JP2004164751A - 回転ヘッド装置およびそれを用いた磁気記録再生装置 - Google Patents

回転ヘッド装置およびそれを用いた磁気記録再生装置 Download PDF

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    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/52Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with simultaneous movement of head and record carrier, e.g. rotation of head
    • G11B5/53Disposition or mounting of heads on rotating support
    • G11B5/531Disposition of more than one recording or reproducing head on support rotating cyclically around an axis
    • G11B5/534Disposition of more than one recording or reproducing head on support rotating cyclically around an axis inclined relative to the direction of movement of the tape, e.g. for helicoidal scanning

Abstract

【課題】転送レートを大きくすることができ、狭トラック化および低コスト化を図ることが可能な回転ヘッド装置およびこれを用いた磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】第1のアジマス角度を有する2つ以上の磁気再生素子113a,113b,113e,113fを有する第1の磁気ヘッドH100A,H100Cと、第2のアジマス角度を有する2つ以上の磁気再生素子113c,113d,113g,113hを有する第2の磁気ヘッドH100B,H100Dとが回転ドラム100aに搭載されている。磁気ヘッドH100A,H100B,H100C,H100Dのそれぞれの磁気再生素子113a,113b,113c,113d,113e,113f,113g,113hは、3以上の奇数本の記録トラックを挟んで同じアジマス角度で記録された記録トラックを同時に走査する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気ヘッドを備えた回転ヘッド装置およびこれを用いた磁気記録再生装置に係り、さらに詳しくは、2つ以上の磁気再生素子を有する磁気ヘッドが搭載された回転ヘッド装置およびこれを用いた磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像機器での磁気記録再生装置、またはコンピュータ用のデータを保存する磁気記録再生装置などには、回転ヘッド装置の回転ドラムに磁気ヘッドが搭載され、磁気テープが前記回転ドラムにヘリカル軌跡で接触して走行するとともに前記回転ドラムが回転して、磁気テープに対してヘリカルスキャン方式で記録再生動作が行なわれるものがある。
【0003】
図19は磁気ヘッドが搭載された状態で磁気記録再生装置に設けられる回転ヘッド装置を示す平面図、図20は図19に示す回転ヘッド装置に磁気テープが接触した状態を示す部分拡大図、図21は前記回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの一例を示す斜視図、図22は図21に示す磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側(図21における図示Y2方向側)から見た平面図、図23は前記回転ヘッド装置に搭載された他の磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側から見た平面図、図24は磁気テープの記録面を回転ドラム側から示した平面図である。
【0004】
図19に示す回転ヘッド装置1では、固定ドラム(図示せず)が固定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム1aが回転自在に支持され、モータ(図示せず)の動力により前記回転ドラム1aが矢印方向へ回転駆動される。
【0005】
前記磁気記録再生装置には、磁気テープTを供給する側のリールハブ31と巻取り側のリールハブ32が回転自在に収納されており、磁気テープTは両リールハブ31と32に渡って巻かれている。
【0006】
磁気テープTはローディングポスト33により引出され、回転ヘッド装置1に巻き付けられる。
【0007】
磁気テープTの再生動作では、磁気テープTはピンチローラ34によりキャプスタン35に圧接させられ、キャプスタン35の回転速度により磁気テープTは一定の速度Vにより走行させられる。
【0008】
記録媒体である磁気テープTは、回転ヘッド装置1にヘリカル軌跡にて所定角度で巻付けられて矢印方向へ走行する。この間、回転ドラム1aが回転し、この回転ドラム1aに搭載された磁気ヘッドH1、H2が磁気テープTを走査する。図19の回転ヘッド装置では、再生用の磁気ヘッドH1,H2が互いに対向する位置に設けられている。
【0009】
図21に示すように、前記磁気ヘッドH1は、アルミナチタンカーバイドからなる基体2上に、再生用のMR型薄膜磁気ヘッド3、および保護膜である絶縁層4が薄膜形成プロセスによって形成され、さらに、前記絶縁層4上に、エポキシ系接着剤などの接着手段(図示せず)によって、アルミナチタンカーバイドからなる保護基体5が接着されている。
【0010】
MR型薄膜磁気ヘッド3の磁気ギャップ6は、前記薄膜磁気ヘッドH1の磁気テープの対向面H1Aに露出している。MR型薄膜磁気ヘッド3に流される電流は、電極7を通じて与えられる。
【0011】
前記磁気ヘッドH1は前記回転ドラム1aに搭載された状態で図20に示す状態で前記磁気テープTと当接する。このとき、図20に示すα方向が回転ドラム1aの回転方向であり、β方向が磁気テープTの摺動方向である縦方向となる。
【0012】
前記磁気ヘッドH1は前記縦方向に沿って曲率半径Rで形成される凸円弧形状に形成されている。また、前記磁気ヘッドH1は前記縦方向と直交する方向である横方向に沿って曲率半径rで形成される凸円弧形状に形成されている。
【0013】
前記記録再生装置はいわゆるヘリカルスキャン方式である。したがって図22に示すように、前記磁気ヘッドH1に設けられた前記MR型磁気ヘッド3の前記磁気ギャップ6には、回転ドラム1aの回転方向(磁気テープTに対する磁気再生素子の走査方向)に対する垂線Vに対してヘリカル軌跡に対応した角度θ1の第1のアジマスが付けられている。
【0014】
すなわち図22に示すように、前記磁気ヘッド磁気ヘッドH1では、前記MR型磁気ヘッド3の前記磁気ギャップ6に、前記回転方向に対する垂線Vから一方向へ角度θ1だけ傾く第1のアジマスが付けられている。
【0015】
また、前記テープ対向面H1Aの右側縁8および左側縁9も前記磁気ギャップ6のアジマスと同じ角度θ1で傾斜させられている。前記右側縁8と上縁10との交叉部に生じた鋭角部12は、前記右側縁8と下縁11との交叉部に生じた角部13よりも前記縦方向に向って外側に位置しており、また前記左側縁9と上縁10との交叉部に生じた角部14は、前記左側縁9と下縁11との交叉部に生じた鋭角部15よりも前記縦方向に向って内側に位置している。したがって、前記対向面H1Aの磁気テープ側から見た平面形状は図22に示すような平行四辺形に構成されている。
【0016】
一方、前記磁気ヘッドH2も前記磁気ヘッドH1とほぼ同様の構造を有し、且つ前記回転ドラム1aに搭載される。しかし、前記磁気ヘッドH2は図23に示すように、前記磁気ヘッドH2に設けられたMR型薄膜磁気ヘッド43の磁気ギャップ16に角度θ2の第2のアジマスが付けられている。この第2のアジマス角度θ2は、前記垂線Vに対して、前記第1の磁気ヘッドH1の前記第1のアジマス角度θ1と逆向きの傾き角度であり、θ1とθ2の絶対位置は一般的に等しい。また、前記磁気ヘッドH2のテープ対向面H2Aの右側縁18および左側縁19も前記磁気ギャップ16のアジマスと同じ角度θ2で傾斜させられている。前記右側縁18と下縁21との交叉部に生じた鋭角部23は、前記右側縁18と上縁20との交叉部に生じた角部22よりも前記縦方向に向って外側に位置しており、また前記左側縁19と下縁21との交叉部に生じた角部25は、前記左側縁19と上縁20との交叉部に生じた鋭角部24よりも前記縦方向に向って内側に位置している。したがって、前記対向面H1Aの磁気テープ側から見た平面形状は図23に示すように、前記磁気ヘッドH1とは逆方向に傾斜した状態の平行四辺形に構成されている。
【0017】
図24に示すように、磁気テープTには第1のアジマス角度である前記θ1で信号が記録されているRトラック(R1、R2、R3、……)と、第2のアジマス角度である前記θ2で信号が記録されたLトラック(L1、L2、L3……)の2種類の記録トラックが形成されている。そして、この記録トラックは、R1トラックとL1トラックの2トラックによりフレームF1が構成され、同様にR2トラックとL2トラックの2トラックによりフレームF2が構成され、これらのフレームF1およびフレームF2のそれぞれのフレームにより、例えば垂直同期信号間の1画面が形成される。
【0018】
図24に示すように、RトラックおよびLトラックの記録トラックが形成されている磁気テープTに前記磁気ヘッドH1およびH2が走査したとき、前記磁気ヘッドH1に形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド3がRトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。一方、前記磁気ヘッドH2に形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド43はLトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。
【0019】
このような回転ヘッド装置1では、磁気テープTに記録された信号を読み取って、磁気テープTを送る速度を速くする、いわゆる転送レートを大きくするために、前記回転ドラム1aに搭載する磁気ヘッドの数を増やすことが行われている。
【0020】
また、1つの磁気ヘッドに複数のMR型薄膜磁気ヘッドを設けることも提案されている。この場合、各MR型薄膜磁気ヘッドを磁気テープの摺動方向にそれぞれ所定寸法ずらして設けたものや、各MR型薄膜磁気ヘッドの両側端部に設けられる電極を、隣りに位置する他のMR型薄膜磁気ヘッドと共通のものとすることによって、磁気テープの摺動方向と直交する方向(磁気テープの記録トラック幅方向)におけるMR型薄膜磁気ヘッド間の長さ寸法を小さくし、高記録密度化に対応できるように構成されたものもある。
【0021】
このような磁気ヘッドが開示されている特許文献として、以下に示すものがある。
【0022】
【特許文献1】
特開2001−184610号公報
【特許文献2】
特開平10−334417号公報
【特許文献3】
特開平11−175926号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、回転ドラムに搭載する磁気ヘッドの数を増やすことは、コストの増大になる。また、近年の高記録密度化に伴なう狭トラック化によって、磁気テープの記録トラックの位置に、MR型薄膜磁気ヘッドの走査位置を合致させることが難しくなって来ているが、磁気ヘッドの数が増えると、記録トラックとMR型薄膜磁気ヘッドの走査位置を合致させることがさらに困難となる。
【0024】
一方、1つの磁気ヘッドに、複数のMR型薄膜磁気ヘッドを磁気テープの摺動方向にそれぞれ所定寸法ずらして設けたものでは、それぞれのMR型薄膜磁気ヘッドに電極が必要となるため、今後の高記録密度化に伴なう狭トラック化に対応するには限界がある。
【0025】
また、隣りに位置する他のMR型薄膜磁気ヘッドと電極を共通のものとすることによって、MR型薄膜磁気ヘッド間の長さ寸法を小さくしたものについても、狭トラック化に対応するには限界がある。すなわち、高記録密度化に伴なう狭トラック化を図るには、磁気テープの摺動方向と直交する方向(磁気テープの記録トラック幅方向)における各MR型薄膜磁気ヘッド間の距離を、極めて短くする必要がある。しかし、MR型薄膜磁気ヘッドの両側端部に設けられるハードバイアス層はMR型薄膜磁気ヘッドと比較すると非常に大きなものであるため、隣りどうしに位置するMR型薄膜磁気ヘッド間の前記距離を小さくするには限界があり、今後の狭トラック化に適切に対応できない。
【0026】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、転送レートを大きくすることができるとともに、低コスト化および狭トラック化を図ることが可能な回転ヘッド装置およびこれを用いた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外周面が記録媒体との摺動面となる回転ドラムと、前記回転ドラムの摺動面に位置する複数の磁気ヘッドとが設けられた回転ヘッド装置において、
