JP2004156209A - 足場部材及び足場装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スライダ溝20は、2つの側壁21と、底部壁22とを有する。2つの側壁21は、底部壁22の両側で立ち上がるとともに、互いに相対向する。凸状ガイド25は、スライダ溝20の内部において、その先端付近に配置されている。スライダ3は、棒状であって、長手方向の一端側に傾斜面31を有し、傾斜面31は、先端に向かって肉厚を減少させる方向に傾斜している。スライダ3は、傾斜面31が、底部壁22に相対向するようにしてスライダ溝20の内部に可動的に配置される。スライダ3は、その全体がスライダ溝20の内部に埋没しうる長さである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、足場部材及び足場装置に関する。本発明の足場部材は、ブラケット、足場布板、手摺、根がらみ、すじかい等の建築工事用足場部材を含む。
【0002】
【従来の技術】
足場部材を足場受け部材に結合する手段として、例えば、特許文献1に記載されているように、足場パイプにソケット部を設ける一方、足場部材に楔状の掛止部を設け、楔状掛止部をソケット部に打ち込んで結合する組立て方法が知られている。
【0003】
上述した組立て方法においては、まず、ソケット部に、楔状掛止部の先端部を挿入する。次に、楔状掛止部の後端部にハンマー等で打撃を加えることにより、楔状掛止部をソケット部に打ち込む。その結果、ソケット部と、楔状掛止部との間に摩擦力が発生し、前記摩擦力により足場部材が足場パイプに固定される。
【0004】
他方、足場装置の解体にあたっては、ソケット部に打ち込まれた楔状掛止部の先端部に、挿入時の方向とは逆の方向から、ハンマー等で打撃を加えることにより、ソケット部から楔状掛止部を離脱させる。
【0005】
楔状掛止部をソケット部に打ち込んで結合する方法は、組立て、及び、解体作業が比較的容易であり、結合強度も強いから、現在、建築工事用足場装置に広く普及している。
【0006】
しかし、足場装置の組立て、及び、解体作業において、楔状掛止部にハンマー等で打撃を加える必要があるので、次のような問題を生じる。
【0007】
まず、確実に掛け止めるため、楔状掛止部をソケット部に強く打ち込んだ場合には、解体作業が困難になる。
【0008】
このような問題を回避するため、軽く打ち込んだ場合には、強風や作業員の移動等により生じる振動や揺れによって、楔状掛止部がソケット部から浮き上がり、機械的な組立強度が低下し、揺れが大きくなる。
【0009】
次に、住宅街、病院または学校等に近い工事現場では、騒音問題に、特に配慮しなければならない。騒音は、ハンマーによる打ち込みを弱くしたり、あるいは、ゴム付ハンマー等を用いることにより、ある程度、低減できる。しかし、この場合には、ソケット部に対する楔状掛止部の結合力が不足し、足場装置の機械的な組立強度が低下し、揺れが大きくなる。
【0010】
また、ハンマー等で加えられる打撃により、楔状掛止部や、ソケット部等に、損傷もしくは変形等の不具合を発生させる。
【0011】
更に、ハンマー等を使用した繰り返しの打撃作業となるので、足場装置の組立てまたは解体作業を行なった作業員が、腱鞘炎を起こすことが多々あり、作業員の健康管理上の問題点も生じる。
【0012】
特許文献2には、掛止部が楔状体を有し、前記楔状体にハンマー等により打撃を加えて足場部材と足場受け部材とを係合する方法が示されている。
【0013】
しかし、足場部材を足場受け部材に確実に掛け止めるため、楔状体には実効的な挿入距離に加え多少の遊び部分が必要になる。その結果、掛止部により足場部材が足場受け部材に掛け止められた状態においても、楔状体の後端部が遊び部分だけ掛止部の上面側から突出し、足場装置に載置される足場布板の載置可能面積を狭めていた。
【0014】
しかも、足場部材が足場受け部材に掛け止められた状態において、楔状体の後端部が掛止部の上面側から突出していることにより、例えば、作業員が楔状体の突出部分に躓いて足場から転落する等の事故発生の危険性が極めて高かった。
【0015】
【特許文献1】
特願2001−173222号公報
【特許文献2】
特開平09−67928号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、組立て及び解体を、工具類を用いずに、容易に行なうことができる足場部材及びこれを用いた足場装置を提供することである。
【0017】
本発明のもう一つの課題は、確実に固定し続けることができる足場部材及びこれを用いた足場装置を提供することである。
【0018】
