JP2004161519A - 圧電磁器組成物およびそれを用いた圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】1200℃以下の温度で焼結させることができ、圧電素子に適用されたとき、その共振周波数の温度特性を向上させることができ、かつ優れた発振特性を与えることができる、圧電磁器組成物を提供する。
【解決手段】一般式:{Pb1−x−y (LaNd1−a }{(Ni1/3 Nb2/3 Ti1−z }O(ただし、0.05≦x≦0.15、−0.075≦y≦0.075、0≦a≦1、0.02≦z≦0.10)で表わされる主成分と、Mnの酸化物からなる副成分とを含み、副成分が、主成分100重量部に対して、MnOに換算して、0.05〜2.0重量部含む、圧電磁器組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧電磁器組成物およびそれを用いて構成された圧電素子に関するもので、特に、内部電極を内部に形成するように積層構造を有する素子本体を備える圧電素子において、素子本体を構成するのに適した圧電磁器組成物、およびそれを用いて構成された圧電素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルタや発振子などの共振子を構成する圧電素子において、その素子本体は圧電磁器焼結体から構成されている。圧電磁器焼結体は、たとえばチタン酸鉛系の圧電磁器組成物を焼結させることによって得られる。
【0003】
この発明にとって興味ある従来の圧電磁器組成物として、一般式:{Pb(1−3x/2)−y(LaNd1−a }TiO(ただし、0.15≦x≦0.40、−0.20≦y≦0.20、0≦a≦1)で表わされる主成分を含むとともに、主成分100重量部に対して0.05〜2.0重量部のMnOを副成分として含む、圧電磁器組成物がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
この圧電磁器組成物は、80体積%以上の酸素を含む雰囲気中で焼成される。この圧電磁器組成物によれば、焼成時のPbOの蒸発がほとんどなく、分極処理が容易であるという利点を有している。
【0005】
また、特許文献1に記載された圧電磁器組成物は、チタン酸鉛系であり、このようなチタン酸鉛系の圧電磁器は、本来、異方性が強い。したがって、特許文献1に記載された圧電磁器組成物を焼結させて得られた圧電磁器焼結体は、これをもって圧電素子が構成されたとき、厚み縦振動モードにおいて、高い電気機械結合係数、かつ高い山谷比を与えることができるとともに、比誘電率が低いというチタン酸鉛系圧電磁器が有する特性も保有している。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−48280号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載される圧電磁器組成物に含まれる主成分は、この組成をABOで表わしたとき、2価となるAサイトにおいて、PbをLaやNdなどの3価イオンで置換することを行なっているので、厚み縦振動モードでの電気機械結合係数をより大きくすることができるが、LaやNdがドナーとして振舞うため、焼結しにくくなり、焼結させるための焼成温度が1200℃より高くなる。
【0008】
そのため、圧電磁器組成物を焼成する工程において、電極も同時に焼成される状況の場合、たとえば、得ようとする圧電素子の素子本体が圧電磁器焼結体からなる積層構造を有し、素子本体の内部に内部電極が形成される場合、電極において用いられる金属材料の選択の幅が制限される。
【0009】
また、特許文献1に記載された圧電磁器組成物を用いて、厚み縦振動モードを利用したフィルタや発振子を構成した場合、これらフィルタや発振子に適した周波数の温度特性が必ずしも得られていない。
【0010】
