JP2004163547A - 画像形成装置及びその色ずれ補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラインバッファのライン数をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても色ずれ補正を行うことができるようにする。
【解決手段】ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出する色ずれ補正量演算制御部324と、色ずれ補正量の絶対値がラインバッファ46のライン数から1を差し引いた値以下であるか否かを判別する補正量判別部325と、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正し、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記値を超える場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれをそれぞれ個別に補正する色ずれ補正制御部326とを備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙に対しブラックを含む異なる色のトナー画像を多重転写する複数の画像形成ユニットを備えたカラープリンタ、カラー複写機等の画像形成装置及びその色ずれ補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フルカラープリンタやフルカラー複写機等の画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー画像をそれぞれ個別に形成する感光体ドラムを含む4つの画像形成ユニットが記録紙を搬送する転写ベルト上にその記録紙の搬送方向に沿って配設され、画像メモリに記憶されている各色の画像データを各色に対応して設けられている複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことで各感光体ドラム上に対応する色のトナー画像を形成し、この各色のトナー画像を転写ベルトによって搬送されてくる記録紙に対して重ねて転写することでカラー画像を形成するタンデム方式のものが汎用されている。
【0003】
このようなタンデム方式の画像形成装置では、記録紙上に精度の高いカラー画像を形成するにあたり、各色のトナー画像を相互に色ずれ(位置ずれ)が生じないように記録紙上に転写する必要があるが、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成するためのLEDプリントヘッド等からなる露光部の取り付け誤差、感光体ドラムを含む画像形成ユニットの取り付け誤差、感光体ドラムの回転速度誤差等を始めとし、周囲温度等の環境変化による各画像形成ユニット間距離の微小変化や画像形成ユニット自体の変形等の種々の変動要因により不可避的に色ずれが生じることになる。
【0004】
このため、例えば、転写ベルトの表面に画像形成ユニットにより各色の線状パターンからなるレジストマークを形成すると共に、このレジストマークの位置を下流側に設置したマーク検出手段で検出し、このマーク検出手段で検出したレジストマークの位置情報に基づいて色ずれ補正が行われるようになっている。この場合、通常はコントラストの最も強いブラックのトナー画像を基準にしてイエロー、マゼンタ及びシアンの各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−315545号公報(第10〜11頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような方法で色ずれ補正を行う場合、転写ベルトの移送方向と直交する幅方向である主走査方向と転写ベルトの移送方向と同方向である副走査方向との間の方向である斜め方向(傾き方向)の色ずれについては、マーク検出手段で得たレジストマークの位置情報に基づき、例えば図24の概念図に示すように、画像メモリからラインバッファに取り込まれた画像データの各ラインの読み出しアドレスを各色について主走査方向の所定の位置で切り換えることで補正をすることが可能となる。
【0007】
この場合、各ラインバッファがLライン分(例えば、5ライン分)の記憶容量しかないとすると、ブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量が±(L−1)ライン分(例えば、±4ライン分)に相当する範囲までしか色ずれを補正することができないことになる。このような問題は、ブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じたライン数の多いラインバッファを採用することで解決することが可能ではあるが、こうした場合はラインバッファのコストが増大し、ひいては画像形成装置のコストが増大することになるという別の問題が生じる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ラインバッファのライン数をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても容易に色ずれ補正を行うことができる画像形成装置及びその色ずれ補正方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出する色ずれ補正量導出手段と、導出された色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別する補正量判別手段と、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正し、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれをそれぞれ個別に補正する色ずれ補正制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれもラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が行われる。このように、ブラックのトナー画像については色ずれ補正を行わないため、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を抑制することができるようになる。
【0011】
一方、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値を超える場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれ補正が個別に実行されることになる。このように、ブラックのトナー画像についても色ずれ補正を行うことにより、ラインバッファのライン数(記憶容量)を増加させることなく有彩色のトナー画像について色ずれ補正を行うことができるようになる。
【0012】
また、請求項2の発明は、画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出する色ずれ補正量導出手段と、導出された色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別する補正量判別手段と、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値以下になるようにブラックのトナー画像の色ずれを補正し、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正する色ずれ補正制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれもラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が行われる一方、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値を超える場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値以下になるようにブラックのトナー画像の色ずれ補正が行われ、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が行われる。
【0014】
このため、ラインバッファのライン数(記憶容量)をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても容易に色ずれ補正を行うことができると共に、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を効果的に抑制することができるようになる。
【0015】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に係るものにおいて、前記記録紙上に転写されるブラック及び複数の有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を検出するための各色に対応するレジストマークを前記画像形成ユニットにより前記無端状画像担持体上に形成させるマーク形成制御手段と、前記無端状画像担持体上に形成された各色に対応するレジストマークの位置を検出するためのマーク検出手段とを備え、前記色ずれ補正量導出手段は、前記マーク検出手段から出力される検出信号に基づいて各色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出するものであることを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、無端状画像担持体上にブラック及び複数の有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を検出するための各色に対応するレジストマークが形成される一方、このレジストマークの位置を検出することで出力される検出信号に基づいて各色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量から斜め方向の色ずれ補正量が導出される。このため、ブラック及び複数の有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が容易かつ確実に導出されることになる。
【0017】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに係るものにおいて、前記補正量判別手段の判別基準となる所定値は、前記ラインバッファのライン数から1を差し引いた値に設定されたものであることを特徴としている。
【0018】
この構成によれば、補正量判別手段の判別基準となる所定値がラインバッファのライン数から1を差し引いた値に設定される。このため、色ずれが大きいために色ずれ補正量が比較的多くなる場合であっても効果的に色ずれ補正が実行されることになる。
【0019】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに係るものにおいて、前記色ずれ補正制御手段は、画像メモリから読み出されてラインバッファに書き込まれた画像データを当該ラインバッファから読み出すとき、その各ラインの読み出しを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で他のラインに切り換えるものであることを特徴としている。
【0020】
この構成によれば、ラインバッファに書き込まれた画像データの各ラインの読み出しが途中の位置で他のラインに切り換えられることで斜め方向の色ずれが補正される。このため、斜め方向の色ずれが自然な状態で確実に補正されることになる。
【0021】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれかに係るものにおいて、画像メモリから読み出された画像データをラインバッファに書き込むとき、ラインバッファの各ラインの書き込みを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で他のラインに切り換えるものであることを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、画像メモリから読み出された画像データをラインバッファに書き込むとき、画像メモリの各ラインの画像データは、ラインバッファの各ラインの途中の位置であって斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された位置で他のラインに切り換えられる。このようにしてラインバッファの各ラインに書き込まれた画像データは、各ラインごとに始端から終端までの画像データがそのまま読み出されることで斜め方向の色ずれが補正される。このため、斜め方向の色ずれが自然な状態で確実に補正されることになる。
【0023】
また、請求項7の発明は、画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置における色ずれ補正方法であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出するステップと、この導出した色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別するステップと、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれをそれぞれ個別に補正するステップとを備えたことを特徴としている。
【0024】
この方法によれば、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれもラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が行われ、ブラックのトナー画像については色ずれ補正が行われないため、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を抑制することができる。一方、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値を超える場合はブラックのトナー画像についても色ずれ補正が行われることにより、ラインバッファのライン数を増加させることなく各有彩色のトナー画像について色ずれ補正を行うことができるようになる。
【0025】
また、請求項8の発明は、画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置における色ずれ補正方法であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出するステップと、この導出した色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別するステップと、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合にブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値以下になるようにブラックのトナー画像の色ずれを補正し、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正するステップとを備えたことを特徴としている。
【0026】
この方法によれば、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれもラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が行われる一方、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値を超える場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値以下になるようにブラックのトナー画像の色ずれ補正が行われ、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が行われる。
【0027】
このため、ラインバッファのライン数をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても容易に色ずれ補正を行うことができると共に、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を効果的に抑制することができるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る色ずれ補正方法が適用されるデジタルカラー画像形成装置の内部構成を概略的に示す図である。この図において、画像形成装置10は、タンデム型のカラープリンタを構成するものであり、記録紙(転写紙)にカラー画像をプリントする本体部12と、本体部12の上方に配設され、本体部12でカラー画像のプリントされた記録紙が排出される記録紙排出部14とから構成されている。