本発明の更にもう一つの課題は、作業用足場の面積を広く確保し、作業員が安全に通行し、かつ、作業しうる足場部材及びこれを用いた足場装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る足場部材は、掛止部と、スライダとを含む。前記掛止部は、楔状であって、スライダ溝と、凸状ガイドとを含む。前記スライダ溝は、2つの側壁と、底部壁とを有する。前記2つの側壁は、前記底部壁の両側で立ち上がるとともに、互いに相対向する。前記凸状ガイドは、少なくとも1つが、前記スライダ溝の内部において、その先端付近に配置される。前記スライダは、棒状であって、長手方向の一端側に傾斜面を有する。前記傾斜面は、先端に向かって肉厚を減少させる方向に傾斜している。前記スライダは、前記傾斜面が、前記底部壁に相対向するようにして、前記スライダ溝の内部に可動的に配置される。前記スライダは、その全体が前記スライダ溝の内部に埋没しうる長さである。
【0020】
上述したように、本発明に係る足場部材は、掛止部を含んでおり、掛止部は、楔状であるから、周知のソケット部等に挿入することができる。
【0021】
スライダ溝は、2つの側壁と、底部壁とを有する。2つの側壁は、底部壁の両側で立ち上がるとともに、互いに相対向する。スライダは、スライダ溝の内部に可動的に配置される。従って、スライダ溝の内部空間に配置されるスライダを、2つの側壁と底部壁とにより、その脱落を防止しつつ、案内することができる。
【0022】
また、掛止部は凸状ガイドを含み、凸状ガイドは、少なくとも1つが、スライダ溝の内部において、その先端付近に配置される。スライダは、棒状であって、長手方向の一端側に傾斜面を有する。傾斜面は、先端に向かって肉厚が減少する方向に傾斜する。従って、スライダは、スライダ溝の内部において、重力に従って移動する際、スライダに設けられた傾斜面が凸状ガイドに接触し、傾斜面の傾斜角に従って、スライダ溝の底部壁から離れる方向に押し上げられる。
【0023】
上述した足場部材は、足場受け部材と組み合わされて、足場装置を構成する。前記足場受け部材は、ソケット部を含む。前記足場部材は、前記掛止部が、前記足場受け部材の前記ソケット部に挿入される。
【0024】
足場部材を、例えば足場パイプ等の足場受け部材に固定するには、まず、足場部材の掛止部を、足場受け部材のソケット部に挿入した後、スライダを操作する。スライダは、傾斜面が、底部壁に相対向するようにして、スライダ溝の内部に可動的に配置されているから、スライダは、スライダ溝の内部において、重力に従って移動し、スライダ溝の内部に埋没する。その際、スライダに設けられた傾斜面が凸状ガイドに接触し、スライダが、傾斜面の傾斜角に従って、スライダ溝の底部壁から離れる方向に押し上げられる。
【0025】
その結果、スライダの傾斜面と凸状ガイドとの間に第1の接触位置が発生し、足場受け部材のソケット部の内壁面とスライダの上面との間に第2の接触位置が発生し、スライダの傾斜面の開始位置とスライダ溝の底部壁との間に第3の接触位置が発生する。第1〜第3の接触位置のそれぞれには、摩擦力が継続的に発生する。このため、足場部材と、足場受け部材とは、スライダを介して固定され、この固定状態が維持される。
【0026】
この状態で、強風や作業員の移動等により振動や揺れが生じた場合、スライダは自重等により、更にスライダ溝の内部に深く侵入する。従って、第1〜第3の接触位置による結合強度が、更に向上する。このため、振動や揺れにかかわらず、足場部材と、足場受け部材とは、スライダを介して固定され続けることになる。足場受け部材に足場部材を結合させた後、足場装置には足場布板が敷設される。
【0027】
次に、足場装置の解体に当たり、足場部材を足場受け部材のソケット部から取り外すには、作業員は、スライダの先端部を操作することでスライダを引き抜く操作し、第1〜第3の接触位置における接触状態を解除すればよい。スライダは、スライダ溝の内部に可動的に配置されており、スライダの傾斜面は、スライダを引き抜く方向に対しては、抵抗を生じない傾斜方向を有するから、作業員は、弱い力で、スライダを容易に引き抜き、第1〜第3の接触位置における接触状態を、簡単に解除することができる。このため、足場装置を、工具類を用いることなく、容易に解体することができる。
【0028】
上述したように、本発明に係る足場部材によれば、楔状掛止部のヘッド部等にハンマー等で打撃を加える必要はなく、スライダをスライダ溝の内部で操作するだけでよい。従って、楔状掛止部等に損傷、又は、変形等の不具合は発生しない。
【0029】
また、住宅街、病院または学校等に近い工事現場においても、騒音に対する配慮が、ほとんど不要となる。さらに、作業員が、腱鞘炎を起こす健康管理上の問題もない。
