JP2004165098A - 負極および電池、並びにそれらのその製造方法 - Google Patents

負極および電池、並びにそれらのその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期安定性を向上させることができる負極および電池、並びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】負極21は、プラスチックなどよりなる成膜用基体21Aの上に、乾式成膜法または湿式成膜法により形成された拡散防止層21B,負極集電体層21Cおよび負極活物質層21Dを有している。拡散防止層21BはTiまたはTaにより構成され、Liが成膜用基体21Aに拡散することを抑制し、成膜用基体21Aの破壊あるいは負極集電体層21Cの剥離を防止する。よって、負極21の長期安定性を向上させることができると共に、負極21の薄膜化および表面の平坦性向上を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成膜用基体に負極集電体層が設けられた負極、およびこの負極を用いた電池、並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話,ノート型PC,ハンディカム,PDAなどのポータブル機器の電源用として小型で高エネルギー密度を有する高性能二次電池の要求が高まっている。現在、一般的に用いられている高性能二次電池としては、正極にリチウムイオンを離脱・挿入可能なリチウム遷移金属酸化物を用い、負極にカーボンを用いたリチウムイオン二次電池が挙げられる。しかし、このリチウムイオン二次電池は負極にカーボンを用いているので、本来リチウム(Li)が持つ高エネルギー密度を充分には達成することができず、これに代わるさらなる高容量エネルギーデバイスの要求が大きくなっている。
【0003】
一方、同じリチウム系二次電池でも、負極にカーボンを用いたリチウムイオン二次電池に比べて高エネルギー密度を得ることができるものとして、負極にリチウムと金属間化合物を形成する合金を用いたものや、または負極に金属リチウムを用い、リチウムの析出・溶解反応を利用したものなどが注目されている。このような二次電池の実用化が可能となれば、カーボンを用いた負極に比べ、負極の薄膜化が可能となり、エネルギー密度を一層向上させることができる。
【0004】
しかし、例えば負極に高容量合金を用いた二次電池においては、充放電に伴い活物質の激しい膨張・収縮がおこるので、負極が粉砕により微細化してしまい、集電性の低下や表面積の増大に起因する電解液の分解反応が促進され、サイクル特性は極めて悪い。
【0005】
また、金属リチウムの析出・溶解反応を伴うリチウム二次電池も古くから検討が行われているにも関わらず、未だ様々な問題点が残されており、実用化が難しい。その原因の一つとしては、充放電サイクルに伴い不均一なリチウムの析出が起こり、金属リチウムの針状結晶が生じることが挙げられる。この針状結晶が生成すると、成長した針状結晶が脱落してしまい、電池寿命が著しく低下するだけでなく、内部短絡を引き起こす可能性も高くなり、性能面、安全性共に大きな問題となる。他にも、金属リチウムは反応性が非常に高いことも挙げられ、電解質との反応や、あるいは析出した金属リチウムの安全性などの問題が生じてしまう。
【0006】
更に、金属リチウムを用いた負極では、一般的に圧延形成したリチウム箔を用いることが多いが、圧延加工によるリチウム箔の薄膜化は困難であり、圧延リチウム箔を用いた場合には高エネルギー密度化というメリットが小さくなる。加えて、圧延リチウム箔は、圧延痕により表面に凹凸が形成されていることが多いので、圧延リチウム箔の表面に再現性のない酸化被膜が形成されてしまうという問題がある。更にまた、最近では安全性等の観点から高分子電解質を用いたリチウム系二次電池の検討も盛んであるが、このような圧延リチウム箔を用いると負極と電解質との接触性などの問題も生じてしまう。
【0007】
そこで、これらの問題点を解消するために、金属リチウム層を乾式成膜法により形成し、更に、金属リチウム層の上に乾式成膜法によりリチウムイオン伝導性を有する無機化合物層を形成するという試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。また、金属リチウム層を圧延金属集電体箔上に形成すると、圧延金属集電体箔の表面性を金属リチウム層が受け継いでしまい、平滑面が得られず、無機化合物層による被覆効果が少ないので、表面性の優れた成膜用基体上に負極集電体層を薄膜成膜法により形成することも検討されている(例えば、特許文献2参照。)。例えば、この特許文献2では、プラスチックフィルム上に、銅(Cu),ステンレス,ニッケル(Ni),亜鉛(Zn),クロム(Cr)あるいはこれらの合金により負極集電体層を形成し、その上に金属リチウム層を形成している。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−141058号公報
【特許文献2】
米国特許第6025094号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、銅およびステンレスはプラスチックとの密着性が悪いので、これらにより負極集電体層を形成すると、負極集電体層が剥離しやすいという問題があった。また、亜鉛はリチウムと合金化し、クロムはリチウムを透過あるいは拡散するため、これらを負極集電体層として形成すると、リチウムとの反応により負極集電体層が膨張して剥離したり、あるいは成膜用基体が破壊されてしまうという問題があった。よって、成膜用基体の上に負極集電体層を形成した負極では、長期安定性が低く、サイクル特性が大きく劣化してしまうという問題があった。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、長期安定性を向上させることができる負極およびこれを用いた電池、並びにそれらの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の負極は、成膜用基体と、この成膜用基体に設けられた負極集電体層と、この負極集電体層と前記成膜用基体との間に設けられ、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層とを備えたものである。
【0012】
本発明による第2の負極は、成膜用基体と、この成膜用基体に設けられ、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層とを備えたものである。
【0013】
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、成膜用基体と、この成膜用基体に設けられた負極集電体層と、この負極集電体層と前記成膜用基体との間に設けられ、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層とを有するものである。
【0014】
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、成膜用基体と、この成膜用基体に設けられ、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層とを備えたものである。
【0015】
本発明による第1の負極の製造方法は、成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層を形成する工程と、この拡散防止層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により負極集電体層を形成する工程とを含むものである。
【0016】
本発明による第2の負極の製造方法は、成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層を形成する工程を含むものである。
【0017】
本発明による第1の電池の製造方法は、正極および負極と共に電解質を備えた電池を製造するものであって、成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層を形成する工程と、この拡散防止層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により負極集電体層を形成する工程とを含むものである。
【0018】
本発明による第2の電池の製造方法は、正極および負極と共に電解質を備えた電池を製造するものであって、成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層を形成する工程を含むものである。
