JP2004155451A - Ptpシート及びその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物を比較的容易に取出すことができ、しかも、取出しに際して内容物に及ぶダメージを抑制することを可能とする。
【解決手段】PTPシート28は複数のポケット部7を備えた包装用フィルム部材2Aと、該包装用フィルム部材2Aに取着されたカバーフィルム部材とを有する。各ポケット部7には錠剤が1つずつ収容されている。包装用フィルム部には、2つのポケット部7単位のペア小片34に切り離すことができるように切離用スリット35が形成される。各ペア小片34にあっては、取出用スリット36が形成されており、該取出用スリット36は、ペア小片34の両側端縁からポケット部7の方へ延びるよう構成されている。そして、ペア小片34が摘まれた状態でポケット部7の方へ捻り応力が加えられることで、カバーフィルム部材が破封される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリスタ包装シート(以下、「PTPシート」という)及びその製造装置を含む技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PTPシート101は、図11,12に示すように、錠剤Z等が投入されるポケット部102が形成された容器フィルム103と、その容器フィルム103にポケット部102の開口側を密封するように前記容器フィルム103に固着されるカバーフィルム104とから構成されている。また、PTPシート101の容器フィルム103には、所定数のポケット部101単位のシート小片105に切り離すことができるように切離用スリット106が形成されている。
【0003】
このように構成されてなるPTPシート101にあっては、その使用に際し、まず前記シート小片105毎に切り離しが行われる。次に、前記ポケット部102がカバーフィルム104とは反対方向から押圧されることで、ポケット部102が押し潰され、錠剤Zにその押圧力が伝えられる。そして、錠剤Zからの応力が、カバーフィルム104に伝えられることでカバーフィルム104が突き破られ、これによってそれまで密封されていた錠剤Zが取り出される。
【0004】
ところで、近年、カバーフィルム104が不用意に破封されてしまうのを防止するべく、カバーフィルム104の素材を工夫したりすることが考えられる。一方で、単にカバーフィルム104の強度を高めるだけでは、今度は、取り扱いにくくなってしまい、比較的力の弱い者にとっては、錠剤Zを取り出すのにも苦労してしまう。
【0005】
そこで、所定の強度を保持しつつ、使用に際してはカバーフィルム104が破れやすく構成されてなるPTPシートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−278768号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報に記載の技術にあっても、依然として、ポケット部を押圧することで、錠剤Zを介してカバーフィルム104を突き破る構成となっている。この場合において、錠剤Z自体が脆いものであったり、あるいは、潰れやすく柔らかいものであったりすると、前記押圧力によって、錠剤Zが割れてしまったり、潰れてしまったりして、所期の目的を果たせなくなってしまうおそれがある。
【0008】
なお、かかる不具合は、内容物が錠剤である場合に限られるものではない。
【0009】
本発明は、上記各事情に鑑みてなされたものであり、内容物を比較的容易に取出すことができ、しかも、取出しに際して内容物に及ぶダメージを抑制することの可能なPTPシート及びその製造装置を提供することを主たる目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0011】
手段1.内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
少なくとも前記包装用フィルム部材に、内容物の取出用スリットを形成し、該取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
【0012】
手段1によれば、少なくとも包装用フィルム部材に、取出用スリットが形成されており、該取出用スリットからポケット部に捻り応力が加えられることで、ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材が破封される。このため、内容物を介してカバーフィルムを突き破る構成となっている従来技術に比べ、ポケット部に収容されている内容物に応力が加わりにくい。そのため、内容物にダメージが及びにくい。従って、たとえ内容物が脆いものであったり、あるいは、潰れやすく柔らかいものであったりしても、割れたり、潰れたりするといった不具合を抑制することができる。
【0013】
手段2.内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
少なくとも前記包装用フィルム部材に、所定のポケット部単位のシート小片に切離し可能とするための切離用スリットを形成するとともに、該切離用スリットとは別に、内容物の取出用スリットを形成し、該取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
【0014】