前記回転ドラムには、記録媒体との摺動方向に対して第1のアジマス角度を有する少なくとも2つの磁気再生素子を有する第1の磁気ヘッドと、記録媒体との摺動方向に対して前記第1のアジマス角度と逆に傾斜した第2のアジマス角度を有する少なくとも2つの磁気再生素子を有する第2の磁気ヘッドとが搭載されており、
回転ドラムが回転するときに、前記第1の磁気ヘッドのそれぞれの磁気再生素子が、3以上の奇数本の記録トラックを挟んで同じアジマス角度で記録された記録トラックを同時に走査し、前記第2の磁気ヘッドのそれぞれの磁気再生素子が、3以上の奇数本の記録トラックを挟んで前記第1の磁気ヘッドの磁気再生素子が走査する記録トラックと異なるアジマス角度で記録された記録トラックを同時に走査するように、第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドが位置決めされていることを特徴とするものである。
【0028】
本発明では、第1のアジマス角度で配置された2つ以上の磁気再生素子を有する磁気ヘッドと、第2のアジマス角度で配置された2つ以上の磁気再生素子を有する磁気ヘッドの双方が回転ドラムに搭載されている。そして、前記第1の磁気ヘッドでは、各磁気再生素子のそれぞれが、第1のアジマス角度で記録された複数の異なる記録トラックのうち、1つ以上の記録トラックを飛び越した位置関係にある複数の記録トラックを同時に走査し、記録情報の読み取りを行う。また前記第2の磁気ヘッドでは、各磁気再生素子のそれぞれが、第2のアジマス角度で記録された複数の異なる記録トラックのうち、1つ以上の記録トラックを飛び越した位置関係にある複数の記録トラックを同時に走査して、記録情報の読み取りを行い、前記第2の磁気ヘッドの磁気再生素子が、前記第1の磁気ヘッドの磁気再生素子とは異なるアジマス角度で記録された記録トラックを走査するような位置関係で、前記第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドとが前記回転ドラムに配置されている。本発明では、前記第1の磁気ヘッドおよび第2の磁気ヘッドに複数の磁気再生素子が設けられているため、記録トラックに記録された情報の読み取り効率を高くすることができ、記録媒体の転送レートを大きくすることが可能となる。また、前記転送レートを大きくするために磁気ヘッドの数を多くする必要がないため、低コスト化を図ることができるとともに、記録媒体の記録トラックと前記各磁気再生素子の走査位置を合致させ易い。さらに、前記第1および第2の磁気ヘッドに設けられた各磁気再生素子のそれぞれが、同じアジマス角度で記録された複数の異なる記録トラックのうち、1つ以上の記録トラックを飛び越した位置関係にある複数の記録トラックを同時に走査する。そのため、最も近い記録トラックどうしを磁気再生素子で走査する場合に比べて、各磁気再生素子間の長手方向における間隔を大きくとることができる。ゆえに、高記録密度化に伴なう狭トラック化の場合でも、磁気再生素子の両側端部にハードバイアス層などの構成部材を配置することが可能となる。
【0029】
この場合、前記第1の磁気ヘッドに設けられた前記磁気再生素子が記録トラックを走査した後に、前記第2の磁気ヘッドに設けられた前記磁気再生素子が、前記第1の磁気ヘッドに設けられた前記磁気再生素子が走査した記録トラックに隣接した記録トラックを走査するものとして構成することが好ましい。
【0030】
このように構成すると、読み取った記録情報を再生するとき、情報の出力順序を再配置し易い。
【0031】
また、前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが接近した状態で前記回転ドラムに設けられているものとして構成することができる。
【0032】
例えば、前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが接近して配置されて組を成し、この第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドとから成る組が前記回転ドラムに2組設けられており、前記それぞれの組は、前記回転ドラムの回転方向に向って90°の角度で配置されているものとして構成することができる。
【0033】
例えば、前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが接近して配置されて組を成し、この第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドとから成る組が、前記回転ドラムに180°の角度で2組配置されているものとして構成することができる。
【0034】
また、前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが、前記回転ドラムに対し180度の角度で配置されているものとして構成することができる。
【0035】
このように、1つの回転ドラムに複数の磁気ヘッドを搭載した構成の回転ヘッド装置では、磁気テープに記録された情報の読み取りを効率良く行うことが可能となる。
【0036】
また本発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の回転ヘッド装置と、前記回転ドラムの摺動面の所定角度の範囲に磁気テープを接触させてこの磁気テープを走行させる磁気テープ送り手段と、が設けられていることを特徴とする磁気記録再生装置に関するものである。
【0037】
また本発明は、請求項1ないし4記載の回転ヘッド装置と、前記回転ドラムの摺動面の所定角度の範囲に磁気テープを接触させてこの磁気テープを走行させる磁気テープ送り手段とが設けられ、磁気テープの同じ記録トラックが異なる磁気再生素子により重複して走査されないことを特徴とする磁気記録再生装置に関するものである。
【0038】
この場合、請求項4記載の回転ヘッド装置が設けられ、一方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査した後、他方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するまでに磁気テープが2トラック分だけ移送され、且つ前記他方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査した後、前記一方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するまでに磁気テープが6トラック分だけ移送されるものとして構成することができる。
【0039】
このように構成すると、磁気テープの記録トラックに記録された情報の読み取り効率を高くすることができ、磁気テープの転送レートを大きくすることが可能となる。
【0040】
また本発明は、請求項1ないし3、および5または6のいずれかに記載の回転ヘッド装置と、前記回転ドラムの摺動面の所定角度の範囲に磁気テープを接触させてこの磁気テープを走行させる磁気テープ送り手段とが設けられ、磁気テープの同じ記録トラックが異なる磁気再生素子により重複して走査されることを特徴とする磁気記録再生装置に関するものである。
【0041】
この場合、請求項5記載の回転ヘッド装置が設けられ、一方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときと、他方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときとで、磁気テープが2トラック分だけ移送されるものとして構成することができる。
【0042】
このように構成すると、同一の記録トラックに記録された情報を複数回読み取ることができるため、記録情報の読み取り不良が発生した場合でも、記録媒体の再読み取り作業を省略することができる。
【0043】
また、請求項6記載の回転ヘッド装置が設けられ、前記第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときと、前記第2の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときとで、磁気テープが1トラック分だけ移送されるものとして構成することができる。
【0044】
このように構成しても、同一の記録トラックに記録された情報を複数回読み取ることができるため、記録情報の読み取り不良が発生した場合でも、記録媒体の再読み取り作業を省略することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は磁気ヘッドが搭載された状態で磁気記録再生装置に設けられる回転ヘッド装置の第1の実施の形態の第1の例を示す平面図、図2は図1に示す回転ヘッド装置に磁気テープが接触した状態を示す部分拡大図、図3は前記回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの一例を示す斜視図、図4は図3に示す磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側(図3における図示Y2方向側)から見た平面図、図5は前記回転ヘッド装置に搭載された他の磁気ヘッドを示す斜視図、図6は図5に示す磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側(図5における図示Y2方向側)から見た平面図、図7は磁気テープの記録面と磁気ヘッドの走査との関係を磁気ヘッド側から示した平面図である。
【0046】
図1に示す回転ヘッド装置100は、映像機器での磁気記録再生装置、またはコンピュータ用のデータを保存する磁気記録再生装置などの磁気記録再生装置に搭載されている。
【0047】
図1に示す回転ヘッド装置100では、固定ドラム(図示せず)が固定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム100aが回転自在に支持され、モータの動力により前記回転ドラム100aが図示矢印方向へ回転駆動される。
【0048】
前記磁気記録再生装置には、磁気テープTを供給する側のリールハブ231と巻取り側のリールハブ232が回転自在に収納されており、磁気テープTは両リールハブ231と232に渡って巻かれている。
【0049】
磁気テープTはローディングポスト233により引出され、回転ドラム100aに巻き付けられる。
【0050】
磁気テープTの再生動作では、磁気テープTがピンチローラ234によりキャプスタン235に圧接させられ、キャプスタン235の回転により磁気テープTは一定の速度Vにより走行させられる。前記ピンチローラ234およびキャプスタン235により磁気テープ送り手段236が構成される。
【0051】
記録媒体である磁気テープTは、回転ヘッド装置100にヘリカル軌跡にて所定角度で巻付けられて矢印方向へ走行する。この間、前記回転ドラム100aが回転し、この回転ドラム100aに搭載された磁気ヘッドH100A、H100BおよびH100C、H100Dが磁気テープTを走査する。
【0052】
図1に示すように、前記回転ヘッド装置100では、再生用の磁気ヘッドH100AとH100Bが近接した位置関係で前記回転ドラム100aに設けられており、2つの前記磁気ヘッドH100AとH100Bとで第1の組の磁気ヘッド複合体H200が形成されている。同様に、再生用の磁気ヘッドH100CとH100Dが近接した位置関係で前記回転ドラム100aに設けられており、2つの前記磁気ヘッドH100CとH100Dとで第2の組の磁気ヘッド複合体H300が形成されている。図1に示すように、前記磁気ヘッド複合体H300は、前記磁気ヘッド複合体H200に対して、前記回転ドラム100aの回転方向に向って90°の回転角度位置に配置されている。
【0053】
前記磁気テープTは、前記回転ドラム100aに対して90°以下の巻き付け角度で巻き付けられることが好ましい。磁気テープTが前記巻き付け角度で前記回転ドラム100aに巻き付けられるものとして構成すると、前記磁気ヘッド複合体H200での記録情報の読み取りと、H300での記録情報の読み取りとが同時に行なわれることが無く、いわゆる記録トラック間のクロストークを防止することが可能となる。ただし、前記回転ドラム100aの直径寸法が大きく、前記クロストークが起こらない場合には、前記磁気テープTを前記回転ドラム100aに対して90度よりも大きい角度で巻き付けても良い。
【0054】
前記磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dはそれぞれが独立して形成されたものであり、それぞれの磁気ヘッドが、前記回転ドラム100aに搭載された状態で図2に示す状態で前記磁気テープTと当接する。このとき、図2に示すα方向が回転ドラム100aの回転方向であり、β方向が磁気テープTの摺動方向である縦方向となる。
【0055】
前記磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dは前記縦方向に沿って曲率半径Rで形成される凸円弧形状に形成されている。また、前記磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dは前記縦方向と直交する方向である横方向に沿って曲率半径rで形成される凸円弧形状に形成されている。
