JP4724882B2 - 消臭、抗菌性着色繊維の製造方法 - Google Patents

消臭、抗菌性着色繊維の製造方法 Download PDF

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本発明は、金属銀コロイドを染料分子とともに一体的に結合させて、消臭性及び抗菌性を付与した着色還元性繊維とその製造方法に関するものである。
繊維を貴金属コロイドにより着色する方法は公知であり、例えばこれまでに、繊維を貴金属塩水溶液に浸漬したのち、加熱発色させ着色する方法(特許文献1参照)、絹繊維に貴金属塩溶液を含浸させたのち、還元剤で処理し、発色させる絹の染色方法(特許文献2参照)、絹、ゼラチン及びカチオン化処理したセルロースに水溶性塩の付着層を形成させ、次いでこれに画像担体を通して光を照射して露光部分を発色させたのち、未露光部分を除去する金着色像形成方法(特許文献3参照)などが知られている。
他方、最近に至り、金属銀コロイドが優れた抗菌効果及び消臭効果を示すことが見出され、銀コロイド粒子及びカチオン性界面活性剤を担持した無機吸着剤からなる銀系抗菌剤(特許文献4参照)、陽イオン性界面活性剤の存在下で還元して得られる金属銀コロイドを少なくとも0.001質量%の割合で担持させたフィブリル化セルロース繊維からなる消臭紙(特許文献5参照)、陽イオン性界面活性剤の存在下で還元して得られる金属銀コロイドを少なくとも0.001質量%の割合で担持させたフィブリル化麻繊維からなる消臭性材料(特許文献6参照)などが提案されている。
特開平2−154063号公報(特許請求の範囲その他) 特開平2−118186号公報(特許請求の範囲その他) 特開平2−154064号公報(特許請求の範囲その他) 特開平2002−293705号公報(特許請求の範囲その他) 特願2004−79913号(特許請求の範囲その他)
これまで提案されている消臭紙及び消臭性材料は、金属銀コロイドを形成させるためには、陽イオン性界面活性剤の存在下で複合金属水素化物を用いて還元処理することが必要であるため、煩雑な操作を必要とする上に、得られたセルロースや麻が黄色又は灰色に着色し、外観上の汚れた印象を与えるため、清潔感を必要とする分野では利用範囲が制限されるという欠点がある。
本発明は、このような従来の消臭、抗菌性繊維材料のもつ欠点を克服し、煩雑な操作を必要とせず、しかも外観上悪い印象を与えることのない消臭、抗菌性繊維を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、簡単な方法で製造することができ、かつ銀コロイドを担持させても外観上悪い印象を与えることがない消臭、抗菌性繊維材料を得るために鋭意研究を重ねた結果、加熱染着性の染料を含む染浴中に水溶性銀化合物を加え、この染浴に還元性繊維を接触させ、加熱処理すれば、染料が染着する際に銀化合物が還元され、金属銀コロイドと染料分子とが繊維と一体的に結合し、しかも銀コロイドに起因する黄色の色調が全く感知されない消臭、抗菌性着色繊維が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、銀イオン発生剤及び熱染着性染料を含む染浴と還元性繊維とを接触させ、60℃以上の温度に加熱処理して、染色と同時に金属銀コロイドを生成させ、該繊維に一体的に結合させることを特徴とする消臭、抗菌性着色繊維の製造方法であって、前記加熱処理をしたのち、さらに活性線を照射する消臭、抗菌性着色繊維の製造方法を提供するものである。
次に、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明方法において、基材として用いる還元性繊維は、加熱により、自体は酸化され、共存する化合物を還元する繊維であればよく、特に制限はないが、特にセルロース系繊維が好ましい。
このようなセルロース系繊維の例としては、各種製紙用パルプ、再生セルロース、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロースなどを挙げることができるが、特に木綿及び麻が好ましい。羊毛や各種合成繊維などは、還元性を有しないので用いることができない。この繊維の形状としては、単繊維、撚糸、織布、不織布、編布などいずれも用いることができる。