手段2によれば、少なくとも包装用フィルム部材に切離用スリットが形成されており、該切離用スリットにおいて、PTPシートは所定のポケット部単位のシート小片に切離される。手段2では、該切離用スリットとは別に、取出用スリットが形成されており、該取出用スリットからポケット部に捻り応力が加えられることで、ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材が破封される。このため、内容物を介してカバーフィルムを突き破る構成となっている従来技術に比べ、ポケット部に収容されている内容物に応力が加わりにくい。そのため、内容物に対しダメージを及びにくくできる。従って、たとえ内容物が脆いものであったり、あるいは、潰れやすく柔らかいものであったりしても、割れたり、潰れたりするといった不具合を抑制することができる。
【0015】
手段3.内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
少なくとも前記包装用フィルム部材に、所定のポケット部単位のシート小片に切離し可能とするための切離用スリットを形成し、前記シート小片に切離したとき、該シート小片の端縁から前記ポケット部の方へ延びるよう構成されてなる内容物の取出用スリットを、前記切離用スリットとは別に形成し、該取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
【0016】
手段3によれば、少なくとも包装用フィルム部材に切離用スリットが形成されており、該切離用スリットにおいて、PTPシートは所定のポケット部単位のシート小片に切離される。手段3では、該切離用スリットとは別に、取出用スリットが形成されており、該取出用スリットは、シート小片の端縁からポケット部の方へ延びるよう構成されている。そして、内容物の取出しに際しては、シート小片の端縁からポケット部の方へ取出用スリットが裂かれつつ、取出用スリットからポケット部に捻り応力が加えられることで、ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材が破封される。このため、内容物を介してカバーフィルムを突き破る構成となっている従来技術に比べ、ポケット部に収容されている内容物に応力が加わりにくい。そのため、内容物に対しダメージを及びにくくできる。従って、たとえ内容物が脆いものであったり、あるいは、潰れやすく柔らかいものであったりしても、割れたり、潰れたりするといった不具合を抑制することができる。
【0017】
手段4.内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
少なくとも前記包装用フィルム部材に、所定のポケット部単位のシート小片に切離し可能とするための切離用スリットを形成し、前記シート小片に切離したとき、該シート小片の両端縁から前記ポケット部の方へ延びるよう構成されてなる内容物の取出用スリットを、前記切離用スリットとは別に少なくとも一対形成し、該一対の取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
【0018】
手段4によれば、少なくとも包装用フィルム部材に切離用スリットが形成されており、該切離用スリットにおいて、PTPシートは所定のポケット部単位のシート小片に切離される。手段3では、該切離用スリットとは別に、取出用スリットが形成されており、該取出用スリットは、シート小片の両端縁からポケット部の方へ延びるよう構成されている。そして、内容物の取出しに際しては、シート小片に切り離された上で、その両端縁からポケット部の方へ取出用スリットが裂かれつつ、取出用スリットからポケット部に捻り応力が加えられることで、ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材が破封される。このため、内容物を介してカバーフィルムを突き破る構成となっている従来技術に比べ、ポケット部に収容されている内容物に応力が加わりにくい。そのため、内容物に対しダメージを及びにくくできる。従って、たとえ内容物が脆いものであったり、あるいは、潰れやすく柔らかいものであったりしても、割れたり、潰れたりするといった不具合を抑制することができる。しかも、比較的力の弱い者であっても、捻り応力を比較的容易に加えやすく、内容物の取出作業に困難を伴いにくくできる。
【0019】
手段5.前記一対の取出用スリットは、略同一直線上に相対向して設けられていることを特徴とする手段4に記載のPTPシート。
【0020】
手段5によれば、取付用スリットが一方にしか設けられてない場合や、ずれて設けられているような場合に比べて、捻り応力を加えやすく、より一層容易にカバーフィルム部材を破封することができる。また、取出用スリットを形成するための機構も複雑なものとなりにくい。
【0021】
手段6.前記一対の取出用スリットが、1のポケット部に対し複数設けられていることを特徴とする手段4又は5に記載のPTPシート。
【0022】
手段6によれば、1のポケット部に対し、複数対の取出用スリットが設けられているため、任意の取出用スリットから捻り応力を加えることができる。結果として、取扱性の向上を図ることができる。
【0023】
手段7.前記ポケット部は平面長尺状をなし、前記取出用スリットは、シート小片の端縁から前記ポケット部の長手方向略中央部の方へ延びるよう構成されてなることを特徴とする手段3乃至6のいずれかに記載のPTPシート。
【0024】
手段7によれば、ポケット部の長手方向略中央部において捻り応力が加えられることとなる。従って、捻り応力を加えるときに、シート小片を摘みやすく、より一層容易にカバーフィルム部材を破封することができる。
