JP2004162212A - 織機のねじり耳形成装置及び方法 - Google Patents

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Norio Minamitani
徳生 南谷
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Abstract

【課題】耳糸にねじれを生じさせることなく耳糸を供給するに際し、耳糸ボビンのラージパッケージ化を可能にする。
【解決手段】織機のねじり耳形成装置は、仮想的な回転軸線を間にして間隔をおいた一対のメールを前記回転軸線の周りに公転させて耳糸に開口運動をさせる耳糸開口機構と、前記耳糸開口機構に耳糸を供給する一対の耳糸ボビンが配置される給糸機構であって前記メールと同じ方向に自転される給糸機構とを含む。前記給糸機構は、各耳糸ボビンの重心位置が当該給糸機構の自転軸線又はその近傍に位置するように各耳糸ボビンを前記自転軸線の方向に間隔をおいて受けて前記自転軸線の周りに回転される受け部と、各耳糸ボビンから引き出される耳糸の一方が通される耳糸ガイドであって他方の耳糸の周りに回転可能な耳糸ガイドとを含む。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織機のねじり耳形成方法及び装置に関し、特に、一対のメールを仮想的な回転軸線の周りに公転させて耳糸を開口させる耳糸開口機構と一対の耳糸ボビンから引き出した各耳糸を耳糸開口機構に供給する給糸機構を含むねじり耳形成装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機のねじり耳形成装置として特許文献1や特許文献2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載のねじり耳形成装置は、回転軸線を間にして間隔をおいた一対のメールを、遊星歯車機構を用いて公転させることにより、耳糸に開口運動をさせる耳糸開口機構と、耳糸を耳糸開口機構に供給する給糸機構とを含み、給糸機構は、給糸機構における耳糸のねじれを防止すべく耳糸開口機構の公転に同期して回転される。
【0004】
上記ねじり耳形成装置において、給糸機構は、導糸のために中空とされた中空軸と、中空軸に取り付けられた回転板とを備え、一対の耳糸ボビンは該耳糸ボビンの軸線が回転板の回転軸線と平行に伸びる状態に回転板に該回転板の回転軸線を間にして配置される。各耳糸は、中空軸を介して耳糸開口装置に導かれると共に、回転板の回転に同期して回転される。
【0005】
特許文献2に記載のねじり耳形成装置は、一対の耳糸ボビンを仮想的な回転軸線の近傍にあって仮想的な回転軸線の方向に間隔をおいて相対的回転不能に配置し、一方の耳糸ボビンから伸びる一方の耳糸を他方の耳ボビンから伸びる他方の耳糸の周りに公転させることにより、一方及び他方の耳糸を撚りつつ耳糸開口機構に供給している。
【0006】
【特許文献1】
特開昭59−26544号公報(第4図)
【特許文献2】
特開2000−314041号公報(図10)
【0007】
【解決しようとする課題】
しかし、織機においては、運転停止又は再起動のたびに、両耳糸ボビンを急速に停止又は回転させなければならないが、特許文献1に記載の技術では、一対の耳糸ボビンを回転軸の回転軸線を間にして間隔をおいて配置しているから、回転軸の周りの慣性モーメントが大きい。そのような技術では、両耳糸ボビンに起因する慣性モーメントが回転板や回転軸に過大な力として作用するから、回転板や回転軸が破損しやすい。
【0008】
特許文献1に記載の技術において、耳糸ボビンを大型化することにより、耳糸ボビンの交換回数を少なくすることができ、織機の生産効率を高めることができる。しかし、耳糸ボビンを大きくすると、耳糸ボビンの慣性モーメントがより大きくなるから、耳糸ボビンのラージパッケージ化に限界が生じる。
【0009】
