JP2004162245A - 機能性レーヨン繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 消臭、抗菌、防汚などの機能を持つ機能性レーヨン繊維を提供する。
【解決手段】 この機能性レーヨン繊維は、母体に複合金属酸化物微粒子が分散及び保持されてなるものである。複合金属酸化物微粒子は、少なくとも酸化チタンと酸化ケイ素を含有し、かつ、光触媒活性を有するものである。酸化チタンと酸化ケイ素は混晶状態となっているのが好ましい。複合金属酸化物微粒子中における酸化チタンと酸化ケイ素の含有量は、酸化チタンが90〜98質量%で、酸化ケイ素が10〜2質量%であるのが好ましい。複合酸化物微粒子の粒径は、5〜400nmの範囲であるのが好ましい。機能性レーヨン繊維の母体中における複合金属酸化物微粒子の量は、レーヨン繊維の母体100質量部に対して、複合金属酸化物微粒子が1〜50質量部であるのが好ましい。この機能性レーヨン繊維は、減量加工処理が施されていることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
〔変退色評価試験〕
JIS L−0842「紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法」記載の方法に準じて、試料の変退色性を評価した。すなわち、試料ワタをくしけずって押しつけ、大きさが10×60mm以上で白厚紙が見えない程度の薄い層にして、白厚紙上に取り付け、紫外線カーボンアーク灯光を照射して、同時に取り付けたブルースケールとの変退色を視感によって比較判定し、等級評価した。
光沢のある表面が滑らかな紙片に、試料繊維の両端に接着剤を塗布して張りつけ、試料繊維両端の接着剤塗布部を厚紙で覆い、紫外線カーボンアーク灯光を40時間照射した。そして、照射前後の試料繊維の引張強さを、JIS L−1015「化学繊維ステープル試験方法」に従って測定した。すなわち、標準時試験における定速伸長形(1分間当たりつかみ間隔の100%伸長速度)条件で引張強さ(cN/dtex)を測定した。
試料ワタ1gを3L容のテドラーバッグ(登録商標)に入れ、初期濃度が15体積ppmになるように硫化水素ガスを入れて密閉した。反射板付ブラックライト蛍光ランプ(松下電器産業株式会社製、20ワット形FL20S・BLB)2本を平行に取り付けた光源を用い、テドラーバッグ(登録商標)から20〜30cmの距離で紫外線を照射した。紫外線強度は、紫外線強度計を用いて0.25mW/cm2の条件になるように、光源からの距離を調製した。
所定時間紫外線を照射後、硫化水素検知管でテドラーバッグ(登録商標)中の残留硫化水素ガス濃度を測定し、次式に従いガス残存率(%)を算出した。ガス残存率(%)=〔(残留硫化水素ガス濃度/初期濃度)〕×100。
同様の方法で、アンモニアガス初期濃度40体積ppm、酢酸ガス初期濃度100体積ppm、ホルムアルデヒドガス初期濃度16体積ppm、アセトアルデヒドガス初期濃度14体積ppmの条件で、各残留ガス濃度を測定し、各々のガス残存率(%)の上記と同様にして算出した。
紙巻きタバコによる煙を充満させた20L容ガラス製デシケータに、試料ワタを3g入れ60分間放置した後、すばやく試料ワタを500ml容ガラス製三角フラスコに移し密栓した。太陽光下に8時間放置後、10人の人がそれぞれ試料ワタの残臭を嗅いで、タバコ臭を感じるかどうかの官能試験を行った。
試験方法は統一試験法で行った。試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を使用した。ただし、蛍光灯による300ルクス照射下で18時間培養後の生菌数を計測し、次の基準にしたがって菌数増減値差を求めた。すなわち、対照無加工ナイロン標準白布に接種した直後の菌数をAとし、同ナイロン標準白布で18時間培養後の生菌数をBとし、試料不織布で18時間培養後の生菌数をCとしたとき、log(B/A)>1.5の条件下で、log(B/C)の値を菌数増減値差とする。なお、繊維製品新機能評価協議会の規定する抗菌防臭加工基準は、菌数増減値差が2.2以上で合格としている。
醤油を水で100倍に希釈した汚れ液に試料不織布を投入し、マングルローラーで汚れ液を含んだ試料不織布を絞った後、乾燥して汚れ試料を準備した。汚れ試料に日光照射を1日間行った後、カラーメーターZE2000(日本電色株式会社製)でL値、a値、b値を求め、次式に従って白色度(%)を算出して評価した。白色度(%)=100−〔(100−L値)2+(a値)2+(b値)2〕1/2。
