JP2004159571A - 移植機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】苗トレイを縦搬送する縦搬送機構と、同縦搬送機構を横搬送する横搬送機構と、上記苗トレイの苗ポット中からポット苗を取り出す苗取出機構と、同苗取出機構により取り出したポット苗を受けて畝に植え付ける植付機構とを装備する移植機において、横搬送機構を駆動する横搬送駆動機構と、苗取出機構を駆動する苗取出駆動機構と、植付機構を駆動する植付駆動機構を一つの駆動ケース内に収容すると共に、同駆動ケースを植付機構よりも前方位置に配設した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移植機の一形態として、苗トレイを縦搬送する縦搬送機構と、同縦搬送機構を横搬送する横搬送機構と、上記苗トレイの苗ポット中からポット苗を取り出す苗取出機構と、同苗取出機構により取り出したポット苗を受けて畝に植え付ける植付機構とを装備するものがある。
【0003】
そして、横搬送機構は機体の後部に配置して、同横搬送機構の一側部に横搬送駆動機構を連動連設し、また、苗取出機構は縦搬送機構の前方近傍位置に配置して、同苗取出機構にその近傍位置において苗取出駆動機構を連動連設し、また、植付機構は苗取出機構の前方近傍位置に配置して、同植付機構にその近傍位置において植付駆動機構を連動連設している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−80215号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した移植機では、横搬送駆動機構と苗取出駆動機構と植付駆動機構を分散させて配置しているために、これらの駆動機構の組立性や整備性が悪い上に、これらの駆動機構が比較的重量物であるために、機体の前後、さらには、左右の重量バランスを悪くしているという不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、苗トレイを縦搬送する縦搬送機構と、同縦搬送機構を横搬送する横搬送機構と、上記苗トレイの苗ポット中からポット苗を取り出す苗取出機構と、同苗取出機構により取り出したポット苗を受けて畝に植え付ける植付機構とを装備する移植機において、横搬送機構を駆動する横搬送駆動機構と、苗取出機構を駆動する苗取出駆動機構と、植付機構を駆動する植付駆動機構を一つの駆動ケース内に収容すると共に、同駆動ケースを植付機構よりも前方位置に配設したことを特徴とする移植機を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、左右一対の後車輪を設け、両左・右側後車輪間に駆動ケースを配置したことにも特徴を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
すなわち、本発明に係る移植機は、苗トレイを縦搬送する縦搬送機構と、同縦搬送機構を横搬送する横搬送機構と、上記苗トレイの苗ポット中からポット苗を取り出す苗取出機構と、同苗取出機構により取り出したポット苗を受けて畝に植え付ける植付機構とを装備しており、横搬送機構を駆動する横搬送駆動機構と、苗取出機構を駆動する苗取出駆動機構と、植付機構を駆動する植付駆動機構を一つの駆動ケース内に収容すると共に、同駆動ケースを植付機構よりも前方位置に配設している。
【0010】
そして、上記した移植機には左右一対の後車輪を設け、両左・右側後車輪間に駆動ケースを配置している。
【0011】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1に示すAは、本発明に係る移植機であり、同移植機Aは、走行部1と、同走行部1の後部に配設した苗供給部2と、同苗供給部2の前方位置に配設した苗移植部3とを具備して、走行部1を圃場Gにて自走させながら、苗供給部2から供給されるポット苗(図示せず)を苗移植部3により圃場Gの畝面Uに移植するようにしている。
【0013】
走行部1は、機体フレーム4の前部に左右一対の前車輪支持アーム5,5を介して前車輪6,6を取り付けると共に、後部に左右一対の後車輪支持アームとしての後車輪駆動ケース7,7を介して後車輪8,8を取り付けており、これら前・後車輪6,6,8,8は、昇降機構9に連動連結して、同昇降機構9が昇降センサとしても機能する後述の鎮圧輪(図示せず)の畝面Uに沿った昇降動作量に基づいて、前・後車輪6,6,8,8を昇降させることにより、苗移植部3によるポット苗の植付深さを一定に保持することができるようにしている。