【0019】
本発明による第1および第2の負極、並びに第1および第2の電池では、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層または負極集電体層により、電極反応種の拡散が抑制され、負極集電体層の剥離あるいは成膜用基体の破壊が防止される。よって、安定性が向上する。
【0020】
本発明による第1の負極の製造方法および第1の電池の製造方法では、成膜用基体の上に、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により拡散防止層および負極集電体層が形成される。また、本発明による第2の負極の製造方法および第2の電池の製造方法では、成膜用基体の上に、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により負極集電体層が形成される。よって、本発明の負極および電池を容易に得られると共に、負極表面の平滑性が向上し、特性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、フィルム状の外装部材10の内部に電池素子20を封入したものである。外装部材10は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム(Al)箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせたラミネートフィルムにより構成されている。外装部材10は、例えば、ポリエチレンフィルム側が電池素子20と対向するように配設されており、外縁部が融着あるいは接着剤により密着されている。なお、外装部材10は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルムあるいはポリプロピレンなどの高分子フィルムにより構成されてもよい。
【0023】
電池素子20は、負極21と正極22とが電解質23を介して対向配置されている。負極21は、成膜用基体21Aの上に、拡散防止層21Bと、負極集電体層21Cと、負極活物質層21Dとがこの順に積層され、負極集電体層21Cに負極端子21Eが取り付けられた構造を有している。
【0024】
成膜用基体21Aは、拡散防止層21B,負極集電体層21Cおよび負極活物質層21Dを成膜するためのものであり、成膜面の表面粗度は小さい方が良好な成膜性を得ることができるので好ましい。成膜用基体21Aを構成する材料としては、例えば、シリコン(Si)などの半導体や、酸化アルミニウム(Al),アルチック(Al−TiC)あるいは酸化マグネシウム(MgO)などのセラミックスや、ガラス、またはプラスチックが好ましい。
【0025】
中でも、プラスチックは、成膜用基体21Aの薄膜化が容易であり、高い柔軟性を得ることができると共に、表面粗度を小さくすることにより圧延金属箔と比べても良好な面を有する負極活物質層21Dを容易に形成することができるので好ましい。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、アラミド、ポリエチレン−2,6−ナフトール、ポリカーボネート、あるいはポリ塩化ビニルなどが挙げられるが、薄さあるいは表面性などの条件に応じて他のプラスチック材料を用いても良い。
【0026】
また、成膜用基体21Aをプラスチックフィルムにより構成する場合には、図示しないが、成膜用基体21Aを外装部材として用いてもよい。
【0027】
拡散防止層21Bは、チタン(Ti)またはタンタル(Ta)により構成されており、リチウムが成膜用基体21Aに拡散することを防止するためのものである。拡散防止層21Bは成膜用基体21Aと負極集電体層21Cとの間に設けられていればよく、図示しないが、成膜用基体21Aまたは負極集電体層21Cとの間に他の層が挿入されていてもよい。但し、チタンおよびタンタルは、ガラスあるいはプラスチックとの密着性がよく、また金属リチウムとの反応性,透過性も低いので、図1に示したように、成膜用基体21Aおよび負極集電体層21Cと接していてもよい。
【0028】
負極集電体層21Cは、集電機能を有するので、リチウムとの激しい反応を伴うものは好ましくない。リチウムとの反応性が高く容易に合金化する金属を用いると、充放電に伴い体積が膨張収縮し、負極集電体層21Cの破壊が起こってしまうからである。但し、この二次電池では拡散防止層21Bを備えているので、多少の反応や、あるいは透過が起こる材料を用いてもよい。負極集電体層21Cを構成する材料としては、例えば、銅,ニッケル,モリブデン(Mo),チタン,タンタル,それらのうちの少なくとも1 種を含む合金、あるいはステンレスが好ましい。中でも、銅はリチウムの拡散,透過が起こりうることが確認されているものの、安価で成膜が容易であるので好ましい。
【0029】
負極活物質層21Dは、金属リチウムにより、または、リチウムを吸蔵・離脱可能な材料により構成されている。リチウムを吸蔵・離脱可能な材料としては、例えば、マグネシウム(Mg),アルミニウム,ケイ素(Si),カルシウム(Ca),亜鉛,ガリウム(Ga),銀(Ag),インジウム(In),スズ(Sn),バリウム(Ba),鉛(Pb),ビスマス(Bi),およびこれらのうちの少なくとも1種を含む化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。
【0030】
負極端子21Eは、例えば、アルミニウム、銅あるいはニッケルなどの金属材料により構成されており、一端部が外装部材10から外部に導出されている。
【0031】
正極22は、例えば、正極集電体22Aと正極活物質層22Bとが積層され、正極集電体22Aに正極端子22Cが取り付けられた構成を有している。正極集電体22Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層22Bは、例えば、正極活物質と、カーボンブラックあるいはグラファイトなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とを含有して構成されている。また、正極活物質層22Bは、例えば正極集電体22Aに成膜された正極活物質の薄膜により構成されていてもよい。
【0032】
正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物あるいはリチウム含有リン酸化合物などのリチウム含有化合物が好ましい。中でも、リチウム遷移金属複合酸化物およびリチウム含有リン酸化合物は高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば化学式LiMOで表されるものが挙げられる。式中、Mは1種類以上の遷移金属元素を表し、特にコバルト(Co),ニッケル、およびマンガン(Mn)からなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。xの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.12である。このようなリチウム遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoO,LiNiO,LiNiCo1−z (yおよびzは電池の充放電状態によって異なり通常、0<y<1、0.7<z<1.02である)あるいはスピネル型構造を有するLiMnなどが挙げられる。
【0033】
正極端子22Cは、例えば、アルミニウム、銅あるいはニッケルなどの金属材料により構成されており、一端部が外装部材10から外部に導出されている。なお、図1では、正極端子22Cと負極端子21Eとが紙面において上下に位置するように描いてあるが、実際は、紙面に対して前後にずれて位置している。
【0034】
電解質23には、例えば、液状の電解質である電解液、高分子化合物に電解液を保持させたいわゆるゲル状電解質、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子電解質、または、これらと無機固体電解質とを混合したものが挙げられる。このように、電解液、ゲル状電解質、あるいは高分子電解質を含むようにすれば、負極21および正極22と電解質23との接触性を良好とすることができると共に、電池自体の柔軟性を高くすることができるので好ましい。
【0035】
