差信号SM(=S2O−S1O)を抽出し、第2のローパスフィルタLPF2を通して元のオーディオ信号SINに加えている回路構成である。上記第1のALC回路5、第2のALC回路7の回路構成は前述の従来のALC回路15とほぼ同様であり、それぞれVCA回路のVCA1とそのフィードバック回路、VCA2とそのフィードバック回路から成る。
【0016】
上記第1のALC回路5のリリースタイムT1Rは抵抗R1とコンデンサC1の時定数で決まり、アタックタイムT1Aは微小抵抗RAとコンデンサC1の時定数で決まる。そして、第2のALC回路7のリリースタイムT2Rは抵抗R2とコンデンサC2の時定数で決まり、アタックタイムT2Aは抵抗R3とコンデンサC2の時定数で決まる。而して、C1=C2(数μF)、R1=R2(数百KΩ〜1MΩ程度)としてR3を数百Ω程度とすれば、アタックタイムの充電時間を除いては殆どR3は無いのと同様になり、両者のリリースタイムT1RとT2Rは同等となる。
【0017】
上記回路構成では、電気的な特性において、アタックタイムTAだけが異なる(T1A<T2A、T1R=T2R)2つのALC回路5、7に対して同一のオーディオ信号SINを入力すると図2の(a)、(b)に示されるように、音楽信号振幅増加の著しい部分だけにおいてこれら2つのALC回路5、7の出力信号S1O、S2Oにレベル差を生ずる。これらの2つのALC出力信号S1O、S2Oを引き算器9に入力するか又は第1のALC回路5の出力信号S1Oを反転アンプで反転してALC出力信号S2Oと加える等の処理によって、図2の(c)のような差信号SMを取り出すことにより、オーディオ信号SINの音量増加が著しい部分の信号変化に応じた差信号だけを抽出することができる。この差信号SMをそのまま若しくは第2のローパスフィルタLPF2を通してノイズ成分を除去して元のオーディオ信号SINに加え合わせることによりロックやポップス等の音楽再生における音量の急激な増加の場合にさらにメリハリが強調され、音楽聴取時の躍動感を大きく向上させることができる。
【0018】
また、クラシック音楽等の音楽ソースに対しては、これらが穏やかな変化が主体的で一般的に急激な振幅増加が少ないために、本オーディオ・エフェクタ回路10ではALC出力信号S1O、S2Oとの間にほとんど変化がなく差信号SMはほぼゼロとなって、オーディオ信号SINにほとんど変化を与えず、不自然なエフェクト効果を生じさせないで済む。
【0019】
ここに、上記第2のALC回路7のフィードバックは自己の出力信号S2Oに因らずに第1のALC回路5のダイオードD1の検波後の直流成分を利用しているが、これは次の理由による。
【0020】
即ち、オーディオ信号SINの急激なレベル上昇と下降が短い時間で生じた場合に、アタックタイムT2Aの長い第2のALC回路7のコンデンサC2の両端電圧に第1のALC回路5のコンデンサC1の両端電圧と同程度の電圧が現れないことがあり、リリースタイムに差が生じてしまうことになる。本発明のオーディオ・エフェクタ回路では、レベル減少時の際には差信号SMによるエフェクト効果は生じないようにしたいので、上記不具合を避けるために、換言すればリリースタイムを常に同等(T1R=T2R)にするために図1の回路構成としているのである。
【0021】
なお、本発明のオーディオ・エフェクタ回路は構成要素としてアタックタイムの異なる2つのALC回路を備え、それらに同一のオーディオ信号を加え、それらの出力信号の差信号を元のオーディオ信号に加える構成を基本とするが、これに加えてノイズに反応しないように、図1のように上記基本的なオーディオ・エフェクタ回路の入口と出口にそれぞれノイズ成分の除去の第1のローパスフィルタLPF1と第2のローパスフィルタLPF2を挿入しておくのが好ましい実施形態といえる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路は、上記のように構成されているため、
(1)元の音楽ソース(オーディオ信号SIN)の音量増加が著しい部分の信号変化に応じた検出信号を、ALC出力信号S10、S20間の差信号SMとして抽出することができる。したがって、差信号SMをそのまま若しくはLPFを介してオーディオ信号SINに加え合わせることによって、オーディオ信号SINの音量増加がが著しい部分に対して振幅拡張のエフェクト効果を与えることができる。よって、音の強弱の変化が大きい音楽ソースに対して強弱にメリハリを付けて音楽聴取時の躍動感を大きく向上させることができる。
(2)クラシック音楽等の穏やかな音量変化が主体の音楽ソースに対してはALC出力信号S1O、S2Oとの間にほとんど変化がなく差信号SMはほぼゼロとなって、オーディオ信号SINにほとんど変化を与えず、音の強弱に不自然な変化を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の回路図である。
