JP2004162965A - 廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物ガス化溶融装置に投入される廃棄物の含水率や流量が大幅に変動した場合でも、燃焼溶融炉燃焼ガス排出部の炉壁や伝熱管へのスラッギングを防止することにある。
【解決手段】クエンチガス29の減少による燃焼溶融炉300内に高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段123と、排ガス温度検出手段123からの検出温度に基づき溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなるようにした燃焼溶融炉に供給するチャー流量を調整するチャー流量検出手段120とを設けることにある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物のガス化溶融装置及び制御方法に係わり、特に熱分解炉を加熱した後の排ガスを燃焼溶融炉のクエンチガスとして使用する場合、燃焼溶融炉にて燃焼させるチャーに含まれる不燃物による出口部炉壁やディフューザへのスラッギングを、効果的に防止するためのガス化溶融装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物の熱分解により可燃性ガス(以下、熱分解ガスと呼ぶ)と残留物としてのチャーを生成し、これらを燃焼させたときに得られる熱を熱分解や、チャー中不燃物の溶融スラグ化や、発電等に利用するガス化溶融装置は、次世代型廃棄物処理装置として注目されている。その大きな理由は、最終廃棄物の排出量の最小化と無害化が可能で、且つ燃焼排ガス中のダイオキシン、窒素酸化物、一酸化炭素等の有害物質も極めて低レベルに抑制できるなど、廃棄物処理に伴う環境負荷を軽減するための多くの長所を有することにある。
【0003】
しかしながら、本装置の主要機器の一つである燃焼溶融炉においてはチャー中不燃物を安定に溶融スラグ化するために高温燃焼を維持する反面、溶融スラグが出口部炉壁やディフューザへ付着成層する現象。即ち、スラッギングを防止するために排ガスは速やかに降温するという二律背反する条件を満足する必要がある。
【0004】
出口部炉壁やディフューザでスラッギングが発生すると排ガスの流れが乱れて炉壁や伝熱管の局部過熱による損傷する恐れがあるのみでなく、伝熱管面の伝熱効率が低下し排熱利用率、即ち発電出力が低下し、過度のスラッギングになると運転継続が困難となり、装置の停止による稼動率低下の原因ともなる。
【0005】
また、スラッギングが発生するということはスラグ回収率が低下し、最終廃棄物量も増加することを意味する。従って、スラッギング防止は安全性、経済性の向上のみでなく、環境負荷を低減するためにも重要な課題となる。
【0006】
燃焼溶融炉のスラッギングを防止に関する従来技術としては、石炭ガス化炉においてはよく知られている。例えば、スラッギングの予防を図ったものでは炉出口部を水冷壁構造としたもの(例えば、特許文献1参照。)が示されている。冷却媒体の吹き込み構造としたもの(例えば、特許文献1参照。)が示されている。
【0007】
また、スラッギングが発生しても過度に至る前に除去するという事後処理的なものとしては(例えば、特許文献2参照。)にみられる。更に、不活性ガス噴射による方法(例えば、特許文献3参照。)が示されている。
【0008】
蒸気噴射による方法(例えば、特許文献4参照。)がある。機械的打撃による方法(例えば、特許文献2参照。)がある。更に、下向きバーナ構造(例えば、特許文献5参照。)がある。排ガス再循環構造(例えば、特許文献4参照。)などが知られている。
【0009】
一方、廃棄物処理用としての燃焼溶融炉に関する従来技術としては、(例えば、特許文献6参照。)に燃焼用空気量を調整して炉内燃焼温度を安定化することでスラッギングを防止するものが示されている。また排熱回収用伝熱管へのスラッギングを防止するために、伝熱管前に水冷管を配置したもの(例えば、特許文献7参照。)がある。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−94265号公報(要約)
【特許文献2】
特開平6−271873号公報(要約)
【特許文献3】
特開平6−313537号公報(要約)
【特許文献4】
特開平7−310080号公報(要約)
【特許文献5】
特開平6−158063号公報(要約)
【特許文献6】
特開平9−194854号公報(要約)
【特許文献7】
特開平10−170174号公報(要約)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、廃棄物の処理量や含水率が大幅に変動するガス化溶融装置では、発生する熱分解炉ガス量が変動するため、安定燃焼に必要な空気量も適切に調整する必要がある。その結果、熱分解炉を加熱する燃焼ガス量も大幅に変動し、加熱後の排ガスを燃焼溶融炉のクエンチガスとして使用する本装置では、スラッギングを防止するために何らかの方法で燃焼溶融炉排ガス温度を安定化する必要がある。
【0012】
前述した石炭ガス化炉に関する従来技術では、クエンチ用の冷却媒体の供給量は独立して調整できるため、熱分解炉の運転に拘束される本ガス化溶融装置では適用できない。また、廃棄物処理に関する従来技術では、炉内温度を安定に保つために、燃焼用空気量を調整しているが、熱分解炉加熱後の排ガスによるクエンチ方法に関しては何ら示されていない。
【0013】
本発明が解決しようとする第1の課題は、廃棄物の処理量や含水率が大幅に変動しても、燃焼溶融炉排ガス温度を安定化してスラッギングを防止する廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る第1の廃棄物ガス化溶融装置は、廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中の不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置において、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するチャー流量を調整するチャー流量検出手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る第2の廃棄物ガス化溶融装置は、クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整する熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る第3の本発明に係る廃棄物ガス化溶融装置は、バーナ及びクエンチガスとして燃焼溶融炉内に供給する冷却ガスを供給途中に設けた冷却ガスを制御するガス流量調整手段と、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量をバーナに供給する冷却ガスと調整するように前記ガス流量調整手段を調整するバーナ燃焼ガス温度制御手段とを有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る第4の廃棄物ガス化溶融装置は、クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、該排ガス温度検出手段を介して前記燃焼溶融炉内壁面に設けた前記クエンチガスを流通する第1及び第2クエンチガス流路と、両クエンチガス流路に設