JP2004157517A - ディスプレイ装置のパッケージング材とその製造方法 - Google Patents

ディスプレイ装置のパッケージング材とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着度が高く、含水量が低く、水分浸透率が低く及び、水分、酸素、その他有害物質を吸収する特性を備えているディスプレイ装置に応用したパッケージング材及び製造方法を提供する。
【解決手段】パッケージング材は液体の有機材料と固体の乾燥剤が混合している粘着剤からなり、材料の特性として室温、加熱、紫外線、可視光で固化する。液体の有機材料としてエポキシ樹脂、ポリウレタン、ベークライト、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリシロキサンなどの材料があり、固体の乾燥剤としてアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、金属ハロゲン化物、酸化バリウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化リチウム、臭化カルシウム、炭酸カリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化コバルト、シリカゲル、ゼオライト、分子篩などがある。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディスプレイ装置のパッケージング材に関し、特に有機エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイ装置のパッケージング材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
数ある新世代の平面ディスプレイ装置の中で、エレクトロルミネセンスディスプレイ装置(EL)の発光原理は特定の蛍光もしくはリン光体に電流を加えることにより電気エネルギーを光エネルギーに変えるというものである。さらに発光層に使用する材料の種類によって、有機ELディスプレイ装置と無機ELディスプレイ装置に区別することができ、その中の有機発光ダイオード(OLED)は有機薄膜積層型の形式を採用し、発光面の薄型、軽量などの特徴及び自発光の高発光効率、低駆動電圧などのメリットがある。有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ装置の発光効率、光電特性、商品の量産化は既にかなりの程度まで発展しているが、OLEDの使用寿命及び商品の信頼性を高めるためのパッケージング技術は依然として開発、研究段階である。
【0003】
現在のOLEDディスプレイ装置は低仕事関数の活性金属で金属陰極を製造するので、OLEDディスプレイ装置の使用寿命とディスプレイ装置中の水分、酸素含有量には密接な関係がある。使用時間が増加するにつれ、環境中の水分、酸素はディスプレイ装置に容易に浸入し、さらに金属陰極との間で活発に作用を起こし、金属陰極と有機発光層間の剥離、材料の分裂分解、電極の酸化、ダークスポットなどの欠点が生じ、これらはディスプレイ装置の発光強度、発光均一性などの発光品質を大幅に下げてしまう。ディスプレイ装置で、水分が発生する原因は次のような事項が挙げられる。
【0004】
1.電子部品パッケージングのプロセスにおける瑕疵によって、外部の環境要因、例えば、湿気、酸素などがディスプレイ装置内部の欠陥部分に浸透してしまう。
【0005】
2.パッケージング材と基材間の結合が十分でなく、外部の環境要因を招きパッケージング部分に沿って水分がディスプレイ装置内部に浸入してしまう。
【0006】
3.パッケージング材本体自身が微量の水分を含んでおり、パッケージングのプロセス及び使用中に放出されてしまう。
【0007】
4.外部の水分が拡散運動によって、パッケージング材を通過しディスプレイ装置内部に進入してしまう。
【0008】