【0030】
更に、スライダは、その全体がスライダ溝の内部に埋没しうる長さである。従って、足場部材を足場受け部材に係合し、足場装置として組立てた状態において、スライダの後端部が掛止部の上部面側に突出することを防止できるから、足場布板の載置面積を広く確保することができる。同様に、作業員がスライダ後端部の突出部分に躓いて足場から転落する等の事故発生を防止できる。
【0031】
しかも、足場装置に足場布板が敷設された状態では、スライダの後端部側が、足場布板によって抑えられた状態になるから、スライダが脱落する恐れが全くなくなるとともに、ごみ等の侵入による動作不良を防止でき、メンテナンスが殆ど不要になる。従って、足場受け部材に対する足場部材の機械的結合の信頼性が極めて高くなる。
【0032】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る足場部材の一部破断正面図である。図1は周知のブラケットを例示している。但し、本発明は、図示するブラケット以外にも、足場布板、手摺、根がらみ、すじかい等その他の建築工事用足場部材に適用することができる。
【0034】
図1に示す足場部材は、主桿部10と、掛止部2と、スライダ3とを含む。主桿部10は、開口端101と、上部壁11と、下部壁12とを含む。主桿部10は、空洞部102を有する断面四角形の角パイプであることが好ましいが、断面円形の丸パイプを排除するものではない。
【0035】
また、主桿部10は、長手方向の両端に掛止部2を有する。掛止部2は、楔状であって、スライダ溝20と、凸状ガイド25とを含む。スライダ溝20は、2つの側壁21と、底部壁22とを有する。底部壁22の外面側は、好ましくは曲面構造を有する。
【0036】
2つの側壁21は、底部壁22の両側で立ち上がるとともに、互いに相対向する。スライダ溝20は、2つの側壁21及び底部壁22によって囲まれた空間となり、その空間にスライダ3が配置される。
【0037】
凸状ガイド25は円柱状であって、スライダ溝20の内部において、両端を2つの側壁21により挟持され、スライダ溝20の先端付近の底部壁22上に固定して配置されている。ただし、凸状ガイド25は凸形状であればよい。従って、凸状ガイド25の具体的な形状、配置場所、及び、数量は、図示するところに限定ない。例えば、凸状ガイド25の形状は、断面楕円形形状、断面台形形状等、他の形状であってもよいし、簡易な凸部であっても良い。また、凸状ガイド25の配置場所、数量についても、底部壁22上にのみ直接配置してよいし、2つの側壁21上にそれぞれ間隔を隔てて相対向するように配置してもよい。
【0038】
図示のスライダ3は、断面角形形状のスライダ基体30を有する。スライダ基体30は、傾斜面31と、上面32と、下面33と、先端部37とを含む。傾斜面31は、下面33と角度をもって連なり、スライダ基体30の長手方向の一端側に設けられる。傾斜面31は、先端部37に向かって肉厚が減少する方向に傾斜する。スライダ3は、傾斜面31が底部壁22に相対向するようにして、スライダ溝20の内部に可動的に配置される。スライダ3は、スライダ溝20の内部に埋没しうる長さに設定される。
【0039】
図示するスライダ3は、更に、ヘッド部34と、第1の掛止片35と、第2の掛止片36とを含む。ヘッド部34は、スライダ基体30において、先端部37とは反対側の後端部側に設けられる。第1の掛止片35及び第2の掛止片36は、スライダ基体30の上面32から立ち上がる板状部である。
【0040】
第1の掛止片35は、第2の掛止片36よりも立ち上がり距離が短く、第2の掛止片36と適宜距離をとりつつ、上下に相対向して設けられる。第1の掛止片35は、主桿部10の上部壁11の外面上に掛け止められる。
【0041】
第2の掛止片36は、主桿部10の開口端101において、下部壁12の内面に接触し、スライダ3の落下を防止すると共に、スライダ溝20の内部空間におけるスライダ3の移動距離の下限を決定する。また、第2の掛止片36は上部壁11の内面にも接触するから、スライダ3の離脱を防止することができる。
【0042】
更に、図示するブラケットは、支持部13と、補強部14と、支持受け部15とを含む。これらは、当該技術分野において、周知の構成部分であるから、詳細は省略する。
【0043】
また、本発明に係る足場部材は、図1とは異なり、楔状掛止部2と、その他の形状または構造の掛止部とを共に含む構造であってもよい。その他の形状、構造の掛止部の具体例としては、例えば、フック状掛止部や、周知のクランプ等を挙げることができる。
【0044】