【0056】
図3に示すように、前記磁気ヘッドH100Aには、アルミナチタンカーバイドからなる基体112上に、2つの再生用のMR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、および保護膜である絶縁層114が薄膜形成プロセスによって形成され、さらに、前記絶縁層114上に、エポキシ系接着剤などの接着手段(図示せず)によって、アルミナチタンカーバイドからなる保護基体115が接着されている。
【0057】
前記MR型薄膜磁気ヘッド113a、113bの磁気ギャップ116a、116bは、前記磁気ヘッドH100Aの磁気テープの対向面H100A1に露出している。MR型薄膜磁気ヘッド113a、113bに流される電流は、電極117を通じて与えられる。
【0058】
また、前記磁気ヘッドH100B、H100CおよびH100Dも前記磁気ヘッドH100Aと同様、アルミナチタンカーバイドからなる基体112、保護膜である絶縁層114、保護基体115および電極117を有して構成されている。
【0059】
そして、図5に示すように、前記磁気ヘッドH100Bには、2つの再生用のMR型薄膜磁気ヘッド113c、113dが形成され、前記MR型薄膜磁気ヘッド113c、113dの磁気ギャップ116c、116dは、前記薄膜磁気ヘッドH100Bの磁気テープの対向面H100B1に露出している。
【0060】
また、前記磁気ヘッドH100Cでは、2つの再生用のMR型薄膜磁気ヘッド113e、113fが形成され、前記MR型薄膜磁気ヘッド113e、113fの磁気ギャップ116e、116fは、前記薄膜磁気ヘッドH100Cの磁気テープの対向面H100C1に露出している。
【0061】
また、前記磁気ヘッドH100Dでは、2つの再生用のMR型薄膜磁気ヘッド113g、113hが形成され、前記MR型薄膜磁気ヘッド113g、113hの磁気ギャップ116g、116hは、前記薄膜磁気ヘッドH100Dの磁気テープの対向面H100D1に露出している。
【0062】
前記記録再生装置はいわゆるヘリカルスキャン方式である。したがって図4または図6に示すように、前記磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dの各磁気再生素子には、回転ドラム100aの回転方向(磁気テープTに対する磁気再生素子の走査方向)に対する垂線Vに対して所定のアジマス角度が付けられている。
【0063】
すなわち図4に示すように、前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100Aでは、前記MR型磁気ヘッド113a、113bの前記磁気ギャップ116a、116bに、前記回転方向に対する垂線Vから一方向へ角度θ1だけ傾く第1のアジマスが付けられている。また、前記磁気ヘッド複合体H300の磁気ヘッドH100Cにも、前記MR型磁気ヘッド113e、113fの前記磁気ギャップ116e、116fに角度θ1の第1のアジマスが付けられている。
【0064】
一方図6に示すように、前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100Bでは、前記MR型磁気ヘッド113c、113dの前記磁気ギャップ116c、116dに角度θ2の第2のアジマスが付けられている。また、前記磁気ヘッド複合体H300の磁気ヘッドH100Dにも、前記MR型磁気ヘッド113g、113hの前記磁気ギャップ116g、116hに角度θ2の第2のアジマスが付けられている。この第2のアジマス角度θ2は、前記垂線Vに対して、前記第1のアジマス角度θ1と逆向きの傾き角度であり、θ1とθ2の絶対位置は一般的に等しい。
【0065】
すなわち、前記磁気ヘッド複合体H200では、一方の磁気ヘッドH100Aの2つの磁気再生素子が同じアジマス角度で、他方のH100Bの2つの磁気再生素子が同じアジマス角度であり、一方の磁気ヘッドH100Aと他方のH100Bとでは、磁気再生素子のアジマス角度が、互いに逆向きである。同様に、前記磁気ヘッド複合体H300では、2つの磁気ヘッドH100CとH100Dとが互いに逆のアジマス角度を有している。
【0066】
前記磁気ヘッドH100AとH100Cでは、前記MR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、および113e、113fは第1のアジマス角度を規定するアジマス規定線A1−A1線上に、長手方向に並列して配置されている。一方、前記磁気ヘッドH100BとH100Dでは、前記MR型薄膜磁気ヘッド113c、113d、および113g、113hは第2のアジマス角度を規定するアジマス規定線A2−A2線上に、長手方向に並列して配置されている。
【0067】
このように、前記MR型薄膜磁気ヘッド113aと113b、113eと113fを前記アジマス規定線A1−A1線上に長手方向に並列して配置し、または前記MR型薄膜磁気ヘッド113cと113d、および113gと113hは第2のアジマス角度を規定するアジマス規定線A2−A2線上に長手方向に並列して配置するように構成すると、薄膜形成プロセスにより前記MR型薄膜磁気ヘッド113aと113b、113eと113f、113cと113d、および113gと113hを形成する際、同一平坦面上にそれぞれほぼ同時に形成することができる。したがって、1つの磁気ヘッドに形成される2つのMR型薄膜磁気ヘッドの品質を均一にすることが可能となる。
【0068】
前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100Aと、前記磁気テープ複合体H300の磁気ヘッドH100Cは同様の構成である。前記各磁気ヘッドH100A、H100Cのテープ対向面H100A1、H100C1のそれぞれの右側縁118および左側縁119も前記第1のアジマスと同じ角度θ1で傾斜させられている。前記右側縁118と上縁120との交叉部に生じた鋭角部122は、前記右側縁118と下縁121との交叉部に生じた角部123よりも前記縦方向に向って外側に位置しており、また前記左側縁119と下縁121との交叉部に生じた鋭角部125は、前記左側縁119と上縁120との交叉部に生じた角部124よりも前記縦方向に向って外側に位置している。したがって、前記対向面H100A1、H100B1の磁気テープ側から見た平面形状は図4に示すような平行四辺形に構成されている。
【0069】
一方、前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100Bと、前記磁気テープ複合体H300の磁気ヘッドH100Dは同様の構成である。前記磁気ヘッドH100B、H100Dは図5に示すように、前記第2のアジマスが付けられている。
【0070】
前記磁気ヘッドH100B、H100Dのテープ対向面H100B1、H100D1の右側縁128および左側縁129も前記磁気ギャップ116のアジマスと同じ角度θ2で傾斜させられている。前記右側縁128と下縁131との交叉部に生じた鋭角部133は、前記右側縁128と上縁130との交叉部に生じた角部132よりも前記縦方向に向って外側に位置しており、また前記左側縁129と上縁130との交叉部に生じた鋭角部134は、前記左側縁129と下縁131との交叉部に生じた角部135よりも前記縦方向に向って外側に位置している。したがって、前記対向面H100B1、H100D1の磁気テープ側から見た平面形状は図5に示すように、前記磁気ヘッドH100A、H100Cとは逆方向に傾斜した状態の平行四辺形に構成されている。
【0071】
図7に示すように、磁気テープTには第1のアジマス角度である前記θ1で信号が記録されているRトラック(R1、R2、R3、……)と、第2のアジマス角度である前記θ2で情報が記録されたLトラック(L1、L2、L3……)の2種類の記録トラックが、交互に形成されている。そして、この記録トラックは、R1トラックとL1トラックの2トラックによりフレームF1が構成され、同様にR2トラックとL2トラックの2トラックによりフレームF2が構成され、これらのフレームF1およびフレームF2のそれぞれのフレームにより例えば垂直同期信号間の1画面が形成される。このようにして、任意の記録トラックRnとLnとでフレームFnが構成される。
【0072】
図7に示すように前記回転ヘッド装置100では、RトラックおよびLトラックの記録トラックが形成されている磁気テープTに前記磁気ヘッド複合体H200が走査したとき、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113bがRトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。また、前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113cおよび113dはLトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。
【0073】
一方、前記磁気テープTに前記磁気ヘッド複合体H300が走査したとき、前記磁気ヘッドH100Cに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113eおよび113fがRトラックを走査して記録情報の読み取りを行う。また、前記磁気ヘッドH100Dに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113g、113hがLトラックを走査して記録情報の読み取りを行う。
【0074】
以下に、前記回転ヘッド装置100の回転と、前記記録テープTの記録トラック走査の関係を説明する。
【0075】
図8は前記回転ドラム100aの回転と、前記回転ドラム100aに搭載された前記磁気ヘッド複合体H200およびH300を構成する前記各磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dに形成された前記各MR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113d、113e、113f、113gおよび113hの記録トラック走査の関係を示す図である。
【0076】
図7および図8に示すように、前記回転ドラム100aの1回転目においては、0°〜90°では、まず前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Aが磁気テープTと当接して摺動する。この際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113bが磁気テープTの記録トラックR3を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113aが磁気テープTの記録トラックR1を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Bが磁気テープTに当接して摺動する。この際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113dが磁気テープTの記録トラックL3を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113cが磁気テープTの記録トラックL1を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0077】
次に、前記回転ドラム100aが90°〜180°回転したときでは、前記磁気ヘッド複合体H300が磁気テープTと当接して摺動し、記録トラックを走査する。この際、前記磁気ヘッド複合体H300の磁気ヘッドH100C、H100Dに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113e、113f、113g、113hが、前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100A、H100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113dが走査した記録トラックに隣接する記録トラックを走査するような位置関係で、前記各磁気ヘッド複合体H200とH300とが前記回転ドラム100aに配置されている。ここで、前記磁気ヘッド複合体H200によって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッド複合体H300が記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが2トラック分移送される。
【0078】
