JP2004158653A - 平角線の巻線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で平角線をコイル状に成形することができる平角線の巻線装置を提供する。
【解決手段】平角線の平面部が互いに対向するように縦巻きに巻き付けられる平角線巻取部と、平角線巻取部の径方向外方に配設されて平角線の側面と接触させる平角線巻付作用部と、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部とを具え、平角線巻取部の外周面の周りを平角線巻付作用部が相対的に周回するようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】平角線の平面部が互いに対向するように縦巻きに巻き付けられる平角線巻取部と、平角線巻取部の径方向外方に配設されて平角線の側面と接触させる平角線巻付作用部と、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部とを具え、平角線巻取部の外周面の周りを平角線巻付作用部が相対的に周回するようにしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平角線を、平面部が互いに対向するように縦巻に巻くための平角線の巻取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平角線を縦巻に巻き取る装置としては、平角線巻取軸を回転駆動させて平角線を平角線巻取軸に巻き取るようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
具体的には、従来の平角線の巻線装置は、図15に示すように、平角線Cを巻き取る平角線巻取軸Aを具え、平角線巻取軸Aには、段部Bを形成するための小径部A1と大径部A2が形成されている。そして、段部Bの壁面に平角線Cの平面部を対向させ、平角線Cの端部を平角線巻取軸Aの大径部A2に固定した状態で平角線巻取軸Aを回転駆動させることにより、平角線Cが平角線巻取軸Aに巻き取られるようになっている。
【0004】
さらに、従来では、平角線巻取軸Aの小径部A1に筒状ブッシュDを嵌合し、このブッシュDを回転させないで軸方向に移動可能にしておいて、平角線巻取軸AとブッシュDとの間に平角線Cを供給するようにしている。
【0005】
そして、ブッシュDの軸方向一端面(当接面)D1を平角線Cの平面部に当接させるように、ブッシュDをスプリングなどで付勢して、ブッシュDの軸方向一端面D1で平角線Cの平面部を押さえることにより平角線Cの巻取時の倒れを防止するようにしている。
【0006】
ここで、平角線Cの倒れとは、平角線巻取軸Aに平角線Cを巻き取っている際に、平角線Cの平面部が平角線巻取軸Aの軸方向に対して非直交の状態に傾くことをいう。
【0007】
また、ブッシュDにおける平角線Cとの当接面D1に、周方向に傾斜する傾斜面と段差部を形成し、この段差部で形成される平角線入口部D2から平角線Cを供給するようにしている。そして、この平角線入口部D2の段差により、平角線Cを平角線巻取軸AとブッシュDの間に供給したときに、平角線入口部D2から供給されて巻き取られている平角線Cが、すでに巻かれている平角線C上に乗り上げないようにしている。
【0008】
さらに、平角線入口部D2の近くには、平角線Cを挟持する1対の送りローラーEを設けている。これら送りローラーEは、平角線入口部D2の傾斜面に平角線Cを沿わすように平角線Cにテンションを与える位置に配置されている。これら送りローラーEによる平角線Cの供給によって、平角線の乗り上げを確実に無くすようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−75303号公報(第1図、第2図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術では、以下の問題があった。
従来では、上記したように、平角線巻取軸AとブッシュDとの間に供給された平角線Cの乗り上げを防止するため、平角線Cを供給するための1対の送りローラーEを設けている。これら送りローラーEは、送りローラーEを回転させる機構も必要とするだけでなく、平角線Cの厚みに応じてローラー間のクリアランスを調整する機構も必要とする。
【0011】
したがって、従来の巻線装置では、平角線巻取軸Aを回転駆動させる駆動機構、送りローラーEを回転させる機構、ローラー間のクリアランスを調整するための機構が必要となり巻線装置全体の構造が複雑となる問題がある。
また、図15に示す構造において、平角線巻取軸Aを回転しないようにし、ブッシュDと送りローラーEとを平角線巻取軸Aの軸心を中心として回転させることにより平角線巻取軸Aに平角線を巻き付けることが考えられる。
【0012】
しかしながら、図15に示す構成では、送りローラーEの軸を、平角線巻取軸Aの軸と直交するように設ける必要がある。その結果、1対の送りローラーEについて、送りローラーEを平角線巻取軸Aの軸心を中心として周回させる機構と、送りローラーEそのものを回転させる機構、さらに、送りローラーEのクリアランス調整機構とを具える構成としなければならず構成が複雑化する。
【0013】
しかも、平角線Cを平角線巻取軸Aに巻き付けるためには、送りローラーEで平角線Cを保持して巻き付ける必要がある。その結果、平角線Cが送りローラーEから外れないように送りローラーEのニップ圧力も調整しなければならないので、ニップ圧力の制御が必要となり、さらに構造が複雑となる。
【0014】
以上のように、従来の方法では構造が複雑となり、小型の平角線縦巻きコイルを品質よく作ることは困難であった。
【0015】
本発明の目的は、簡単な構成で平角線をコイル状に成形することができる平角線の巻線装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、平角線の平面部が互いに対向するように縦巻きに巻き付けられる平角線巻取部と、平角線巻取部の径方向外方に配設されて平角線の側面と接触させる平角線巻付作用部と、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部とを具え、平角線巻取部の外周面の周りを平角線巻付作用部が相対的に周回するようにしている平角線の巻線装置を提供する。
【0017】
平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りに相対的に周回させるとは、平角線巻取部を固定する場合はその周りに平角線巻付作用部を周回させることを言い、また、平角線巻取部を回転させる場合は、平角線巻付作用部を所定の位置に固定させることにより、この平角線巻付作用部が平角線巻取部の外周を相対的に周回することを言う。
【0018】
ここで、平角線の倒れとは、平角線巻取部に平角線を巻き取っている際に、平角線の平面部が平角線巻取部の軸方向に対して平角線倒れ防止部の意図する所望の角度以上に傾くことをいう。
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、平角線巻付作用部が平角線巻取部の周りを相対的に周回するように平角線巻付作用部または平角線巻取部を駆動させることにより、平角線巻付作用部は平角線の側面を平角線の外周面に向けて押すことになる。その結果、従来のように一対のローラーで平角線を挟持することなく、平角線倒れ防止部で平角線の倒れが防止されながら、平角線巻取部に平角線を簡単に縦巻きすることができる。
さらに、平角線巻取部に対して、平角線巻付作用部と平角線倒れ防止部が共に平角線巻取部の外周面の周りを相対的に周回するようにしても、平角線倒れ防止部で平角線の倒れが防止されながら、容易に平角線を平角線巻取部で巻き取ることができる。
【0020】
また、請求項1に記載の発明では、平角線巻付作用部を所定の位置に支持させ、平角線巻取部を回転させるようにして、平角線を平角線巻取部で巻き取るようにしてもよい。
【0021】
さらに、請求項1に記載の発明は、平角線巻取部を非回転とし、平角線巻付作用部が平角線巻取部の周りを周回するように構成することがより好ましい(請求項2に記載の発明。)。
即ち、請求項2に記載の発明によれば、平角線巻取部を回転させることなく、平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りを周回させて平角線の側面を平角線巻付作用部で押すだけの動作で平角線を平角線巻取部に簡単に巻き付けることができる。
さらに、平角線巻付作用部と平角線倒れ防止部を共に平角線巻取部の周りを周回させて平角線の側面を平角線巻付作用部で押しつつ、平角線倒れ防止部で平角線の倒れを防止しながら、容易に平角線を平角線巻取部で巻き取ることができる。
【0022】
さらに、請求項1または請求項2に記載の発明は、平角線巻付作用部を棒状部材で構成することが好ましい(請求項3に記載の発明)。
平角線巻付作用部を棒状部材とすることにより、平角線巻取部に平角線が巻き取られて積層されていっても棒状部材を軸方向に移動させることなく、棒状部材の外周面の任意の位置で平角線を押すことができる。
【0023】
平角線巻付作用部の棒状部材としては、ローラーが好ましい。平角線巻付作用部をローラーにすることにより、平角線の動きに合わせてローラーを回転させることができるので、平角線の平角線巻取部への巻き付けを円滑に行うことができる。
【0024】
また、平角線巻付作用部を棒状部材とする場合には、平角線巻付作用部の棒の軸心を平角線巻取部の軸心に対して平行とすることが好ましいが、平行とすることなく、巻取りが可能である範囲で平角線巻付作用部の軸心が平角線巻取部の軸心に対して傾斜させてもよい。
【0025】
さらに、請求項3に記載の発明は、平角線倒れ防止部が平角線巻付作用部と同一の軸心上に隣接して存在し、フランジ状(鍔状)を形成することが好ましい。即ち、平角線倒れ防止部が平角線巻付作用部に設けられる鍔状部により形成されていることが好ましい(請求項4に記載の発明)。