【0025】
手段8.前記取出用スリットは、前記包装用フィルム部材のうち、ポケット部以外の平板部分に形成されていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載のPTPシート。
【0026】
取出用スリットがポケット部にも形成されている場合、内容物の封入状態を維持することが困難となり、内容物が漏洩したり、湿気たり、酸化されたり等の不具合が懸念される。この点、手段8によれば、取出用スリットがポケット部には形成されていないため、通常時における内容物の封入状態が阻害されることがない。結果として、上記のような不具合を防止することができる。
【0027】
手段9.前記内容物が錠剤であることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載のPTPシート。
【0028】
手段9によれば、錠剤の取り出しに際し、上記作用効果が奏される。すなわち、比較的脆い錠剤であったり、あるいは、潰れやすく柔らかい錠剤であっても、該錠剤の割れや潰れを招くことなく、取り出すことができる。
【0029】
手段10.前記ポケット部に捻り応力を加える旨の前記内容物の取出方法に関する情報を表示してなる手段1乃至9のいずれかに記載のPTPシート。
【0030】
手段10によれば、ポケット部に捻り応力を加える旨の前記内容物の取出方法に関する情報がPTPシートに表示されている。このため、当該PTPシートを初めて取扱う者等にとっては、当該情報を視認することで、取出方法を容易に把握でき、誤った取出方法が採用されることによる不具合を招きにくくすることができ、取扱の利便性を高めることができる。
【0031】
手段11.手段1乃至10のいずれかに記載のPTPシートを製造するための製造装置であって、少なくとも前記取出用スリットを形成するための取出用スリット形成手段を具備してなるPTPシートの製造装置。
【0032】
手段11によれば、上記各作用効果を奏するPTPシートを製造することができる。
【0033】
手段12.手段1乃至10のいずれかに記載のPTPシートを、帯状の包装用フィルムを移送しつつ該フィルムから打抜いて得るための、PTPシートの製造装置であって、
前記包装用フィルムに前記ポケット部を形成するポケット部形成手段と、
前記各ポケット部に内容物を投入するための内容物投入手段と、
前記ポケット部に内容物が投入された前記包装用フィルムに対し、前記ポケット部を塞ぐようにしてカバーフィルムを取着する取着手段と、
前記PTPシートを前記シート小片に切離すための切離用スリットを少なくとも前記包装用フィルムに形成する切離用スリット形成手段と、
前記カバーフィルムの取着された前記包装用フィルムからPTPシート単位にその外縁を打抜くシート打抜手段と
を備え、かつ、前記取出用スリットを少なくとも前記包装用フィルムに形成する取出用スリット形成手段を具備してなるPTPシートの製造装置。
【0034】
手段12によれば、切離用スリットとは別に、取出用スリットが取出用スリット形成手段によって、形成される。従って、上記各作用効果を奏するPTPシートをより確実に製造することができる。
【0035】
手段13.前記取出用スリット形成手段を、前記切離用スリット形成手段と一体化させてなる手段12に記載のPTPシートの製造装置。
【0036】
手段13によれば、取出用スリット形成手段が切離用スリット形成手段と一体化されているため、製造装置の大型化を招くことがなく、設置スペースの面でも有効である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。
【0038】
まず、図1,2に基づいて、PTPシート28の構成について説明する。PTPシート28は、PPよりなり、複数のポケット部7を備えた包装用フィルム部材2Aと、ポケット部7を塞ぐようにして包装用フィルム部材2Aに取着されたアルミニウム製のフィルムよりなるカバーフィルム部材13Aとを有している。各ポケット部7には錠剤Zが1つずつ収容されている。
【0039】
PTPシート28の包装用フィルム部材2Aには、2つのポケット部7が含まれるようにペア小片34(シート小片に相当する)に切り離すことができるように複数の切離用スリット35が形成されている。また、本実施の形態では、包装用フィルム部材2Aには、後述する錠剤Zの取出に際し用いられる取出用スリット36が形成されている。かかる取出用スリット36は、前記切離用スリット35に対し直交する方向に延びている。より詳しくは、PTPシート28がペア小片34に切り離されたとき、各ポケット部7の長手方向の略中央において、ペア小片34の両端縁からポケット部7の直前まで延びるように取出用スリット36が形成されている。つまり、取出用スリット36は、1つのポケット部7に対し、相対向する2カ所において、同一直線上に形成されている。なお、PTPシート28の端部にはロットナンバー等の識別情報が刻印されたタグ部38が付設されている。
【0040】
次に、図3に基づいて、上記PTPシート28を製造するための製造装置1の概略について説明する。
【0041】
帯状の包装用フィルム2は、上記包装用フィルム部材2Aを構成するためのものであって、最上流側においてロール状に巻回されている。該包装用フィルム2は、上述したようにPP等の比較的硬質で所定の剛性を有する合成樹脂によって構成され、透明又は半透明(ここでは透明)を呈している。勿論、PVC等の他の樹脂材料によって構成されていてもよい。
【0042】
