JP2004163501A - ドロップ光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で細径化が可能なドロップ光ファイバケーブルの提供。
【解決手段】ドロップ光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線2,3と、被覆抗張力体6と、支持線7とを備えている。被覆抗張力体6は、繊維強化熱硬化性樹脂製の抗張力体4を、熱可塑性樹脂製の被覆層5で被覆した円形断面に形成されていて、一対の被覆抗張力体6が、光ファイバ心線2,3の上下に所定の間隔を置いて、これを挟むようにして、同軸上に配置されている。支持線7は、抗張力体6の上方に配置されていて、光ファイバ心線2,3、被覆抗張力体6および支持線7は、熱可塑性樹脂製の本体被覆部8により一括被覆した構成を備えている。張力体6は、FRPの抗張力体4に熱可塑性樹脂製の被覆層5を施したものである。この場合、FRP抗張力体4の外周と被覆層5の内周とは、相互にアンカー接着している。被覆層5に用いる熱可塑性樹脂は、本体被覆部8の樹脂と相溶性のある樹脂から選択される。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ心線と抗張力体とを熱可塑性樹脂によって一括被覆した光ファイバケーブル、とりわけ軽量で細径化が可能でドロップワイヤーとして好適なノンメタリック型のドロップ光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報化社会が到来し、インターネット等の伝送情報容量の増大化に伴ない、ビル、住宅等加入者へも光ファイバケーブルを敷設するFTTH化が急激に進展している。
【0003】
FTTH用ドロップ光ファイバケーブルとして、抗張力体に金属線を使用したものが提案されている。(特許文献1参照)しかし、抗張力体に金属線を使用すると、雷によるサージングを回避するために、アースが必要となる。
アースを取るには、工事に手間を要し、それに伴なう工事費の負担を要することとなって、各家庭への普及の障害となる。そこで、アース工事が不要となるノンメタリックの抗張力体を採用したノンメタリック型のドロップ光ファイバケーブルが求められていた。
【0004】
この種の光ファイバケーブルに用いるノンメタリック型の抗張力体としては、繊維強化合成樹脂(FRP)製線状物が上げられるが、金属線抗張力体に替えて、単に、FRP線を使用したのでは、本体被覆の熱可塑性樹脂との接着が難しく、接着が不十分な場合、熱履歴による光伝送損失の増大や、断線などの異常を招来し、ドロップ光ファイバケーブルとして充分に機能することができない。
【0005】
この場合、硬化したFRP線の外周に接着剤を塗布するか、あるいは、接着性樹脂を被覆することで、接着力を強化することも可能であるが、工数、材料費の増加に伴なうコスト増を招き、得策でないし、FRPとの接着が強固過ぎると、接続工事の際、成端キャビネットへ引止めるための被覆部の剥離に難渋する。
【0006】
ところで、本出願人は、先に、FRP界面と熱可塑性樹脂被覆とがアンカー接着した熱可塑性樹脂被覆繊維強化合成樹脂製棒状物の製造方法を開示している。(特許文献2参照)
【0007】
この製造方法は、補強繊維束に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させてなる未硬化状補強芯部を、溶融した熱可塑性樹脂で被覆し、その後、直ちに該熱可塑性樹脂の被覆層を冷却固化した後、これを加圧高温蒸気の硬化槽に導いて、補強芯部と該被覆層の界面部分を軟化、流動状態で接触させつつ該熱硬化性樹脂を加熱硬化させ、引続いて、被覆熱可塑性樹脂を冷却して繊維強化熱硬化性樹脂(FRP)からなる芯部界面と被覆熱可塑性樹脂とをアンカー接着するものである。
【0008】
しかしながら、このような製造方法によって得られる棒状物を、ドロップ光ファイバケーブルの抗張力体に用いる場合には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−337255号公報、第2頁、図1
【0010】
【特許文献2】