この還元性繊維は、所望に応じ活性を高めるためにフィブリル化して用いることもできる。このフィブリル化は、例えば単繊維の場合は叩解により、布状物の場合は、その表面をヤスリ状の表面をもつ材料で摩擦することによって行うことができる。
次に、これらの還元性繊維に結合される金属銀コロイドは、銀のナノサイズ、通常粒径20ナノメーター以下の微細粒子であり、銀イオン発生剤を特定の条件下で還元することにより得られる。
この銀イオン発生剤としては、水に溶解して銀イオンを発生する銀化合物、例えば硝酸銀AgNO3、亜硝酸銀AgNO2、塩素酸銀AgClO3、過塩素酸銀AgClO4、酢酸銀Ag(CH3CO22、硫酸銀Ag2SO4などを挙げることができる。そのほかジアンモノ銀クロリド[Ag(NH32]Clのような錯塩も用いることができる。
還元性繊維に結合させる金属銀コロイドの量は、還元性繊維の質量に基づき、0.001〜5%の範囲内で選ばれる。0.001%以下では消臭、抗菌性が十分に発揮されないし、5%よりも多くなると銀による着色が著しく、良好な色調が得られない。消臭効果を得るには、0.001〜0.005%の結合量で十分であるが、完全な抗菌効果を得ることが望まれる場合には、0.005%よりも多く結合させるのが好ましい。
他方、この金属銀コロイドとともに還元性繊維に結合させる染料は、通常、繊維類の染色に用いられている染料の中から任意に選ばれるが、取り扱いが容易な点で直接染料を用いるのがよい。
この直接染料としては、コンゴーレッド、ベンゾパープリン4B、ダイレクトスカイブル6Bのようなベンジジン系染料、ダイレクトファストバイオレット2RLのようなポリアゾ系染料、クリソフェニンGのようなスチルベン系染料、シリアススプラエローRのようなジフェニル尿素系染料、ダイレクトファストスカーレット4BSWのような縮合アミノアゾ系染料、クロランチンファストグリーンBLLのようなトリアジン系ポリアゾ染料、ダイレクトファストエローBWP,FFのようなチアゾール系染料、シリアススプラブルーGLのような含金属系染料などが知られ、それぞれ市販されているが、本発明においては、これらのいずれのものも用いることができる。
本発明で用いることができる直接染料をカラーインデックスナンバーで示すと、例えば、C.I.ダイレクトブラック2、4、9、11、14、17、19、22、27、32、36、41、48、51、56、62、71、74、75、77、78、80、105、106、107、108、112、113、117、132、146、154、168、171、194、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、8、12、15、22、25、34、69、70、71、72、75、76、78、80、81、82、83、86、87、90、98、106、108、110、120、123、158、163、165、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、218、236、237、239、246、258、287、C.I.ダイレクトレッド1、2、4、8、9、11、13、15、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、46、47、48、51、59、62、63、73、75、77、79、80、81、83、84、85、87、89、90、94、95、99、101、108、110、145、189、197、224、225、226、227、230、250、256、257、C.I.ダイレクトイエロー1、2、4、8、11、12、24、26、27、28、33、34、39、41、42、44、48、50、51、58、72、85、86、87、88、98、100、110、127、135、141、142、144、C.I.ダイレクトバイオレット1、7、9、12、35、48、51、90、94、C.I.ダイレクトグリーン1、6、8、28、33、37、63、64、C.I.ダイレクトオレンジ6、8、10、26、29、39、41、49、51、62、102、C.I.ダイレクトブラウン1A、2、6、25、27、44、58、95、100、101、106、112、173、194、195、209、210、211などがある。
また、所望ならば、直接染料以外の塩基性染料、バット染料、硫化染料、ナフトール染料、酸化染料、反応染料なども用いることができるが、これらは水に溶けにくい、染色処理が煩雑になるなどの点で直接染料よりは劣る。