電解液としては、例えば、有機溶媒などの非水溶媒に電解質塩であるリチウム塩を溶解させたものが好ましい。溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどが挙げられる。溶媒には、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
リチウム塩としては、例えば、LiClO,LiAsF,LiPF,LiBF,LiB(C,LiCHSO,LiCFSO,LiClあるいはLiBrが挙げられ、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
ゲル状電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリアクリロニトリルあるいはポリメタクリロニトリル、またはこれらを繰り返し単位に含むものが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
【0038】
高分子電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドに代表されるようなエーテル結合を有するものが挙げられる。電解質塩としては、上述したリチウム塩が挙げられる。
【0039】
無機固体電解質としては、例えば、フッ化リチウム(LiF),塩化リチウム(LiCl),臭化リチウム(LiBr),ヨウ化リチウム(LiI),窒化リチウム(LiN),酸化リチウム(LiO),リン酸リチウム(LiPO),ケイ酸リチウム(LiSiO),硫化リチウム(LiS),リン化リチウム(LiP),炭酸リチウム(LiCO),硫酸リチウム(LiSO)あるいは窒化ホスホリルリチウム(LiPON)を含むものが挙げられる。
【0040】
なお、図示しないが、負極21と正極22との間に、必要に応じてセパレータを設けるようにしてもよい。例えば、電解質23を電解液あるいはゲル状電解質により構成する場合には、セパレータを設けた方が好ましく、その場合には、例えばセパレータに電解質23が含浸された状態となる。
【0041】
このような構成を有する二次電池は、例えば次のようにして製造することができる。
【0042】
まず、表面を研磨し洗浄した成膜用基体21Aの上に、例えば、スパッタリング法,真空蒸着法,レーザーアブレーション法,イオンプレーティング法,あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition )法などの乾式成膜法、または電解めっき法あるいは無電解めっき法などの湿式成膜法により、拡散防止層21Bを成膜する。このようにすれば、高い平坦性を有する拡散防止層21Bを容易に得られるので好ましい。電解めっき法を用いる場合には、成膜用基体21Aに予め電子伝導性を有するめっき下地を形成しておけばよい。
【0043】
次いで、例えば、拡散防止層21Bの上に、上述した乾式成膜法または湿式成膜法により、負極集電体層21Cを成膜する。このようにすれば、薄くかつ高い平坦性を有する負極集電体層21Cを容易に得られるので好ましい。負極集電体層21Cの成膜は、拡散防止層21Bを成膜したのち、大気中に暴露することなく連続して成膜することが好ましいが、密着性に問題がない場合には連続成膜しなくてもよい。電解めっき法を用いる場合には、成膜用基体21Aに予めめっき下地を形成しておいてもよいが、拡散防止層21Bをめっき下地として用いてもよい。湿式成膜法、特に電解めっき法は成膜速度が速いので、負極集電体層21Cをμm単位の膜厚で成膜する場合には有利である。よって、乾式成膜法により拡散防止層21Bの上に負極集電体層21Cを薄く連続成膜したのち、電解めっき法により負極集電体層21Cを厚膜化するようにしてもよい。この場合、負極集電体層21Cの材料は乾式成膜法と湿式成膜法とで同一でもよく、異なっていてもよい。
【0044】
続いて、負極集電体層21Cの上に、負極活物質層21Dを形成する。例えば、負極活物質層21Dを金属リチウムにより形成する場合には、乾式成膜法により成膜することが好ましく、特に、真空蒸着法またはイオンプレーティング法が好ましい。金属リチウムの活性が非常に高いからである。また例えば、負極活物質層21Dをリチウムを吸蔵・離脱可能な材料により形成する場合には、上述した乾式成膜法または湿式成膜法により成膜する。このようにすれば、従来の圧延リチウム箔よりも薄膜化しかつ表面の平坦性を高くすることができるので好ましい。
【0045】
そののち、負極集電体層21Cに負極端子21Eを取り付け、負極21を形成する。
【0046】
また、例えば、正極活物質と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調製し、正極集電体22Aに塗布して正極活物質層22Bを形成する。または、上述した乾式成膜法により、正極集電体22Aに正極活物質層22Bを成膜する。次いで、正極集電体22Aに正極端子22Cを取り付け、正極22を形成する。
【0047】
そののち、負極21と正極22とを、負極活物質層21Dの側と正極活物質層22Bの側とを対向させ、電解質23を介して積層し、外装部材10の内部に封入する。なお、電解質23は、負極21と正極22との間に介在させた図示しないセパレータに含浸させるようにしてもよく、負極21および正極22の少なくとも一方に塗布することにより形成するようにしてもよく、負極21および正極22とは別に図示しない基板上で形成するようにしてもよい。また、上述したように、成膜用基体21Aをプラスチックフィルムにより形成することにより、成膜用基体21Aを外装部材10として用いてもよい。これにより図1に示した二次電池が完成する。
【0048】
この二次電池は、例えば次のように作用する。
【0049】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極22からリチウムイオンが離脱し、電解質23を介して、負極21に析出または吸蔵される。例えば、負極活物質層21Dが金属リチウムにより構成される場合には、負極活物質層21Dの上に金属リチウムとなって析出し、負極活物質層21Dがリチウムを吸蔵・離脱可能な材料により構成される場合には、負極活物質層21Dに吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極21から金属リチウムがイオンとなって溶出し、またはリチウムイオンが離脱し、電解質23を介して正極22に吸蔵される。
【0050】
この二次電池では、充電状態において活性の高い金属リチウムまたはリチウム化合物が負極集電体層21Cの上に存在するが、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層21Bを有しているので、リチウムが成膜用基体21Aに拡散することが抑制される。よって、リチウムの拡散による成膜用基体21Aの破壊や、あるいは負極集電体層21Cの脱落が防止される。また、負極活物質層21Dの表面の平坦性が高くなっているので、圧延金属箔を用いる場合に比べて金属リチウムの均一な析出・溶解反応が促進され、またはリチウムの吸蔵・脱離反応が促進される。
【0051】
このように本実施の形態では、負極21がチタンまたはタンタルよりなる拡散防止層21Bを備えるようにしたので、リチウムが成膜用基体21Aに拡散することを抑制することができ、リチウムの拡散による成膜用基体21Aの破壊および負極集電体層21Cの脱落を防止することができる。よって、長期安定性を向上させることができ、長寿命化を図ることができる。
【0052】
特に、成膜用基体21Aの上に、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により、拡散防止層21B,負極集電体層21Cおよび負極活物質層21Dを形成するようにすれば、負極21の薄膜化および表面の平坦性向上を図ることができる。よって、薄膜化により電池のエネルギー密度を向上させることができると共に、平坦性向上により電極反応を促進させることができ、特性を向上させることができる。
【0053】
また、成膜用基体21Aをプラスチックにより構成するようにすれば、容易に薄膜化することができると共に、高い柔軟性を得ることもでき、更に成膜用基体21Aを外装部材として用いることもできる。よって、電池設計の選択肢を広げることができる。
【0054】
[第2の実施の形態]
図2は本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の組み立て時における構成を表すものである。この二次電池は、組み立て時には負極活物質層21Dを備えておらず、充電時に負極集電体層21Cの上に金属リチウムが析出することにより、金属リチウムよりなる負極活物質層21Dが形成されることを除き、第1の実施の形態と同一の構成・作用・効果を有している。また、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。よって、ここでは同一の構成要素には同一の符合を付し、その詳細な説明を省略する。