特公昭63−2772号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、上述した公告公報に開示されている製造方法によれば、例えば、ガラス繊維を補強繊維とし、熱硬化性樹脂に不飽和ポリエステルを用い、ポリエチレンで被覆した場合には、棒状物は、106kg/cm(10MPa)程度の接着強度が得られるが、被覆表面が必ずしも平滑でなく、均一で細い径のものが得難いという問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、光ファイバ心線と繊維強化熱硬化性樹脂製(以下FRPという場合がある。)抗張力体とを熱可塑性樹脂によって一括被覆したドロップ光ファイバケーブルにおいて、とりわけ軽量で細径化が可能で、ドロップワイヤーとして好適な特性を備えたノンメタリック型のドロップ光ファイバケーブルを得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、繊維強化熱硬化性樹脂硬化物製の抗張力体に、熱可塑性樹脂製の被覆層を施した被覆抗張力体と、光ファイバ心線と、前記被覆抗張力体と前記光ファイバ心線とを一括して熱可塑性樹脂で被覆する本体被覆部とを有するドロップ光ファイバケーブルであって、前記被覆抗張力体外周と、前記本体被覆部とが、相互に融合接着し、前記被覆層の内周と前記抗張力体の外周とが、アンカー接着していることを特徴とする。
【0014】
前記被覆抗張力体は、ガラス繊維を補強繊維とする外径が0.9mm以下の前記抗張力体に、0.3mm以下の前記被覆層を施すことができる。
前記被覆抗張力体は、その引抜力を10N/10mm以上にすることができる。前記被覆抗張力体の前記熱可塑性樹脂製の被覆層にLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を用いることができる。
【0015】
前記被覆抗張力体は、前記光ファイバ心線を挟んで、その上下に所定の間隔を隔てて2本配置することができる。
【0016】
前記抗張力体は、補強繊維にガラスヤーンを用いることができる。
【0017】
前記ガラスヤーンは、単繊維径が3〜13μmで、複数のヤーンを合撚していない単糸状のもの、すなわちストランドに一方向の撚りをかけたものを用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1は、本発明にかかるドロップ光ファイバケーブルの一実施例を示している。
【0019】
同図に示したドロップ光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線2,3と、被覆抗張力体6と、支持線7とを備えている。光ファイバ心線2,3は、中心に上下に隣接するようにして配置されている。
【0020】
被覆抗張力体6は、繊維強化熱硬化性樹脂製の抗張力体4を、熱可塑性樹脂製の被覆層5で被覆した円形断面に形成されていて、一対の被覆抗張力体6が、光ファイバ心線2,3の上下に所定の間隔を置いて、これを挟むようにして、同軸上に配置されている。
【0021】
支持線7は、一方の被覆抗張力体6の上方に配置されていて、光ファイバ心線2,3、被覆抗張力体6および支持線7は、熱可塑性樹脂製の本体被覆部8により一括被覆した構成を備えている。
【0022】
被覆抗張力体6は、繊維強化熱硬化性樹脂硬化物製(以下FRPと称す。)の抗張力体4に熱可塑性樹脂製の被覆層5を施したものである。この場合、FRP抗張力体4の外周と被覆層5の内周とは、相互にアンカー接着している。
【0023】
アンカー接着を得るためには、特公昭63−2772号に記載された方法、すなわち、補強繊維束に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させてなる未硬化状補強芯部を、溶融し、その後直ちに該熱可塑性樹脂の被覆層を冷却固化した後、これを加圧高温蒸気の硬化槽に導いて、補強芯部と該被覆層の界面部分を軟化、流動状態で接触させつつ該熱硬化性樹脂を加熱硬化させ、引続いて被覆熱可塑性樹脂を冷却して繊維強化熱硬化性樹脂(FRP)からなる芯部界面と被覆熱可塑性樹脂とをアンカー接着させればよい。
【0024】
本発明において使用できる補強繊維としては、各種ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維等が一般的であり、要求される引張強度や弾性率によって選択される。
【0025】
ガラス繊維を使用する場合においては、FRP抗張力体4を、直径が0.9mm以下に細くするためには、ガラスヤーンが望ましく、E、S、Tなどのガラス繊維から要求される性能により選択されるが、経済性の面からはEガラスが奨用される。
【0026】
ガラスヤーンとしては、構成する単繊維径が3〜13μmで 、複数のヤーンを合撚していない単糸状のものが望ましく、11.2〜67.5Texが使用される。
【0027】