すなわち、前記回転ドラム100aが90°〜180°回転したときでは、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Cが磁気テープTと当接して摺動する。この際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113fが磁気テープTの記録トラックR4を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113eが磁気テープTの記録トラックR2を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Dが磁気テープTに当接して摺動する。この際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113hが磁気テープTの記録トラックL4を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113gが磁気テープTの記録トラックL2を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0079】
次に、前記回転ドラム100aが2回転目の回転を開始する。この際、前記磁気ヘッド複合体H300によって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッド複合体H200が記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが6トラック分移送される。
【0080】
前記回転ドラム100aの2回転目においては、図8に示すように、0°〜90°では、まず前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Aが磁気テープTと当接して摺動した際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113bが磁気テープTの記録トラックR7を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113aが磁気テープTの記録トラックR5を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Bが磁気テープTに当接して摺動した際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113dが磁気テープTの記録トラックL7を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113cが磁気テープTの記録トラックL5を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0081】
次に、前記回転ドラム100aが90°〜180°回転したときでは、再び前記磁気ヘッド複合体H300が磁気テープTと当接して摺動し、前記磁気ヘッド複合体H300の磁気ヘッドH100C、H100Dに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113e、113f、113g、113hは、前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100A、H100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113dが走査した記録トラックに隣接する記録トラックを走査する。この際、前記磁気ヘッド複合体H200によって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッド複合体H300が記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが2トラック分移送される。
【0082】
すなわち、前記回転ドラム100aが90°〜180°回転したときでは、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Cが磁気テープTと当接して摺動し、この際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113fが磁気テープTの記録トラックR8を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113eが磁気テープTの記録トラックR6を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Dが磁気テープTに当接して摺動し、この際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113hが磁気テープTの記録トラックL8を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113gが磁気テープTの記録トラックL6を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0083】
このようにして、以降連続して前記回転ドラム100aが回転し、記録情報の読み取りを行って行く。
【0084】
このように、前記磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dには、それぞれ2つずつのMR型薄膜磁気ヘッドが形成されているため、転送レートを大きくするために前記回転ドラム100aに搭載する磁気ヘッドの数を大きく増やす必要がなく、コストの低減を図ることが可能となる。また、近年の高記録密度化に伴なう狭トラック化によって、磁気テープの記録トラックの位置に、MR型薄膜磁気ヘッドの走査位置を合致させることが難しくなって来ているが、磁気ヘッドの数が増えると、記録トラックとMR型薄膜磁気ヘッドの走査位置を合致させることがさらに困難となる。しかし、前記回転ヘッド装置100では、搭載する磁気ヘッドの数を大きく増やす必要がないため、記録トラックと、前記各MR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113d、113e、113f、113g、113hの走査位置を合致させ易い。
【0085】
また、前記各磁気ヘッド複合体H200およびH300の位置関係を、前記回転ドラム100aに対して90°に配置しているので、前記各磁気ヘッドH100A,H100B,H100C,H100Dを前記回転ドラム100aに配置する作業を容易にできる。
【0086】
また、前記回転ヘッド装置100が搭載された磁気記録再生装置では、前記回転ドラム100aが1回転する毎に、同方向のアジマスの記録トラックを4つづつ、すなわち合計8トラックの記録情報の読み取りが可能である。したがって、磁気テープTの記録トラックに記録された情報の読み取り効率を高くすることができ、磁気テープTの転送レートを大きくすることが可能となる。
【0087】
この際、例えば磁気ヘッドH100Aは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113aと113bにより、記録トラックR1とR3の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR2の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113aと113bにより、記録トラックR5とR7の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR6の記録情報の読み取りは行わない。
【0088】
同様に、磁気ヘッドH100Bは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113cと113dにより、記録トラックL1とL3の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL2の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113cと113dにより、記録トラックL5とL7の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL6の記録情報の読み取りは行わない。
【0089】
磁気ヘッドH100Cでは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113eと113fにより、記録トラックR2とR4の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR3の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113eと113fにより、記録トラックR6とR8の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR7の記録情報の読み取りは行わない。
【0090】
磁気ヘッドH100Dでは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113gと113hにより、記録トラックL2とL4の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL3の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113gと113hにより、記録トラックL6とL8の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL7の記録情報の読み取りは行わない。
【0091】
このように、前記回転ヘッド装置100が搭載された磁気記録再生装置では、同じアジマスが付された複数の記録トラックのうち、1つの記録トラックを飛び越した位置関係にある複数の記録トラックを同時に走査して記録情報の読み取りを行う。このように構成することにより、磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dに形成するMR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113d、113eおよび113f、113gおよび113hの長手方向の間隔を大きく取ることができるため、高記録密度化に伴なう狭トラック化の場合でも、前記各MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113d、113eおよび113f、113gおよび113hの両側端部にハードバイアス層などの構成部材を配置することが可能となる。
【0092】
前記各MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113d、113eおよび113f、113gおよび113hにより読み取った記録情報は、磁気記録再生装置に設けられた記録信号処理部(図示せず)によって
記録情報の読み取り不良の有無が検知され、読み取り不良が発生した場合には制御部(図示せず)へその旨の信号を伝達し、制御部が回転ドラム100aを回転駆動するためのモータ(図示せず)、およびキャプスタンの回転を制御して磁気テープを巻き戻し、記録信号の再読み取りを行う。
【0093】
記録情報が記録された磁気テープTはフレームF1およびフレームF2のそれぞれのフレームにより垂直同期信号間の1画面が形成される。したがって、前記のように読み取った記録情報は、読み取り順序が再生順序に一致していない。したがって、図9に示すように、前記各磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dで読み取った記録情報をバッファメモリに記憶させ、エラー訂正を行い、記録情報を再生順序に再配置した後、読み取った記録情報の出力を行う。
【0094】
なお、前記回転ヘッド装置100では、前記回転ドラム100aに2つの磁気ヘッド複合体H200およびH300が搭載されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばさらに磁気ヘッド複合体を1つ搭載して合計3つの磁気ヘッド複合体が設けられたものとして構成することもできる。この場合、例えば、3つの磁気ヘッド複合体のうち、1つの磁気ヘッド複合体H200が搭載されている位置を0°としたときに、他の2つの磁気ヘッド複合体は前記回転ドラム100aの回転方向に対して、それぞれ90°、180度の角度で搭載するものとして構成することができる。
【0095】
さらに、合計4つの磁気ヘッド複合体を前記回転ドラム100aに搭載して前記回転ヘッド装置100を構成することもできる。この場合、例えば、4つの磁気ヘッド複合体のうち、1つの磁気ヘッド複合体H200が搭載されている位置を0°としたときに、他の3つの磁気ヘッド複合体は前記回転ドラム100aの回転方向に対して、それぞれ90°、180°、270°の角度で搭載するものとして構成することができる。
【0096】
このように前記回転ドラム100aに3つ、あるいは4つの磁気ヘッド複合体を搭載するものとして構成すると、3つ目の磁気ヘッド複合体、あるいは4つ目の磁気ヘッド複合体が、1つ目の磁気ヘッド複合体H200および2つ目の磁気ヘッド複合体H300が既に走査した磁気テープTの記録トラックを再度走査して記録情報の読み取りを行うことができる。したがって、磁気テープTの転送レートを低下させることなく、記録情報の読み取り不良が発生した場合の記録情報再読み取り作業を省略することができる。
【0097】
図10は磁気ヘッドが搭載された状態で磁気記録再生装置に設けられる回転ヘッド装置の第1の実施の形態の第2の例を示す平面図、図11は磁気テープの記録面と磁気ヘッドの走査との関係を磁気ヘッド側から示した平面図である。