【0029】
本体部12は、筐体18内の下部に配設された給紙カセット20と、筐体18内の上部に配設された画像形成部22と、筐体18内における画像形成部22の下方に配設された転写搬送部24と、筐体18内における転写搬送部24の下流側に配設された定着ユニット26と、給紙カセット20と転写搬送部24との間に配設された第1の搬送路28と、定着ユニット26と記録紙排出部14との間に配設された第2の搬送路30とを備えている。
【0030】
給紙カセット20は、筐体18の外部に引き出すことで記録紙Pの補給が可能となるように構成されたもので、内部に集積された記録紙Pが図略の給紙ローラにより1枚ずつ第1の搬送路28側に繰り出されるようになっている。なお、この給紙カセット20は、記録紙のサイズに対応して所定個数が配設される。
【0031】
画像形成部22は、記録紙上に複数のトナー画像を多重形成するようにしたもので、マゼンタのトナー画像を形成する第1の画像形成ユニット221、シアンのトナー画像を形成する第2の画像形成ユニット222、イエローのトナー画像を形成する第3の画像形成ユニット223及びブラックのトナー画像を形成する第4の画像形成ユニット224が記録紙の搬送方向に沿って所定間隔をおいて配置されてなるものである。
【0032】
各画像形成ユニット221乃至224は、感光体ドラム225と、感光体ドラム225の周面に対向して配設された帯電部226と、帯電部226の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設されたLEDプリントヘッド(例えば、ライン方向に7168の画素数を有する。)からなる露光部227と、露光部227の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設された現像部228と、現像部228の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設されたクリーニング部229とを備えている。また、感光体ドラム225の周面であって現像部228とクリーニング部229との間に後述する転写ローラ244が対向配置されることで転写部230が形成される。
【0033】
なお、各画像形成ユニット221乃至224の感光体ドラム225は、図略の駆動モータにより図示の時計周り方向に回転するようになっている。また、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224の現像部228には、それぞれ上部にトナーボックスを備えている。そして、第1の画像形成ユニット221のトナーボックスには有彩色であるマゼンタのトナーが、第2の画像形成ユニット222のトナーボックスには有彩色であるシアンのトナーが、第3の画像形成ユニット223のトナーボックスには有彩色であるイエローのトナーが、第4の画像形成ユニット224のトナーボックスには無彩色であるブラックのトナーがそれぞれ収納されている。
【0034】
転写搬送部24は、第1の画像形成ユニット221の近傍位置に配設された従動ローラ241と、第4の画像形成ユニット224の近傍位置に配設された駆動ローラ242と、従動ローラ241と駆動ローラ242とに跨って配設された無端状画像担持体である転写ベルト243と、各画像形成ユニット221乃至224の感光体ドラム225の現像部227の下流側における位置に転写ベルト243を介して圧接可能に配設された4つの転写ローラ244と、駆動ローラ242の下方における転写ベルト243に近接した位置に配設された一対の反射型フォトセンサ245,245′(図2)と、反射型フォトセンサ245,245´の下流側における転写ベルト243に接する位置に配設されたブレード246とを備えている。
【0035】
この転写搬送部24では、第1の搬送路28から搬送されてきた記録紙を図略の駆動モータにより図示の反時計周り方向に回転する転写ベルト243上に静電吸着して下流側に搬送すると共に、各画像形成ユニット221乃至224の転写部230の位置で記録紙に対してトナー像が転写されるようになっている。この転写ベルト243は、例えばシリコーン等で表面をコーティングしたポリイミド樹脂等の耐熱性を有する合成樹脂材料により構成されている。
【0036】
また、この転写搬送部24に設けられた一対の反射型フォトセンサ245,245′は、転写ベルト243の移送方向と直交する幅方向(主走査方向)の両端部に配設され、転写ベルト243の両端部領域に各画像形成ユニット221乃至224により形成される後述するレジストマークを検出するためのレジストセンサを構成するものである。この一対の反射型フォトセンサ245,245′は、図2に示すように、その一方の反射型フォトセンサ245が本体部12の前側に配設され、他方の反射型フォトセンサ245′が本体部12の後側に配設されている。
【0037】
この一対の反射型フォトセンサ245,245′は、それぞれ転写ベルト243上の後述するレジストマーク位置に向けて送光する発光ダイオード等で構成された発光部(送光部)と、転写ベルト243上の後述するレジストマーク位置で反射された反射光を受光するフォトトランジスタ等で構成された受光部と、この受光部で受光した反射光量を電圧値に変換する検出回路部とを備えている。また、この一対の反射型フォトセンサ245,245′は、それぞれブラックトナー画像に対して大きな出力が得られるP波出力と、マゼンタトナー、シアントナー及びイエロートナーのカラートナー画像に対して大きな出力が得られるS波出力とが検出可能となっている。
【0038】
また、ブレード246は、転写ベルト243上のトナー等の付着物を掻き取るためのもので、転写ベルト243の幅方向寸法と略同等の長さに形成され、その先端部が常に転写ベルト243表面に当接した状態で配設されている。なお、このブレード246は、付着物の掻き取り動作を実行する必要のないときは転写ベルト243から離反させておき、付着物の掻き取り動作を実行する必要が生じたときにのみ転写ベルト243表面に当接させる構成としてもよい。
【0039】
定着ユニット26は、画像形成部22の感光体ドラム225の表面に形成された各トナー像が多重転写された記録紙を加熱することにより定着処理するものであり、熱遮蔽ボックス261と、熱遮蔽ボックス261内の上部に配設され、ヒータが内蔵された定着ローラ262と、熱遮蔽ボックス261内の下部において定着ローラ262に圧接して配設された加圧ローラ263と、熱遮蔽ボックス261内の定着ローラ262及び加圧ローラ263の前部に配設され、転写搬送部24から搬送されてきた記録紙を定着ローラ262及び加圧ローラ263間に案内する前搬送路264と、熱遮蔽ボックス261内の定着ローラ262及び加圧ローラ263の後部に配設され、定着処理された記録紙を第2の搬送路30に案内する後搬送路265とを備えている。
【0040】
第1の搬送路28は、給紙カセット20から繰り出されてきた記録紙Pを転写搬送部24側に搬送するものであり、所定位置に配設された複数の搬送ローラ対281と、転写搬送部24の手前に配設され、画像形成部22の画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取るためのレジストローラ対282とを備えている。これらの複数の搬送ローラ対281とレジストローラ対282とは、図略の駆動モータによりそれぞれ電磁クラッチを介して回転駆動される。なお、レジストローラ対282の手前にフォトインタラプタ等で構成されたレジストセンサ283が配設されており、記録紙の先端がレジストローラ対282にまで搬送されてくると、レジストセンサ283からの出力信号に基づいて記録紙の搬送が一旦停止される。
【0041】
第2の搬送路30は、定着ユニット26で定着処理された記録紙を記録紙排出部14に搬送するものであり、所定位置に複数の搬送ローラ対301が配設されると共に、出口側に排出ローラ対302が配設されている。これらの搬送ローラ対301及び排出ローラ対302は、図略の駆動モータにより電磁クラッチを介して回転駆動されるようになっている。
【0042】
記録紙排出部14は、本体部12を構成する筐体18の上面に本体部12と一体に形成されたもので、第2の搬送路30から搬送されてきた定着処理の終了した記録紙を画像の形成された面が裏側になるようにして順次集積する。
【0043】
このように構成された画像形成装置10は、外部接続されたパーソナルコンピュータ等の外部装置から紙サイズ情報、プリント部数情報等の種々のプリント情報を含むプリント指示信号とプリントすべき画像データとが送信されてくると、次のように動作する。
【0044】
すなわち、画像形成部22の各感光体ドラム225では、帯電部226で表面に静電領域が形成され、この静電領域が露光部227からの出力光により露光されることで外部装置から送信されてきた画像データに基づく静電潜像が形成され、その後に現像部228でトナー像が形成される。また、定着ユニット26の定着ローラ262では、図略の電圧供給部により内蔵ヒータに電圧が印加されることで通電され、定着ローラ262の表面が定着可能温度になるように加熱制御される。
【0045】
一方、給紙カセットから指定サイズの記録紙が繰り出され、第1の搬送路28によりレジストローラ対282の手前にまで搬送され、一旦停止される。そして、レジストローラ対282の手前にまで搬送されてきた記録紙は、画像形成部22の画像形成動作とのタイミングが図られたうえで転写搬送部24に搬送され、各画像形成ユニット221乃至224で記録紙にトナー像が順次転写される。すなわち、記録紙に対しマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナーの順で互いに重ねられた状態で画像が転写される。
【0046】
そして、このトナー像の転写された記録紙は、定着ユニット26内に搬送され、定着ローラ262により加熱されつつ定着ローラ262と加圧ローラ263とで挟持されて下流側に搬送され、第2の搬送路30により記録紙排出部14に排出される。トナー像を記録紙に転写した各感光体ドラム225は、クリーニング部229で表面に残留したトナーが除去される。この動作が順次繰り返されて、所定枚数の記録紙に対するプリントが実行される。
【0047】
ここで、画像形成装置10は、LEDプリントヘッドからなる露光部227の取り付け誤差等により生じる主走査方向(転写ベルト243の移送方向と直交する方向又は記録紙の搬送方向と直交する方向)の色ずれ、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224の取り付け誤差や各感光体ドラム225を回転駆動させる駆動モータの回転速度誤差等により生じる副走査方向(転写ベルト243の移送方向と同一方向又は記録紙の搬送方向と同一方向)の色ずれ、及び、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224の取り付け誤差(傾き)や転写ベルト243の斜行等により生じる斜め方向(主走査方向及び副走査方向間の方向)の色ずれを検出し、それに基づく色ずれ補正(レジスト補正)を実行するように構成されている。
【0048】
図3は、これら種々の変動要因による色ずれ量の検出動作及びその色ずれ補正動作を説明するための制御構成を示すブロック図である。すなわち、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224は図略のインターフェイス回路を介して制御部32に接続されており、これら第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224により転写ベルト243上への画像形成動作が制御部32からの制御信号に基づいて実行される。また、駆動ローラ242を回転させる駆動モータ34が図略のインターフェイス回路を介して制御部32に接続されており、この駆動モータ34により転写ベルト243上への画像形成動作時における転写ベルト243の移送動作が制御部32からの制御信号に基づいて実行される。
【0049】
この制御部32には、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224の抜き差し動作を検出するための第1のユニットセンサ36、転写ベルト243を含む転写搬送ユニットの抜き差し動作を検出するための第2のユニットセンサ38、及び、周囲の温度と湿度とを検出するための温湿度センサ40が図略のインターフェイス回路を介して接続されている。
【0050】
また、制御部32には、記録紙にプリントすべきカラー画像を形成する各色ごとの画像データを画像形成装置10に送出すると共に、記録紙サイズやプリント枚数等のプリントデータを画像形成装置10に送出するパーソナルコンピュータ42、パーソナルコンピュータ42から送出された各色ごとの画像データ及びプリントデータを一時的に記憶(保存)する画像メモリ44、画像メモリ44に記憶されている各色ごとの画像データを読み出して画像形成ユニット221乃至224に送出するときにその読み出した画像データを数ライン単位で一時的に記憶(保存)する複数ラインからなるラインバッファ46、及び、転写ベルト243表面に後述するレジストマークを形成するためのパターンジェネレータ48が図略のインターフェイス回路を介して接続されている。
【0051】
なお、画像メモリ44は、各色ごとの記憶領域を有する記憶容量の大きな単一のメモリを用いてもよいし、記憶容量の小さなメモリを各色ごとに個別に設けるようにしてもよい。同様に、ラインバッファ46についても、各色ごとの記憶領域を有するライン数の多い単一のメモリを用いてもよいし、ライン数の少ないメモリを各色ごとに個別に設けるようにしてもよい。
【0052】
制御部32は、演算処理を実行するCPU、所定の処理プログラムやデータ等を記憶するROM及びデータを一時的に保存するRAMから構成されている。また、制御部32には、マーク形成制御部321、マーク計測制御部322、重心演算制御部323、色ずれ補正量演算制御部324、補正量判別部325及び色ずれ補正制御部326としての機能実現部を備えている。
【0053】
マーク形成制御部321は、パターンジェネレータ48からの出力信号に基づいて、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224を動作させることにより、色ずれの検出を行うための4色の線状パターンの組み合わせからなるレジストマーク(位置ずれ検出用マーク)を形成するためのものである。
【0054】
このレジストマークは、図4に示すように、転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の一方端部(本体部12の前側)に、所定幅を有する4色の線状パターンからなる斜め線L1と、この斜め線L1の上流側(図の右側)に配設された所定幅を有する4色の線状パターンからなる横線L2とが所定の間隔をおいて交互に形成されると共に、転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の他方端部(本体部12の後側)に、所定幅を有する4色の線状パターンからなる斜め線L1′と、この斜め線L1′の上流側(図の右側)に配設された所定幅を有する4色の線状パターンからなる横線L2´とが所定の間隔をおいて交互に形成されてなるものである。これら各線状パターンは、例えば1.35mmの幅を有している。
【0055】
ここで、斜め線L1と斜め線L1′とは転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の互いに対向する位置に形成され、横線L2と横線L2′とは転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の互いに対向する位置に形成されている。また、一方端部側の1つの斜め線L1とそれに続く1つの横線L2とで1つの組を構成すると共に、他方端部側の1つの斜め線L1′とそれに続く1つの横線L2′とで1つの組を構成している。なお、本実施形態では、4組の斜め線L1及び横線L2と、4組の斜め線L1′及び横線L2′とが形成されている。
【0056】