この場合、番手の大きいもの、つまり67.5Texを超えるガラスヤーンを用いた場合、FRPとした際の真円度に悪影響を及ぼし、後の熱可塑性樹脂による薄肉被覆成形工程において、均一な被覆を行うことが難しくなる。一方、11.2Tex以下のヤーンも市販されているが、工程が煩雑となる上、コスト上昇につながり経済的でない。
【0028】
ガラスヤーンを選択するのは、ヤーンには、例えば、1個/インチ等の撚りが施されており、熱硬化性樹脂の含浸ないしは絞り工程で、ガラス単繊維の乱れや、弛み、もつれが少なく、外周が均一な未延伸棒状物が得られるからである。
【0029】
抗張力体4のガラス繊維の体積含有率は、要求される物性により決定されるが、より細径化を目的とする本願発明においては、概ね60〜70VOL%程度が望ましい。
【0030】
また、本発明に使用できる熱硬化性樹脂は、テレフタル酸系又はイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂またはエポキシ樹脂等が一般的であり、これらに硬化用触媒等を添加して使用される。
【0031】
未硬化状補強芯部の被覆層5に用いる熱可塑性樹脂は、本体被覆部8の熱可塑性樹脂と相溶性のある樹脂から選択され、本体被覆部8に難燃性樹脂を使用する場合は、該樹脂との相溶性向上のため、接着性樹脂を使用するか、あるいは、接着性樹脂のマスターバッチを添加することが望ましく、さらに本体被覆部8の色にあわせて着色用マスターバッチを添加して着色しておいても良い。
【0032】
また、被覆層5に用いる熱可塑性樹脂は、本体被覆部8の難燃化に合せて難燃性付与のための各種変性を施したものであっても良い。さらに、被覆層5に用いる熱可塑性樹脂は、FRP抗張力体4とのアンカー接着構造を得るため、熱硬化性樹脂の加熱硬化時に少なくとも内周が、溶融状ないし軟化状態を呈することが望ましく、硬化温度110〜150℃の範囲に融点または軟化点を有する、ポリオレフィン系樹脂がより好適である。
【0033】
また、被覆抗張力体6は、ガラスヤーンを補強繊維とする場合、耐曲性や細径化の点から外径が0.9mm以下の繊維強化熱硬化性樹脂硬化物とすることが望ましく、同じく細径化の点、及び難燃性を本体樹脂に求められる以上、必要以上の被覆厚みは、難燃性の阻害要因となるため、被覆層5は、0.3mm以下にすることが望ましい。
【0034】
さらに、被覆層5の厚みは、細径化の目的で整形後に0.07から0.2mm程度の厚みとすることがより望ましく、このような薄膜化のためには、薄膜成形性の良い樹脂が望ましく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が好適である。
【0035】
LLDPEを用いる場合には、次ぎの様な特性を有するものを用いることがより好ましい。その特性とは、JIS K6760によるMFRが1〜4g/10min、密度0.920〜0.940g/cm、JIS Z1702による引張試験において、引張強度が30 MPa以上であり、1%モジュラスが150〜250 MPaの範囲の値を有するものである。
【0036】
本発明のドロップ光ファイバケーブルに用いる被覆抗張力体6は、被覆層5に用いた熱可塑性樹脂からの抗張力体4の引抜力が10N/10mm以上であることが好適である。
【0037】
この引抜力は、アンカー接着構造による密着力の指標とするもので、以下の測定方法により測定した。
【0038】
FRP芯部の外径より僅かに径大の透孔を有する測定冶具11を取着した試験機を準備する一方、被覆抗張力体6の端部の被覆層5を剥離し、それに連続して被覆層5にカミソリ刃により10mm長の刻線を施して、10mm長さの被覆層5を残したサンプルSを準備した。
【0039】
サンプルSは、図2に示す如く、試験機の透孔に挿通し、50mm/分の速度で引張荷重を負荷して、そのチャートから引抜力を求めた。
以下に、本発明のより具体的な実施例について説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0040】
実施例1
ビニルエステル樹脂(三井化学社製:H8100)に熱硬化性触媒を添加した樹脂含浸槽中に、単糸径10μmで22.5TexのEガラスヤーン(日東紡績社製:ECEN225 1/0 1.0ZR)9本を、ガイドを介して導き、引き続いて、内径を段階的に小さくした絞りノズルに導いて、未硬化状樹脂を絞り成形し、外径が0.4mmの細径棒状物を得、これを溶融押出機のクロスヘッドダイ(200℃)に通して、黒色マスターバッチを添加したMI=2.4、密度0.921g/cm、30μmのキャストフィルムによる1%モジュラスが170MPaであるLLDPE樹脂(日本ユニカー社製:TUF2060)により、被覆厚み0.21mmで環状に被覆し、直ちに冷却水槽に導いて、表面の被覆部を冷却固化した。