【0055】
[第3の実施の形態]
図3は本発明の第3の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、第1の実施の形態における電池素子20に代えて、負極31の構成が異なる電池素子30を備えたことを除き、第1の実施の形態と同一の構成・作用・効果を有している。また、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。よって、ここでは同一の構成要素には同一の符合を付し、その詳細な説明を省略する。
【0056】
負極31は、第1の実施の形態における拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cに代えて、チタンまたはタンタルよりなる負極集電体層31Cを備えている。他は第1の実施の形態の負極21と同一である。すなわち、本実施の形態は、第1の実施の形態における拡散防止層21Bと負極集電体層21Cとを同一の材料により構成した場合に該当し、負極集電体層31Cに拡散防止機能も持たせたものである。
【0057】
なお、第2の実施の形態に係る二次電池についても、拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cに代えて、図4に示したように、チタンまたはタンタルよりなる負極集電体層31Cを備えるようにしてもよい。
【0058】
[第4の実施の形態]
図5は本発明の第4の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、第1の実施の形態における電池素子20に代えて、負極41の構成が異なる電池素子40を備えたことを除き、第1の実施の形態と同一の構成・作用・効果を有しており、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。よって、ここでは同一の構成要素には同一の符合を付し、その詳細な説明を省略する。
【0059】
負極41は、負極活物質層21Dの電解質23の側に、イオン伝導性を有する無機化合物層41Fを備えている。他は第1の実施の形態における負極21と同一である。無機化合物層41Fは、負極活物質層21Dにおける金属リチウムの均一な析出・溶解反応、またはリチウムの均一な吸蔵・離脱反応を促進すると共に、金属リチウムが針状に成長することを防止するためのものである。また、負極活物質層21Dの表面を被覆することにより、電解質23と負極活物質層21Dとの反応を抑制するためのものである。特に、本実施の形態では負極活物質層21Dの表面が平坦化されているので、無機化合物層41Fによる表面被覆効果およびリチウム析出界面の平準化効果が大きい。
【0060】
無機化合物層41Fは、クラックおよびピンホールなどが少ない良好な膜質を有することが好ましく、ある程度の柔軟性を有することが好ましい。無機化合物層41Fを構成する材料としては、例えば、薄膜化が可能であり、できるだけ高いイオン伝導性を有するものが好ましい。例えば、リチウムイオン伝導度が1×10−8S/cm以上のものが好ましい。但し、被覆効果の高いものであれば、これよりも小さいリチウムイオン伝導度を有するものでもかまわない。また、無機化合物層41Fは活性の高い負極活物質層21Dと直接接するので、金属リチウムと反応しないものか、または、金属リチウムとの反応生成物が電子伝導性を持たないものが好ましい。なお、無機化合物層41Fは正極22とは直接接触しないので、電解質23としてイオン伝導性の無機化合物を用いる場合と異なり、高い分解電圧を有する必要はない。
【0061】
無機化合物層41Fを構成する好ましい材料としては、例えば、フッ化リチウム,塩化リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,窒化リチウム,酸化リチウム,リン酸リチウム,ケイ酸リチウム,硫化リチウム,リン化リチウム,炭酸リチウム,硫酸リチウムおよび窒化ホスホリルリチウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。例えば、これらのうちのいずれか1種または2種以上からなるものでもよく、また、これらにイオン伝導性を向上させるために硫化ケイ素(SiS),二酸化ケイ素(SiO),硫化リン(P)あるいは酸化リン(P)などの他の化合物を添加したものでもよい。これらのうちの2種以上を含むものとしては、リン酸リチウムとケイ酸リチウムとの固溶体(LiPO−LiSiO)などが挙げられ、他の化合物を含むものとしては、硫化リチウムと硫化リンとの固溶体(LiS−P)、あるいは硫化リチウムと硫化ケイ素との固溶体(LiS−SiS)などが挙げられる。
【0062】
無機化合物層41Fを構成する好ましい材料としては、また、原材料に上述したリチウム化合物のうちの少なくとも1種を含むリチウム化合物を含有するものも挙げられる。このようなリチウム化合物としては、例えば、リン酸リチウムを原材料として用い、窒素ガス雰囲気中において反応性スパッタリングを行うことにより得られる窒化ホスホリルリチウムがある。
【0063】
なお、無機化合物層41Fを構成する材料は、非晶質のものが好ましいが、結晶性を有するものでもよい。また、これらの材料は化学量論組成に限らず、非化学量論組成のものでもよい。
【0064】
この無機化合物層41Fは、例えば、次のようにして形成することができる。例えば、負極活物質層21Dが金属リチウムの場合には、スパッタリング法,真空蒸着法,レーザーアブレーション法,イオンプレーティング法あるいはCVD法などの乾式成膜法により、負極活物質層21Dの上に成膜する。このような乾式成膜法を用いることにより、緻密で平準な化合物の薄膜を制御よく形成することができるので、負極活物質層21Dと無機化合物層41Fとの界面、すなわち金属リチウムの析出面は均一な状態に制御される。
【0065】
また例えば、負極活物質層21Dがリチウムを吸蔵・脱離可能な材料よりなる場合には、上述した乾式成膜法の他に、ゾルゲル法などの湿式成膜法により成膜するようにしてもよい。なお、この負極活物質層21Dは、電池として動作させる際に水分や溶媒の影響を大きく受けるので、湿式成膜法を用いる場合には注意が必要である。但し、ゾルゲル法のように比較的高温で焼成させる場合は、水分および溶媒を十分に除去することができるので好ましい。
【0066】
無機化合物層41Fの原料には、フッ化リチウム,塩化リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,窒化リチウム,酸化リチウム,リン酸リチウム,ケイ酸リチウム,硫化リチウム,リン化リチウム,炭酸リチウムおよび硫酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むもの用いることが好ましい。すなわち、これらのうちのいずれか1種あるいは2種以上を用いてもよく、または、これらの少なくとも1種と、他の材料とを用いてもよい。また、これらの少なくとも1種を原料として用い、成膜時に反応ガスと反応させるようにしてもよい。なお、無機化合物層41Fを負極活物質層21Dと異なる成膜装置により成膜するようにしてもよいが、同一あるいは連結された成膜装置により連続して成膜するようにしてもよい。
【0067】
この二次電池では、第1の実施の形態と同様に、充電により負極活物質層21Dの上に金属リチウムが析出し、放電により溶出する。または、充電により負極活物質層21Dにリチウムが吸蔵され、放電により離脱する。その際、負極活物質層21Dの表面は圧延金属箔を用いる場合に比べて平坦化されており、更に、無機化合物層41Fはリチウムイオンの輸率が1であり、濃度分極がないので、負極活物質層21Dにおける金属リチウムの均一な析出・溶解反応、またはリチウムの均一な吸蔵・離脱反応がより促進される。また、無機化合物層41Fにより、金属リチウムが針状に成長することが防止されると共に、負極活物質層21Dと電解質23との反応が防止される。
【0068】
