JP2004162195A - 人工毛髪およびその艶消し方法 - Google Patents

人工毛髪およびその艶消し方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染色後の外観、質ともに、天然人毛と近似の風合いを有し時間が経過してもカール性を維持する人工毛髪およびその艶消し方法を提供する。
【解決手段】種々の試験の結果PTTフィラメントは人工毛髪としたときに、先ずガラス転移温度が比較的高くカール維持性が良い、次に弾性率が比較的高く且つ弾性回復率が最高であるのでスタイリング性が良い、更に染色温度が水の沸点近傍であり染色がしやすく且つ色落ちもしにくい。そして無機フイラーとしてシリカと硫酸バリウムを合わせた混入率を0.5〜2.0%、中でシリカの混入割合0.3〜1.2%、硫酸バリュームの混入割合0.2〜0.8として例えば繊度50〜90デニールのフィラメントを紡出し、適宜のアルカリ水溶液を用いて艶消しのためのエッチングを行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染色後の外観、質ともに、天然人毛と近似の風合いを有し時間が経過してもカール性を維持する人工毛髪およびその艶消し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、かつらやヘアーウィッグ等に用いる人工毛髪として種々の合成繊維のフィラメントが用いられている。そして、このような人工毛髪用の合成繊維フィラメントの材料としては、塩化ビニール、モダアクリル、ポリエステル、ナイロン等が広く用いられている。
【0003】
ところで、人工毛髪を使ったかつらを着用して日常生活をしていると、人工毛髪に用いられている材料によっては、人工毛髪の主として毛先等に縮れが発生する。このように縮れが発生すると、人工毛髪の自然観が著しく損なわれ、一見してかつらであることが判明してしまうという不具合が生じる。したがって、従来は、かつらの着用者は定期的に縮れた人工毛髪の修正を行っていた。
【0004】
ところが、一旦縮れた人工毛髪を修正する作業は種々の困難が伴うものである。例えば、従来より容易には着脱できないかつらがあり、特に近年、そのような着脱できないかつらの着用者が増加している。このようなかつらは、かつらのベースネットの縁に自毛を結び付け、更にその結び目を医療用接着剤で固めることによって、かつらを自毛に、つまり頭部に、固定している。したがって、このように強固に固定されているかつらであるから、着用者は自分自身でかつらを外すことが出来ない。
【0005】
一方、通常では、自毛が伸びてきて、自毛とかつらとの全体的な釣り合いが不自然になった頃には、人工毛髪には上述したような縮れが発生している。したがって、この縮れを修正する必要がある。かつらが着脱式であれば、予備のかつらを装着し、交換して外したかつらの縮れを折りを見て修復すればよいが、近年主流の着脱の出来ないかつらでは、専門のヘアサロンを訪れてかつらを外してもらい、縮れた人工毛髪のかつらを修復した上で、頭部全体の整髪をしてもらうという手順が必要となる。
【0006】
もっとも、中には例えばナイロンフィラメントのように、人工毛髪にしたとき縮れが発生しにくい材料もあるにはある。しかし、ナイロンフィラメントの人工毛髪は、ナイロンの持つ特質により、工場出荷時に熱処理によって所望の形に一旦整えると、後から例えばカールを掛けたいなどと思っても、一旦形成された形を変更することはできない。
【0007】
また、塩化ビニールやモダアクリルも、ナイロン同様にカール性が良くないという特質があるために、かえって、後からカール等の加工を行う必要のない、どちらかといえば、自毛の縮れ毛を嫌う人々のための、直毛かつら用として使用される割合が極めて高い。
【0008】
また、ポリエステルフィラメントは、他の素材に比べると比較的縮れ易いという欠点はあるが、ポリエステルの特性として剛性があるため、かつらに仕立てたとき、量感のある髪型を形成しやすいという長所を有している。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−161423号公報(要約、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のナイロンフィラメントのように、工場出荷の後からでは、かつらの着用者によって任意の髪型に変更することが出来ないというのでは、髪型に対する好みの自由が失われて大きな不満が残るものであることは否定できない。また、ナイロンフィラメントは剛性が低いため、着用したかつらが猫毛になりやすく、近年、若者の間に流行の量感のある髪型を形成することができないという問題も有している。
【0011】
また、塩化ビニールやモダアクリルのフィラメントは、これらの素材が高熱で容易に分解又は変質してしまう特質を有しているため、上述したような使用中の経時変化により縮れが発生しても、その縮れの修復のために、かつらに高熱を用いることが出来ず、多くの場合は使い捨てにしている。したがって、無駄が多いという問題を有している。
【0012】