ロール状に巻回された包装用フィルム2の引出し端側は、ガイドロール3に案内されている。包装用フィルム2は、ガイドロール3の下流側において間欠送りロール4に掛装されている。間欠送りロール4は、間欠的に回転するモータに連結されているため、包装用フィルム2を間欠的に搬送する。ガイドロール3と間欠送りロール4との間における包装用フィルム2搬送経路に沿って、加熱装置5とポケット成形装置6とが順に並設されている(これらはポケット部形成手段を構成する)。そして、加熱装置5によって包装用フィルム2が加熱されて該包装用フィルム2が比較的柔軟になった状態において、ポケット成形装置6によって包装用フィルム2の所定位置に複数のポケット部7が正確に成形される。このポケット部7の成形は、間欠送りロール4による包装用フィルム2の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0043】
間欠送りロール4から送り出された包装用フィルム2は、テンションロール8、ガイドロール9及び連続送りロール10の順に掛装されている。連続送りロール10は、一定回転するモータに連結されているため、包装用フィルム2を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール8は、包装用フィルム2を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール4と連続送りロール10との搬送動作の相違による包装用フィルム2の撓みを防止して包装用フィルム2を常時緊張状態に保持する。
【0044】
ガイドロール9と連続送りロール10との間における包装用フィルム2移送経路に沿って、ポケット部7に錠剤Zを自動的に充填する内容物投入手段としての錠剤投入装置11が配設されている。錠剤投入装置11は、連続送りロール10による包装用フィルム2の搬送動作と同期して、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤Zを落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部7に錠剤Zが投入される。
【0045】
錠剤投入装置11と連続送りロール10との間における包装用フィルム2移送経路に沿って、錠剤Zが各ポケット部7に確実に充填されているか否か、また錠剤Zの異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置12が配設されている。この検査装置12はポケット部7の開口側からの検査を行うものである。
【0046】
帯状に形成された上述したカバーフィルム部材13Aを構成するためのカバーフィルム13は、最上流側においてロール状に巻回されている。カバーフィルム13は、ここではアルミニウム製のものを使用している。勿論、カバーフィルム13が不用意に破封されてしまうのを防止するべく、他の素材を採用してもよい。
【0047】
ロール状に巻回されたカバーフィルム13の引出し端は、ガイドロール14に案内されている。前記連続送りロール10にはシールロール15が圧接されており、両ロール10,15間にカバーフィルム13が送り込まれている。本実施の形態では、これら両ロール10,15によって、取着手段が構成されている。これら両ロール10,15によって、包装用フィルム2に対し、カバーフィルム13が取着され、これにより、錠剤Zが各ポケット部7に充填されたPTPフィルム16が製造される。
【0048】
連続送りロール10から送り出されたPTPフィルム16は、テンションロール17及び間欠送りロール18の順に掛装されている。間欠送りロール18は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム16を間欠的に搬送する。テンションロール17は、PTPフィルム16を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記連続送りロール10と間欠送りロール18との搬送動作の相違によるPTPフィルム16の撓みを防止してPTPフィルム16を常時緊張状態に保持する。
【0049】
連続送りロール10とテンションロール17との間におけるPTPフィルム16移送経路に沿って、錠剤Zの異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置19が配設されている。この検査装置19はポケット部7の突出面側からの検査を行うものである。従って、前記検査装置12による検査と相俟って、PTPフィルム16の表裏両面側からの検査を実行することができるようになっている。なお、各検査装置12,19によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0050】
テンションロール17と間欠送りロール18との位置関係によって、両ロール17,18間におけるPTPフィルム16移送経路は、上下方向に延びている。間欠送りロール18から送り出されたPTPフィルム16は、テンションロール21及び間欠送りロール22の順に掛装されている。間欠送りロール22は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム16を間欠的に搬送する。テンションロール21は、PTPフィルム16を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、特段の事情がない限り、前記間欠送りロール18,22間でのPTPフィルム16の撓みを防止する。
【0051】