【0026】
特に、平角線巻付作用部が棒状部材の場合には、棒状部材に平角線倒れ防止部となる鍔状部を形成することが好ましい。この場合、鍔状部は、棒状部材の外周全周にわたって形成される鍔部としてもよいし、棒状部材の外周面における周方向の一部において鍔部を形成するようにしてもよい。
請求項4に記載の発明では、平角線巻付作用部に鍔状部を設けるだけの簡単な構成で、平角線の倒れを防止できながら巻けつけを行える。
【0027】
また、請求項4に記載の発明は、平角線巻取部が大径軸部と小径軸部とにより形成される段部を具え、小径軸部で平角線を巻き取る構成とし、平角線倒れ防止部を、平角線巻取部の段部で形成される平角線の受け面と、平角線巻付作用部に設けられ、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部に対向する押圧面を有する鍔状部とから構成することができる。
【0028】
さらに、請求項1から請求項3に記載の発明は、平角線巻取部が大径軸部と小径軸部とにより形成される段部を具え、小径軸部で平角線を巻き取る一方、小径軸部に摺動可能に挿通される小径軸部挿通孔を有し、平角線巻取部の軸心と同心で回転駆動される回転ブロックに平角線巻付作用部が支持され、平角線倒れ防止部は、平角線巻取部の段部で形成される平角線の受け面と、回転ブロックに形成され、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部に対向する押圧面とから構成とすることができる。
【0029】
このように構成することにより、平角線が巻き取られる平角線巻取部を回転させずに、棒状の平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りを周回させるだけの簡単な構成で、平角線の縦巻形成を行うことができる。さらに、平角線巻付作用部を支持する回転ブロックを利用し、この回転ブロックの底面に形成される押圧部で平角線巻取部に巻き取られている平角線の平面部を平角線巻取部の段部に形成する受け面に向けて押さえつけて、平角線の巻取時の倒れを確実に防止することができる。
【0030】
なお、前記したように平角線巻取部が大径軸部と小径軸部とにより形成される段部を具える構成とした場合は、平角線巻取部に巻き取られてコイル状に形成された平角線を、一旦、平角線巻取部から取り外して、ボビンに巻きなおす必要がある。そのため、コイル状の平角線を回転させながらボビンに装着する必要があり、作業工程が多くなる。さらに、プリント基板上に固定されているボビンに平角線を巻き付ける場合、コイル状の平角線をボビンに巻き付ける作業は非常に困難となる。
【0031】
そこで、請求項1から請求項4に記載の発明は、平角線巻取部を、軸方向両端部にフランジ部を有するボビンで構成し、平角線倒れ防止部を、平角線巻取部のフランジ部で形成される平角線の受け面と、平角線巻付け作用部に設けられ、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面に対向する押圧面を有する鍔部とから構成することができる。
【0032】
このように構成することにより、平角線巻付作用部をボビンの周りに周回させる簡単な構成で、ボビンに平角線を縦巻きに巻き取ることができる。さらに、平角線巻付け作用部に鍔部を形成するだけの簡単な構成で、平角線の巻取時における倒れを防止できる。
また、コイル状にされていない平角線を直接ボビンに巻き取ることができるので、平角線を一旦コイル状に形成した後、このコイル状の平角線をボビンに巻き付ける作業をする必要が無くなり、作業工程を少なくできる。
【0033】
しかも、ボビンを固定したまま平角線をボビンに巻き付ける構成としているので、ボビンがプリント基板に固定されていても、ボビンに平角線を巻きつけることが可能となる。
また、請求項1から請求項4に記載の発明は、平角線巻取部(ボビンを含む)に形成する平角線の受け面に、周方向に傾斜する面と段差部を形成するとともに、段差部形成位置に、軸方向に伸びる平角線挿入溝を形成することが好ましい。
【0034】
このように傾斜面と段差部とを形成することにより、平角線挿入溝に平角線の一端部を挿入し、平角線を折り曲げて受け面に沿わしておいて平角線の巻取りを行う。このとき、平角線挿入溝が巻線の巻き始め側を支持する巻線支持部となる。
さらに、傾斜面と段差部とにより、巻き始めから次の巻きに移る際に、段差部に供給される平角線が、巻き始めの平角線の曲部分に当たることなく巻取りを行うことができるので、平角線の損傷を抑制することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、本発明の巻線装置の第1実施形態について図1から図3に基づいて説明する。
【0036】
(第1実施形態)
第1実施形態の巻線装置は、平角線1が巻き付けられる平角線巻取部2、平角線巻取部2の軸心周りを周回し、平角線巻取部2の軸心と平行な軸心を有する棒状の平角線巻付作用部4と、平角線巻取部2に巻かれている平角線1の平面部11を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部5とを具えている。
【0037】
平角線巻取部2は、軸方向両端部にフランジ部22aを有する円形筒状のボビン22で構成されており、平角線1をボビン22に直接巻き取ることができるようにしている。なお、図示していないが、ボビン22は、チャックなどの固定部材で所定の位置に固定するようになっている。
【0038】
第1実施形態の巻線装置では、平角線巻付作用部4は、図2に示すように、ローラーピン42と、ローラーピン42を軸方向に摺動可能に支持する筒部43と、筒部43内に装填されるコイルバネ44とを具えている。
【0039】
ローラーピン42は、その一端部が筒部43から突出されており、他端に筒部43からの抜けを阻止する大径部が形成され、ローラーピン42の大径部側にコイルバネ44が配設され、このコイルバネ44によりローラーピン42が軸方向に付勢されている。
【0040】
そして、筒部43は、図1に示すように、その軸方向一端側が回転駆動機構7bを構成する円板の回転体72aに固定されている。回転駆動機構7bは、回転体72aと、回転体72aの一方の面において回転中心に固定される駆動軸72bと、駆動軸72bを回転駆動するモータ72cとを具えている。
【0041】
筒部43は、回転体72aにおける駆動軸72bが固定される側と反対側の面で、回転体72aの回転中心より径方向外方に離れた位置に固定されている。そして、回転体72aの回転動作により、ローラーピン42が筒部43とともに回転体72aの回転中心の回りを周回するようになっている。
【0042】
さらに、図3(a)に示すように、ボビン22の一方のフランジ部22aにより平角線の受け面51を形成するとともに、図1および図2に示すように、ローラーピン42における筒部43から突出した先端部に鍔部64を形成している。この鍔部64は、ローラーピン42の全周にわたって形成されており、鍔部64におけるボビン22に巻かれている平角線1の平面部11に対向する面を、平面部11を押圧する押圧面52としている。
そして、ボビン22の受け面51と、ローラーピン42の鍔部64の押圧面52とにより平角線倒れ防止部5を構成する。
【0043】
また、第1実施形態では、図3(a)に示すように、ボビン22の受け面51を形成する側のフランジ部22aに、平角線1を挿入する平角線挿入溝31bを形成している。さらに、フランジ部22aの両面に周方向に傾斜する傾斜面32b,32cと、段差部33b,33cとを形成している。なお、これら段差部33b,33cは、段形成部分が軸方向において重ならないように形成されている。
なお、本実施形態では、平角線挿入溝31bが、平角線1の巻き始め側を支持する巻線支持部となる。即ち、平角線挿入溝31bに平角線1の一端部を挿入し、平角線1を折り曲げて傾斜面32b,32cに沿わしておいて平角線1をボビン22に巻取る。
【0044】
第1実施形態の巻線装置による平角線1の巻線方法について図3に基づいて説明する。
第1実施形態では、まず、図3(b)に示すように、ボビン22の平角線挿入溝31bに、所定の長さにカットされた平角線1の一端側を挿入する。次に、平角線1がS字状になるように軸方向外方側の段差部33cと軸方向内方側の段差部33bとにおいて折り曲げておく。
【0045】
そして、ボビン22をチャックなどの固定部材で固定し、ボビン22の位置決めを行う。この固定、位置決めと同時に、図3(c)に示すように、ローラーピン42が平角線1の側面に接触するように配置され、ローラーピン42に設ける鍔部64の押圧面52が平角線1の平面部11に圧接する。
【0046】
このとき、ローラーピン42は、筒部43内のコイルバネ44により平角線1側に向けて付勢されているので、鍔部64が平角線1に接触することによりローラーピン42はコイルバネ44の付勢力に抗して軸方向内方(矢印で示す)に向けて移動する。そして、鍔部64の押圧面52で平角線1の平面部11がボビン22の受け面51に向けて押された状態となり、平角線1の倒れが防止される。
【0047】
さらに、回転駆動機構7bのモータ72cを駆動することにより回転体72aが回転し、ローラーピン42がボビン22の周りを周回する。このローラーピン42の周回運動により、ローラーピン42で平角線1の側面が押されながら平角線1がボビン22に巻き取られていく。平角線1のボビン22への巻取時においては、平角線1の平面部11が鍔部64の押圧面52で押圧されて平角線1の倒れが防止される。
【0048】
第1実施形態では、回転駆動機構7bによりローラーピン42をボビン22の周りに周回させる簡単な構成で平角線1の縦巻き状の巻線を形成することができる。
さらに、ローラーピン42に鍔部64を形成するだけの簡単な構成で、平角線1の巻取時における倒れを防止できる。