水分、酸素の浸入を防止し、ディスプレイ装置の使用寿命をより延長させるために、多種多様な技術が発展してきた。例えばガラス基板上に直接、熱硬化樹脂、めっき酸化物、フッ化物、硫化物などを塗布する、防水性のある保護膜を被せる、密閉式のパッケージを採用するなどの方法だが、やはり電流の漏れ、クロストーク、酸化物の溶解などの欠点が残る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図1は、従来の第1のOLEDディスプレイ装置10のパッケージング構造の断面を示す図である。ガラス基板12の表面上には積層物14が含まれており、それは陽極導電層11、有機発光材料層13及び陰極金属層15から構成されている。OLEDディスプレイ装置10のパッケージング方式はシール層16をガラス基板12の周縁に塗布し、ガラス蓋18はシール層16の粘着性を利用してガラス基板12表面の周縁と接合することができ、よって密閉空間19ができあがる。しかし、シール層16の材料は紫外線(UV)硬化ゴムからなっており、紫外線光の照射方式により固化し、さらにUV硬化ゴムは主にエポキシ樹脂からなっており、それは気体放出現象を生じ、かつ大量の水分分子を含んでいるので完全に酸素や水分から隔離することは不可能である。ゆえにOLEDディスプレイ装置10は商品化にあたっての厳格な環境テストの要求に答えることは出来ない。
【0010】
図2は、第2のOLEDディスプレイ装置20のパッケージング構造の断面を示す図である。第1のディスプレイ装置10のガラス蓋18を改良するために、第2のOLEDディスプレイ装置20はプレス型金属蓋22を提供しており、その内壁にはディスプレイ装置に相対している凹溝が設置されており、かつその凹溝内には吸水槽24が設置されており、その材料は固態化合物から構成されている。例えば酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)、硫酸カルシウム(CaSO)、塩化カルシウム(CaCl)、シリコン、ゼオライト、分子篩(モレクュラーシーブ)などであり、これらは、水分を吸収しそれ自身の固体状態を保つことが出来る。このほか、単一方向の水分吸収フィルム26は吸水層24を覆っており、よって吸水層24が吸収した水分を再び放出することを防ぐ。これらのパッケージング構造は前記の厳格な環境テストを通過することが出来る。
【0011】
しかし、前記のように乾燥剤を直接ディスプレイ装置に入れる技術には、実施において次のような困難がある。
【0012】
1.粉末状態の乾燥剤は通常かならず溶剤をキャリアーとすることで、ディスプレイ装置内にスムーズに充填させることができるようになり、最後に再び加熱して溶剤を取り除く。
【0013】
2.有機発光素子は温度と残留している溶剤に非常に敏感であり、これらの製造プロセスはディスプレイ装置の品質を低下させる恐れがある。
【0014】
3.ゼオライトのような吸湿率が非常に高い乾燥剤は、パッケージング製造プロセスの前段階で常に250℃以上の温度下で除水、活性化の工程を行い、製造プロセス上の不便さを産み出してしまう。
【0015】
4.金属蓋22が平らでなかった場合、パッケージング構造全ての水分、酸素浸入防止効果に影響を及ぼすこととなり,かつ大型のOLEDディスプレイ装置に応用して製造するにあたって金属蓋22の製造が困難である。
【0016】
5.金属蓋22の厚さはガラス基板12よりも厚く、昨今のディスプレイ装置薄型、軽量化の傾向に答えることができない。
【0017】
粉末状態の乾燥剤を有効に電子部品に使用するために、現在既に多くの改良技術が開発されている。例えば、固体状態の乾燥剤を均等に感圧接着剤に分散させ、後に部品内部に塗布するパッケージング材(特許文献1参照)、乾燥剤分子篩を水分浸透性のあるキャリア、例えば多孔性ガラス、多孔性セラミック、ケイ酸素アルキルなどに混入させた吸水材料(特許文献2参照)、アルカリ金属酸化物もしくはアルカリ土類酸化物の乾燥剤を水分拡散係数の高い高分子キャリア中に混入させ、それを素子内部に固体化した注ぎ込みパッケージング材(特許文献3参照)、乾燥剤の粒子を水分浸透率の高い軟質エポキシ樹脂中に分散させた乾燥剤の材料(特許文献4参照)、乾燥剤の粒子を水分浸透率の高い重合されたポリウレタン樹脂(pre−polymerized polyurethane resin)中に分散させ、さらに部品内部に塗布する乾燥剤の材料(特許文献5参照)等である。しかしこれらの改良方法は次のような新たな問題を産み出してしまう。
【0018】