国際公開WO01/56930号公報の実施例1記載の方法に準じて、平均一次粒子径30nmで、酸化ケイ素5質量%と酸化チタン95質量%とを含有する複合金属酸化物微粒子を得た。この複合金属酸化物微粒子を水に分散させて、25質量%濃度の水分散液を得た。そして、この水分散液中の複合金属酸化物微粒子が、ビスコース中のセルロース成分100質量部に対して、5質量部となるように添加及び混合し、紡糸して、繊度1.7dtexで繊維長51mmの機能性レーヨン繊維を得た。
実施例1で用いた複合金属酸化物微粒子に代えて、平均一次粒子径20nmの酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製「STS−21」)を用いる他は、実施例1と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
実施例1で用いた複合金属酸化物微粒子に代えて、特許文献1の実施例13記載の方法に準じて得られた平均一次粒子径30nmのリン酸カルシウム被覆型酸化チタン微粒子を用いる他は、実施例1と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
〔表1〕
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変退色 引張強さ耐久試験
評価試 〔引張強さ(cN/dtex)〕
験 照射前 照射後 比
(級) (a) (b) (a/b)
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実施例1 4−5 2.19 1.91 0.87
比較例1 3 1.69 1.18 0.71
比較例2 3−4 1.81 1.21 0.67
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表1の結果から明らかなように、実施例1に係る機能性レーヨン繊維は、比較例1及び2に係るものに比べて、紫外線照射後においても変退色が少なく、また、紫外線照射後の引張強さの低下度合いが、紫外線照射前のものに比べて少なかった。
実施例1で用いた複合金属酸化物微粒子に代えて、国際公開WO01/56930号公報の実施例1記載の方法に準じて得られた、平均一次粒子径90nmで、酸化ケイ素2質量%と酸化チタン98質量%とを含有する複合金属酸化物微粒子を用いた他は、実施例1と同一の方法によって機能性レーヨン繊維を得た。
実施例1で用いた複合金属酸化物微粒子に代えて、国際公開WO01/56930号公報の実施例1記載の方法に準じて得られた、平均一次粒子径90nmで、酸化ケイ素6質量%と酸化チタン94質量%とを含有する複合金属酸化物微粒子を用いた他は、実施例1と同一の方法によって機能性レーヨン繊維を得た。
〔表2〕
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変退色 引張強さ耐久試験 硫化水素
評価試 〔引張強さ(cN/dtex)〕 ガス残存
験 照射前 照射後 比 率(%)
(級) (a) (b)(a/b) 2hr 24hr
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実施例1 4−5 2.19 1.91 0.87 69 47
実施例2 3 2.11 1.59 0.75 70 45
実施例3 4 2.32 2.07 0.87 85 53
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表2の結果から明らかなように、実施例1〜3に係る機能性レーヨン繊維は、比較例1及び2に係るものに比べて、紫外線照射後の引張強さの低下度合いが、紫外線照射前のものに比べて少なかった。また、実施例1〜3に係る機能性レーヨン繊維においては、粒径の小さい実施例1に係るものが、他の実施例のものに比べて、相対的に各種性能において優れていた。
複合金属酸化物微粒子の量を、ビスコース中のセルロース成分100質量部に対して、1質量部となるように添加及び混合する他は、実施例1と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
複合金属酸化物微粒子の量を、ビスコース中のセルロース成分100質量部に対して、2.5質量部となるように添加及び混合する他は、実施例1と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
複合金属酸化物微粒子の量を、ビスコース中のセルロース成分100質量部に対して、10質量部となるように添加及び混合する他は、実施例1と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
複合金属酸化物微粒子の量を、ビスコース中のセルロース成分100質量部に対して、20質量部となるように添加及び混合する他は、実施例1と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
〔表3〕