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、圧電磁器組成物およびそれを用いた圧電素子を提供しようとすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一般式:ABOで表わされ、AサイトにはPb、LaおよびNdを含み、かつBサイトにはTi、NiおよびNbを含む、主成分を含むとともに、Mnの酸化物を副成分として添加された、圧電磁器組成物に向けられる。
【0012】
より詳細には、この発明に係る圧電磁器組成物は、一般式:{Pb1−x−y (LaNd1−a }{(Ni1/3 Nb2/3 Ti1−z }O(ただし、0.05≦x≦0.15、−0.075≦y≦0.075、0≦a≦1、0.02≦z≦0.10)で表わされる主成分と、Mnの酸化物からなる副成分とを含み、副成分は、主成分100重量部に対して、MnOに換算して、0.05〜2.0重量部含むことを特徴としている。
【0013】
この発明は、また、上述のような圧電磁器組成物を用いて構成された、圧電素子にも向けられる。
【0014】
この発明に係る圧電素子は、第1の実施態様では、圧電磁器焼結体からなる板状の素子本体と、この素子本体の相対向する両主面上にそれぞれ形成された電極とを備え、圧電磁器焼結体が、上述のような圧電磁器組成物を焼結して得られたものであることを特徴としている。
【0015】
この発明に係る圧電素子は、第2の実施態様では、圧電磁器焼結体からなる積層構造を有する素子本体と、この素子本体の内部に形成された内部電極とを備え、圧電磁器焼結体が、上述のような圧電磁器組成物を焼結させて得られたものであることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明による圧電磁器組成物を用いて構成される圧電素子の一例を示す斜視図である。
【0017】
図1に示した圧電素子1は、基本波厚み縦振動モードを利用するもので、圧電磁器焼結体からなる板状の素子本体2と、素子本体2の相対向する両主面上にそれぞれ形成された電極3および4とを備えている。
【0018】
図2は、この発明による圧電磁器組成物を用いて構成される圧電素子の他の例を示す斜視図である。
【0019】
図2に示した圧電素子11は、エネルギー閉じ込め型であって、2倍波厚み縦振動モードを利用するものであり、圧電磁器焼結体からなる積層構造を有する素子本体12と、素子本体12の内部に形成された内部電極13とを備えている。また、内部電極13と対向するように位置合わせされた外部電極14および15が、素子本体12の相対向する両主面上にそれぞれ形成される。
【0020】
内部電極13ならびに外部電極14および15には、それぞれ、引出電極16、17および18が形成される。また、素子本体12の各端部には、端子電極19および20が形成され、内部電極13は、引出電極16を介して、端子電極19に電気的に接続され、外部電極14および15は、それぞれ、引出電極17および18を介して、端子電極20に電気的に接続される。
【0021】
図2に示した圧電素子11のように、素子本体12が積層構造を有する場合において、利用する高調波の次数に応じて、内部電極13が2層以上設けられることもある。
【0022】
以上のような圧電素子1および11において、そこに備える素子本体2および12が、この発明に係る圧電磁器組成物を焼結させて得られた圧電磁器焼結体から構成される。
【0023】
この圧電磁器組成物は、一般式:{Pb1−x−y (LaNd1−a }{(Ni1/3 Nb2/3 Ti1−z }Oで表わされる主成分と、Mnの酸化物からなる副成分とを含んでいる。
【0024】
上記一般式において、xは、0.05≦x≦0.15の範囲に選ばれ、yは、−0.075≦y≦0.075の範囲に選ばれ、zは、0.02≦z≦0.10の範囲に選ばれる。また、副成分は、主成分100重量部に対して、MnOに換算して、0.05〜2.0重量部含むようにされる。
【0025】
これらのx、yおよびzならびに副成分の含有量についての各範囲は、後述する実験例の結果から求められたものである。
【0026】
なお、上記一般式において、aは、0≦a≦1の範囲に選ばれるが、これは、ABOにおけるAサイトのPbの一部を置換するLaとNdとの割合が任意であることを意味している。
【0027】