けられたクエンチガス流量を制御するガス流量調手段とを備え、前記排ガス温度検出手段からの検出温度により前記ガス流量調手段を調整して第1及び第2クエンチガス流路のガス流量の比率を、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整するクエンチガス流量比率制御手段を有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る第5の廃棄物ガス化溶融装置は、燃焼溶融炉に連通しているクエンチガス流路とこのクエンチガス流路に連通している冷却媒体を流通する冷却媒体通路と、該冷却媒体の流通量を制御する冷却媒体流量調整弁とを備え、前記クエンチガスの変動による前記燃焼溶融炉内壁の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度により前記冷却媒体流量調整弁のガス流量を調整して冷却媒体をクエンチガスの流路に流し、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整する燃焼溶融炉排ガス温度制御手段とを有することを特徴とする。
【0019】
前記目的を達成すべく、本発明に係る第1の廃棄物ガス化溶融装置の制御方法は、廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置の制御方法において、該燃焼溶融炉に設けた排ガス温度検出手段により該クエンチガスの変動による前記燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出し、検出温度をチャー流量検出手段に入力し、前記チャー流量検出手段は前記溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するチャー流量を調整することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る第2の廃棄物ガス化溶融装置の制御方法は、バーナ及びクエンチガスとして燃焼溶融炉内に供給する冷却ガスをガス流量調整手段により制御し、前記クエンチガスの変動による前記燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を排ガス温度検出手段により検出し、この検出温度をバーナ燃焼ガス温度制御手段に入力し、前記バーナ燃焼ガス温度制御手段は前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を前記ガス流量調整手段で調整することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る第3の本発明に係る廃棄物ガス化溶融装置の制御方法は、バーナ及びクエンチガスとして燃焼溶融炉内に供給する冷却ガスをガス流量調整手段に制御し、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を排ガス温度検出手段で検出し、前記排ガス温度検出手段からの検出温度をバーナ燃焼ガス温度制御手段に入力し、前記バーナ燃焼ガス温度制御手段は検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を前記ガス流量調整手段で調整することを特徴とする。
【0022】
本発明に係る第4の本発明に係る廃棄物ガス化溶融装置の制御方法は、燃焼溶融炉内壁面に設けたクエンチガスを流通する第1及び第2クエンチガス流路とこの両クエンチガス流路に設けたガス流量調手段によりクエンチガス流量を制御し、
該燃焼溶融炉に設けた排ガス温度検出手段により該クエンチガスの変動による溶融スラグが前記燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出し、この検出温度をクエンチガス流量比率制御手段に入力し、前記クエンチガス流量比率制御手段は前記ガス流量調手段を調整して第1及び第2クエンチガス流路のガス流量の比率を、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整することを特徴とする。
【0023】
本発明に係る第5の廃棄物ガス化溶融装置の制御方法は、燃焼溶融炉に連通しているクエンチガスの流路とこの流路に連通している冷却媒体を流通する通路と、該冷却媒体の通路に冷却媒体の流通を制御する冷却媒体流量調整弁とを備え、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を排ガス温度検出手段により検出し、前記排ガス温度検出手段からの検出温度を燃焼溶融炉排ガス温度制御手段に入力し、前記燃焼溶融炉排ガス温度制御手段は前記冷却媒体流量調整弁のガス流量を調整して冷却媒体をクエンチガスの流路に流し、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整することを特徴とする。
【0024】
このように構成された第1の廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法によれば、クエンチガスによる急冷後の排ガス温度を検出し、この排ガス温度に応じて燃焼溶融炉に投入するチャー流量調整するため、急冷後排ガス温度を所定値以下に制御できる。これにより、スラッギングを防止できる。前述の所定値以下の温度とは溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度である。
【0025】
このように構成された第2の廃棄物ガス化溶融装置及その制御方法によれば、クエンチガスによる急冷後の排ガス温度を検出し、この排ガス温度に応じて分解ガスの燃焼用空気流量を調整することにより急冷後排ガス温度を所定値以下に制御できる。これにより、スラッギングを防止できる。
【0026】
このように構成された第3の廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法によれば、バーナ燃焼ガス温度制御手段で使用した残りのクエンチガスにより急冷されたあとの燃焼溶融炉排ガス温度を検出し、検出された急冷後排ガス温度に応じてバーナ燃焼ガス温度制御手段における目標温度を補正することにより急冷後排ガス温度を所定値以下に制御できる。これにより、スラッギングを防止できる。
【0027】
このように構成された第4の廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法によれば、クエンチガスによる急冷後の排ガス温度を検出し、検出された排ガス温度に応じて第1と第2のクエンチガスポートから注入するクエンチガス流量比率を調整することにより急冷後排ガス温度を所定値以下に制御できる。これにより、スラッギングを防止できる。
【0028】
このように構成された第5の廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法によれば、燃焼溶融炉に注入されたクエンチガスによる急冷後の排ガス温度を検出し、検出された排ガス温度に応じてバーナバイパス空気の流量を調整することにより急冷後排ガス温度を所定値以下に制御できる。これにより、スラッギングを防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる第1の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法について、図面を用いて説明する。
【0030】