また、各斜め線L1,L1′は、転写ベルト243の移送方向の下流側(図の左側)から上流側(図の右側)にかけて、第4の画像形成ユニット224により形成されたブラックトナー画像である第1の線状パターンK1、第3の画像形成ユニット223により形成されたイエロートナー画像である第2の線状パターンY1、第2の画像形成ユニット222により形成されたシアントナー画像である第3の線状パターンC1、及び、第1の画像形成ユニット221で形成されたマゼンタトナー画像である第4の線状パターンM1がその順序でそれぞれ副走査方向(あるいは主走査方向)に対し45°の角度で所定の間隔をおいて形成されたものである。
【0057】
また、各横線L2,L2′は、斜め線L1,L1′と同様に、転写ベルト243の移送方向の下流側(図の左側)から上流側(図の右側)にかけて、第4の画像形成ユニット224により形成されたブラックトナー画像である第1のラインK2、第3の画像形成ユニット223により形成されたイエロートナー画像である第2のラインY2、第2の画像形成ユニット222により形成されたシアントナー画像である第3のラインC2、及び、第1の画像形成ユニット221で形成されたマゼンタトナー画像である第4のラインM2がその順序でそれぞれ主走査方向に沿って所定の間隔をおいて形成されたものである。
【0058】
なお、一対の反射型フォトセンサ245,245′のうち、一方の反射型フォトセンサ245は、一方端部のレジストマークの斜め線L1及び横線L2の主走査方向の略中央位置を検出可能となる位置に配設され、他方の反射型フォトセンサ245′は、他方端部のレジストマークの斜め線L1′及び横線L2′の主走査方向の略中央位置を検出可能となる位置に配設されている。
【0059】
マーク計測制御部322は、一対の反射型フォトセンサ245,245′によるレジストマークの計測動作を制御するものであり、例えば同期信号の立下りが検出されることでカウント開始指示が行われたのち、第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225に対する露光位置から反射型フォトセンサ245,245′によるレジストマークの検出位置までの距離(mm)と転写ベルト243の周速(mm/s)とに基づいて求めた計測開始タイミング(ms)に達したときから4組の斜め線L1,L1′及び横線L2,L2′が反射型フォトセンサ245,245′の検出位置を通過し終わるまでの間、反射型フォトセンサ245,245′からの出力を所定時間毎(例えば、1ms毎)に得るようにしたものである。
【0060】
この反射型フォトセンサ245,245′からは、図5に示すように、4色の線状パターンに対応して反射光のP波出力及びS波出力が得られるようになっている。ここで、ブラックトナー画像である第1の線状パターンK1,K2についてはP波出力の方がS波出力よりも大きな出力値が得られるため、第1の線状パターンK1,K2の位置算出時にはP波出力が用いられ、カラートナー画像である第2,第3及び第4の線状パターンY1,Y2、C1,C2及びM1,M2についてはS波出力の方がP波出力よりも大きな出力値が得られるため、第2,第3及び第4の線状パターンY1,Y2、C1,C2及びM1,M2の位置算出時にはS波出力が用いられる。
【0061】
重心演算制御部323は、反射型フォトセンサ245,245′から所定時間毎(例えば、1ms毎)に得た各線状パターンの複数の出力値に基づいて各線状パターンの転写ベルト243上の位置を算出するためのものである。なお、反射型フォトセンサ245,245′からの出力は、各線状パターンにつき、P波出力については下側に凸となる波形を有するものとなり、S波出力については上側に凸となる波形を有するものとなる。
【0062】
ここで、線状パターンの色ムラや転写ベルトの移送ムラ等が生じない場合には波形の最小値(ブラックトナー画像の場合)あるいは最大値(カラートナー画像の場合)を求めることで所定幅を有する各線状パターンの位置を求めることができるが、線状パターンの色ムラや転写ベルトの移送ムラ等に起因して波形に歪が生じた場合は波形の最小値あるいは最大値によっては正確な位置を求めることができないことになる。このため、本実施形態では、常に各線状パターンの正確な位置を求めるようにすべく各波形の重心を求め、この重心をその線状パターンの位置とするようにしている。なお、各線状パターンの位置は、本実施形態ではクロック信号に基づくカウント開始指示が行われてからの経過時間(ms)で表わすようにしている。
【0063】
この重心は、例えばP波出力では図6に示すような下に凸となる波形となるため、所定時間毎(例えば、1ms毎)に得た出力値P[n]のうちの予め設定した閾値Pth以下のもの(P[n]≦Pth)について(すなわち、カウント値m〜p(ms)の範囲内のもの)、カウント値とそのカウント値に対応する出力値との積を各カウント値毎に合算し、この合算値を各カウント値の出力値を合算した値で除したものとして求めることができる。すなわち、P波出力の重心GPは、下記の数1で示す式により求めることができる。
【0064】
【数1】
Figure 2004163547
【0065】
なお、S波出力では上に凸となる波形となるため、所定時間毎(例えば、1ms毎)に得た出力値S[n]のうちの予め設定した閾値Sth以上のもの(S[n]≧Sth)について(すなわち、カウント値m〜p(ms)の範囲内のもの)、カウント値とそのカウント値に対応する出力値との積を各カウント値毎に合算し、この合算値を各カウント値の出力値を合算した値で除したものとして求めることができる。すなわち、S波出力の重心GSは、下記の数2で示す式により求めることができる。これらの求めた重心GP,GSは、算出する毎に制御部32を構成するRAM等の記憶部に記憶される。このため、出力値P[n],S[n]のすべてを記憶部に記憶させ、その後に重心GP,GSを算出する場合に比べて記憶部は記憶容量の小さなものでよいことになる。
【0066】
【数2】
Figure 2004163547
【0067】
色ずれ補正量演算制御部324は、各線状パターン(各色のトナー画像)の色ずれ(位置ずれ)に対する補正量を算出するものである。すなわち、各線状パターンの色ずれについては、対向する左右両側の横線L2,L2′の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の位置を検出することで斜め方向(傾き方向)の各色ごとの色ずれ量を検出することができ、対向する左右両側の横線L2,L2′の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の副走査方向の間隔を検出することで副走査方向の各色ごとの色ずれ量を検出することができ、対向する左右両側の少なくともいずれか一方の一組の斜め線L1(又はL1´)の各線状パターンK1,Y1,C1,M1及び横線L2(又はL2′)の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の同色どうしの間隔を検出することで主走査方向の各色ごとの色ずれ量を検出することができ、これら検出された色ずれ量(ライン数乃至は画素数)から色ずれ補正量(ライン数乃至は画素数)を求めるものである。
以下、斜め方向、副走査方向及び主走査方向の各色ずれ補正量の具体的な求め方について説明する。
【0068】
[斜め方向の色ずれ補正量について]
斜め方向の色ずれ量(ライン数乃至は画素数)は、対向する左右両側の横線L2,L2′のブラックのトナー画像である第2の線状パターンK2の色ずれ量の総和KAと、有彩色のトナー画像である第2の線状パターンY2,C2,M2の色ずれ量の総和YA,CA,MAとをそれぞれ求め、この求めたブラックのトナー画像の色ずれ量の総和KAに対する各有彩色のトナー画像の色ずれ量の総和YA,CA,MAの差を求め、これら各差を各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数乃至は画素数)としている。
【0069】
すなわち、LEDプリントヘッドからなる露光部227の主走査方向(ライン方向)の画素数をN(例えば、N=7168)、一対の反射型フォトセンサ245,245′間の距離(画素数)をD(例えば、D=5184画素)、転写ベルト243の周速をS(mm/s)(例えば、S=116mm/s)、1画素の幅をG(mm)(例えば、G=0.0423mm)とする一方、一方端部側のブラックのトナー画像である4本の第2の線状パターンK2の位置を下流側から上流側に向けて順にK21F,K22F,K23F,K24Fとすると共に、他方端部側のブラックのトナー画像である4本の第2の線状パターンK2の位置を下流側から上流側に向けて順にK21R,K22R,K23R,K24Rとすると、ブラックのトナー画像である第2の線状パターンK2の色ずれ量の総和KAは、下記の数3で示す式により求めることができる。
【0070】
【数3】
Figure 2004163547
【0071】
また、一方端部側のイエローのトナー画像である4本の第2の線状パターンY2の位置を下流側から上流側に向けて順にY21F,Y22F,Y23F,Y24Fとすると共に、他方端部側のイエローのトナー画像である4本の第2の線状パターンY2の位置を下流側から上流側に向けて順にY21R,Y22R,Y23R,Y24Rとすると、イエローのトナー画像である第2の線状パターンY2の色ずれ量の総和YAは、下記の数4で示す式により求めることができる。
【0072】
【数4】
Figure 2004163547
【0073】
また、一方端部側のシアンのトナー画像である4本の第2の線状パターンC2の位置を下流側から上流側に向けて順にC21F,C22F,C23F,C24Fとすると共に、他方端部側のシアンのトナー画像である4本の第2の線状パターンC2の位置を下流側から上流側に向けて順にC21R,C22R,C23R,C24Rとすると、シアンのトナー画像である第2の線状パターンC2の色ずれ量の総和CAは、下記の数5で示す式により求めることができる。
【0074】
【数5】
Figure 2004163547
【0075】
さらに、一方端部側のマゼンタのトナー画像である4本の第2の線状パターンM2の位置を下流側から上流側に向けて順にM21F,M22F,M23F,M24Fとすると共に、他方端部側のマゼンタのトナー画像である4本の第2の線状パターンM2の位置を下流側から上流側に向けて順にM21R,M22R,M23R,M24Rとすると、シアンのトナー画像である第2の線状パターンM2の色ずれ量の総和MAは、下記の数6で示す式により求めることができる。
【0076】
【数6】
Figure 2004163547
【0077】
従って、ブラックのトナー画像に対するイエローのトナー画像の色ずれ量YA′、シアンのトナー画像の色ずれ量CA′、及び、マゼンタのトナー画像の色ずれ量MA′は、それぞれ下記の数7で示す式により求めることができる。この数7で示す式により求めたYA′、CA′及びMA′が各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量となる。
【0078】
なお、今までにすでに色ずれ補正を行っている場合は、今回の色ずれ補正量と前回の色ずれ補正量とから実際に補正を行うべき色ずれ補正量YA″、CA″及びMA″を再算出するようにすればよい。
【0079】
また、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の色ずれをそれぞれ個別に補正する場合は、各色ずれ量の総和KA,YA,CA,MAに基づいて色ずれ補正量演算部324により各色ごとの個別の色ずれ量が求められることになる。この場合も、今までにすでに色ずれ補正を行っている場合は、今回の色ずれ補正量と前回の色ずれ補正量とから実際に補正を行うべき色ずれ補正量を再算出するようにすればよい。
【0080】
【数7】
Figure 2004163547
【0081】
[副走査方向の色ずれ補正量について]
副走査方向の色ずれ量(ライン数乃至は画素数)は、上述したように、対向する左右両側の横線L2,L2′の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の副走査方向の間隔を検出することにより求めることができるが、本実施形態では有彩色のトナー画像の各線状パターンY2,C2,M2のブラックのトナー画像の線状パターンK2に対する間隔により各線状パターンY2,C2,M2の色ずれ量を検出するようにしている。すなわち、有彩色のトナー画像の線状パターンY2についていえば、その線状パターンY2の位置とブラックのトナー画像の線状パターンK2の位置とから求めた間隔の基準値(初期設定値)との差により色ずれ量を求めるようにしている。
【0082】
他の有彩色のトナー画像の線状パターンC2,M2についても、その線状パターンC2,M2の位置とブラックのトナー画像の線状パターンK2の位置とから求めた間隔の各基準値(初期設定値)との差により色ずれ量を求めることができる。但し、この求めた色ずれ量は斜め方向の色ずれ量を含んだものであるため、斜め方向の色ずれ量を補正したものが副走査方向の色ずれ補正量となる。このため、予め有彩色のトナー画像の線状パターンY2,C2,M2につき、上記の数7に示す数式により斜め方向の色ずれ補正量を求めておく必要がある。
【0083】
[主走査方向の色ずれ補正量について]
主走査方向の色ずれ量(画素数)は、本実施形態では一方端部側の各組の同色の斜め線L1及び横線L2の各線状パターン(ブラックのトナー画像については同じ組のK1とK2、イエローのトナー画像については同じ組のY1とY2、シアンのトナー画像については同じ組のC1とC2、マゼンタのトナー画像については同じ組のM1とM2)の間隔の基準値(初期設定値)との差により求めるようにしている。
【0084】
すなわち、転写ベルト243の周速をS(mm/s)(例えば、S=116mm/s)、1画素の幅をG(mm)(例えば、G=0.0423mm)、各組の同色の斜め線L1の線状パターンと横線L2の線状パターンの間隔の基準値(ライン数)をQ(例えば、Q=864ライン)とする一方、一方端部側のブラックのトナー画像である各4本の第1の線状パターンK1及び第2の線状パターンK2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にK11F,K12F,K13F,K14F及びK21F,K22F,K23F,K24Fとすると、ブラックのトナー画像の各組の色ずれ量KH[0],KH[1],KH[2],KH[3]は、下記の数8で示す式により求めることができる。この数8で示す式により求めた各組の色ずれ量KH[0],KH[1],KH[2],KH[3]の平均値がブラックのトナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0085】
【数8】
Figure 2004163547
【0086】
また、一方端部側のイエローのトナー画像である各4本の第1の線状パターンY1及び第2の線状パターンY2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にY11F,Y12F,Y13F,Y14F及びY21F,Y22F,Y23F,Y24Fとすると、イエローのトナー画像の各組の色ずれ量YH[0],YH[1],YH[2],YH[3]は、下記の数9で示す式により求めることができる。この数9で示す式により求めた各組の色ずれ量YH[0],YH[1],YH[2],YH[3]の平均値がイエローのトナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0087】
【数9】
Figure 2004163547
【0088】
また、一方端部側のシアンのトナー画像である各4本の第1の線状パターンC1及び第2の線状パターンC2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にC11F,C12F,C13F,C14F及びC21F,C22F,C23F,C24Fとすると、シアンのトナー画像の各組の色ずれ量CH[0],CH[1],CH[2],CH[3]は、下記の数10で示す式により求めることができる。この数10で示す式により求めた各組の色ずれ量CH[0],CH[1],CH[2],CH[3]の平均値がシアンのトナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0089】
【数10】
Figure 2004163547
【0090】
さらに、一方端部側のマゼンタのトナー画像である各4本の第1の線状パターンM1及び第2の線状パターンM2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にM11F,M12F,M13F,M14F及びM21F,M22F,M23F,M24Fとすると、マゼンタのトナー画像の各組の色ずれ量MH[0],MH[1],MH[2],MH[3]は、下記の数11で示す式により求めることができる。この数11で示す式により求めた各組の色ずれ量MH[0],MH[1],MH[2],MH[3]の平均値がマゼンタのトナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0091】