間欠送りロール18とテンションロール21との間におけるPTPフィルム16移送経路に沿って、スリット成形装置23と、刻印装置24とが順に配設されている。スリット成形装置23は、切離用スリット形成手段及び取出用スリット形成手段を構成し、PTPフィルム16の所定位置に前記切離用スリット35及び取出用スリット36を形成する機能を有する。また、刻印装置24はPTPフィルム16の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す機能を有する。
【0052】
間欠送りロール22から送り出されたPTPフィルム16は、その下流側においてテンションロール25及び連続送りロール26の順に掛装されている。間欠送りロール22とテンションロール25との間におけるPTPフィルム16移送経路に沿って、シート打抜手段としてのシート打抜装置27が配設されている。
【0053】
シート打抜装置27は、固定型71と可動型72とを備えている。可動型72には駆動・伝達機構73が連結され、固定型71に近接した作業位置と、固定型71から離間した待機位置とに切換駆動される。駆動・伝達機構73はモータ、流体圧シリンダ、カム伝達機構等の適宜のものを使用することができる。可動型72には、一対の打抜刃が幅方向に並んだ状態で突設されている。各打抜刃はPTPシート28の外形に沿った枠状(略矩形状)に形成されている。一方、固定型71には、前記打抜刃と対応して一対の打抜孔が貫通形成されている。可動型72の面からの各打抜刃の突出量は均一であり、可動型の作業位置への移動に伴って一度に全ての打抜刃によってPTPフィルム16をPTPシート28単位に打抜くようになっている。
【0054】
シート打抜装置27によって打抜かれたPTPシート28は、取出しコンベア29によって搬送され、完成品用ホッパ30に一旦貯留される。
【0055】
前記連続送りロール26の下流側には、裁断装置31が配設されている。そして、シート打抜装置27による打抜き後に帯状に残った残材部(スクラップ部)を構成する不要フィルム部32は、前記テンションロール25及び連続送りロール26に案内された後、裁断装置31に導かれる。なお、前記連続送りロール26には従動ロールが圧接されており、該連続送りロール26が前記不要フィルム部32を挟持しながら搬送動作を行う。裁断装置31では、不要フィルム部32を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。このスクラップはスクラップ用ホッパ33に貯留された後、別途廃棄処理される。
【0056】
なお、前記各送りロール4,10,18,22等は、そのロール表面とポケット部7とが対向する位置関係となっているが、各送りロール4,10,18,22等の表面には、ポケット部7が収容される凹部が形成されているため、ポケット部7が潰れてしまうことがない。また、ポケット部7が各送りロール4,10,18,22等の各凹部に収容されながら送り動作が行われることで、間欠送り動作や連続送り動作が確実に行われる。
【0057】
PTPシート製造装置1の概略は以上のとおりであるが、以下においては、スリット成形装置23の構成についてより具体的に説明する。スリット成形装置23は、上述したように、切離用スリット35を形成するための機構と、取出用スリット36を成形するための機構とを併せて備えている。ここでは説明の便宜上、切離用スリット35を形成するための機構について説明する。
【0058】
図4に示すように、スリット成形装置23は、基台41と、基台41に立設された一対のマスト42と、マスト42の上部に固設された固定プレート43とを備えている。固定プレート43には、下端面がフラット面となっている受板44が垂下状態で支持されている。該受板44内には冷却機構を構成する冷却水通路45が形成されており、該冷却水通路45を循環する冷却水によって、受板44が常には冷却状態に維持されるようになっている。
【0059】
マスト42には、ベアリング機構を介してスライドベース46が挿通されている。スライドベース46は、図示しない駆動装置によって上下動可能となっている。スライドベース46上には加熱機構を具備するヒータブロック47が載置固定され、該ヒータブロック47上には複数のスリット形成刃48が配設されている。かかる構成の下、スリット形成刃48は、前記ヒータブロック47からの伝達熱によって常には加熱状態に維持されるようになっている。また、スリット形成刃48の両側にはストッパ49が立設固定されている。ここで、ストッパ49の方がスリット形成刃48よりもほんの少しだけ突出している(但し、突出量は包装用フィルム2の厚みよりも少ない)。そして、かかるスリット成形装置23においては、前記PTPフィルム16は、受板44及びスリット形成刃48間において、紙面手前方向に間欠移送されるようになっている。
【0060】
なお、スリット成形装置23は、取出用スリット36を成形するための機構をも具備していることは既に説明したが、当該機構は、スリット形成刃の配置状態の相違こそあれ、他の機構については、切離用スリット35を形成するための機構と重複するものであるので、ここでのこれ以上の説明は省略する。なお、当該取出用スリット36を成形するための機構は、切離用スリット35を形成するための機構と直列に設けてもよいし、一体化させてもよい。一体化させた場合には、前記スリット形成刃を互いに交差し合うように配置することが考えられる。
【0061】
さて、以上のように構成されたPTP包装機1によって図1,2に示したPTPシート28を製造する手順について、特に、錠剤等がポケット部7に投入されてPTPフィルム16が構成された後の主要な工程を中心として説明する。