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変退色 引張強さ耐久試験 硫化水素
評価試 〔引張強さ(cN/dtex)〕 ガス残存
験 照射前 照射後 比 率(%)
(級) (a) (b)(a/b) 2hr 24hr
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実施例1 4−5 2.19 1.91 0.87 69 47
実施例4 4−5 2.30 2.19 0.95 90 77
実施例5 4−5 2.23 2.00 0.91 77 63
実施例6 4−5 2.15 1.71 0.80 66 25
実施例7 4−5 2.07 1.67 0.81 61 19
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表3の結果から明らかなように、複合金属酸化物微粒子の量が多くなるほど、消臭機能は高くなることが分かる。引張強さについては、複合金属酸化物微粒子が少ないほど高くなる傾向があるが、10質量部以上となると、引張強さはあまり変わらない傾向となる。したがって、消臭性を重視するか、引張強さを重視するかの用途によって、適宜、複合金属酸化物微粒子の量を調整すればよい。
複合金属酸化物微粒子の量を、ビスコース中のセルロース成分100質量部に対して、7.5質量部となるように添加及び混合する他は、実施例1と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
クラレ株式会社から商品名「シャインアップ」で市販されている芯鞘型複合繊維(芯:ポリエステル、鞘:ナイロン)を準備した。
オーミケンシ株式会社から商品名「ホープ」で市販されている艶消しレーヨン繊維を準備した。
〔表4〕
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アンモニア 酢酸ガス ホルムアル アセトアル
ガス残存率 残存率 デヒドガス デヒドガス
% % 残存率 % 残存率 %
2hr 24hr 2hr 24hr 2hr 24hr 2hr 24hr
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実施例8 0 0 5 0 19 0 100 1
比較例3 33 15 5 5 19 19 100 100
比較例4 35 19 8 6 23 11 100 50
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表4の結果から明らかなように、実施例8に係る機能性レーヨン繊維は、比較例3及び4に係る繊維に比べて、いずれのガスに対しても、消臭機能の点で優れていることが分かる。
市販の繊度1.7dtexで繊維長51mmのレギュラーポリエステル繊維を準備した。
〔表5〕
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タバコ臭を
感じた人数
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実施例8 0人
比較例3 3人
比較例4 3人
比較例5 4人
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表5の結果から明らかなように、実施例8に係る機能性レーヨン繊維は、比較例3〜5に係る繊維に比べて、タバコ臭に対する消臭機能に優れていることが分かる。
実施例8に係るレーヨン繊維に、以下の条件でセルラーゼ減量加工処理を施し、機能性レーヨン繊維を得た。すなわち、セルラーゼとしては、クラリアントジャパン株式会社製のバクトゾールCAリキッド(セルラーゼ活性濃度:1グラム当たり859CCU)を、水中に2g/l投入し、加工液を得た。そして、加工液のpHが3で、加工液の温度を55℃とし、浴比1:50で時間60分で減量加工処理を行った。なお、加工液のpHは、酢酸ないし酢酸アンモニウムとの組み合わせで調整して、pH3とした。以下の各実施例においても同様にして、pH調整した。
pHを4に変更する他は、実施例9と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
pHを5に変更する他は、実施例9と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
pHを6に変更する他は、実施例9と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
pHを7に変更する他は、実施例9と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
〔表6〕