一方、ポリエステルフィラメントは、その剛性のゆえに、人毛に近い太さに形成し、これでかつらを作成すると、まるで針金を植毛した如き外観となるため、あまり太く形成することができない。太く形成できないと、自毛との太さが異なってくるため、外観上、自毛との釣り合いが不自然になるという問題を有していた。
【0013】
いずれにしても、一旦発生した縮れ修復のためには、特に容易に着脱できない固定型のかつらでは、着用者は、その都度、専門のヘアサロンを訪れてかつらの装着のし直しを単にしてもらうだけでなく、縮れを修復する間、待って居る必要があり、この待ち時間が無視できないという不満の残るものであった。
【0014】
なお、本発明の出願人は、上記従来の人工毛髪における不具合を解決できる新たな人工毛髪として、ポリブチレン・テレフタレートとポリエチレン・テレフタレートの混合物を材料として成る人工毛髪について出願中である(特許文献1参照。)。
【0015】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、染色後の外観、質、時間経過後の縮れ難さともに、ポリブチレン・テレフタレートとポリエチレン・テレフタレートの混合物を材料として成る人工毛髪よりも更に良く天然人毛と近似の風合いを有する人工毛髪およびその艶消し方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以下に、本発明に係わる人工毛髪およびその艶消し方法の構成を述べる。
先ず、請求項1記載の発明の人工毛髪は、PTT(ポリトリメチレン・テレフタレート)フィラメントを材料として構成される。
【0017】
次に、請求項2記載の発明の人工毛髪の艶消し方法は、PTT(ポリトリメチレン・テレフタレート)フィラメントを材料とする人工毛髪の艶消し方法であって、上記PTTフィラメントにフィラーとしてシリカと硫酸バリュームの両方を混入してアルカリ処理する工程を有して構成される。
【0018】
そして、この人工毛髪の艶消し方法では、例えば請求項3記載のように、上記PTTフィラメントに対する上記シリカの混入割合は0.3〜1.2%、上記硫酸バリュームの混入割合は0.2〜0.8であるように構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
近年、PET(ポリエチレンテレフタレート)の形態安定性とナイロンの柔らかさを兼ね備えた繊維性があるとして、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)が注目されている。このPTTは、プロパンジオールを主たる原料として、このプロパンジオールとテレフタル酸とから生成されるが、プロパンジオールは化学合成法によって製造できるほかに、トウモロコシからバイオ技術(発酵法)によって製造することができ、これによって環境に優しい繊維としても注目されている。
【0020】
このPTTは、他の合成繊維のように専用の染料が未だ作り出されておらず、上述したPETの形態安定性とナイロンの柔らかさを兼ね備えた繊維性があるということのほかには、衣料用その他の繊維としての特性について明確なことは未だ知られていない。
【0021】
本願発明の発明者は、このPTTに着目し、このPTTと、人工毛髪として従来の人工毛髪よりも優れた性質があるものとして本出願人から既に出願済みの技術(特許文献1参照)に見られる人工毛髪の材料であるPBT(ポリブチレンテレフタレート)とPET、及び従来から人工毛髪として主に使用されてきたナイロン6とについて、各種の試験を行って、これらの物性を比較してみた。なお、ナイロン66については、ナイロン6とほぼ同様の物性をもつものであるので、ここでは説明と図示を省略している。
【0022】
図1は、上記のPET、PTT、PBT、及びナイロン6のフィラメントについての各種の試験結果を示す図表である。同図に示す各種試験に対する合成樹脂フィラメント特性図表1は、左端に試験項目を示し、続いてその右方へ、PET、PTT、PBT、及びナイロン6の順に、上記の各試験項目についての試験結果を示している。
【0023】
試験項目は、同図表の左端の上から下に示すように、ガラス転移温度(℃)、融点(℃)、密度(g/cm^3)、強度(g/d)、弾性率(Kg/mm^2)、10%弾性回復率(%)、20%弾性回復率(%)、及び染色温度(℃)となっている。なお、染色に使用した染料は、本格的なPTT専用の染料が未だ開発されていないため、PET、PBT、及びナイロン6に共通に使用可能な染料を選択して使用した。
【0024】
同図に示す試験項目において、ガラス転移温度(℃)は、上記の合成樹脂フィラメントを人工毛髪にした場合のカール維持性に関係する特性であり、この温度があまりに低いと、真夏などの気温と日光が強い外気に当るだけで、人工毛髪のカールの維持性が低下又は消失する。
【0025】
したがって、このカール維持性の点だけからみると、PBTのガラス転移温度は25℃であって、これら4種類のなかではPBTは除外されるべきものであることがわかる。そして他のPET、PTT、及びナイロン6は、満足すべきものであることが分かる。
【0026】
また、試験項目の融点、密度、強度については、いずれも目だつほどの大差はなく、したがって、これらの試験結果からは優劣をつけることはできない。