図1は、ガス化溶融装置における主要機器構成と各機器を制御するための制御手段を示す。通常の廃棄物ガス化溶融装置としては種々の制御手段を有するが、本図では主として実施例の説明で必要となる制御手段を太枠のブロックで示した。また、太枠への入力は検出信号を、出力は制御のための操作出力を示す。但し、ここでは制御方法を理解し易くするために制御手段をブロックで示したが、実際には制御室内に設置されるメインコンピュータ若しくは各機器の傍等に配置されたコントローラで実現されている。
【0031】
本発明の実施例として示したガス化溶融装置の各機器の働きについて説明する。廃棄物ピット1に蓄積された廃棄物2はコンベア3やスクリューフィーダ4等を介して、まずロータリ式の乾燥機5の一端から投入される。投入された廃棄物は乾燥機内を搬送される間に、空気加熱器6で予め加熱された加熱後乾燥用空気7(乾燥用加熱媒であり、乾燥機5を出たのちは後述の燃焼用空気として利用される)から熱エネルギーを受けて、廃棄物中の水分が15%程度となるまで乾燥され、乾燥機5の他端から乾燥廃棄物8として排出される。
【0032】
本乾燥廃棄物8は更にスクリューフィーダやプッシャ等(図示しない)を介してロータリ式の熱分解炉100の一端から投入される。投入された乾燥廃棄物8は、熱分解炉内を搬送される間にドラム9の外周に設けたジャケット10へ流入する高温の燃焼ガス11(熱分解用加熱媒体としてのジャケット流入ガス)から熱エネルギーを受け、残留水分が蒸発されると共に、熱分解により可燃性ガス(熱分解ガス)12と不燃物を含む残留物であるチャー13に分離され、他端から排出される。
【0033】
可燃性ガス12には可燃ガスとしての一酸化炭素、水素、軽質ガス及び重質ガスの他に、不燃ガスとしての二酸化炭素、蒸発水及び熱分解生成水等も含まれる。一方、チャー13は可燃物としての炭素、水素、酸素の他に、不燃物としての灰分、ガレキ、金属等からなる。
【0034】
熱分解炉100からで発生した可燃性ガス12はバーナ14に導かれ、乾燥機出口空気15は後述の冷却用ガス17と合流して熱分解用加熱媒体18となる。その一部は前述のジャケット10に導かれて実際の熱分解に寄与するジャケット流入ガス11となり、残りはジャケット10をバイパスするジャケットバイパスガス19となる。
【0035】
更に、ジャケット10を出たジャケット出口ガス20は、ジャケットバイパスガス19と合流して高温排ガス21となり、その一部は空気加熱器6において乾燥用空気22(熱分解ガス燃焼用空気)を加熱して加熱後乾燥用空気7を得るための空気加熱用ガス23として利用される。
【0036】
また、高温排ガス21のうち空気加熱用ガス23を分流した残りの空気加熱器バイパスガス24は、空気加熱器6を通過することで温度低下した空気加熱後排ガス25と合流し、排ガス26となる。この排ガス26は、更に後述の排熱回収ボイラ200から発生する蒸気を過熱する蒸気過熱器27を通過することで温度低下した低温排ガス28となる。この低温排ガス28の一部は前記のバーナ燃焼ガス16の冷却用ガス17として利用され、残りは後述の燃焼溶融炉300の出口部に導入されて燃焼排ガスを急冷するためのクエンチガス29として利用される。
【0037】
熱分解炉100から排出されたチャー13はチャー処理装置30により金属が除去されると共に、粉砕されて微粉チャー31となりチャーホッパ32に蓄積される。微粉チャー31は搬送用空気と共に、溶融炉300での燃焼用チャー33としてノズル34から炉内35に吹き込まれる。
【0038】
炉内35に吹き込まれたチャー33は燃焼用空気ノズル35a,35b,35c(本実施例では3段であるが、その段数は設計条件により適宜決定すればよい)から分割供給される燃焼用空気36により燃焼する。この燃焼用空気36は押込み空気ファン37から供給されるファン供給空気38の一部であり、残りは乾燥用空気22である。
【0039】
炉内35での燃焼するチャーに含まれる粉砕されたガレキや灰分などの不燃物の殆どは溶融されて炉底のスラグタップ39から滴下し、水槽にて固化されたのち系外に排出されるが、極一部は炉頂部のガス排出部40へと搬送される。このガス排出部40に設けたクエンチポート41からはクエンチガス29を吹込んで、排ガス中のスラグが炉壁やディフューザ42に付着固化(スラッギング)しないように急冷する。ディフューザ42及びボイラ炉内43を通過した上記不燃物は排ガス処理装置44の一部であるバグフィルタ(図示しない)により捕捉されると共に、排ガスは無害化され煙突45から形外に排出される。
【0040】
排熱回収ボイラ200は、ボイラ給水46を受けて燃焼溶融炉300で発生する熱を蒸気として回収する。ボイラドラム46で汽水分離された蒸気47は、蒸気過熱器27に導かれ、過熱蒸気48となりタービン発電装置400の蒸気タービン49に導入されて発電機50を駆動することで発電出力を得る。
【0041】
蒸気タービン49からの排気蒸気51は復水器52及び脱気器53を経て、抽気蒸気54は脱機器53を経てボイラ給水ポンプ55によりボイラ200に給水される。ボイラ給水56の一部は燃焼溶融炉300の水冷壁57とディフューザ42を通過することで燃焼ガスから熱を回収するが、大部分の熱はボイラ内部に設けた水壁、蒸発器、節炭器(図示せず)により回収される。
【0042】
次に、同じく図1を用いて本実施形態である制御手段について説明する。まず基本となる熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段60、乾燥機出口空気温度制御手段70、バーナ燃焼ガス温度制御手段80、ジャケット出口ガス温度制御手段90、チャー燃焼用空気流量制御手段110及びチャー流量制御手段120について順を追って説明する。
【0043】
まず、熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段60としては、バーナ燃焼ガスO濃度目標値OBNSに対して、O濃度検出器61で検出したバーナ燃焼ガスO濃度OBNをフィードバックし、その偏差に応じて空気流量調整弁62を操作(本実施例では偏差の比例積分演算結果により操作)することで、熱分解ガス燃焼用空気流量FABを調整し、バーナ燃焼ガスO濃度を所定値に制御する働きをする。
即ち、バーナ燃焼ガスO濃度を上げるためには、燃焼用空気流量FABを増加するように動作する。
【0044】
乾燥機出口空気温度制御手段70としては、目標値TDASに対して、温度検出器71で検出した乾燥機出口空気温度TDAをフィードバックし、その偏差に応じて空気加熱器出口ガスダンパ72と空気加熱器バイパスガスダンパ73とを操作(本実施例では偏差の比例積分微分演算結果により操作)することで、空気加熱器通過ガス流量を調整し、乾燥機出口空気温度を所定値に制御する働きをする。
即ち、乾燥機出口空気温度を上げるためには、空気加熱器出口ガスダンパ72を開方向に、空気加熱器バイパスガスダンパ73を閉方向に操作するように動作する。両ダンパは互いに逆極性で動作する。
【0045】
バーナ燃焼ガス温度制御手段80としては、目標値TBSに対して、温度検出器81で検出したバーナ燃焼ガス温度TBをフィードバックし、その偏差に応じて燃焼ガス冷却ガス流量調整弁82とクエンチガス流量調整弁83とを操作(本実施例では偏差の比例積分演算結果により操作)することで燃焼ガス冷却ガス流量FBCを調整し、熱分解用加熱媒体18であるバーナ燃焼ガス温度を所定値に制御する働きをする。