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2時間後の硫化水素ガス残存率(%)
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実施例9 41%
実施例10 22%
実施例11 23%
実施例12 47%
実施例13 66%
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表6の結果から明らかなように、加工液のpHを4〜5としてセルラーゼ減量加工処理をした場合、機能性レーヨン繊維の消臭性が,より向上することが分かる。
実施例8に係るレーヨン繊維に、以下の条件でセルラーゼ減量加工処理を施し、機能性レーヨン繊維を得た。すなわち、セルラーゼとしては、クラリアントジャパン株式会社製のバクトゾールCAリキッドを、水中に2g/l投入し、加工液を得た。そして、加工液のpHが4.5で、浴比を1:50とした。処理時間及び処理温度については、表7に示したとおり、10〜240分及び15〜85℃の範囲で種々変更した。そして、各処理時間及び各処理温度における、2時間後の硫化水素ガス残存率(%)を測定し、その結果を表7に示した。
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処理温度 2時間後の硫化水素ガス残存率(%)
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処理時間 10分 20分 40分 60分 120分 240分
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15℃ 72 71 72 70 71 69
25℃ 69 72 73 71 64 64
40℃ 70 66 60 57 57 55
50℃ 61 43 28 21 19 18
60℃ 58 47 35 24 25 20
75℃ 71 69 70 60 55 54
85℃ 72 72 71 74 76 74
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表7の結果から明らかなように、セルラーゼ減量加工処理の温度は50〜60℃の範囲で、時間は20分以上の場合、良好な消臭機能を付与しうることが分かる。また、処理温度が40℃以下、とりわけ25℃以下では、セルラーゼ活性が不十分であり、一方、処理温度が75℃以上では酵素が死滅する恐れがあり、消臭機能が不十分になる恐れのあることが分かる。
実施例8に係るレーヨン繊維に、以下の条件でセルラーゼ減量加工処理を施し、機能性レーヨン繊維を得た。すなわち、セルラーゼとしては、クラリアントジャパン株式会社製のバクトゾールCAリキッドを、水中に2g/l投入し、加工液を得た。そして、加工液のpHが4.5で、加工液の温度を55℃とし、浴比1:20で時間60分で減量加工処理を行った。
浴比を1:25に変更する他は、実施例15と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
浴比を1:50に変更する他は、実施例15と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
浴比を1:100に変更する他は、実施例15と同一の方法で機能性レーヨン繊維を得た。
〔表8〕
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硫化水素ガス
残存率(%) 作業時における観察内容
2時間後
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実施例15 21% 減量少なく攪拌作業しずらい。
実施例16 23% 攪拌作業できる。
実施例17 22% 十分に攪拌作業できる。
実施例18 20% 余分な液が多すぎる。
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表8の結果から明らかなように、いずれの浴比であっても、十分な消臭機能を与えることができるが、作業性の面からは、浴比が1:25〜1:50の範囲内が適当であることが分かる。
クラリアントジャパン株式会社製のバクトゾールCAリキッドを、水中に0.2g/l投入する他は、実施例17と同一の方法で減量加工処理を行い、機能性レーヨン繊維を得た。
クラリアントジャパン株式会社製のバクトゾールCAリキッドを、水中に0.5g/l投入する他は、実施例17と同一の方法で減量加工処理を行い、機能性レーヨン繊維を得た。
クラリアントジャパン株式会社製のバクトゾールCAリキッドを、水中に1g/l投入する他は、実施例17と同一の方法で減量加工処理を行い、機能性レーヨン繊維を得た。