【図2】本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の振幅制御を説明するための波形模式図である。
【図3】従来技術のALC回路図である。
【図4】ALC回路におけるアタックタイムとリリースタイムを説明するための波形図である。
【符号の説明】
1 バッファアンプ
5 第1オートマチック・レベル・コントロール回路
7 第2オートマチック・レベル・コントロール回路
9 引き算器
10 オーディオ・エフェクタ回路
11 VCA回路
12 フィードバック回路
13 アンプ
15 ALC回路
D1、D ダイオード
SIN オーディオ信号
S1O、S2O 出力
SM 差信号
TA、T1A、T2A アタックタイム
TR、T1R、T2R リリースタイム
V0 制御値
LPF1、LPF2 ローパスフィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明はオーディオ機器の分野に属し、特にスピーカから出力されるオーディオ信号に躍動感を与えるオーディオ・エフェクタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、音楽の躍動感を向上させるために、オーディオ信号に対し静的な周波数特性を変化させたり(トーン・コントロール回路/グラフィック・イコライザー回路/バス・ブースト回路等)、音楽信号振幅の大小を拡大(振幅エキスパンダー/アタックタイムを長くしたオートマチック・レベル・コントロール回路(以降、ALC回路とも略称する)等)する各種オーディオ・エフェクタ回路が挿入されている。
【0003】
人の聴覚には音楽信号において躍動感を心理的に向上させる周波数帯域があり、静的なエフェクタ回路であるトーン・コントロール回路やイコライザ回路で躍動感を出そうとした場合は、ある種の音楽ソースでは上記周波数帯域で盛り上がって躍動感が向上する良い結果が得られるが、単に静的にその周波数帯域のみが強調されてしまうので他の音楽ソース、例えばクラシック音楽等では不自然に聴こえる場合が多い。
【0004】
また、音楽信号振幅の大小を拡大する動的なエフェクタ回路でも、一律に制御されるので静的エフェクタ回路と同様にクラシック音楽等、入力ソースによっては不自然になる場合がある。
【0005】
なお、図3に示されるように、上記ALC回路15は自動音量調節AVC(オートマチック・ボリューム・コントロール)回路とも称され、入力されたオーディオ信号SINの振幅に応じて自動的にアンプの増幅度を変える働きをする回路であって、電圧で振幅を制御するVCA回路11とそのフィードバック回路12とアンプ13で構成されている。その原理はダイオードDの検波出力中の直流分をVCA回路11の制御電圧として利用し増幅度を制御するものである(従来のALC回路としては例えば特許文献1参照)。
【0006】
そして上記ALC回路15の動作特性を表すパラメータ項目として、アタックタイムTAとリリースタイムTRがある。図4の波形図において、前記アタックタイムTAはオーディオ信号SINの振幅の急激な増大につきレベル制御が働いて出力信号レベルSoが制御値V0に制限されるまでの制御開始の遅れ時間をいい、前記リリースタイムTRはオーディオ信号SINの振幅の急激な制御値V0未満へのレベル低下につきレベル制御が解放されて元の入力信号に追随するまでの制御停止の遅れ時間を指す。
【0007】
通常のALC回路15では、アタックタイムTAは非常に短く、リリースタイムTRは比較的長く設定されている。図3のALC回路15でリリースタイムTRは抵抗R1とコンデンサC1のCR時定数で決まり、アタックタイムTAはコンデンサC1を充電するための微小抵抗RA(≒0)とコンデンサC1で決まる時定数の非常に短い時間となる。
【0008】
【特許文献1】
実開昭63−16712号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
先に挙げた従来のオーディオ・エフェクタ回路では、躍動感の向上を特に必要としない、たとえば緩やかな信号変化のクラシック音楽などのオーディオ信号に対しても特定周波数帯域に変化を与えてしまう。また、効果が十分でなく不自然になる場合もある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、効かすべき時は十分にALCのエフェクタ回路を働かして振幅拡張のエフェクト効果を得て、効かさざるべき時はエフェクタ回路を働かせないでエフェクト効果を控えるようにした新規なオーディオ・エフェクタ回路を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リリースタイムT1RがアタックタイムT1Aよりも長い第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5と、リリースタイムT2Rが前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