1.乾燥剤及びキャリアをディスプレイ装置中に導入させ、それを固体上に成型させるためには、パッケージングプロセスの前に多くの工程を増やさなくてはならない。
【0019】
2.乾燥剤の吸湿率は乾燥剤の種類、温度、水分拡散率の違いによって変化が生まれ、よってディスプレイ装置に浸入した水分が完全に乾燥剤に吸収されていないうちから、その水分が内部の発光品質を損なってしまう状況がよく見られる。
【0020】
【特許文献1】
米国特許第5304419号
【特許文献2】
米国特許第5591379号
【特許文献3】
米国特許第6226890号
【特許文献4】
米国特許第4013566号
【特許文献5】
米国特許第4036360号
【0021】
本発明の主要な目的はディスプレイ装置に応用するパッケージング材の提供であり、その材料は接着度が高く、含水量が低く、水分浸透率が低く及び、水分、酸素、その他有害物質を吸収する特性を備えている。これらの特性によってディスプレイ装置の水分、酸素、及びその他有害物質の浸入を防止し、ディスプレイ装置の使用寿命を高めることができる。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のパッケージング材は液体の有機材料及び固体の乾燥剤が混合している粘着剤からなっており、その上材料の特性として室温固化型、加熱固化型、紫外線固化型、可視光固化型などがある。その中で、液体の有機材料としてエポキシ樹脂、ポリウレタン、ベークライト、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリシロキサンなどの材料が挙げられ、固体の乾燥剤としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、金属ハロゲン化物、酸化バリウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化リチウム、臭化カルシウム、炭酸カリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化コバルト、シリカゲル、ゼオライト、分子篩などが挙げられる。
【0023】
本発明の優れた点は乾燥剤と接着剤の両者の効能を結合させることができ、乾燥剤をパッケージング前に吸湿もしくは加熱して除水しなければならない手間を省き、粉末型乾燥剤を部品中に設置するときのような繁雑な技術なども必要のない点である。
【0024】
本発明のもう1つの長所は、本発明が開発した技術は、接着剤を少量塗布し、押えて加熱するか、感光させて固化する工程であり、パッケージング方式が非常に簡単である点である。
【0025】
他にも、本発明の技術は水分がディスプレイ装置内に浸透する途中経過に、この乾燥剤を設置することによって、水分がディスプレイ装置内部に浸入する前に水分を取り除くことが可能な点である。
【0026】
また、本発明は光硬化の前反応(pre−reaction)を利用しているので樹脂の粘度を高められ、他の基板と貼り合わせ、最後に加熱もしくは紫外線の照射により完全に固化する。このような加工方法は接着剤の線が押さえつける工程で気圧の上昇し流動、変形してしまうことを避けられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明はパッケージング材を提供しており、これは、有機発光ディスプレイ装置もしくは無機発光ディスプレイ装置のパッケージングプロセスに応用され、OLEDディスプレイ装置、高分子発光ダイオード、液晶ディスプレイ器、プラズマディスプレイパネル、及びその他発光ダイオードなどのパッケージングプロセスを含んでいる。その上、本発明のパッケージング材は単層、二層または多層構造に製造することが可能であり、ディスプレイ装置内部、周囲に塗布する発光素子を包むようにし、障壁構造、気体保護層、防水膜などを用いることでディスプレイ装置の使用寿命をまた1歩高めることができる。
【0028】
本発明のパッケージング材は紫外線もしくは可視光の下で前もって重合させておくことにより粘度が高まり、よってパッケージングプロセスの完全性が確保でき、パッケージング材の変形を防止することができる。
【0029】