また、コイル状にされていない平角線1を直接ボビン22に巻きつけることができるので、平角線をコイル状に形成した後にこのコイル状の平角線をボビン22に巻き付ける作業を行う必要が無くなり、作業工程を少なくできる。
【0049】
しかも、ボビン22を固定したまま平角線1をボビン22に巻きつける構成としているので、ボビン22がプリント基板に固定されていても、ボビン22に平角線1を巻きつけることが可能となる。
また、平角線1の巻取りが終わったボビン22について、フランジ部22aに形成する平角線挿入溝31bの端部から出ている平角線1の一端部を捻り、他端部である巻き終わりの端部を一端部と同一方向に折り曲げる。このようにすることにより、平角線1の両端部をリード線の引き出しとしてすぐに使用することができる。
【0050】
前記第1実施形態では、平角線巻取部2のボビン22として円形筒状のものを使用したが、図4に示す第2実施形態のように軸方向両端部にフランジ部23aを有する矩形状ボビン23についても使用することができる。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態の矩形状ボビン23の場合も、図4(a)に示すように、一方のフランジ部23aに平角線挿入溝31dを形成するとともに、傾斜面32dと段差部33dを形成することが好ましい。第3実施形態においても、平角線挿入溝31dが形成されるフランジ部23aに平角線1の平面部11を受ける受け面51を形成している。
【0052】
第2実施形態では、平角線巻付作用部4を第1実施形態の平角線巻付作用部4を構成するローラーピン42、筒部43、コイルバネ44、鍔部64と構成は同じであるので説明を省略する。
【0053】
第2実施形態では、ローラーピン42をボビン23の矩形に合わせてボビン23の周りを周回させる必要があることから、ローラーピン42を周回させるための回転駆動機構7cが第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、図5に示すように、ローラーピン42をX軸方向とY軸方向に二次元的に動かすため、回転駆動機構7cは、X軸方向駆動部73とY軸方向駆動部74とを備えている。
【0054】
X軸方向駆動部73は、筒部43が固定される固定板73aと、この固定板73aが固定されX軸方向に往復動作する第1ボールナット73bと、第1ボールナット73bが嵌められる第1ボール軸73cと、第1ボール軸73cを回転駆動させる第1モータ73dと、第1ボール軸73cと第1モータ73dを支持する第1支持体73eとを具える。
【0055】
Y軸方向駆動部74は、第1支持体73eが固定されY軸方向に往復動作する第2ボールナット74aと、第2ボールナット74aが嵌められる第2ボール軸74bと、第2ボール軸74bを回転駆動させる第2モータ74cと、第2ボール軸74bと第2モータ74cを支持する第2支持体74dとを具える。
【0056】
第2実施形態では、第1モータ73dの駆動により第1ボール軸73cに沿って第1ボールナット73bがX軸方向に移動し、この第1ボールナット73bの移動によりローラーピン42がX軸方向に移動する。そして、第2モータ74cの駆動により第2ボール軸74bに沿って第2ボールナット74aがY軸方向に移動し、この第2ボールナット74aの移動によりローラーピン42がY軸方向に移動する。
【0057】
第2実施形態では、回転駆動機構7cの駆動によりローラーピン42を矩形状のボビンの周りを矩形状に周回させることができるので、平角線1を矩形状のボビン22に巻き取る場合でも簡単で、かつ、確実に巻き取ることができる。
【0058】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図6から図9に基づいて説明する。第3実施形態の巻線装置も、平角線1が巻き付けられる平角線巻取部2、平角線巻取部2の軸心周りを周回し、平角線巻取部2の軸心と平行な軸心を有する棒状の平角線巻付作用部4と、平角線巻取部2に巻かれている平角線1の平面部11を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部5とを具えている。
平角線巻取部2は、図6から図8に示すように、大径軸部21aと小径軸部21bとを具える巻取軸21で構成されており、大径軸部21aと小径軸部21bとの境界で段部21cが形成される。
【0059】
また、大径軸部21aには、軸方向に伸び、平角線1の一端側を嵌め込むための平角線挿入溝31aが形成されている。平角線1は、図9に示すように、一端側が平角線挿入溝31aに嵌め込まれた後、段部21cの壁面に平角線1の平面部11が当接するように折り曲げられて小径軸部21bに縦巻に巻き取られるようになっている。本実施形態では、段部21cの壁面を平角線1の平面部11を受ける受け面51とし、平角線挿入溝31aが、平角線1の巻き始め側を支持する巻線支持部となる。なお、図示していないが、巻取軸21は、回転しないように巻線装置内の支持部材に固定されるようになっている。
【0060】
平角線巻付作用部4は、円柱からなる棒状ローラー41で構成されており、後記する回転ブロック61,62で支持されて、回転ブロック61,62の回転に伴い巻取軸21の軸心の周りを周回するようになっている。
【0061】
さらに、巻取軸21と棒状ローラー41は、円柱状の上下二つの回転ブロック61,62内に装着されるようになっている。
下部回転ブロック61には、大径軸部挿通用孔61aと、ローラー挿入穴61bと、ネジ穴61cとが形成されている。大径軸部挿通用孔61aは、下部回転ブロック61の軸心に貫通形成され、巻取軸21の大径軸部21aが摺動可能に挿通される。ローラー挿入穴61bは、大径軸部挿通用孔61aに接するように下部回転ブロック61の軸心から偏心した位置に形成され、棒状ローラー41の下端部が挿入される。ネジ穴61cには、下部回転ブロック61と上部回転ブロック62とを連結するための頭部付連結用ネジ63の下端部が螺締される。
【0062】
上部回転ブロック62には、小径軸部挿通用孔62aと、ローラー挿通孔62bと、ネジ挿通孔62cと、駆動ピン挿入孔62dとが形成されている。小径軸部挿通用孔62aには、巻取軸21の小径軸部21bが摺動可能に挿通される。ローラー挿通孔62bには、棒状ローラー41の上部が挿通される。ネジ挿通孔62cには、連結用ネジ63の上部が挿通される。駆動ピン挿入孔62dには、後記する回転駆動機構7aの2本の駆動ピン71cが挿入される。
【0063】
第3実施形態では、図8に示すように、巻取軸21の大径軸部21aを、下部回転ブロック61の大径軸部挿通用孔61aに挿通させ、図示していない支持部材に巻取軸21の下端部を固定する。
そして、下部回転ブロック61のローラー挿入穴61bに棒状ローラー41の下端部を差し込んでおいて、巻取軸21の小径軸部21bが小径軸部挿通用孔62aに挿通され、棒状ローラー41の上部がローラー挿通孔62bに挿通されるように上部回転ブロック62を下部回転ブロック61に重ね合わせる。
【0064】
次に、連結用ネジ63を上部回転ブロック62のネジ挿通孔62cから挿通して、連結用ネジ63の下部を下部回転ブロック61のネジ穴61cに螺締する。連結用ネジ63の頭部が抜け止めとなって、上部回転ブロック62と下部回転ブロック61とが連結され、上部回転ブロック62の回転に伴って下部回転ブロック61が同期回転するようになっている。
【0065】
そして、上部回転ブロック62と下部回転ブロック61が連結されることにより、下部回転ブロック61が巻取軸21の大径軸部21aで支持される。上部回転ブロック62が巻取軸21の小径軸部21bで支持されるとともに、棒状ローラー41がローラー挿通孔62bとローラー挿入穴61bとにより支持される。
【0066】
また、第3実施形態では、上下回転ブロック61,62間の隙間に平角線1を導入して、回転ブロック61,62内の巻取軸21に平角線1を巻き付けていくようにしている。そのため、連結用ネジ63による上下回転ブロック61,62の連結時に、連結用ネジ63のネジ穴61cへの締付量を調整することにより、巻き付ける平角線1の厚みに応じて上下回転ブロック61,62間の隙間を調整するようにしている。
【0067】
さらに、第3実施形態では、上下回転ブロック61,62の自重により、上部回転ブロック62の底面(下部回転ブロックとの対向面)の一部で、巻取軸21の段部21cで形成する受け面51に受け止められる平角線1の平面部11を押圧するようになっている。
【0068】
すなわち、巻取軸21の小径軸部21bに平角線1が巻き取られていくとき、平角線1を巻取軸21の段部21cで支持しながら、上部回転ブロック62の底面で平角線1の平面部11を押さえつけて、平角線1の倒れを防止するようになっている。
【0069】
第3実施形態では、上部回転ブロック62における巻取軸21に巻かれている平角線1の平面部11に対向する底面を押圧面52として、当該押圧面52と、巻取軸21の段部21cで形成する平角線の受け面51とにより平角線倒れ防止部5を構成している。
【0070】
さらに、上下回転ブロック61,62は、図6に示すように、回転駆動機構7aを介して巻取軸21の軸心を中心として回転駆動される。
回転駆動機構7aは、図示していないモータに接続される駆動軸71aと、駆動軸71aの一端部に固定される長尺な回転板71bと、回転板71bにおける駆動軸71aが固定される面と反対側の面に固定される2本の駆動ピン71cを具えている。
【0071】
駆動軸71aは、回転板71bの長手方向中央部に固定され、駆動ピン71cは、回転板71bの長手方向両端部に固定されている。
そして、駆動軸71aが回転することにより2本の駆動ピン71cが駆動軸71aを中心として周回運動するようになっている。
これら2本の駆動ピン71cを上部回転ブロック62の駆動ピン挿入孔62dに挿入することにより、駆動軸71aが回転されると、駆動ピン71cの周回運動により上部回転ブロック62も同期回転する。
【0072】
