JP2004161677A - アニリン誘導体の製造方法及びジアゾニウム塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アニリン誘導体を簡便に得ることができる製造方法、及び得られたアニリン誘導体から高純度なジアゾニウム塩を簡便に得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)又は(5)で表される化合物を下記一般式(2)で表されるアルコール中において、下記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体を製造するアニリン誘導体の製造方法、及び得られたアニリン誘導体を更にジアゾ化する下記一般式(7)又は(8)で表されるジアゾニウム塩を製造するジアゾニウム塩の製造方法。
【化1】
【化2】
(一般式(1)〜(7)中、R1、R2及びR6:水素原子、アルキル基、アリール基、R4:置換基、R5:アルキル基、アリール基、n:0〜4の整数、X:ハロゲン原子、Y1:2価の有機基または単結合、Y2:2価の有機基、T−:陰イオン)
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(1)又は(5)で表される化合物を下記一般式(2)で表されるアルコール中において、下記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体を製造するアニリン誘導体の製造方法、及び得られたアニリン誘導体を更にジアゾ化する下記一般式(7)又は(8)で表されるジアゾニウム塩を製造するジアゾニウム塩の製造方法。
【化1】
【化2】
(一般式(1)〜(7)中、R1、R2及びR6:水素原子、アルキル基、アリール基、R4:置換基、R5:アルキル基、アリール基、n:0〜4の整数、X:ハロゲン原子、Y1:2価の有機基または単結合、Y2:2価の有機基、T−:陰イオン)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料、感光記録材料における発色素材として有用なジアゾニウム塩の原料となるアニリン誘導体の製造方法、及びジアゾニウム塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
古くから、N−アシルアニリン類の脱アシル化によるアニリン類の製造方法は種々知られている。例えば、塩酸を用いる方法、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラートを用いる方法、ヒドラジンを用いる方法、アンモニア水を用いる方法、アルカリ金属水酸化物を用いる方法等が知られている(例えば、非特許文献1〜6参照。)。
【0003】
しかしながらこれらの方法は強酸、強塩基、あるいは強い求核剤を使用するため、同一分子内にエステル結合を有する部位を含む化合物の場合には、アミド基の切断と同時にエステル結合の切断をもともなう。基本的にはアミド結合よりもエステル結合の方が求核剤に対し反応性が高いため、アミド結合の切断よりもエステル結合の方が優先して切断される。
【0004】
一方、ジアゾニウム塩はアゾ色素の重要な合成中間体として知られている。アゾ色素の合成法については従来から種々の方法が知られている(例えば、非特許文献7参照。)。
このように、酸化反応による合成、還元反応による合成、置換反応による合成、付加反応による合成、縮合反応による合成、その他の合成法が知られている。しかしながら、アゾ色素の工業的製造方法として広く利用されているのは、原料の入手性、コスト、収率等の点から、ジアゾニウム塩とアニリン、フェノール等のカプラーをアゾカップリングさせて製造する方法がほとんどである。
【0005】
また、ジアゾニウム塩は、ビリルビンの定量分析のための分析試薬としても知られており、重要な化合物である(例えば、特許文献1参照。)。
更に、ジアゾニウム塩は非常に化学的活性の高い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を有する、いわゆるカプラーと呼ばれる化合物と反応して容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、光照射によって分解し、その活性を失う。そこで、ジアゾ化合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料として古くから利用されている(例えば、非特許文献8参照。)。
【0006】
光によって分解し活性を失う性質を利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料にも応用され、代表的なものとして、ジアゾニウム塩とカプラーを画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形成させた後光照射して画像を定着する、光定着型感熱記録材料が提案されている(例えば、非特許文献9参照。)。
【0007】
ジアゾニウム塩は既知の方法で製造することが可能である。すなわち、対応するアニリンを酸性水溶液中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用いてジアゾ化することにより得られる。しかしながら、同一分子内にエステル結合を有するN−アシルアニリン類を脱アシル化し対応するアニリン類を得、これを用いてジアゾニウム塩を得る場合、エステル基の切断をともなう。また、このアニリン類をジアゾ化する場合、通常、塩酸酸性溶液中で反応を行うため、この場合にもエステル基の切断が起こる場合があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−228517号公報
【非特許文献1】
セオドア・ダブリュ・グリーン(Theodora W. Greene)著,「プロテクティブ グループス イン オルガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis」,JOHN WILEY & SONS,1999年
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第43巻,1978年,p.4593
【非特許文献3】
ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第43巻,1978年,p.3711
【非特許文献4】
テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),1967年,p.1549
【非特許文献5】
ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters),1985年,p.1715
【非特許文献6】
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chemical Society),第104巻,1982年,p.1118
【非特許文献7】
「新実験化学講座」,丸善株式会社,14−III巻、p.1516−1534
【非特許文献8】
日本写真学会編「写真工学の基礎−非銀塩写真編−」,コロナ社,1982年,p.89−117,p.182−201
【非特許文献9】
(佐藤弘次ら著,「画像電子学会誌」,第11巻,第4号,1982年,p.290−296
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、エステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン誘導体を、エステル結合を保ったまま脱アシル化することにより、アニリン誘導体を簡便に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。更に上述の脱アシル化により得られたアニリン誘導体から高純度なジアゾニウム塩を簡便に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の酸ハロゲン化物とアルコールを用いることで、エステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン誘導体を、エステル結合を保ったまま脱アシル化することにより、アニリン誘導体が得られること、更に得られたアニリン誘導体をジアゾ化することにより高純度なジアゾニウム塩が得られることとを見出し本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
【0011】
<1> 下記一般式(1)で表される化合物を、下記一般式(2)で表されるアルコール中において、下記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(4)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とするアニリン誘導体の製造方法である。
【0012】
【化5】
【0013】
(一般式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。一般式(2)中、R3はアルキル基を表す。一般式(3)中、R5はアルキル基、アリール基を表す。Xはハロゲン原子を表す。一般式(4)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。)
【0014】
<2> 前記一般式(1)、(2)及び(4)において、R3で表されるアルキル基が総炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする<1>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0015】
<3> 前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物が、塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルの何れかであることを特徴とする<1>又は<2>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0016】
<4> 下記一般式(5)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(6)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とするアニリン誘導体の製造方法である。