クラリアントジャパン株式会社製のバクトゾールCAリキッドを、水中に5g/l投入する他は、実施例17と同一の方法で減量加工処理を行い、機能性レーヨン繊維を得た。
〔表9〕
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変退色 引張強さ耐久試験 硫化水素
評価試 〔引張強さ(cN/dtex)〕 ガス残存
験 照射前 照射後 比 率(%)
(級) (a) (b)(a/b) 2時間後
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実施例17 4−5 2.05 1.70 0.83 22%
実施例19 4−5 2.03 1.68 0.83 50%
実施例20 4−5 2.03 1.78 0.88 28%
実施例21 4−5 2.06 1.86 0.90 26%
実施例22 4−5 2.09 1.77 0.85 25%
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実施例8に係る機能性レーヨン繊維100質量%を用い、ニードルパンチ法で目付115g/m2の不織布を得た。
実施例8に係る機能性レーヨン繊維30質量%と、比較例5で準備したレギュラーポリエステル繊維70質量%を混綿して、ニードルパンチ法で目付115g/m2の不織布を得た。
実施例17に係る機能性レーヨン繊維100質量%を用い、ニードルパンチ法で目付115g/m2の不織布を得た。
〔表10〕
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生菌数C 菌数増減値差
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使用例1 4.6×102 4.3
使用例2 2.0×104 2.6
使用例3 4.2×10 5.3
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なお、対照無加工ナイロン標準白布に接種した直後の菌数Aは、1.5×104であり、同ナイロン標準白布で18時間培養後の生菌数Bは、8.4×106であった。
表10の結果から明らかなように、使用例3に係る不織布が最も抗菌性に優れており、以下、使用例1に係る不織布、使用例2に係る不織布の順であった。
実施例8に係る機能性レーヨン繊維100質量%を用い、スパンレース法で目付40g/m2の不織布を得た。
実施例17に係る機能性レーヨン繊維100質量%を用い、スパンレース法で目付40g/m2の不織布を得た。
比較例4で準備した艶消しレーヨン繊維100質量%を用い、スパンレース法で目付40g/m2の不織布を得た。
〔表11〕
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L値 a値 b値 白色度 白色度差Δ
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使用例4 2.0
紫外線照射前 81.1 1.85 13.1 76.9
紫外線照射後 81.6 0.23 10.4 78.9
使用例5 4.5
紫外線照射前 83.1 0.24 4.3 82.6
紫外線照射後 84.1 0.13 3.8 87.1
比較使用例1 1.0
紫外線照射前 82.9 0.44 6.1 81.1
紫外線照射後 83.6 0.20 4.9 82.9
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表11の結果から明らかなように、使用例4及び5に係る不織布は、比較使用例1に係る不織布に比べて、紫外線照射によって白色度が大きく向上していることが分かる。
実施例8で得られた機能性レーヨン繊維30質量%と、繊度が約1.5dtexで繊維長が約27mmのコットン繊維70質量%とを混紡した混紡糸を用いて、目付100g/m2の天竺ニット生地を得た。
実施例8で得られた機能性レーヨン繊維30質量%と、比較例5で準備したレギュラーポリエステル70質量%とを混紡した混紡糸を用いて、目付100g/m2の天竺ニット生地を得た。
綿糸100質量%からなる綿布(オーミケンシ株式会社製、品番「2711」)を準備した。
使用例6、7及び比較使用例2で準備した各布帛について、統一試験法による抗菌性試験を行い、生菌数を試験した。具体的には、以下のとおりである。
(黄色ブドウ状球菌の場合)
使用例6、7及び比較使用例2で準備した各布帛(使用例6及び7については洗濯10回後のものも含む。)に、黄色ブドウ状球菌を23,000個接種し、ブラックライトを用いて、紫外線強度0.25mW/cm2で18時間、紫外線を照射した後の生菌数を測定した(テストA)。また、紫外線強度1.0mW/cm2で5時間、紫外線を照射した後の生菌数を測定した(テストB)。紫外線強度については、ブラックライトと布帛間の距離を調整しながら、布帛に照射される紫外線強度を紫外線強度計{CUSTOM社のUB−340[UV LIGHT METER 290nm〜390nm(UVA UVB)]}を用いて決定した。