このような回転駆動機構7aを設けることにより、上下回転ブロック61,62の自重を巻取軸21に巻き取られている平角線1の平面部11に作用させることができながら、上下回転ブロック61,62を回転させることができる。
【0073】
次に、第3実施形態による平角線1の巻線方法について図9に基づいて説明する。なお、図9では、上下回転ブロック61,62は省略している。
まず、図9(a)に示すように、巻取軸21を回転ブロック61,62から外し、図9(b)に示すように、所定の長さにカットされた平角線1の一端側を大径軸部21aの平角線挿入溝31aに挿入した後、段部21cにおいて平角線1を折り曲げて、平角線1を段部21cの受け面51に沿わした状態にする。
【0074】
次に、巻取軸21の大径軸部21aに下部回転ブロック61を嵌合するとともに、下部回転ブロック61のローラー挿入穴61bに棒状ローラー41の下端部を挿入して、下部回転ブロック61に上部回転ブロック62を重ね、連結用ネジ63で上下回転ブロック61,62を連結する。
【0075】
このとき、下部回転ブロック61と上部回転ブロック62の間に平角線1が挟まれた状態で、平角線1の他端側が回転ブロック61,62の半径方向外方に出された状態となるとともに、図9(c)に示すように、平角線1の側面に棒状ローラー41のローラー面が接触した状態となる。
【0076】
そして、上部回転ブロック62を回転駆動機構7aにより回転させることにより、図9(d)に示すように、棒状ローラー41が巻取軸21の周りを周回する。この棒状ローラー41の周回動作で、平角線1の側面が棒状ローラー41のローラー面で押されながら平角線1が小径軸部21bの周りに縦巻きに巻き付けられていく。平角線1が小径軸部21bの周りに巻き付けられると図6および図7に示す状態になる。
【0077】
以上のように、第3実施形態によれば、平角線1が巻き取られる巻取軸21を回転させることなく、1本の棒状ローラー41を回転ブロック61,62を介して巻取軸21の周りを周回させるだけの簡単な構成で、平角線1の縦巻形成を行うことができる。
【0078】
しかも、第3実施形態では、棒状ローラー41を支持する上部回転ブロック62を利用して、この上部回転ブロック62の底面に形成される押圧面52で巻取軸21に巻き取られている平角線1の平面部11を巻取軸21の段部21cで形成する受け面51に向けて押さえつけることができる。その結果、平角線1の巻取時の倒れを確実に防止することができる。
【0079】
さらに、上部回転ブロック62で平角線1の倒れ防止を行う場合、上下回転ブロック61,62の自重のみで平角線1を押さえつけるようにしているので、回転ブロック61,62を平角線1に向けて押さえつける付勢手段を設ける必要がなく、装置全体の構成をより簡単にすることができる。
【0080】
さらに、第3実施形態では、図10に示すように、巻取軸21の段部21cで形成する平角線1の受け面51に周方向に傾斜する傾斜面32aを形成して段差部33aを形成することが好ましい。
【0081】
第3実施形態では、平角線挿入溝31aに平角線1の一端部を挿入し、平角線1を折り曲げて受け面51に沿わして平角線1の巻取りを行う。図11に示すように、傾斜面32aと段差部33aとにより、巻き始めから次の巻きに移る際に、段差部33aに供給される平角線1が、巻き始めの平角線1の曲部分に当たることなく巻取りを行うことができる。その結果、平角線1の損傷を抑制することができる。
【0082】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図12に基づいて説明する。第4実施形態は、平角線1が巻き付けられる平角線巻取部2は、第3実施形態と同じ構成であり、大径軸部21aと小径軸部21bとを具える巻取軸21で構成されており、大径軸部21aと小径軸部21bとの境界で段部21cが形成される。
そして、大径軸部21aに平角線挿入溝31aが形成され、巻取軸21の小径軸部21bで平角線1が巻き取られる。
【0083】
第4実施形態の平角線巻付作用部4は、平角線1の側面に接触させる棒状ローラー45により構成されている。
棒状ローラー45は、図示していないが、サーボモータを使用してその軸心を中心として強制的に回転させられるようにするとともに、前記した第3実施形態のような回転機構を用いて巻取軸21の周りを周回させるようにしている。
【0084】
さらに、棒状ローラー45の先端部には、外周の一部において突設される鍔部65が形成されている。第4実施形態では、この鍔部65における平角線巻取部2に巻かれている平角線1の平面部11と対向する面を押圧面52とし、この押圧面と平角線巻取部2の段部21cに形成する受け面51とにより平角線倒れ防止部5を構成している。
【0085】
第4実施形態において、棒状ローラー45を周回させる回転機構は、棒状ローラー45を回転させながらこの棒状ローラー45を軸方向に移動できるようにもしている。棒状ローラー45の軸方向の移動は、平角線1の厚みに応じて平角線1と鍔部64との間に所定の間隔を確保するように、鍔部64と巻取軸21の段部21cとの距離を徐々に離していくようにしている。
【0086】
以上のように棒状ローラー45を平角線巻取部2への平角線1の巻取量に応じて軸方向に移動させることにより、常に一定の押圧力をもって鍔部64の押圧面52で平角線1を押さえつけて平角線1の倒れを防止することができる。
第4実施形態においても、簡単な構成で巻取軸21に平角線1を縦巻に巻き取ることができる。
【0087】
また、第4実施形態では、棒状ローラー45に形成する鍔部65は、棒状ローラー45の周方向の一部において形成するようにしている。第4実施形態によれば、鍔部65で平角線1を押えながら平角線1を平角線巻取部2に巻きつける。そして、巻付けが終了したときには、棒状ローラー45を上方に移動させることなく、鍔部65が平角線1に対向しない位置まで棒状ローラー45を回転させるだけで、平角線巻取部2の小径軸部21bから簡単に抜き取ることができる。
【0088】
(第5実施形態)
以上説明してきた各実施形態では、平角線1の開放側端部は、平角線巻取部2の軸と直交するように伸ばされた状態で、平角線巻取部2に巻かれていくようにした。しかしながら、図13に示す第5実施形態のように、鍔部64を有する平角線巻付作用部4である棒状ローラー45の手前(第3実施形態では、回転ブロック61,62の外方)に平角線1を軸方に湾曲させるローラー8を設けて、平角線1の供給方向を変えるようにしてもよい。
【0089】
このようにローラー8を設けることにより、平角線巻取部2の径方向外方回りに他の機器があっても、平角線1をそれらの機器の邪魔にならないように平角線巻取部2に供給することができる。
【0090】
(第6実施形態)
第6実施形態は、平角線巻取部2を、第3実施形態、第4実施形態のように、大径軸部21aと小径軸部21bとを具える棒状部材で構成され、大径軸部21aと小径軸部21bとの境界で段部21cが形成される構成とする。さらに、図14に示すように、この段部21cの受け面51を全周にわたって形成され、径方向外方に向けて下向きに傾斜させる傾斜面とする。そして、受け面51と対向する鍔部64の押圧面52も受け面51の傾斜に沿う傾斜面とする。
【0091】
このように段部21cの受け面51と鍔部64の押圧面52を傾斜面とすることにより、平角線1をハの字に傾斜させた状態で積層させながら巻き取ることができる。その結果、平角線1を傾斜させずに巻き取った場合と比較して、平角線1の内周長さと外周長さの差が小さくなるので、平角線1の外周側の割れを防止でき、かつ、内周部に皺ができなくなる。
【0092】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、平角線巻付作用部が平角線巻取部の周りを相対的に周回するように平角線巻付作用部または平角線巻取部を駆動させ、さらに、平角線倒れ防止部で平角線の倒れが防止されながら、平角線巻取部に平角線を簡単に縦巻きすることができる。
【0093】
特に、平角線が巻き取られる平角線巻取部を回転させることなく、平角線倒れ防止部で平角線の倒れを防止できる。しかも、従来のように一対のローラーで平角線を挟持するという複雑な構成とすることなく、棒状の平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りを周回させるという簡単な構成で平角線の縦巻形成を行うことができる。
また、平角線巻付作用部と平角線倒れ防止部が一体となって鍔状部を持った棒状部材が平角線巻取部の周りを周回するという簡易な構成で平角線の縦巻形成を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻線装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同第1実施形態における平角線巻付作用部の部分断面図である。
【図3】同第1実施形態の作用説明図である。
【図4】本発明の巻線装置の第2実施形態の作用説明図である。
【図5】同第2実施形態の平角線巻付作用部を周回させる回転駆動機構を示す斜視図である。
【図6】本発明の巻線装置の第3実施形態を示す斜視図である。
【図7】同第3実施形態の断面図である。
【図8】同第3実施形態の分解斜視図である。
【図9】同第3実施形態の作用説明図である。
【図10】同第3実施形態における平角線巻取部の他の実施形態を示す斜視図である。
【図11】図10の平角線巻取部において平角線を巻きつけた状態を示す正面図である。
【図12】本発明の巻線装置の第4実施形態を示す斜視図である。
【図13】本発明の巻線装置の第5実施形態を示す斜視図である。
【図14】本発明の巻線装置の第6実施形態を示す断面図である。
【図15】従来の巻線装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 平角線
11 平面部
2 平角線巻取部
21 巻取軸
21a 大径軸部
21b 小径軸部
21c 段部
22,23 ボビン
31a,31b,31d 平角線挿入溝