【0017】
【化6】
【0018】
(一般式(5)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。一般式(6)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。)
【0019】
<5> 前記一般式(5)、(6)及び(2)において、R3で表されるアルキル基が総炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする<4>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0020】
<6> 前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物が、塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルからなるうちの何れかであることを特徴とする<4>又は<5>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0021】
<7> 前記一般式(1)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して得た、前記一般式(4)で表されるアニリン誘導体を、更にジアゾ化して下記一般式(7)で表されるジアゾニウム塩を製造することを特徴とするジアゾニウム塩の製造方法である。
【0022】
【化7】
【0023】
(一般式(7)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。T−は陰イオンを表す。)
【0024】
<8> 前記一般式(5)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して得た、前記一般式(6)で表されるアニリン誘導体を、更にジアゾ化して下記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩を製造することを特徴とするジアゾニウム塩の製造方法である。
【0025】
【化8】
【0026】
(一般式(8)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。T−は陰イオンを表す。)
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のアニリン誘導体の製造方法は、下記一般式(1)又は(5)で表される化合物を、下記一般式(2)で表されるアルコール中において、下記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化(以下、「本発明にかかる脱アシル化反応」という。)して、下記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とする
本発明にかかる脱アシル化反応はエステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン類をエステル結合を保ったまま、脱アシル化することができる。
本発明にかかる脱アシル化反応により、前記一般式(1)で表される化合物から下記一般式(4)で表されるアニリン誘導体が、前記一般式(5)で表される化合物から下記一般式(6)で表されるアニリン誘導体がそれぞれ製造できる。
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
前記一般式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。
前記一般式(2)中、R3はアルキル基を表す。
前記一般式(3)中、R5はアルキル基、アリール基を表す。Xはハロゲン原子を表す。
前記一般式(4)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。
前記一般式(5)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。
前記一般式(6)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。
【0031】
以下、本発明のアニリン誘導体の製造方法について説明する。
前記一般式(1)中、R1で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、クロロメチル基、エチル基、アセトニル基、プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記一般式(1)中、R1で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
【0032】
前記一般式(1)中、R2で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−エトキシカルボニルメチル基、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基が特に好ましい。
前記一般式(1)中、R2で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
【0033】
前記一般式(1)中、R3で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基が好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基が特に好ましい。
【0034】
前記一般式(1)中、R4で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基が好ましい。
前記一般式(1)中、R4で表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子が特に好ましい。
【0035】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−エトキシカルボニルメチル基、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0036】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−アセトアミドフェニル基、4−オクタノイルアミノフェニル基、4−(4−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニル基が好ましい。
【0037】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルコキシ基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、総炭素数1〜12のアルコキシ基が特に好ましい。具体的にはメトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5,−トリメチルヘキシルオキシ基、ノルマルデシルオキシ基、ノルマルドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−フェノキシエトキシ基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エトキシ基、2−ベンゾイルオキシエトキシ基、メトキシカルボニルメチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、ブトキシカルボニルエチルオキシ基、2−イソプロピルオキシエチルオキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5,−トリメチルヘキシルオキシ基、ノルマルデシルオキシ基、ノルマルドデシルオキシ基が特に好ましい。
【0038】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリールオキシ基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜20のアリールオキシ基が好ましい。具体的にはフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基が好ましい。
【0039】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルキルチオ基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜20のアルキルチオ基が好ましい。具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ノルマルヘキシルチオ基、ノルマルオクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノルマルドデシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ベンジルチオ基、エトキシカルボニルメチルチオ基が好ましい。
【0040】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリールチオ基は置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜30のアリールチオ基が好ましい。具体的にはフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基が好ましい。
【0041】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルキルスルホニル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましい。具体的にはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ノルマルブチルスルホニル基、ノルマルヘキシルスルホニル基、ノルマルオクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ノルマルドデシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、エトキシカルボニルメチルスルホニル基が好ましい。