また、特許文献1に記載の技術のように、両耳糸ボビンが回転軸の回転軸線を間にして間隔をおいている装置では、両耳糸ボビンの残糸量に差が生じた場合に、両耳糸ボビンの重心を合成した合成重心が回転軸の回転軸線から離れる。これにより、回転軸の周りを回る合成重心の不つり合いによる振れ回りが発生して振動が生じたり、回転部材の破損が頻発したりするなど短命となる。したがって、耳糸ボビンを高速回転させることを制限する結果、織機の回転数も制約を受けるため、織機の生産効率の向上に限界がある。
【0010】
特許文献2に記載の技術では、両耳糸ボビンが回転不能に配置されている。すなわち、両耳糸ボビンは両耳糸が撚られる方向に回転しない。このため、両耳糸ボビンから引き出される両耳糸のいずれか一方は、それ自身を回転中心とする自転すなわち撚られない。その結果、耳糸開口不良による緯入れミスが発生しやすいし、織布の耳締まりも悪い。
【0011】
本発明の目的は、耳糸にねじれを生じさせることなく耳糸を供給するに際し、耳糸ボビンのラージパッケージ化を可能にすると共に耳締まりの良い織布を生産することにある。
【0012】
【解決手段、作用、効果】
本発明に係るねじり耳形成装置は、仮想的な回転軸線を間にして間隔をおいた一対のメールを前記回転軸線の周りに公転させて耳糸に開口運動をさせる耳糸開口機構と、前記耳糸開口機構に耳糸を供給する一対の耳糸ボビンが配置される給糸機構であって前記メールと同じ方向に自転される給糸機構とを含む。
【0013】
前記給糸機構は、各耳糸ボビンの重心位置が当該給糸機構の自転軸線又はその近傍に位置するように各耳糸ボビンを前記自転軸線の方向に間隔をおいて受けて前記自転軸線の周りに回転される受け部と、各耳糸ボビンから引き出される耳糸の一方が通される耳糸ガイドであって他方の耳糸の周りに回転可能な耳糸ガイドとを含む。
【0014】
受け部が自転軸線の周りを回転するにともない、受け部に載置される耳糸ボビンも回転する結果、各耳糸ボビンからの耳糸は、加撚されながら引き出されることになる。これに対し、耳糸ガイドが他方の耳糸の周りに回転されると、その耳糸ガイドに通されている一方の耳糸も他方の耳糸の周りに回転される。これにより、各耳糸は給糸機構の自転にともなって加撚される。
【0015】
各耳糸ボビンの重心位置が給糸機構の自転軸線又はその近傍位置すると、耳糸ボビンが給糸機構の自転軸線の周りを回転することにより生じる慣性モーメントが従来技術より小さくなる。そのような慣性モーメントは、耳糸ボビンの重心位置が給糸機構の自転軸線に近いほど、小さくなる。
【0016】
また、耳糸ボビンに起因する慣性モーメントが小さいと、たとえ織機の運転・停止が頻繁に行われても、その際に耳糸ボビンによって生じるねじり耳形成装置への衝撃が軽減されるから、ねじり耳形成装置の故障や破損が抑えられる。
【0017】
さらに、各耳糸ボビンの重心はいずれも給糸機構の自転軸線又は近傍にあると、各耳糸ボビンの残糸量に差が生じても、従来技術に比べて、重心の不釣り合いの程度が小さくなるため、耳糸ボビンの回転に起因する耳糸ボビンの振れ回りによる振動は殆ど発生しない。
【0018】
上記の結果、本発明によれば、両耳糸ボビンの回転に起因する慣性モーメントが小さくなるから、両耳糸ボビンのラージパッケージ化が可能になり、また耳糸ボビンを高速回転させることが可能になって織機の回転数を高く設定することができる分、織機の生産効率を高めることができる。
【0019】
耳糸ボビンの重心位置が給糸機構の自転軸線上とされると、慣性モーメントが最小となり、耳形成装置の故障や破損がより抑えられる。また、両耳糸ボビンの残糸量に差が生じても、両耳糸ボビンの重心が給糸機構の自転軸線上にあれば、耳形成装置の軸の振れ回りが発生せず、振動も生じない。
【0020】
前記受け部は前記耳糸ガイドと一体的に回転可能とされていてもよい。そのようにすれば、給糸機構が簡素化され、ねじり耳形成装置の製造コストが低減する。
【0021】
前記受け部は前記耳糸ガイドから独立して回転可能とされていてもよい。そのようにすれば、受け部の回転量を耳糸ガイドの回転量に対し調節することができるから、耳糸の撚り量を増減させて耳糸の加撚状態を変更し、それにより耳糸の撚り量の過不足を解消することができる。
【0022】