本発明のパッケージング材は、高い接着性、低い含水量、低い水分浸透率及び水分、酸素、その他の有害物質を吸収する特性を備えており、この特性によってディスプレイ装置に水分、酸素、その他の有害物質が浸入するのを防止し、よってディスプレイ装置の使用寿命を高められる。本発明のパッケージング材は液体の有機材料及び固体の乾燥材料が混合している粘着剤からなり、室温固化型、加熱固化型、紫外線固化型などの特性がある。その中で、液体の有機材料にはエポキシ樹脂、ポリウレタン、ベークライト、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリシロキサンなどが挙げられ、液体の有機材料の固化後の厚さ100μmの水分、酸素浸透率は10g/m 24hr以下である。固体の乾燥剤にはアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、金属ハロゲン化物、酸化バリウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化リチウム、炭酸カリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化コバルト、シリカゲル、ゼオライト、分子篩などが挙げられ、なお固体の乾燥剤の粒子は約0.1〜200μmであり、接着剤の中に占める総重量は10%〜70%である。
【0030】
本発明の目的、特徴及び長所が一層理解されるよう以下に実施例を例示し図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【0031】
(第1実施例)
図3は、本発明の第1実施例のパッケージング材の製造工程を示したフローチャートである。ステップ100ではまず、100gのビスフェノールA、グリシジルエーテルをベースにしたエポキシ樹脂、1〜100gのアミン硬化剤、0.1〜5gの溶解二酸化ケイ素の抗沈降剤、0.01〜1gのシリカゲル系の消泡剤などの材料、3〜5gの多官能アクリルモノマー0.1〜1gの光開始剤を提供する。例を挙げると、アメリカのダウ・ケミカル社製のエポキシ樹脂(規格番号DER331)100g、日本の味の素・ファインテクノ社製の硬化剤(規格番号PN23)25g、ドイツのDegussa−Huis社製の抗沈降剤(規格番号Aerosil380)1g、ドイツのTego社製の消泡剤(規格番号Airex900)0.5g、アメリカのサートマーカンパニー社製の多官能アクリルモノマー(規格番号SR351)5g、スイスのシーバスペシャリティ・ケミカル社製の光開始剤(規格番号Irgacure1173)1gを採用できる。
【0032】
ステップ102では、前記の材料を攪拌器でむらなく攪拌する。ステップ104では、3つのロールを用いて、前記の材料を研磨、分散させる。ステップ106では、既に攪拌、研磨された前記の材料を1mm−Hgの真空状態の下で8時間脱泡すると、熱硬化型エポキシ樹脂接着剤Aが製造される。その後光硬化の作用を利用し、前反応を行うことができる。ステップ108では、真空の条件下で、粒径5μmの酸化カルシウム30gを前記の熱硬化型エポキシ樹脂接着剤A70gに加え、むらなく混ぜると、乾燥剤を含んだ接着剤Bが製造され、これを本発明第1実施例のパッケージング材とする。
【0033】
ステップ110では、含水量が10ppmより低いN含有チャンバーで、乾燥剤を含んだ接着剤Bは有機発光ディスプレイ装置第1基板のあらかじめ決めておいた接着部分に塗布する。ステップ112では、既に塗布された第1基板は波長254nm、照度100mW/cmの紫外線光源に60秒間さらし、光硬化の前反応の目的を達成させる。ステップ114では、有機発光ディスプレイ装置第2基板の周縁を第1基板と合わせる。ステップ116では80℃以下で1時間加熱し乾燥剤を含む接着剤Bを固化し、有機発光ディスプレイ装置のパッケージング工程を完成させている。
【0034】
(第2実施例)