即ち、バーナ燃焼ガス温度を下げるためには、燃焼ガス冷却ガス流量調整弁82を開方向に、クエンチガス流量調整弁83を閉方向に操作するように動作する。両調整弁は互いに逆極性で動作する。
【0046】
ジャケット出口ガス温度制御手段90としては、温度目標値TJESに対して、温度度検出器91で検出したジャケット出口ガス温度TJEをフィードバックし、その偏差に応じてジャケットバイパスガスダンパ92を操作(本実施例では偏差の比例積分微分演算結果により操作)することでジャケットバイパスガス流量FJBを調整し、ジャケット出口ガス温度を所定値に制御する働きをする。
即ち、ジャケット出口ガス温度を上げるためには、ジャケットバイパスガス流量を減少させて、加熱量を増加するように動作する。
【0047】
チャー燃焼用空気流量制御手段110としては、燃焼溶融炉ガスO濃度目標値OMGSに対して、O濃度検出器111で検出した燃焼溶融炉ガスO濃度OMGをフィードバックし、その偏差に応じてチャー燃焼用空気流量調整弁112を操作(本実施例では偏差の比例積分演算結果により操作)することでチャー燃焼用空気流量FAMを調整し、燃焼溶融炉ガスO濃度を所定値に制御する働きをする。
即ち、燃焼溶融炉ガスO濃度を上げるためには、チャー燃焼用空気流量FAMを増加するように動作する。この場合、前記燃焼用空気ノズル34a,34b,34cから分割供給される空気流量は一定比率となるように、流量設定弁112a,112b,112cの開度は予め所定値に設定されている。
【0048】
チャー流量制御手段120としては、基本的にはチャー供給機121の回転数を一定に保つことで、チャー供給量FCHを一定に制御する。しかしながら、チャー供給量を厳密に一定維持することは困難で、且つ、チャーホッパ32でのチャー蓄積量を一定に保つことも困難なため、複数のチャーレベル検出用リミットスイッチ122からの信号により、チャー供給機121の回転数を補正する。
即ち、チャーレベル高を検出するリミットスイッチからの信号が発生した場合は、チャー供給機121の回転数を増加方向に修正することでチャーレベルを基準レベルに戻す働きをする。ここで、本発明の実施部分は、ディフユーザ41の出口部に設置されたガス温度検出器123で検出したディフユーザ出口ガス温度TD2をもって上記チャー供給機121の回転数を補正する部分である。
【0049】
次に、本発明の実施部分について、その効果を交えて具体的に説明する。
【0050】
先ず、図2を用いて、本発明を適用しない場合にスラッギングが発生する現象を説明する。
【0051】
同図(A)では、乾燥機5へのごみ投入量が低下した場合、熱分解炉9から発生する熱分解ガス12の流量が低下するため、バーナ燃焼ガスO濃度が上昇し始めるが、熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段60の働きにより空気流量が抑制されて、O濃度は安定に保たれることを示している。
【0052】
しかしながら、このような熱分解ガス流量の低下と熱分解ガス燃焼用空気流量の低下は、同図(B)に示すように、低温排ガス28の流量の大幅低下に直結し、バーナ燃焼ガス温度制御用ガス流量が若干減少するがクエンチガス流量が大幅に変動つまり低下することになる。
【0053】
その結果、同図(C)のように、燃焼溶融炉300に投入するチャー流量を一定で運転するとディフユーザ入口ガス温度が斜線で示すようにスラッギング限界温度を超過し、ディフユーザ表面にスラッギングが発生することを示している。この場合、ディフユーザ入口ガス温度はスラッギング限界温度以下となっているので、排熱回収ボイラ200の熱交換器へのスラッギングは起きないが、ごみ投入量の変動状況によってはその可能性も十分有りうる。
【0054】
図3は本発明を適用した場合、スラッギングを防止できることを説明する。
【0055】
ディフユーザ出口ガス温度を検出し、これに応じてチャー流量を低減しているため、クエンチガス流量が低下してもディフユーザ入口ガス温度はスラッギング限界温度に対して十分な余裕を維持している。
【0056】
即ち、クエンチガス29の変動つまり減少により溶融スラグが燃焼溶融炉300内壁面に付着する高温排ガスの温度をガス温度検出器123により検出し、この検出温度をチャー流量検出手段120に入力する。チャー流量検出手段120よりチャー供給機121の回転数を調整して、溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなるように燃焼溶融炉300に供給するチャー流量を調整しながら供給する。
【0057】
この結果、チャー流量が燃焼溶融炉300内でチャー流量を調整した分だけ、チャーの燃焼温度が低くなるに伴い燃焼溶融炉300内の高温排ガスの温度も低くなり、ディフユーザ入口のガス温度をスラッギング限界温度以下にすることができるので、後述する本発明の効果を達成することができる。
【0058】
尚、本実施例では、ガス温度検出器123をディフユーザ出口部に設置すれば、クエンチガス29による燃焼溶融炉内の検出温度の結果を直ぐに確認にできる利点がある。また本発明を実施する上で必ずしも前述の位置にする必要はなく、燃焼溶融炉内の排ガスとエンチガスが十分混合された以降であれば適宜選定すれば良く、例えば、ディフユーザ中間部などである。但し、ディフユーザや排熱回収ボイラの熱交換部でのガス温度低下分を考慮して制御する必要はある。
【0059】
またガス温度検出器123により検出し、この検出温度をチャー流量検出手段120に入力したら、図示していないチャーホッパ32と燃焼溶融炉300内との間を連絡している搬送部に駆動部を設け、この駆動部により搬送部の速度を溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなるように燃焼溶融炉300に供給するチャー流量を調整しても良い。またガス温度検出器123及びチャー流量検出手段120にはスラッギング限界温度を記憶部に記憶しておき、後述するように管理してもよい。
【0060】
次に、本発明に係わる第2の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法について、図4と図5を参照して説明する。
【0061】
図4に示すガス化溶融装置の各機器、及び基本となる乾燥機出口空気温度制御手段70、バーナ燃焼ガス温度制御手段80、ジャケット出口ガス温度制御手段90、チャー燃焼用空気流量制御手段110については前記第1の実施形態と同一であり、同一番号で示し、ここでは説明を割愛する。また、チャー流量制御手段130については、第1の実施形態で説明した内容から、ディフユーザ出口ガス温度TD2をもってチャー供給機121の回転数を補正する部分を除外したものである。
【0062】
ここでは、第2の実施部分である熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段140について、その効果を交えて具体的に説明する。
【0063】
熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段140としては、基本部は第1の実施部分である熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段60と同じで、前記バーナ燃焼ガスO濃度目標値OBNSに対して、O濃度検出器61で検出したバーナ燃焼ガスO濃度OBNをフィードバックし、その偏差に応じて空気流量調整弁62を操作(本実施例では偏差の比例積分演算結果により操作)することで、熱分解ガス燃焼用空気流量FABを調整し、バーナ燃焼ガスO濃度を所定値に制御する働きをする。ここで、本発明の実施部分は、ディフユーザ42の出口部に設置されたガス温度検出器123で検出したディフユーザ出口ガス温度TD2をもって上記バーナ燃焼ガスO濃度目標値OBNSを補正する部分である。