(肺炎かん菌の場合)
基本的には、上記黄色ブドウ状球菌の場合と同様であるが、接種菌数を19,000個にした点、テストAでの紫外線照射時間を5時間とした点のみが、黄色ブドウ状球菌の場合と異なる。
(MRSAの場合)
基本的には、上記黄色ブドウ状球菌の場合と同様であるが、テストAを行わなかった点のみが異なる。
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使 用 例 6 使 用 例 7 比較使用例2
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洗濯0回 洗濯10回 洗濯0回 洗濯10回 洗濯0回
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黄色ブドウ状球菌
(当初接種の個数) 23,000個 23,000個 23,000個 23,000個 23,000個
テストA生菌数 630個 200個 未検出 未検出 3,300,000個
テストB生菌数 未検出 未検出 未検出 未検出 800,000個
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肺炎かん菌
(当初接種の個数) 19,000個 19,000個 19,000個 19,000個 19,000個
テストA生菌数 3,700個 未検出 810個 未検出 2,200,000個
テストB生菌数 600個 未検出 未検出 未検出 9,200,000個
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MRSA
(当初接種の個数) 23,000個 23,000個 23,000個 23,000個 23,000個
テストB生菌数 未検出 未検出 未検出 未検出 660,000個
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株式会社川島織物製の光触媒後加工布[セリスト加工布(スモール 品番「KH−6024」)]を準備した。
使用例6に係る生地と比較使用例3に係る生地について、洗濯前と洗濯5回後の消臭試験を行った。消臭試験は以下の方法で行った。すなわち、10cm×10cmの試料生地を3L容のテドラーバッグ(登録商標)に入れ、初期濃度が100体積ppmになるようにアンモニアガスを入れて密閉した。そして、ブラックライトを用いて、テドラーバッグ(登録商標)表面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて0.25mW/cm2となるようにして、24時間、紫外線を照射した。24時間紫外線を照射後、テドラーバッグ(登録商標)中のアンモニアガス濃度を測定した。この測定値をXとした。一方、試料生地を入れない他は、前記と同様にしてアンモニアガス濃度を測定した。その測定値をBとした。そして、[(B−X)/B]×100なる式で、アンモニアガス濃度の減少率を算出した。
また、アンモニアガスに代えてホルムアルデヒドガスを用い、初期濃度を16体積ppmとした他は、前記と同様の方法でホルムアルデヒドガス濃度の減少率を算出した。
以上の結果を表13に示した。
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使 用 例 6 比較使用例3
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洗濯0回 洗濯5回 洗濯0回 洗濯5回
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アンモニアガス減少率 88.5% 98.1% 69.2% 48.1%
ホルムアルデヒドガス減少率 77.6% 98.2% 40.0% 40.0%
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表13の結果から明らかなように、実施例8で得られた機能性レーヨン繊維を含む混紡糸を用いた生地は、市販の光触媒後加工生地に比べて、消臭性能に優れており、しかも洗濯後には消臭性能がさらに向上することが分かる。洗濯後に消臭性能が向上する理由は、前記したのと同様である。つまり、機能性レーヨン繊維表面には、紡績などのため油剤が付与されているが、洗濯によって、この油剤が除去され、複合金属酸化物微粒子の作用がより直接的になるためである。一方、市販の光触媒後加工生地は、繊維表面に後加工で光触媒を付着させているため、洗濯によって、光触媒が脱落し、消臭機能が低下する傾向がある。