【数11】
Figure 2004163547
【0092】
補正量判別部325は、色ずれ補正量演算制御部324で求めたブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量YA′、CA′及びMA′(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるか否かを判別するものである。なお、今までにすでに色ずれ補正を行っている場合は、上述の再算出した色ずれ補正量YA″、CA″及びMA″(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるか否かを判別することになる。
【0093】
色ずれ補正制御部326は、色ずれ補正量演算制御部324で求めた色ずれ補正量に基づいて各色の色ずれ補正を行うものである。なお、斜め方向の色ずれ補正をする場合、補正量判別部325の判別結果に応じて色ずれ補正制御部326による補正の仕方が異なることになる。以下、斜め方向、副走査方向及び主走査方向の各色ずれ補正について説明する。
【0094】
[斜め方向の色ずれ補正について]
[第1の実施例]
斜め方向の色ずれ補正をする場合、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるときは、第4の画像形成ユニット224により形成されるブラックのトナー画像については色ずれ補正を行わずに第1乃至第3の画像形成ユニット221乃至223により形成される各有彩色のトナー画像についてブラックのトナー画像の位置に合わせるような色ずれ補正(ブラックのトナー画像を基準にした色ずれ補正)を行うようにしている。このように、ブラックのトナー画像を基準にして色ずれ補正を行うことにより、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を抑制することができる。
【0095】
一方、ブラックのトナー画像に対する3つの有彩色のトナー画像のうちの少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値を超える(N>L−1)ときは、その超えた有彩色のトナー画像についてはブラックのトナー画像を基準にした色ずれ補正を行うことができないことになる。このため、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像についてそれぞれ反射型フォトセンサ245,245′により検出された本来の色ずれ量に対応する色ずれ補正を行うようにしている。このように、ブラックのトナー画像について色ずれ補正を行うことにより、ラインバッファ46の記憶容量を格別に増大させることなく有彩色のトナー画像について色ずれ補正を行うことができるようになる。
【0096】
すなわち、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量YA′、CA′及びMA′(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるときは、ブラックのトナー画像を除いた有彩色のトナー画像につき上記の数7で示す式により求めた色ずれ補正量YA′、CA′及びMA′の補正を行うことになる。この場合、有彩色のトナー画像の主走査方向の領域を補正量YA′、CA′及びMA′の値に応じて複数に分割し、この分割した領域を単位として斜め方向に階段状に補正を行う。なお、今までにすでに色ずれ補正を行っている場合は、上述の再算出した色ずれ補正量YA″、CA″及びMA″に基づいて補正を行うようにすればよい。
【0097】
例えば、ブラックのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+1ライン、イエローのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が−3ライン、シアンのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が−1ライン、マゼンタのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+4ラインであり、ラインバッファ46の記憶容量が5ライン分あるとすると、ブラックのトナー画像に対するイエローのトナー画像の色ずれ補正量YA´はYA´=1−(−3)=+4となり、ブラックのトナー画像に対するシアンのトナー画像の色ずれ補正量CA´はCA´=1−(−1)=+2となり、ブラックのトナー画像に対するマゼンタのトナー画像の色ずれ補正量MA´はMA´=1−(+4)=−3となって、各有彩色とも上述のN≦L−1を満足することになる。このため、ブラックのトナー画像の色ずれは補正せず、各有彩色のトナー画像の色ずれをブラックのトナー画像を基準にして補正することになる。
【0098】
この場合の具体的な色ずれ補正について以下に説明する。最初にイエローのトナー画像の色ずれ補正について説明する。いま、画像メモリ44から読み出された最初の5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データを“0”、2ライン目の画像データを“1”、3ライン目の画像データを“2”、4ライン目の画像データを“3”、5ライン目の画像データを“4”として表わすと、その5ライン分の画像データは、図7に示すような順序でラインバッファ46に書き込まれる。そして、ラインバッファ46に書き込まれた各ラインの画像データを読み出すとき、このラインバッファ46に書き込まれた画像データの各ラインにおける始端からの読み出し位置(読み出しアドレス)が色ずれ補正量に応じて設定した位置(アドレス)に達したとき、次のラインのアドレスに読み出しアドレスを切り換える。
【0099】
すなわち、画像データの各ラインの読み出しをそのラインの途中の位置で他のラインに切り換えることにより(本実施形態では、色ずれ補正量がプラスの場合は前のライン(図では、下方のライン)へ切り換え、色ずれ補正量がマイナスの場合は後のライン(図では、上方のライン)へ切り換えるように色ずれ補正量が設定されているものとする。)、色ずれ補正を行った状態の新たなラインを生成する。このラインの切り換え位置は、画像メモリ44及びラインバッファ46の主走査方向の画素数をPとし、ブラックのトナー画像に対する色ずれ補正量がNライン(Nは絶対値)であるとすると、P/(N+1)の区切りの位置で実行されることになる。イエローのトナー画像のブラックのトナー画像に対する色ずれ補正量は+4ラインであるため、P×1/5、P×2/5、P×3/5及びP×4/5の各位置で前のラインへの切り換えが行われる。なお、P/(N+1)が整数値として割り切れない場合は、四捨五入する等して小数点以下の端数処理を行えばよい。
【0100】
いま、画像メモリ44及びラインバッファ46の主走査方向の画素数をPとすると、上記のラインバッファ46に書き込まれた5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データ“0”は、図8(a)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これによりP×1/5の位置までの画像データ“0”だけを有する色ずれ補正を行った状態の新たな1ライン目の画像データが生成されることになる。
【0101】
すなわち、この例では色ずれ補正量がプラスの値であるため、ラインの始端からの読み出し位置がP×1/5の位置にきたときに前のラインに読み出しラインを切り換えるべきところ、前のラインが存在しないことからラインバッファ46から読み出されて新たに生成される補正後の1ライン目の画像データはP×1/5の位置までの画像データ“0”だけを有するものとなる。
【0102】
このようにして補正後の1ライン目の画像データが生成されると、画像データ“1”を有する次のライン(2ライン目)の読み出しが開始される。2ライン目の画像データ“1”は、図8(b)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×1/5の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“0”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/5の位置までの画像データ“1”と、P×1/5の位置からP×2/5の位置までの画像データ“0”とだけを有する色ずれ補正を行った状態の新たな2ライン目の画像データが生成されることになる。
【0103】
すなわち、この例では色ずれ補正量がプラスの値であるため、始端からの読み出し位置がP×2/5の位置にきたときにさらに前のラインに読み出しラインを切り換えるべきところ、その前のラインが存在しないことからラインバッファ46から読み出されて新たに生成される補正後の2ライン目の画像データはP×1/5の位置までの画像データ“0”とP×2/5の位置までの画像データ“0”とだけを有するものとなる。
【0104】
このようにして補正後の2ライン目の画像データが生成されると、画像データ“2”を有する次のライン(3ライン目)の読み出しが開始される。3ライン目の画像データ“2”は、図8(c)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、そのP×1/5の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“1”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×2/5の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“0”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×3/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/5の位置までの画像データ“2”と、P×1/5の位置からP×2/5の位置までの画像データ“1”と、P×2/5の位置からP×3/5の位置までの画像データ“0”とだけを有する色ずれ補正を行った状態の新たな3ライン目の画像データが生成されることになる。
【0105】
すなわち、この例では色ずれ補正量がプラスの値であるため、始端からの読み出し位置がP×3/5の位置にきたときにさらに前のラインに読み出しラインを切り換えるべきところ、その前のラインが存在しないことからラインバッファ46から読み出されて新たに生成される補正後の3ライン目の画像データはP×1/5の位置までの画像データ“2”と、P×2/5の位置までの画像データ“1”と、P×3/5の位置までの画像データ“0”とだけを有するものとなる。
【0106】
このようにして補正後の3ライン目の画像データが生成されると、画像データ“3”を有する次のライン(4ライン目)の読み出しが開始される。4ライン目の画像データ“3”は、図8(d)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、そのP×1/5の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“2”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、そのP×2/5の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“1”が読み出される。
【0107】
そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×3/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×3/5の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“0”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×4/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/5の位置までの画像データ“3”と、P×1/5の位置からP×2/5の位置までの画像データ“2”と、P×2/5の位置からP×3/5の位置までの画像データ“1”と、P×3/5の位置からP×4/5の位置までの画像データ“0”とだけを有する色ずれ補正を行った状態の新たな4ライン目の画像データが生成されることになる。
【0108】
すなわち、この例では色ずれ補正量がプラスの値であるため、始端からの読み出し位置がP×4/5の位置にきたときにさらに前のラインに読み出しラインを切り換えるべきところ、その前のラインが存在しないことからラインバッファ46から読み出されて新たに生成される補正後の4ライン目の画像データはP×1/5の位置までの画像データ“3”と、P×2/5の位置までの画像データ“2”と、P×3/5の位置までの画像データ“1”とP×4/5の位置までの画像データ“0”とだけを有するものとなる。
【0109】
このようにして補正後の4ライン目の画像データが生成されると、画像データ“4”を有する次のライン(5ライン目)の読み出しが開始される。5ライン目の画像データ“4”は、図8(e)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“4”の読み出しが停止され、そのP×1/5の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“3”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、そのP×2/5の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“2”が読み出される。
【0110】
そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×3/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、そのP×3/5の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“1”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×4/5の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×4/5の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“0”が読み出される。
【0111】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/5の位置までの画像データ“4”と、P×1/5の位置からP×2/5の位置までの画像データ“3”と、P×2/5の位置からP×3/5の位置までの画像データ“2”と、P×3/5の位置からP×4/5の位置までの画像データ“1”と、P×4/5の位置から終端までの画像データ“0”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな5ライン目の画像データが生成されることになる。
【0112】
このようにして補正後の5ライン目の画像データが生成されると、画像データ“0”の補正前の最初のラインはラインバッファ46から消去されると共に、補正前の各ラインは順次前のラインに移動されたのち、画像メモリ44から6ライン目の画像データ“5”が読み出されてラインバッファ46の空き領域(最初に5ライン目の画像データが書き込まれていた領域)に保存される。
【0113】
そして、図8(e)に示す補正後の5ライン目の画像データと同様の手順で画像データの処理が行われ、図8(f)に示すように、始端からP×1/5の位置までの画像データ“5”と、P×1/5の位置からP×2/5の位置までの画像データ“4”と、P×2/5の位置からP×3/5の位置までの画像データ“3”と、P×3/5の位置からP×4/5の位置までの画像データ“2”と、P×4/5の位置から終端までの画像データ“1”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな6ライン目の画像データが生成されることになる。
【0114】