ヘッド部34は、スライダ3がスライダ溝20の内部に埋没し得る範囲内で、適宜形状を変更することができる。例えば、スライダ3を操作しやすいようにヘッド部34を鉤状に曲げても良い。
【0045】
本発明に係る足場部材は、ソケット部を含む足場受け部材と組み合わされ、足場装置を構成する。以下、上述した本発明に係る足場部材を用いた足場装置について説明する。図2は本発明に係る足場装置の組立工程を示す一部拡大断面図、図3は図2に示す工程の後の組立工程を示す一部拡大断面図、図4は図3に示す工程の後の組立工程を示す一部拡大断面図である。
【0046】
図2乃至図4に示す、足場受け部材4は足場パイプである。但し、足場受け部材4は、ソケット部を有する構造であれば、図示した足場パイプに限定されない。図示の足場受け部材4は、パイプ基体40と、複数のソケット部41とを含む。ソケット部41は、パイプ基体40の外周に、例えば、4個配置される。足場部材1は、図1を参照して説明した本発明に係る足場部材である。
【0047】
まず、図2に示すように、足場部材1の掛止部2が、足場受け部材4のソケット部41の1つに挿入される。図2の状態では、足場受け部材4のスライダ3は、第1の掛止片35により、角度A2をもって、上部壁11の外面に掛け止められると共に、先端部37が凸状ガイド25に載置されている。角度A2は、スライダ3の下面33と、底部壁22との間に生じる角度を示す。
【0048】
図2の状態で、作業員が、スライダ3のヘッド部34を操作し、第1の掛止片35を上部壁11から外し、先端部37も凸状ガイド25から外すと、スライダ3は、重力に従ってスライダ溝20の内部を、A1方向に移動する。
【0049】
A1方向に移動したスライダ3は、傾斜面31が凸状ガイド25に接触しながら、傾斜面31の傾斜角に従って、スライダ溝20の底部壁21から離れる方向に持ち上げられる。
【0050】
次に、図3に示すように、A1方向に移動したスライダ3は、スライダ溝20の内部に埋没し、ヘッド部34が主桿部10の上部壁11より多少低い位置にまで移動するとともに、傾斜面31と凸状ガイド25との間に第1の接触位置P1が発生し、ソケット部41の内壁面とスライダ3の上面32との間に第2の接触位置P2が発生し、傾斜面31の開始位置とスライダ溝20の底部壁22との間に第3の接触位置P3が発生する。第1〜第3の接触位置P1〜P3のそれぞれには、摩擦力が継続的に発生する。このため、足場部材1と、足場受け部材4とは、スライダ3を介して固定され、この固定状態が維持され続ける。
【0051】
この状態で、強風や作業員の移動等により、足場装置に振動や揺れが生じた場合、スライダ3は自重等により、更にスライダ溝20の内部に深く侵入し、より強く食い込むことになる。従って、上述した第1〜第3の接触位置(P1〜P3)による結合強度が、更に向上する。このため、足場部材1と、足場受け部材4とは、より一層強固に、スライダ3を介して固定され続けることになる。
【0052】
そして、図4に示すように、足場装置の上部に足場布板5を載置することにより作業用足場が構成される。足場布板5は、当該技術分野において周知の足場構成部材であるから詳細は省略する。
【0053】
上述したように、図2乃至図4に示した組立方法により得られる作業用足場において、足場装置の組立てにおいて、ヘッド部34にハンマー等で打撃を加える必要はなく、スライダ3をスライダ溝20の内部で操作するだけでよい。
【0054】
図示してはいないが、同様に足場装置の解体においても、足場部材1を足場受け部材4のソケット部41から取り外すには、作業員は、埋没したスライダ3の先端部37に手指を掛けて、スライダ3を浮き上らせる等の操作をし、第1〜第3の接触位置(P1〜P3)における接触状態を解除すればよい。スライダ3は、スライダ溝20の内部に可動的に配置されており、スライダ3の傾斜面31は、スライダ3を浮き上らせ、引き抜く方向に対しては、抵抗を生じない傾斜方向を有するから、作業員は、弱い力で、スライダ3を容易に引き抜き、第1〜第3の接触位置(P1〜P3)における接触状態を、簡単に解除することができる。
【0055】
従って、足場装置の組立、及び、解体作業において楔状掛止部等に損傷、又は、変形等の不具合は発生しないし、騒音も発生しないから、住宅街、病院または学校等に近い工事現場においても、騒音に対する配慮が、殆ど不要となる。さらに、作業員が、腱鞘炎を起こす健康上の問題もない。
【0056】