【0064】
図5は上記本発明を適用した場合、スラッギングを防止できることを示している。図5(A),(B)は図2の(A),(B)と同じなので、説明を省略し図3と同じである図5(C)にいて説明する。即ち、ディフユーザ出口ガス温度を検出し、これに応じてバーナ燃焼ガスO濃度目標値OBNSを上方補正しているため、十分なクエンチガス流量が確保され、ディフューザ入口ガス温度はスラッギング限界温度に対して十分な余裕を維持している。尚、本実施例では、バーナ燃焼ガスO濃度目標値OBNSを上方補正しているが、この補正量はバーナ燃焼の安定性を配慮して決定されるべきことは勿論である。
【0065】
即ち、クエンチガス29の減少により溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着する高温排ガスの温度をガス温度検出器123により検出し、この検出温度を熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段140に入力する。熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段140では検出温度に基づき溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなるように燃焼溶融炉300に供給するクエンチガス流量を調整つまり増加する。
【0066】
要するに、熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段140には、検出温度に基づき溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなる温度つまりスラッギング限界温度を記憶し、このスラッギング限界温度により後述するように高温排ガスを制御する。
【0067】
この結果、燃焼溶融炉300内でクエンチガス流量を増加した分だけ、燃焼溶融炉300内の高温排ガスの温度も低くなり、ディフユーザ入口のガス温度を図5(C)のようにスラッギング限界温度以下にすることができるので、後述する本発明の効果を達成することができる。
【0068】
要するに、熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段140には、検出温度に基づき溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなる温度つまりスラッギング限界温度を記憶し、このスラッギング限界温度により後述するように高温排ガスの温度を制御する。
【0069】
次に、本発明に係わる第3の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法について、図6と図7(A),(B)を参照して説明する。
【0070】
図6に示すガス化溶融装置の各機器、及び基本となる熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段60、乾燥機出口空気温度制御手段70、ジャケット出口ガス温度制御手段90、チャー燃焼用空気流量制御手段110については前記第1の実施形態と同一であり、同一番号で示し、ここでは説明を割愛する。また、チャー流量制御手段130については、前記第1の実施形態で説明した内容と同じである。
【0071】
ここでは、第3の実施部分であるバーナ燃焼ガス温度制御手段150について、その効果を交えて具体的に説明する。
【0072】
バーナ燃焼ガス温度制御手段150としては、基本部は第1の実施部分であるバーナ燃焼ガス温度制御手段80と同じで、目標値TBSに対して、温度検出器81で検出したバーナ燃焼ガス温度TBをフィードバックし、その偏差に応じて燃焼ガス冷却ガス流量調整弁82とクエンチガス流量調整弁83とを操作(本実施例では偏差の比例積分演算結果により操作)することで燃焼ガス冷却ガス流量FBCを調整し、熱分解用加熱媒体18であるバーナ燃焼ガス温度を所定値に制御する働きをする。
【0073】
ここで、本発明の実施部分は、ディフューザ42の出口部に設置されたガス温度検出器123で検出したディフューザ出口ガス温度TD2をもって、上記バーナ燃焼ガス温度目標値TBSを補正する部分である。
【0074】
即ち、バーナ燃焼ガス温度制御手段150では、図7(B)に示すスラッギング限界温度をバーナ燃焼ガス温度目標値TBSと記憶部に記憶している。スラッギング限界温度の上側は溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着する高温排ガスの温度の温度領域である。スラッギング限界温度の下側は溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない高温排ガスの温度領域である。尚、図7(A)は図5(B)と同じである。
【0075】
今、ガス温度検出器123により上側のスラッギング限界温度値を検出し、この検出温度をバーナ燃焼ガス温度制御手段150に入力する。バーナ燃焼ガス温度制御手段150では、バーナ14に供給する低温排ガス28の流通量を燃焼冷却ガス流量調整弁82により抑制すると共に、クエンチガス流量調整弁83の開度を広くして、クエンチガス29の流量は溶融スラグが燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に高温排ガスがなるように増加させて、ディフユーザ入口のガス温度を図7(B)のようにスラッギング限界温度以下にすることができるので、後述する本発明の効果を達成することができる。又この実施例では、燃焼冷却ガス流量調整弁82及びクエンチガス流量調整弁83の開度を制御すればよいから、制御構造が簡素化できる利点がある。
【0076】
図7(B)は上記本発明を適用した場合、スラッギングを防止できることを示している。即ち、ディフューザ出口ガス温度を検出し、これに応じてバーナ燃焼ガス温度目標値TBSを上方補正することで、温度制御用ガス流量を低減しているため十分なクエンチガス流量が確保され、ディフューザ入口ガス温度はスラッギング限界温度に対して十分な余裕を維持している。尚、本実施例では、バーナ燃焼ガス温度目標値TBSを上方補正しているが、この補正量はバーナ14の耐熱性を配慮して決定されるべきことは勿論である。
【0077】
次に、本発明に係わる第4の実施部分である廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法について、図8と図9を参照して説明する。
【0078】
図8に示すガス化溶融装置の各機器のうち、図1に示した機器と同一のものは同じ番号で示した。図8で異なる部分は本実施部分に当たり、クエンチガス29を29a,29bに分離して燃焼溶融炉の燃焼ガス出口部及びディフューザ出口部に設けられた第1クエンチガスポート124a及び第2クエンチガスポート124bから供給する構成とした部分である。即ち、第2クエンチガスポート124bから供給するクエンチガス29bはディフューザバイパスガスである。
【0079】