このようにして画像メモリ44から各ラインの画像データが順次読み出されてラインバッファ46の空き領域に順次書き込まれ、色ずれ補正を行った状態の新たなラインの画像データが順次生成され、この補正後の画像データに基づいて第3の画像形成ユニット223が作動されることでイエローのトナー画像が生成されることになる。なお、図8に示す例では、図8(e)に示す最初から5ライン目の画像データのときに初めて主走査方向の全画素が揃った状態の新たなラインが生成されることになるため、例えば、図8(a)から図8(d)までのラインについては生成させずに、図8(e)に示すラインを補正後の1ライン目の画像データとするようにしてもよい。
【0115】
次に、シアンのトナー画像の補正について説明する。イエローのトナー画像の場合と同様に、画像メモリ44から読み出された最初の5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データを“0”、2ライン目の画像データを“1”、3ライン目の画像データを“2”、4ライン目の画像データを“3”、5ライン目の画像データを“4”として表わすと、その5ライン分の画像データは、図9に示すような順序でラインバッファ46に書き込まれる。そして、シアンのトナー画像のブラックのトナー画像に対する色ずれ補正量は+2ラインであるため、P×1/3及びP×2/3の各位置で前のラインへの切り換えが行われる。
【0116】
いま、ラインバッファ46に書き込まれた5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データ“0”は、図10(a)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これによりP×1/3の位置までの画像データ“0”だけを有する色ずれ補正を行った状態の新たな1ライン目の画像データが生成されることになる。
【0117】
すなわち、この例では色ずれ補正量がプラスの値であるため、ラインの始端からの読み出し位置がP×1/3の位置にきたときに前のラインに読み出しラインを切り換えるべきところ、前のラインが存在しないことからラインバッファ46から読み出されて新たに生成される補正後の1ライン目の画像データはP×1/3の位置までの画像データ“0”だけを有するものとなる。
【0118】
このようにして補正後の1ライン目の画像データが生成されると、画像データ“1”を有する次のライン(2ライン目)の読み出しが開始される。2ライン目の画像データ“1”は、図10(b)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×1/3の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“0”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/3の位置までの画像データ“1”と、P×1/3の位置からP×2/3の位置までの画像データ“0”とだけを有する色ずれ補正を行った状態の新たな2ライン目の画像データが生成されることになる。
【0119】
すなわち、この例では色ずれ補正量がプラスの値であるため、始端からの読み出し位置がP×2/3の位置にきたときにさらに前のラインに読み出しラインを切り換えるべきところ、その前のラインが存在しないことからラインバッファ46から読み出されて新たに生成される補正後の2ライン目の画像データはP×1/3の位置までの画像データ“0”と、P×2/3の位置までの画像データ“0”とだけを有するものとなる。
【0120】
このようにして補正後の2ライン目の画像データが生成されると、画像データ“2”を有する次のライン(3ライン目)の読み出しが開始される。3ライン目の画像データ“2”は、図10(c)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、そのP×1/3の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“1”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×2/3の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“0”が読み出される。
【0121】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/3の位置までの画像データ“2”と、P×1/3の位置からP×2/3の位置までの画像データ“1”と、P×2/3の位置から終端までの画像データ“0”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな3ライン目の画像データが生成されることになる。
【0122】
このようにして補正後の3ライン目の画像データが生成されると、画像データ“3”を有する次のライン(4ライン目)の読み出しが開始される。4ライン目の画像データ“3”は、図10(d)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、そのP×1/3の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“2”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、そのP×2/3の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“1”が読み出される。
【0123】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/3の位置までの画像データ“3”と、P×1/3の位置からP×2/3の位置までの画像データ“2”と、P×2/3の位置から終端までの画像データ“1”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな4ライン目の画像データが生成されることになる。
【0124】
このようにして補正後の4ライン目の画像データが生成されると、画像データ“4”を有する次のライン(5ライン目)の読み出しが開始される。5ライン目の画像データ“4”は、図10(e)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“4”の読み出しが停止され、そのP×1/3の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“3”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/3の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、そのP×2/3の位置でさらに前のラインに切り換えられて画像データ“2”が読み出される。
【0125】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/3の位置までの画像データ“4”と、P×1/3の位置からP×2/3の位置までの画像データ“3”と、P×2/3の位置から終端までの画像データ“2”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな5ライン目の画像データが生成されることになる。
【0126】
このようにして補正後の5ライン目の画像データが生成されると、画像データ“0”の補正前の最初のラインはラインバッファ46から消去されると共に、補正前の各ラインは順次前のラインの位置に移動されたのち、画像メモリ44から次のラインの画像データが読み出されてラインバッファ46の空き領域(最初に5ライン目の画像データが書き込まれていた領域)に書き込まれる。
【0127】
そして、図10(c)乃至(e)に示す補正後の3乃至5ライン目の画像データと同様の手順で画像データの処理が行われ、色ずれ補正を行った状態の新たなラインの画像データが生成されることになる。
【0128】
このようにして画像メモリ44から各ラインの画像データが順次読み出されてラインバッファ46の空き領域に順次書き込まれ、色ずれ補正を行った状態の新たなラインの画像データが生成され、この補正後の画像データに基づいて第2の画像形成ユニット222が作動されることでシアンのトナー画像が生成されることになる。なお、図10に示す例では、図10(c)に示す最初から3ライン目の画像データのときに初めて主走査方向の全画素が揃った状態の新たなラインが生成されることになるため、例えば、図10(a)及び(b)までのラインについては生成させずに、図10(c)に示すラインを補正後の1ライン目の画像データとするようにしてもよい。
【0129】
次に、マゼンタのトナー画像の補正について説明する。イエロー及びシアンのトナー画像の場合と同様に、画像メモリ44から読み出された最初の5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データを“0”、2ライン目の画像データを“1”、3ライン目の画像データを“2”、4ライン目の画像データを“3”、5ライン目の画像データを“4”として表わすと、その5ライン分の画像データは、図11に示すような順序でラインバッファ46に書き込まれる。そして、マゼンタのトナー画像のブラックのトナー画像に対する色ずれ補正量は−3ラインであるため、P×1/4、P×2/4及びP×3/4の各位置で後のラインへの切り換えが行われる。
【0130】
いま、ラインバッファ46に書き込まれた5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データ“0”は、図12(a)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、そのP×1/4の位置で後のラインに切り換えられて画像データ“1”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×2/4の位置でさらに後のラインに切り換えられて画像データ“3”が読み出される。
【0131】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/4の位置までの画像データ“0”と、P×1/4の位置からP×2/4の位置までの画像データ“1”と、P×2/4の位置からP×3/4の位置までの画像データ“2”と、P×3/4の位置から終端までの画像データ“3”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな1ライン目の画像データが生成されることになる。
【0132】
このようにして補正後の1ライン目の画像データが生成されると、図13に示すように、画像データ“0”のラインはラインバッファ46から消去されると共に、補正前の各ラインは順次前のラインの位置に移動されたのち、画像メモリ44から6ライン目の画像データ“5”が読み出されてラインバッファ46の空き領域(最初に5ライン目の画像データが書き込まれていた領域)に書き込まれる。
【0133】
そして、画像データ“2”を有する次のライン(3ライン目)の読み出しが開始される。3ライン目の画像データ“2”は、図12(c)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、そのP×1/4の位置で後のラインに切り換えられて画像データ“3”が読み出される。
【0134】
そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、そのP×2/4の位置で後のラインに切り換えられて画像データ“4”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×3/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“4”の読み出しが停止され、そのP×3/4の位置でさらに後のラインに切り換えられて画像データ“5”が読み出される。
【0135】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“5”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/4の位置までの画像データ“2”と、P×1/4の位置からP×2/4の位置までの画像データ“3”と、P×2/4の位置からP×3/4の位置までの画像データ“4”と、P×3/4の位置から終端までの画像データ“5”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな3ライン目の画像データが生成されることになる。
【0136】
このようにして補正後の3ライン目の画像データが生成されると、図14に示すように、画像データ“1”のラインはラインバッファ46から消去されると共に、補正前の各ラインは順次前のラインの位置に移動されたのち、画像メモリ44から7ライン目の画像データ“6”が読み出されてラインバッファ46の空き領域(6ライン目の画像データが書き込まれていた領域)に書き込まれる。
【0137】
そして、画像データ“3”を有する次のライン(4ライン目)の読み出しが開始される。4ライン目の画像データ“3”は、図12(d)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、そのP×1/4の位置で後のラインに切り換えられて画像データ“4”が読み出される。
【0138】
そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“4”の読み出しが停止され、そのP×2/4の位置で後のラインに切り換えられて画像データ“5”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×3/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“5”の読み出しが停止され、そのP×3/4の位置でさらに後のラインに切り換えられて画像データ“6”が読み出される。
【0139】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“6”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/4の位置までの画像データ“3”と、P×1/4の位置からP×2/4の位置までの画像データ“4”と、P×2/4の位置からP×3/4の位置までの画像データ“5”と、P×3/4の位置から終端までの画像データ“6”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな4ライン目の画像データが生成されることになる。
【0140】
このようにして補正後の4ライン目の画像データが生成されると、図15に示すように、画像データ“2”のラインはラインバッファ46から消去されると共に、補正前の各ラインは順次前のラインの位置に移動されたのち、画像メモリ44から8ライン目の画像データ“7”が読み出されてラインバッファ46の空き領域(7ライン目の画像データが書き込まれていた領域)に書き込まれる。
【0141】
そして、画像データ“4”を有する次のライン(5ライン目)の読み出しが開始される。5ライン目の画像データ“4”は、図12(e)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“4”の読み出しが停止され、そのP×1/4の位置で後のラインに切り換えられて画像データ“5”が読み出される。
【0142】
そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×2/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“5”の読み出しが停止され、そのP×2/4の位置で後のラインに切り換えられて画像データ“6”が読み出される。そして、そのラインの始端からの読み出し位置がP×3/4の位置にきたとき、そのラインの画像データ“6”の読み出しが停止され、そのP×3/4の位置でさらに後のラインに切り換えられて画像データ“7”が読み出される。
【0143】
そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“7”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/4の位置までの画像データ“4”と、P×1/4の位置からP×2/4の位置までの画像データ“5”と、P×2/4の位置からP×3/4の位置までの画像データ“6”と、P×3/4の位置から終端までの画像データ“7”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな5ライン目の画像データが生成されることになる。