一方の耳糸は張力付与部材を介して前記耳糸ガイドに通されていてもよい。そのようにすれば、耳糸に張力を付与することにより、耳糸の張力が高められて、撚り高い耳締まりを有する耳組織を形成することができる。
【0023】
前記給糸機構は、各耳糸ボビンをそれらの軸線が前記自転軸線と平行となる状態に受けるようにしてもよい。
【0024】
本発明に係るねじり耳形成方法は、仮想的な回転軸線を間にして間隔をおいた一対のメールを前記回転軸線の周りに公転させて耳糸に開口運動をさせる耳糸開口機構と、前記耳糸開口機構に耳糸を供給する一対の耳糸ボビンが配置される給糸機構であって前記メールと同じ方向に自転される給糸機構とを含む、織機のねじり耳形成装置を用いて実行される。
【0025】
本発明に係るねじり耳形成方法は、各耳糸ボビンの重心位置が前記給糸機構の自転軸線又はその近傍に位置するように前記耳糸ボビンを前記給糸部に前記自転軸線の方向に間隔をおいて配置し、各耳糸ボビンから引き出される耳糸の一方が通された耳糸ガイドを前記自転軸線の周りに回転させて、前記耳糸ガイドを前記耳糸ボビンから引き出される他方の耳糸の周りに回転させることを含む。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1及び図2を参照するに、ねじり耳形成装置10は、織布12の側方に配置されて、飛走されてきた緯糸14を絡めることにより、ねじり耳を形成する。
【0027】
ねじり耳形成装置10は、駆動軸16により共通の軸線の周りに回転される耳糸開口機構18及び給糸機構20を含む。駆動軸16は、織機の主軸(図示せず)の回転に従動して回転されて、耳糸開口機構18及び給糸機構20を駆動させる共通の駆動装置として作用する。
【0028】
駆動軸16は、ピッチ円の直径寸法が同一の駆動歯車22及び24をそれぞれ一端側及び他端側に相対的回転不能に組み付けている。駆動歯車22及び24は、それぞれ、ピッチ円の直径寸法が同一の従動歯車26及び28に噛み合わされており、従動歯車26及び28を主軸と同期して回転させる。
【0029】
従動歯車26及び28は、それぞれ、耳糸開口機構18及び給糸機構20に相対的回転不能に組み付けられており、耳糸開口機構18及び給糸機構20を共通の回転軸線の周りに同一方向に回転させる。図1においては、従動歯車26及び28が図1の右方向からみて右回り(時計方向)に回転する状態を示している。
【0030】
耳糸開口機構18は、織機のフレーム(図示せず)に回転可能に支持された回転体30と、回転体30に回転(自転)可能に支持された一対の遊星歯車32,32と、回転体30に回転(自転)可能に支持されて遊星歯車32,32に個々に噛合する一対の中継歯車34,34と、織機のフレームに相対的移動不能に組み付けられた太陽歯車36とを含む。
【0031】
回転体30は、その軸部38の一端部に回転円板部40を相対的移動不能に組み付けていると共に、軸部38の他端部に従動歯車26を相対的移動不能に組み付けている。回転円板部40及び従動歯車26の回転軸線は、軸部38の回転軸線と一致されている。
【0032】
回転体30は、軸部38の中央付近を回転体30の回転軸線に交差する方向(直径方向)に貫通する穴42と、穴42から回転体30の回転軸線に沿って給糸機構20の側(他端側)に貫通する穴44とにより、略T字状の糸通し穴を有している。穴44の軸線は、回転体30の軸線と一致されている。
【0033】
太陽歯車36は、円形状の穴の内周面に歯を設けた内歯歯車であり、また回転体30の回転円板部40と同心とされている。
【0034】
各遊星歯車32は、その一方の側面から回転体30の回転軸線に沿って回転円板部40に向けて突出する軸部46を有しており、軸部46において回転円板部40に軸受48を介して自転可能に取り付けられている。各遊星歯車32のピッチ円の直径寸法は、太陽歯車36のピッチ円の直径寸法の半分とされている。
【0035】
両遊星歯車32,32は、回転体30の回転軸線に対して点対称となる箇所に位置されている。各遊星歯車32は、また、遊星歯車32の中心を貫通して伸びる耳糸案内穴50を有している。
【0036】