【0042】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリールスルホニル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましい。具体的にはフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基が好ましい。
【0043】
前記一般式(1)中、Y1で表される2価の有機基、置換基を有していても無置換でもよく、アルキレン基、フェニレン基が好ましい。これらは間にアルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、スルホニル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合、を介していてもよい。また、更に置換基を有する場合の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
【0044】
前記一般式(5)におけるR1、R3及びR4は、前記一般式(1)におけるR1、R3及びR4と同義であり、好ましい例も同様である。また、前記一般式(5)において、nは0〜4の整数を表し、nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。また、前記一般式(5)におけるR6は、Y2−COOR3で表される置換基であってもよい。
【0045】
前記一般式(5)中、R6で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、4−メトキシフェノキシエチル基、2−(4−メトキシフェノキシ)プロピル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−エトキシカルボニルメチル基、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、4−メトキシフェノキシエチル基、2−(4−メトキシフェノキシ)プロピル基が特に好ましい。
【0046】
前記一般式(5)中、R6で表されるアリール基は炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
前記一般式(5)中、Y2で表される2価の有機基はアルキレン基、フェニレン基が好ましく、これらは間にアルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、スルホニル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合、を介していてもよい。また、置換基として、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基を有していてもよい。
【0047】
以下に、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物の具体例として例示化合物:A−1〜A−21を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
前記一般式(2)におけるR3は、前記一般式(1)におけるR3と同義であり、好ましい例も同様である。
【0053】
前記一般式(3)中、R5で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、クロロメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0054】
前記一般式(3)中、R5で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
前記一般式(3)中、Xで表されるハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、中でも塩素が特に好ましい。
【0055】
前記一般式(4)におけるR2、R3、R4及びY1は、前記一般式(1)におけるR2、R3、R4及びY1と同義であり、好ましい例も同様である。
また、前記一般式(6)におけるR3、R4、R6及びY2は、前記一般式(5)におけるR3、R4、R6及びY2と同義であり、好ましい例も同様である。
【0056】
以下に、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体の具体例として例示化合物:B−1〜B−21を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
本発明にかかる脱アシル化反応は、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化する反応である。
本発明にかかる脱アシル化反応は、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物と、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物とを、前記一般式(2)で表されるアルコールに同時に添加して、脱アシル化反応を行ってもよいが、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物を前記一般式(2)で表されるアルコール中に添加し、溶解あるいは分散させ、その後、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物を添加して、脱アシル化反応を行うことが好ましい。
【0062】
本発明にかかる脱アシル化反応は、反応溶媒として前記一般式(2)で表されるアルコールを用いる。該一般式(2)で表されるアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、ノルマルブタノールが挙げられる。前記一般式(2)で表されるアルコールは、製造されるアニリン誘導体に応じて、前記具体例から選択して用いられることが好ましい。
前記一般式(2)で表されるアルコールは単独で用いられることが好ましいが、更に有機溶媒を混合して用いてもよい。該有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒を混合してもよい。
【0063】
一方、前記反応溶媒は無水であることが好ましいが、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物の添加により、水はカルボン酸と塩化水素に変化するので、実質的には無水溶媒である必要はない。
前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物の使用量は、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物1モルに対し、1〜10モルの範囲が好ましく、2〜5モルの範囲が特に好ましい。
【0064】
前記一般式(1)のR3と前記一般式(2)のR3とは異なっていても同一でもよい。前記一般式(1)のR3と前記一般式(2)のR3とが異なっている場合、前記一般式(1)の化合物を前記一般式(2)で表されるアルコールと反応させると、前記一般式(1)のR3が前記一般式(2)のR3に変換され、R3が前記一般式(2)のR3と同一である前記一般式(4)で表されるアニリン誘導体が得られる。
同様に前記一般式(5)のR3と前記一般式(2)のR3とは異なっていても同一でもよい。
【0065】
本発明にかかる脱アシル化反応の反応温度は、0℃〜反応溶媒の還流温度の範囲内であることが好ましい。反応系に一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物を添加するときの温度は0℃〜室温の範囲であることが好ましい。その後、反応溶媒の還流温度まで上昇させ脱アシル化反応を行うことが好ましい。
また、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物は塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルの何れかであることが好ましい。
【0066】
本発明のジアゾニウム塩の製造方法は、先ず前記一般式(1)又は(5)で表される化合物から、本発明にかかる脱アシル化反応により、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体を製造し、更に得られた前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体をジアゾ化することを特徴とする。
本発明のジアゾニウム塩の製造方法は、本発明にかかる脱アシル化反応によりカルボン酸等の副生成物が発生することなく得られたアニリン誘導体をジアゾ化するため、高純度なジアゾニウム塩が簡便に得られる。
前記一般式(4)で表されるアニリン誘導体をジアゾ化することにより、下記一般式(7)で表されるジアゾニウム塩が、前記一般式(6)で表されるアニリン誘導体をジアゾ化することにより、下記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩がそれぞれ製造できる。
【0067】
【化19】
【0068】
一般式(7)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。T−は陰イオンを表す。
一般式(8)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。T−は陰イオンを表す。
【0069】
前記一般式(7)におけるR3、R4及びY1は、前記一般式(4)におけるR3、R4及びY1と同義であり、好ましい例も同様である。
また、前記一般式(7)中、T−で表される陰イオンは、無機陰イオンとしてはヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオンが好ましく、ヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオンが特に好ましい。有機陰イオンとしてはポリフルオロアルキルカルボン酸イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族スルホン酸イオン、特願2002−108919号明細書に記載のスルホンイミドアニオンが好ましい。
【0070】
一方、前記一般式(8)におけるR3、R4、R6及びY2は、前記一般式(6)におけるR3、R4、R6及びY2と同義であり、好ましい例も同様である。また、前記一般式(8)におけるT−は、前記一般式(7)におけるT−と同義であり、好ましい例も同様である。