32a,32b,32c,32d 傾斜面
33a,33b,33c,33d 段差部
4 平角線巻付作用部
5 平角線倒れ防止部
51 受け面
52 押圧面
61 下部回転ブロック
62 上部回転ブロック
64,65 鍔部
【発明の属する技術分野】
本発明は、平角線を、平面部が互いに対向するように縦巻に巻くための平角線の巻取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平角線を縦巻に巻き取る装置としては、平角線巻取軸を回転駆動させて平角線を平角線巻取軸に巻き取るようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
具体的には、従来の平角線の巻線装置は、図15に示すように、平角線Cを巻き取る平角線巻取軸Aを具え、平角線巻取軸Aには、段部Bを形成するための小径部A1と大径部A2が形成されている。そして、段部Bの壁面に平角線Cの平面部を対向させ、平角線Cの端部を平角線巻取軸Aの大径部A2に固定した状態で平角線巻取軸Aを回転駆動させることにより、平角線Cが平角線巻取軸Aに巻き取られるようになっている。
【0004】
さらに、従来では、平角線巻取軸Aの小径部A1に筒状ブッシュDを嵌合し、このブッシュDを回転させないで軸方向に移動可能にしておいて、平角線巻取軸AとブッシュDとの間に平角線Cを供給するようにしている。
【0005】
そして、ブッシュDの軸方向一端面(当接面)D1を平角線Cの平面部に当接させるように、ブッシュDをスプリングなどで付勢して、ブッシュDの軸方向一端面D1で平角線Cの平面部を押さえることにより平角線Cの巻取時の倒れを防止するようにしている。
【0006】
ここで、平角線Cの倒れとは、平角線巻取軸Aに平角線Cを巻き取っている際に、平角線Cの平面部が平角線巻取軸Aの軸方向に対して非直交の状態に傾くことをいう。
【0007】
また、ブッシュDにおける平角線Cとの当接面D1に、周方向に傾斜する傾斜面と段差部を形成し、この段差部で形成される平角線入口部D2から平角線Cを供給するようにしている。そして、この平角線入口部D2の段差により、平角線Cを平角線巻取軸AとブッシュDの間に供給したときに、平角線入口部D2から供給されて巻き取られている平角線Cが、すでに巻かれている平角線C上に乗り上げないようにしている。
【0008】
さらに、平角線入口部D2の近くには、平角線Cを挟持する1対の送りローラーEを設けている。これら送りローラーEは、平角線入口部D2の傾斜面に平角線Cを沿わすように平角線Cにテンションを与える位置に配置されている。これら送りローラーEによる平角線Cの供給によって、平角線の乗り上げを確実に無くすようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−75303号公報(第1図、第2図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術では、以下の問題があった。
従来では、上記したように、平角線巻取軸AとブッシュDとの間に供給された平角線Cの乗り上げを防止するため、平角線Cを供給するための1対の送りローラーEを設けている。これら送りローラーEは、送りローラーEを回転させる機構も必要とするだけでなく、平角線Cの厚みに応じてローラー間のクリアランスを調整する機構も必要とする。
【0011】
したがって、従来の巻線装置では、平角線巻取軸Aを回転駆動させる駆動機構、送りローラーEを回転させる機構、ローラー間のクリアランスを調整するための機構が必要となり巻線装置全体の構造が複雑となる問題がある。
また、図15に示す構造において、平角線巻取軸Aを回転しないようにし、ブッシュDと送りローラーEとを平角線巻取軸Aの軸心を中心として回転させることにより平角線巻取軸Aに平角線を巻き付けることが考えられる。
【0012】
しかしながら、図15に示す構成では、送りローラーEの軸を、平角線巻取軸Aの軸と直交するように設ける必要がある。その結果、1対の送りローラーEについて、送りローラーEを平角線巻取軸Aの軸心を中心として周回させる機構と、送りローラーEそのものを回転させる機構、さらに、送りローラーEのクリアランス調整機構とを具える構成としなければならず構成が複雑化する。
【0013】
しかも、平角線Cを平角線巻取軸Aに巻き付けるためには、送りローラーEで平角線Cを保持して巻き付ける必要がある。その結果、平角線Cが送りローラーEから外れないように送りローラーEのニップ圧力も調整しなければならないので、ニップ圧力の制御が必要となり、さらに構造が複雑となる。
【0014】
以上のように、従来の方法では構造が複雑となり、小型の平角線縦巻きコイルを品質よく作ることは困難であった。
【0015】
本発明の目的は、簡単な構成で平角線をコイル状に成形することができる平角線の巻線装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、平角線の平面部が互いに対向するように縦巻きに巻き付けられる平角線巻取部と、平角線巻取部の径方向外方に配設されて平角線の側面と接触させる平角線巻付作用部と、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部とを具え、平角線巻取部の外周面の周りを平角線巻付作用部が相対的に周回するようにしている平角線の巻線装置を提供する。
【0017】
平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りに相対的に周回させるとは、平角線巻取部を固定する場合はその周りに平角線巻付作用部を周回させることを言い、また、平角線巻取部を回転させる場合は、平角線巻付作用部を所定の位置に固定させることにより、この平角線巻付作用部が平角線巻取部の外周を相対的に周回することを言う。
【0018】
ここで、平角線の倒れとは、平角線巻取部に平角線を巻き取っている際に、平角線の平面部が平角線巻取部の軸方向に対して平角線倒れ防止部の意図する所望の角度以上に傾くことをいう。
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、平角線巻付作用部が平角線巻取部の周りを相対的に周回するように平角線巻付作用部または平角線巻取部を駆動させることにより、平角線巻付作用部は平角線の側面を平角線の外周面に向けて押すことになる。その結果、従来のように一対のローラーで平角線を挟持することなく、平角線倒れ防止部で平角線の倒れが防止されながら、平角線巻取部に平角線を簡単に縦巻きすることができる。
さらに、平角線巻取部に対して、平角線巻付作用部と平角線倒れ防止部が共に平角線巻取部の外周面の周りを相対的に周回するようにしても、平角線倒れ防止部で平角線の倒れが防止されながら、容易に平角線を平角線巻取部で巻き取ることができる。
【0020】
また、請求項1に記載の発明では、平角線巻付作用部を所定の位置に支持させ、平角線巻取部を回転させるようにして、平角線を平角線巻取部で巻き取るようにしてもよい。
【0021】
さらに、請求項1に記載の発明は、平角線巻取部を非回転とし、平角線巻付作用部が平角線巻取部の周りを周回するように構成することがより好ましい(請求項2に記載の発明。)。
即ち、請求項2に記載の発明によれば、平角線巻取部を回転させることなく、平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りを周回させて平角線の側面を平角線巻付作用部で押すだけの動作で平角線を平角線巻取部に簡単に巻き付けることができる。
さらに、平角線巻付作用部と平角線倒れ防止部を共に平角線巻取部の周りを周回させて平角線の側面を平角線巻付作用部で押しつつ、平角線倒れ防止部で平角線の倒れを防止しながら、容易に平角線を平角線巻取部で巻き取ることができる。
【0022】
さらに、請求項1または請求項2に記載の発明は、平角線巻付作用部を棒状部材で構成することが好ましい(請求項3に記載の発明)。
平角線巻付作用部を棒状部材とすることにより、平角線巻取部に平角線が巻き取られて積層されていっても棒状部材を軸方向に移動させることなく、棒状部材の外周面の任意の位置で平角線を押すことができる。
【0023】
平角線巻付作用部の棒状部材としては、ローラーが好ましい。平角線巻付作用部をローラーにすることにより、平角線の動きに合わせてローラーを回転させることができるので、平角線の平角線巻取部への巻き付けを円滑に行うことができる。
【0024】
また、平角線巻付作用部を棒状部材とする場合には、平角線巻付作用部の棒の軸心を平角線巻取部の軸心に対して平行とすることが好ましいが、平行とすることなく、巻取りが可能である範囲で平角線巻付作用部の軸心が平角線巻取部の軸心に対して傾斜させてもよい。
【0025】
さらに、請求項3に記載の発明は、平角線倒れ防止部が平角線巻付作用部と同一の軸心上に隣接して存在し、フランジ状(鍔状)を形成することが好ましい。即ち、平角線倒れ防止部が平角線巻付作用部に設けられる鍔状部により形成されていることが好ましい(請求項4に記載の発明)。
【0026】
特に、平角線巻付作用部が棒状部材の場合には、棒状部材に平角線倒れ防止部となる鍔状部を形成することが好ましい。この場合、鍔状部は、棒状部材の外周全周にわたって形成される鍔部としてもよいし、棒状部材の外周面における周方向の一部において鍔部を形成するようにしてもよい。
請求項4に記載の発明では、平角線巻付作用部に鍔状部を設けるだけの簡単な構成で、平角線の倒れを防止できながら巻けつけを行える。
【0027】
また、請求項4に記載の発明は、平角線巻取部が大径軸部と小径軸部とにより形成される段部を具え、小径軸部で平角線を巻き取る構成とし、平角線倒れ防止部を、平角線巻取部の段部で形成される平角線の受け面と、平角線巻付作用部に設けられ、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部に対向する押圧面を有する鍔状部とから構成することができる。
【0028】