【0041】
引き続いて、この被覆未硬化線状物を入口及び出口に加圧シール部を設けた加圧蒸気硬化槽に導いて蒸気圧23.5Paで硬化し、引続いて、265℃に加熱された内径0.93mmおよび0.70mmの整形ダイスを備えた整形器に導いて被覆外周面を整形し、被覆外径0.7mmの被覆抗張力体6を得、ボビンに連続状に巻き取った。
【0042】
この被覆抗張力体6は、ガラス繊維含有率が63.5VOL%であり、図2に示した測定治具11を使用して測定した引抜力が、12N/10mmであった。また、80?熱間での24時間耐熱曲げ直径テストでは、30mmをクリアし、サンプル長1000mmでー30??80?のヒートサイクルテストを3回繰り返し、被覆抗張力体6の被覆層5と抗張力体4との接着状況を見たが、被覆層5の収縮は、殆ど発生していなかった。
【0043】
被覆抗張力体6の製造時の硬化温度を変更した場合の引抜力、耐熱曲げ性を実験例として、以下の表1にまとめて示す。
この被覆抗張力線を用いて図1に示すドロップ光ファイバケーブルを以下の方法で製造した。
【0044】
支持線7として、外径1.2mmの鋼線、Φ0.25mmの光ファイバ心線2,3および上記被覆抗張力体6を2本使用し、これらを所定間隔で配置してクロスヘッドダイに挿通して、難燃性ポリエチレン樹脂で本体被覆部8を形成して、中央部にノッチ9を有するドロップ光ファイバケーブル1を得た。
【0045】
得られたドロップ光ファイバケーブル1のしごき特性を、図3に示す測定系のしごき試験機を用いて測定した。図3において、1は、試験対象となるドロップ光ファイバケーブルであり、12、13,14は、牽引ひも、15は、光ファイバケーブル1を挿通する曲がり管であり、R300mmの曲率で曲がっている。16は、牽引ひも12を介して、光ファイバケーブル1に所定の荷重を加える重りである。
【0046】
この試験機を用いて、荷重34.3N、しごき長さ1m、温度条件をー30℃から+80℃のヒートサイクルを5回繰り返し、波長1550nmの光源での伝送損失を測定した。測定結果を以下の表2にまとめて示す。
【0047】
実施例1の被覆抗張力体6により試作したドロップ光ファイバケーブル1には、各被覆層の収縮が認められなかった。
【0048】
実施例2、3
実施例1において加圧蒸気硬化槽の蒸気圧を15.7Pa(実施例2)、32.4Pa(実施例3)として、硬化槽内温度を125℃及び145℃で硬化した以外は、実施例1と同様にして、被覆抗張力線を得た。
得られた被覆抗張力線の引抜力は、11.3(実施例2)、15 N/10mm(実施例3)であり、80℃熱間での24時間耐熱曲げ直径テストでは、何れも30mmをクリアした。
【0049】
実施例2,3の被覆抗張力線を用いて、実施例1と同様にドロップ光ファイバケーブルを作製したが、得られたドロップ光ファイバケーブルのしごき試験における伝送損失の増加はなく、ヒートサイクルテストでの伝送損失増加も認められなかった。
【0050】
比較例1
実施例1において、加圧蒸気硬化槽の蒸気圧を8.8Paとして硬化槽内温度を115℃として硬化した以外は、実施例と同様にして被覆抗張力体を得た。得られた被覆抗張力体の引抜力は、7N/10mmであり、30mm径の80℃の24時間の耐熱曲げ試験では、全サンプルが折損し30mm径は、クリアできなかった。
【0051】
比較例2
実施例1において、未硬化細径棒状物の被覆樹脂に、密度0.928g/cm、MFR 1.3g/10min、引張強度18 Mpa、1%モジュラス 340MpaのLLDPE樹脂(日本ユニカー製NUCG―5350)を使用して被覆厚み0.21mmで環状に被覆し、直ちに冷却水槽に導いて、表面の被覆部を冷却固化した。
【0052】
引き続いて、この被覆未硬化線状物を入口及び出口に加圧シール部を設けた加圧蒸気硬化槽に導いて蒸気圧23.5Paで硬化し、引続いて、265℃に加熱された内径0.93mmおよび0.70mmの整形ダイスを備えた整形器に導いて被覆外周面を整形し、被覆外径0.7mmの被覆抗張力体6を得、ボビンに連続状に巻き取った。
【0053】
得られた被覆抗張力体は、被覆のピンホールによる硬化不良部が部分的にあって、抗張力体としての物性を満足できないものであった。
【0054】
比較例3、4