【0144】
このようにして補正後の各ラインの画像データが生成されると、ラインバッファ46に書き込まれているなかで最も若い順位のラインの画像データはラインバッファ46から消去されると共に、補正前の各ラインは順次前のラインの位置に移動されたのち、画像メモリ44から次のラインの画像データが読み出されてラインバッファ46の空き領域に書き込まれ、上記と同様の手順で色ずれ補正を行った状態の新たなラインの画像データが順次生成され、この補正後の画像データに基づいて第1の画像形成ユニット221が作動されることでマゼンタのトナー画像が生成されることになる。
【0145】
なお、ここで説明する例では、ブラックのトナー画像については色ずれ補正を行わないので、画像メモリ44から読み出された各ラインの画像データに基づいて第4の画像形成ユニット224が作動されることでブラックのトナー画像が生成されることになる。
【0146】
ここで、例えば、ブラックのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+2ライン、イエローのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+4ライン、シアンのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+2ライン、マゼンタのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が−3ラインであり、ラインバッファ46の記憶容量が5ライン分あるとすると、ブラックのトナー画像に対するイエローのトナー画像の色ずれ補正量YA´は、YA´=2−4=−2となり、ブラックのトナー画像に対するシアンのトナー画像の色ずれ補正量CA´は、CA´=2−2=0となり、ブラックのトナー画像に対するマゼンタのトナー画像の色ずれ補正量MA´は、MA´=2−(−3)=+5となって、マゼンタのトナー画像については上述のN≦L−1を満足しないことになる。
【0147】
このため、この例では、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像についてそれぞれ反射型フォトセンサ245,245′により検出された本来の色ずれ量に対応する色ずれ補正を行うことになる。ここで、反射型フォトセンサ245,245′により検出されたブラックのトナー画像の色ずれ量に対応する色ずれ補正量は+2ラインであるため、図9及び図10を参照して説明したシアンのトナー画像の場合と同じ手順で補正後の各ラインの画像データが生成され、これらの各ラインの画像データに基づいて第4の画像形成ユニット224が作動されることでブラックのトナー画像が生成されることになる。
【0148】
また、反射型フォトセンサ245,245′により検出されたイエローのトナー画像の色ずれ量に対応する色ずれ補正量が+4ライン、反射型フォトセンサ245,245′により検出されたシアンのトナー画像の色ずれ量に対応する色ずれ補正量が+2ライン、反射型フォトセンサ245,245′により検出されたマゼンタのトナー画像の色ずれ量に対応する色ずれ補正量が−3ラインであり、これらの色ずれ補正量は図7乃至図15を参照して説明したブラックのトナー画像に対するイエロー、シアン及びマゼンタの各トナー画像の色ずれ補正量と同一であることから、図7乃至図15を参照して説明した各有彩色のトナー画像と同じ手順で補正後の各ラインの画像データが生成され、これらの各ラインの画像データに基づいて第3乃至第1の画像形成ユニット223乃至221が作動されることで各有彩色のトナー画像がそれぞれ生成されることになる。
【0149】
[第2の実施例]
上記第1の実施例では、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるときは、ブラックのトナー画像については色ずれ補正を行わずに各有彩色のトナー画像についてブラックのトナー画像を基準にした色ずれ補正を行う一方、ブラックのトナー画像に対する3つの有彩色のトナー画像のうちの少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値を超える(N>L−1)ときは、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像のそれぞれについて反射型フォトセンサ245,245′により検出された本来の色ずれ量に対応する色ずれ補正を行うようにしているが、次のようにして斜め方向の色ずれ補正を行うようにすることもできる。
【0150】
すなわち、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるときは、ブラックのトナー画像については色ずれ補正を行わずに各有彩色のトナー画像についてブラックのトナー画像の位置に合わせるような色ずれ補正(ブラックのトナー画像を基準にした色ずれ補正)を行う一方、ブラックのトナー画像に対する3つの有彩色のトナー画像のうちの少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値を超える(N>L−1)ときは、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)となるようにブラックのトナー画像について色ずれ補正を行い、この補正を行うブラックのトナー画像を基準にして各有彩色のトナー画像の色ずれ補正を行うようにする。
【0151】
このように、色ずれ補正を行うブラックのトナー画像を基準にして色ずれ補正を行うことにより、ラインバッファ46の記憶容量をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて大きくしなくても容易に色ずれ補正を行うことができると共に、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を効果的に抑制することができる。
【0152】
例えば、ブラックのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+1ライン、イエローのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が−3ライン、シアンのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が−1ライン、マゼンタのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+4ラインであり、ラインバッファ46の記憶容量が5ライン分あるとすると、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量は、ブラックのトナー画像に対するイエローのトナー画像の色ずれ補正量YA´はYA´=1−(−3)=+4となり、ブラックのトナー画像に対するシアンのトナー画像の色ずれ補正量CA´はCA´=1−(−1)=+2となり、ブラックのトナー画像に対するマゼンタのトナー画像の色ずれ補正量MA´はMA´=1−(+4)=−3となって、各有彩色とも上述のN≦L−1を満足することになる。
【0153】
このため、ブラックのトナー画像の色ずれは補正しないで、ブラックのトナー画像を基準にして各有彩色のトナー画像の色ずれを補正することになる。この場合の各有彩色のトナー画像の色ずれ補正は、図7乃至図15を参照して説明した各有彩色のトナー画像の場合と同じ手順で行われることになる。
【0154】
一方、例えば、ブラックのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+2ライン、イエローのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が−3ライン、シアンのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が−1ライン、マゼンタのトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が+4ラインであり、ラインバッファ46の記憶容量が5ライン分あるとすると、ブラックのトナー画像に対するイエローのトナー画像の色ずれ補正量YA´はYA´=2−(−3)=+5となり、ブラックのトナー画像に対するシアンのトナー画像の色ずれ補正量CA´はCA´=2−(−1)=3となり、ブラックのトナー画像に対するマゼンタのトナー画像の色ずれ補正量MA´はMA´=2−(+4)=−2となって、イエローのトナー画像については上述のN≦L−1を満足しないことになる。
【0155】
ところが、ブラックのトナー画像について斜め方向の色ずれ補正量が+2ラインから例えば+1ラインになるように色ずれ補正を行うと、ブラックのトナー画像に対するイエローのトナー画像の色ずれ補正量YA´はYA´=1−(−3)=+4となり、ブラックのトナー画像に対するシアンのトナー画像の色ずれ補正量CA´はCA´=1−(−1)=+2となり、ブラックのトナー画像に対するマゼンタのトナー画像の色ずれ補正量MA´はMA´=1−(+4)=−3となって、各有彩色とも上述のN≦L−1を満足することになる。
【0156】
すなわち、ブラックのトナー画像に対する色ずれ補正量(絶対値)の最も大きな有彩色のトナー画像であるイエローのトナー画像について、ブラックのトナー画像に対する色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))が上述のN≦L−1を満足するようなブラックのトナー画像の色ずれ補正量を導出し、これに基づいてブラックのトナー画像の色ずれ補正を行えばよい。このN≦L−1を満足するようなブラックのトナー画像の色ずれ補正量は、色ずれ補正量演算制御部324により導出される。
【0157】
このため、上記の例では、ブラックのトナー画像の色ずれ補正量が+2ラインから+1ラインになるようにブラックのトナー画像についての色ずれ補正を行うと共に、この補正したブラックのトナー画像の位置に合わせるように(すなわち、ブラックのトナー画像を基準にして)各有彩色のトナー画像について色ずれ補正を行えばよい。これらの有彩色のトナー画像の色ずれ補正は、図7乃至図15を参照して説明した各有彩色のトナー画像の場合と同じ手順で行うことができる。
【0158】
また、ブラックのトナー画像の色ずれ補正量を+2ラインから+1ラインにする補正は、図7及び図8に示す場合と同様に、次のようにして行うことができる。すなわち、画像メモリ44から読み出された最初の5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データを“0”、2ライン目の画像データを“1”、3ライン目の画像データを“2”、4ライン目の画像データを“3”、5ライン目の画像データを“4”として表わすと、その5ライン分の画像データは、図16に示すような順序でラインバッファ46に書き込まれる。そして、ブラックのトナー画像の色ずれ補正量を+2ラインから+1ラインにするための色ずれ補正量は+1ラインであるため、ラインバッファ46に書き込まれた各ラインの画像データを読み出すとき、P×1/2の位置で前のラインへの切り換えが行われる。
【0159】
いま、ラインバッファ46に書き込まれた5ライン分の画像データのうち、1ライン目の画像データ“0”については、図17(a)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/2の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これによりP×1/2の位置までの画像データ“0”だけを有する色ずれ補正を行った状態の新たな1ライン目の画像データが生成される。
【0160】
このようにして補正後の1ライン目の画像データが生成されると、画像データ“1”を有する次のライン(2ライン目)の読み出しが開始される。2ライン目の画像データ“1”は、図17(b)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/2の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、そのP×1/2の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“0”が読み出される。そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“0”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/2の位置までの画像データ“1”と、P×1/2の位置から終端までの画像データ“0”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな2ライン目の画像データが生成される。
【0161】
このようにして補正後の2ライン目の画像データが生成されると、画像データ“2”を有する次のライン(3ライン目)の読み出しが開始される。3ライン目の画像データ“2”は、図17(c)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/2の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、そのP×1/2の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“1”が読み出される。そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“1”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/2の位置までの画像データ“2”と、P×1/2の位置から終端までの画像データ“1”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな3ライン目の画像データが生成される。
【0162】
このようにして補正後の3ライン目の画像データが生成されると、画像データ“3”を有する次のライン(4ライン目)の読み出しが開始される。4ライン目の画像データ“3”は、図17(d)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/2の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、そのP×1/2の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“2”が読み出される。そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“2”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/2の位置までの画像データ“3”と、P×1/2の位置から終端までの画像データ“2”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな4ライン目の画像データが生成される。
【0163】
このようにして補正後の4ライン目の画像データが生成されると、画像データ“4”を有する次のライン(5ライン目)の読み出しが開始される。5ライン目の画像データ“4”は、図17(e)に示すように、そのラインの始端からの読み出し位置がP×1/2の位置にきたとき、そのラインの画像データ“4”の読み出しが停止され、そのP×1/2の位置で前のラインに切り換えられて画像データ“3”が読み出される。そして、そのラインの読み出し位置が終端の位置にきたとき、そのラインの画像データ“3”の読み出しが停止され、これにより始端からP×1/2の位置までの画像データ“4”と、P×1/2の位置から終端までの画像データ“3”とを有する色ずれ補正を行った状態の新たな5ライン目の画像データが生成される。
【0164】
このようにして補正後の5ライン目の画像データが生成されると、画像データ“0”の補正前の最初のラインはラインバッファ46から消去されると共に、補正前の各ラインは順次前のラインの位置に移動されたのち、画像メモリ44から次のラインの画像データが読み出されてラインバッファ46の空き領域(最初に5ライン目の画像データが書き込まれていた領域)に書き込まれる。そして、図17(b)乃至(e)に示す補正後の2乃至5ライン目の画像データと同様の手順で画像データの処理が行われ、色ずれ補正を行った状態の新たなラインの画像データが生成されることになる。
【0165】