本発明の消臭、抗菌性着色繊維を製造するには、先ずこれらの染料を淡色に染色する場合には、0.5〜1質量%、中色に染色する場合には1〜3質量%、濃色に染色する場合には3〜5質量%の濃度で水に溶解し、染浴を調製する。この染浴には、必要に応じ炭酸ナトリウムを0.5〜2質量%の濃度で、またさらに硫酸ナトリウムを5〜25質量%の濃度で添加し、染着力を強化することができる。
次に、この中へ、前記した銀イオン発生剤を0.05〜5mM、好ましくは0.1〜2mMの範囲の濃度になるように添加する。
このようにして調製した染浴を、室温例えば10〜25℃に保ち、この中に還元性繊維を浸漬し、銀イオン発生剤を十分に還元性繊維と接触させる。この際の還元性繊維と染浴との体積比は1:10ないし1:50の範囲、好ましくは1:20ないし1:30の範囲が適当である。
次いで、還元性繊維を染浴に浸漬し、両者を十分に接触させた状態で、60℃以上、好ましくは70〜100℃に加熱し、この温度に30〜180分間維持する。この処理により染浴中の染料分子が還元性繊維に染着すると同時に銀イオンが還元性繊維と繊維内に取り込まれた状態のまま還元されて銀コロイドを生成し、染料分子とともに還元性繊維と一体的に結合する。
このように、染浴中で染料分子の染着とともに、銀コロイドの生成を行う代りに、銀イオンを還元性繊維に吸着した状態で染浴から取り出し、熱風加熱、ホットプレート加熱、熱ローラ加熱、赤外線加熱などにより60℃以上、好ましくは60〜200℃に加熱して銀コロイドの生成を行うこともできる。この加熱温度を200℃よりも高くすると、還元性繊維の物性がそこなわれるおそれがある。
この銀コロイドの生成は、温度を高くすれば、例えば90℃以上にすれば、30〜60分で完了するが、60℃では2〜3時間を要する。
従来の銀コロイド担持繊維材料の製造には、陽イオン性界面活性剤や特殊の還元剤を用いる必要があったが、上記の方法によれば、単に60℃以上で加熱するという簡単な処理のみで、銀コロイドを結合した消臭、抗菌性着色繊維を得ることができる。
このようにして、染料分子と繊維分子との結合を生じるとともに、繊維内に取り込まれた銀イオンがそのまま銀コロイドに変換するため、銀コロイドは染料分子とともに一体的に繊維と結合し、単独で繊維に吸着させた場合よりも強固な結合となる。したがって、洗濯堅ろう度の高い消臭、抗菌性着色繊維が得られる。したがって、20回又はそれ以上洗濯した後でも消臭、抗菌効果の低下は認められない。
上記の加熱処理は、大気中でも行うことができるが、銀イオンの金属銀コロイドへの変換を促進するために非酸化条件下で行うこともできる。この非酸化条件としては、例えば減圧条件、不活性ガス雰囲気などがある。
このようにして得られる金属銀コロイドを結合した着色還元性繊維は、その内部に未変化の銀イオンを含むことがあるが、これは活性線を照射することにより、さらに完全に金属銀コロイドへ変換させることができる。この活性線としては、通常紫外線又は太陽光線が用いられる。また、この紫外線の光源としては、蛍光灯、低圧水銀灯などが用いられる。照射時間には、特に制限はないが通常1〜5時間程度である。
このようにして、銀イオンを十分に金属銀コロイドに変換したのち、十分に水洗して未変化の銀イオンを洗い流し、次いで乾燥することにより、金属銀コロイド0.001〜5質量%を固着した消臭、抗菌性着色繊維が得られる。
本発明の消臭、抗菌性着色繊維は、黄色ブドウ球菌、枯草菌、大腸菌、糸状菌など広範囲にわたる細菌に対して優れた抗菌性を示し、またアンモニア、硫化水素、アミン類、メルカプタン類などによる悪臭を消去する作用を有している。
したがって、製紙の際の白水中の防カビ、浴室の防カビ、水虫の予防、野菜、果物の腐敗防止、厨房、トイレの悪臭防止、下水処理の際の悪臭防止、魚介類の臭いの抑制などの目的に効果的に利用することができる。
本発明の消臭、抗菌性着色繊維は、さらに従来の銀コロイド含有消臭、抗菌性繊維材料がもつ淡黄色ないし灰色に着色し、清潔感をそこなうという欠点が完全に除かれるので、淡いライトブルーやピンク色に着色して清潔感を付与すれば、看護衣、診察衣、実験衣、患者衣のような衛生衣や、シーツ、枕カバーのような寝具類、防菌マスクなど清潔感が求められる用途にも広く用いることができる。