5の値T1Rと同等の値に設定され、且つアタックタイムT2Aが前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5の値T1Aよりも長くなるように設定された第2のオートマチック・レベル・コントロール回路7と、を備えるとともに、同一のオーディオ信号SINが直接又は第1のローパスフィルタLPF1を通して前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路5及び第2のオートマチック・レベル・コントロール回路7に入力されて、両回路5、7の出力S1O、S2Oの差信号SMを抽出して直接又は第2のローパスフィルタLPF2を通して元のオーディオ信号SINに加える構成であることを特徴とするオーディオ・エフェクタ回路10を提供することにより、上記課題を達成する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の回路図である。
【0014】
図2は本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の振幅制御を説明するための波形模式図である。
【0015】
先ず、本発明の実施の形態の一例のオーディオ・エフェクタ回路10は、リリースタイムT1RがアタックタイムT1Aよりも長い第1のALC回路5と、リリースタイムT2Rが前記第1のALC回路5の値T1Rと同等の値に設定され、且つアタックタイムT2Aが前記第1のALC回路5の値T1Aよりも長くなるように設定された第2のALC回路7と、を備えており、例えばバッファアンプ1の出力である同一のオーディオ信号SINが第1のローパスフィルタLPF1を通して前記第1のALC回路5及び第2のALC回路7に入力され、この第1のALC回路5及び第2のALC回路7の各出力S1O、S2Oの差信号SM(=S2O−S1O)を抽出し、第2のローパスフィルタLPF2を通して元のオーディオ信号SINに加えている回路構成である。上記第1のALC回路5、第2のALC回路7の回路構成は前述の従来のALC回路15とほぼ同様であり、それぞれVCA回路のVCA1とそのフィードバック回路、VCA2とそのフィードバック回路から成る。
【0016】
上記第1のALC回路5のリリースタイムT1Rは抵抗R1とコンデンサC1の時定数で決まり、アタックタイムT1Aは微小抵抗RAとコンデンサC1の時定数で決まる。そして、第2のALC回路7のリリースタイムT2Rは抵抗R2とコンデンサC2の時定数で決まり、アタックタイムT2Aは抵抗R3とコンデンサC2の時定数で決まる。而して、C1=C2(数μF)、R1=R2(数百KΩ〜1MΩ程度)としてR3を数百Ω程度とすれば、アタックタイムの充電時間を除いては殆どR3は無いのと同様になり、両者のリリースタイムT1RとT2Rは同等となる。
【0017】
上記回路構成では、電気的な特性において、アタックタイムTAだけが異なる(T1A<T2A、T1R=T2R)2つのALC回路5、7に対して同一のオーディオ信号SINを入力すると図2の(a)、(b)に示されるように、音楽信号振幅増加の著しい部分だけにおいてこれら2つのALC回路5、7の出力信号S1O、S2Oにレベル差を生ずる。これらの2つのALC出力信号S1O、S2Oを引き算器9に入力するか又は第1のALC回路5の出力信号S1Oを反転アンプで反転してALC出力信号S2Oと加える等の処理によって、図2の(c)のような差信号SMを取り出すことにより、オーディオ信号SINの音量増加が著しい部分の信号変化に応じた差信号だけを抽出することができる。この差信号SMをそのまま若しくは第2のローパスフィルタLPF2を通してノイズ成分を除去して元のオーディオ信号SINに加え合わせることによりロックやポップス等の音楽再生における音量の急激な増加の場合にさらにメリハリが強調され、音楽聴取時の躍動感を大きく向上させることができる。
【0018】
また、クラシック音楽等の音楽ソースに対しては、これらが穏やかな変化が主体的で一般的に急激な振幅増加が少ないために、本オーディオ・エフェクタ回路10ではALC出力信号S1O、S2Oとの間にほとんど変化がなく差信号SMはほぼゼロとなって、オーディオ信号SINにほとんど変化を与えず、不自然なエフェクト効果を生じさせないで済む。
【0019】
ここに、上記第2のALC回路7のフィードバックは自己の出力信号S2Oに因らずに第1のALC回路5のダイオードD1の検波後の直流成分を利用しているが、これは次の理由による。
【0020】
即ち、オーディオ信号SINの急激なレベル上昇と下降が短い時間で生じた場合に、アタックタイムT2Aの長い第2のALC回路7のコンデンサC2の両端電圧に第1のALC回路5のコンデンサC1の両端電圧と同程度の電圧が現れないことがあり、リリースタイムに差が生じてしまうことになる。本発明のオーディオ・エフェクタ回路では、レベル減少時の際には差信号SMによるエフェクト効果は生じないようにしたいので、上記不具合を避けるために、換言すればリリースタイムを常に同等(T1R=T2R)にするために図1の回路構成としているのである。
