JP2004154842A - 鋼板のクランプ装置 - Google Patents

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Masanari Watanabe
眞生 渡辺
Takashi Akaha
崇 赤羽
Kazuhiro Kamishiro
和洋 上城
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Abstract

【課題】多大な労力を要することなく鋼板1のクランプ状態を均一にすることができるクランプ装置3とする。
【解決手段】空気ポンプ11からの空気が供給される均圧配管13と、均圧配管13に複数接続され均圧配管13からの空気が一斉に供給されて鋼板1を押圧するピストンロッド7を備えた空気シリンダ6とを備え、多大な労力を要することなく鋼板1のクランプ状態を均一にすることができるクランプ装置3とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板、特に薄板鋼板を加工(突き合わせ溶接や切断等)したり搬送する際に薄板鋼板を所定の位置にクランプする鋼板のクランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の車体パネル等の成形用素材として、板厚や材質がともに同じか、あるいは板厚や材質がともに異なる複数枚の鋼板を相互に突き合わせてレーザー溶接等により一体化したテーラードブランク材と称される材料が用いられている。テーラードブランク材を得る場合には、例えば、テーブルを接離可能に分割した位置決め機構を用いて2枚の鋼板を位置決めすることが実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−287090号公報
【0004】
位置決め機構のテーブルに鋼板をクランプする場合、例えば、溶接線に沿った方向にばね力で押圧する押さえ部材を複数配置し、鋼板が複数の押さえ部材により押圧されることで溶接線方向に均一にクランプされるようにされる。押さえ部材にはばね力の調整が可能な機構(調整ねじ等)が設けられ、鋼板に反り等がある場合には、押さえ部材のばね力を個々に調整して溶接線方向のクランプが均一な状態になるように調整される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のクランプ装置では、押さえ部材を個々に調整することで鋼板の反り等があっても溶接線方向のクランプ状態が均一になるように調整されている。この場合、鋼板の固体差によりその都度調整を行なう必要があり、溶接線方向のクランプ状態を均一にするには、多大な労力と時間を要していた。
【0006】
クランプ状態が不均一になると、溶接状況にバラツキが生じて品質保持に影響を与えてしまう。このため、多大な労力と時間を要していても、クランプ状態を均一にする作業は無くすことができないものであった。溶接に限らず、切断や搬送等を行なう場合のクランプでも、クランプ状態が不均一になると、その後の加工品質や搬送精度に影響を及ぼしてしまう。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、多大な労力を要することなく鋼板のクランプ状態を均一にすることができる鋼板のクランプ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の鋼板のクランプ装置は、
空気圧力源からの空気が供給される均圧配管と、
均圧配管に複数接続され均圧配管からの空気が一斉に供給されて鋼板を押圧するピストンを備えた空気シリンダと
を備えたことを特徴とする。
【0009】
そして、請求項1に記載の鋼板のクランプ装置において、
複数の空気シリンダは、クランプ方向及び非クランプ方向に一斉に移動されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項1もしくは請求項2に記載の鋼板のクランプ装置において、
鋼板はテーラードブランク材となる薄板であり、複数の空気シリンダは突き合わせ溶接の溶接線に沿って均圧配管に接続されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の一実施形態例に係る鋼板のクランプ装置の概略構成を表す斜視状況、図2には本発明の一実施形態例に係る鋼板のクランプ装置の概略構成を表す断面を示してある。
【0012】
図に示すように、例えば、テーラードブランク材を得るためのアルミ合金等の鋼板1がテーブル2上に位置決めされて配置され、鋼板1の突き合わせ部(端部)の近傍の上面はクランプ装置3によって溶接線方向に均一に押し付けられている。
【0013】
クランプ装置3は溶接線方向に延びる本体4を備え、本体4は両端の昇降シリンダ5により昇降駆動される。本体4には複数(図中6個)の空気シリンダ6が設けられ、空気シリンダ6の駆動ロッド7の先端には鋼板1の上面を押さえる押さえ板8がそれぞれ取り付けられている。