さらに、請求項1から請求項3に記載の発明は、平角線巻取部が大径軸部と小径軸部とにより形成される段部を具え、小径軸部で平角線を巻き取る一方、小径軸部に摺動可能に挿通される小径軸部挿通孔を有し、平角線巻取部の軸心と同心で回転駆動される回転ブロックに平角線巻付作用部が支持され、平角線倒れ防止部は、平角線巻取部の段部で形成される平角線の受け面と、回転ブロックに形成され、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部に対向する押圧面とから構成とすることができる。
【0029】
このように構成することにより、平角線が巻き取られる平角線巻取部を回転させずに、棒状の平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りを周回させるだけの簡単な構成で、平角線の縦巻形成を行うことができる。さらに、平角線巻付作用部を支持する回転ブロックを利用し、この回転ブロックの底面に形成される押圧部で平角線巻取部に巻き取られている平角線の平面部を平角線巻取部の段部に形成する受け面に向けて押さえつけて、平角線の巻取時の倒れを確実に防止することができる。
【0030】
なお、前記したように平角線巻取部が大径軸部と小径軸部とにより形成される段部を具える構成とした場合は、平角線巻取部に巻き取られてコイル状に形成された平角線を、一旦、平角線巻取部から取り外して、ボビンに巻きなおす必要がある。そのため、コイル状の平角線を回転させながらボビンに装着する必要があり、作業工程が多くなる。さらに、プリント基板上に固定されているボビンに平角線を巻き付ける場合、コイル状の平角線をボビンに巻き付ける作業は非常に困難となる。
【0031】
そこで、請求項1から請求項4に記載の発明は、平角線巻取部を、軸方向両端部にフランジ部を有するボビンで構成し、平角線倒れ防止部を、平角線巻取部のフランジ部で形成される平角線の受け面と、平角線巻付け作用部に設けられ、平角線巻取部に巻かれている平角線の平面に対向する押圧面を有する鍔部とから構成することができる。
【0032】
このように構成することにより、平角線巻付作用部をボビンの周りに周回させる簡単な構成で、ボビンに平角線を縦巻きに巻き取ることができる。さらに、平角線巻付け作用部に鍔部を形成するだけの簡単な構成で、平角線の巻取時における倒れを防止できる。
また、コイル状にされていない平角線を直接ボビンに巻き取ることができるので、平角線を一旦コイル状に形成した後、このコイル状の平角線をボビンに巻き付ける作業をする必要が無くなり、作業工程を少なくできる。
【0033】
しかも、ボビンを固定したまま平角線をボビンに巻き付ける構成としているので、ボビンがプリント基板に固定されていても、ボビンに平角線を巻きつけることが可能となる。
また、請求項1から請求項4に記載の発明は、平角線巻取部(ボビンを含む)に形成する平角線の受け面に、周方向に傾斜する面と段差部を形成するとともに、段差部形成位置に、軸方向に伸びる平角線挿入溝を形成することが好ましい。
【0034】
このように傾斜面と段差部とを形成することにより、平角線挿入溝に平角線の一端部を挿入し、平角線を折り曲げて受け面に沿わしておいて平角線の巻取りを行う。このとき、平角線挿入溝が巻線の巻き始め側を支持する巻線支持部となる。
さらに、傾斜面と段差部とにより、巻き始めから次の巻きに移る際に、段差部に供給される平角線が、巻き始めの平角線の曲部分に当たることなく巻取りを行うことができるので、平角線の損傷を抑制することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、本発明の巻線装置の第1実施形態について図1から図3に基づいて説明する。
【0036】
(第1実施形態)
第1実施形態の巻線装置は、平角線1が巻き付けられる平角線巻取部2、平角線巻取部2の軸心周りを周回し、平角線巻取部2の軸心と平行な軸心を有する棒状の平角線巻付作用部4と、平角線巻取部2に巻かれている平角線1の平面部11を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部5とを具えている。
【0037】
平角線巻取部2は、軸方向両端部にフランジ部22aを有する円形筒状のボビン22で構成されており、平角線1をボビン22に直接巻き取ることができるようにしている。なお、図示していないが、ボビン22は、チャックなどの固定部材で所定の位置に固定するようになっている。
【0038】
第1実施形態の巻線装置では、平角線巻付作用部4は、図2に示すように、ローラーピン42と、ローラーピン42を軸方向に摺動可能に支持する筒部43と、筒部43内に装填されるコイルバネ44とを具えている。
【0039】
ローラーピン42は、その一端部が筒部43から突出されており、他端に筒部43からの抜けを阻止する大径部が形成され、ローラーピン42の大径部側にコイルバネ44が配設され、このコイルバネ44によりローラーピン42が軸方向に付勢されている。
【0040】
そして、筒部43は、図1に示すように、その軸方向一端側が回転駆動機構7bを構成する円板の回転体72aに固定されている。回転駆動機構7bは、回転体72aと、回転体72aの一方の面において回転中心に固定される駆動軸72bと、駆動軸72bを回転駆動するモータ72cとを具えている。
【0041】
筒部43は、回転体72aにおける駆動軸72bが固定される側と反対側の面で、回転体72aの回転中心より径方向外方に離れた位置に固定されている。そして、回転体72aの回転動作により、ローラーピン42が筒部43とともに回転体72aの回転中心の回りを周回するようになっている。
【0042】
さらに、図3(a)に示すように、ボビン22の一方のフランジ部22aにより平角線の受け面51を形成するとともに、図1および図2に示すように、ローラーピン42における筒部43から突出した先端部に鍔部64を形成している。この鍔部64は、ローラーピン42の全周にわたって形成されており、鍔部64におけるボビン22に巻かれている平角線1の平面部11に対向する面を、平面部11を押圧する押圧面52としている。
そして、ボビン22の受け面51と、ローラーピン42の鍔部64の押圧面52とにより平角線倒れ防止部5を構成する。
【0043】
また、第1実施形態では、図3(a)に示すように、ボビン22の受け面51を形成する側のフランジ部22aに、平角線1を挿入する平角線挿入溝31bを形成している。さらに、フランジ部22aの両面に周方向に傾斜する傾斜面32b,32cと、段差部33b,33cとを形成している。なお、これら段差部33b,33cは、段形成部分が軸方向において重ならないように形成されている。
なお、本実施形態では、平角線挿入溝31bが、平角線1の巻き始め側を支持する巻線支持部となる。即ち、平角線挿入溝31bに平角線1の一端部を挿入し、平角線1を折り曲げて傾斜面32b,32cに沿わしておいて平角線1をボビン22に巻取る。
【0044】
第1実施形態の巻線装置による平角線1の巻線方法について図3に基づいて説明する。
第1実施形態では、まず、図3(b)に示すように、ボビン22の平角線挿入溝31bに、所定の長さにカットされた平角線1の一端側を挿入する。次に、平角線1がS字状になるように軸方向外方側の段差部33cと軸方向内方側の段差部33bとにおいて折り曲げておく。
【0045】
そして、ボビン22をチャックなどの固定部材で固定し、ボビン22の位置決めを行う。この固定、位置決めと同時に、図3(c)に示すように、ローラーピン42が平角線1の側面に接触するように配置され、ローラーピン42に設ける鍔部64の押圧面52が平角線1の平面部11に圧接する。
【0046】
このとき、ローラーピン42は、筒部43内のコイルバネ44により平角線1側に向けて付勢されているので、鍔部64が平角線1に接触することによりローラーピン42はコイルバネ44の付勢力に抗して軸方向内方(矢印で示す)に向けて移動する。そして、鍔部64の押圧面52で平角線1の平面部11がボビン22の受け面51に向けて押された状態となり、平角線1の倒れが防止される。
【0047】
さらに、回転駆動機構7bのモータ72cを駆動することにより回転体72aが回転し、ローラーピン42がボビン22の周りを周回する。このローラーピン42の周回運動により、ローラーピン42で平角線1の側面が押されながら平角線1がボビン22に巻き取られていく。平角線1のボビン22への巻取時においては、平角線1の平面部11が鍔部64の押圧面52で押圧されて平角線1の倒れが防止される。
【0048】
第1実施形態では、回転駆動機構7bによりローラーピン42をボビン22の周りに周回させる簡単な構成で平角線1の縦巻き状の巻線を形成することができる。
さらに、ローラーピン42に鍔部64を形成するだけの簡単な構成で、平角線1の巻取時における倒れを防止できる。
また、コイル状にされていない平角線1を直接ボビン22に巻きつけることができるので、平角線をコイル状に形成した後にこのコイル状の平角線をボビン22に巻き付ける作業を行う必要が無くなり、作業工程を少なくできる。
【0049】
しかも、ボビン22を固定したまま平角線1をボビン22に巻きつける構成としているので、ボビン22がプリント基板に固定されていても、ボビン22に平角線1を巻きつけることが可能となる。
また、平角線1の巻取りが終わったボビン22について、フランジ部22aに形成する平角線挿入溝31bの端部から出ている平角線1の一端部を捻り、他端部である巻き終わりの端部を一端部と同一方向に折り曲げる。このようにすることにより、平角線1の両端部をリード線の引き出しとしてすぐに使用することができる。
【0050】
前記第1実施形態では、平角線巻取部2のボビン22として円形筒状のものを使用したが、図4に示す第2実施形態のように軸方向両端部にフランジ部23aを有する矩形状ボビン23についても使用することができる。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態の矩形状ボビン23の場合も、図4(a)に示すように、一方のフランジ部23aに平角線挿入溝31dを形成するとともに、傾斜面32dと段差部33dを形成することが好ましい。第3実施形態においても、平角線挿入溝31dが形成されるフランジ部23aに平角線1の平面部11を受ける受け面51を形成している。