本発明によれば、特殊な薬品の使用や、煩雑な処理を必要とすることなく、容易に入手できる材料を用い、簡単に消臭、抗菌性着色繊維を得ることができる。
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
ローパスDカラー(D6赤色)84mg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム84mg及び無水硫酸ナトリウム840mgを水200mlに溶解した染料溶液を20℃に保ち、これに20mM硝酸銀水溶液34mlを加え、さらに水を加えて全量を340mlとし、赤色染浴を調製した。
これに、あらかじめ水で湿した綿布(日本規格協会、染色堅ろう度試験用かなきん3号、300×300mm)8.4gを浸漬し、10分間で100℃まで昇温させ、この温度で10分ごとにかきまぜながら60分間加熱した。次いで綿布を取り出し、2回水洗したのち風乾することにより、消臭、殺菌性赤色繊維(D6:オレンジ系淡赤色)を得た。硝酸銀を加えないで調製した赤色染浴から得た赤色繊維との間の質量差から求めたこの赤色繊維の銀含有量は約0.78mgであった。
このものについて原子吸光分析したところ、波長328nm付近にピークが認められ、銀原子の存在が確められた。
比較例1
ローパスDカラー(D6赤色)84mg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム84mg及び無水硫酸ナトリウム840mgを水200mlに溶解した染料溶液に、さらに水を加えて全量を340mlとすることにより、染浴を調製した。
次いで、これを加熱して50℃に保ち、これにあらかじめ水で湿した綿布(日本規格協会、染色堅ろう度試験用かなきん3号、300×300mm)8.4gを浸漬し、10分間で100℃まで昇温させ、この温度で10分ごとにかきまぜながら60分間加熱した。次いで綿布を取り出し、2回水洗したのち風乾することにより、赤色綿布(D6:淡赤色)を得た。
このものについて原子吸光分析したところ、波長328nm付近のピークは認められなかった。
実施例1におけるローパスDカラー(D6赤色)の代りに、ローパスDカラー(D17青色)を用いた以外は実施例1と全く同様にして青色染浴を調製した。この染浴を用い、実施例1と同じ綿布を、実施例1と同じ操作で染色することにより、消臭、殺菌性青色繊維(D17:淡緑色)を得た。
このものについて原子吸光分析したところ、波長328nm付近にピークが認められ、銀原子の存在が確められた。硝酸銀を加えないで調製した青色染浴から得た青色繊維との間の質量差から求めたこの青色繊維の銀含有量は約0.74mgであった。
比較例2
比較例1におけるローパスDカラー(D6赤色)の代りに、ローパスDカラー(D17青色)を用いた以外は比較例1と全く同様にして青色染浴を調製した。この染浴を用い、比較例1と同じ綿布を、比較例1と同じ操作で染色することにより、青色綿布(D17:淡青色)を得た。
このものについて原子吸光分析したところ、銀原子の存在は認められなかった。
実施例1における綿布の代りに、同じ寸法の麻布5.6gを用い、同様に処理して、消臭、抗菌性赤色繊維を製造した。この麻布の質量増加に基づいて計算した銀担持量は0.35mgであった。このものについて原子吸光分析したところ、波長328nm付近にピークが認められ、銀原子の存在が確認された。
実施例1における綿布の代りに、同じ寸法のレーヨン布4.9gを用い、同様に処理して、消臭、抗菌性赤色繊維を製造した。このレーヨン布の質量増加から染料付着量を減じて得た銀担持量は0.68mgであった。
このものについて原子吸光分析したところ、波長328nm付近にピークが認められ、銀原子の存在が確認された。
実施例1と同様にして得た染料溶液に硝酸銀を、それぞれ2mM(No.1)、4mM(No.2)及び6mM(No.3)濃度になる量で加え、3種の赤色染浴を調製した。
次いで、実施例1と同じ綿布(300×300mm)3枚を用意し、これに上記の3種の赤色染浴を十分に含浸させ、飽和させた状態で取り出し、そのまま風乾したのち、120℃に維持した乾燥炉中に装入し、1時間加熱することにより3種の、消臭、抗菌性赤色綿布試料を作製した。