なお、この発明に係る圧電磁器組成物は、不可避不純物として、200ppm程度の微量なFe、Cl、Si、Al等が混入されていてもよく、このような不可避不純物の混入は、特性的に、この発明の目的を損なうものではない。
【0028】
次に、この発明に係る圧電磁器組成物の組成範囲を決定するために実施した実験例について説明する。
【0029】
【実験例】
(仮焼粉末の作製)
出発原料として、酸化鉛、酸化チタン、酸化ランタン、酸化ネオジウム、酸化ニッケル、酸化ニオブおよび酸化マンガンの各粉末を準備し、表1に示すような組成比率となるようにこれらを調合した。表1において、「MnO」は、主成分としての{Pb1−x−y (LaNd1−a }{(Ni1/3 Nb2/3 Ti1−z }Oの100重量部に対する重量部で示している。
【0030】
【表1】
Figure 2004161519
【0031】
表1において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料である。
【0032】
次に、表1に示した各試料に係る調合粉末を、ボールミルにより24時間湿式混合した後、脱水かつ乾燥し、800〜1000℃の範囲の適当な温度で4時間仮焼することによって、各試料に係る仮焼粉末を得た。
【0033】
(単板構造の圧電素子の作製)
表1に示した各試料に係る仮焼粉末を用いて、図1に示した圧電素子1のような単板構造の圧電素子を作製した。
【0034】
すなわち、各試料に係る仮焼粉末に、適量のバインダを加えて、ボールミルにより15時間湿式粉砕した後、脱水することにより、プレス成形用粉末を得た。
【0035】
次に、プレス成形用粉末を角板状にプレス成形し、この成形体を、表1の「焼成温度」の欄に示した各温度にて3時間酸素雰囲気中において焼成し、圧電磁器焼結体を得た。
【0036】
次に、得られた圧電磁器焼結体を、厚さ0.2mmになるまで研磨した。この段階で、3点曲げ試験法によって、抗折強度を測定した。
【0037】
次に、圧電磁器焼結体の両主面上に電極を形成し、次いで、150℃の温度に保たれた油中において8kV/mmの直流電界を印加し、分極処理を行なった。さらに、分極処理後において、240℃の温度下で1時間枯化処理した。
【0038】
次に、圧電磁器焼結体を、平面寸法が12mm×12mmであり厚さが0.2mmの大きさの素子本体となるように切り出し、図1に示すような圧電素子を得た。
【0039】
次に、得られた各試料に係る圧電素子について、インピーダンスアナライザーによって、基本波厚み縦振動モードでの電気的特性を測定した。より具体的には、厚み縦振動の電気機械結合係数(Kt)、山谷比(ATT)、比誘電率(ε)および−40℃〜125℃の温度範囲での共振周波数の温度変化率(fr−TC)を測定するとともに、285℃に熱したオーブン中に3分間保持し、常温で1時間放置した後の電気機械結合係数(Kt)を求め、このような熱処理前後のKtの変化率(耐熱K変化率)を求めた。
【0040】
以上の評価結果が表2に示されている。
【0041】
【表2】
Figure 2004161519
【0042】
表2において、「抗折強度」が160MPa以上、「Kt」が45%以上、「ATT」が70dB以上、「ε」が500以下、「fr−TC」が±45ppm/℃以内、「耐熱K変化率」が±4.0%以内にあるものをこの発明の範囲内とした。また、前の表1において、「焼成温度」が1200℃以下のものをこの発明の範囲内とした。このように、この発明の範囲内にある試料についての表1に示した組成比を参酌すれば、x、yおよびzならびにMnOの含有量についての前述した各範囲を求めることができる。
【0043】
まず、xが、0.05〜0.15の範囲に選ばれるのは、xが0.05未満であると、試料6のように、焼結体が得られず、他方、xが0.15を超えると、試料9のように、「耐熱K変化率」が−4.0%よりマイナス側に大きくなるためである。
【0044】
yが、−0.075〜0.075に選ばれるのは、yが−0.075未満であると、試料10のように、「焼成温度」が1200℃より高くなり、他方、yが0.075を超えると、試料14のように、「抗折強度」が160MPa未満となり、「Kt」が45%を下回り、かつ「耐熱K変化率」が−4.0%よりマイナス側に大きくなるためである。