【0014】
そして、機体フレーム4上の前部にエンジン10を搭載し、同エンジン10の後方位置にミッションケース11を配設すると共に、同ミッションケース11をエンジン10に連動連結し、同ミッションケース11に上記後車輪駆動ケース7,7と前記苗供給部2と苗移植部3とを連動連結している。12はボンネット、13は予備苗載台である。
【0015】
また、機体フレーム4の後端部には、図1及び図2に示すように、支持体14を介して左右一対のハンドル支持フレーム15,15を後上方へ向けて延設し、両ハンドル支持フレーム15,15の後端部に平面視U状に形成したハンドル16を取り付けており、同ハンドル16の下部間に下部レバーガイド支持体17を架設し、同下部レバーガイド支持体17に植深調節レバーガイド体18と株間調節レバーガイド体19と主変速レバーガイド体20とを左右方向に隣接させて配置し、各レバーガイド体18,19,20を介してそれぞれ植深調節レバー21と株間調節レバー22と主変速レバー23とを左右方向に連続させて配設している。
【0016】
そして、ハンドル16の上部間に上部レバーガイド支持体24を架設し、同上部レバーガイド支持体24の左側部に植付クラッチレバーガイド体25を配置する一方、右側部に昇降レバーガイド体26を配置して、各レバーガイド体25,26を介してそれぞれ植付クラッチレバー27と昇降レバー28とを配設している。
【0017】
左右一対のハンドル支持フレーム15,15間には覆土輪調節体31を設け、同覆土輪調節体31とミッションケース11との間に前後方向に伸延する覆土輪支持体32を架設して、同覆土輪支持体32に覆土輪33を取り付けている。
【0018】
苗供給部2は、図1及び図2に示すように、左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中途部間に配設しており、苗トレイTを縦搬送する縦搬送機構35と、同縦搬送機構35を横搬送する横搬送機構36とを装備している。
【0019】
縦搬送機構35は、図1に示すように、縦方向及び横方向に整然と苗ポットPを形成した苗トレイTを、前下方へ向けて苗ポットPの間隔毎に縦搬送して、後述する苗移植部3により苗ポットP中のポット苗(図示せず)を畝面Uに移植し、空になった苗トレイTは後上方へ折り返し状に搬送するようにしている。
【0020】
横搬送機構36は、図1〜図5に示すように、縦搬送機構35の下方に配置しており、左右方向に軸線を向けて縦搬送機構35に連動連結した横送り軸37と、同横送り軸37の中途部に連動連結すると共に、同横送り軸37を軸線方向に横移動させる横移動体38とを具備して、同横送り軸37の外周面には、螺旋状の横送り溝37aを形成している。
【0021】
横移動体38は、左右方向に開口したギヤケース39中に横送り軸37を貫通させ、同横送り軸37の中央部の外周を筒状片40により囲繞し、同筒状片40の内周面に係合片41を突設して、同係合片41を上記横送り溝37a中に摺動自在に係合させると共に、筒状片40の左側外周面には入力用ベベルギヤ42を設ける一方、ギヤケース39の前壁中央部に出力用ベベルギヤ43を設けて、同出力用ベベルギヤ43を上記入力用ベベルギヤ42に噛合させている。
【0022】
そして、出力用ベベルギヤ43を支持する入力軸44は、後述する駆動ケース45に後部ドライブシャフト46を介して連動連結して、駆動ケース45→後部ドライブシャフト46→入力軸44→出力用ベベルギヤ43→入力用ベベルギヤ42→筒状片40に動力を伝達して、筒状片40を横送り軸37の軸芯廻りに回転させることにより、係合片41を介して横送り軸37を横移動させるようにしている。
【0023】
また、ギヤケース39の天井壁には、係合用突片47を突設し、同係合用突片47に左右方向に軸線を向けたガイド用筒片48を係合させ、同ガイド用筒片48中に廻り止め用ロッド49を挿通し、同廻り止め用ロッド49の左右側端部をそれぞれ連結片50,50を介して前記横送り軸37の左右側端部に連結して、同横送り軸37の廻り止めを図っている。51は蛇腹状のカバー体である。
【0024】