【0098】
図10に示す回転ヘッド装置150は、映像機器での磁気記録再生装置、またはコンピュータ用のデータを保存する磁気記録再生装置などの磁気記録再生装置に搭載されている。
【0099】
前記回転ヘッド装置150は、図1に示した回転ヘッド装置100とほぼ同様の構成である。したがって、図10に示す回転ヘッド装置150の構成部分のうち、図1に示す前記回転ヘッド装置100と同様の構成部分には、前記回転ヘッド装置100と同じ符号を付してその詳しい説明を省略し、以下には前記回転ヘッド装置150について前記回転ヘッド装置100と異なる点を中心に説明する。
【0100】
図10に示す回転ヘッド装置150では、固定ドラム(図示せず)が固定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム150aが回転自在に支持され、モータの動力により前記回転ドラム150aが図示矢印方向へ回転駆動される。
【0101】
図10に示すように、前記回転ヘッド装置150では、図1に示した回転ヘッド装置100と同様に、再生用の磁気ヘッドH100AとH100Bで構成される第1の組の磁気ヘッド複合体H200と、再生用の磁気ヘッドH100CとH100Dで構成される第2の組の磁気ヘッド複合体H300が、回転ドラム150aに設けられている。しかし、図10に示すように、前記回転ヘッド装置150では、図1に示す回転ヘッド装置100と異なり、前記磁気ヘッド複合体H200とH300とが、前記回転ドラム150aに対して、互いに180°の回転角度、すなわち前記回転ドラム150aの中心点O1を通る中心線O1−O1線上に対向して配置されている。
【0102】
前記磁気テープTは、前記回転ドラム150aに対して180°以下の巻き付け角度で巻き付けられることが好ましい。磁気テープTが前記巻き付け角度で前記回転ドラム150aに巻き付けられるものとして構成すると、前記磁気ヘッド複合体H200での記録情報の読み取りと、H300での記録情報の読み取りとが同時に行なわれることが無く、いわゆるクロストークを防止することが可能となる。
【0103】
図11に示すように、磁気テープTには第1のアジマス角度である前記θ1で信号が記録されているRトラック(R1、R2、R3、……)と、第2のアジマス角度である前記θ2で情報が記録されたLトラック(L1、L2、L3……)の2種類の記録トラックが、交互に形成されている。そして、この記録トラックは、R1トラックとL1トラックの2トラックによりフレームF1が構成され、同様にR2トラックとL2トラックの2トラックによりフレームF2が構成され、これらのフレームF1およびフレームF2のそれぞれのフレームにより例えば垂直同期信号間の1画面が形成される。このようにして、任意の記録トラックRnとLnとでフレームFnが構成される。
【0104】
図11に示すように前記回転ヘッド装置150でも、図1に示す前記回転ヘッド装置100と同様に、RトラックおよびLトラックの記録トラックが形成されている磁気テープTに前記磁気ヘッド複合体H200が走査したとき、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113bがRトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。また、前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113cおよび113dはLトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。
【0105】
一方、前記磁気テープTに前記磁気ヘッド複合体H300が走査したとき、前記磁気ヘッドH100Cに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113eおよび113fがRトラックを走査して記録情報の読み取りを行う。また、前記磁気ヘッドH100Dに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113g、113hがLトラックを走査して記録情報の読み取りを行う。
【0106】
以下に、前記回転ヘッド装置150の回転と、前記記録テープTの記録トラック走査の関係を説明する。
【0107】
図12は前記回転ドラム150aの回転と、前記回転ドラム150aに搭載された前記磁気ヘッド複合体H200およびH300を構成する前記各磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dに形成された前記各MR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113d、113e、113f、113gおよび113hの記録トラック走査の関係を示す図である。
【0108】
図11および図12に示すように、前記回転ドラム150aの1回転目においては、0°〜180°では、まず前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Aが磁気テープTと当接して摺動する。この際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113bが磁気テープTの記録トラックR3を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113aが磁気テープTの記録トラックR1を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Bが磁気テープTに当接して摺動する。この際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113dが磁気テープTの記録トラックL3を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113cが磁気テープTの記録トラックL1を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0109】
次に、前記回転ドラム150aが180°〜360°回転したときでは、前記磁気ヘッド複合体H300が磁気テープTと当接して摺動し、記録トラックを走査する。この際、前記磁気ヘッド複合体H300の磁気ヘッドH100C、H100Dに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113e、113f、113g、113hが、前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100A、H100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113dが走査した記録トラックに隣接する記録トラックを走査するような位置関係で、前記各磁気ヘッド複合体H200とH300とが前記回転ドラム150aに配置される。ここで、前記磁気ヘッド複合体H200によって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッド複合体H300が記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが2トラック分移送される。
【0110】
すなわち、前記回転ドラム150aが180°〜360°回転したときでは、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Cが磁気テープTと当接して摺動する。この際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113fが磁気テープTの記録トラックR4を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113eが磁気テープTの記録トラックR2を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Dが磁気テープTに当接して摺動する。この際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113hが磁気テープTの記録トラックL4を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113gが磁気テープTの記録トラックL2を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0111】
次に、前記回転ドラム100aが2回転目の回転を開始する。この際、前記磁気ヘッド複合体H300によって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッド複合体H200が記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが2トラック分移送される。
【0112】
前記回転ドラム150aの2回転目においては、図12に示すように、0°〜180°では、まず前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Aが磁気テープTと当接して摺動した際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113bが磁気テープTの記録トラックR5を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113aが磁気テープTの記録トラックR3を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H200を構成する磁気ヘッドH100Bが磁気テープTに当接して摺動した際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113dが磁気テープTの記録トラックL5を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113cが磁気テープTの記録トラックL3を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0113】
次に、前記回転ドラム150aが180°〜360°回転したときでは、再び前記磁気ヘッド複合体H300が磁気テープTと当接して摺動し、前記磁気ヘッド複合体H300の磁気ヘッドH100C、H100Dに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113e、113f、113g、113hは、前記磁気ヘッド複合体H200の磁気ヘッドH100A、H100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113dが走査した記録トラックに隣接する記録トラックを走査する。この際、前記磁気ヘッド複合体H200によって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッド複合体H300が記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが2トラック分移送される。
【0114】
すなわち、前記回転ドラム150aが180°〜360°回転したときでは、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Cが磁気テープTと当接して摺動し、この際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113fが磁気テープTの記録トラックR6を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113eが磁気テープTの記録トラックR4を走査して、記録情報の読み取りを行う。次に、前記磁気ヘッド複合体H300を構成する磁気ヘッドH100Dが磁気テープTに当接して摺動し、この際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113hが磁気テープTの記録トラックL6を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113gが磁気テープTの記録トラックL4を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0115】
このようにして、以降連続して前記回転ドラム150aが回転し、記録情報の読み取りを行って行く。
【0116】
このように、前記回転ヘッド装置150も前記回転ヘッド装置100と同様、前記磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dにそれぞれ2つずつのMR型薄膜磁気ヘッドが形成されているため、コストの低減化、および、磁気テープの記録トラックの位置に、MR型薄膜磁気ヘッドの走査位置を合致させ易い。
【0117】
この際、例えば磁気ヘッドH100Aは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113aと113bにより、記録トラックR1とR3の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR2の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113aと113bにより、記録トラックR3とR5の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR4の記録情報の読み取りは行わない。