オーミケンシ株式会社製の綿糸[ローヤルダイヤ 40/1]を用いて、目付100g/m2の天竺ニット生地を得た。
使用例6に係る生地と比較使用例4に係る生地について、アンモニアガスの消臭試験を、以下の方法で行った。すなわち、10cm×10cmの試料生地にフェノールフタレイン(pH指示薬:アルカリ性であると紅色に呈色し、酸性であると無色となる。)を付与した後、アンモニアを噴霧し、試料生地の色が紅色になるのを確認した。その後、紅色になった試料生地を、3L容のテドラーバッグ(登録商標)に入れて密閉し、ブラックライトを用いて、テドラーバッグ(登録商標)表面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて1.0mW/cm2となるようにして、30分間、紫外線を照射した。この後、各試料生地を取り出し、その色を確認した。この結果、使用例6に係る試料生地は無色となっていたが、比較使用例4に係る生地は紅色のままであった。このことから、使用例5に係る試料生地に噴霧されたアンモニアは分解されて酸性になっているが、比較使用例4に係る試料生地に噴霧されたアンモニアは分解されていないことが分かる。したがって、使用例5に係る生地は、アンモニアを分解しうるものであることが分かる。
長方形状(長辺Xcmで短辺Ycm)の使用例6に係る生地と、これと同一形状の比較使用例4に係る生地とを準備した。そして、各生地の各一短辺同士を縫い合わせて、長辺2Xcmで短辺Ycmの縫い合わせ生地を作成した。そして、この縫い合わせ生地で、長方形状(長辺2Xcmで短辺Ycm)のジアゾ感光紙を覆った後、ブラックライトを用い、縫い合わせ生地表面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて1.0mW/cm2となるようにして、1分間、紫外線を照射した。その後、縫い合わせ生地を取って、ジアゾ感光紙が感光されているか否か観察したところ、使用例6に係る生地で覆われた部分は殆ど感光されていなかったが、比較使用例4に係る生地で覆われた部分は感光されていた。このことから、使用例6に係る生地は、紫外線遮蔽性(UVカット性)に優れていることが分かる。
実施例8で得られた機能性レーヨン繊維と、比較例4に係る艶消しレーヨン繊維とを準備した。各レーヨン繊維について、分光光度計を用いて、反射光にて反射スペクトルを測定した。この結果を、表14に示した。
[表14]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
光 線 反 射 率 (%)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
波長 300nm 360nm 530nm 600nm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例8 2.3% 16.1% 94.8% 94.2%
比較例4 69.0% 87.2% 95.7% 96.0%
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この結果から明らかなように、実施例8で得られた機能性レーヨン繊維は、艶消しレーヨン繊維に比べて、紫外線の反射率が低くなっている一方、可視光線の反射率は殆ど差がないことが分かる。これは、機能性レーヨン繊維が、紫外線を選択的に吸収していることを示している。
使用例6に係る生地と比較使用例4に係る生地を用いて、分光光度計で紫外線透過率を測定した。この結果を図1に示した。図1中、実線が使用例6に係る生地の紫外線透過率を示しており、破線が比較使用例4に係る生地の紫外線透過率を示している。図1から明らかなように、使用例6に係る生地は、紫外線の波長領域である280〜380nmにおいて、比較使用例4に係る生地に比べて、透過率が顕著に低い。したがって、使用例6に係る生地は、良好な紫外線遮蔽性を持つことが分かる。
卵(タンパク質)1個とサラダ油100gを5リットルの水で薄めた液を作成した。ここで、卵とサラダ油との混合物を皮脂に相当するものとした。この液に、[紫外線遮蔽性試験]で使用した縫い合わせ生地を浸し、余剰の水分を絞った後、60℃で30分間乾燥した。この後、縫い合わせ生地表面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて1.0mW/cm2となるようにして、ブラックライトにて24時間、紫外線を照射した。そして、縫い合わせ生地全面に、ニンヒドリン指示薬を噴霧し、熱を与えた。ニンヒドリンはタンパク質と反応して紫色に発色する性質を持っているが、比較使用例4に係る生地は紫色に発色したのに比べて、使用例6に係る生地の部分は殆ど発色が見られなかった。この結果、使用例6に係る生地においては、付着した皮脂相当分(卵とサラダ油の混合物)の分解が進んでいることが分かった。