なお、図17に示す例では、図17(b)に示す最初から2ライン目の画像データのときに初めて主走査方向の全画素が揃った状態の新たなラインが生成されることになるため、例えば先の例と同様に、図17(a)のラインについては生成させずに、図17(b)に示すラインを補正後の1ライン目の画像データとするようにしてもよい。
【0166】
このようにして補正後の各ラインの画像データが順次生成されることで、ブラックのトナー画像の色ずれ補正量が+2ラインから+1ラインに補正されることになる。なお、このブラックのトナー画像の色ずれ補正量を+2ラインから+1ラインに補正する動作と、この補正したブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれの補正動作とは略同時に実行されることになるが、その動作は何れが先に実行されてもよい。
【0167】
[副走査方向の色ずれ補正について]
副走査方向の色ずれ補正をする場合も、本実施形態では、色ずれ補正により生じる画像歪み等の画像の不具合を抑制するため、第4の画像形成ユニット224により形成されるブラックのトナー画像は補正せず、第1乃至第3の画像形成ユニット221乃至223により形成される各有彩色のトナー画像をブラックのトナー画像の位置に合わせるような色ずれ補正を行うようにしている。
【0168】
すなわち、副走査方向の色ずれ補正をする場合、ブラックのトナー画像を除いた各有彩色のトナー画像につき、色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量に基づいて画像データの書き出しタイミングを調整するようにすればよい。例えば、図18に示すタイムチャートに基づいて説明すると、マゼンタのトナー画像Mについては、基準となる副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間aが経過したときに画像データの書き出しが実行され、シアンのトナー画像Cについては、マゼンタのトナー画像Mの副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間bが経過したときに画像データの書き出しが実行される。
【0169】
また、イエローのトナー画像Yについては、シアンのトナー画像Cの副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間cが経過したときに画像データの書き出しが実行され、ブラックのトナー画像Kについては、イエローのトナー画像Yの副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間dが経過したときに画像データの書き出しが実行される。
【0170】
[主走査方向の色ずれ補正について]
主走査方向の色ずれ補正をする場合、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像につき、LEDプリントヘッドからなる露光部227の主走査方向(ライン方向)の左右両側の端部に挿入する余白部分を形成するための白画素量(白画素の個数)を色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量に応じて調整するようにしている。例えば、図19に示すタイムチャートに基づいて説明すると、読み出しクロック信号に同期して設定される露光部227の主走査方向における有効画像区間(有効画像区間信号(P)のON区間)内の端部(例えば、符号tで示す区間)に挿入する白画素量を色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量に応じて調整することで画像メモリ44から読み出された画像データを主走査方向に移動させ、これにより色ずれ補正を行うようにしている。
【0171】
なお、露光部227の主走査方向の端部に挿入する白画素量は、色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量と、画像のセンター位置を調整するために露光部227の主走査方向の端部に挿入される白画素量とから設定されることになる。この白画素は、露光部227に“0”の画像データを送出することで生成されるものである。
【0172】
図20は、色ずれ補正の全体動作を説明するためのフローチャートである。この色ずれ補正動作は、例えば、転写ベルト243のユニットの抜き差し作業、画像形成ユニット221乃至224の抜き差し作業等の上述した種々の要因により色ずれが生じ得る状況が発生した場合、その作業修了直後等における画像形成装置10の起動時等に自動的に実行されることになる。
【0173】
まず、駆動モータ34により駆動ローラ242を回転駆動させて転写ベルト243を所定の周速で副走査方向に移動させ、転写ベルト243表面の付着物をブレード246で掻き取ることでクリーニングが実行される(ステップS1)。その後、マーク形成制御部321による制御動作により所定の周速で移動している転写ベルト243の主走査方向における両端部表面に各画像形成ユニット221乃至224により図4に示す線状パターンからなるレジストマークが形成される(ステップS3)。
【0174】
引き続き、転写ベルト243が移動することで転写ベルト243上のレジストマークが下流側に移動し、マーク計測制御部322による制御動作により反射型フォトセンサ245,245′から順次検出信号が出力され、この検出信号に基づいて各線状パターンK1,Y1,C1,M1及びK2,Y2,C2,M2の位置が検出される(ステップS5)。すなわち、重心演算制御部323の制御動作により反射型フォトセンサ245,245′からの出力信号に基づいて各線状パターンK1,Y1,C1,M1及びK2,Y2,C2,M2の重心が算出され、この算出された重心が各線状パターンの位置データとしてRAM等の記憶部に記憶される。
【0175】
次いで、色ずれ補正量演算制御部324の制御動作により、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が算出され(ステップS7)、引き続いてブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の副走査方向の色ずれ補正量が算出され(ステップS9)、その後にブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の主走査方向の色ずれ補正量が算出される(ステップS11)。
【0176】
最後に、色ずれ補正制御部325の制御動作により各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正が実行され(ステップS13)、引き続き各有彩色のトナー画像の副走査方向の色ずれ補正が実行され(ステップS15)、その後にブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の主走査方向の色ずれ補正が実行される(ステップS17)。
【0177】
図21及び図22は、図20に示すフローチャートのステップS13で実行される斜め方向の色ずれ補正動作の詳細な説明をするためのフローチャートであり、図21は第1の実施例における色ずれ補正動作を説明するためのもの、図22は第2の実施例における色ずれ補正動作を説明するためのものである。
【0178】
図21において、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるか否かが判別される(ステップS21)。このステップS21での判別が肯定されると、ブラックのトナー画像を基準にして各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が実行される(ステップS23)。
【0179】
一方、ステップS21での判別が否定されると、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像について反射型フォトセンサ245,245′により検出された本来の色ずれ量に対応する色ずれ補正がそれぞれ個別に実行される(ステップS25)。
【0180】
また、図22において、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)であるか否かが判別される(ステップS31)。このステップS31での判別が肯定されると、ブラックのトナー画像を基準にして各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が実行される(ステップS33)。
【0181】
一方、ステップS31での判別が否定されると、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(絶対値)のうちの最大値に基づき、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)になるようなブラックのトナー画像の色ずれ補正量が導出される(ステップS35)。
【0182】
その後、ブラックのトナー画像について、ステップS35で導出された色ずれ補正量に基づく色ずれ補正が実行されると共に、この補正されるブラックのトナー画像を基準にして各有彩色のトナー画像の色ずれ補正が実行される(ステップS37)。なお、ブラックのトナー画像の色ずれ補正と各有彩色のトナー画像の色ずれ補正とは略同時に実行されるが、何れが先に実行されてもよい。
【0183】
本発明の画像形成装置10は、上記実施形態に示すように、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正し、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値を超える(N>L−1)場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれをそれぞれ個別に補正するようにしたものであるため、ラインバッファのライン数をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても容易に色ずれ補正を行うことができることになる。
【0184】
また、本発明の画像形成装置10は、上記実施形態に示すように、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正し、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値を超える(N>L−1)場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量(ライン数N(Nは絶対値))がラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値以下(N≦L−1)になるようにブラックのトナー画像の色ずれを補正し、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正するようにしたものであるため、ラインバッファのライン数をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても容易に色ずれ補正を行うことができることに加え、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を効果的に抑制することができる。
【0185】
なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
【0186】
(1)上記実施形態では、色ずれ補正量演算制御部324は、所定の計算式に基づいて色ずれ補正量を算出するようにしているが、これに限るものではない。例えば、制御部32を構成するROM等の記憶部に記憶させたテーブルを用いて色ずれ補正量を求めるようにすることも可能である。要は、色ずれ補正量演算制御部324は、計算式やテーブル等から色ずれ補正量を導出する機能を有しておればよい。
【0187】
(2)上記実施形態では、画像形成装置10は、画像形成ユニット221乃至224を記録紙を搬送する無端状画像担持体としての転写ベルト243の移送方向に沿って配設したものであるが、これに限るものではない。例えば、記録紙を搬送する無端状画像担持体としての回転ドラムの回転方向に沿って画像形成ユニット221乃至224を配設するようにしたものであってもよい。
【0188】
(3)上記実施形態では、色ずれを検出するためのレジストマークは、転写ベルト243の幅方向両端部に形成された線状パターンからなるものであるが、これに限るものではない。例えば、転写ベルト243の幅方向における一方端部側にのみ形成された線状パターンから構成することも可能であり、転写ベルト243の幅方向における中央部に形成された線状パターンから構成することも可能である。また、転写ベルト243の幅方向の両端に跨る長さの線状パターンで形成することも可能である。さらには、線状パターンからなるものに限るものではなく、ドット状や枠状等の線状以外の形状を有するものからなっていてもよい。
【0189】
(4)上記実施形態では、色ずれを検出するためのレジストマークは、副走査方向に対して斜めに形成された線状パターンからなる斜め線L1と、主走査方向に沿って形成された線状パターンからなる横線L2とから構成されているが、これに限るものではない。例えば、線状パターンからなる斜め線L1と線状パターンからなる横線L2とも副走査方向に対して斜めに形成されていてもよい。要は、斜め線L1を構成する線状パターンと横線L2を構成する線状パターンとが互いに異なる角度を有するように形成されておればよい。。
【0190】
(5)上記実施形態では、色ずれを検出するためのレジストマークはパターンジェネレータ48を用いて形成されたものであるが、これに限るものではない。例えば、制御部32を構成するROM等の記憶部に線状パターンからなる斜め線L1と横線L2との組み合わせからなる画像データとして記憶させておき、この画像データを読み出すことで転写ベルト243面にレジストマークを形成するようにすることもできる。
【0191】
(6)上記実施形態では、露光部227はLEDプリントヘッドから構成されたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、レーザ光走査型のものであってもよい。
【0192】
(7)上記実施形態では、補正量判別部325は、ラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値(L−1)を判別基準値とするものであるが、これに限るものではない。例えば、ラインバッファ46のライン数Lから1を差し引いた値(L−1)よりも小さい値(但し、2ライン以上)を判別基準値とすることもできる。要は、ラインバッファ46のライン数に関連して設定された所定値であればよい。
【0193】
(8)上記実施形態では、色ずれ補正制御部326は、画像メモリ44及びラインバッファ46の主走査方向の画素数をPとし、ブラックのトナー画像に対する色ずれ補正量がNライン(Nは絶対値)であるとしたとき、P/(N+1)の区切りの位置で、画像データのラインバッファ46からの各ラインの読み出しを他のラインに切り換えるようにしているが、これに限るものではない。例えば、P/(N+1)の区切りの位置から少し外れた位置で他のラインに切り換えるようにしてもよい。
【0194】
また、ブラックのトナー画像及び有彩色のトナー画像のうちの少なくとも2つのトナー画像の切り換え位置が重なる場合に、その切り換え位置が重ならないように少なくとも一方のトナー画像の切り換え位置をずらすようにしてもよい。このようにした場合は、色ずれ補正により生じる段差が各色ごとに離散されて視覚され難くなる結果、斜め方向の色ずれ補正を行う場合でも自然な画像を容易に得ることができるようになる。
【0195】
(9)上記実施形態では、色ずれ補正制御部326は、画像メモリ44から読み出されてラインバッファ46に書き込まれた画像データを当該ラインバッファ46から読み出すとき、その各ラインの読み出しを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で他のラインに切り換えることにより斜め方向の色ずれを補正するようにしたものであるが、これに限るものではない。
【0196】
例えば、画像メモリ44から読み出された画像データをラインバッファ46に書き込むとき、ラインバッファ46の各ラインの書き込みを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で他のラインに切り換えるようにしてもよい。
【0197】