【0062】
PTPフィルム16は、まずスリット成形工程を経る。かかるスリット成形工程では上述したスリット成形装置23が使用される。すなわち、間欠移送されるPTPフィルム16が所定位置で停止させられ、この状態で、スライドベース46がマスト42に沿って上動させられる。すると、PTPフィルム16は、図4に示すように、スリット形成刃48及び受板44間に挟持される格好となる。すなわち、まず、ストッパ49が受板44に当たり、スライドベース46のそれ以上の上動が規制される。このとき、同図に示すように、スリット形成刃48の先端がPTPフィルム16のポケット部7周囲の包装用フィルム2に所定量だけ切れ込まれる。但し、スリット形成刃48は、該スリット形成刃48とストッパ49との高さの差に相当する分だけ、受板44下面との間に隙間が生じる。これにより、PTPフィルム16には厚さS分だけ残された状態で断面略V字溝状の切離用スリット35及び取出用スリット36が同時に又は順次に形成されることとなる。
【0063】
このとき、スリット形成刃48は、ヒータブロック47からの伝達熱によって加熱されているため、スリット形成刃48の円滑な切れ込みが促進され、各スリット35,36をより精度よく形成することができる。また、受板44側は冷却水にて冷却されるため、前記スリット形成刃48からの熱が包装用フィルム2の全般に行き渡ってしまうのが規制される。従って、包装用フィルム2が切断されたり、融解されたりするといった事態が回避される。
【0064】
さて、スリット成形工程が終了すると、刻印工程へ移行する。この刻印工程では、刻印装置24が使用される。即ち、刻印装置24の可動型が待機位置から作業位置へと移動するのに伴って、タグ部38に対応する位置にロットナンバー等の識別情報が刻印される。
【0065】
刻印工程が終了すると、シート打抜工程へ移行する。シート打抜工程では、シート打抜装置27が使用される。即ち、シート打抜装置27の可動型72が待機位置から作業位置へと移動することにより、各打抜刃がPTPフィルム16を打抜く。その結果、PTPシート28がPTPフィルム16から分離される。以上のようにして、図1,2に示したとおりのPTPシート28を得ることができる。
【0066】
このようにして得られたPTPシート28は、その使用に際して次のように取り扱われる。すなわち、まず、PTPシート28は、図6及び図8(a)に示すように、切離用スリット35において、所定の(本実施の形態では2つの)ポケット部7単位のペア小片34に切離される。かかるペア小片34にあっては、取出用スリット36が形成されており、該取出用スリット36は、ペア小片34の両側端縁からポケット部7の方へ延びるよう構成されている。そして、前記ペア小片34がオペレータ(使用者)の手によって摘まれた状態で、図7及び図8(b)に示すような捻り応力が加えられる。このとき、ペア小片34の両側端縁からポケット部7の方へ取出用スリット36が裂かれることとなる。そして、さらに捻り応力が加えられることで、カバーフィルム部材13Aが破封される。かかる破封後、ポケット部7内から錠剤Zが容易に取り出される。
【0067】
このように、ポケット部7に捻り応力を加えることに基づいて錠剤Zと取り出すこととしているため、内容物を介してカバーフィルムを突き破る構成となっている従来技術に比べ、ポケット部7に収容されている錠剤Zに応力が加わりにくい。従って、錠剤Zに対しダメージを与えにくくすることができる。その結果、たとえ錠剤Zが脆いものであったり、あるいは、潰れやすく柔らかいものであったりしても、当該錠剤Zが割れたり、潰れたりするといった不具合を抑制することができる。
【0068】
しかも、比較的力の弱い者であっても、捻り応力を比較的容易に加えやすく、錠剤Zの取出作業に困難を伴いにくくできる。すなわち、ポケット部が極端に小さいような場合、従来のようなポケット部を押しつぶす取出方法を採用すると、力の弱い者や、器用でない者にとっては、内容物を取り出すのに苦労するケースがあった。この点、本実施の形態では、仮にポケット部7が極端に小さいような場合であっても、錠剤Zを容易に取り出すことができ、取扱性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0069】
また、本実施の形態では、ペア小片34に形成された一対の取出用スリット36が、略同一直線上に相対向して設けられている。このため、取付用スリットが一方にしか設けられてない場合や、ずれて設けられているような場合に比べて、捻り応力を加えやすく、より一層容易にカバーフィルム部材13Aを破封することができる。また、取出用スリット36を形成するための機構(例えば、スリット形成刃の構造)も複雑なものとなりにくい。
【0070】
さらに、取出用スリット36は、ペア小片34の側部両端からポケット部7の長手方向略中央部の方へ延びるよう構成されているため、ポケット部7の長手方向略中央部において捻り応力が加えられることとなる。従って、捻り応力を加える際に、ペア小片34を摘みやすく、取扱性のさらなる向上を図ることができる。
【0071】
併せて、取出用スリット36は、包装用フィルム部材2Aのうち、平板部分に形成されており、ポケット部7には形成されていない。ここで、取出用スリット36がポケット部7にも形成されていると、内容物の封入状態を維持することが困難となり、錠剤Z等への悪影響が懸念されるところである。この点、本実施の形態では、通常時における錠剤Zの封入状態が阻害されることがない。結果として、錠剤Zが漏洩したり、湿気たり、酸化したりするといった悪影響をより確実に防止することができる。