【0052】
第2実施形態では、平角線巻付作用部4を第1実施形態の平角線巻付作用部4を構成するローラーピン42、筒部43、コイルバネ44、鍔部64と構成は同じであるので説明を省略する。
【0053】
第2実施形態では、ローラーピン42をボビン23の矩形に合わせてボビン23の周りを周回させる必要があることから、ローラーピン42を周回させるための回転駆動機構7cが第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、図5に示すように、ローラーピン42をX軸方向とY軸方向に二次元的に動かすため、回転駆動機構7cは、X軸方向駆動部73とY軸方向駆動部74とを備えている。
【0054】
X軸方向駆動部73は、筒部43が固定される固定板73aと、この固定板73aが固定されX軸方向に往復動作する第1ボールナット73bと、第1ボールナット73bが嵌められる第1ボール軸73cと、第1ボール軸73cを回転駆動させる第1モータ73dと、第1ボール軸73cと第1モータ73dを支持する第1支持体73eとを具える。
【0055】
Y軸方向駆動部74は、第1支持体73eが固定されY軸方向に往復動作する第2ボールナット74aと、第2ボールナット74aが嵌められる第2ボール軸74bと、第2ボール軸74bを回転駆動させる第2モータ74cと、第2ボール軸74bと第2モータ74cを支持する第2支持体74dとを具える。
【0056】
第2実施形態では、第1モータ73dの駆動により第1ボール軸73cに沿って第1ボールナット73bがX軸方向に移動し、この第1ボールナット73bの移動によりローラーピン42がX軸方向に移動する。そして、第2モータ74cの駆動により第2ボール軸74bに沿って第2ボールナット74aがY軸方向に移動し、この第2ボールナット74aの移動によりローラーピン42がY軸方向に移動する。
【0057】
第2実施形態では、回転駆動機構7cの駆動によりローラーピン42を矩形状のボビンの周りを矩形状に周回させることができるので、平角線1を矩形状のボビン22に巻き取る場合でも簡単で、かつ、確実に巻き取ることができる。
【0058】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図6から図9に基づいて説明する。第3実施形態の巻線装置も、平角線1が巻き付けられる平角線巻取部2、平角線巻取部2の軸心周りを周回し、平角線巻取部2の軸心と平行な軸心を有する棒状の平角線巻付作用部4と、平角線巻取部2に巻かれている平角線1の平面部11を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部5とを具えている。
平角線巻取部2は、図6から図8に示すように、大径軸部21aと小径軸部21bとを具える巻取軸21で構成されており、大径軸部21aと小径軸部21bとの境界で段部21cが形成される。
【0059】
また、大径軸部21aには、軸方向に伸び、平角線1の一端側を嵌め込むための平角線挿入溝31aが形成されている。平角線1は、図9に示すように、一端側が平角線挿入溝31aに嵌め込まれた後、段部21cの壁面に平角線1の平面部11が当接するように折り曲げられて小径軸部21bに縦巻に巻き取られるようになっている。本実施形態では、段部21cの壁面を平角線1の平面部11を受ける受け面51とし、平角線挿入溝31aが、平角線1の巻き始め側を支持する巻線支持部となる。なお、図示していないが、巻取軸21は、回転しないように巻線装置内の支持部材に固定されるようになっている。
【0060】
平角線巻付作用部4は、円柱からなる棒状ローラー41で構成されており、後記する回転ブロック61,62で支持されて、回転ブロック61,62の回転に伴い巻取軸21の軸心の周りを周回するようになっている。
【0061】
さらに、巻取軸21と棒状ローラー41は、円柱状の上下二つの回転ブロック61,62内に装着されるようになっている。
下部回転ブロック61には、大径軸部挿通用孔61aと、ローラー挿入穴61bと、ネジ穴61cとが形成されている。大径軸部挿通用孔61aは、下部回転ブロック61の軸心に貫通形成され、巻取軸21の大径軸部21aが摺動可能に挿通される。ローラー挿入穴61bは、大径軸部挿通用孔61aに接するように下部回転ブロック61の軸心から偏心した位置に形成され、棒状ローラー41の下端部が挿入される。ネジ穴61cには、下部回転ブロック61と上部回転ブロック62とを連結するための頭部付連結用ネジ63の下端部が螺締される。
【0062】
上部回転ブロック62には、小径軸部挿通用孔62aと、ローラー挿通孔62bと、ネジ挿通孔62cと、駆動ピン挿入孔62dとが形成されている。小径軸部挿通用孔62aには、巻取軸21の小径軸部21bが摺動可能に挿通される。ローラー挿通孔62bには、棒状ローラー41の上部が挿通される。ネジ挿通孔62cには、連結用ネジ63の上部が挿通される。駆動ピン挿入孔62dには、後記する回転駆動機構7aの2本の駆動ピン71cが挿入される。
【0063】
第3実施形態では、図8に示すように、巻取軸21の大径軸部21aを、下部回転ブロック61の大径軸部挿通用孔61aに挿通させ、図示していない支持部材に巻取軸21の下端部を固定する。
そして、下部回転ブロック61のローラー挿入穴61bに棒状ローラー41の下端部を差し込んでおいて、巻取軸21の小径軸部21bが小径軸部挿通用孔62aに挿通され、棒状ローラー41の上部がローラー挿通孔62bに挿通されるように上部回転ブロック62を下部回転ブロック61に重ね合わせる。
【0064】
次に、連結用ネジ63を上部回転ブロック62のネジ挿通孔62cから挿通して、連結用ネジ63の下部を下部回転ブロック61のネジ穴61cに螺締する。連結用ネジ63の頭部が抜け止めとなって、上部回転ブロック62と下部回転ブロック61とが連結され、上部回転ブロック62の回転に伴って下部回転ブロック61が同期回転するようになっている。
【0065】
そして、上部回転ブロック62と下部回転ブロック61が連結されることにより、下部回転ブロック61が巻取軸21の大径軸部21aで支持される。上部回転ブロック62が巻取軸21の小径軸部21bで支持されるとともに、棒状ローラー41がローラー挿通孔62bとローラー挿入穴61bとにより支持される。
【0066】
また、第3実施形態では、上下回転ブロック61,62間の隙間に平角線1を導入して、回転ブロック61,62内の巻取軸21に平角線1を巻き付けていくようにしている。そのため、連結用ネジ63による上下回転ブロック61,62の連結時に、連結用ネジ63のネジ穴61cへの締付量を調整することにより、巻き付ける平角線1の厚みに応じて上下回転ブロック61,62間の隙間を調整するようにしている。
【0067】
さらに、第3実施形態では、上下回転ブロック61,62の自重により、上部回転ブロック62の底面(下部回転ブロックとの対向面)の一部で、巻取軸21の段部21cで形成する受け面51に受け止められる平角線1の平面部11を押圧するようになっている。
【0068】
すなわち、巻取軸21の小径軸部21bに平角線1が巻き取られていくとき、平角線1を巻取軸21の段部21cで支持しながら、上部回転ブロック62の底面で平角線1の平面部11を押さえつけて、平角線1の倒れを防止するようになっている。
【0069】
第3実施形態では、上部回転ブロック62における巻取軸21に巻かれている平角線1の平面部11に対向する底面を押圧面52として、当該押圧面52と、巻取軸21の段部21cで形成する平角線の受け面51とにより平角線倒れ防止部5を構成している。
【0070】
さらに、上下回転ブロック61,62は、図6に示すように、回転駆動機構7aを介して巻取軸21の軸心を中心として回転駆動される。
回転駆動機構7aは、図示していないモータに接続される駆動軸71aと、駆動軸71aの一端部に固定される長尺な回転板71bと、回転板71bにおける駆動軸71aが固定される面と反対側の面に固定される2本の駆動ピン71cを具えている。
【0071】
駆動軸71aは、回転板71bの長手方向中央部に固定され、駆動ピン71cは、回転板71bの長手方向両端部に固定されている。
そして、駆動軸71aが回転することにより2本の駆動ピン71cが駆動軸71aを中心として周回運動するようになっている。
これら2本の駆動ピン71cを上部回転ブロック62の駆動ピン挿入孔62dに挿入することにより、駆動軸71aが回転されると、駆動ピン71cの周回運動により上部回転ブロック62も同期回転する。
【0072】
このような回転駆動機構7aを設けることにより、上下回転ブロック61,62の自重を巻取軸21に巻き取られている平角線1の平面部11に作用させることができながら、上下回転ブロック61,62を回転させることができる。
【0073】
次に、第3実施形態による平角線1の巻線方法について図9に基づいて説明する。なお、図9では、上下回転ブロック61,62は省略している。
まず、図9(a)に示すように、巻取軸21を回転ブロック61,62から外し、図9(b)に示すように、所定の長さにカットされた平角線1の一端側を大径軸部21aの平角線挿入溝31aに挿入した後、段部21cにおいて平角線1を折り曲げて、平角線1を段部21cの受け面51に沿わした状態にする。
【0074】
次に、巻取軸21の大径軸部21aに下部回転ブロック61を嵌合するとともに、下部回転ブロック61のローラー挿入穴61bに棒状ローラー41の下端部を挿入して、下部回転ブロック61に上部回転ブロック62を重ね、連結用ネジ63で上下回転ブロック61,62を連結する。
【0075】