実施例1の22.5Texのガラスヤーンに変えて、67.5Texのガラスヤーン3本(比較例3)、各撚糸として22.5Texヤーンを3本撚合わせたヤーンを3本(比較例4)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして被覆抗張力体を得た。
【0055】
得られた被覆抗張力体は、FRP部の断面において、ガラス繊維が均等に分散されておらず、おむすび状で真円度が劣り、曲げると方向性があって、抗張力体としては使用できないものであった。
【0056】
特に、合撚したヤーン3本を使用した比較例4では、不飽和ポリエステル樹脂の含浸工程において、合撚したヤーンがほぐれ、ヤーン簡で長さむらを生じ、ケバ立ち等が発生した。そのため、熱可塑性樹脂の被覆工程でピンホールが生じ、硬化後に部分的に硬化不良の部分が発生した。
【0057】
また、得られた被覆抗張力体のFRPの外周が均一でなく、0.70Φの径に整形後の被覆厚みが不均一で、部分的にFRP部が露出しているところもあり、抗張力体として不適当のものであった。これは、所定の寸法、本比較例では外径0.4mm内で、ガラス繊維の分散が不十分且つ不均一となりやすいことによるものと思われる。
【0058】
【表1】
Figure 2004163501
【0059】
【表2】
Figure 2004163501
【0060】
【発明の効果】
以上、実施例で詳細に説明したように、本発明のドロップ光ファイバケーブルは、繊維強化熱硬化性樹脂硬化物製抗張力体に熱可塑性樹脂被覆層を施した被覆抗張力体と、光ファイバ心線とを一括して熱可塑性樹脂で本体被覆したものであって、被覆抗張力体外周と、本体被覆とは融合し、被覆抗張力体の繊維強化熱硬化性樹脂硬化物製抗張力体外周と被覆層内周とは、アンカー接着構造を有しているので、抗張力体は、本体被覆の熱収縮を抑制して、光ファイバ心線を有効に保護し、ヒートサイクルテストや、しごきテストを満足するものである。
【0061】
一方、アンカー接着構造であるため、接続作業において芯部の抗張力体の露出は、被覆層に切込みを入れることによって容易に剥離できる。このため、刃物による削り出しや、溶剤の使用を要していた従来の接着剤を使用したドロップ光ケーブルと比較して、成端キャビネットへの引留め作業が、安全に良環境下で容易に行うことができる。
【0062】
よって、本発明によれば、細径で実用的なノンメタリックのドロップ光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるドロップ光ファイバケーブルの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のドロップ光ファイバケーブルに用いる被覆抗張力体の引抜(密着)力の測定方法の説明図である。
【図3】本発明のドロップ光ファイバケーブルのしごき試験の説明図である。
【符号の簡単な説明】
1 ドロップ光ファイバケーブル
2、3 光ファイバ心線
4 抗張力体
5 被覆層
6 被覆抗張力体
7 支持線
8 本体被覆層

Claims (7)

  1. 繊維強化熱硬化性樹脂製の抗張力体に、熱可塑性樹脂製の被覆層を施した被覆抗張力体と、光ファイバ心線と、前記被覆抗張力体と前記光ファイバ心線とを一括して熱可塑性樹脂で被覆する本体被覆部とを有するドロップ光ファイバケーブルであって、
    前記被覆抗張力体外周と、前記本体被覆部とが、相互に融合接着し、前記被覆層の内周と前記抗張力体の外周とが、アンカー接着していることを特徴とするドロップ光ファイバケーブル。
  2. 前記被覆抗張力体は、ガラス繊維を補強繊維とする外径が0.9mm以下の前記抗張力体に、0.3mm以下の前記被覆層を施してなることを特徴とする請求項1記載のドロップ光ファイバケーブル。
  3. 前記被覆抗張力体の前記熱可塑性樹脂製の被覆層にLLDPEを用いることを特徴とする請求項1または2記載のドロップ光ファイバケーブル。
  4. 前記被覆抗張力体は、その引抜力が10N/10mm以上であること特徴とする請求項1ないし3記載のドロップ光ファイバケーブル。
  5. 前記被覆抗張力体は、前記光ファイバ心線を挟んで、その上下に所定の間隔を隔てて2本配置することを特徴とする請求項1ないし4記載のドロップ光ファイバケーブル。
  6. 前記抗張力体は、補強繊維にガラスヤーンを用いることを特徴とする請求項1ないし5記載のドロップ光ファイバケーブル。
  7. 前記ガラスヤーンは、単繊維径が3〜13μmで、複数のヤーンを合撚していない単糸状のものを用いることを特徴とする請求項6記載のドロップ光ファイバケーブル。
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