【0071】
以下に、前記一般式(7)又は(8)で表されるジアゾニウム塩の具体例として例示化合物:C−1〜C−15を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】
【化20】
【0073】
【化21】
【0074】
【化22】
【0075】
前記ジアゾ化反応における溶媒は、既述の脱アシル化反応における反応溶媒と同一であてもよいし、さらに有機溶媒を添加してものでもよい。
前記ジアゾ化反応に用いるジアゾ化試薬は通常のものを用いることができる。例えば、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩類、亜硝酸イソアミル等の亜硝酸エステル類、ニトロシル硫酸等を用いることができる。これらはそのまま添加してもよいし、水溶液、硫酸溶液として添加してもよい。ジアゾ化試薬の使用量は、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体1モルに対し、0.8〜1.5モルであることが好ましく、1.0〜1.2モルであることが特に好ましい。
前記ジアゾ化試薬の使用量が前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体1モルに対し0.8モル未満であると、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体の転化率が低くなる場合がある。一方、前記ジアゾ化試薬の使用量が前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体1モルに対し8〜1.5モルを超えると、不純物が生成する場合がある。
【0076】
ジアゾ化時の反応温度は−30℃〜30℃の範囲が好ましく、−5℃〜10℃の範囲がより好ましい。ジアゾ化時の反応温度が−30℃未満であると、反応速度が遅くなる場合がある。一方、ジアゾ化時の反応温度が30℃を超えると、ジアゾニウム塩の分解が起こる場合や、不純物が増加する場合がある。
ジアゾ化試薬の添加速度は特に限定されない。内温の上昇を抑制できる範囲で添加速度を設定することが好ましい。
【0077】
既述のジアゾ化反応により得られたジアゾニウム塩は、対アニオンをT−へと塩交換し前記一般式(7)又は(8)で表されるジアゾニウム塩として単離する。塩交換反応はジアゾ化反応終了後、対応するT−のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩を添加することにより行なう。添加温度は−30℃〜30℃の範囲が好ましく、−5℃〜10℃の範囲がより好ましい。対応するT−の塩を添加した後、塩交換を行なう。塩交換の温度は−5℃〜40℃の範囲が好ましく、20℃〜30℃の範囲が特に好ましい。
また、塩交換の時に水を添加することが好ましい。更に塩交換の後、反応液を冷却し、結晶を析出させ、濾集することで単離することが好ましい。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1)
アニリン誘導体(例示化合物:B−8)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分析したところ、89%の面積比で2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アニリン(例示化合物:B−8)が生成していることが確認できた。
【0079】
(比較例1)
アニリン誘導体(例示化合物:B−8)の製造比較例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、濃塩酸12.5mLを滴下した。このとき内温は36℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した。反応液をHPLCにて分析したところ、63%の面積比で2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アニリン(例示化合物:B−8)が生成していることが確認できた。
【0080】
(実施例2)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−2)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム3.8g、水5.7gの溶液を内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を26.6g得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度が99.6%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化し、それを濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−2)を21.2g得た。得られた例示化合物:C−2をHPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
【0081】
(実施例3)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−2)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸イソアミル6.4gを内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を27.0g得た。得られた粗結晶HPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−2)を24.0g得た。得られた例示化合物:C−2をHPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
【0082】
(比較例2)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−2)の製造比較例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、濃塩酸12.5mLを滴下した。このとき内温は36℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム3.8g、水5.7gの溶液を内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を20.8g得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度は92.7%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートを11.5g(例示化合物:C−2)得た。得られた例示化合物:C−2をHPLC分析した結果、純度は98.0%であった。
【0083】
(実施例4)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−1)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをメタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を3時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム3.8g、水5.7gの溶液を内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を24.5g得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度は99.3%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−1)を20.3g得た。得られた例示化合物:C−1をHPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
【0084】
(比較例3)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−1)の製造比較例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)170.0g、メタノール650mL、濃塩酸130mLの混合物を3時間加熱還流し、−5℃まで冷却し、更に亜硝酸ナトリウム23.8g、水65gの溶液を内温が10℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム72.0gを添加した。30℃で1時間撹拌した後、水200mLを添加し5℃で1時間撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度は89.0%であった。
更に、得られた粗結晶を酢酸エチル300mLに溶解し、イソプロパノール400mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−1)を126.0g得た。得られた例示化合物:C−1をHPLC分析した結果、純度は98.1%であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明は、エステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン誘導体を、エステル結合を保ったまま脱アシル化することにより、アニリン誘導体を簡便に得ることができる製造方法を提供することができる。更に上述の脱アシル化により得られたアニリン誘導体から高純度なジアゾニウム塩を簡便に得ることができる製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料、感光記録材料における発色素材として有用なジアゾニウム塩の原料となるアニリン誘導体の製造方法、及びジアゾニウム塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
古くから、N−アシルアニリン類の脱アシル化によるアニリン類の製造方法は種々知られている。例えば、塩酸を用いる方法、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラートを用いる方法、ヒドラジンを用いる方法、アンモニア水を用いる方法、アルカリ金属水酸化物を用いる方法等が知られている(例えば、非特許文献1〜6参照。)。