また、スライダ3は、その全体がスライダ溝20の内部に埋没しているから、スライダ3のヘッド部34が足場布板5の載置面方向に突出していない。その結果、スライダ3のヘッド部34を含む楔状掛止部2の上部にまで足場布板5を載置することができる。従って、足場部材1に足場布板5が敷設された状態では、スライダ3のヘッド部34が、足場布板5によって抑えられた状態になるから、作業面積を広く確保することができるとともに、スライダ3の抜け落ちを、より確実に防止することができる。スライダ3が脱落する恐れが全くなくなり、足場受け部材4に対する足場部材1の機械的結合の信頼性が極めて高くなる。
【0057】
また、楔状掛止部2の上部が足場布板5により被覆されている構造によると、スライダ溝20の上部開口端も足場布板5により被覆される。従って、スライダ溝20内部にごみ等が侵入することを防止し、工事期間が長期化しても、特にメンテナンス作業を要せず、優れた掛止効果を維持することができる。
【0058】
さらに、スライダ3のヘッド部34が足場布板5により被覆されている構造によると、突出部分が解消されるから作業員がこれに躓いて足場から転落する等の事故の発生を防止できる。
【0059】
図3乃至図4において、スライダ3のヘッド部34は、スライダ溝20に埋没し、主棹部10の上部壁11とほぼ等しい高さに配置されているが、例示に過ぎない。スライダ3の長さ寸法や、第2の掛止片36の設置位置を適宜変更することで、スライダ溝20に対するスライダ3の埋没距離を変化することができる。その際、解体作業において操作しやすいようにスライダ3の先端部37が掛止部2の下方側で突出すること、及び、スライダ3が前記第1乃至第3の接触位置P1乃至P3を有しうるように設定することができる。上記要件を満たす限りにおいて、スライダ3のヘッド部34はスライダ溝20の内部に埋没し続けることができる。
【0060】
この点、第1〜第3の接触位置(P1〜P3)を生じさせる限界は、スライダ3の厚み及び傾斜面31の傾斜角の選定等により、調整することができ、それに従って、スライダ3のスライダ溝20に対する侵入距離を調整することができる。
【0061】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)組立て及び解体を、工具類を用いずに、容易に行なうことができる足場部材及びこれを用いた足場装置を提供することができる。
(b)確実に固定し続けることができる足場部材及びこれを用いた足場装置を提供することができる。
(c)作業用足場の面積を広く確保し、作業員が安全に通行し、かつ、作業しうる足場部材及びこれを用いた足場装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る足場部材の一部破断正面図である。
【図2】本発明に係る足場装置の組立工程を示す一部拡大断面図である。
【図3】図2に示す工程の後の組立工程を示す図である。
【図4】図3に示す工程の後の組立工程を示す図である。
【符号の説明】
1 足場部材
20 スライダ溝
21 側壁
22 底部壁
25 凸状ガイド
3 スライダ
31 傾斜面
34 ヘッド部
35 第1の掛止片
36 第2の掛止片
37 先端部
4 足場受け部材
41 ソケット部
P1〜P3 第1〜第3の接触位置
Claims (2)
- 掛止部と、スライダとを含む足場部材であって、
前記掛止部は、楔状であって、スライダ溝と、凸状ガイドとを含み、
前記スライダ溝は、2つの側壁と、底部壁とを有し、
前記2つの側壁は、前記底部壁の両側で立ち上がるとともに、互いに相対向し、
前記凸状ガイドは、少なくとも1つが、前記スライダ溝の内部において、その先端付近に配置され、
前記スライダは、棒状であって、長手方向の一端側に傾斜面を有し、前記傾斜面は、先端に向かって肉厚を減少させる方向に傾斜しており、
前記スライダは、前記傾斜面が、前記底部壁に相対向するようにして、前記スライダ溝の内部に可動的に配置され、その全体が前記スライダ溝の内部に埋没しうる長さである
足場部材。 - 足場部材と、足場受け部材とを含む足場装置であって、
前記足場受け部材は、ソケット部を含み、
前記足場部材は、請求項1に記載されたものでなり、前記掛止部が、前記足場受け部材の前記ソケット部に挿入される
足場装置。
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JP2008533650A (ja) * | 2004-12-16 | 2008-08-21 | ユーシカゴ アーゴン リミテッド ライアビリティ カンパニー | 安定化された電極を備える、長寿命リチウム電池 |
JP2019015075A (ja) * | 2017-07-06 | 2019-01-31 | コベルコ建機株式会社 | 機体の手摺装置 |
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