また、試験項目の弾性率及び弾性回復率は、これらの合成樹脂フィラメントを人工毛髪にした場合のスタイリング性に関係する特性である。スタイリング性は、植設された人工毛が上に立ちやすく、なかなか横に寝にくい、つまり猫毛になりにくい性質を示し、弾性率及び弾性回復率が大きいと、スタイリング性が良いということができる。
【0027】
したがって、このスタイリング性の点からだけをみると、PETは弾性率が1000−1400Kg/mm^2と極めて大きいが、他方の弾性回復率が一番低く、したがって、これら4種類のなかでは除外されるべきものであることがわかる。そして、先に除外すべきものとしたPBTも含めて、残る3種類のなかで、他と比較して弾性率及び弾性回復率が共に良いのはPTTであることがわかる。特に20%弾性回復率が特段に良く、スタイリング性の点からみると、PTTが格別に良いことが判明する。
【0028】
また、ナイロン6は、弾性回復率がPTTに比較して低いだけでなく、弾性率が一番小さい。これは、従来より、ナイロン6で形成した人工毛髪が猫毛になりやすいということを裏書している。したがって、ナイロン6もPETと同様にスタイリング性の点からみると除外されるべきものであることがわかる。
【0029】
そして、試験項目の染色温度は、染色の難易度に係わる特性である。染色温度が高いほど染色が困難で、染色温度が低いほど染色が容易となる。同図の染色温度の試験項目でみると、PETの染色温度が一番高く、PBT、PTT、ナイロン6の順に低くなっている。PTTの染色温度100−110℃は、水の沸騰点近傍の温度であり、高圧釜を使用せずとも容易に染色できる温度である。また、ナイロン6の染色温度はPTTよりも低いが、低い温度での染色は、色落ちしやすい傾向があり、いずれの点から見ても、染色の難易性においてPTTが優れていると見ることができる。
【0030】
以上、総合すると、カール維持性、スタイリング性、染色の難易性のいずれの点でも、PTTフィラメントの物性は、人工毛髪の材料として優れていることが判明する。
【0031】
次に、上記のように人工毛髪として優れた特性を有するPTTフィラメントにおいて、更に次の段階として、その外観を自然の人毛に見せかけるために適宜の艶消しを施す必要がある。
【0032】
通常、上記のような合成樹脂フィラメントは、人工毛髪として表面を艶消しする際には、アルカリ水溶液によるエッチングを行う。しかし、一般に、合成樹脂フィラメントは、アルカリ水溶液によるエッチングに抵抗が強いという特性を有している。そしてPTT樹脂フィラメントも、その例外ではない。
【0033】
図2は、PTT100%の100d×24フィラメントの繊維をアルカリ処理した場合の物性変化を示す図表である。同図に示すアルカリ処理特性変化図表2は、左から右へ、アルカリ処理時間、減量率、減量後の収縮率、強伸度(強度、伸度)を示している。また、上から下へ、原糸のときの状態、アルカリ処理時間が1時間のときの状態、アルカリ処理時間が2時間のときの状態、アルカリ処理時間が3時間のときの状態、及びアルカリ処理時間が4時間のときの状態をそれぞれ示している。
【0034】
アルカリ処理時間が1時間から4時間へと順次長くなるに応じて、減量率が7%、16%、26%、34%と順次大きくなっていくが、減量後の収縮率はいずれも6.7%であって差が無い。
【0035】
また、強度は、原糸のときの強度246.1gからアルカリ処理時間が4時間のときの強度158.8gまで、アルカリ処理時間の長さに応じて、つまり減量率が大きくなるに応じて、低下しているが、人工毛髪としての強度は十分備えている。
【0036】
また、伸度は、原糸のときの伸度41.0%に対して、いずれも54.4%〜58.2%の中にあり、アルカリ処理時間の長さ、つまり減量率には余り関係がなく、一定のところで伸びは止まっている。これも人工毛髪として望まれる好ましい特性といえる。
【0037】
ここで、減量率の大きさは原糸の艶消しの程度に関係してくる物性であるが、アルカリ処理で原糸が単に痩せ細っただけでは艶消しにはならず、表面に適度の凹凸(以下、クレータという)が形成されていなければならない。また、適正な艶消し状態になるまでにアルカリ処理時間が掛かりすぎても能率が上がらず且つ不経済である。ところが、図2の図表に示すように、PTT樹脂はアルカリ水溶液によるエッチングに強い抵抗性を有している。
【0038】
ところで、一般に合成樹脂のフィラメント繊維が、このような艶消しのためのエッチングに抵抗が強いという点に関しては、繊維として紡出する際の合成樹脂を溶融する際に、適宜の無機フィラーを添加することにより、エッチングを助成することで解決できることが知られている。
【0039】
そこで、まだ行われていないPTTフィラメントに対するアルカリ処理による最適なエッチングを行うべく、各種の無機フィラーについて、その添加量を調整しながらエッチングによる艶消しの試験を繰り返した。
【0040】
一般に、艶消しが行過ぎると完全な不透明となり、染色後の色合いが鮮やかになりすぎて不自然に見える。また、艶消しの程度が低いと、染色後の色合いに透明感が加わって、これも不自然に見える。したがって、人工毛髪の艶消しには微妙な調整が必要になる。