【0072】
加えて、特段の大がかりな設備を増設することなく、つまり、取出用スリット36を成形するための機構を配備するだけで、上記作用効果を奏するPTPシート28を製造することができる。その結果、製造装置の大型化を招くことがなく、設置スペースの面でもメリットが大きい。特に、取出用スリット36を成形するための機構と、切離用スリット35を形成するための機構とを一体化させた場合には、特にその効果は顕著なものとなる。
【0073】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0074】
(a)上記実施の形態では、一対の取出用スリット36を、ペア小片34の側部両端からポケット部7の長手方向略中央部の方へ延びるよう形成することとしている。これに対し、取出用スリットの構成としては、必ずしも上記のようなものに限定されるものではなく、要するに、取出用スリットからポケット部に捻り応力を加えることでカバーフィルム部材を破封可能となっていればよい。
【0075】
(b)従って、例えば、図9に示すように構成してもよい。同図に示す例では、平面円形状のポケット部71を有するような場合、1のポケット部71に対し複数対の取出用スリット72,73を形成することも考えられる。この場合、オペレータの所望する任意の取出用スリット72,73から捻り応力を加えることができる。結果として、取扱性の向上を図ることができる。
【0076】
また、例えば図10に示すように構成してもよい。同図に示す例では、ペア小片34のコーナー部又はその近傍等から、取出用スリット74が、その延長線がポケット部75の長手方向略中心を通るようにして、斜めに延びるよう形成することとしている。このように構成しても、基本的には上記実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0077】
(c)上記実施の形態では、内容物として錠剤Zが収容されている場合について具体化しているが、必ずしも錠剤に限られるものではない。従って、例えば食品等が収容されているものに具体化することもできる。
【0078】
(d)上記実施の形態では特に言及していないが、錠剤Zの取出方法に関する情報をPTPシート28に表示することとしてもよい。具体的には、タグ部38等において、ポケット部7に捻り応力を加えることでカバーフィルム部材13Aを破封する旨の文字、絵等を前記刻印装置24を用いて刻印することが考えられる。
【0079】
(e)PTPシート単位のポケット部7の配列や、個数も上記実施の形態の態様(2列、10個)に何ら限定されるものではなく、例えば3列12個のポケット部を有するタイプをはじめ、様々な配列、個数からなるPTPシートを採用することができる。勿論、1つのシート小片に包含されるポケット部の数も何ら限定されるものではない。
【0080】
(f)切離用スリット35を有しないタイプにも具体化することも可能である。
【0081】
(g)上記実施の形態では、取出用スリット36として断面略V字溝状をなすものを採用しているが、必ずしも溝状のスリットに限定される訳ではなく、錠剤Zの取出しに際して、ポケット部7の方まで裂ける等して、ポケット部7への捻り応力を加えやすい構成となっていればよい。従って、例えば包装用フィルム部材2Aのみならず、カバーフィルム部材13Aもろとも切り込みを入れることによって取出用スリットを構成してもよいし、ミシン目状の貫通切線を設けることで取出用スリットを構成してもよい。
【0082】
(h)上記実施の形態では、切離用スリット35を設けるためのスリット成形装置23に、取出用スリット36を形成するための機構を併設することとしているが、別の箇所(例えば、切離用スリット35を設ける前段階や、打抜工程の直前段階等)に取出用スリット36を形成するための機構を設けることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係るPTPシートを示す平面図である。
【図2】PTPシートの構成を示す部分断面図である。
【図3】PTPシートの製造装置の全体構成を示す概略図である。
【図4】スリット成形装置を示す断面図である。
【図5】スリット成形装置において、スリット成形時の作用を説明する拡大断面図である。
【図6】ペア小片に切り離した状態を示す斜視図である。
【図7】錠剤を取出す際の取出方法を説明するペア小片の斜視図である。
【図8】(a)はペア小片を示す断面図であり、(b)は錠剤を取出す際の取出方法を説明するペア小片の断面図である。
【図9】別の実施の形態に係るPTPシートを示す部分平面図である。
【図10】別の実施の形態に係るPTPシートを示す部分平面図である。
【図11】従来技術におけるPTPシートを示す平面図である。
【図12】従来技術における錠剤の取出方法を説明するためのPTPシートを示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…PTPシート製造装置、2…包装用フィルム、2A…包装用フィルム部材、6…ポケット部形成手段としてのポケット成形装置、7,71,75…ポケット部、11…錠剤投入手段としての錠剤投入装置、13…密封用フィルム、13A…カバー部材、16…PTPフィルム、23…切離用スリット形成手段、取出用スリット形成手段を構成するスリット成形装置、27…シート打抜手段としてのシート打抜装置、28…PTPシート、34…シート小片としてのペア小片、35…切離用スリット、36,72,73,74…取出用スリット、Z…内容物としての錠剤。