このように本実施の形態では、負極41が更に無機化合物層41Fを備えるようにしたので、第1の実施の形態における効果に加えて、負極活物質層21Dにおける均一な金属リチウムの析出・溶解反応、または均一なリチウムの吸蔵・離脱反応をより促進させ、充放電効率を向上させることができる。また、金属リチウムの針状成長を抑制することができ、ショートの危険性を小さくすると共に、金属リチウムの脱落を防止し、容量の劣化を小さくすることができる。更に、負極活物質層21Dと電解質23との反応を抑制することができ、それにより電解質23の組成の選択肢が広がり、電池の性能を高めることができると共に、反応による容量劣化を防止することができる。
【0069】
特に、無機化合物層41Fを乾式成膜法により形成するようにすれば、負極活物質層21Dと無機化合物層41Fとの界面を均一な状態に容易に制御することができ、金属リチウムを均一に析出させることができる。よって、サイクルに伴う容量の劣化を抑制することができる。
【0070】
なお、本実施の形態についても、第2の実施の形態と同様に、例えば図6に示したように、組み立て時には負極活物質層21Dを備えておらず、充電時に負極集電体層21Cの上に金属リチウムが析出することにより、金属リチウムよりなる負極活物質層21Dが形成されるように構成してもよい。
【0071】
また、第3の実施の形態と同様に、例えば図7に示したように、拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cに代えて、チタンまたはタンタルよりなる負極集電体層31Cを有する負極51を備えた電池素子50を用いるようにしてもよい。これは、図3に示した二次電池に、本実施の形態の無機化合物層41Fを設けたものである。
【0072】
更に、例えば図8に示したように、組み立て時には負極活物質層21Dを備えておらず、充電時に負極集電体層21Cの上に金属リチウムが析出することにより、金属リチウムよりなる負極活物質層21Dが形成されると共に、拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cに代えて、チタンまたはタンタルよりなる負極集電体層31Cを有する負極51を備えた電池素子50を用いるようにしてもよい。これは、図4に示した二次電池に、本実施の形態の無機化合物層41Fを設けたものである。
【0073】
[第5の実施の形態]
図9は本発明の第5の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、第1の実施の形態における電池素子20に代えて、正極62および電解質63の構成が異なる電池素子60を備えたことを除き、第1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここでは同一の構成要素には同一の符合を付し、その詳細な説明を省略する。
【0074】
正極62および電解質63は、成膜用基体21Aの上に、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたものである。すなわち、本実施の形態に係る二次電池は、成膜用基体21Aの上に、負極集電体層21B,負極活物質層21C,電解質63,正極活物質層62Bおよび正極集電体層62Aを全て成膜することにより形成されたものである。これにより、より薄膜化を図ることができると共に、電解質63と正極62との接合を良好とすることができ、更に、正極62にバインダーを用いないので、良好な負荷特性を得ることができるようになっている。
【0075】
正極集電体層62Aは、例えば、白金(Pt)あるいは金(Au)などの酸化還元電位が貴である金属により構成することが好ましい。正極活物質層62Bは、第1の実施の形態と同様に、乾式成膜法または湿式成膜法により形成可能なリチウム遷移金属複合酸化物あるいはリチウム含有リン酸化合物などのリチウム含有化合物により構成することが好ましい。中でも、リチウム遷移金属複合酸化物およびリチウム含有リン酸化合物は高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。
【0076】
電解質63は、例えば、無機固体電解質により構成される。無機固体電解質の構成材料は、第1の実施の形態において説明した無機固体電解質、または第4の実施の形態における無機化合物層41Fと同様である。
【0077】
なお、この二次電池では、図示しないが、電池素子60を水分・酸素遮断層および絶縁層としての機能を有する高分子層あるいは無機化合物層により覆うようにしてもよい。例えば、拡散防止層21B,負極集電体層21C,負極活物質層21D,電解質63,正極活物質層62Bおよび正極集電体層62Aをこれらにより覆うようにしてもよく、成膜用基体21Aを含めた全体をこれらにより覆うようにしてもよい。この場合、第1の実施の形態と同様に、電池素子60をラミネートフィルムなどのフィルム状の外装部材10に封入するようにしてもよいが、これら高分子層あるいは無機化合物層を外装部材とし、フィルム状の外装部材10には封入しなくてもよい。また、成膜用基体21Aを外装部材として用いてもよい。
【0078】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0079】
まず、第1の実施の形態と同様にして、成膜用基体21Aの上に、拡散防止層21B,負極集電体層21Cおよび負極活物質層21Dを順次成膜する。次いで、負極活物質層21Dの上に、例えば、スパッタリング法,真空蒸着法,レーザーアブレーション法,イオンプレーティング法あるいはCVD法などの乾式成膜法、またはゾルゲル法などの湿式成膜法により、電解質63を成膜する。
【0080】
続いて、電解質63の上に、例えば、同様にスパッタリング法,真空蒸着法,レーザーアブレーション法,イオンプレーティング法あるいはCVD法などの乾式成膜法、またはゾルゲル法などの湿式成膜法により、正極活物質層62Bを成膜する。例えば、正極活物質であるリチウム含有化合物を原料として用いたスパッタリングにより成膜するようにしてもよく、組成を制御するために酸素ガスを導入した反応性スパッタリングにより成膜するようにしてもよい。また、結晶構造を制御するために成膜中に基板を加熱したり、成膜後にアニールを行ってもよい。なお、負極活物質層21Dを金属リチウムにより構成する場合には、金属リチウムの融点が197℃であるので、それよりも高温での熱処理は行えない。負極活物質層21Dをリチウムの吸蔵・離脱可能な材料により構成する場合には、それよりも高温での熱処理も可能である。
【0081】
そののち、正極活物質層62Bの上に、例えば乾式成膜法により正極集電体層62Aを成膜する。次いで、マスクを用いてパターンニングを行い、例えば乾式成膜法により負極端子21Eおよび正極端子22Cを形成するようにしてもよく、金属箔を貼り付けることにより負極端子21Eおよび正極端子22Cを形成するようにしてもよい。続いて、必要に応じて電池素子60を高分子層あるいは無機化合物層により覆い、外装部材10に封入する。これにより図9に示した二次電池が得られる。
【0082】
この二次電池では、第1の実施の形態と同様に、充電により正極活物質層62Bからリチウムイオンが離脱し、電解質63を介して、負極活物質層21Dに析出または吸蔵される。また、放電により負極活物質層21Dからリチウムイオンが溶出または離脱し、電解質63を介して、正極活物質層62Bに吸蔵される。その際、電解質63が無機化合物により構成されているので、無機化合物層41Fを設けた第4の実施の形態と同様に、負極活物質層21Dにおける金属リチウムの均一な析出・溶解反応、またはリチウムの均一な吸蔵・離脱反応が促進されると共に、金属リチウムが針状に成長することが防止される。また、正極活物質層62Bにバインダーを用いていないので、良好な負荷特性が得られる。
【0083】
このように本実施の形態では、更に、電解質63および正極62を乾式成膜法または湿式成膜法により形成するようにしたので、第1の実施の形態における効果に加えて、第4の実施の形態と同様に、負極活物質層21Dにおける金属リチウムの析出・溶解反応、またはリチウムの吸蔵・離脱反応をより促進させることができると共に、金属リチウムの針状成長を抑制することができる。
【0084】
また、電解液,ゲル状電解質あるいは高分子電解質を用いる場合に比べて、電池をより薄膜化することができ、エネルギー密度をより向上させることができる。更に、正極62にバインダーを用いていないので、良好な負荷特性を得ることができる。加えて、成膜用基体21Aの上に負極活物質層21Dを形成し、その上に正極62を形成するようにしたので、正極の上に負極を形成する場合に比べて、リチウムの析出界面の平坦性を高くすることができ、リチウムの析出・溶解反応をより均一とすることができる。更にまた、リチウムに敏感な他のデバイスとの併用も可能となり、電池の形成基体の選択肢を広げることができる。