【0003】
しかしながらこれらの方法は強酸、強塩基、あるいは強い求核剤を使用するため、同一分子内にエステル結合を有する部位を含む化合物の場合には、アミド基の切断と同時にエステル結合の切断をもともなう。基本的にはアミド結合よりもエステル結合の方が求核剤に対し反応性が高いため、アミド結合の切断よりもエステル結合の方が優先して切断される。
【0004】
一方、ジアゾニウム塩はアゾ色素の重要な合成中間体として知られている。アゾ色素の合成法については従来から種々の方法が知られている(例えば、非特許文献7参照。)。
このように、酸化反応による合成、還元反応による合成、置換反応による合成、付加反応による合成、縮合反応による合成、その他の合成法が知られている。しかしながら、アゾ色素の工業的製造方法として広く利用されているのは、原料の入手性、コスト、収率等の点から、ジアゾニウム塩とアニリン、フェノール等のカプラーをアゾカップリングさせて製造する方法がほとんどである。
【0005】
また、ジアゾニウム塩は、ビリルビンの定量分析のための分析試薬としても知られており、重要な化合物である(例えば、特許文献1参照。)。
更に、ジアゾニウム塩は非常に化学的活性の高い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を有する、いわゆるカプラーと呼ばれる化合物と反応して容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、光照射によって分解し、その活性を失う。そこで、ジアゾ化合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料として古くから利用されている(例えば、非特許文献8参照。)。
【0006】
光によって分解し活性を失う性質を利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料にも応用され、代表的なものとして、ジアゾニウム塩とカプラーを画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形成させた後光照射して画像を定着する、光定着型感熱記録材料が提案されている(例えば、非特許文献9参照。)。
【0007】
ジアゾニウム塩は既知の方法で製造することが可能である。すなわち、対応するアニリンを酸性水溶液中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用いてジアゾ化することにより得られる。しかしながら、同一分子内にエステル結合を有するN−アシルアニリン類を脱アシル化し対応するアニリン類を得、これを用いてジアゾニウム塩を得る場合、エステル基の切断をともなう。また、このアニリン類をジアゾ化する場合、通常、塩酸酸性溶液中で反応を行うため、この場合にもエステル基の切断が起こる場合があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−228517号公報
【非特許文献1】
セオドア・ダブリュ・グリーン(Theodora W. Greene)著,「プロテクティブ グループス イン オルガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis」,JOHN WILEY & SONS,1999年
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第43巻,1978年,p.4593
【非特許文献3】
ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第43巻,1978年,p.3711
【非特許文献4】
テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),1967年,p.1549
【非特許文献5】
ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters),1985年,p.1715
【非特許文献6】
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chemical Society),第104巻,1982年,p.1118
【非特許文献7】
「新実験化学講座」,丸善株式会社,14−III巻、p.1516−1534
【非特許文献8】
日本写真学会編「写真工学の基礎−非銀塩写真編−」,コロナ社,1982年,p.89−117,p.182−201
【非特許文献9】
(佐藤弘次ら著,「画像電子学会誌」,第11巻,第4号,1982年,p.290−296
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、エステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン誘導体を、エステル結合を保ったまま脱アシル化することにより、アニリン誘導体を簡便に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。更に上述の脱アシル化により得られたアニリン誘導体から高純度なジアゾニウム塩を簡便に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の酸ハロゲン化物とアルコールを用いることで、エステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン誘導体を、エステル結合を保ったまま脱アシル化することにより、アニリン誘導体が得られること、更に得られたアニリン誘導体をジアゾ化することにより高純度なジアゾニウム塩が得られることとを見出し本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
【0011】
<1> 下記一般式(1)で表される化合物を、下記一般式(2)で表されるアルコール中において、下記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(4)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とするアニリン誘導体の製造方法である。
【0012】
【化5】
【0013】
(一般式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。一般式(2)中、R3はアルキル基を表す。一般式(3)中、R5はアルキル基、アリール基を表す。Xはハロゲン原子を表す。一般式(4)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。)
【0014】
<2> 前記一般式(1)、(2)及び(4)において、R3で表されるアルキル基が総炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする<1>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0015】
<3> 前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物が、塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルの何れかであることを特徴とする<1>又は<2>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0016】
<4> 下記一般式(5)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(6)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とするアニリン誘導体の製造方法である。
【0017】
【化6】
【0018】
(一般式(5)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。一般式(6)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。)
【0019】
<5> 前記一般式(5)、(6)及び(2)において、R3で表されるアルキル基が総炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする<4>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0020】
<6> 前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物が、塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルからなるうちの何れかであることを特徴とする<4>又は<5>に記載のアニリン誘導体の製造方法である。
【0021】
<7> 前記一般式(1)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して得た、前記一般式(4)で表されるアニリン誘導体を、更にジアゾ化して下記一般式(7)で表されるジアゾニウム塩を製造することを特徴とするジアゾニウム塩の製造方法である。
【0022】
【化7】
【0023】
(一般式(7)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。T−は陰イオンを表す。)
【0024】
<8> 前記一般式(5)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して得た、前記一般式(6)で表されるアニリン誘導体を、更にジアゾ化して下記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩を製造することを特徴とするジアゾニウム塩の製造方法である。
【0025】
【化8】
【0026】
(一般式(8)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。T−は陰イオンを表す。)
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のアニリン誘導体の製造方法は、下記一般式(1)又は(5)で表される化合物を、下記一般式(2)で表されるアルコール中において、下記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化(以下、「本発明にかかる脱アシル化反応」という。)して、下記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とする