各遊星歯車32の他方の側面には、耳糸ガイド52と弾性部材54が相対的移動不能に組み付けられている。耳糸ガイド52は、薄板をコ字状に屈曲させることにより形成されており、また耳糸を通すためのメール56を対向する辺の一方に有している。弾性部材54は、線状部材でねじりコイルばね状に形成されており、また回転体30を貫通した耳糸をメール56に案内するためのリング部58を有している。
【0037】
各中継歯車34は、その一方の側面から回転体30の回転軸線に沿って回転円板部40に向けて突出する軸部(図示せず)を有しており、その軸部において回転円板部40に軸受(図示せず)を介して自転可能に取り付けられている。両中継歯車34,34は、回転体30の回転軸線に対して点対称となる箇所に位置されていると共に、遊星歯車32及び太陽歯車36に噛合されている。
【0038】
図2は、給糸機構20の内部機構を説明するために、図1に示す給糸機構20のカバーを省略している。図2に示すように、給糸機構20は、支持部材60にボルト62のような留め具により取り外し可能に組み付けられている。支持部材60は、図示しない織機のフレームに取り付けられている。
【0039】
取り付けフレーム64は、給糸機構20の回転軸線の方向に伸びており、また両端部が軸受支持部66として作用するように、上方に開放するコ字状の形状を有している。両軸受支持部66には、ベアリングのような軸受68がそれらの軸線を同一にするように、嵌合されている。
【0040】
回転フレーム70は、給糸機構20の回転軸線の方向に長い長方形の枠の形状を有している。回転フレーム70は、長方形の対向する短辺の中央から外方に伸びる軸部72を有している。各軸部72は軸受支持部66に形成されている軸受68に嵌合されている。回転フレーム70の内部空間は、これの長手方向における中央付近に配置された隔壁により、略半分の大きさを有する2つの内側領域74に分割されている。
【0041】
一方の軸部72は、取り付けフレーム64の外側まで伸びており、また取り付けフレーム64からの突出部に従動歯車28を取り外し可能に組み付けている。他方の軸部72は、2つの耳糸76,76を通すためのブッシュのようなソケット78を軸部72の貫通穴に嵌合させている。
【0042】
耳糸ボビン80及び82を相対的回転不能及び取り外し可能に組み付ける受け部84及び84は、それぞれ、内側領域74及び74内を耳糸開口機構18の側と反対の側から給糸機構20の側へ伸びる状態に、回転フレーム70に取り付けられている。各受け部84の先端領域は、対応する耳糸ボビンの装着を容易にすべく、先端側ほど細い截頭円錐形の形状を有している。
【0043】
耳糸ボビン80及び82の各々は、巻き中心が給糸機構20の回転軸線と一致するように、対応する受け部84に装着される。各耳糸76は、対応する耳糸ボビンの外周側から、耳糸開口機構18の側に引き出される。
【0044】
各耳糸ボビンから引き出された耳糸76は、内側領域74に配置された3つの棒状部材86の先端部に掛けられる。3つの棒状部材86は、先端部を同一方向に直角に屈曲されて、回転フレーム70の対向する長辺の一方に内側領域74の中央に向けて平行に伸びており、また耳糸76に張力を付与する屈曲式の耳糸張力付与部材として作用する。
【0045】
耳糸張力付与装置としては、屈折式のほかに、コイルばねにより押圧されるディスクテンサなど、耳糸に張力を付与することができる他のタイプの装置であってもよい。
【0046】
回転フレーム70は、耳糸ボビン82から伸びる耳糸76を通すための貫通穴88を回転軸線と平行に伸びる一対の縁部(両長辺)の一方に、内側領域74毎に有している。各貫通穴88は、対応する一方の縁部の耳糸開口機構側に形成されている。
【0047】
耳糸ボビン80及び82のそれぞれは、耳糸76が巻かれた耳糸巻芯として作用するパイプ90を有している。耳糸ボビン80及び82のそれぞれは、パイプ90を受け部84に差し込まれ、その状態で受け部84の截頭円錐形の部分を収容する截頭円錐形の凹部を有するくさび92により受け部84に装着される。
【0048】