【0085】
なお、本実施の形態についても、第2の実施の形態と同様に、例えば図10に示したように、組み立て時には負極活物質層21Dを備えておらず、充電時に負極集電体層21Cの上に金属リチウムが析出することにより、金属リチウムよりなる負極活物質層21Dが形成されるように構成してもよい。
【0086】
また、第3の実施の形態と同様に、例えば図11に示したように、拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cに代えて、チタンまたはタンタルよりなる負極集電体層31Cを有する負極71を備えた電池素子70を用いるようにしてもよい。これは、図3に示した二次電池の正極22および電解質23を、本実施の形態の正極62および電解質63に代えたものである。
【0087】
更に、例えば図12に示したように、組み立て時には負極活物質層21Dを備えておらず、充電時に負極集電体層21Cの上に金属リチウムが析出することにより、金属リチウムよりなる負極活物質層21Dが形成されると共に、拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cに代えて、チタンまたはタンタルよりなる負極集電体層31Cを有する負極71を備えた電池素子70を用いるようにしてもよい。これは、図4に示した二次電池の正極22および電解質23を、本実施の形態の正極52および電解質63に代えたものである。
【0088】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0089】
(実施例1〜3)
第1の実施の形態において説明した二次電池を作製した(図1参照)。その際、負極21は次のようにして作製した。まず、実施例1,3では、表面粗さ(Ra)が0.003μm程度の鏡面研磨ガラスよりなる成膜用基体21Aを用意し、その表面をアセトンおよびイソプロピルアルコールにより十分に洗浄した。実施例2では、表面粗さ(Ra)が0.003μm以下のアラミド(芳香族ポリアミド)よりなる成膜用基体21Aを用意した。
【0090】
次いで、成膜用基体21Aの上に、直流マグネトロンスパッタリング装置を用い、厚み50nmの拡散防止層21Bを成膜し、続いて、銅よりなる厚み500nmの負極集電体層21Cを連続成膜した。その際、実施例1,2ではチタンにより拡散防止層21Bを形成し、実施例3ではタンタルにより拡散防止層21Bを形成した。そののち、負極集電体層21Cの上に、チャンバー内圧力5×10−4Pa以下とした真空蒸着法により、金属リチウムよりなる厚み10μmの負極活物質層21Dを成膜した。負極活物質層21Dを成膜したのち、負極集電体層21Cに負極端子21Eを取り付けた。
【0091】
また、正極22は次のようにして作製した。まず、正極活物質であるリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)と、導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを、分散媒であるN−メチルピロリドンを用いて混合し、正極合剤を作製した。次いで、この正極合剤をアルミニウム箔よりなる正極集電体22Aの上に塗布し、一昼夜加熱乾燥したのち、ヒートプレスを行い、正極活物質層22Bを形成した。続いて、正極集電体22Aに正極端子22Cを取り付けた。
【0092】
更に、電解質23は次のようにして作製した。まず、モノマー溶液に電解質塩としてLiBFを溶解させたのち、モノマーを紫外線により架橋させた。次いで、24時間以上の真空加熱乾燥を行い、厚み40μm程度の高分子電解質とした。
【0093】
作製した負極21,電解質23および正極22はこの順に積層したのち、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材10の内部に真空封入し、実施例1〜3の二次電池とした。
【0094】
実施例1〜3に対する比較例1として、アセトンおよびイソプロピルアルコールにて充分に洗浄を行った圧延銅箔の上に実施例1〜3と同様にして真空蒸着法により金属リチウムよりなる負極活物質層21Dを成膜したことを除き、他は実施例1〜3と同様にして二次電池を作製した。また、実施例1〜3に対する比較例2,3として、拡散防止層21Bをクロムにより形成したことを除き、他は実施例1〜3と同様にして二次電池を作製した。なお、比較例2では実施例1,3と同様にガラスよりなる成膜用基体21を用い、比較例3では実施例2と同様にアラミドよりなる成膜用基体21を用いた。
【0095】
作製した実施例1〜3および比較例1〜3の二次電池について充放電を行い、初回放電容量を100%とした時の30サイクル目の容量維持率を調べた。充電は、設計容量を5時間で放電しきる電流値で電池電圧が4.2Vに達するまで定電流充電したのち、4.2Vで電流値が定電流充電時の5%となるまで定電圧充電し、放電は、定電流充電時の電流値で電池電圧が3.0Vになるまで定電流放電を行った。表1にそれらの結果を示す。
【0096】
【表1】
Figure 2004165098
【0097】
表1から分かるように、実施例1〜3によれば、圧延銅箔を用いた比較例1よりも高い容量維持率が得られた。これは従来の圧延箔とは異なり、表面粗さの小さい鏡面研磨ガラスまたはアラミドよりなる成膜用基体21Aの上に負極集電体層21Cを形成したことで、良好なリチウム析出溶解面が得られたためであると考えらえる。
【0098】
また、実施例1〜3によれば、拡散防止層をクロムにより構成した比較例2,3よりも高い容量維持率が得られた。比較例2,3では、リチウムが銅よりなる負極集電体層、更にクロムよりなる拡散防止層を透過し、成膜用基体または負極集電体の破壊が起こるので、集電機能が低下してしまい、サイクル中に急激な容量劣化が観察された。サイクル後に実施例1〜3および比較例2,3の負極21を解体したところ、比較例2,3では負極の破壊が観察されたが,実施例1〜3では観察されなかった。
【0099】
すなわち、成膜用基体21Aに負極集電体層21Cを形成し、その間にチタンまたはタンタルよりなる拡散防止層21Bを設けるようにすれば、負極21の長期安定性を向上させることができ、電池の長期安定性を向上させ、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0100】
(実施例4)
第3の実施の形態において説明した二次電池を作製した(図3参照)。その際、拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cに代えて、チタンよりなる厚み500nmの負極集電体層31Cを形成したことを除き、他は実施例1と同様とした。作製した実施例4の二次電池についても、実施例1〜3と同様にして充放電を行い、30サイクル目の容量維持率を調べた。その結果を実施例1および比較例1,2の結果と共に表2に示す。
【0101】
【表2】
Figure 2004165098
【0102】
表2から分かるように、実施例4の容量維持率は実施例1とほぼ同じであり、比較例1,2よりも高い値が得られた。実施例4についてもサイクル後に負極31を解体したところ、負極31の破壊は観察されなかった。すなわち、負極集電体層31Cをチタンまたはタンタルにより構成し、拡散防止機能を持たせるようにしても、負極31の長期安定性を向上させることができ、電池の長期安定性を向上させ、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0103】
(実施例5)
第4の実施の形態において説明した二次電池を作製した(図5参照)。その際、負極活物質層21Dの上に、リン酸リチウムを原材料として用い、窒素ガス雰囲気中において高周波反応性スパッタ法を行うことにより、窒化ホスホリルリチウム(LiPON)よりなる厚み1μmのリチウムイオン伝導性を有する無機化合物層41Fを形成した。他は実施例1と同様とした。また、本実施例に対する比較例4として、拡散防止層21Bをクロムにより形成したことを除き、実施例5と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例5および比較例4の二次電池についても、実施例1〜3と同様にして充放電を行い、30サイクル目の容量維持率を調べた。その結果を実施例1および比較例2の結果と共に表3に示す。
【0104】
【表3】
Figure 2004165098
【0105】