【0045】
zが、0.02〜0.10の範囲に選ばれるのは、zが0.02未満であると、試料1のように、「焼成温度」が1200℃より高くなり、かつ「fr−TC」が−45ppm/℃よりマイナス側に大きくなり、他方、zが0.10を超えると、試料5のように、「Kt」が45%を下回り、かつ「耐熱K変化率」が−4.0%よりマイナス側に大きくなるためである。
【0046】
また、MnOの含有量が、0.05〜2.0重量部に選ばれるのは、MnO含有量が0.05重量部未満であると、試料17のように、「焼成温度」が1200℃より高くなり、「抗折強度」が160MPaを下回り、「Kt」が45%を下回り、かつ「ATT」が70dBを下回り、他方、MnO含有量が2.0重量部を超えると、試料21のように、「Kt」が45%を下回り、「ATT」が70dBを下回り、かつ「fr−TC」が−45ppm/℃よりマイナス側に大きくなるためである。
【0047】
(積層構造の圧電素子の作製)
表1に示した各試料に係る仮焼粉末を用いて、図2に示した圧電素子11のような積層構造の圧電素子を作製した。
【0048】
すなわち、表1に示した各試料に係る仮焼粉末に、バインダ、分散剤、界面活性剤、消泡剤、水等を加え、スラリーを作製し、ドクターブレード法によりグリーンシートを作製した。
【0049】
次に、グリーンシート上に、内部電極および外部電極の各々となるべきAg−Pd合金を含有するペースト膜を印刷により形成し、図2に示した内部電極13ならびに外部電極14および15の配置状態が得られるように、複数のグリーンシートを重ね、面荷重20tでプレスし、角板状の成形体を得た。
【0050】
次に、この成形体を、表1の「焼成温度」の欄に示した各温度で3時間酸素雰囲気中で焼成し、内部電極および外部電極が形成された厚さ0.4mmの圧電磁器焼結体を得た。
【0051】
次に、得られた焼結体を鏡面研磨し、内部電極を露出させ、内部電極の残存率を、光学顕微鏡および画像解析装置によって測定した。
【0052】
また、得られた圧電磁器焼結体に対して、150℃に保たれた油中において8kV/mmの直流電界を印加することによって、分極処理を行なった。さらに、分極処理後において、240℃の温度下で枯化処理した。
【0053】
次に、このような圧電磁器焼結体から、平面寸法が4mm×4mmの素子本体を切り出し、図2に示すような圧電素子を得た。
【0054】
次に、各試料に係る圧電素子について、前述した単板構造の圧電素子の場合と同様の方法により、2倍波厚み縦振動モードでの電気機械結合係数(2ndKt)、山谷比(ATT)、共振周波数の温度変化率(fr−TC)および熱処理前後の「2ndKt」の変化率(耐熱K変化率)をそれぞれ求めた。
【0055】
以上の評価結果が表3に示されている。
【0056】
【表3】
Figure 2004161519
【0057】
表3において、「2ndKt」が45%以上、「ATT」が70dB以上、「fr−TC」が±45ppm/℃以内、「耐熱K変化率」が±4.0%以内、「内部電極残存率」が70%以上であるものをこの発明の範囲内とした。また、前述した単板構造の圧電素子の場合と同様、前の表1において、「焼成温度」が1200℃以下のものをこの発明の範囲内とした。このように、この発明の範囲内にある試料についての表1に示した組成比を参酌すれば、x、yおよびzならびにMnOの含有量についての前述した各範囲を求めることができる。
【0058】
まず、xが、0.05〜0.15の範囲に選ばれるのは、xが0.05未満であると、試料6のように、焼結体が得られず、他方、xが0.15を超えると、試料9のように、「耐熱K変化率」が−4.0%よりマイナス側に大きくなり、かつ「内部電極の残存率」が70%を下回るためである。
【0059】
yが、−0.075〜0.075に選ばれるのは、yが−0.075未満であると、試料10のように、「焼成温度」が1200℃より高くなり、他方、yが0.075を超えると、試料14のように、「2ndKt」が45%を下回り、 「ATT」が70dBを下回り、かつ「耐熱K変化率」が−4.0%よりマイナス側に大きくなるためである。