【0118】
同様に、磁気ヘッドH100Bは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113cと113dにより、記録トラックL1とL3の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL2の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113cと113dにより、記録トラックL3とL5の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL4の記録情報の読み取りは行わない。
【0119】
磁気ヘッドH100Cでは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113eと113fにより、記録トラックR2とR4の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR3の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113eと113fにより、記録トラックR4とR6の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR5の記録情報の読み取りは行わない。
【0120】
磁気ヘッドH100Dでは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113gと113hにより、記録トラックL2とL4の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL3の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113gと113hにより、記録トラックL4とL6の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL5の記録情報の読み取りは行わない。
【0121】
このように、前記回転ヘッド装置150が搭載された磁気記録再生装置では、同じアジマスが付された複数の記録トラックのうち、1つの記録トラックを飛び越した位置関係にある複数の記録トラックを同時に走査して記録情報の読み取りを行う。このように構成することにより、磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dに形成するMR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113d、113eおよび113f、113gおよび113hの長手方向の間隔を大きく取ることができるため、高記録密度化に伴なう狭トラック化の場合でも、前記各MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113d、113eおよび113f、113gおよび113hの両側端部にハードバイアス層などの構成部材を配置することが可能となる。
【0122】
また、前記回転ヘッド装置150が搭載された磁気記録再生装置では、前記回転ドラム150aが1回転する毎に、同方向のアジマスの記録トラックを4つづつ、すなわち合計8トラックの記録情報の読み取りが可能である。しかし、前記回転ヘッド装置150が搭載された磁気記録再生装置では、2回転目以降は前に読み取ったRトラックおよびLトラックのそれぞれの記録トラックを、MR型薄膜磁気ヘッド113a,113c,113eおよび113gが再度読み取ることになる。
【0123】
前記の例でいえば、前記回転ドラム150aの1回転目では、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113bがR3トラックの記録情報を読み取り、前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113dがL3トラックの記録情報の読み取り、前記薄膜磁気ヘッドH100Cに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113fがR4トラックの読み取り、前記磁気ヘッドH100Dに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113hがL4トラックの読み取りを行う。しかし、前記回転ドラム150aの2回転目で、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113aが前記1回転目で記録情報の読み取りが行なわれたR3トラックの記録情報を読み取り、前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113cが前記1回転目で記録情報の読み取りが行なわれたL3トラックの記録情報を読み取り、前記磁気ヘッドH100Cに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113eが前記1回転目で記録情報の読み取りが行なわれたR4トラックの記録情報を読み取り、前記磁気ヘッドH100Dに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113gが前記1回転目で記録情報の読み取りが行なわれたL4トラックの記録情報の読み取りを行う。
【0124】
また、前記図11には図示していないが、前記回転ドラム150aの3回転目では、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113aが前記2回転目で記録情報の読み取りが行われたR5トラックの記録情報を再度読み取り、前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113cが前記2回転目で記録情報の読み取りが行われたL5トラックの記録情報を再度読み取り、前記磁気ヘッドH100Cに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113eが前記2回転目で記録情報の読み取りが行われたR6トラックの記録情報を再度読み取り、前記磁気ヘッドH100Dに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113gが前記2回転目で記録情報の読み取りが行われたL6トラックの記録情報を再度読み取る。この際、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113bはまだ記録情報の読み取りが行われていないR7トラックの記録情報を読み取り、また前記薄膜磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113dがまだ記録情報の読み取りが行われていないL7トラックの記録情報の読み取り、前記磁気ヘッドH100Cに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113fはまだ記録情報の読み取りが行われていないR8トラックの記録情報を読み取り、前記磁気ヘッドH100Dに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113hはまだ記録情報の読み取りが行われていないL8トラックの記録情報の読み取りを行う。
【0125】
したがって、前記回転ヘッド装置150が搭載された磁気記録再生装置では、磁気テープTの記録トラックに記録された情報の読み取り効率を高くすることはできないため、実質的に磁気テープTの転送レートを大きくすることはできない。
【0126】
しかし、前記回転ヘッド装置150が搭載された磁気記録再生装置では、前記回転ドラム150aの回転開始から2回転目という早期に、記録トラックの2度読みが開始される。したがって、記録情報の読み取り不良が発生した場合でも、早期から、記録情報の再読み取り作業を省略することができる。
【0127】
前記前記各MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113d、113eおよび113f、113gおよび113hにより読み取った記録情報は、磁気記録再生装置に設けられた記録信号処理部(図示せず)によって記録情報の読み取り不良の有無が検知され、読み取り不良が発生した場合には制御部(図示せず)へその旨の信号を伝達し、制御部が回転ドラム150aを回転駆動するためのモータ(図示せず)、およびキャプスタンの回転を制御して磁気テープを巻き戻し、記録信号の再読み取りを行う。
【0128】
記録情報が記録された磁気テープTはフレームF1およびフレームF2のそれぞれのフレームにより垂直同期信号間の1画面が形成される。したがって、前記のように読み取った記録情報は、読み取り順序が再生順序に一致していない。したがって、図9に示すように、前記各磁気ヘッドH100A、H100B、H100C、H100Dで読み取った記録情報をバッファメモリに記憶させ、エラー訂正を行い、記録情報を再生順序に再配置した後、読み取った記録情報の出力を行う。
【0129】
図13は磁気ヘッドが搭載された状態で磁気記録再生装置に設けられる回転ヘッド装置の第2の実施の形態を示す平面図、図14および図15は図13に示す回転ヘッド装置に磁気テープが接触した状態を示す部分拡大図、図16は磁気テープの記録面と磁気ヘッドの走査との関係を磁気ヘッド側から示した平面図である。
【0130】
図13に示す回転ヘッド装置400は、映像機器での磁気記録再生装置、またはコンピュータ用のデータを保存する磁気記録再生装置などの磁気記録再生装置に搭載されている。
【0131】
前記回転ヘッド装置400のうち、図1に示した回転ヘッド装置100と同様の構成部分には前記回転ヘッド装置100と同じ符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0132】
図13に示す回転ヘッド装置400では、固定ドラム(図示せず)が固定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム400aが回転自在に支持され、モータの動力により前記回転ドラム400aが図示矢印方向へ回転駆動される。記録媒体である磁気テープTは、回転ヘッド装置400にヘリカル軌跡にて所定角度で巻付けられて矢印方向へ走行する。この間、前記回転ドラム400aが回転し、この回転ドラム400aに搭載された磁気ヘッドH100AおよびH100Bが磁気テープTを走査する。この磁気ヘッドH100AおよびH100Bは、図1に示す前記回転ドラム100aに搭載されたものと同じものである。
【0133】
図13に示すように、前記回転ヘッド装置400では、再生用の2つの磁気ヘッドH100AとH100Bが、前記回転ドラム400aの中心点O2を通る中心線O2−O2線上に対向して設けられている。
【0134】
前記磁気テープTは、前記回転ドラム400aに対して180°以下の巻き付け角度で巻き付けられることが好ましい。磁気テープTが前記巻き付け角度で前記回転ドラム400aに巻き付けられるものとして構成すると、前記磁気ヘッドH100Aでの記録情報の読み取りと、H100Bでの記録情報の読み取りとが同時に行なわれることが無く、いわゆるクロストークを防止することが可能となる。
【0135】
前記磁気ヘッドH100Aは前記回転ドラム400aに搭載された状態で図14に示す状態で前記磁気テープTと当接する。このとき、図14に示すα方向が前記回転ドラム400aの回転方向であり、β方向が磁気テープTの摺動方向である縦方向となる。
【0136】
同様に、前記磁気ヘッドH100Bは前記回転ドラム400aに搭載された状態で図15に示す状態で前記磁気テープTと当接し、図15に示すα方向が前記回転ドラム400aの回転方向、β方向が磁気テープTの摺動方向である縦方向となる。
【0137】
図16に示すように前記回転ヘッド装置400では、RトラックおよびLトラックの記録トラックが形成されている磁気テープTに前記磁気ヘッドH100Aが走査したとき、前記磁気ヘッドH100Aに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113bがRトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。また、前記磁気テープTに前記磁気ヘッドH100Bが走査したとき、前記磁気ヘッドH100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113cおよび113dはLトラックを走査して記録信号の読み取りを行う。
【0138】
以下に、前記回転ヘッド装置400の回転と、前記記録テープTの記録トラック走査の関係を説明する。
【0139】
図17は前記回転ドラム400aの回転と、前記回転ドラム400aに搭載された前記磁気ヘッドH100AおよびH100Bに形成された前記各MR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113cおよび113dの記録トラック走査の関係を示す図である。