表3から分かるように、無機化合物層41Fを形成した実施例5によれば、実施例1よりも更に容量維持率を向上させることができた。これに対して、拡散防止層にクロムを用いた比較例4では、無機化合物層を形成したことによる容量維持率の向上は見られるものの、比較例2と同様に、負極の破壊に起因する容量維持率の大きな劣化が見られた。すなわち、成膜用基体21Aにチタンまたはタンタルよりなる拡散防止層21Bおよび負極集電体層21Cを形成し、更に無機化合物層41Fを設けるようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
【0106】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、負極21,31,41,51,71と正極22,62とを積層した単層型の二次電池について説明したが、負極と正極とを積層し、巻回した巻回型の二次電池、あるいは負極と正極とを複数積層した積層型の二次電池についても同様に適用することができる。
【0107】
また、上記実施の形態および実施例では、フィルム状の外装部材に電池素子を封入した二次電池について説明したが、他の形状、例えばいわゆる円筒型、角型、コイン型、ボタン型あるいはカード型などの二次電池についても適用することができる。更に、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
【0108】
加えて、上記実施の形態および実施例では、電極反応種としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、負極活物質層21D、無機化合物層41F、正極活物質層22B,62B、あるいは電解質23,63などは、その軽金属に応じて選択される。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の負極、または請求項15ないし請求項30のいずれか1項に記載の電池によれば、チタンあるいはタンタルよりなる拡散防止層、または、チタンあるいはタンタルよりなる負極集電体層を備えるようにしたので、電極反応種が成膜用基体に拡散することを抑制することができ、電極反応種の拡散による成膜用基体の破壊および負極集電体層の脱落を防止することができる。よって、長期安定性を向上させることができ、長寿命化を図ることができる。
【0110】
特に、請求項3記載の負極、または請求項18記載の電池、または請求項31ないし請求項35のいずれか1に記載の負極の製造方法、または請求項36ないし請求項41のいずれか1に記載の電池の製造方法によれば、成膜用基体の上に乾式成膜法あるいは湿式成膜法により負極集電体層を形成するようにしたので、負極の薄膜化および表面の平坦性向上を図ることができる。よって、薄膜化により電池のエネルギー密度を向上させることができると共に、平坦性向上により電極反応を促進させることができ、特性を向上させることができる。
【0111】
また、請求項6ないし請求項8および請求項12ないし請求項14のいずれか1に記載の負極、または請求項20ないし請求項22および請求項26ないし請求項28のいずれか1に記載の電池によれば、無機化合物層を更に備えるようにしたので、均一な電極反応をより促進させ、充放電効率を向上させることができる。また、負極と電解質との反応を抑制することができ、電解質の選択肢が広がることにより、電池の性能を高めることができると共に、反応による容量劣化を防止することができる。
【0112】
更に、請求項30記載の電池、または請求項41記載の電池の製造方法によれば、正極および電解質を乾式成膜法あるいは湿式成膜法により形成するようにしたので、均一な電極反応をより促進させ、充放電効率を向上させることができると共に、電池をより薄膜化することができ、エネルギー密度をより向上させることができる。また、正極にバインダーを用いないので、良好な負荷特性を得ることができる。更に、他のデバイスとの併用も可能となり、電池の形成基体の選択肢を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の組み立て時の構成を表す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る二次電池の変形例を表す組み立て時の断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る二次電池の変形例を表す組み立て時の断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る二次電池の他の変形例を表す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る二次電池の他の変形例を表す組み立て時の断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る二次電池の変形例を表す組み立て時の断面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る二次電池の他の変形例を表す断面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る二次電池の他の変形例を表す組み立て時の断面図である。
【符号の説明】
10…外装部材、20,30,40,50,60,70…電池素子、21,31,41,51,71…負極、21A…成膜用基体、21B…拡散防止層,21C,31C…負極集電体層、21D…負極活物質層、21E…負極端子、22,62…正極、22A…正極集電体、22B,62B…正極活物質層、22C…正極端子、23,63…電解質、41F…無機化合物層、62A…正極集電体層。

Claims (41)

  1. 成膜用基体と、
    この成膜用基体に設けられた負極集電体層と、
    この負極集電体層と前記成膜用基体との間に設けられ、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層と
    を備えたことを特徴とする負極。
  2. 成膜用基体と、
    この成膜用基体に設けられ、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層と
    を備えたことを特徴とする負極。
  3. 前記成膜用基体は、半導体,セラミックス,ガラスあるいはプラスチックよりなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の負極。
  4. 前記負極集電体層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の負極。
  5. 前記拡散防止層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項1記載の負極。
  6. 更に、前記負極集電体層に設けられたイオン伝導性を有する無機化合物層を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の負極。
  7. 前記無機化合物層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項6記載の負極。
  8. 前記無機化合物層は、フッ化リチウム,塩化リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,窒化リチウム,酸化リチウム,リン酸リチウム,ケイ酸リチウム,硫化リチウム,リン化リチウム,炭酸リチウム,硫酸リチウムおよび窒化ホスホリルリチウムからなる群のうちの少なくとも1種、または原材料にこれらのうちの少なくとも1種を含むリチウム化合物を含有することを特徴とする請求項6記載の負極。
  9. 更に、前記負極集電体層に設けられた負極活物質層を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の負極。
  10. 前記負極活物質層は、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項9記載の負極。
  11. 前記負極活物質層は、金属リチウムよりなる、または、マグネシウム,アルミニウム,ケイ素,カルシウム,亜鉛,ガリウム,銀,インジウム,スズ,バリウム,鉛,ビスマス,およびこれらのうちの少なくとも1種を含む化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む材料よりなることを特徴とする請求項9記載の負極。
  12. 更に、前記負極活物質層に設けられたイオン伝導性を有する無機化合物層を備えたことを特徴とする請求項9記載の負極。