次いで、2リットル体積のガラス製デシケータに、これらの綿布試料を1枚ずつ装入し、アンモニア50ppmを含む空気を封入し、20℃で60分間放置後、空気を排出させ、その中のアンモニア濃度を測定した。その結果を表1に示す。また、比較のために硝酸銀を含まない同じ組成の染浴を用いて同様に処理した赤色綿布を用いて得られた結果も対照として併記した。
Figure 0004724882
この表から明らかなように、悪臭の原因となるアンモニアに対し、本発明の消臭、殺菌性着色繊維は高い除去率を示す。
比較例3
実施例1における綿布の代りに同寸法の羊毛布5.5gを用い、同様に処理してウール繊維処理布を製造した。
このものは、淡紅色に着色したが、原子吸光分析において、波長328nm付近のピークはほとんど認められなかった。
比較例4
実施例2における綿布の代りに同寸法のナイロン布5.0gを用い、同様に処理したところ、ナイロン処理布は淡紅色に着色したが、原子吸光分析においても、波長328nm付近のピークは認められなかった。
参考例1
実施例1で得た消臭、抗菌性赤色綿布と、比較例1で得た赤色綿布について、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC6538P)及び大腸菌(Escherichia coli NBRC 3301)に対する抗菌性を、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)制定の統一試験法に従って試験した。
次いで、JAFET標準洗剤を使用して、JIS L 0217,103号の規定による方法で、上記の各布を10回洗濯し、上記と同様に試験した。その結果を表2に示す。
この表中の静菌活性値及び殺菌活性値は以下の意味をもつものである。
静菌活性値=logB−logC
殺菌活性値=logA−logC
ただし、Aは未処理布の最初の菌数、Bは未処理布の18時間後の菌数、Cは処理布の18時間後の菌数
そして、この静菌活性値が2.2以上のものは、基準値をクリヤしていると認められる。
Figure 0004724882
この表から分るように、本発明の消臭、抗菌性着色繊維は、10回洗濯したのちでも、静菌性、殺菌性は変わらない。また銀コロイドを含まない染浴から得られたものは、静菌性、殺菌性を示さない。
参考例2
実施例1で得た消臭、抗菌性赤色綿布について、白癬菌(Trichophyton rubrum TIMM 2659)に対する抗菌性を以下のようにして試験した。
すなわち、白癬菌をポテトデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製)に接種し、25±1℃で14日間培養後、形成された胞子を0.005質量%スルホコハク酸ジオクチルナトリウム水溶液に懸濁し、1ml当りの胞子数が約105となるように調整し、菌液とした。
次に、消臭、抗菌性赤色綿布を一辺18mmの正方形(約0.4g)に切り取り、試験容器に入れ、アルミニウム箔で覆った後、高圧蒸気滅菌(121℃)を15分間行い、100℃まで自然冷却した。次いでアルミニウム箔を外してクリーンベンチ内で1時間風乾後、蓋を閉じ保持した。比較例1で得た赤色綿布についても同様にして試料を準備した。
このようにして準備した試料に、菌液0.2mlずつを接種し、接種直後及び37±1℃で18時間培養後に、それぞれの生菌数を測定した。この測定は、それぞれの試料について3回測定した。
その結果を表3に示す。
Figure 0004724882
この表から分るように、本発明の消臭、抗菌性着色繊維は、白癬菌に対しても高い抗菌性を有する。
本発明の消臭、抗菌性着色繊維は、足拭きマット、壁掛、カーペットのような室内用度品、シーツ、ふとんカバー、枕カバーのような寝具、衣料品、生鮮食料品の保存袋、トイレ、浴室などの消臭部材などとして広く利用することができる。

Claims (2)

  1. 銀イオン発生剤及び熱染着性染料を含む染浴と還元性繊維とを接触させ、60℃以上の温度に加熱処理して、染色と同時に金属銀コロイドを生成させ、該繊維に一体的に結合させることを特徴とする消臭、抗菌性着色繊維の製造方法であって、
    前記加熱処理をしたのち、さらに活性線を照射する消臭、抗菌性着色繊維の製造方法。
  2. 還元性繊維がセルロース系繊維である請求項記載の消臭、抗菌性着色繊維の製造方法。
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