【0014】
尚、空気シリンダ6の数は6個に限定されず、鋼板1の大きさ等により5個以下もしくは7個以上とすることが可能である。
【0015】
空気シリンダ6の駆動によりピストンとしてのピストンロッド7が図中下方向に押し付けられ、それぞれの押さえ板8が鋼板1の上面を押さえつけるように空気圧力が作用する。つまり、空気シリンダ6により同一の空気圧力を有する空気ばねが構成された状態になっている。
【0016】
空気圧力源としての空気ポンプ11及び空気タンク12を介して所定圧力の空気が供給される均圧配管13が設けられ、均圧配管13には空気シリンダ6がそれぞれ接続されている。つまり、6個の空気シリンダ6には均圧配管13からの空気が一斉に供給され、ピストンロッド7が図中下方向に押し付けられてそれぞれの押さえ板8により鋼板1の上面が均一な力で押さえつけられる。
【0017】
均圧配管13への空気の供給及び供給停止はバルブ14の開閉によって行なわれる。
【0018】
上記構成のクランプ装置3では、昇降シリンダ5の駆動により本体4が上方(非クランプ方向)に退避され、即ち、6個の空気シリンダ6が一斉に非クランプ方向に移動され、押さえ板8とテーブル2の間に鋼板1が位置決め搬入される。鋼板1が位置決めされた後昇降シリンダ5の駆動により本体4が下方(クランプ方向)に押し付け移動され、即ち、6個の空気シリンダ6が一斉にクランプ方向に移動され、押さえ板8により鋼板1の上面が押さえつけられる。
【0019】
昇降シリンダ5の駆動により本体4を一斉に昇降自在としたことにより、鋼板1の搬入・搬出を容易に行なうことができる。
【0020】
この状態でバルブ14を開いて均圧配管13に所定圧力の空気を供給すると、6個の空気シリンダ6には均圧配管13からの空気が一斉に供給され、ピストンロッド7が図中下方向に均一な空気圧力で押し付けられてそれぞれの押さえ板8により鋼板1の上面が均一な力で押さえつけられる。
【0021】
これにより、特別な労力を必要とせずに溶接線に沿って鋼板1が均一な力でクランプされ、鋼板1に反り等が生じていてもクランプ力にバラツキが生じることなく鋼板1を押さえつけることが可能になる。従って、後の溶接作業での溶接品質にクランプの影響が及ぶことがなくなる。
【0022】
上述した実施形態例は、溶接時のクランプを例に挙げて説明したが、切断作業のクランプや搬送等のクランプに適用することも可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明の鋼板のクランプ装置は、空気圧力源からの空気が供給される均圧配管と、均圧配管に複数接続され均圧配管からの空気が一斉に供給されて鋼板を押圧するピストンを備えた空気シリンダとを備えたので、多大な労力を要することなく鋼板のクランプ状態を均一にすることができる鋼板のクランプ装置とすることができる。
【0024】
そして、請求項1に記載の鋼板のクランプ装置において、複数の空気シリンダは、クランプ方向及び非クランプ方向に一斉に移動されるので、鋼板の搬入・搬出を容易に行なうことができる。
【0025】
また、請求項1もしくは請求項2に記載の鋼板のクランプ装置において、鋼板はテーラードブランク材となる薄板であり、複数の空気シリンダは突き合わせ溶接の溶接線に沿って均圧配管に接続されているので、テーラードブランク材における溶接作業での溶接品質にクランプの影響が及ぶことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る鋼板のクランプ装置の概略構成を表す斜視図図。
【図2】本発明の一実施形態例に係る鋼板のクランプ装置の概略構成を表す断面図。
【符号の説明】
1 鋼板
2 テーブル
3 クランプ装置
4 本体
6 空気シリンダ
7 ピストンロッド
11 空気ポンプ
12 空気タンク
13 均圧配管
14 バルブ

Claims (3)

  1. 空気圧力源からの空気が供給される均圧配管と、
    均圧配管に複数接続され均圧配管からの空気が一斉に供給されて鋼板を押圧するピストンを備えた空気シリンダと
    を備えたことを特徴とする鋼板のクランプ装置。
  2. 請求項1に記載の鋼板のクランプ装置において、
    複数の空気シリンダは、クランプ方向及び非クランプ方向に一斉に移動されることを特徴とする鋼板のクランプ装置。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載の鋼板のクランプ装置において、
    鋼板はテーラードブランク材となる薄板であり、複数の空気シリンダは突き合わせ溶接の溶接線に沿って均圧配管に接続されていることを特徴とする鋼板のクランプ装置。
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