【0060】
zが、0.02〜0.10の範囲に選ばれるのは、zが0.02未満であると、試料1のように、「焼成温度」が1200℃より高くなり、「fr−TC」が−45ppm/℃よりマイナス側に大きくなり、かつ「内部電極残存率」が70%を下回り、他方、zが0.10を超えると、試料5のように「2ndKt」が45%を下回り、「ATT」が70dBを下回り、かつ「耐熱K変化率」が−4.0%よりマイナス側に大きくなるためである。
【0061】
また、MnOの含有量が、0.05〜2.0重量部に選ばれるのは、MnO含有量が0.05重量部未満であると、試料17のように、「焼成温度」が1200℃より高くなり、「2ndKt」が45%を下回り、「ATT」が70dBを下回り、かつ「内部電極残存率」が70%を下回り、他方、MnO含有量が2.0重量部を超えると、試料21のように、「2ndKt」が45%を下回り、「ATT」が70dBを下回り、かつ「fr−TC」が−45ppm/℃よりマイナス側に大きくなるためである。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る圧電磁器組成物によれば、1200℃以下の温度でこれを焼結させることができる。また、これを用いて圧電素子を構成したとき、この圧電素子の共振周波数の温度変化率を低く抑えることができ、また、高い電気機械結合係数および高い山谷比を与えることができ、さらに耐熱性に優れたものとすることができる。また、この発明に係る圧電磁器組成物を焼結させて得られた圧電磁器焼結体は、高い機械的強度を与えることができ、また、比誘電率を低くすることができる。
【0063】
このようなことから、高い耐熱性および高い機械的強度が要求されるフィルタなどの圧電素子に対して、この発明に係る圧電磁器組成物を有利に適用することができる。
【0064】
また、前述したように、この発明に係る圧電磁器組成物は1200℃以下の温度で焼結させることができるので、積層構造を有しかつ内部に内部電極を形成している素子本体を備える圧電素子を構成するために有利に用いることができる。そして、このような積層構造を有する素子本体を備える圧電素子に適用されたとき、スプリアスがなく、2倍波厚み縦振動モードでの電気機械結合係数を高めることができ、さらに、前述したように、高い山谷比、共振周波数の温度特性の向上および高い耐熱性を実現することができるので、広帯域フィルタや発振特性に優れた発振子を構成するのに有利に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による圧電磁器組成物を用いて構成される圧電素子の一例を示す斜視図である。
【図2】この発明による圧電磁器組成物を用いて構成される圧電素子の他の例のを示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11 圧電素子
2,12 素子本体
3,4 電極
13 内部電極
14,15 外部電極

Claims (3)

  1. 一般式:{Pb1−x−y (LaNd1−a }{(Ni1/3 Nb2/3 Ti1−z }O(ただし、0.05≦x≦0.15、−0.075≦y≦0.075、0≦a≦1、0.02≦z≦0.10)で表される主成分と、Mnの酸化物からなる副成分とを含み、前記副成分は、前記主成分100重量部に対して、MnOに換算して、0.05〜2.0重量部含む、圧電磁器組成物。
  2. 圧電磁器焼結体からなる板状の素子本体と、前記素子本体の相対向する両主面上にそれぞれ形成された電極とを備える、圧電素子であって、前記圧電磁器焼結体は、請求項1に記載の圧電磁器組成物を焼結させて得られたものである、圧電素子。
  3. 圧電磁器焼結体からなる積層構造を有する素子本体と、前記素子本体の内部に形成された内部電極とを備える、圧電素子であって、前記圧電磁器焼結体は、請求項1に記載の圧電磁器組成物を焼結させて得られたものである、圧電素子。
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