各くさび92は、受け部84へのパイプ90の差し込み方向と同じ方向から差し込まれて、受け部84に密着される。各くさび92は、ボルト94の頭部を凹部の奥底の近傍に組み付けている。各ボルト94は、対応するくさび92及び受け部84を給糸機構20の回転軸線の方向に貫通すると共に、回転フレーム70を貫通しており、ナット96により対応するくさび92と共に回転フレーム70に取り外し可能に組み付けられている。
【0049】
より詳細には、耳糸ボビン80及び82のパイプ90のそれぞれは、受け部84に差し込まれた後、截頭円錐形状の凹部を有するくさび92を受け部84とパイプ90との間に差し込み、ボルト94とナット96とを螺合させて、くさび92をパイプ90及び受け部84に摩擦係合させることにより、受け部84に取り外し可能に組み付けられている。
【0050】
ナット96をボルト94に対し締め付けると、パイプ90及び受け部84に対するくさび94の摩擦係合力が大きくなる。ナット96を緩めると、パイプ90及び受け部84に対するくさび94の摩擦係合力が小さくなる。
【0051】
したがって、両耳糸ボビン80及び82は、それらに巻かれている耳糸76及び76の巻き中心軸線の方向に互いに間隔をおいて直列的に回転フレーム70に相対的回転不能にかつ取り外し可能に組み付けられる。
【0052】
耳糸ボビン80及び82から伸びる耳糸76及び76のそれぞれは、棒状部材86の先端部に蛇行するように掛けられる。これにより、各耳糸76は、対応する耳糸ボビンからの引き出しにともなって棒状部材86を蛇行することにより、棒状部材86に対し摩擦接触して、張力を付与される。
【0053】
反耳糸開口機構側の耳糸ボビン82から引き出された耳糸76は、棒状部材86により張力を付与された状態で、反耳糸開口機構側の貫通穴88に通されて回転フレーム70の外側に導かれ、耳糸開口機構側の貫通穴88に通されて、再び回転フレーム70の内側領域74内に導かれる。内側領域74内に導かれた耳糸76は、耳糸開口機構側の耳糸ボビン80から導かれる耳糸76と共に、ソケット78から耳糸開口機構18に導かれる。
【0054】
図1に示すように、給糸機構20から伸びる一対の耳糸76及び76は、回転体30の軸部38の穴44,42で形成されたT字状の糸通し穴に従動歯車側から通されて糸通し穴内で2方向(図1において上下方向)に分けられて、引き出される。
【0055】
糸通し穴において分けられた耳糸76及び76は、それぞれ、遊星歯車32及び32の耳糸案内穴50に従動歯車側から通され、リング部58及び58とメール56及び56とに通され、その後織布12の耳部に導かれる。
【0056】
ねじり耳形成装置10において、駆動軸16が織機の主軸と同期して回転されると、駆動歯車22及び24を介して耳糸開口機構18及び給糸機構20の従動歯車26及び28が同一方向及び同一回転速度で回転される。回転体30及び回転フレーム70がそれぞれ耳糸開口機構18及び給糸機構20の回転軸線の周りに同一方向及び同一回転速度で回転される。
【0057】
受け部84及び耳糸ガイドである貫通穴88,88を共に備える回転フレーム70が回転されると、耳糸ボビン80,82が給糸機構20の回転軸線の周りに回転されるから、耳糸ボビン82から引き出される耳糸76は、耳糸ボビン80から引き出される耳糸76の周りを回転する。つまり、耳糸開口機構18の回転と同期して耳糸76及び76も回転軸線の周りを回転することになるため、両耳糸76及び76は、互いに絡むことなく、対応するメール56に導かれると共に、給糸機構20の回転すなわち受け部84の自転にともない耳糸ボビン80,82も自転することにより加撚される。
【0058】
回転体30が回転されると、中継歯車34,34が太陽歯車36に噛み合いながら耳糸開口機構18の回転軸線の周りに公転する。これにより、遊星歯車32,32は、耳糸開口機構18の回転軸線の周りに公転すると共に、自身の回線軸線の周りに自転する。このとき、各遊星歯車32及び各中継歯車34が耳糸開口機構18の回転軸線の周りを一周すると、各遊星歯車32はその自転軸線の周りに2回転する。
【0059】
遊星歯車32と中継歯車34との間にさらに別の中継歯車を介してもよい。そのようにすれば、遊星歯車32は回転円板部40と反対方向に回転することになり、これにより各メール56は経糸開口方向に対して略直線的な往復運動をすることもできる。