本発明にかかる脱アシル化反応はエステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン類をエステル結合を保ったまま、脱アシル化することができる。
本発明にかかる脱アシル化反応により、前記一般式(1)で表される化合物から下記一般式(4)で表されるアニリン誘導体が、前記一般式(5)で表される化合物から下記一般式(6)で表されるアニリン誘導体がそれぞれ製造できる。
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
前記一般式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。
前記一般式(2)中、R3はアルキル基を表す。
前記一般式(3)中、R5はアルキル基、アリール基を表す。Xはハロゲン原子を表す。
前記一般式(4)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。
前記一般式(5)中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。
前記一般式(6)中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。
【0031】
以下、本発明のアニリン誘導体の製造方法について説明する。
前記一般式(1)中、R1で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、クロロメチル基、エチル基、アセトニル基、プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記一般式(1)中、R1で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
【0032】
前記一般式(1)中、R2で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−エトキシカルボニルメチル基、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基が特に好ましい。
前記一般式(1)中、R2で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
【0033】
前記一般式(1)中、R3で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基が好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基が特に好ましい。
【0034】
前記一般式(1)中、R4で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基が好ましい。
前記一般式(1)中、R4で表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子が特に好ましい。
【0035】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−エトキシカルボニルメチル基、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0036】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−アセトアミドフェニル基、4−オクタノイルアミノフェニル基、4−(4−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニル基が好ましい。
【0037】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルコキシ基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、総炭素数1〜12のアルコキシ基が特に好ましい。具体的にはメトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5,−トリメチルヘキシルオキシ基、ノルマルデシルオキシ基、ノルマルドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−フェノキシエトキシ基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エトキシ基、2−ベンゾイルオキシエトキシ基、メトキシカルボニルメチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、ブトキシカルボニルエチルオキシ基、2−イソプロピルオキシエチルオキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5,−トリメチルヘキシルオキシ基、ノルマルデシルオキシ基、ノルマルドデシルオキシ基が特に好ましい。
【0038】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリールオキシ基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜20のアリールオキシ基が好ましい。具体的にはフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基が好ましい。
【0039】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルキルチオ基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜20のアルキルチオ基が好ましい。具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ノルマルヘキシルチオ基、ノルマルオクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノルマルドデシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ベンジルチオ基、エトキシカルボニルメチルチオ基が好ましい。
【0040】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリールチオ基は置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜30のアリールチオ基が好ましい。具体的にはフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基が好ましい。
【0041】
前記一般式(1)中、R4で表されるアルキルスルホニル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましい。具体的にはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ノルマルブチルスルホニル基、ノルマルヘキシルスルホニル基、ノルマルオクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ノルマルドデシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、エトキシカルボニルメチルスルホニル基が好ましい。
【0042】
前記一般式(1)中、R4で表されるアリールスルホニル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましい。具体的にはフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基が好ましい。
【0043】
前記一般式(1)中、Y1で表される2価の有機基、置換基を有していても無置換でもよく、アルキレン基、フェニレン基が好ましい。これらは間にアルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、スルホニル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合、を介していてもよい。また、更に置換基を有する場合の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
【0044】
前記一般式(5)におけるR1、R3及びR4は、前記一般式(1)におけるR1、R3及びR4と同義であり、好ましい例も同様である。また、前記一般式(5)において、nは0〜4の整数を表し、nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。また、前記一般式(5)におけるR6は、Y2−COOR3で表される置換基であってもよい。
【0045】
前記一般式(5)中、R6で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、アリル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、4−メトキシフェノキシエチル基、2−(4−メトキシフェノキシ)プロピル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−エトキシカルボニルメチル基、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、4−メトキシフェノキシエチル基、2−(4−メトキシフェノキシ)プロピル基が特に好ましい。
【0046】
前記一般式(5)中、R6で表されるアリール基は炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
前記一般式(5)中、Y2で表される2価の有機基はアルキレン基、フェニレン基が好ましく、これらは間にアルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、スルホニル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合、を介していてもよい。また、置換基として、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基を有していてもよい。
【0047】