図1に示すように、横搬送機構36と縦搬送機構35との間には縦送り連動機構52を介設しており、同縦送り連動機構52は、図3〜図5及び図7に示すように、入力用ベベルギヤ42にカム53を同軸的に連設する一方、ギヤケース39の下部に左右方向に軸線を向けた支軸54をその軸線廻りに回動自在に横架し、同支軸54の左側部に被作用片55を取り付けると共に、同支軸54をコイルバネ56により被作用片55がカム53に当接する方向に回動付勢し、同被作用片55を、常時、カム53に当接させている。
【0025】
そして、図5に示すように、支軸54の右側端部はギヤケース39より外部へ突出させて、同突出端部54aに、図1にも示すように、L字状の作用片57の基端部を連設する一方、縦搬送機構35に、図7にも示すように、左右方向に軸線を向けた連動支軸59を設け、同連動支軸59の左右側部にそれぞれ連動片60,61を突設すると共に、同連動支軸59にラチェット作用片62を突設し、同ラチェット作用片62を縦送り軸63の左側端部に設けた縦送り用ラチェット64に作用させるようにしている。
【0026】
そして、作用片57の先端部が、各連動片60,61のいずれかに作用すると、同連動支軸59に突設したラチェット作用片62が縦送り用ラチェット64に作用して、同縦送り用ラチェット64を介して縦送り軸63を一方向にのみ一定量だけ回転させて、苗トレイTを苗ポットPの一段分だけ縦送りするようにしている。
【0027】
このようにして、苗トレイTに形成した苗ポットPの横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りし、再度、横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りするという作動を繰り返すようにしている。
【0028】
この際、縦送り連動機構52の被作用片55は、入力用ベベルギヤ42に同軸的に連設したカム53に当接させて、横送りの回転数と縦送りの回転数とを同一となして、切替の工程で位相差が生じない構成としている。
【0029】
従って、苗トレイTの種類に応じて、駆動ケース45より突出させて設けた横送り切替レバー(図示せず)を切替操作して、横送りの回転数を変更するが、この場合にも、横送りの回転数と縦送りの回転数とを同一となして、位相がずれないようにすることができる。また、構造が簡易であるため、組立作業も確実に行うことができる。
【0030】
図7中、65は縦送り量調節機構であり、同縦送り量調節機構65は、縦送り用ラチェット64に連動連結した第1・第2爪片66,67を、縦送り軸63に取り付けた第1・第2ギヤ68,69に、縦送り切替レバー70により切り替え操作して、縦送り量を二段階に変更することができるようにしている。
【0031】
苗移植部3は、図1及び図7に示すように、苗供給部2の苗トレイTからポット苗(図示せず)を取り出す苗取出機構71と、同苗取出機構71により取り出されたポット苗を受けて畝面Uにポット苗を植え付ける植付機構72とを具備している。
【0032】
そして、苗取出機構71は、図1及び図7に示すように、後述する駆動ケース45に苗取出伝動チェン73を介して連動連結した苗取ロータケース74と、同苗取ロータケース74に連動連結した開閉カム75と、同開閉カム75により開閉作動される左右一対の苗取爪76,76と、各苗取爪76,76に挿嵌した押し出し体77,77とを具備している。78はガイド体、79はガイドローラである。
【0033】
植付機構72は、図1及び図7に示すように、駆動ケース45に植付ロータケース81を連動連結し、同植付ロータケース81に開閉カム82を連動連結し、同開閉カム82に開孔器としての植付爪83を連動連結しており、同植付爪83は、前後一対の植付爪形成片83a,83aを開閉自在に形成して、上記開閉カム82により閉塞した状態にてポット苗を受けると共に、畝面Uを開孔し、開閉カム82により開放した状態にて上昇させることにより畝面Uにポット苗を残して植付を完了させることができるようにしている。
【0034】
駆動ケース45は、図1、図6及び図7に示すように、左右一対の後車輪8,8間でかつ後車輪8の前後幅内に配設しており、同ミッションケース11より後方へ突出させた出力軸85と、駆動ケース45より前方へ突出させた入力軸86との間に前部ドライブシャフト87を介設している。
【0035】