【0060】
ねじり耳形成装置10においては、耳糸ボビン80,82の回転軸線が給糸機構20の回転軸線と一致しているから、耳糸ボビン80,82の重心位置は給糸機構20の回転軸線の上にある。このため、耳糸ボビン80,82が給糸機構20の回転軸線の周りを回転することにより生じる慣性モーメントは、従来技術より小さくなる。
【0061】
また、耳糸ボビン80,82に起因する慣性モーメントが小さくなることにより、織機の運転・停止が頻繁に行われても、その際に耳糸ボビン80,82によって生じるねじり耳形成装置への衝撃が軽減されるから、ねじり耳形成装置の故障や破損が抑えられる。
【0062】
さらに、両耳糸ボビン80,82の重心はいずれも給糸機構20の回転軸線又はその近傍にあると、両耳糸ボビン80,82の残糸量に差が生じても、従来技術に比べて重心の不釣り合いの程度が小さくなるため、耳糸ボビン80,82の回転に起因する耳糸ボビン80,82の振れ回りによる振動は殆ど発生しない。
【0063】
上記の結果、ねじり耳形成装置10によれば、両耳糸ボビン80,82の回転に起因する慣性モーメントが小さくなるから、両耳糸ボビン80,82のラージパッケージ化が可能になり、また耳糸ボビン80,82を高速回転させることが可能になって織機の回転数を高く設定することができる分、織機の生産効率を高めることができる。
【0064】
図3を参照するに、ねじり耳形成装置98において、耳糸開口機構100は、回転フレーム70に相対的回転不能に組み付けられた円板を用いている。円板には、メールとして作用する2つの貫通穴102が円板の回転軸線を間にして直径方向に対向する位置に形成されている。
【0065】
給糸機構20から引き出された耳糸76,76は、貫通穴102に通され、円板が回転されることにより、緯糸の端部を把持するように、撚られる。
【0066】
ねじり耳形成装置98によれば、耳糸開口機構18に比べ、耳糸開口機構100が遊星歯車を備えていないため、耳糸開口機構100が簡単になり、ねじり耳形成装置98の回転部分の慣性モーメントが小さくなる。このため、ねじり耳形成装置98を、織機の運転及び停止に瞬時に追従させることができる。
【0067】
図4を参照するに、ねじり耳形成装置104は、耳糸ボビン82を回転フレーム70から独立させて、自身の回転軸線の周りを回転させることができるようにしている。
【0068】
ねじり耳形成装置104においては、図2に示す受け部84の代わりに、耳糸ボビン82を受ける箇所を截頭円錐形とした軸部106を用い、この軸部106を回転フレーム70の一方の軸穴に回転可能に貫通させている。
【0069】
軸部106には、従動歯車28と別の被駆動歯車108が相対的回転不能に組み付けられている。被駆動歯車108は駆動歯車110に噛合されており、駆動歯車110はモータのような駆動装置112により回転される。
【0070】
したがって、耳糸ボビン82の回転速度を回転フレーム70の回転速度から独立して自由に設定することができることから、耳糸ボビン82の回転量を調整することができ、耳糸76への加撚量を調整することができる。より好ましくは、駆動装置112の回転速度を織機の主軸の回転速度に対応して制御することもできる。
【0071】
以上のねじり耳形成装置10,98及び104は、例えば図5に示すように、耳糸ボビン80及び82をそれらの巻き中心線と回転フレーム70の回転軸線とが若干ずれた状態に配置してもよい。図5において、黒い三角印は各耳糸ボビン80,82の重心位置を示す。
【0072】
具体的には、図5(A)に示すように、巻き中心線と回転軸線とが平行でかつ巻き中心線が回転軸線の近傍となる位置に耳糸ボビン80及び82を配置してもよい。この場合、巻き中心線と回転軸線との距離寸法Lは、耳糸ボビン80,82の回転に起因する慣性モーメントの影響を考慮して、耳糸ボビン80及び82の半径寸法R以下(L≦R)であることが好ましい。
【0073】
また、耳糸ボビン80及び82を、図5(B)に示すように巻き中心線が回転軸線に対してい傾斜するように配置してもよいし、図5(C)に示すように各巻き中心線と回転軸線との距離L1及びL2が異なる(L1≠L2)ように配置してもよい。