以下に、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物の具体例として例示化合物:A−1〜A−21を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
前記一般式(2)におけるR3は、前記一般式(1)におけるR3と同義であり、好ましい例も同様である。
【0053】
前記一般式(3)中、R5で表されるアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、クロロメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0054】
前記一般式(3)中、R5で表されるアリール基は、置換基を有していても無置換でもよく、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的にはフェニル基、4−クロロフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
前記一般式(3)中、Xで表されるハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、中でも塩素が特に好ましい。
【0055】
前記一般式(4)におけるR2、R3、R4及びY1は、前記一般式(1)におけるR2、R3、R4及びY1と同義であり、好ましい例も同様である。
また、前記一般式(6)におけるR3、R4、R6及びY2は、前記一般式(5)におけるR3、R4、R6及びY2と同義であり、好ましい例も同様である。
【0056】
以下に、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体の具体例として例示化合物:B−1〜B−21を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
本発明にかかる脱アシル化反応は、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化する反応である。
本発明にかかる脱アシル化反応は、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物と、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物とを、前記一般式(2)で表されるアルコールに同時に添加して、脱アシル化反応を行ってもよいが、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物を前記一般式(2)で表されるアルコール中に添加し、溶解あるいは分散させ、その後、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物を添加して、脱アシル化反応を行うことが好ましい。
【0062】
本発明にかかる脱アシル化反応は、反応溶媒として前記一般式(2)で表されるアルコールを用いる。該一般式(2)で表されるアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、ノルマルブタノールが挙げられる。前記一般式(2)で表されるアルコールは、製造されるアニリン誘導体に応じて、前記具体例から選択して用いられることが好ましい。
前記一般式(2)で表されるアルコールは単独で用いられることが好ましいが、更に有機溶媒を混合して用いてもよい。該有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒を混合してもよい。
【0063】
一方、前記反応溶媒は無水であることが好ましいが、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物の添加により、水はカルボン酸と塩化水素に変化するので、実質的には無水溶媒である必要はない。
前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物の使用量は、前記一般式(1)又は(5)で表される化合物1モルに対し、1〜10モルの範囲が好ましく、2〜5モルの範囲が特に好ましい。
【0064】
前記一般式(1)のR3と前記一般式(2)のR3とは異なっていても同一でもよい。前記一般式(1)のR3と前記一般式(2)のR3とが異なっている場合、前記一般式(1)の化合物を前記一般式(2)で表されるアルコールと反応させると、前記一般式(1)のR3が前記一般式(2)のR3に変換され、R3が前記一般式(2)のR3と同一である前記一般式(4)で表されるアニリン誘導体が得られる。
同様に前記一般式(5)のR3と前記一般式(2)のR3とは異なっていても同一でもよい。
【0065】
本発明にかかる脱アシル化反応の反応温度は、0℃〜反応溶媒の還流温度の範囲内であることが好ましい。反応系に一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物を添加するときの温度は0℃〜室温の範囲であることが好ましい。その後、反応溶媒の還流温度まで上昇させ脱アシル化反応を行うことが好ましい。
また、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物は塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルの何れかであることが好ましい。
【0066】
本発明のジアゾニウム塩の製造方法は、先ず前記一般式(1)又は(5)で表される化合物から、本発明にかかる脱アシル化反応により、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体を製造し、更に得られた前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体をジアゾ化することを特徴とする。
本発明のジアゾニウム塩の製造方法は、本発明にかかる脱アシル化反応によりカルボン酸等の副生成物が発生することなく得られたアニリン誘導体をジアゾ化するため、高純度なジアゾニウム塩が簡便に得られる。
前記一般式(4)で表されるアニリン誘導体をジアゾ化することにより、下記一般式(7)で表されるジアゾニウム塩が、前記一般式(6)で表されるアニリン誘導体をジアゾ化することにより、下記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩がそれぞれ製造できる。
【0067】
【化19】
【0068】
一般式(7)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。Y1は2価の有機基または単結合を表す。T−は陰イオンを表す。
一般式(8)中、R3はアルキル基を表す。R4は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数の場合、R4は同一でも異なっていてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Y2は2価の有機基を表す。T−は陰イオンを表す。
【0069】
前記一般式(7)におけるR3、R4及びY1は、前記一般式(4)におけるR3、R4及びY1と同義であり、好ましい例も同様である。
また、前記一般式(7)中、T−で表される陰イオンは、無機陰イオンとしてはヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオンが好ましく、ヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオンが特に好ましい。有機陰イオンとしてはポリフルオロアルキルカルボン酸イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族スルホン酸イオン、特願2002−108919号明細書に記載のスルホンイミドアニオンが好ましい。
【0070】
一方、前記一般式(8)におけるR3、R4、R6及びY2は、前記一般式(6)におけるR3、R4、R6及びY2と同義であり、好ましい例も同様である。また、前記一般式(8)におけるT−は、前記一般式(7)におけるT−と同義であり、好ましい例も同様である。
【0071】
以下に、前記一般式(7)又は(8)で表されるジアゾニウム塩の具体例として例示化合物:C−1〜C−15を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】
【化20】
【0073】
【化21】
【0074】
【化22】
【0075】
前記ジアゾ化反応における溶媒は、既述の脱アシル化反応における反応溶媒と同一であてもよいし、さらに有機溶媒を添加してものでもよい。
前記ジアゾ化反応に用いるジアゾ化試薬は通常のものを用いることができる。例えば、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩類、亜硝酸イソアミル等の亜硝酸エステル類、ニトロシル硫酸等を用いることができる。これらはそのまま添加してもよいし、水溶液、硫酸溶液として添加してもよい。ジアゾ化試薬の使用量は、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体1モルに対し、0.8〜1.5モルであることが好ましく、1.0〜1.2モルであることが特に好ましい。
前記ジアゾ化試薬の使用量が前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体1モルに対し0.8モル未満であると、前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体の転化率が低くなる場合がある。一方、前記ジアゾ化試薬の使用量が前記一般式(4)又は(6)で表されるアニリン誘導体1モルに対し8〜1.5モルを超えると、不純物が生成する場合がある。
【0076】
ジアゾ化時の反応温度は−30℃〜30℃の範囲が好ましく、−5℃〜10℃の範囲がより好ましい。ジアゾ化時の反応温度が−30℃未満であると、反応速度が遅くなる場合がある。一方、ジアゾ化時の反応温度が30℃を超えると、ジアゾニウム塩の分解が起こる場合や、不純物が増加する場合がある。
ジアゾ化試薬の添加速度は特に限定されない。内温の上昇を抑制できる範囲で添加速度を設定することが好ましい。
【0077】