そして、入力軸86には前後方向に軸線を向けた伝動軸88を連動連結し、同伝動軸88に左右方向に軸線を向けた苗取出力軸89と植付出力軸90とを連動連結しており、同苗取出力軸89は、先端部を駆動ケース45の外部に突出させて、同突出端に設けた出力側スプロケット91と、苗取出機構71の入力軸84に設けた入力側スプロット92との間に、前記した苗取出伝動チェン73を巻回している。また、植付出力軸90は、前記した植付ロータケース81に連動連結している。
【0036】
また、入力軸86には変速軸93を介して横送り出力軸94を連動連結しており、同変速軸93にはシフター93a,93bを設け、同シフター93a,93bに変速フォーク(図示せず)を介して横送り切替レバー(図示せず)を連動連結して、同横送り切替レバーにより横送り量を二段階に切替操作することができるようにしている。
【0037】
横送り出力軸94には、前記した後部ドライブシャフト46を介して横搬送機構36の入力軸44を連動連結している。
【0038】
ミッションケース11より左側方へ突出させた入力軸95と、エンジン10より左側方へ突出させた出力軸96との間には、プーリ97,98を介して伝動ベルト99を巻回している。
【0039】
このようにして、エンジン10からミッションケース11に動力を伝達し、同ミッションケース11から駆動ケース45に動力を伝達し、同駆動ケース45から苗取出機構71と植付機構72と横搬送機構36とにそれぞれ動力を伝達するようにしている。
【0040】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の本発明では、苗トレイを縦搬送する縦搬送機構と、同縦搬送機構を横搬送する横搬送機構と、上記苗トレイの苗ポット中からポット苗を取り出す苗取出機構と、同苗取出機構により取り出したポット苗を受けて畝に植え付ける植付機構とを装備する移植機において、横搬送機構を駆動する横搬送駆動機構と、苗取出機構を駆動する苗取出駆動機構と、植付機構を駆動する植付駆動機構を一つの駆動ケース内に収容すると共に、同駆動ケースを植付機構よりも前方位置に配設している。
【0041】
このようにして、一つの駆動ケース内に、横搬送駆動機構と苗取出駆動機構と植付駆動機構を集約して収容しているため、組立性と整備性を向上させることができて、製品を高品質に確保することができる。
【0042】
しかも、重量物となる駆動ケースを、植付機構よりも前方位置に配置しているため、機体の重心位置を機体の中心位置近傍となすことができて、機体の重量バランスを向上させることができる。
【0043】
(2)請求項2記載の本発明では、左右一対の後車輪を設け、両左・右側後車輪間に駆動ケースを配置している。
【0044】
このようにして、重量物である駆動ケースを、左・右側後車輪間に配置しているため、機体の前後、さらには、左右の重量バランスを向上させることができて、走行安定性さらには移植作業能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移植機の側面図。
【図2】同移植機の後半部の平面図。
【図3】横送り軸の断面平面図。
【図4】同横送り軸の断面側面図。
【図5】被作用片の平面図。
【図6】駆動ケースの側面図。
【図7】動力伝達図。
【符号の説明】
A 移植機
1 走行部
2 苗供給部
3 苗移植部
4 機体フレーム
5 前車輪支持アーム
6 前車輪
7 後車輪駆動ケース
8 後車輪
Claims (2)
- 苗トレイを縦搬送する縦搬送機構と、同縦搬送機構を横搬送する横搬送機構と、上記苗トレイの苗ポット中からポット苗を取り出す苗取出機構と、同苗取出機構により取り出したポット苗を受けて畝に植え付ける植付機構とを装備する移植機において、
横搬送機構を駆動する横搬送駆動機構と、苗取出機構を駆動する苗取出駆動機構と、植付機構を駆動する植付駆動機構を一つの駆動ケース内に収容すると共に、同駆動ケースを植付機構よりも前方位置に配設したことを特徴とする移植機。 - 左右一対の後車輪を設け、両左・右側後車輪間に駆動ケースを配置したことを特徴とする請求項1記載の移植機。
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- 2002-11-13 JP JP2002329946A patent/JP3836780B2/ja not_active Expired - Fee Related
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