【0074】
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るねじり耳形成装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す給糸機構の拡大図であって、(A)は平面図であり、(B)は縦断面図である。
【図3】図1に示す給糸機構の変形例を示す部分拡大図である。
【図4】図3に示す給糸機構の別の変形例を示す拡大垂直断面図である。
【図5】図1に示す給糸機構のボビンと回転軸線との位置関係を説明するための概略図であって、(A)は巻き中心線と回転軸線とが平行でかつ巻き中心線が回転軸線の近傍に配置されている図、(B)は巻き中心線が回転軸線に対して傾斜して配置されている図、(C)は各巻き中心線と回転軸線との距離が異なるように配置されている図である。
【符号の説明】
10,98,104 ねじり耳形成装置
12 織布
14 緯糸
16 駆動軸
18,100 耳糸開口機構
20 給糸機構
22,24 駆動歯車
26,28 従動歯車
30 回転体
32 遊星歯車
34 中継歯車
36 太陽歯車
38 回転体の軸部
40 回転円板部
42 回転体の穴
44 回転体の穴
46 遊星歯車の軸部
48 遊星歯車の軸受
50 耳糸案内穴
52 耳糸ガイド
54 弾性部材
56 メール
58 リング部
60 支持部材
62 ボルト
64 取り付けフレーム
66 軸受支持部
68 軸受
70 回転フレーム
72 回転フレームの軸部
74 回転フレームの内側領域
76 耳糸
78 ソケット
80,82 耳糸ボビン
84 受け部
86 棒状部材(張力付与部材)
88 貫通穴(耳糸ガイド)
90 パイプ
92 くさび
94 ボルト
96 ナット
102 貫通穴(耳糸案内穴)
106 軸部
108 被駆動歯車
110 駆動歯車
112 駆動装置

Claims (6)

  1. 仮想的な回転軸線を間にして間隔をおいた一対のメールを前記回転軸線の周りに公転させて耳糸に開口運動をさせる耳糸開口機構と、前記耳糸開口機構に耳糸を供給する一対の耳糸ボビンが配置される給糸機構であって前記メールと同じ方向に自転される給糸機構とを含み、
    前記給糸機構は、各耳糸ボビンの重心位置が当該給糸機構の自転軸線又はその近傍に位置するように各耳糸ボビンを前記自転軸線の方向に間隔をおいて受けて前記自転軸線の周りに回転される受け部と、各耳糸ボビンから引き出される耳糸の一方が通される耳糸ガイドであって他方の耳糸の周りに回転可能な耳糸ガイドとを含む、織機のねじり耳形成装置。
  2. 前記受け部は前記耳糸ガイドと一体的に回転可能とされている、請求項1に記載のねじり耳形成装置。
  3. 前記受け部は前記耳糸ガイドから独立して回転可能とされている、請求項1に記載のねじり耳形成装置。
  4. 一方の耳糸は張力付与部材を介して前記耳糸ガイドに通されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のねじり耳形成装置。
  5. 前記給糸機構は各耳糸ボビンをそれらの軸線が前記自転軸線と平行となる状態に受ける、請求項1から4のいずれか1項に記載のねじり耳形成装置。
  6. 仮想的な回転軸線を間にして間隔をおいた一対のメールを前記回転軸線の周りに公転させて耳糸に開口運動をさせる耳糸開口機構と、前記耳糸開口機構に耳糸を供給する一対の耳糸ボビンが配置される給糸機構であって前記メールと同じ方向に自転される給糸機構とを含む、織機のねじり耳形成装置におけるねじり耳形成方法であって、
    各耳糸ボビンの重心位置が前記給糸機構の自転軸線又はその近傍に位置するように前記耳糸ボビンを前記給糸部に前記自転軸線の方向に間隔をおいて配置し、各耳糸ボビンから引き出される耳糸の一方が通された耳糸ガイドを前記自転軸線の周りに回転させて、前記耳糸ガイドを前記耳糸ボビンから引き出される他方の耳糸の周りに回転させることを含む、織機のねじり耳形成方法。
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