また、基本となる熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段60、乾燥機出口空気温度制御手段70、バーナ燃焼ガス温度制御手段80、ジャケット出口ガス温度制御手段90、チャー燃焼用空気流量制御手段110については前記第1の実施形態と同一であり、同一番号で示し、ここでは説明を割愛する。また、チャー流量制御手段130については、前記第2の実施形態で説明したものと同じである。ここで、本発明の実施部分は図8に示すクエンチガス流量比率制御手段160である。
【0080】
本制御手段は、第1と第2のクエンチガスポート124a,124bから注入するクエンチガス流量比率を調整する部分である。具体的には、ディフューザ42の出口部に設置されたガス温度検出器123で検出したディフューザ出口ガス温度TD2をもって、目標値との偏差に応じて前記第1及び第2クエンチガス流量調整弁125a,125bを操作(本実施例では偏差の比例積分演算結果により操作)することでクエンチガス流量比率を調整し、ジャケット出口ガス温度を所定値に制御する働きをする。即ち、本制御手段はディフューザ出口ガス温度下げる場合は第1クエンチガスポート124aから注入するクエンチガス流量比率を第2の124bのクエンチガス流量比率より上げるように動作する。
【0081】
ここでは、第4の実施部分であるクエンチガス流量比率制御手段160について、その効果を具体的に説明する。
【0082】
図9は本発明を適用した場合、スラッギングを防止できることを示している。即ち、ディフューザ出口ガス温度を検出し、これに応じて図9(A)に示すように第2クエンチガス流量(ディフューザバイパスガス流量)を第1クエンチガス流量に比べて減少させることで、第1クエンチガスとして十分な流量を確保している。その結果、ディフューザ入口ガス温度は図9(B)に示すようにスラッギング限界温度に対して十分な余裕を維持しているので、後述する効果を達成することができる。
【0083】
次に、本発明に係わる第5の実施部分である廃棄物ガス化溶融装置及びその制御方法について、図10と図11を参照して説明する。
【0084】
図10に示すガス化溶融装置の各機器のうち、図1に示した機器と同一のものは同じ番号で示した。図10で異なる部分は本実施部分に当たり、乾燥機出口空気15をバーナ燃焼用空気15aとクエンチガスに混入するためのバーナバイパスクエンチ空気15bとに分離した部分である。
【0085】
また、基本となる熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段60、乾燥機出口空気温度制御手段70、バーナ燃焼ガス温度制御手段80、ジャケット出口ガス温度制御手段90、チャー燃焼用空気流量制御手段110については前記第1の実施形態と同一であり、同一番号で示し、ここでは説明を割愛する。また、チャー流量制御手段130については、前記第2の実施形態で説明したものと同じである。
【0086】
ここで、本発明の実施部分は図10に示す燃焼溶融炉排ガス温度制御手段170であり、上記バーナバイパスクエンチ空気15bの流量を調整する部分である。具体的には、ディフューザ42の出口部に設置されたガス温度検出器123で検出したディフューザ出口ガス温度TD2をもって、目標値との偏差に応じて空気流量調整弁126を操作(本実施例では偏差の比例積分演算結果により操作)することでバーナバイパスクエンチ空気流量を調整し、ジャケット出口ガス温度を所定値に制御する働きをする。即ち、本制御手段はディフューザ出口ガス温度を下げる場合はバーナバイパスクエンチ空気流量を増加するように動作する。
【0087】
ここでは、第5の実施部分である燃焼溶融炉排ガス温度制御手段170について、その効果を具体的に説明する。
【0088】
図11は上記本発明を適用した場合、スラッギングを防止できることを示している。即ち、同図(A)では、熱分解ガス流量が大幅に減少した場合でも、乾燥用空気流量を大幅に減らさずにバーナ燃焼ガスO濃度を上げることなく、安定維持できることを示している。
【0089】
このことは、即ち、熱分解ガス流量が減少したとき、ディフューザ出口ガス温度が上昇傾向となるが、同図(B)に示すように、本制御手段が働いてバーナバイパスクエンチ空気流量を増加させ、結果としてバーナ燃焼用空気流量が減少するためである。
【0090】
また、バーナバイパスクエンチ空気を含むクエンチガス流量も安定なため、同図(C)に示すように、ディフューザ入口ガス温度はスラッギング限界温度に対して十分な余裕を維持しているので、後述する効果を達成することができる。
【0091】
以上、本発明の第1〜第5の実施形態について説明したが、これら5つの実施形態のみに限定する必要はなく、以下に述べる実施形態においても本発明はその本質を何ら変えることなく適用可能である。
【0092】
まず、本発明の第1〜第5の実施形態は、いずれもディフューザ出口ガス温度を検出し、これを各制御手段にて利用しているが、必ずしもディフューザ出口ガス温度に限定する必要はない。例えば、本ガス化溶融装置の性質上、ディフューザ出口ガス温度とディフューザ出口ガスO濃度に強い相関があるため、後者を前者の代用としても良い。
【0093】
この場合、図12に示すように、新たなチャー流量制御手段180としては、ディフューザ出口ガスO濃度の検出値QDF2に応じてチャー流量を補正するように動作する。即ち、乾燥機投入ごみ量が同様に減少した場合、クエンチガス流量は低下するため、図13(A)に示すように、ディフューザ出口ガスO濃度が低下傾向を示すが、本制御手段はチャー流量を減少させる方向で動作する。その結果、同図(B)に示すようにディフューザ入口ガス温度はスラッギング限界温度に対して十分な余裕を維持している。
【0094】
尚、ガスO濃度の検出位置に関しては、クエンチガスが燃焼溶融炉排ガスと十分混合したあとであれば、検出位置により大差はないので、特に限定する必要はなく、排熱回収ボイラ内部、出口、排ガス処理装置内など、適宜選定すれば良い。
【0095】
また、本発明の第1〜第5の実施形態は、ガス温度検出位置をいずれもディフューザ出口としているが、必ずしもディフューザ出口に限定する必要はなく、クエンチガスが燃焼溶融炉排ガスと十分混合する位置を装置設計の条件に応じて適宜選定すれば良い。例えば、図14に示すように、ディフューザの途中にガス温度検出器を設置しても本発明の本質を何ら逸脱するものではない。
【0096】
また、本発明の第1〜第5の実施形態は、それぞれ個別に独立した形態とする必要はなく、適宜組み合わせた形態で実施することも可能であり、個々の実施形態の説明で述べたと同様の効果を達成できることは勿論である。
【0097】
また、既に説明した実施形態においては、乾燥機5と熱分解炉100の分離独立した装置として構成されたガス化溶融装置を対象としたが、乾燥と熱分解を一つの装置で行う熱分解装置を採用したガス化溶融装置にも本発明はその本質を何ら変更されることなく実施できる。
【0098】
また、既に説明した第2の実施形態においては、チャー温度を計測し、これに応じてジャケット出口ガス温度の設定値を補正する方法を採用しているが、実用上必ずしもこの方式に固執する必要はない。例えば、チャー温度の代りに熱分解炉7から排出される熱分解ガス(可燃性ガス)の温度を用いる方法としても、本発明の本質を変えることなく、その目的を達成できる。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明による第1の効果は、燃焼溶融炉排ガスをクエンチした後のガス温度を検出し、このガス温度に応じて燃焼溶融炉へ供給するチャー流量を補正するため、上記ガス温度をスラッギング限界以下に制御できことにより、廃棄物ガス化溶融装置の運転信頼性、安全性、稼動率、エネルギー効率を向上できると共に、発電出力の変動を最小限に抑制することが可能となることである。