図4は、本発明第2実施例のパッケージング材製造工程を示すフローチャートである。ステップ200ではまず、100gのビスフェノールF、グリシジルエーテルをベースにしたエポキシ樹脂、0〜50gの酸化ポリプロピレン系の多価アルコール、0.1〜10gのトリフェニル硫化物と6フッ化リンからなる光硬化開始剤、0.01〜1gのシリカゲル系消泡剤、3〜5gの多官能アクリルモノマー、0.1〜1gの光開始剤などの材料を提供する。例を挙げると、アメリカのレゾリューション・パフォーマンス・プロダクト社製のエポキシ樹脂(規格番号EPON862)100g、台湾の利安徳社製の多価アルコール(規格番号1048)5g、日本の旭電化社製の光硬化開始剤(規格番号SP150)4g、ドイツのTego社製の消泡剤(規格番号Airex900)0.5g、アメリカのヘンケル社製の多官能アクリルモノマー(規格番号Photomer3016)5g、ドイツのBASF Aktiengesellschaft社製の光開始剤(規格番号LR8893)1gを採用できる。ステップ202では、前記の材料を攪拌器で均等に攪拌する。ステップ204では、3つのロールで前記の材料を研磨、分散させる。ステップ206では、既に研磨、攪拌された前記の材料を1mm−Hgの真空状態の下で8時間脱泡し、光硬化型エポキシ樹脂接着剤Cを製造する。その特性は長波長の可視光を利用して前反応することができ、短波長の紫外線を利用し完全に硬化することができるというものである。ステップ208では、真空の条件下で、直径5μmの酸化カルシウム30gを前記の光硬化型エポキシ樹脂接着剤C70gに加え、均等に混ぜ、乾燥剤を含む接着剤Dを製造し、これを本発明第2実施例のパッケージング材とする。
【0035】
ステップ210では、含水量が10ppmより低いN含有チャンバー内で、乾燥剤を含んだ接着剤Dを有機発光ディスプレイ装置第1基板のあらかじめ決めておいた接着部分に塗布する。ステップ212では、既に塗布された第1基板を波長436nm、照度100mW/cmの可視光光源に20秒間さらし、光硬化の前反応の目的を達成させる。ステップ214では、有機発光ディスプレイ装置第2基板の周縁を第1基板と合せる。ステップ216では、波長が365nmである紫外線下で3000mJ/cmの範囲で感光させ、80℃で1時間硬化させ、乾燥剤を含む接着剤Dを固化し、有機発光ディスプレイ装置のパッケージング工程を完成させる。
【0036】
図5は、ディスプレイ装置はパッケージング工程を経過した後、60℃、90%RHの環境テスト条件下で500時間経過した後も動作が正常であったことを示す図である。
【0037】
図6は、前記のパッケージング工程が完成した有機発光ディスプレイ装置を60℃、90%RHの環境テスト条件下に置き500時間経過した後、結果として水分がパッケージング材に吸収されていたことを示している。
【0038】
図7は、乾燥剤を含んでいないパッケージング材を60℃、90%RHの環境テスト条件下に置き500時間経過すると、結果的に有機発光ディスプレイ装置は水分に浸蝕されてしまうことを示している。パッケージング材の吸水程度はディスプレイ装置の外観から見分けることができ、かつ吸水程度と乾燥剤の添加量は関係しており、よって乾燥剤の添加量の多少とパッケージの幅の設計により、実際の商品におけるこの製品の寿命の要求に答えることができる。
【0039】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を附加することは可能である.従って、本発明が保護を請求する範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【0040】
【発明の効果】
従来の技術と比較し、本発明のパッケージング材は次のような優れた点を持つ。
1.製造工程の簡易化。本発明の技術は乾燥剤と接着剤両者の機能を1つに結合したものであり、乾燥剤がパッケージング前に吸湿してしまったり除水のために加熱せねばならないといった手間を省くことができ、また粉末型乾燥剤を素子内に設置する繁雑な技術も必要ない。
【0041】
2.加工が容易である。本発明の技術は光硬化を利用して前反応を行うことができ、接着剤の粘着性を高められ、2つの基板を貼り合せる。この加工方法は接着剤の流動、はみ出し、漏れなどを防ぐことができる。
【0042】
3.構造が簡単である。従来の技術は乾燥剤及びキャリアを素子内部に塗布し、固化した後にパッケージングを行うが、本技術が開発したパッケージング方法は接着剤を塗布し貼り合せ、加熱するか照射し固化するステップのみである。
【0043】