  13. 前記無機化合物層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項12記載の負極。
  14. 前記無機化合物層は、フッ化リチウム,塩化リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,窒化リチウム,酸化リチウム,リン酸リチウム,ケイ酸リチウム,硫化リチウム,リン化リチウム,炭酸リチウム,硫酸リチウムおよび窒化ホスホリルリチウムからなる群のうちの少なくとも1種、または原材料にこれらのうちの少なくとも1種を含むリチウム化合物を含有することを特徴とする請求項12記載の負極。
  15. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、成膜用基体と、この成膜用基体に設けられた負極集電体層と、この負極集電体層と前記成膜用基体との間に設けられ、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層とを有することを特徴とする電池。
  16. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、成膜用基体と、この成膜用基体に設けられ、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層とを備えたことを特徴とする電池。
  17. 前記成膜用基体は、半導体,セラミックス,ガラスあるいはプラスチックよりなることを特徴とする請求項15または請求項16記載の電池。
  18. 前記負極集電体層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項15または請求項16記載の電池。
  19. 前記拡散防止層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項15記載の電池。
  20. 前記負極は、更に、前記負極集電体層に設けられたイオン伝導性を有する無機化合物層を有することを特徴とする請求項15または請求項16記載の電池。
  21. 前記無機化合物層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項20記載の電池。
  22. 前記無機化合物層は、フッ化リチウム,塩化リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,窒化リチウム,酸化リチウム,リン酸リチウム,ケイ酸リチウム,硫化リチウム,リン化リチウム,炭酸リチウム,硫酸リチウムおよび窒化ホスホリルリチウムからなる群のうちの少なくとも1種、または原材料にこれらのうちの少なくとも1種を含むリチウム化合物を含有することを特徴とする請求項20記載の電池。
  23. 前記負極は、更に、前記負極集電体層に設けられた負極活物質層を備えたことを特徴とする請求項15または請求項16記載の電池。
  24. 前記負極活物質層は、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項23記載の電池。
  25. 前記負極活物質層は、金属リチウムよりなる、または、マグネシウム,アルミニウム,ケイ素,カルシウム,亜鉛,ガリウム,銀,インジウム,スズ,バリウム,鉛,ビスマス,およびこれらのうちの少なくとも1種を含む化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む材料よりなることを特徴とする請求項23記載の電池。
  26. 前記負極は、更に、前記負極活物質層に設けられたイオン伝導性を有する無機化合物層を備えたことを特徴とする請求項23記載の電池。
  27. 前記無機化合物層は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項26記載の電池。
  28. 前記無機化合物層は、フッ化リチウム,塩化リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,窒化リチウム,酸化リチウム,リン酸リチウム,ケイ酸リチウム,硫化リチウム,リン化リチウム,炭酸リチウム,硫酸リチウムおよび窒化ホスホリルリチウムからなる群のうちの少なくとも1種、または原材料にこれらのうちの少なくとも1種を含むリチウム化合物を含有することを特徴とする請求項26記載の電池。
  29. 前記電解質は、電解液,ゲル状電解質あるいは高分子電解質を含むことを特徴とする請求項15または請求項16記載の電池。
  30. 前記電解質および前記正極は、乾式成膜法または湿式成膜法により形成されたことを特徴とする請求項15または請求項16記載の電池。
  31. 成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層を形成する工程と、
    この拡散防止層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により負極集電体層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする負極の製造方法。
  32. 成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層を形成する工程を含むことを特徴とする負極の製造方法。
  33. 更に、負極集電体層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、イオン伝導性を有する無機化合物層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項31または請求項32記載の負極の製造方法。
  34. 更に、負極集電体層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により負極活物質層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項31または請求項32記載の負極の製造方法。
  35. 更に、負極活物質層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、イオン伝導性を有する無機化合物層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項34記載の負極の製造方法。
  36. 正極および負極と共に電解質を備えた電池の製造方法であって、
    成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなる拡散防止層を形成する工程と、
    この拡散防止層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により負極集電体層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする電池の製造方法。
  37. 正極および負極と共に電解質を備えた電池の製造方法であって、
    成膜用基体の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、チタンまたはタンタルよりなり拡散防止機能を有する負極集電体層を形成する工程を含むことを特徴とする電池の製造方法。
  38. 更に、負極集電体層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、イオン伝導性を有する無機化合物層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項36または請求項37記載の電池の製造方法。
  39. 更に、負極集電体層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により負極活物質層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項36または請求項37記載の電池の製造方法。
  40. 更に、負極活物質層の上に、乾式成膜法または湿式成膜法により、イオン伝導性を有する無機化合物層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項39記載の電池の製造方法。
  41. 更に、乾式成膜法または湿式成膜法により、電解質および正極を形成する工程を含むことを特徴とする請求項36または請求項37記載の電池の製造方法。
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