【0100】
本発明による第2の効果は、燃焼溶融炉排ガスをクエンチした後のガス温度を検出し、このガス温度に応じてバーナ燃焼用空気流量を補正するため、必要十分なエンチガス量を確保でき、上記ガス温度をスラッギング限界以下に制御できことにより、廃棄物ガス化溶融装置の運転信頼性、安全性、稼動率、熱効率を向上できると共に、発電出力の変動を最小限に抑制することが可能となることである。
【0101】
本発明による第3の効果は、燃焼溶融炉排ガスをクエンチした後のガス温度を検出し、このガス温度に応じてバーナ燃焼ガス温度を補正することでバーナ燃焼ガス冷却用ガスを節約するため、必要十分なエンチガス量を確保でき、上記ガス温度をスラッギング限界以下に制御できことにより、廃棄物ガス化溶融装置の運転信頼性、安全性、稼動率、熱効率を向上できると共に、発電出力の変動を最小限に抑制することが可能となることである。
【0102】
本発明による第4の効果は、燃焼溶融炉排ガスをクエンチした後のガス温度を検出し、このガス温度に応じて2系統に分割したクエンチガス流量比率を調整することで、必要十分なエンチガス量を確保でき、上記ガス温度をスラッギング限界以下に制御できことにより、廃棄物ガス化溶融装置の運転信頼性、安全性、稼動率、熱効率を向上できると共に、発電出力の変動を最小限に抑制することが可能となることである。
【0103】
本発明による第5の効果は、燃焼溶融炉排ガスをクエンチした後のガス温度を検出し、このガス温度に応じてバーナ燃焼用空気の一部をクエンチガスに混入し、この流量を調整することで、必要十分なエンチガス量を確保でき、上記ガス温度をスラッギング限界以下に制御できことにより、廃棄物ガス化溶融装置の運転信頼性、安全性、稼動率、熱効率を向上できると共に、発電出力の変動を最小限に抑制することが可能となることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置を示す構成図。
【図2】本発明を適用しない場合にスラッギングが発生する現象を説明する特性図。
【図3】本発明の第1の実施形態を適用した場合のチャー流量制御特性を示す特性図。
【図4】本発明の第2の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置を示す構成図。
【図5】本発明の第2の実施形態である熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段を適用した場合の特性図。
【図6】本発明の第3の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置を示す構成図。
【図7】本発明の第3の実施形態であるバーナ燃焼ガス温度制御手段を適用した場合の特性図。
【図8】本発明の第4の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置を示す構成図。
【図9】本発明の第4の実施形態であるクエンチガス流量比率制御手段を適用した場合の特性図。
【図10】本発明の第5の実施形態である廃棄物ガス化溶融装置を示す構成図。
【図11】本発明の第5の実施形態である燃焼溶融炉排ガス温度制御手段を適用した場合の特性図。
【図12】本発明の第1〜第5で採用したディフューザ出口ガスO濃度検出値をチャー流量制御手段に採用した場合を示す構成図。
【図13】本発明の第1〜第5で採用したディフューザ出口ガスO濃度検出値をチャー流量制御手段に採用した場合を示す特性図。
【図14】本発明の第1〜第5で採用したディフューザ中間ガス温度検出値をチャー流量制御手段に採用した場合を示す構成図。
【符号の説明】
1…廃棄物ピット、2…廃棄物、3…コンベア、4…スクリューフィーダ、5…乾燥機、6…空気加熱器、7…加熱後乾燥用空気、8…乾燥廃棄物、9…ドラム、100…熱分解炉、10…ジャケット、11…燃焼ガス、12…可燃性ガス(熱分解ガス)、13…チャー、14…バーナ、15…乾燥機出口空気、15a…バーナ燃焼用空気、15b…バーナバイパスクエンチ空気、16…高温の燃焼ガス、17…冷却用ガス、18…熱分解用加熱媒体、19…ジャケットバイパスガス、20…ジャケット出口ガス、21…高温排ガス、22…乾燥用空気(熱分解ガス燃焼用空気)、23…空気加熱用ガス、24…空気加熱器バイパスガス、25…空気加熱後排ガス、26…排ガス、200…排熱回収ボイラ、27…蒸気過熱器、28…低温排ガス、300…燃焼溶融炉、29…クエンチガス、29a…クエンチガス、29b…クエンチガス、30…チャー処理装置、31…微粉チャー、32…チャーホッパ、33…燃焼用チャー、34…ノズル、35…炉内、35a…燃焼用空気ノズル、35b…燃焼用空気ノズル、35c…燃焼用空気ノズル、36…燃焼用空気、37…押込み空気ファン、38…ファン供給空気、39…スラグタップ、40…ガス排出部、41…クエンチポート、42…ディフューザ、43…ボイラ炉内、44…排ガス処理装置、45…煙突、46…ボイラ給水、47…蒸気、48…過熱蒸気、400…タービン発電装置、49…蒸気タービン、50…発電機、51…排気蒸気、52…復水器、53…脱気器、54…抽気蒸気、55…ボイラ給水ポンプ、57…水冷壁、60…熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段、61…O濃度検出器、62…空気流量調整弁、70…乾燥機出口空気温度制御手段、71…温度検出器、72…空気加熱器出口ガスダンパ、73…空気加熱器バイパスガスダンパ、80…バーナ燃焼ガス温度制御手段、81…温度検出器、82…燃焼ガス冷却ガス流量調整弁、83…クエンチガス流量調整弁、90…ジャケット出口ガス温度制御手段、91…温度度検出器、92ジャケットバイパスガスダンパ、110…チャー燃焼用空気流量制御手段、111…O濃度検出器、112…チャー燃焼用空気流量調整弁、120…チャー流量制御手段、121…チャー供給機、122…チャーレベル検出用リミットスイッチ、123…ガス温度検出器、124a…第1クエンチガスポート、124b…第2クエンチガスポート、125a…第1クエンチガス流量調整弁、125b…第2クエンチガス流量調整弁、126…空気流量調整弁、130…チャー流量制御手段、140…熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段、150…バーナ燃焼ガス温度制御手段、160…クエンチガス流量比率制御手段、170…燃焼溶融炉排ガス温度制御手段、180…チャー流量制御手段。

Claims (10)

  1. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置において、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するチャー流量を調整するチャー流量調整手段とを有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
  2. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置において、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整する熱分解ガス燃焼用空気流量制御手段とを有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