【0021】
なお、本発明のオーディオ・エフェクタ回路は構成要素としてアタックタイムの異なる2つのALC回路を備え、それらに同一のオーディオ信号を加え、それらの出力信号の差信号を元のオーディオ信号に加える構成を基本とするが、これに加えてノイズに反応しないように、図1のように上記基本的なオーディオ・エフェクタ回路の入口と出口にそれぞれノイズ成分の除去の第1のローパスフィルタLPF1と第2のローパスフィルタLPF2を挿入しておくのが好ましい実施形態といえる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路は、上記のように構成されているため、
(1)元の音楽ソース(オーディオ信号SIN)の音量増加が著しい部分の信号変化に応じた検出信号を、ALC出力信号S10、S20間の差信号SMとして抽出することができる。したがって、差信号SMをそのまま若しくはLPFを介してオーディオ信号SINに加え合わせることによって、オーディオ信号SINの音量増加がが著しい部分に対して振幅拡張のエフェクト効果を与えることができる。よって、音の強弱の変化が大きい音楽ソースに対して強弱にメリハリを付けて音楽聴取時の躍動感を大きく向上させることができる。
(2)クラシック音楽等の穏やかな音量変化が主体の音楽ソースに対してはALC出力信号S1O、S2Oとの間にほとんど変化がなく差信号SMはほぼゼロとなって、オーディオ信号SINにほとんど変化を与えず、音の強弱に不自然な変化を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の回路図である。
【図2】本発明に係るオーディオ・エフェクタ回路の振幅制御を説明するための波形模式図である。
【図3】従来技術のALC回路図である。
【図4】ALC回路におけるアタックタイムとリリースタイムを説明するための波形図である。
【符号の説明】
1 バッファアンプ
5 第1オートマチック・レベル・コントロール回路
7 第2オートマチック・レベル・コントロール回路
9 引き算器
10 オーディオ・エフェクタ回路
11 VCA回路
12 フィードバック回路
13 アンプ
15 ALC回路
D1、D ダイオード
SIN オーディオ信号
S1O、S2O 出力
SM 差信号
TA、T1A、T2A アタックタイム
TR、T1R、T2R リリースタイム
V0 制御値
LPF1、LPF2 ローパスフィルタ
Claims (1)
- リリースタイムがアタックタイムよりも長い第1のオートマチック・レベル・コントロール回路と、リリースタイムが前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路の値と同等の値に設定され、且つアタックタイムが前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路の値よりも長くなるように設定された第2のオートマチック・レベル・コントロール回路と、を備えるとともに、同一のオーディオ信号が直接又は第1のローパスフィルタを通して前記第1のオートマチック・レベル・コントロール回路及び第2のオートマチック・レベル・コントロール回路に入力されて、両回路の出力の差信号を抽出して直接又は第2のローパスフィルタを通して元のオーディオ信号に加える構成であることを特徴とするオーディオ・エフェクタ回路。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002330322A JP2004166033A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | オーディオ・エフェクタ回路 |
US10/702,520 US7460674B2 (en) | 2002-11-14 | 2003-11-07 | Audio effector circuit |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002330322A JP2004166033A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | オーディオ・エフェクタ回路 |
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ID=32290092
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US (1) | US7460674B2 (ja) |
JP (1) | JP2004166033A (ja) |
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