既述のジアゾ化反応により得られたジアゾニウム塩は、対アニオンをT−へと塩交換し前記一般式(7)又は(8)で表されるジアゾニウム塩として単離する。塩交換反応はジアゾ化反応終了後、対応するT−のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩を添加することにより行なう。添加温度は−30℃〜30℃の範囲が好ましく、−5℃〜10℃の範囲がより好ましい。対応するT−の塩を添加した後、塩交換を行なう。塩交換の温度は−5℃〜40℃の範囲が好ましく、20℃〜30℃の範囲が特に好ましい。
また、塩交換の時に水を添加することが好ましい。更に塩交換の後、反応液を冷却し、結晶を析出させ、濾集することで単離することが好ましい。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1)
アニリン誘導体(例示化合物:B−8)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分析したところ、89%の面積比で2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アニリン(例示化合物:B−8)が生成していることが確認できた。
【0079】
(比較例1)
アニリン誘導体(例示化合物:B−8)の製造比較例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、濃塩酸12.5mLを滴下した。このとき内温は36℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した。反応液をHPLCにて分析したところ、63%の面積比で2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アニリン(例示化合物:B−8)が生成していることが確認できた。
【0080】
(実施例2)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−2)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム3.8g、水5.7gの溶液を内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を26.6g得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度が99.6%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化し、それを濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−2)を21.2g得た。得られた例示化合物:C−2をHPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
【0081】
(実施例3)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−2)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸イソアミル6.4gを内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を27.0g得た。得られた粗結晶HPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−2)を24.0g得た。得られた例示化合物:C−2をHPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
【0082】
(比較例2)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−2)の製造比較例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをエタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、濃塩酸12.5mLを滴下した。このとき内温は36℃まで上昇した。この反応液を2時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム3.8g、水5.7gの溶液を内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を20.8g得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度は92.7%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートを11.5g(例示化合物:C−2)得た。得られた例示化合物:C−2をHPLC分析した結果、純度は98.0%であった。
【0083】
(実施例4)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−1)の製造例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)26.0gをメタノールで溶解した溶液(内温13℃)100mLに、塩化アセチル11.8gを滴下した。このとき内温は42℃まで上昇した。この反応液を3時間加熱還流した後−5℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム3.8g、水5.7gの溶液を内温が0℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム12.9gを添加し、23℃で30分撹拌した後、水50mLを添加し23℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を24.5g得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度は99.3%であった。
更に得られた粗結晶を酢酸エチル50mLに溶解し、イソプロパノール200mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−1)を20.3g得た。得られた例示化合物:C−1をHPLC分析した結果、純度は99.7%であった。
【0084】
(比較例3)
ジアゾニウム塩(例示化合物:C−1)の製造比較例
2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ}アセトアニリド(例示化合物:A−8)170.0g、メタノール650mL、濃塩酸130mLの混合物を3時間加熱還流し、−5℃まで冷却し、更に亜硝酸ナトリウム23.8g、水65gの溶液を内温が10℃以下になるように滴下した。そのまま撹拌を20分間継続し、ヘキサフルオロリン酸カリウム72.0gを添加した。30℃で1時間撹拌した後、水200mLを添加し5℃で1時間撹拌した。析出した結晶を濾集し、水、イソプロパノールで順次洗浄後、乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファートの粗結晶を得た。得られた粗結晶をHPLC分析した結果、純度は89.0%であった。
更に、得られた粗結晶を酢酸エチル300mLに溶解し、イソプロパノール400mLを加え結晶化した。得られた結晶を濾集・乾燥し、2−(5,5,5−トリメチルヘキシル)オキシ−4−{N,N−ビス(3−メトキシカルボニルプロピル)アミノ}ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスファート(例示化合物:C−1)を126.0g得た。得られた例示化合物:C−1をHPLC分析した結果、純度は98.1%であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明は、エステル結合を同一分子内に有するN−アシルアニリン誘導体を、エステル結合を保ったまま脱アシル化することにより、アニリン誘導体を簡便に得ることができる製造方法を提供することができる。更に上述の脱アシル化により得られたアニリン誘導体から高純度なジアゾニウム塩を簡便に得ることができる製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表される化合物を、下記一般式(2)で表されるアルコール中において、下記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(4)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とするアニリン誘導体の製造方法。
- 前記一般式(1)、(2)及び(4)において、R3で表されるアルキル基が総炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のアニリン誘導体の製造方法。
- 前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物が、塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルの何れかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアニリン誘導体の製造方法。
- 下記一般式(5)で表される化合物を、前記一般式(2)で表されるアルコール中において、前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物存在下で脱アシル化して、下記一般式(6)で表されるアニリン誘導体を製造することを特徴とするアニリン誘導体の製造方法。
- 前記一般式(5)、(6)及び(2)において、R3で表されるアルキル基が総炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項4に記載のアニリン誘導体の製造方法。
- 前記一般式(3)で表されるカルボン酸ハロゲン化物が、塩化アセチル、塩化プロピオニル及び塩化ベンゾイルからなるうちの何れかであることを特徴とする請求項4又は5に記載のアニリン誘導体の製造方法。
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CN116106447A (zh) * | 2023-01-09 | 2023-05-12 | 九江天赐高新材料有限公司 | 一种hplc测定样品中双氯代磺酰亚胺含量的方法 |
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2002
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