  3. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置において、前記バーナ及びクエンチガスとして燃焼溶融炉内に供給する冷却ガスを供給途中に冷却ガスを制御するガス流量調整手段と、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガスを、前記バーナに供給する冷却ガスにより調整するバーナ燃焼ガス温度制御手段とを有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
  4. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置において、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、該排ガス温度検出手段を介して前記燃焼溶融炉内壁面に設けた前記クエンチガスを流通する第1及び第2クエンチガス流路と、両クエンチガス流路に設けられたクエンチガス流量を調整するガス流量調整手段とを備え、前記排ガス温度検出手段からの検出温度により前記ガス流量調手段を調整して第1及び第2クエンチガス流路のガス流量の比率を、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整するクエンチガス流量比率制御手段を有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
  5. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置において、該燃焼溶融炉に連通しているクエンチガス流路とこのクエンチガス流路に連通している冷却媒体を流通する冷却媒体通路と、該冷却媒体の流通量を調整する冷却媒体流量調整弁とを備え、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出する排ガス温度検出手段と、前記排ガス温度検出手段からの検出温度により前記冷却媒体流量調整弁のガス流量を調整して冷却媒体を前記クエンチガス流路に流し、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給する冷却媒体の流量を調整する燃焼溶融炉排ガス温度制御手段とを有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
  6. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置の制御方法において、該燃焼溶融炉に設けた排ガス温度検出手段により該クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出し、この検出温度をチャー流量検出手段に入力し、前記チャー流量検出手段は前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するチャー流量を調整することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置の制御方法。
  7. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置の制御方法において、前記バーナ及びクエンチガスとして燃焼溶融炉内に供給する冷却ガスをガス流量調整手段により制御し、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を排ガス温度検出手段により検出し、この検出温度をバーナ燃焼ガス温度制御手段に入力し、前記バーナ燃焼ガス温度制御手段は前記排ガス温度検出手段からの検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量をガス流量調整手段で調整することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置の制御方法。
  8. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置の制御方法において、前記バーナ及びクエンチガスとして前記燃焼溶融炉内に供給する冷却ガスをガス流量調整手段で調整し、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を排ガス温度検出手段で検出し、前記排ガス温度検出手段からの検出温度をバーナ燃焼ガス温度制御手段に入力し、前記バーナ燃焼ガス温度制御手段は検出温度に基づき前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスになるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガスをガス流量調整手段により調整するようにしたことを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置の制御方法。
  9. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置の制御方法において、燃焼溶融炉内壁面に設けた前記クエンチガスを流通する第1及び第2クエンチガス流路とこの両クエンチガス流路に設けたガス流量調性手段によりクエンチガス流量を調整し、該燃焼溶融炉に設けた排ガス温度検出手段により該クエンチガスの変動による前記燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を検出し、この検出温度をクエンチガス流量比率制御手段に入力し、前記クエンチガス流量比率制御手段は前記ガス流量を調整して第1及び第2クエンチガス流路を通過するガス流路のガス流量の比率を、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給するクエンチガス流量を調整することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置の制御方法。
  10. 廃棄物を熱分解ガスとチャーに熱分解する熱分解炉と、該チャーを燃焼させチャー中不燃物を溶融して溶融スラグを含有する高温排ガスを排出する燃焼溶融炉と、該熱分解ガスを燃焼させてバーナ燃焼ガスを発生するバーナとを備え、前記バーナ燃焼ガスにより前記熱分解炉を加熱した後の排ガスを、前記燃焼溶融炉から排出される高温排ガスを急冷するクエンチガスとして使用する廃棄物ガス化溶融装置の制御方法において、該燃焼溶融炉に連通しているクエンチガスの流路とこの流路に連通している冷却媒体を流通する通路と、該冷却媒体の通路に冷却媒体の流量を調整する冷却媒体流量調整弁とを備え、前記クエンチガスの変動による燃焼溶融炉内の高温排ガスの温度を排ガス温度検出手段により検出し、前記排ガス温度検出手段からの検出温度を燃焼溶融炉排ガス温度制御手段に入力し、前記燃焼溶融炉排ガス温度制御手段は前記冷却媒体流量調整弁のガス流量を調整して冷却媒体をクエンチガス流路に流し、前記溶融スラグが前記燃焼溶融炉内壁面に付着しない温度に前記高温排ガスがなるように前記燃焼溶融炉に供給する冷却媒体の流量を調整することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置物ガスの制御方法。
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