このとき、下部回転ブロック61と上部回転ブロック62の間に平角線1が挟まれた状態で、平角線1の他端側が回転ブロック61,62の半径方向外方に出された状態となるとともに、図9(c)に示すように、平角線1の側面に棒状ローラー41のローラー面が接触した状態となる。
【0076】
そして、上部回転ブロック62を回転駆動機構7aにより回転させることにより、図9(d)に示すように、棒状ローラー41が巻取軸21の周りを周回する。この棒状ローラー41の周回動作で、平角線1の側面が棒状ローラー41のローラー面で押されながら平角線1が小径軸部21bの周りに縦巻きに巻き付けられていく。平角線1が小径軸部21bの周りに巻き付けられると図6および図7に示す状態になる。
【0077】
以上のように、第3実施形態によれば、平角線1が巻き取られる巻取軸21を回転させることなく、1本の棒状ローラー41を回転ブロック61,62を介して巻取軸21の周りを周回させるだけの簡単な構成で、平角線1の縦巻形成を行うことができる。
【0078】
しかも、第3実施形態では、棒状ローラー41を支持する上部回転ブロック62を利用して、この上部回転ブロック62の底面に形成される押圧面52で巻取軸21に巻き取られている平角線1の平面部11を巻取軸21の段部21cで形成する受け面51に向けて押さえつけることができる。その結果、平角線1の巻取時の倒れを確実に防止することができる。
【0079】
さらに、上部回転ブロック62で平角線1の倒れ防止を行う場合、上下回転ブロック61,62の自重のみで平角線1を押さえつけるようにしているので、回転ブロック61,62を平角線1に向けて押さえつける付勢手段を設ける必要がなく、装置全体の構成をより簡単にすることができる。
【0080】
さらに、第3実施形態では、図10に示すように、巻取軸21の段部21cで形成する平角線1の受け面51に周方向に傾斜する傾斜面32aを形成して段差部33aを形成することが好ましい。
【0081】
第3実施形態では、平角線挿入溝31aに平角線1の一端部を挿入し、平角線1を折り曲げて受け面51に沿わして平角線1の巻取りを行う。図11に示すように、傾斜面32aと段差部33aとにより、巻き始めから次の巻きに移る際に、段差部33aに供給される平角線1が、巻き始めの平角線1の曲部分に当たることなく巻取りを行うことができる。その結果、平角線1の損傷を抑制することができる。
【0082】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図12に基づいて説明する。第4実施形態は、平角線1が巻き付けられる平角線巻取部2は、第3実施形態と同じ構成であり、大径軸部21aと小径軸部21bとを具える巻取軸21で構成されており、大径軸部21aと小径軸部21bとの境界で段部21cが形成される。
そして、大径軸部21aに平角線挿入溝31aが形成され、巻取軸21の小径軸部21bで平角線1が巻き取られる。
【0083】
第4実施形態の平角線巻付作用部4は、平角線1の側面に接触させる棒状ローラー45により構成されている。
棒状ローラー45は、図示していないが、サーボモータを使用してその軸心を中心として強制的に回転させられるようにするとともに、前記した第3実施形態のような回転機構を用いて巻取軸21の周りを周回させるようにしている。
【0084】
さらに、棒状ローラー45の先端部には、外周の一部において突設される鍔部65が形成されている。第4実施形態では、この鍔部65における平角線巻取部2に巻かれている平角線1の平面部11と対向する面を押圧面52とし、この押圧面と平角線巻取部2の段部21cに形成する受け面51とにより平角線倒れ防止部5を構成している。
【0085】
第4実施形態において、棒状ローラー45を周回させる回転機構は、棒状ローラー45を回転させながらこの棒状ローラー45を軸方向に移動できるようにもしている。棒状ローラー45の軸方向の移動は、平角線1の厚みに応じて平角線1と鍔部64との間に所定の間隔を確保するように、鍔部64と巻取軸21の段部21cとの距離を徐々に離していくようにしている。
【0086】
以上のように棒状ローラー45を平角線巻取部2への平角線1の巻取量に応じて軸方向に移動させることにより、常に一定の押圧力をもって鍔部64の押圧面52で平角線1を押さえつけて平角線1の倒れを防止することができる。
第4実施形態においても、簡単な構成で巻取軸21に平角線1を縦巻に巻き取ることができる。
【0087】
また、第4実施形態では、棒状ローラー45に形成する鍔部65は、棒状ローラー45の周方向の一部において形成するようにしている。第4実施形態によれば、鍔部65で平角線1を押えながら平角線1を平角線巻取部2に巻きつける。そして、巻付けが終了したときには、棒状ローラー45を上方に移動させることなく、鍔部65が平角線1に対向しない位置まで棒状ローラー45を回転させるだけで、平角線巻取部2の小径軸部21bから簡単に抜き取ることができる。
【0088】
(第5実施形態)
以上説明してきた各実施形態では、平角線1の開放側端部は、平角線巻取部2の軸と直交するように伸ばされた状態で、平角線巻取部2に巻かれていくようにした。しかしながら、図13に示す第5実施形態のように、鍔部64を有する平角線巻付作用部4である棒状ローラー45の手前(第3実施形態では、回転ブロック61,62の外方)に平角線1を軸方に湾曲させるローラー8を設けて、平角線1の供給方向を変えるようにしてもよい。
【0089】
このようにローラー8を設けることにより、平角線巻取部2の径方向外方回りに他の機器があっても、平角線1をそれらの機器の邪魔にならないように平角線巻取部2に供給することができる。
【0090】
(第6実施形態)
第6実施形態は、平角線巻取部2を、第3実施形態、第4実施形態のように、大径軸部21aと小径軸部21bとを具える棒状部材で構成され、大径軸部21aと小径軸部21bとの境界で段部21cが形成される構成とする。さらに、図14に示すように、この段部21cの受け面51を全周にわたって形成され、径方向外方に向けて下向きに傾斜させる傾斜面とする。そして、受け面51と対向する鍔部64の押圧面52も受け面51の傾斜に沿う傾斜面とする。
【0091】
このように段部21cの受け面51と鍔部64の押圧面52を傾斜面とすることにより、平角線1をハの字に傾斜させた状態で積層させながら巻き取ることができる。その結果、平角線1を傾斜させずに巻き取った場合と比較して、平角線1の内周長さと外周長さの差が小さくなるので、平角線1の外周側の割れを防止でき、かつ、内周部に皺ができなくなる。
【0092】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、平角線巻付作用部が平角線巻取部の周りを相対的に周回するように平角線巻付作用部または平角線巻取部を駆動させ、さらに、平角線倒れ防止部で平角線の倒れが防止されながら、平角線巻取部に平角線を簡単に縦巻きすることができる。
【0093】
特に、平角線が巻き取られる平角線巻取部を回転させることなく、平角線倒れ防止部で平角線の倒れを防止できる。しかも、従来のように一対のローラーで平角線を挟持するという複雑な構成とすることなく、棒状の平角線巻付作用部を平角線巻取部の周りを周回させるという簡単な構成で平角線の縦巻形成を行うことができる。
また、平角線巻付作用部と平角線倒れ防止部が一体となって鍔状部を持った棒状部材が平角線巻取部の周りを周回するという簡易な構成で平角線の縦巻形成を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻線装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同第1実施形態における平角線巻付作用部の部分断面図である。
【図3】同第1実施形態の作用説明図である。
【図4】本発明の巻線装置の第2実施形態の作用説明図である。
【図5】同第2実施形態の平角線巻付作用部を周回させる回転駆動機構を示す斜視図である。
【図6】本発明の巻線装置の第3実施形態を示す斜視図である。
【図7】同第3実施形態の断面図である。
【図8】同第3実施形態の分解斜視図である。
【図9】同第3実施形態の作用説明図である。
【図10】同第3実施形態における平角線巻取部の他の実施形態を示す斜視図である。
【図11】図10の平角線巻取部において平角線を巻きつけた状態を示す正面図である。
【図12】本発明の巻線装置の第4実施形態を示す斜視図である。
【図13】本発明の巻線装置の第5実施形態を示す斜視図である。
【図14】本発明の巻線装置の第6実施形態を示す断面図である。
【図15】従来の巻線装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 平角線
11 平面部
2 平角線巻取部
21 巻取軸
21a 大径軸部
21b 小径軸部
21c 段部
22,23 ボビン
31a,31b,31d 平角線挿入溝
32a,32b,32c,32d 傾斜面
33a,33b,33c,33d 段差部
4 平角線巻付作用部
5 平角線倒れ防止部
51 受け面
52 押圧面
61 下部回転ブロック
62 上部回転ブロック
64,65 鍔部
Claims (4)
- 平角線の平面部が互いに対向するように縦巻きに巻き付けられる平角線巻取部と、
平角線巻取部の径方向外方に配設されて平角線の側面と接触させる平角線巻付作用部と、
平角線巻取部に巻かれている平角線の平面部を押さえつけて倒れを防止する平角線倒れ防止部とを具え、
平角線巻取部の外周面の周りを平角線巻付作用部が相対的に周回するようにしていることを特徴とする平角線の巻線装置。 - 平角線巻取部が非回転であり、平角線巻付作用部が平角線巻取部の周りを周回するようにしている請求項1に記載の平角線の巻線装置。
- 平角線巻付作用部が棒状部材である請求項1または請求項2のいずれかに記載の平角線の巻線装置。
- 平角線倒れ防止部は平角線巻付作用部に設けられる鍔状部を具えている請求項3に記載の平角線の巻線装置。
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