Claims (13)

  1. 内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、
    前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
    少なくとも前記包装用フィルム部材に、内容物の取出用スリットを形成し、該取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
  2. 内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、
    前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
    少なくとも前記包装用フィルム部材に、所定のポケット部単位のシート小片に切離し可能とするための切離用スリットを形成するとともに、該切離用スリットとは別に、内容物の取出用スリットを形成し、該取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
  3. 内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、
    前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
    少なくとも前記包装用フィルム部材に、所定のポケット部単位のシート小片に切離し可能とするための切離用スリットを形成し、前記シート小片に切離したとき、該シート小片の端縁から前記ポケット部の方へ延びるよう構成されてなる内容物の取出用スリットを、前記切離用スリットとは別に形成し、該取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
  4. 内容物を収容する複数のポケット部を備えた包装用フィルム部材と、
    前記ポケット部を塞ぐようにして前記包装用フィルム部材に取着されたカバーフィルム部材とを有するPTPシートであって、
    少なくとも前記包装用フィルム部材に、所定のポケット部単位のシート小片に切離し可能とするための切離用スリットを形成し、前記シート小片に切離したとき、該シート小片の両端縁から前記ポケット部の方へ延びるよう構成されてなる内容物の取出用スリットを、前記切離用スリットとは別に少なくとも一対形成し、該一対の取出用スリットから前記ポケット部に捻り応力を加えることで前記カバーフィルム部材を破封可能としたことを特徴とするPTPシート。
  5. 前記一対の取出用スリットは、略同一直線上に相対向して設けられていることを特徴とする請求項4に記載のPTPシート。
  6. 前記一対の取出用スリットが、1のポケット部に対し複数設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載のPTPシート。
  7. 前記ポケット部は平面長尺状をなし、前記取出用スリットは、シート小片の端縁から前記ポケット部の長手方向略中央部の方へ延びるよう構成されてなることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のPTPシート。
  8. 前記取出用スリットは、前記包装用フィルム部材のうち、ポケット部以外の平板部分に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のPTPシート。
  9. 前記内容物が錠剤であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のPTPシート。
  10. 前記ポケット部に捻り応力を加える旨の前記内容物の取出方法に関する情報を表示してなる請求項1乃至9のいずれかに記載のPTPシート。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載のPTPシートを製造するための製造装置であって、少なくとも前記取出用スリットを形成するための取出用スリット形成手段を具備してなるPTPシートの製造装置。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載のPTPシートを、帯状の包装用フィルムを移送しつつ該フィルムから打抜いて得るための、PTPシートの製造装置であって、
    前記包装用フィルムに前記ポケット部を形成するポケット部形成手段と、
    前記各ポケット部に内容物を投入するための内容物投入手段と、
    前記ポケット部に内容物が投入された前記包装用フィルムに対し、前記ポケット部を塞ぐようにしてカバーフィルムを取着する取着手段と、
    前記PTPシートを前記シート小片に切離すための切離用スリットを少なくとも前記包装用フィルムに形成する切離用スリット形成手段と、
    前記カバーフィルムの取着された前記包装用フィルムからPTPシート単位にその外縁を打抜くシート打抜手段と
    を備え、かつ、前記取出用スリットを少なくとも前記包装用フィルムに形成する取出用スリット形成手段を具備してなるPTPシートの製造装置。
  13. 前記取出用スリット形成手段を、前記切離用スリット形成手段と一体化させてなる請求項12に記載のPTPシートの製造装置。
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