4.高い信頼性。従来の技術ではそれぞれ形態の違う乾燥剤の設計によってディスプレイ部品内部に浸入した水分を取り除く。しかし既にディスプレイ素子内部に浸入した水分は乾燥剤に吸収される前に、内部の構造が損傷を受ける恐れがある。本発明の技術は水分がディスプレイ素子内部に浸入する途中経過地点に乾燥剤を設置することにより、ディスプレイ素子内部に浸入する前に水分を除去することに成功し、よってディスプレイ部品の高い使用寿命が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1種OLEDディスプレイ装置のパッケージング機構の断面を示す図である。
【図2】第2種OLEDディスプレイ装置のパッケージング機構の断面を示す図である。
【図3】本発明第1実施例のパッケージング材の製造工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明第2実施例のパッケージング材の製造工程を示すフローチャートである。
【図5】60℃、90%RHの環境テスト条件下で500時間経過した後の結果を示す図である。
【図6】60℃、90%RHの環境テスト条件下で500時間経過した後、結果として水分がすべてパッケージング材に吸収されていたことを示す図である。
【図7】乾燥剤を含んでいないパッケージング材が60℃、90%RHの環境テスト条件下で、500時間経過した後、結果的に有機発光ディスプレイ装置は水分の浸蝕を受けていたことを示す図である。
【符号の説明】
10、20 OLEDディスプレイ装置
12 ガラス基板
14 積層物
11 陽極導電層
13 有機発光材料層
15 陰極金属層
16 シール層
18 ガラス蓋
19 密閉空間
22 金属蓋
24 吸水層
26 水分吸収フィルム

Claims (5)

  1. 乾燥剤を含む接着剤であり、例えばエポキシ樹脂、ポリウレタン、ベークライト、ポリアミド、アクリル樹脂もしくはポリシロキサンなどの材料からなる液体の有機材料、及びアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、金属ハロゲン、酸化バリウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、臭化カルシウム、炭酸カリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化コバルト、シリカゲル、ゼオライトもしくは分子篩からなる固体の乾燥剤を含んだディスプレイ装置のパッケージング材。
  2. エポキシ樹脂接着剤、および前記エポキシ樹脂接着剤に混合されて乾燥剤を含む接着剤を形成する固体粉末乾燥剤を含むディスプレイ装置のパッケージング材。
  3. 固体粉末乾燥剤が含まれ、ディスプレイ器の基板の周縁に塗布される第1エポキシ樹脂接着剤、および固体粉末乾燥剤を添加してもしなくても良く、それはディスプレイの基板の周縁に塗布される第2エポキシ樹脂接着剤を含み、前記第1エポキシ樹脂接着剤及び第2エポキシ接着剤は貼り付けと固化のステップを経てディスプレイ器の基板の周縁上に形成される複合放送層の機構を含んだディスプレイ装置のパッケージング材。
  4. エポキシ樹脂、硬化剤、0.1〜5gの抗沈降剤、消泡剤、多官能アクリルモノマー及び光開始剤などの材料を含む有機材料を用意し、
    前記の有機材料を均等に攪拌するステップと、
    前記の有機材料を研磨、分散させるステップと、
    前記の有機材料を真空状態の下で脱泡して熱硬化型エポキシ樹脂接着剤を製造するステップと、
    酸化カルシウムの粉末を前記の熱硬化型エポキシ樹脂接着剤に混入させ、乾燥剤を含む接着剤を製造するステップからなるディスプレイ装置のパッケージング材の製造方法。
  5. エポキシ樹脂、多価アルコール、光硬化開始剤、消泡剤、多官能アクリルモノマー、光開始剤などの材料を含む有機材料を用意し、
    前記の有機材料を均等に攪拌するステップと、
    前記の有機材料を研磨、分散させるステップと、
    前 記の有機材料を真空状態の下で脱泡して光硬化型エポキシ樹脂接着剤を製造するステップと、
    酸化カルシウムの粉末を前記の光硬化型エポキシ樹脂接着剤に混入させ、乾燥剤を含む接着剤を製造するステップからなるディスプレイ装置のパッケージング料の製造方法。
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