【0140】
図16および図17に示すように、前記回転ドラム400aの1回転目においては、0°〜180°では、まず前記磁気ヘッドH100Aが磁気テープTと当接して摺動する。この際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113bが磁気テープTの記録トラックR3を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113aが磁気テープTの記録トラックR1を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0141】
次に、前記回転ドラム400aが180°〜360°回転したときでは、前記磁気ヘッドH100Bが磁気テープTと当接して摺動し、記録トラックを走査する。この際、前記磁気ヘッドH100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113c、113dが、前記磁気ヘッドH100Aに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113a、113bが走査した記録トラックに隣接する記録トラックを走査するような位置関係で、前記各磁気ヘッドH100AとH100Bとが前記回転ドラム400aに配置される。ここで、前記磁気ヘッドH100Aによって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッドH100Bが記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが1トラック分移送される。
【0142】
すなわち、回転ドラム400aが180°〜360°回転したときでは、前記磁気ヘッドH100Bが磁気テープTに当接して摺動する。この際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113dが磁気テープTの記録トラックL3を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113cが磁気テープTの記録トラックL1を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0143】
次に、前記回転ドラム400aが2回転目の回転を開始する。この際、前記磁気ヘッドH100Bによって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッドH100Aが記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが1トラック分移送される。
【0144】
前記回転ドラム400aの2回転目においては、図16および図17に示すように、0°〜180°では、まず前記磁気ヘッドH100Aが磁気テープTと当接して摺動した際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113bが磁気テープTの記録トラックR4を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113aが磁気テープTの記録トラックR2を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0145】
次に、前記回転ドラム400aが180°〜360°回転したときでは、再び前記磁気ヘッドH100Bが磁気テープTと当接して摺動し、前記磁気ヘッドH100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113c、113dは、前記磁気ヘッドH100Aに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113a、113bが走査した記録トラックに隣接する記録トラックを走査する。この際、前記磁気ヘッドH100Aによって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッドH100Bが記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが1トラック分移送される。
【0146】
すなわち、前記回転ドラム400aが180°〜360°回転したときでは、前記磁気ヘッドH100Bが磁気テープTに当接して摺動した際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113dが磁気テープTの記録トラックL4を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113cが磁気テープTの記録トラックL2を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0147】
次に、前記回転ドラム400aが3回転目の回転を開始する。この際、前記磁気ヘッドH100Bによって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッドH100Aが記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが1トラック分移送される。
【0148】
前記回転ドラム400aの3回転目においては、図16および図17に示すように、0°〜180°では、まず前記磁気ヘッドH100Aが磁気テープTと当接して摺動した際、まず前記MR型薄膜磁気ヘッド113bが磁気テープTの記録トラックR5を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113aが磁気テープTの記録トラックR3を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0149】
次に、前記回転ドラム400aが180°〜360°回転したときでは、再び前記磁気ヘッドH100Bが磁気テープTと当接して摺動し、前記磁気ヘッドH100Bに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113c、113dは、前記磁気ヘッドH100Aに形成されたMR型薄膜磁気ヘッド113a、113bが走査した記録トラックに隣接する記録トラックを走査する。この際、前記磁気ヘッドH100Aによって記録トラックの走査が開始された時点から、前記磁気ヘッドH100Bが記録トラックの走査を開始するまでに、磁気テープTが1トラック分移送される。
【0150】
すなわち、前記回転ドラム400aが180°〜360°回転したときでは、前記磁気ヘッドH100Bが磁気テープTに当接して摺動した際、前記MR型薄膜磁気ヘッド113dが磁気テープTの記録トラックL5を走査し、MR型薄膜磁気ヘッド113cが磁気テープTの記録トラックL3を走査して、記録情報の読み取りを行う。
【0151】
このようにして、以降連続して前記回転ドラム400aが回転し、記録情報の読み取りを行って行く。
【0152】
このように、前記磁気ヘッドH100AおよびH100Bには、それぞれ2つずつのMR型薄膜磁気ヘッドが形成されているため、転送レートを大きくするために前記回転ドラム400aに搭載する磁気ヘッドの数を大きく増やす必要がなく、コストの低減を図ることが可能となる。また、近年の高記録密度化の状況であっても、前記回転ヘッド装置400では搭載する磁気ヘッドの数を大きく増やす必要がないため、記録トラックと、前記各MR型薄膜磁気ヘッド113a、113b、113c、113dの走査位置を合致させ易い。
【0153】
この際、例えば磁気ヘッドH100Aは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113aと113bにより、記録トラックR1とR3の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR2の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113aと113bにより、記録トラックR2とR4の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR3の記録情報の読み取りは行わない。さらに、3回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113aと113bにより、記録トラックR3とR5の記録情報を同時に読み取り、記録トラックR4の記録情報の読み取りは行わない。
【0154】
同様に、磁気ヘッドH100Bは、1回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113cと113dにより、記録トラックL1とL3の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL2の読み取りは行わない。また、2回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113cと113dにより、記録トラックL2とL4の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL3の記録情報の読み取りは行わない。さらに、3回目の走査でMR型薄膜磁気ヘッド113cと113dにより、記録トラックL3とL5の記録情報を同時に読み取り、記録トラックL4の記録情報の読み取りは行わない。
【0155】
このように、前記回転ヘッド装置400が搭載された磁気記録再生装置では、同じアジマスが付された複数の記録トラックのうち、1つの記録トラックを飛び越した位置関係にある複数の記録トラックを同時に走査して記録情報の読み取りを行う。このように構成することにより、磁気ヘッドH100AおよびH100Bに形成するMR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113dの長手方向の間隔を大きく取ることができるため、高記録密度化に伴なう狭トラック化の場合でも、前記各MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113b、113cおよび113dの両側端部にハードバイアス層などの構成部材を配置することが可能となる。
【0156】
また、前記回転ヘッド装置400が搭載された磁気記録再生装置では、前記回転ドラム400aが1回転する毎に、同方向のアジマスの記録トラックを2つづつ、すなわち合計4トラックの記録情報の読み取りが可能である。しかし、前記回転ヘッド装置400が搭載された磁気記録再生装置では、3回転目以降は前に読み取ったRトラックおよびLトラックのそれぞれの記録トラックを、MR型薄膜磁気ヘッド113aおよび113cが再度読み取ることになる。
【0157】
前記の例でいえば、前記回転ドラム400aの1回転目では、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113bがR3トラックの記録情報を読み取り、また前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113dがL3トラックの記録情報の読み取りを行う。しかし、前記回転ドラム400aの3回転目で、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113aが前記1回転目で記録情報の読み取りが行なわれたR3トラックの記録情報を読み取り、また前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113cが前記1回転目で記録情報の読み取りが行なわれたL3トラックの記録情報の読み取りを行う。また、前記図16には図示していないが、前記回転ドラム400aの4回転目では、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113aが前記2回転目で記録情報の読み取りが行われたR4トラックの記録情報を再度読み取り、また前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113cが前記2回転目で記録情報の読み取りが行われたL4トラックの記録情報を再度読み取る。この際、前記磁気ヘッドH100Aに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113bはまだ記録情報の読み取りが行われていないR6トラックの記録情報を読み取り、また前記磁気ヘッドH100Bに形成された前記MR型薄膜磁気ヘッド113dがまだ記録情報の読み取りが行われていないL6トラックの記録情報の読み取りを行う。
【0158】
したがって、前記回転ヘッド装置400が搭載された磁気記録再生装置では、磁気テープTの記録トラックに記録された情報の読み取り効率を高くすることはできないため、実質的に磁気テープTの転送レートを大きくすることはできない。
【0159】