ぶどう汁50gを250ccの水で薄めた水溶液に、使用例6に係る生地を浸し、余剰の水を絞った後、60℃で30分間乾燥させた。その後、生地の半分を厚紙で覆い、残りの半分に、その表面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて1.0mW/cm2となるようにして、ブラックライトにて24時間、紫外線を照射した。そして、厚紙を外して、着色状況を観察したところ、厚紙で覆った部分に比べて、紫外線が照射された部分は、色が薄くなっていた。したがって、使用例6に係る生地を用いれば、付着したぶどう汁の汚れが分解されていることが分かる。
ぶどう汁に代えて、カレー、スイカ汁、醤油、ソース、ケチャップ、もも汁、マヨネーズの各食品を用いて、同様の試験を行ったところ、いずれも紫外線を照射した部分では、各食品が分解されていたことが分かった。
たばこ(銘柄:ピース)1本の葉を100ccの水に入れて攪拌し、やにの水溶液を得た。この水溶液に、使用例6に係る生地を浸し、余剰の水を絞った後、60℃で30分間乾燥させた。その後、生地の半分を厚紙で覆い、残りの半分に、その表面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて1.0mW/cm2となるようにして、ブラックライトにて24時間、紫外線を照射した。そして、厚紙を外して、着色状況を観察したところ、厚紙で覆った部分に比べて、紫外線が照射された部分は、色が薄くなっていた。したがって、使用例6に係る生地を用いれば、たばこのやに汚れが分解されていることが分かる。
濃度1mg/リットルのメチレンブルー液を準備した。このメチレンブルー液に、実施例8で得られた機能性レーヨン繊維の綿を浸漬した。この浸漬状態のままで、水面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて1.0mW/cm2となるようにして、ブラックライトにて24時間、紫外線を照射した。この結果、メチレンブルー液の青色が消えた。これは、染料であるメチレンブルーが分解したことを示している。
一方、上記のメチレンブルー液に、実施例8で得られた機能性レーヨン繊維の綿を浸漬した後、メチレンブルー液から取り出して、脱水乾燥した綿に、綿表面での紫外線強度が、紫外線強度計を用いて1.0mW/cm2となるようにして、ブラックライトにて24時間、紫外線を照射した。この結果、綿に染着された青色が消えることはなかった。すなわち、綿に染着したメチレンブルーは分解しにくいことを示している。
以上の結果、染料であるメチレンブルーが水溶液の状態である場合、染料分子が大きな自由度を有するため、光触媒に触れる機会が増し、染料分子が分解されやすくなるのに対し、染料分子が繊維に染着して、自由度が小さくなると、光触媒に触れる機会も減り、染料分子が分解されにくくなると考えられる。したがって、実施例8で得られた機能性レーヨン繊維を染色しても、通常の使用状況であれば、色落ちなどをある程度防止しうると考えられる。
Claims (11)
- 光触媒活性を有し少なくとも酸化チタンと酸化ケイ素を含有する複合金属酸化物微粒子を、レーヨン繊維の母体に分散及び保持させたことを特徴とする機能性レーヨン繊維。
- 酸化チタンと酸化ケイ素が混晶状態で含有されている複合金属酸化物微粒子を用いる請求項1記載の機能性レーヨン繊維。
- 酸化チタン90〜98質量%と酸化ケイ素10〜2質量%を含有する複合金属酸化物微粒子を用いる請求項1記載の機能性レーヨン繊維。
- 複合金属酸化物微粒子の粒径が5〜400nmの範囲である請求項1記載の機能性レーヨン繊維。
- レーヨン繊維の母体100質量部に対して、複合金属酸化物微粒子が1〜50質量部保持されている請求項1記載の機能性レーヨン繊維。
- 減量加工処理が施されてなる請求項1記載の機能性レーヨン繊維。
- ビスコースに、少なくとも酸化チタンと酸化ケイ素を含有し、かつ、光触媒活性を有する複合金属酸化物微粒子を添加及び混合した後、紡糸することを特徴とする機能性レーヨン繊維の製造方法。
- 複合金属酸化物微粒子を水分散液の形態で、ビスコースに添加及び混合する請求項7記載の機能性レーヨン繊維の製造方法。
- 水分散液の複合金属酸化物微粒子の濃度が、1〜30質量%である請求項8記載の機能性レーヨン繊維の製造方法。
- 紡糸した後、セルラーゼを用いて減量加工処理を施す請求項7記載の機能性レーヨン繊維の製造方法。
- セルラーゼ活性濃度が150〜4500CCU/l、液温が25〜75℃、pHが3〜6の加工液を用いて減量加工処理を施す請求項10記載の機能性レーヨン繊維の製造方法。
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