【0041】
この艶消し試験に使用した無機フィラーは、多種にわたっており、列記すれば次のようである。すなわち、タルク、炭酸カルシウム、雲母、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、アルミナ、硫酸バリウム、硫化亜鉛、亜鉛華、燐酸マンガン、ゼオライト、シリカ等である。
【0042】
これらの無機フィラーを使用して種々さまざまな方法で、艶消し試験を繰り返し行った。例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、ゼオライト、シリカを、それぞれPTTフィラメント紡出時に1%混入して、アルカリ処理による減量すなわちクレータの形成の程度を検証した。その結果、人工毛髪とした場合に最適と思われる艶の状態としては、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、酸化チタンの順で効果が見られた。
【0043】
ちなみに、このときの減量率は、それぞれシリカでは20%、ゼオライトでは20%、硫酸バリウムでは35%、酸化チタンでは35%であった。また、フィラメントの不透明性はゼオライトが一番高く、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウムの順に、順次低下していった。つまり透明に近づいていった。
【0044】
ここで、紡出時に混入する無機フィラーの混入率を変えて試験を更に行ってみることにした。しかし、シリカを2%混入した結果をみると、減量率10%でシリカとしては最適と思われる艶が得られた場合でも、不透明になりすぎて、染色後の色合いが重くなり、人の自然の毛髪の色合いとは異なるという傾向が見られた。
【0045】
また、硫酸バリュームを2%混入した結果をみると、減量率25%で硫酸バリュームとしては最適と思われる艶が得られた場合でも、今度は透明に近くなりすぎ、染色後の色合いが軽すぎて、この場合も人の自然の毛髪の色合いとは異なるという傾向が見られた。
【0046】
そこで、無機フィラーは1種類だけを使用するのではなく、上記の試験でそれぞれそれなりに比較的良い結果が得られているシリカと硫酸バリウムの2種類の無機フィラーを併用して、紡出フィラメントの艶消しを行うことによって、人工毛髪として最適な艶と染色後の最適な不透明さのある色合いを創り出すことを考えた。
【0047】
この試験では、シリカと硫酸バリウムの両方を合わせて、その混入率が0.5%よりも少ない量であると、アルカリ処理の時間経過に関わりなくクレータが出来にくい傾向が見られた。また、シリカと硫酸バリウムの両方を合わせて、その混入率が2.0%を越えるとフィラメントの強度が極端に低下して切れやすくなる傾向が見られた。また、シリカのみでは不透明になりすぎ、硫酸バリウムのみでは透明性に近づきすぎることは前述した。
【0048】
これらの種々の試験結果を踏まえた上で、更にシリカと硫酸バリウムの両方を合わせて混入する試験を繰り返した結果、シリカと硫酸バリウムの両方を合わせた混入率を0.5〜2.0%とし、この合計混入率の中で、シリカの混入割合を0.3〜1.2%、硫酸バリュームの混入割合を0.2〜0.8としたとき、発明者が捜し求めていた人工毛髪として最適な艶と染色後の最適な不透明さのある色合いを創り出すことに成功した。
【0049】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、PTTを材料として人工毛髪に無機フィラーとしてシリカと硫酸バリウムの両方を合わせ用いてアルカリ処理による艶消しを行うので、染色後の外観、質ともに、天然人毛と近似の風合いを有し時間が経過してもカール維持性の高い人工毛髪およびその艶消し方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PET、PTT、PBT、及びナイロン6についての各種の試験結果を示す図表である。
【図2】PTT100%の100d×24フィラメントの繊維をアルカリ処理した場合の物性変化を示す図表である。
【符号の説明】
1 合成樹脂フィラメント特性図表
2 アルカリ処理特性変化図表

Claims (3)

  1. PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)フィラメントを材料とすることを特徴とする人工毛髪。
  2. PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)フィラメントを材料とする人工毛髪の艶消し方法であって、
    前記PTTフィラメントにフィラーとしてシリカと硫酸バリュームの両方を混入してアルカリ処理することを特徴とする人工毛髪の艶消し方法。
  3. 前記PTTフィラメントに対する前記シリカの混入割合は0.3〜1.2%、前記硫酸バリュームの混入割合は0.2〜0.8であることを特徴とする請求項2記載の人工毛髪の艶消し方法。
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