しかし、前記回転ヘッド装置400が搭載された磁気記録再生装置では、3回転目以降に記録トラックを2度読みすることによって、記録情報の読み取り不良が発生した場合でも、記録媒体の再読み取り作業を省略することができる。ここで回転ヘッド装置400では、回転ドラム400aに2つの磁気ヘッドH100AとH100Bが搭載されており、図10に示した回転ヘッド装置150よりも回転ドラム400aに搭載されている磁気ヘッドの数が少ない。したがって、前記回転ヘッド装置400の構成とすることによって、記録媒体の再読み取り作業を省略することができる回転ヘッド装置を、低コスト且つ容易に製造することができる。
【0160】
記録情報が記録された磁気テープTはフレームF1およびフレームF2のそれぞれのフレームにより垂直同期信号間の1画面が形成される。したがって、前記のように読み取った記録情報は、読み取り順序が再生順序に一致していない。したがって、図15に示すように、前記各磁気ヘッドH100A、H100Bで読み取った記録情報をバッファメモリに記憶させ、エラー訂正を行い、記録情報を再生順序に再配置した後、読み取った記録情報の出力を行う。
【0161】
以上、本発明の回転ヘッド装置について、同じ方向のアジマスで記録された複数の異なる記録トラックのうち、1つの記録トラックを飛び越した位置関係にある2つの記録トラックを、1つの磁気ヘッドで同時に走査して記録情報の読み取りを行うものを例にして説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。したがって、同じ方向のアジマスで記録された複数の異なる記録トラックのうち、2つ以上の記録トラックを飛び越した位置関係にある2つの記録トラックを1つの磁気ヘッドで同時に走査して記録情報の読み取りを行うものであっても良い。このように構成すると、1つの磁気ヘッドに形成された複数の磁気再生素子について、各磁気再生素子間の長手方向の間隔をさらに大きくとることが可能であるため、狭トラック化においても、磁気再生素子の両側端部にハードバイアス層などの構成部材を容易に配置できる。
【0162】
また、1つの磁気ヘッドで同時に走査する記録トラックは2つに限定されるものではなく、1つの磁気ヘッドに3つ以上の磁気再生素子を設け、これら各磁気再生素子のそれぞれによって、3つ以上の記録トラックを同時に走査して、記録情報の読み取りを行うものであっても良い。このように構成すると、記録媒体の転送レートをさらに大きくすることができるため、回転ヘッドに搭載する磁気ヘッドの数をさらに減少させることができる。したがって、低コスト化を効果的に図ることができるとともに、記録トラックと前記磁気再生素子の走査位置をさらに合致させ易くなる。
【0163】
【発明の効果】
本発明の回転ヘッド装置は、搭載された磁気ヘッドに設けられた2つ以上の磁気再生素子のそれぞれが、磁気テープなどの記録媒体の記録トラックのうち、同じ方向のアジマス角度で記録された複数の異なる記録トラックを同時に走査して記録の読み取りを行う。したがって、1つの磁気ヘッドの一回の走査で複数の記録トラックの記録情報を読み取ることができるため、記録媒体の転送レートを大きくすることができる。また、前記転送レートを大きくするために多くの磁気ヘッドを回転ドラムに搭載する必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、搭載する磁気ヘッドの数を大きく増やす必要がないため、記録トラックと前記磁気再生素子の走査位置を合致させ易い。
【0164】
また、1つの磁気ヘッドに形成された複数の磁気再生素子について、各磁気再生素子間の長手方向の間隔を大きくとることが可能であるため、狭トラック化においても、磁気再生素子の両側端部にハードバイアス層などの構成部材を配置することが可能となる。
【0165】
さらに、磁気再生素子のいずれかが、既に走査された記録トラックを走査するものでは、記録情報の読み取り不良が発生した場合でも、記録情報の再読み取り作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の第1の例の形態の回転ヘッド装置を示す平面図、
【図2】図1に示す回転ヘッド装置に磁気テープが接触した状態を示す部分拡大図、
【図3】図1に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの一例を示す斜視図、
【図4】図3に示す磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側から見た平面図、
【図5】図1に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの他の例を示す斜視図、
【図6】図5に示す磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側から見た平面図、
【図7】磁気テープの記録トラックと図1に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの走査との関係を示す平面図、
【図8】図1に示す回転ヘッド装置に搭載された回転ドラムの回転と、前記回転ドラムに搭載された磁気ヘッドと記録トラック走査との関係を示す図、
【図9】図1に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドで読み取った記録情報を出力するまでの経過を示す図、
【図10】本発明の第1の実施の形態の第2の例の回転ヘッド装置を示す平面図、
【図11】磁気テープの記録トラックと図10に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの走査との関係を示す平面図、
【図12】図10に示す回転ヘッド装置に搭載された回転ドラムの回転と、前記回転ドラムに搭載された磁気ヘッドと記録トラック走査との関係を示す図、
【図13】本発明の第2の実施の形態の回転ヘッド装置を示す平面図、
【図14】図13に示す回転ヘッド装置に磁気テープが接触した状態を示す部分拡大図、
【図15】図13に示す回転ヘッド装置に磁気テープが接触した状態を示す部分拡大図、
【図16】磁気テープの記録トラックと図13に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの走査との関係を示す平面図、
【図17】図13に示す回転ヘッド装置に搭載された回転ドラムの回転と、前記回転ドラムに搭載された磁気ヘッドと記録トラック走査との関係を示す図、
【図18】図13に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドで読み取った記録情報を出力するまでの経過を示す図、
【図19】従来の回転ヘッド装置を示す平面図、
【図20】図19に示す回転ヘッド装置に磁気テープが接触した状態を示す部分拡大図、
【図21】図19に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの一例を示す斜視図、
【図22】図21に示す磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側から見た平面図、
【図23】図19に示す回転ヘッド装置に搭載された他の例の磁気ヘッドを磁気テープとの対向面側から見た平面図、
【図24】磁気テープの記録トラックと図1に示す回転ヘッド装置に搭載された磁気ヘッドの走査との関係を示す平面図、
【符号の説明】
100,150,400 回転ヘッド装置
100a,150a,400a 回転ドラム
112 基体
113a,113b,113c,113d,113e,113f,113g,113h MR型薄膜磁気ヘッド
114 絶縁層
115 保護基体
116 磁気ギャップ
117 電極
231,232 リールハブ
233 ローディングポスト
234 ピンチローラ
235 キャプスタン
236 磁気テープ送り手段
H100A,H100B,H100C,H100D 磁気ヘッド
H100A1,H100B1,H100C1,H100D1 対向面
H200,H300 磁気ヘッド複合体

Claims (12)

  1. 外周面が記録媒体との摺動面となる回転ドラムと、前記回転ドラムの摺動面に位置する複数の磁気ヘッドとが設けられた回転ヘッド装置において、
    前記回転ドラムには、記録媒体との摺動方向に対して第1のアジマス角度を有する少なくとも2つの磁気再生素子を有する第1の磁気ヘッドと、記録媒体との摺動方向に対して前記第1のアジマス角度と逆に傾斜した第2のアジマス角度を有する少なくとも2つの磁気再生素子を有する第2の磁気ヘッドとが搭載されており、
    回転ドラムが回転するときに、前記第1の磁気ヘッドのそれぞれの磁気再生素子が、3以上の奇数本の記録トラックを挟んで同じアジマス角度で記録された記録トラックを同時に走査し、前記第2の磁気ヘッドのそれぞれの磁気再生素子が、3以上の奇数本の記録トラックを挟んで前記第1の磁気ヘッドの磁気再生素子が走査する記録トラックと異なるアジマス角度で記録された記録トラックを同時に走査するように、第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドが位置決めされていることを特徴とする回転ヘッド装置。
  2. 前記第1の磁気ヘッドに設けられた前記磁気再生素子が記録トラックを走査した後に、前記第2の磁気ヘッドに設けられた前記磁気再生素子が、前記第1の磁気ヘッドに設けられた前記磁気再生素子が走査した記録トラックに隣接した記録トラックを走査する請求項1記載の回転ヘッド装置。
  3. 前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが接近した状態で前記回転ドラムに設けられている請求項1または2記載の回転ヘッド装置。
  4. 前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが接近して配置されて組を成し、この第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドとから成る組が前記回転ドラムに2組設けられており、前記それぞれの組は、前記回転ドラムの回転方向に向って90°の角度で配置されている請求項3記載の回転ヘッド装置。
  5. 前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが接近して配置されて組を成し、この第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドとから成る組が、前記回転ドラムに180°の角度で2組配置されている請求項3記載の回転ヘッド装置。
  6. 前記第1の磁気ヘッドと前記第2の磁気ヘッドとが、前記回転ドラムに対し180度の角度で配置されている請求項1または2記載の回転ヘッド装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の回転ヘッド装置と、前記回転ドラムの摺動面の所定角度の範囲に磁気テープを接触させてこの磁気テープを走行させる磁気テープ送り手段と、が設けられていることを特徴とする磁気記録再生装置。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載の回転ヘッド装置と、前記回転ドラムの摺動面の所定角度の範囲に磁気テープを接触させてこの磁気テープを走行させる磁気テープ送り手段とが設けられ、磁気テープの同じ記録トラックが異なる磁気再生素子により重複して走査されないことを特徴とする磁気記録再生装置。
  9. 請求項4記載の回転ヘッド装置が設けられ、一方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査した後、他方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するまでに磁気テープが2トラック分だけ移送され、且つ前記他方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査した後、前記一方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するまでに磁気テープが6トラック分だけ移送される請求項8記載の磁気記録再生装置。
  10. 請求項1ないし3、および5または6のいずれかに記載の回転ヘッド装置と、前記回転ドラムの摺動面の所定角度の範囲に磁気テープを接触させてこの磁気テープを走行させる磁気テープ送り手段とが設けられ、磁気テープの同じ記録トラックが異なる磁気再生素子により重複して走査されることを特徴とする磁気記録再生装置。
  11. 請求項5記載の回転ヘッド装置が設けられ、一方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときと、他方の組の第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときとで、磁気テープが2トラック分だけ移送される請求項10記載の磁気記録再生装置。
  12. 請求項6記載の回転ヘッド装置が設けられ、前記第1の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときと、前記第2の磁気ヘッドが磁気テープを走査するときとで、磁気テープが1トラック分だけ移送される請求項10記載の磁気記録再生装置。
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