この実施態様につき、例えば図9及び図10に示す例に対応して説明すると、ラインバッファ46には図23に示すような態様で画像データが書き込まれることになる。すなわち、画像メモリ44から読み出された1ライン目の画像データ“0”はラインバッファ46の1ライン目の領域に書き込まれることになるが、ラインの始端から終端まで画像データ“0”が書き込まれるのではなく、そのラインの始端からの書き込みがP×1/3の位置にきたとき、そのラインにおける画像データ“0”の書き込みが停止される。
【0198】
そして、画像データ“0”のP×1/3よりも後の位置への書き込みについては次の2ライン目に切り換えられる。この2ライン目では、P×1/3の位置から書き込みが開始され、P×2/3の位置にきたとき、そのラインにおける画像データ“0”の書き込みが停止され、P×2/3よりも後の位置への書き込みについては次の3ライン目に切り換えられる。この3ライン目では、P×2/3の位置から書き込みが開始され、終端の位置にきたときに画像データ“0”の書き込みが終了する。
【0199】
画像メモリ44から読み出された2ライン目の画像データ“1”はラインバッファ46の2ライン目以降の領域に書き込まれる。すなわち、2ライン目については、そのラインの始端からの書き込みがP×1/3の位置にきたとき、そのラインにおける画像データ“1”の書き込みが停止され、画像データ“1”のP×1/3よりも後の位置への書き込みについては次の3ライン目の領域に切り換えられる。
【0200】
この3ライン目では、P×1/3の位置から書き込みが開始され、P×2/3の位置にきたとき、そのラインにおける画像データ“1”の書き込みが停止され、P×2/3よりも後の位置への書き込みについては次の4ライン目に切り換えられる。この4ライン目では、P×2/3の位置から書き込みが開始され、終端の位置にきたときに画像データ“1”の書き込みが終了する。
【0201】
画像メモリ44から読み出された3ライン目の画像データ“2”はラインバッファ46の3ライン目以降の領域に書き込まれる。すなわち、3ライン目については、そのラインの始端からの書き込みがP×1/3の位置にきたとき、そのラインにおける画像データ“2”の書き込みが停止される。そして、画像データ“2”のP×1/3よりも後の位置への書き込みについては次の4ライン目の領域に切り換えられる。
【0202】
この4ライン目では、P×1/3の位置から書き込みが開始され、P×2/3の位置にきたとき、そのラインにおける画像データ“2”の書き込みが停止され、P×2/3よりも後の位置への書き込みについては次の5ライン目に切り換えられる。この5ライン目では、P×2/3の位置から書き込みが開始され、終端の位置にきたときに画像データ“2”の書き込みが終了する。
【0203】
この時点で、ラインバッファ46の1ライン目の領域には始端からP×1/3の位置までは画像データ“0”を有する色ずれ補正を行った状態の新たな1ライン目の画像データが生成されている。また、2ライン目の領域には始端からP×1/3の位置までは画像データ“1”を有し、P×1/3の位置からP×2/3の位置までは画像データ“0”を有する色ずれ補正を行った状態の新たな2ライン目の画像データが生成され、3ライン目の領域には始端からP×1/3の位置までは画像データ“2”を有し、P×1/3の位置からP×2/3の位置までは画像データ“1”を有し、P×2/3の位置から終端の位置までは画像データ“0”を有する色ずれ補正を行った状態の新たな3ライン目の画像データが生成されている。
【0204】
このため、ラインバッファ46の1ライン目乃至3ライン目の各画像データは、各ラインの画像データを始端から終端までそのまま読み出されることで消去され、空き領域となった各ラインに後のラインに書き込まれている画像データが順次移動され、上記と同様の手順で画像メモリ44から読み出された画像データのラインバッファ46の各ラインへの書き込みを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置(この例では、P×1/3及びP×2/3の位置)で他のラインに切り換えることで、色ずれ補正を行った状態の新たなラインの画像データが順次生成される。なお、この例では、ラインバッファ46の色ずれ補正の行われた1ライン目乃至3ライン目の各画像データを同時に読み出すようにしているが、色ずれ補正を行った状態の新たなラインが生成されるごとに順次読み出すようにしてもよい。
【0205】
このような方法で、画像メモリ44から読み出された各ラインの画像データをラインバッファ46の各ラインに書き込むと共に、各ラインの画像データを始端から終端までそのまま読み出すようにすることで図9及び図10に示す例と同様の色ずれ補正を行うことができる。なお、図23に示す例は色ずれ補正量がプラスの場合であるため、画像メモリ44から読み出された各ラインの画像データのラインバッファ46の各ラインへの書き込みを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で後のラインに切り換えるようにしているが、色ずれ補正量がマイナスの場合は斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で前のラインに切り換えるようにすればよい。
【0206】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれもラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が予め設定された所定値を超える場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれをそれぞれ個別に補正するようにしているので、ラインバッファのライン数をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても容易に色ずれ補正を行うことができる。
【0207】
また、本発明によれば、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれもラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下である場合にブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値を超える場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値が上記の所定値以下になるようにブラックのトナー画像の色ずれを補正し、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正するようにしているので、ラインバッファのライン数をブラックのトナー画像に対する有彩色のトナー画像の色ずれ量に応じて増加させなくても容易に色ずれ補正を行うことができることに加え、コントラストの強いブラックのトナー画像について色ずれ補正をしたときに生じる視認容易な画像歪み等の画像の不具合を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を概略的に示す図である。
【図2】反射型フォトセンサの配置構成を説明するための図である。
【図3】色ずれ量の検出動作及びその色ずれ補正動作を説明するための制御構成を示すブロック図である。
【図4】レジストマークの構成を説明するための図である。
【図5】反射型フォトセンサの出力波形を説明するための図である。
【図6】反射型フォトセンサのP波出力の重心を求める説明をするための図である。
【図7】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図8】図7に示すラインバッファからの画像データの読み出し方法を説明するための図であり、(a)は1ライン目の画像データ、(b)は2ライン目の画像データ、(c)は3ライン目の画像データ、(d)は4ライン目の画像データ、(e)は5ライン目の画像データ、(f)は6ライン目の画像データをそれぞれ示すものである。
【図9】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図10】図9に示すラインバッファからの画像データの読み出し方法を説明するための図であり、(a)は1ライン目の画像データ、(b)は2ライン目の画像データ、(c)は3ライン目の画像データ、(d)は4ライン目の画像データ、(e)は5ライン目の画像データをそれぞれ示すものである。
【図11】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図12】図11に示すラインバッファからの画像データの読み出し方法を説明するための図であり、(a)は1ライン目の画像データ、(b)は2ライン目の画像データ、(c)は3ライン目の画像データ、(d)は4ライン目の画像データ、(e)は5ライン目の画像データをそれぞれ示すものである。
【図13】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図14】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図15】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図16】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図17】図16に示すラインバッファからの画像データの読み出し方法を説明するための図であり、(a)は1ライン目の画像データ、(b)は2ライン目の画像データ、(c)は3ライン目の画像データ、(d)は4ライン目の画像データ、(e)は5ライン目の画像データをそれぞれ示すものである。
【図18】副走査方向の色ずれ補正動作を説明するためのタイムチャートである。
【図19】主走査方向の色ずれ補正動作を説明するためのタイムチャートである。
【図20】色ずれ補正の全体動作を説明するためのフローチャートである。
【図21】斜め方向の色ずれ補正動作の詳細な説明をするためのフローチャートである。
【図22】斜め方向の色ずれ補正動作の詳細な説明をするためのフローチャートである。
【図23】画像データの書き込まれたラインバッファを概念的に示す図である。
【図24】従来の斜め方向の色ずれ補正を説明するためのラインバッファを概念的に示す図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
22 画像形成部(画像形成手段)
30 制御部
221 第1の画像形成ユニット
222 第2の画像形成ユニット
223 第3の画像形成ユニット
224 第4の画像形成ユニット
225 感光体ドラム
227 露光部(露光手段)
243 転写ベルト(無端状画像担持体)
245,245′ 反射型フォトセンサ(マーク検出手段)
301 マーク形成制御部(マーク形成制御手段)
302 マーク計測制御部(マーク計測制御手段)
304 色ずれ補正量演算制御部(色ずれ補正量導出手段)
305 補正量判別部(補正量判別手段)
306 色ずれ補正制御部(色ずれ補正制御手段)

Claims (8)

  1. 画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出する色ずれ補正量導出手段と、導出された色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別する補正量判別手段と、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正し、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれをそれぞれ個別に補正する色ずれ補正制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出する色ずれ補正量導出手段と、導出された色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別する補正量判別手段と、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値以下になるようにブラックのトナー画像の色ずれを補正し、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正する色ずれ補正制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記記録紙上に転写されるブラック及び複数の有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を検出するための各色に対応するレジストマークを前記画像形成ユニットにより前記無端状画像担持体上に形成させるマーク形成制御手段と、前記無端状画像担持体上に形成された各色に対応するレジストマークの位置を検出するためのマーク検出手段とを備え、前記色ずれ補正量導出手段は、前記マーク検出手段から出力される検出信号に基づいて各色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記補正量判別手段の判別基準となる所定値は、前記ラインバッファのライン数から1を差し引いた値に設定されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記色ずれ補正制御手段は、画像メモリから読み出されてラインバッファに書き込まれた画像データを当該ラインバッファから読み出すとき、その各ラインの読み出しを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で他のラインに切り換えるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記色ずれ補正制御手段は、画像メモリから読み出された画像データをラインバッファに書き込むとき、ラインバッファの各ラインの書き込みを斜め方向の色ずれ補正量に応じて設定された途中の位置で他のラインに切り換えるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置における色ずれ補正方法であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出するステップと、この導出した色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別するステップと、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合はブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラック及び各有彩色のトナー画像の各色ずれをそれぞれ個別に補正するステップとを備えたことを特徴とする画像形成装置における色ずれ補正方法。
  8. 画像メモリに記憶されているブラック及び複数の有彩色の各色ごとの画像データをそれぞれ複数ラインからなるラインバッファを介してラインごとに読み出すことにより形成した各色ごとのトナー画像を無端状画像担持体により搬送される記録紙に対し重ねて転写する複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置における色ずれ補正方法であって、ブラックのトナー画像及び各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ量を求めると共に、これらの色ずれ量からブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量を導出するステップと、この導出した色ずれ補正量の絶対値が前記ラインバッファのライン数に関連して設定された所定値以下であるか否かを判別するステップと、ブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値がいずれも前記所定値以下である場合にブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正すると共に、ブラックのトナー画像に対する少なくとも1つの有彩色のトナー画像の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値を超える場合はブラックのトナー画像に対する各有彩色のトナー画像の斜め方向の色ずれ補正量の絶対値が前記所定値以下になるようにブラックのトナー画像の色ずれを補正し、この補正されるブラックのトナー画像を基準に各有彩色のトナー画像の色ずれを補正するステップとを備えたことを特徴とする画像形成装置における色ずれ補正方法。
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